JP6993749B1 - 布マスク - Google Patents

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Abstract

Figure 0006993749000001
【課題】好適なフィット性を有する布マスクを提供する。
【解決手段】表布と内布とを縫い合わせた布体と、布体の両サイドに取り付けられる一対の耳掛け紐と、を有する布マスクであって、前記布体の上辺側の縫い代である上辺縫い代は、前記表布と前記内布との間に挟まれており、前記上辺に略平行に2ライン以上縫われており、前記布体の上辺中央部には、前記布体の中央上端を内側に折り返して固定して形成された中央上端折り返し部が形成されており、前記布体の下辺側の縫い代である下辺縫い代は、前記表布と前記内布との間に挟まれており、前記下辺縫い代の縫い代中央部には、横方向に伸び縮みするゴムが取り付けられている布マスク。
【選択図】図1

Description

特許法第30条第2項適用 令和2年9月8日に複数の知人に対してサンプル品を配布
本発明は、洗って繰り返し使用可能な布マスクに関する。
近年、新型コロナウイルス感染症などの世界的な拡大や、花粉やPM2.5などの飛来を受けて、マスクを日常的に使用する人が増えている。マスクとしては、不織布などで作られた使い捨てマスクの需要も高いが、環境面などに配慮して、洗って繰り返し使用可能な布マスクの需要も高まっている。
繰り返し使用できる布マスクとしては、単に耐久性が使い捨てマスクより高く洗うことができるというだけではなく、保湿機能を高めるなど、使い捨てマスクより優れた機能性を求めたものも提案されている(特許文献1)。
しかしながら、従来のマスクは、たとえば会話などにおいて生じる顎を動かす動作により、マスクが顔の下にずり下がる問題がある。すなわち、新型コロナウイルス感染症防止などの要請から、マスクをした状態での会話が行われる機会が増加しているが、従来のマスクでは、会話などで大きく顎を動かす動作を行うと、顔の下方にマスクがずり下がって鼻全体が露出してくる問題がある。
特許6744651号明細書
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、好適なフィット性を有する布マスクを提供することである。
本発明に係る布マスクは、
表布と内布とを縫い合わせた布体と、
布体の両サイドに取り付けられる一対の耳掛け紐と、を有する布マスクであって、
前記布体の上辺側の縫い代である上辺縫い代は、前記表布と前記内布との間に挟まれており、前記上辺に略平行に2ライン以上縫われており、
前記布体の上辺中央部には、前記布体の中央上端を内側に折り返して固定して形成された中央上端折り返し部が形成されており、
前記布体の下辺側の縫い代である下辺縫い代は、前記表布と前記内布との間に挟まれており、前記下辺縫い代の縫い代中央部には、横方向に伸び縮みするゴムが取り付けられている。
本発明に係る布マスクは、上辺縫い代と下辺縫い代とが、表布と内布との間に挟まれており、縫い代の部分が外から見えないため、美しいシルエットを出しつつ、上辺縫い代と下辺縫い代の部分に優れた機能を奏する構造を付与している。たとえば、上辺縫い代は、上辺に略平行に2ライン以上縫われていることにより、上辺ののびを縫い糸が制限して、上辺に立体的なふくらみができるため、布体の上辺がマスク装着者の頬骨のラインに載りやすくなり、マスクの顔へのフィット感が向上するとともに、マスクのずれが抑制される。
また、下辺縫い代の縫い代中央部には、横方向に伸び縮みするゴムが取り付けれているため、布体の下辺が、マスク装着者の顎下のラインに沿ってフィットする。これにより、布体と内布とマスク装着者の口周りとの間に立体的な空間が形成され、口が動かしやすく、かつ、口の動きによってズレが生じにくいマスクを実現できる。また、口を大きく開けて顎を動かすようなマスク装着者の動きに対しても、布体の下辺が伸び縮みすることにより追従できるため、マスクが顎の動きによって下方にずれる問題を防止でき、好適なフィット感が維持される。
