JP2017171034A - ゴムクローラ - Google Patents

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Abstract

【課題】ラグの変形を抑止する芯金と抗張体との組付作業性を向上し得るゴムクローラを提供する。【解決手段】ゴムにより無端帯状に形成されたクローラ本体2、クローラ本体2に埋設された複数の芯金3及びクローラ本体2に埋設されかつクローラ周方向にのびる抗張体4を備えたゴムクローラ1である。クローラ本体2の外周面2aには、クローラ外周側coに突出する複数のラグ5が形成されている。各芯金3は、クローラ幅方向bにのびかつラグ4内に埋設される第1翼部3aと、第1翼部3aよりもクローラ内周側ciに隙間3eを隔ててクローラ幅方向bにのびる第2翼部3bとを一体に備えている。この隙間3eは、そのクローラ幅方向bの外側が開放されるとともに、隙間3eに、抗張体4が配されている。【選択図】図1

Description

本発明は、芯金と抗張体とで補強されたゴムクローラに関する。
従来、ゴムにより無端帯状に形成されたクローラ本体と、クローラ本体に埋設された複数の芯金と、クローラ本体に埋設された抗張体とを有するゴムクローラが知られている。クローラ本体には、走行時の駆動力や牽引力を伝達するために、クローラ外周側に突出する複数のラグが形成されている。
クローラ本体は、クローラ幅方向にのびる芯金の翼部と、クローラ周方向にのびる抗張体の張力とで補強されることにより、走行時、その形状が保持される。一方、抗張体よりもクローラ外周側に位置するラグは、走行時に接地することで大きく変形することがある。このラグの変形により、ラグの付け根付近には、亀裂が生じることがあった。そして、走行時にラグが繰り返し変形することで、このような亀裂は成長し、最終的にラグの破断に至るという問題があった。
例えば、下記特許文献1は、ラグの内部に、芯金を突出させたゴムクローラを提案している。特許文献1のゴムクローラは、ゴムであるラグの内部に、剛性の高い芯金の翼部を突出させることで、ラグの変形を抑止している。このゴムクローラは、芯金の開口部に抗張体を挿入することで、クローラ本体における抗張体の位置を一定にすることができ、抗張体の耐久性も向上している。
特開平11−198872号公報
しかしながら、上記特許文献1のゴムクローラは、製造時に芯金の開口部に抗張体を挿入しなければならず、その組付作業性が非常に悪いという問題があった。
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、ラグの変形を抑止する芯金と抗張体との組付作業性を向上し得るゴムクローラを提供することを主たる目的としている。
本発明は、ゴムにより無端帯状に形成されたクローラ本体、前記クローラ本体に埋設された複数の芯金及び前記クローラ本体に埋設されかつクローラ周方向にのびる抗張体を備えたゴムクローラであって、前記クローラ本体の外周面には、クローラ外周側に突出する複数のラグが形成され、前記各芯金は、クローラ幅方向にのびかつ前記ラグ内に埋設される第1翼部と、前記第1翼部よりもクローラ内周側に隙間を隔ててクローラ幅方向にのびる第2翼部とを一体に備えており、前記隙間は、そのクローラ幅方向の外側が開放されるとともに、前記隙間に、前記抗張体が配されていることを特徴とする。
本発明に係るゴムクローラにおいて、前記芯金は、前記第1翼部と前記第2翼部とを、それらのクローラ幅方向の略中間位置で連結する中央部を備え、前記隙間は、前記中央部の両側に形成されているのが望ましい。
本発明に係るゴムクローラにおいて、前記第1翼部と前記第2翼部とは、クローラ幅方向の最大長さが等しいのが望ましい。
本発明に係るゴムクローラにおいて、前記抗張体は、複数の金属コードであり、前記隙間のクローラ幅方向の長さは、挿入される前記金属コードの本数とそのコード径との積よりも、10〜15mm大きいのが望ましい。
