JP6993312B2 - 異材接合方法、異材接合継手、異材接合用補助部材付き管状部材及びその製造方法 - Google Patents

異材接合方法、異材接合継手、異材接合用補助部材付き管状部材及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、異材接合方法、異材接合継手、異材接合用補助部材付き管状部材及びその製造方法に関し、特に、自動車や鉄道車両等の輸送機器、建築物等の構造物に適用可能な異材接合方法、異材接合継手、異材接合用補助部材付き管状部材及びその製造方法に関する。
例えば、自動車等の輸送機器の燃費の向上を図るため、車体重量の軽量化が進められている。軽量化としては、現在主要となっている鋼を、軽量素材であるアルミニウム合金、マグネシウム合金、炭素繊維などに置換する手段がある。しかし、全てをこれら軽量素材に置換するには、高コスト化や強度不足になる、といった課題があり、その解決策として、鋼と軽量素材を適材適所に組み合わせた、いわゆるマルチマテリアルと呼ばれる設計手法が注目を浴びている。
鋼と上記軽量素材を組み合わせるには、必然的にこれらを接合する箇所が出てくる。鋼同士やアルミニウム合金同士、マグネシウム合金同士では容易である溶接が、異材では極めて困難であることが知られている。この理由として、鋼とアルミニウムあるいはマグネシウムの溶融混合部には極めて脆い性質である金属間化合物(IMC)が生成し、引張や衝撃といった外部応力で溶融混合部が容易に破壊してしまうことにある。このため、抵抗スポット溶接法やアーク溶接法といった溶接法が異材接合には採用できず、他の接合法を用いるのが一般的である。鋼と炭素繊維の接合も、後者が金属ではないことから溶接を用いることができない。
従来の異材接合技術の例としては、鋼素材と軽量素材の両方に貫通穴を設けてボルトとナットで該穴の両側から拘束する手段があげられる。また、他の例としては、かしめ部材を強力な圧力をかけて片側から挿入し、かしめ効果によって拘束する手段が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、鋼素材と軽量素材とを接合する部位としては、上記平板同士を接合する場合以外に、管状部材と平板とを接合する場合がある。
これに対し、特許文献2には、板状の鋼製部品の穴部にアルミパイプを挿通し、更にアルミパイプ内にゴムを挿入した状態で、ゴムの両端を圧縮してアルミパイプを拡大変形させ、鋼製部品にアルミパイプを接合する技術が開示されている。
また、特許文献3では、鋼製の壁の開口に筒状部材を挿入し、筒状部材の内部に配置された弾性体を軸方向に圧縮させて筒状部材を2段階で拡管して、筒状部材と壁とを接合している。
特開2002-174219号公報 特開2016-147309号公報 米国特許第4320568号公報
ところで、特許文献2や3に記載の接合方法の場合、鋼板部品には開口を予め形成する必要が生じると共に、接合現場において、ゴムや弾性体を有する接合装置が必要となり、現場での接合作業が煩雑となる可能性がある。
本発明は、上記事項に鑑みてなされたものであり、その目的は、異なる金属材料からなる部材を、低コストで簡便に、かつ確実に接合でき、広範囲な分野に適用できる異材接合方法、異材接合継手、異材接合用補助部材付き管状部材及びその製造方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成によって達成される。
(1) 第1の金属材料からなる管状の第1の部材と、該第1の金属材料と異なる第2の金属材料からなる第2の部材とを接合してなる異材接合方法において、
前記第1の金属材料と異なる第3の金属材料からなる管状の補助部材と、前記第1の部材のいずれか一方の内側部材の周囲に、前記補助部材と前記第1の部材のいずれか他方の外側部材を配置する工程と、
前記内側部材を拡管加工することにより、その周壁の一部を径方向外側に膨出して、前記第1の部材と前記補助部材とをかしめ結合する工程と、
前記補助部材と前記第2の部材とを溶接することで、前記補助部材を介して前記第1の部材と前記第2の部材とを接合する工程と、
を有する異材接合方法。
(2) 第1の金属材料からなる管状の第1の部材と、該第1の金属材料と異なる第2の金属材料からなり、前記第1の部材と接合される第2の部材と、を有する異材接合継手において、
前記第1の金属材料と異なる第3の金属材料からなる管状の補助部材を備え、
前記補助部材と前記第1の部材のいずれか一方である内側部材は、その周壁の一部が径方向外側に膨出する膨出部を有することで、前記補助部材と前記第1の部材のいずれか他方である外側部材とかしめ結合され、
前記補助部材と前記第2の部材とが溶接される異材接合継手。
(3) 金属材料からなる管状部材と、該管状部材の金属材料と異なる金属材料からなり、前記管状部材と嵌合する管状の補助部材と、を備える異材接合用補助部材付き管状部材であって、
前記補助部材と前記管状部材のいずれか一方の内側部材は、その周壁の一部が径方向外側に膨出する膨出部を有することで、前記補助部材と前記管状部材のいずれか他方の外側部材とかしめ結合される異材接合用補助部材付き管状部材。
(4) 金属材料からなる管状部材と、該管状部材の金属材料と異なる金属材料からなり、前記管状部材と嵌合する管状の補助部材と、を備える異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法であって、
前記補助部材と前記管状部材のいずれか一方の内側部材の周囲に、前記補助部材と前記管状部材のいずれか他方の外側部材を配置する工程と、