また、上辺中央部に形成される中央上端折り返し部は、布体が下方に引っ張られる動きが生じた場合にも、マスク装着者の鼻に引っ掛かり、布体が下方にずれる動きを防止できる。また、中央上端折り返し部付近の上辺がひさしの役割を果たし、マスク装着者の顔と布体の上辺との間の隙間を小さくすることができる。したがって、マスク装着者がメガネを掛けている場合であっても、メガネの曇りを防止できる。
また、たとえば、前記布体の上辺は、前記上辺縫い代の縫い糸により、1~10mmいせ込まれていてもよい。
布体の上辺が、上辺縫い代の縫い糸により所定長さいせ込まれていることにより、布体の上辺に、適度なふくらみおよび立体形状が形成される。これにより、布体の上辺の、マスク装着者の頬骨のラインに対する引っ掛かりが強くなり、マスクのズレが防止される。ただし、いせ込む量が多すぎると、マスク装着者の顔に対する布体の上辺の当りが強く感じられすぎる場合があり、装着感が低下する問題が生じ得る。
また、たとえば、前記表布の両サイドの縦辺中央部には、前記表布の表布縦辺に交差する方向へ延びる表布タックが形成されていてもよく、
前記内布の両サイドの縦辺中央部には、前記内布の内布縦辺に交差する方向へ延びる内布タックが形成されていてもよく、
前記表布タックと前記内布タックは、互いに折り返し方向が上下逆方向であってもよい。
表布タックと内布タックを形成することにより、布体の形状を、よりマスク装着者の顔のラインに沿う立体的な形状にすることができる。また、表布タックと内布タックとの折り返し方向を上下逆方向とすることにより、布体20の表裏方向の厚みが厚くなりすぎることを防止でき、タックによるひだの開閉もスムーズになる。
また、たとえば、前記布体の両サイドの縦辺には、ギャザーが形成されていてもよい。
布体の両サイドにギャザーを形成することにより、布体の形状を、よりマスク装着者の顔のラインに沿う立体的な形状にすることができる。また、布体の縦辺と、マスク装着者の顔との間にできる隙間を小さくすることができる。また、ギャザーの場合、折り目のくせ付けも必要ないため、繰り返し使用による形の変化も少ない。
また、たとえば、前記布体の両サイドの縦辺には、前記耳掛け紐を通す縦方向の挿通孔を形成するサイド布片が、それぞれ取り付けられており、
一対の前記耳掛け紐はそれぞれ、前記サイド布片の前記挿通孔を挿通してもよい。
縦辺にサイド布片を取付けてパイピングして、耳掛け紐を通すことにより、ギャザーが形成された縦辺が、耳掛け紐に沿って柔軟に変形できるため、顔の動きに合わせた布体の追従性が向上する。なお、耳掛け紐は、伸縮性のある紐(いわゆる洋裁などにおけるゴム紐)であることが好ましいが、特に限定されない。
また、たとえば、前記サイド布片は、前記縦方向に略平行な長手方向についてバイアス裁ちされた布片で構成されてもよい。
このようなサイド布片は、布体の縦辺の柔軟な伸び縮みを可能にするため、顔の動きに合わせた布体の追従性が向上する。
また、たとえば、前記内布は、麻布で構成されていてもよい。
このようなマスクは、適度な通気性を確保することができ、長時間装着しても快適である。また、内布を麻布とすることにより、布に腰がでるため、中央上辺折り返しの部による立体形状が、より好適に形成される。
図1は、本発明の一実施形態に係る布マスクの正面図である。 図2は、図1に示す布マスクの背面図である。 図3は、図1に示す布マスクの第1製造段階を示す正面図である。 図4は、図1に示す布マスクの第2製造段階を示す正面図である。 図5は、図1に示す布マスクの第2製造段階を示す背面図である。 図6は、図1に示す布マスクの第3製造段階を示す正面図である。 図7は、図1に示す布マスクの第3製造段階を示す背面図である。 図8は、図1に示す布マスクの第4製造段階を示す正面図である。 図9は、図1に示す布マスクの第4製造段階を示す背面図である。 図10は、図1に示す布マスクの一例を示す正面写真である。 図11は、図1に示す布マスクの一例を示す背面写真である。