本発明に係るゴムクローラにおいて、前記抗張体は、複数の金属コードであり、前記隙間の高さは、挿入される前記金属コードのコード径よりも、5〜10mm大きいのが望ましい。
本発明に係るゴムクローラにおいて、前記第1翼部から、前記ラグのクローラ外周側の端部までの前記ゴムの厚さは、前記ラグの高さの0.5〜0.8倍であるのが望ましい。
本発明に係るゴムクローラにおいて、前記第1翼部から、前記ラグのクローラ周方向の端面までの前記ゴムの厚さは、5〜10mmであるのが望ましい。
本発明のゴムクローラにおいて、各芯金は、クローラ幅方向にのびかつラグ内に埋設される第1翼部と、第1翼部よりもクローラ内周側に隙間を隔ててクローラ幅方向にのびる第2翼部とを一体に備えている。このような芯金は、第1翼部により、ラグの剛性を向上させ、走行時のラグの変形を抑止し得る。また、芯金の第2翼部は、一般的な芯金の翼部と同様、クローラ本体の形状を保持し得る。
本発明のゴムクローラにおいて、芯金に形成された前記隙間は、そのクローラ幅方向の外側が開放されるとともに、この隙間に、抗張体が配されている。このような隙間は、クローラ本体における抗張体の位置を一定にすることができ、製造工程におけるバラつきが減少するので、抗張体の耐久性を向上し得る。また、隙間は、クローラ幅方向の外側が開放されているので、そこに抗張体を挿入する組付作業性を向上させ得る。
本発明のゴムクローラの一実施形態を示す斜視図である。 ゴムクローラをクローラ外周側から示す平面図である。 芯金の斜視図である。 図2のA−A線の断面図である。 図2のB−B線の断面図である。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1は、本実施形態のゴムクローラ1を示す斜視図である。図1に示されるように、本実施形態のゴムクローラ1は、ゴムにより無端帯状に形成されたクローラ本体2、クローラ本体2に埋設された複数の芯金3及びクローラ本体2に埋設された抗張体4とを備えている。
本明細書において、クローラ周方向は、ゴムクローラ1の回転方向であり、図1の符号aで示される方向に相当する。また、クローラ幅方向は、ゴムクローラ1が車両に装着されるときの駆動輪、遊動輪及び転輪の軸方向であり、図1の符号bで示される方向に相当する。さらに、クローラ厚さ方向は、クローラ周方向及びクローラ幅方向に直交する方向であり、図1の符号cで示される方向に相当する。クローラ厚さ方向cのうち、無端帯状のゴムクローラ1の外側は、クローラ外周側coとされる。また、無端帯状のゴムクローラ1の内側は、クローラ内周側ciとされる。
図2は、ゴムクローラ1をクローラ外周側coから示す平面図である。図1及び図2に示されるように、本実施形態のクローラ本体2は、クローラ幅方向bに略一定の幅を有し、クローラ外周側coの外周面2aとクローラ内周側ciの内周面2bとを有している。クローラ本体2の外周面2aには、クローラ外周側coに突出する複数のラグ5が、クローラ周方向aに略等間隔に形成されているのが望ましい。
クローラ本体2は、例えば、ゴムクローラ1が車両に装着されたとき、クローラ本体2の内周面2bに、駆動輪、遊動輪及び転輪(図示省略)等が当接し、車両の駆動力がラグ5を介して接地面に伝達され得る機能を有している。このようなクローラ本体2を備えたゴムクローラ1は、舗装路においても、舗装路を傷つけるおそれが少なく、乗り心地も良好である。
ラグ5は、例えば、クローラ幅方向bにのびる略角錘台形状である。このようなラグ5は、大きな駆動力を伝達することができる。また、このようなラグ5は、その付け根付近の長さが大きいので、機械的強度を向上させることができる。
各芯金3は、例えば、鋼等の硬質な金属材料により形成されている。本実施形態の芯金3は、それぞれ、全体として細長い形状であり、一対の第1翼部3aと、一対の第2翼部3bと、中央部3cと、一対の突起部3dとを一体に備えている。
