JP6993612B2 - ガラス材及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光アイソレータ、光サーキュレータ、磁気センサ等の磁気デバイスを構成する磁気光学素子に好適なガラス材及びその製造方法に関する。
常磁性化合物である酸化テルビウムを含むガラス材は、磁気光学効果の一つであるファラデー効果を示すことが知られている。ファラデー効果とは、磁場中におかれた材料を通過する直線偏光の偏光面を回転させる効果である。このような効果は光アイソレータや磁界センサなどの磁気光学デバイスに利用されている。
ファラデー効果による旋光度(偏光面の回転角)θは、磁場の強さをH、偏光が通過する物質の長さをLとして、以下の式により表される。式中において、Vは物質の種類に依存する定数であり、ベルデ定数と呼ばれる。ベルデ定数は反磁性体の場合は正の値、常磁性体の場合は負の値となる。ベルデ定数の絶対値が大きいほど、旋光度の絶対値も大きくなり、結果として大きなファラデー効果を示す。
θ=VHL
従来、ファラデー効果を示すガラス材として、SiO-B-Al-Tb系のガラス材(特許文献1参照)、P-B-Tb系のガラス材(特許文献2参照)、あるいはP-TbF-RF(Rはアルカリ土類金属)系のガラス材(特許文献3参照)等が知られている。
特公昭51-46524号公報 特公昭52-32881号公報 特公昭55-42942号公報
上記のガラス材はある程度のファラデー効果を示すものの、近年、ますます磁気デバイスの小型化が進んでいることから、小さな部材でも十分な旋光度を示すよう、さらなるファラデー効果の向上が要求されている。ファラデー効果を大きくするためにはガラス材中のTb含有量を多くすることが有効であるが、その場合、使用波長(例えば300~1100nm)における光透過率が低下する傾向にあり、磁気光学デバイスの光取出し効率に劣るという問題がある。
以上に鑑み、本発明は、使用波長における高い光透過率を有するガラス材を提供することを目的とする。
本発明のガラス材は、モル%の酸化物換算で、Tb 5~40%を含有し、Sb及びAsを実質的に含有せず、全Tbに対するTb3+の割合が、モル%で55%以上であることを特徴とする。ガラス中の全Tb中のTb3+の割合が多いため、波長300~1100nmにおける光透過率に優れる。また、SbやAsなどの多価酸化物は、溶融中に酸素を発生させ、ガラス中に光を散乱する気泡が発生し、ガラスの光透過率を低下させるため、本発明のガラス材にはSbやAsを実質的に含有しない。ここで、「実質的に含有しない」とは、Sb及びAsを意図的にガラス中に添加しないという意味であり、不可避的不純物まで完全に排除するということを意味するものではない。より客観的には、不純物を含めたこれらの成分の含有量が、0.1%未満であるということを意味する。
本発明のガラス材は、モル%の酸化物換算で、Tb 25超~40%を含有することが好ましい。
本発明のガラス材は、さらに、モル%で、SiO 0~45%未満、B 0~25%未満、P 0~50%、SiO+B+P 0超~75%未満を含有することが好ましい。ここで、「SiO+B+P」とは、SiO、B及びPの含有量の合量を意味する。
本発明のガラス材は、さらに、モル%で、Al 0~75%未満を含有することが好ましい。
本発明のガラス材は、波長633nmにおいて光路長1mmでの光透過率が60%以上であることが好ましい。
本発明のガラス材は、ガラス転移点が650~1000℃であることが好ましい。
本発明のガラス材は、磁気光学素子として用いることができる。例えば、本発明のガラス材は、磁気光学素子の一種であるファラデー回転素子として用いることができる。上記の用途に用いることにより、本発明の効果が享受しやすい。
本発明のガラス材は、モル%の酸化物換算で、Tb 5~40%を含有し、Sb及びAsを実質的に含有せず、波長633nmにおいて光路長1mmでの光透過率が60%以上であることを特徴とする。
本発明のガラス材の製造方法は、上記のガラス材を製造するための方法であって、前駆体ガラスを不活性雰囲気または還元性雰囲気で熱処理をする工程を備えることを特徴とする。