図1および図2は、本発明の一実施形態に係る布マスク10の外観図である。図1は、布マスク10を表布40側から見た正面図であり、図2は、布マスク10を内布50側から見た背面図である。布マスク10は、内布50が、マスク装着者の顔側を向くようにして、両サイドの耳掛け紐70a、70bをマスク装着者の耳に掛けることにより、装着される。布マスク10を装着した状態では、マスク装着者の口周りや鼻孔周辺が、布マスク10の布体20により覆われる。
図1および図2に示すように、布マスク10は、表布40と内布50とを縫い合わせた布体20と、布体20の両サイドに取付けられる一対の耳掛け紐70a、70bと、耳掛け紐70a、70bを通す縦方向の挿通孔61a、61bを形成するサイド布片60a、60bとを有する。
完成したマスクにおける布体20の横方向の幅は、15~23cm程度、布体20の縦方向の幅は、11~19cm程度とすることができるが、マスク装着者の顔の大きさなどに合わせて、適宜調整することができる。表布40と内布50の材質は、特に限定されないが、内布50は、麻布で構成されることが好ましい。このような布マスク10は、適度な通気性が確保され、かつ、良好な肌触りを実現するとともに、繰り返し洗って使用できる良好な耐久性を有する。
表布40や内布50として使用する麻布としては、滋賀県近江麻の麻布が、きめが細かく好適である。また、近江麻は、抗菌性・防臭性に優れ、軽い生地で通気性も良く、このような麻布による布体20を有する布マスク10は、涼しい状態で長時間使用できる。表布40としては、麻布の他に、柄や色彩が豊富な綿布なども使用できる。
以下、布マスク10の製造方法を説明しつつ、布マスク10の特徴について詳細に述べる。
図3は、布マスク10の第1製造段階を示す正面図であり、布体20に使用する表布40の平面図である。図3は、裁断された後、縫う前の段階の表布40である。表布40は、両サイドの表布縦辺41a、41bおよび表布下辺が若干湾曲した略矩形の平面形状を有する。図4および図5で説明するように、表布の上側1cm程度と下側1cm程度は、縫い代として使用する。表布40には、表布タック(図4参照)42aを形成するための目印が、タック上位置46a、46bとタック下位置47a、47bに形成されていてもよい。
図3には、Mサイズの布マスク10の製造に使用する表布40の寸法を記入している。たとえば、表布の中央の縦方向の長さは、16.5cmプラス上下の縫い代1cmずつあり、表布の中央の横方向の長さは、20.8cmプラス左右縫い代1mmずつとすることができる。なお、図3における2点鎖線の外側の領域が、表布40における縫い代である。なお、内布50も、表布40と同様の形状であるため、内布50についての説明は省略する。
図4および図5は、布マスク10の第2製造段階を示す外観図であり、図4は布マスク10を表布40側から見た正面図であり、図5は布マスク10を内布50側から見た背面図である。図3に示す状態(第1製造段階)から、図4および図5に示す状態(第2製造段階)にするには、まず、縫い合わされる前の表布40と、縫い合わされる前の内布50に、タックを形成する。
図4に示すように、表布タック42a、42bは、表布40の両サイドの縦辺中央部41aa、41baに形成される。表布タック42a、42bは、表布40の表布縦辺41a、41bに交差する方向(横方向)へ延びる。表布タック42a、42bは、図3に示すタック上位置46a、46bとタック下位置47a、47bとを縫い合わせ、タック上位置46a、46bとタック下位置47a、47bの間に形成されるひだをくせ付けすることにより形成される。
なお、図3から理解できるように、タック上位置46a、46bの縫い合わせラインと、タック下位置47a、47bの縫い合わせラインとは、平行ではなく、布体20の横方向中央に向かって間隔が狭くなるように傾斜している。このように、表布タック42a、42bのひだの上下幅が、布体20の横方向中央に向かって狭くなるように傾斜されていることにより、布体20が立体的になり、マスク装着者の口や鼻孔の周りに、空間ができやすくなる。
表布タック42a、42bの横方向の縫い合わせ幅は3~4cm程度とすることができる。また、表布タック42a、42bの縫い合わせラインに挟まれる部分の上下幅は、表布縦辺41a、41bとの交差位置で約3cm程度、横方向中央側の端部で2.6cm程度とすることができる。