前記内側部材を拡管加工することにより、その周壁の一部を径方向外側に膨出して、前記管状部材と前記補助部材とをかしめ結合する工程と、を備える異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法。
本発明の異材接合方法及び異材接合継手によれば、管状の補助部材が管状の第1の部材と強固に結合されると共に、該補助部材と第2の部材とが溶接により接合されるので、異なる金属材料からなる第1の部材と第2の部材とを、補助部材を介して間接的に接合することができる。
また、第1の部材に対する補助部材の取り付け位置に応じて、第1の部材の任意の位置に、第2の部材を接合することができる。
さらに、管状の第1の部材と補助部材とを予め結合しておけば、補助部材と第2の部材とを一般的な溶接方法で容易に接合することができる。
したがって、本発明は、異なる金属材料からなる部材を、低コストで簡便に、かつ確実に接合でき、広範囲な分野に適用できる。
また、本発明の異材接合用補助部材付き管状部材及びその製造方法によれば、管状の補助部材が管状部材と強固に結合されているので、管状部材と、該管状部材と異なる金属材料からなる部材とを、補助部材を介して間接的に接合することができる。
また、管状部材に対する補助部材の取り付け位置に応じて、管状部材の任意の位置に、管状部材と異なる金属材料からなる部材を接合することができる。
したがって、本発明は、異なる金属材料からなる部材を、低コストで簡便に、かつ確実に接合でき、広範囲な分野に適用できる。
本発明の第1実施形態に係る異材接合継手を示す斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る異材接合方法の各工程を示す斜視図である。 第1実施形態に係る異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法において拡管工程を示す斜視図である。 第1実施形態に係る異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法において拡管工程に使用される金属球及び受座を示す斜視図である。 第1実施形態に係る異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法において拡管工程を示す断面図である。 拡管前及び拡管後における図5のVIa-VIa線、及びVIb-VIb線での断面図である。 本発明の第2実施形態に係る異材接合用補助部材付き管状部材の斜視図である。 第2実施形態に係る異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法において拡管前及び拡管後における角型ビット部材と押出部材の斜視図である。 第2実施形態に係る異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法において拡管工程に使用される角型ビット部材及び受座を示す斜視図である。 第2実施形態に係る異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法において拡管工程を示す断面図である。 拡管前及び拡管後における図10のXIa-XIa線、及びXIb-XIb線での断面図である。 第2実施形態の第1変形例に係る異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法において拡管前及び拡管後における円型ビット部材と押出部材の斜視図である。 第2実施形態の第1変形例に係る異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法において拡管工程に使用される円型ビット部材及び受座を示す斜視図である。 第2実施形態の第2変形例に係る異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法において、拡管工程を示す、パイプ、補助部材、ビット部材及び押出部材の横断面図である。 第2実施形態の第3変形例に係る異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法において、拡管工程を示す、パイプ、補助部材、ビット部材及び押出部材の横断面図である。 第2実施形態の第4変形例に係る異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法において、拡管工程を示す、パイプ、補助部材、ビット部材及び押出部材の横断面図である。 第2実施形態の第5変形例に係る異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法において、拡管工程を示す、パイプ、補助部材、ビット部材及び押出部材の横断面図である。 第2実施形態の第6変形例に係る異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法において、拡管工程を示す、パイプ、補助部材、ビット部材及び押出部材の横断面図である。 本発明の第3実施形態に係る異材接合継手を示す斜視図である。 本発明の第3実施形態に係る異材接合方法の各工程を示す斜視図である。 第3実施形態に係る異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法において拡管工程を示す斜視図である。 第3実施形態に係る異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法において拡管工程を示す断面図である。 拡管前及び拡管後における図18のXXIXa-XXIXa線、及びXXIXb-XXIXb線での断面図である。 本発明の第4実施形態に係る異材接合方法に用いる筒状拡管部材を示す斜視図である。 