既述の通り、Tbを含有する磁性材料において、Tb4+は波長300~1100nmの範囲で幅広い光吸収を持つため、光透過率低下の原因となる。そこで、一旦Tbを含有する前駆体ガラスを作製した後、当該前駆体ガラスを不活性雰囲気または還元性雰囲気で熱処理をすることにより、Tbを還元したり、あるいはTbの酸化を抑制することができる。結果として、ガラス材における全Tb中のTb3+の割合を高め、波長300~1100nmにおける光透過率を高めることが可能となる。
本発明のガラス材の製造方法において、前駆体ガラスを、(ガラス転移点-150℃)~(ガラス転移点+150℃)で熱処理することが好ましい。このようにすれば、前駆体ガラスの全TbにおけるTb3+の割合を効率良く高めることが可能となる。
本発明のガラス材の製造方法において、前駆体ガラスを650超~1000℃で熱処理することが好ましい。
本発明によれば、使用波長における高い光透過率を有するガラス材を提供することができる。
本発明のガラス材は、モル%の酸化物換算で、Tbを5~40%含有し、6~40%、7~40%、8~40%、15~40%、20~40%、25超~40%、30~40%、特に31~40%含有することが好ましい。Tbの含有量が少なすぎると、ファラデー効果が小さくなりやすい。一方、Tbの含有量が多すぎると、ガラス化しにくくなる。なお、ガラス中のTbは3価や4価の状態で存在するが、本発明ではこれら全てをTbとして表す。
本発明のガラス材において、全Tbに対するTb3+の割合は、モル%で55%以上であり、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、特に95%以上であることが好ましい。全Tbに対するTb3+の割合が少なすぎると、波長300~1100nmにおける光透過率が低下しやすくなる。
本発明のガラス材は、Sb及びAsを含有すると、ガラス中に光を散乱する気泡が発生しやすくなり、ガラスの透過率を低下させやすくなるため、Sb及びAsを実質的に含有しない。
本発明のガラス材には、Tb以外にも下記の成分を含有させることができる。なお、以下の各成分の含有量の説明において、特に断りのない限り「%」は「モル%」を意味する。
SiOはガラス骨格となり、ガラス化範囲を広げる成分である。また、ガラス転移点を高める成分である。ただし、ベルデ定数の向上に寄与しないため、その含有量が多すぎると十分なファラデー効果が得られにくくなる。従って、SiOの含有量は0~50%、0~45%未満、0~40%、0~30%、0~20%、特に1~9%であることが好ましい。
はガラス骨格となり、ガラス化範囲を広げる成分である。また、ガラスを安定化させる成分であり、ガラス材を熱処理する際に失透し難くなる。ただし、Bはベルデ定数の向上に寄与しないため、その含有量が多すぎると十分なファラデー効果が得られにくくなる。従って、Bの含有量は0~50%、0~40%、0~30%、0~25%未満、0~20%、特に1~9%であることが好ましい。
はガラス骨格となり、ガラス化範囲を広げる成分である。また、ガラスを安定化させる成分であり、ガラス材を熱処理する際に失透し難くなる。ただし、Pはベルデ定数の向上に寄与しないため、その含有量が多すぎると十分なファラデー効果が得られにくくなる。従って、Pの含有量は0~50%、0~40%、0~30%、0~25%未満、0~20%、特に1~9%であることが好ましい。
なお、SiO+B+Pの含有量は、0超~75%未満、2~74%、特に2~70%であることが好ましい。SiO+B+Pの含有量が少なすぎると、ガラス材を熱処理する際に失透しやすくなる。一方、SiO+B+Pの含有量が多すぎると、十分なファラデー効果が得られにくくなる。
Alはガラス骨格となり、ガラス化範囲を広げる成分である。また、ガラス転移点を高める成分である。ただし、Alはベルデ定数の向上に寄与しないため、その含有量が多すぎると十分なファラデー効果が得られにくくなる。従って、Alの含有量は0~75%未満、1~70%、3~60%、3~50%、3~40%、3~30%、3~20%、3~10%、特に3~7%であることが好ましい。