図5に示すように、内布タック52a、52bは、内布50の両サイドの縦辺中央部51aa、51baに形成される。内布タック52a、52bは、内布50の内布縦辺51a、51bに交差する方向(横方向)に延びる。内布タック52a、52bは、表布タック42a、42bと同様にして形成される。
ここで、図4と図5との比較から理解できるように、図4に示す表布タック42a、42bのひだは上向きであるのに対して、図5に示す内布タック52a、52bのひだは下向きである。このように、表布タック42a、42bと内布タック52a、52bは、互いに折り返し方向が上下逆方向である。これにより、縫い合わせた後の布体20の表裏方向の厚みが厚くなりすぎることを防止できる。
表布タック42a、42bおよび内布タック52a、52bを形成したのち、表布40と内布50とを縫い合わせて、布体20を形成する。この際、表布40と内布50とを図4および図5に示すように合わせて、布体20の上辺側の縫い代である上辺縫い代26と、布体20の下辺側の縫い代である下辺縫い代36にミシンをかけることで、布体20を形成する。なお、この段階で縫い合わされた表布40と内布50とは、表裏が逆方向である。すなわち、図4および図5に示す状態において、内布50に接する側の表布40の面が、最終製品で布体20の表面に露出する面となり、表布40に接する側の内布50の面が、最終製品で布体20の表面に露出する面となる。
図4および図5に示すように、上辺縫い代26は、布体20における完成した状態の上辺23(図1および図8参照)に略平行になるように、2ライン以上縫われる。すなわち、図4および図5に示す例では、上辺縫い代26には、縫い糸27a、27bの2ラインのミシンがかけられているのに対して、下辺縫い代36については、1ラインのミシンがかけられている。上辺縫い代26が2ライン以上縫われていることにより、上辺23(図1および図8参照)に立体的なふくらみができるため、布体20の上辺23が、マスク装着者の頬骨のラインに載りやすくなる。
なお、図4および図5に示すように、上辺縫い代26において、内側の縫い糸27bは、布端から約1cm程度の位置に縫われ、外側の縫い糸27aは、布端から約0.5cm程度の位置に縫われる。また、上辺縫い代26の縫い糸27a、27bをミシンで縫う場合は、縫い目の長さは粗め(粗ミシン)に設定するとよい。
さらに、上辺23は、上辺縫い代26の縫い糸27a、27bにより、1~10mmいせ込まれていることが好ましい。すなわち、上辺縫い代26の縫い糸27a、27bを引いて、上辺縫い代26およびその直下(外表にすると直上)に形成される上辺23を、たとえば3mm程度いせ込むことにより、上辺23に形成される立体感を調整することができる。
布体20の上辺23が、上辺縫い代26における粗めの縫い糸27a、27bによりいせ込まれていることにより、布体20の上辺23の、マスク装着者の頬骨のラインに対する引っ掛かりが強くなり、マスクのズレが防止される。ただし、いせ込む量が多すぎると、マスク装着者の顔に対する、布体20の上辺23の当りが強く感じられすぎる場合があるので、注意を要する。
上辺縫い代26をいせ込んだのち、下辺縫い代36にミシンをかける(縫い糸37a)。さらに、図5に示すように、下辺縫い代36における横方向の中央部である縫い代中央部36aには、横方向に伸び縮みするゴム38が取り付けられる。図5に示すように、ゴム38は、内布50側に取り付けられる方が、表布40側に取り付けられる場合より完成状態の仕上がりが美しくなる。
下辺縫い代36に取り付けられるゴムとしては、シャーリングテープなどが好ましいが、特に限定されない。図5に示す例では、幅約0.9cm、長さ約8cmのシャーリングテープの中央部分約6cmを8cmに引き延ばし、下辺縫い代36の中央部分の8cmの領域に縫い付けることにより、ゴム38を下辺縫い代36に対して取り付けている。これにより、図5に示すように、下辺縫い代36の縫い代中央部36a周辺の布体20には、ギャザーのような皺が形成される。なお、シャーリングテープを縫い付ける際、両側1cmを指で挟んで保持することにより、容易に中央部分を引き延ばした状態で下辺縫い代36に取り付けることができる。また、シャーリングテープの端部約1~1.5cmは、中央部分を縫い付けた後にカットされる。