図3には、芯金3の斜視図が示されている。図3に示されるように、本実施形態の第1翼部3aは、クローラ幅方向bにのびており、第2翼部3bは、第1翼部3aよりもクローラ内周側ciに隙間3eを隔ててクローラ幅方向bにのびている。この隙間3eは、そのクローラ幅方向bの外側が開放されている。
第1翼部3aのクローラ周方向aの最大長さL1と、第2翼部3bのクローラ周方向aの最大長さL2とは、略等しいのが望ましい。また、一対の第1翼部3aのクローラ幅方向bの最大長さW1と、一対の第2翼部3bのクローラ幅方向bの最大長さW2とは、略等しいのが望ましい。一方、第1翼部3aの厚さt1は、第2翼部3bの厚さt2よりも大きいのが望ましい。このような第1翼部3aは、後述するように、ラグ5(図1に示す)内部に埋設され、ラグ5を強固に補強することができる。
中央部3cは、第1翼部3aと第2翼部3bとを、それらのクローラ幅方向bの略中間位置で連結している。本実施形態では、第1翼部3aと第2翼部3bとの間の隙間3eが、この中央部3cの両側に形成されている。このような中央部3cは、芯金3の剛性を高め、芯金3の変形を抑止し得るため、駆動輪からの駆動力を効率よく伝達することができる。
突起部3dは、中央部3cからクローラ内周側ciに突出しており、クローラ駆動輪、遊動輪及び転輪(図示省略)等を案内する機能を有している。突起部3dの形状としては、周知の種々の形状が採用され得る。
図1に示されるように、芯金3は、長手方向をクローラ幅方向bに向けて、クローラ本体2にクローラ周方向aに等間隔に埋設されているのが望ましい。このとき、第1翼部3aは、その一部が、ラグ5内に埋設されている。一方、第2翼部3bは、クローラ本体2の内部に埋設され、その形状を保持している。
このような芯金3は、第1翼部3aにより、ラグ5を補強し、走行時のラグ5の変形を抑止し得る。また、芯金3の第2翼部3bは、クローラ本体2の形状を保持し得る。したがって、芯金3は、クローラ本体2の形状を保持するとともに、第1翼部3aによりラグ5の変形を抑止できるので、駆動輪からの駆動力をより確実に伝達することができる。
図4は、図2のA−A線の断面図である。図4に示されるように、第1翼部3aから、ラグ5のクローラ外周側coの端部5aまでのクローラ本体2のゴムの厚さt3は、好ましくは、ラグ5の高さHの0.5〜0.8倍である。
ゴムの厚さt3がラグ5の高さHの0.5倍よりも小さいと、通常の使用状態において、早期に芯金3が露出するおそれがあり、乗り心地、振動及び騒音性能が大幅に悪化するおそれがある。また、ゴムの厚さt3がラグ5の高さHの0.8倍よりも大きいと、ラグ5の補強が不十分となり、ラグ5の駆動力を伝達する性能が向上しないおそれがある。
第1翼部3aから、ラグ5のクローラ周方向aの端面5bまでのクローラ本体2のゴムの厚さt4は、好ましくは、5〜10mmである。ゴムの厚さt4が5mmよりも小さいと、ラグ5の端面5bに生じた損傷が芯金3まで成長し易く、芯金3に錆等が発生するおそれがある。また、ゴムの厚さt4が10mmよりも大きいと、ラグ5の補強が不十分となり、ラグ5の駆動力を伝達する性能が向上しないおそれがある。
図5は、図2のB−B線の断面図である。図1、図4及び図5に示されるように、抗張体4は、例えば、クローラ周方向aにのびるスチールコード等の複数の金属コード4aである。抗張体4は、この金属コード4aがクローラ幅方向bに並べられて形成されるのが望ましい。抗張体4は、例えば、クローラ周方向aに巻き回されて、クローラ周方向aに連続してのびている。このような抗張体4は、ゴムクローラ1の張力を保持し、走行時のゴムクローラ1の脱輪を防止し得る。
抗張体4は、クローラ厚さ方向cにおいて、芯金3の第1翼部3aと第2翼部3bとの間の隙間3eに配されているのが望ましい。このような抗張体4は、この隙間3eにより、クローラ本体2における抗張体4のクローラ厚さ方向cの位置を一定にすることができるので、製造工程におけるバラつきが減少し、その耐久性を向上し得る。