La、Gd、Y、Ybはガラス化を安定にする効果がある。ただし、その含有量が多すぎると、かえってガラス化しにくくなる。よって、La、Gd、Y、Ybの含有量は各々10%以下、特に5%以下であることが好ましい。
Dy、Eu、Ceはガラス化を安定にするとともに、ベルデ定数の向上にも寄与する。ただし、その含有量が多すぎると、かえってガラス化しにくくなる。よって、Dy、Eu、Ceの含有量は各々15%以下、特に10%以下であることが好ましい。なお、ガラス中に存在するDy、Eu、Ceは3価や4価の状態で存在するが、本発明ではこれら全てをそれぞれDy、Eu、Ceとして表す。
MgO、CaO、SrO、BaOはガラス化を安定し、また化学的耐久性を高める効果がある。ただし、ベルデ定数の向上に寄与しないため、その含有量が多すぎると十分なファラデー効果が得られにくくなる。従って、これらの成分の含有量は各々0~10%、特に0~5%であることが好ましい。
GeOはガラス形成能を高める成分である。ただし、GeOはベルデ定数の向上に寄与しないため、その含有量が多すぎると十分なファラデー効果が得られにくくなる。従って、GeOの含有量は0~15%、0~10%、特に0~9%であることが好ましい。
Gaはガラス形成能を高め、ガラス化範囲を広げる効果を有する。ただし、その含有量が多すぎると失透しやすくなる。また、Gaはベルデ定数の向上に寄与しないため、その含有量が多すぎると十分なファラデー効果が得られにくくなる。従って、Gaの含有量は0~6%、特に0~5%であることが好ましい。
フッ素はガラス形成能を高め、ガラス化範囲を広げる効果を有する。ただし、その含有量が多すぎると溶融中に揮発して組成変動を引き起こしたり、ガラス化に悪影響を及ぼすおそれがある。従って、フッ素の含有量(F換算)は0~10%、0~7%、特に0~5%であることが好ましい。
本発明のガラス材は、波長300~1100nmの範囲で良好な光透過性を示す。具体的には、波長633nmにおける光路長1mmでの透過率は60%以上であり、65%以上、70%以上、75%以上、特に80%以上であることが好ましい。また、波長532nmにおける光路長1mmでの透過率は30%以上、50%以上、60%以上、70%以上、特に80%以上であることが好ましい。さらに、波長1064nmにおける光路長1mmでの透過率は60%以上、70%以上、75%以上、特に80%以上であることが好ましい。
本発明のガラス材は、ガラス転移点が650~1000℃、670~950℃、特に700~900℃であることが好ましい。ガラス転移点が低すぎると、熱処理する際に失透しやすくなる。一方、ガラス転移点が高すぎると、熱処理してもガラス構造が変化しにくくなるためTbを十分に還元できず、全TbにおけるTb3+の割合が小さくなりやすい。
次に、本発明のガラス材の製造方法について説明する。本発明のガラス材の製造方法は、得られた前駆体ガラスを不活性雰囲気または還元性雰囲気で熱処理をする工程を備える。
前駆体ガラスは、目的の組成となるように原料を秤量し、十分に混合したものをガラス原料とし、それを800~1600℃で溶融し、融液を冷却することで得られる。なお、溶融手法に制限は無く、原料を白金坩堝に投入し、電気炉で加熱溶融しても良いし、原料塊を空中に浮遊させて保持した状態で、レーザー照射等により原料塊を加熱融解させる手法(無容器浮遊法)でも良い。なお、原料塊としては、例えば、原料粉末をプレス成型等により一体化したものや、原料粉末をプレス成型等により一体化した後に焼結させた焼結体や、目標ガラス組成と同等の組成を有する結晶の集合体等が挙げられる。
なお、溶融雰囲気に制限は無く、大気雰囲気でも良いが、全TbにおけるTb3+の割合を効果的に高める観点からは不活性雰囲気または還元性雰囲気が好ましい。使用する不活性ガスとしては、窒素、アルゴン、ヘリウム、二酸化炭素等が挙げられ、還元性ガスとしては、一酸化炭素、水素等が挙げられる。なお、還元性雰囲気は、安全性を考慮して、還元性ガスと不活性ガスの混合ガスを用いた雰囲気とすることが好ましい。全TbにおけるTb3+の割合を効果的に高める観点からは還元性雰囲気が好ましく、なかでも安全性の観点からは水素と不活性ガスの混合ガスの雰囲気であることが好ましい。