図6および図7は、布マスク10の第3製造段階を示す外観図であり、図6は布マスク10を表布40側から見た正面図であり、図7は布マスク10を内布50側から見た背面図である。第3製造段階では、図6および図7に示すように、上辺縫い代26と下辺縫い代36とを折り返し、アイロンがけなどでくせ付けする。
図8および図9は、布マスク10の第4製造段階を示す外観図であり、図8は布マスク10を表布40側から見た正面図であり、図9は布マスク10を内布50側から見た背面図である。図5および図6に示す状態(第3製造段階)から、図7および図8に示す状態(第4製造段階)にするには、まず、表布40と内布50との裏表をひっくり返し、表布40と内布50との向き合う面を逆転させる。
すなわち、図4および図5に示す第2製造段階において、表布40と内布50とは、いわゆる中表(なかおもて)に合わせた状態で縫われており、図6および図7に示す第3製造段階までは、表布40と内布50とは、中表に合わせた状態になっている。また、図6および図7に示す第3製造段階では、表布40と内布50とは、上辺縫い代26と下辺縫い代36でのみ縫い付けられており、両サイドは縫われていない。そこで、図6および図7に示す状態で互いに接触している表布40および内布50の面を、いずれかの縦辺から引き出して、表布40と内布50との向き合う面を逆転させる。これにより、図8および図9に示すように、表布40と内布50とは、いわゆる外表(そとおもて)に合わせた状態となる。また、第2および第3製造段階で形成された上辺縫い代26および下辺縫い代36は、表布40と内布50との間に挟まれる形となり、外部からは見えなくなる。
次に、第4製造段階では、図8および図9に示すように、布体20の上辺23に沿って上端ミシン29をかけ、下辺33に沿って下端ミシン39をかけ、布体20の形を落ち着かせる。これにより、布体20の上辺23と下辺33とが形成される。さらに、図9に示すように、布体20の縦辺21aに沿って2ラインの縫い糸28a、28bをかけたのち、縫い糸28a、28bを引いて縦辺21aを寄せることにより、ギャザー22aを形成する。なお、2ラインの縫い糸28a、28bをミシンで縫う際、上辺縫い代26の縫い糸27a、27bと同様に、縫い目の長さを粗め(粗ミシン)に設定するとよい。また、縫い糸28a、28bをミシンで縫う際、布体20から両端2~3cmはみ出した部分を残してカットすることにより、ギャザーを形成する際、下糸を引き易い。この点、上述した上辺縫い代26の縫い糸27a、27bの下糸を引き、いせる際も同様である。
図8および図9に示す縦辺21bにも、縦辺21aと同様にして、2ラインの縫い糸28a、28bをミシンがけしたのち、縦辺21bを寄せることにより、ギャザー22bを形成する。これにより、布体20の両サイドの縦辺21a、21bには、図1および図2に示すようにギャザー22a、22bが形成される。なお、ギャザー22a、22bを形成することにより、縦辺21a、21bは、たとえば、6~9cm程度の長さ、または、寄せる前の50%~70%程度の長さにすることができる。また、縦辺21a、21bにギャザー22a、22bを形成する際、タック42a、42b、52a、52bの部分にはギャザーが形成されにくいが、タック以外の部分(タックの上下部分)にギャザーを形成すれば足り、タック部分にはギャザーによる皺が形成されていなくてもよい。
布体20の両サイドの縦辺21a、21bにギャザー22a、22bを形成したのち、布体20の両サイドの縦辺21a、21bには、耳掛け紐70a、70bを通す縦方向の挿通孔61a、61b(図2参照)を形成するサイド布片60a、60bを、それぞれ取り付ける。図8および図9に示すように、サイド布片60aは、長手方向60aaの長さが、ギャザー22aが形成された後の縦辺21aより長い長方形の形状を有する。