芯金3の隙間3eは、そのクローラ幅方向bの外側が開放されているので、そこに抗張体4を挿入するのが容易であり、その組付作業性を向上させ得る。抗張体4の組付けは、芯金3の隙間3eに、金属コード4aが1本ずつ挿入されてもよいし、予め複数の金属コード4aをシート状に接続した抗張体4が挿入されてもよい。
図5に示されるように、芯金3の隙間3eのクローラ幅方向bの長さW3は、挿入される金属コード4aの本数Nとそのコード径dとの積(N×d)よりも、10〜15mm大きいのが好ましい。隙間3eの長さW3と金属コード4aの積(N×d)との差が10mmよりも小さいと、抗張体4が芯金3のクローラ幅方向bの外側にまで広がり、芯金3のクローラ幅方向bの外側に位置する金属コード4aの耐久性が大幅に悪化するおそれがある。隙間3eの長さW3と金属コード4aの積(N×d)との差が15mmよりも大きいと、芯金3の中央部3c及び突起部3dの剛性が低下するおそれがある。
芯金3の隙間3eの高さhは、挿入される金属コード4aのコード径dよりも、5〜10mm大きいのが好ましい。隙間3eの高さhと金属コード4aのコード径dとの差が5mmよりも小さいと、抗張体4を芯金3に挿入する組付作業性が悪化するおそれがある。隙間3eの高さhと金属コード4aのコード径dとの差が10mmよりも大きいと、クローラ本体2における抗張体4の位置にバラつきが生じ、抗張体4の耐久性が向上しないおそれがある。
上述の実施形態では、ラグ5が、クローラ幅方向bにのびる態様であったが、ラグ5の形状はこれに限定されるものではない。ラグ5は、例えば、クローラ幅方向bの略中間位置で分割されたものであってもよい。また、ラグ5は、例えば、クローラ周方向aに対し、ハの字状に傾斜した態様であってもよい。この場合であっても、第1翼部3aは、ラグ5内に埋設される形状であればよい。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施し得る。
1 ゴムクローラ
2 クローラ本体
2a 外周面
3 芯金
3a 第1翼部
3b 第2翼部
3e 隙間
4 抗張体
5 ラグ

Claims (7)

  1. ゴムにより無端帯状に形成されたクローラ本体、前記クローラ本体に埋設された複数の芯金及び前記クローラ本体に埋設されかつクローラ周方向にのびる抗張体を備えたゴムクローラであって、
    前記クローラ本体の外周面には、クローラ外周側に突出する複数のラグが形成され、
    前記各芯金は、クローラ幅方向にのびかつ前記ラグ内に埋設される第1翼部と、前記第1翼部よりもクローラ内周側に隙間を隔ててクローラ幅方向にのびる第2翼部とを一体に備えており、
    前記隙間は、そのクローラ幅方向の外側が開放されるとともに、前記隙間に、前記抗張体が配されていることを特徴とするゴムクローラ。
  2. 前記芯金は、前記第1翼部と前記第2翼部とを、それらのクローラ幅方向の略中間位置で連結する中央部を備え、
    前記隙間は、前記中央部の両側に形成されている請求項1に記載のゴムクローラ。
  3. 前記第1翼部と前記第2翼部とは、クローラ幅方向の最大長さが略等しい請求項1又は2に記載のゴムクローラ。
  4. 前記抗張体は、複数の金属コードであり、
    前記隙間のクローラ幅方向の長さは、挿入される前記金属コードの本数とそのコード径との積よりも、10〜15mm大きい請求項1ないし3のいずれかに記載のゴムクローラ。
  5. 前記抗張体は、複数の金属コードであり、
    前記隙間の高さは、挿入される前記金属コードのコード径よりも、5〜10mm大きい請求項1ないし4のいずれかに記載のゴムクローラ。
  6. 前記第1翼部から、前記ラグのクローラ外周側の端部までの前記ゴムの厚さは、前記ラグの高さの0.5〜0.8倍である請求項1乃至5のいずれかに記載のゴムクローラ。
  7. 前記第1翼部から、前記ラグのクローラ周方向の端面までの前記ゴムの厚さは、5〜10mmである請求項1乃至6のいずれかに記載のゴムクローラ。
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