前駆体ガラスを作製する方法は、溶融して冷却する方法に限らず、例えばゾルゲル法によって作製しても良い。また、CVD(Chemical Vapor Deposition)法やPVD(Physical Vapor Deposition)法、PLD(Pulsed Laser Deposition)法など種々の薄膜作製手法によって作製しても良い。
次に、得られた前駆体ガラスを不活性雰囲気または還元性雰囲気で熱処理をする。使用する不活性ガスとしては、窒素、アルゴン、ヘリウム、二酸化炭素等が挙げられ、還元性ガスとしては、一酸化炭素、水素等が挙げられる。なお、還元性雰囲気は、安全性を考慮して、還元性ガスと不活性ガスの混合ガスを用いた雰囲気とすることが好ましい。全TbにおけるTb3+の割合を効果的に高める観点からは還元性雰囲気が好ましく、なかでも安全性の観点からは水素と不活性ガスの混合ガスの雰囲気であることが好ましい。
熱処理温度は、前駆体ガラスの(ガラス転移点-150℃)以上、特に(ガラス転移点-100℃)以上であることが好ましい。熱処理温度が低すぎると、全TbにおけるTb3+の割合を高める効果が得られにくくなる。一方、熱処理温度が高すぎると、失透しやすくなるため、(ガラス転移点+150℃)以下、特に(ガラス転移点-100℃)以下であることが好ましい。具体的には、熱処理温度は650超~1000℃、660~980℃、670~960℃、700~940℃、特に750~900℃であることが好ましい。なお、前駆体ガラスのガラス転移点は、上述したガラス材のガラス転移点と同等である。
熱処理時間は0.5時間以上、特に1時間以上であることが好ましい。熱処理時間が短すぎると、全TbにおけるTb3+の割合を高める効果が得られにくくなる。一方、熱処理時間の上限は特に限定されないが、長すぎてもさらなる効果が得られず、エネルギーロスにつながるため、100時間以下、50時間以下、特に10時間であることが好ましい。
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。
[実施例1]
(前駆体ガラスの作製)
まず、モル%でTb 20%、SiO 15%、Al 30%及びCaO 35%になるように調合したガラス原料を白金ルツボに入れ、1500℃で1時間溶融した。次に、溶融ガラスを金属板上に流し出し、冷却固化し、前駆体ガラス(ガラス転移点 748℃)を得た。なお、得られた前躯体ガラスは、茶色を呈しており、633nmにおける光透過率は55%であった。
(ガラス材の作製)
次に、前駆体ガラスを4%-H/N(体積%で、H 4%、N 96%の混合ガス)雰囲気中、800℃で3時間熱処理を行い、ガラス材を得た。得られたガラス材の全Tbに対するTb3+の割合が89%であり、633nmにおける光透過率は83%であった。
[実施例2]
(前駆体ガラスの作製)
まず、モル%でTb 30%、Al 60%及びB 10%になるように調合した原料をプレス成型し、1200℃で6時間焼結することによりガラス原料塊を作製した。次に、乳鉢中でガラス原料塊を粗粉砕し、0.5gの小片とした。得られたガラス原料塊の小片を用いて、無容器浮遊法によって前駆体ガラス(直径 約4mm、ガラス転移点 843℃)を作製した。なお、浮上ガスには乾燥空気を用い、熱源としては100W COレーザー発振器を用いた。
(ガラス材の作製)
前駆体ガラスを4%-H/N雰囲気中、830℃で3時間熱処理を行い、ガラス材を得た。得られたガラス材の全Tbに対するTb3+の割合が85%であり、633nmにおける光透過率は82%であった。
[実施例3]
(前駆体ガラスの作製)
まず、モル%でTb 39%、SiO 20%、B 24%、P 7%、Al 10%になるように調合した原料をプレス成型し、800℃で6時間焼結することによりガラス原料塊を作製した。次に、乳鉢中でガラス原料塊を粗粉砕し、0.5gの小片とした。得られたガラス原料塊の小片を用いて、無容器浮遊法によって前駆体ガラス(直径 約4mm、ガラス転移点 865℃)を作製した。なお、浮上ガスにはNガスを用い、熱源としては100W COレーザー発振器を用いた。