サイド布片60aは、図9に示すように、長細い筒状にして縦辺21aに仮止めした後、表布40と内布50とをサイドから布体20の厚さ方向に挟むように取り付けることにより、耳掛け紐70aを通す挿通孔61aを形成する。サイド布片60aを取り付ける際、サイド布片60aの上下の端部を、縦方向中央側に織り込んで縦辺21aとの長さを揃えることにより、図1および図2に示すような仕上がりとなる。
図8および図9には図示していないが、布体20の縦辺21bにも、縦辺21aと同様に、サイド布片60bを取り付ける。なお、サイド布片60a、60bは、縦方向に略平行な長手方向60aaについてバイアス裁ちされた布片で構成されることが好ましい。このようなサイド布片60a、60bは、縦方向に伸縮し易いため、布体20の動きを過度に制限しない。また、耳掛け紐70a、70b方向へのテンションを好適に調整できる。
サイド布片60a、60bにより挿通孔61a、61bを形成した後、一対の耳掛け紐70a、70bを、それぞれ、挿通孔61a、61bに挿通させることにより、耳掛け紐70a、70bが取り付けられる。耳掛け紐70a、70bは、伸縮性のあるゴム紐などとすることができるが、特に限定されない。図1および図2に示すように、布マスク10は、縦辺21a、21bにサイド布片60a、60bを取付けてパイピングした後、耳掛け紐70a、70bを通す。これにより、ギャザー22a、22bが形成された縦辺21a、21bが、耳掛け紐70a、70bおよびマスク装着者の顔のラインに沿って柔軟に変形できるため、顔の動きに合わせた布体20の追従性が向上する。
布マスク10の完成状態を示す図1および図2に示すように、布マスク10の製造方法では、最後に、図2に示すように布体20の中央上端25を内側に折り返し、中央上端25を内布50の面に縫い付けて固定する。これにより、布体20の上辺中央部23aに、中央上端折り返し部24を形成する。中央上端25の内側への折り返し幅は、たとえば4~20mm程度とすることができる。
図10および図11は、図1および図2に示す布マスク10の一例を示す写真であり、図10は布マスク10を表布40側から見た正面写真であり、図11は布マスク10の内布50側からみた背面写真である。図10および図11から理解できるように、布マスク10は、非常に立体的な構造を有する。これは、上述したように、布マスク10が、表布タック42a、42b、内布タック52a、52b、上辺23のいせ込み(図5参照)、下辺縫い代36のゴムシャーリングテープ(図5参照)、ギャザー22a、22b(図1参照)など、布体20を立体的にする各部の構造が有機的に結合していることによると考えられる。
図1、図2、図10および図11に示すように、布マスク10は立体的であるため、マスク装置者の口元と内布50との間に適度な隙間を形成することができるため、布マスク10を装着した状態で口が動かしやすく、また、会話による布マスク10のずれが少ない。また、布マスク10では、下辺縫い代36に取り付けられたゴム38により、布体20の下辺33が伸び縮みする。これにより、布マスク10は、マスク装着者が会話する際に生じる顎の動きに合わせて、布体20の下辺33が伸び縮みし、布マスク10の会話中におけるズレを防止できる。
また、上辺中央部23aに形成される中央上端折り返し部24は、布体20が下方に引っ張られる動きが生じた場合にも、マスク装着者の鼻に引っ掛かり、布体20が下方にずれる動きを防止できる。また、上辺23がいせられていること等により立体的であり、この上辺23が、中央上端25の折り返しによりマスク装着者の顔の方向を向くことにより、マスク装着者の頬骨のでっぱりに引っ掛かりやすくなっている。このように、布マスク10では、中央上端折り返し部24や、上辺23が、マスク装着者の顔のでっぱりに引っ掛かりやすくなっているため、布体20が下方にずれることを防止できる。
また、布マスク10では、中央上端折り返し部24付近の上辺23がひさしの役割を果たし、マスク装着者の顔と布体20の上辺23との間の隙間を小さくすることができる。したがって、布マスク10は、マスク装着者がメガネを掛けている場合であっても、メガネの曇りを防止できる。なお、布マスク10では、中央上端折り返し部24の下方に引っ掛ける形で、不織布やガーゼなどの使い捨ての布を、布マスク10の内側に容易にセットして装着できるため、より衛生的に使用することができる。その際、不織布マスクの耳掛け紐をカットしたものを、布マスク10の内側にセットすることも可能である。
また、布マスク10の縦辺21a、21bは、ギャザー22a、22bとタック22a、22b、32a、32bを組み合わせることにより、布体20を立体的にしている。これにより、布マスク10では、不織布マスクのような単純なプリーツ構造に比べて型崩れしにくく、耐久性が良好であり、繰り返しの使用に適している。
以上のように、実施形態を挙げて布マスク10の説明を行ってきたが、本発明の布マスクとしては、実施形態で説明したもののみには限定されず、多くの他の実施形態や変形例を含むことは言うまでもない。たとえば、実施形態で説明した製造方法では、ミシンを用いて布マスク10を縫製する方法を中心に説明したが、一部の工程を、手縫いや接着などの他の方法により行ってもよい。また、実施形態で示す布マスク10の布体20は2層構造であるが、3層以上の構造としても構わない。また、実施形態で示した寸法や材質は例示に過ぎず、本発明は、これらの数値範囲や材質のみには限定されない。
10…布マスク
20…布体
21a、21b…縦辺
22a、22b…ギャザー
23…上辺
23a…上辺中央部
24…中央上端折り返し部
25…中央上端
26…上辺縫い代
27a、27b、28a、28b、37a…縫い糸
29…上端ミシン
33…下辺
36…下辺縫い代
36a…縫い代中央部
38…ゴム
39…下端ミシン
40…表布
41a、41b…表布縦辺
41aa、41ba…縦辺中央部
42a、42b…表布タック
46a、46b…タック上位置
47a、47b…タック下位置
50…内布
51a、51b…内布縦辺
51aa、51ba…縦辺中央部
52a、52b…内布タック
60a、60b…サイド布片
61a、61b…挿通孔
60aa…長手方向
70a、70b…耳掛け紐

Claims (7)

  1. 表布と内布とを縫い合わせた布体と、
    布体の両サイドに取り付けられる一対の耳掛け紐と、を有する布マスクであって、
    前記布体の上辺側の縫い代である上辺縫い代は、前記表布と前記内布との間に挟まれており、前記上辺に略平行に2ライン以上縫われており、
    前記布体の上辺中央部には、前記布体の中央上端を内側に折り返して固定して形成された中央上端折り返し部が形成されており、
    前記布体の下辺側の縫い代である下辺縫い代は、前記表布と前記内布との間に挟まれており、前記下辺縫い代の縫い代中央部には、横方向に伸び縮みするゴムが取り付けられている布マスク。
  2. 前記布体の上辺は、前記上辺縫い代の縫い糸により、1~10mmいせ込まれている請求項1に記載の布マスク。
  3. 前記表布の両サイドの縦辺中央部には、前記表布の表布縦辺に交差する方向へ延びる表布タックが形成されており、
    前記内布の両サイドの縦辺中央部には、前記内布の内布縦辺に交差する方向へ延びる内布タックが形成されており、
    前記表布タックと前記内布タックは、互いに折り返し方向が上下逆方向であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の布マスク。
  4. 前記布体の両サイドの縦辺には、ギャザーが形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載の布マスク。
  5. 前記布体の両サイドの縦辺には、前記耳掛け紐を通す縦方向の挿通孔を形成するサイド布片が、それぞれ取り付けられており、
    一対の前記耳掛け紐はそれぞれ、前記サイド布片の前記挿通孔を挿通する請求項1から請求項4に記載の布マスク。
  6. 前記サイド布片は、前記縦方向に略平行な長手方向についてバイアス裁ちされた布片で構成される請求項5に記載の布マスク。
  7. 前記内布は、麻布で構成されることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれかに記載の布マスク。
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