(ガラス材の作製)
前駆体ガラスを4%-H/N雰囲気中、860℃で10時間熱処理を行い、ガラス材を得た。得られたガラス材の全Tbに対するTb3+の割合が92%であり、633nmにおける光透過率は82%であった。
[比較例1]
実施例1にて作製した前駆体ガラスを大気雰囲気中、800℃で3時間熱処理を行い、ガラス材を得た。得られたガラス材の全Tbに対するTb3+の割合が45%であり、633nmにおける光透過率は43%と低かった。
[比較例2]
実施例1にて作製した前駆体ガラスを4%-H/N雰囲気中、500℃で3時間熱処理を行い、ガラス材を得た。得られたガラス材の全Tbに対するTb3+の割合が42%であり、633nmにおける光透過率は43%と低かった。
[比較例3]
実施例1にて作製した前駆体ガラスを4%-H/N雰囲気中、1100℃で3時間熱処理を行い、ガラス材を得た。得られたガラス材は、失透していた。
ガラス転移点は、マクロ型示差熱分析計を用いて測定した。具体的には、マクロ型示差熱分析計を用いて1000℃まで測定して得られたチャートにおいて、第一の変曲点の値をガラス転移点とした。
全Tbに対するTb3+の割合は、X線光電子分光分析装置(XPS)を用いて測定した。具体的には、得られたガラス材について、X線光電子分光分析装置を用いて測定された各Tbイオンのピーク強度比から、全Tbに対するTb3+の割合を算出した。
光透過率は分光光度計(島津製作所製UV-3100)を用いて測定した。具体的には、得られたガラス材を1mmの厚さとなるよう研磨加工し、波長300~1400nmでの透過率を測定することにより得た光透過率曲線から、波長633nmにおける光透過率を読み取った。なお、光透過率は反射も含んだ外部透過率である。

Claims (12)

  1. モル%の酸化物換算で、Tb 25%超~40%、P 1~50%、Ga 0~5%を含有し、Sb及びAsを実質的に含有せず、全Tbに対するTb3+の割合が、モル%で55%以上であることを特徴とするガラス材。
  2. さらに、モル%で、SiO 0~45%未満、B 0~25%未満、SiO+B+P 70%を含有することを特徴とする請求項1に記載のガラス材。
  3. さらに、モル%で、Al 0~70%を含有することを特徴とする請求項1または2に記載のガラス材。
  4. モル%で、Al 1~10%を含有することを特徴とする請求項3に記載のガラス材。
  5. 波長633nmにおいて光路長1mmでの光透過率が60%以上であることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載のガラス材。
  6. ガラス転移点が650~1000℃であることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載のガラス材。
  7. 磁気光学素子として用いられることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載のガラス材。
  8. ファラデー回転素子として用いられることを特徴とする請求項7に記載のガラス材。
  9. モル%の酸化物換算で、Tb 25%超~40%、P 1~50%、Ga 0~5%を含有し、Sb及びAsを実質的に含有せず、波長633nmにおいて光路長1mmでの光透過率が60%以上であることを特徴とするガラス材。
  10. 請求項1~9のいずれかに記載のガラス材を製造するための方法であって、
    前駆体ガラスを不活性雰囲気または還元性雰囲気で熱処理をする工程
    を備えることを特徴とするガラス材の製造方法。
  11. 前駆体ガラスを、(ガラス転移点-150℃)~(ガラス転移点+150℃)で熱処理することを特徴とする請求項10に記載のガラス材の製造方法。
  12. 前駆体ガラスを650超~1000℃で熱処理することを特徴とする請求項10または11に記載のガラス材の製造方法。
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