第4実施形態の異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法の拡管加工において、膨出部が形成される前の状態を示す上面図及び側面図である。 第4実施形態の異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法の拡管加工において、膨出部が形成された後の状態を示す上面図及び側面図である。 第4実施形態の第1変形例に係る異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法の拡管加工において、膨出部が形成される前の状態を示す断面図である。 第4実施形態の第1変形例に係る異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法の拡管加工において、膨出部が形成された後の状態を示す断面図である。 第4実施形態の第2変形例に係る異材接合方法の各工程、及び異材接合継手を示す斜視図である。 本発明の第5実施形態に係る異材接合方法を示す斜視図である。 図25のXXVI-XXVI線に沿った筒状拡管部材の要部斜視図である。 第5実施形態の異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法の拡管加工において、膨出部が形成される前の状態を示す図25のXXVII-XVII線に沿った断面図である。 第5実施形態の異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法の拡管加工において、膨出部が形成された後の状態を示す図25のXXVII-XXVII線に沿った断面図である。 本発明の第6実施形態に係る異材接合継手を示す斜視図である。 本発明の第6実施形態に係る異材接合方法の各工程を示す斜視図である。 第6実施形態に係る異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法において拡管工程を示す斜視図である。 第6実施形態に係る異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法において拡管工程に使用される金属球及び受座を示す斜視図である。 第6実施形態に係る異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法において拡管工程を示す断面図である。 拡管前及び拡管後における図32のXXXIIIa-XXXIIIa線、及びXXXIIIb-XXXIIIb線での断面図である。 第6実施形態の変形例に係る異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法において拡管工程を示す断面図である。 拡管前及び拡管後における図34のXXXVa-XXXVa線、及びXXXVb-XXXVb線での断面図である。 第6実施形態の変形例に係る異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法において拡管工程に使用される金属球及び受座を示す斜視図である。 本発明の第7実施形態に係る異材接合用補助部材付き管状部材の斜視図である。 第7実施形態に係る異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法において拡管工程を示す断面図である。 拡管前及び拡管後における図38のXXXIXa-XXXIXa線、及びXXXIXb-XXXIXb線での断面図である。 第7実施形態に係る異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法において拡管工程に使用される角型ビット部材及び受座を示す斜視図である。 第7実施形態の第1変形例に係る異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法において、拡管工程を示す、パイプ、補助部材、ビット部材及び押出部材の横断面図である。 第7実施形態の第2変形例に係る異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法において、拡管工程を示す、パイプ、補助部材、ビット部材及び押出部材の横断面図である。 第7実施形態の第3変形例に係る異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法において、拡管工程を示す、パイプ、補助部材、ビット部材及び押出部材の横断面図である。 第7実施形態の第4変形例に係る異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法において、拡管工程を示す、パイプ、補助部材、ビット部材及び押出部材の横断面図である。 第7実施形態の第5変形例に係る異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法において、拡管工程を示す、パイプ、補助部材、ビット部材及び押出部材の横断面図である。 第8実施形態の異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法の拡管加工において、膨出部が形成される前の状態を示す上面図及び側面図である。 第8実施形態の異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法の拡管加工において、膨出部が形成された後の状態を示す上面図及び側面図である。 第8実施形態の第1変形例に係る異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法の拡管加工において、膨出部が形成される前の状態を示す断面図である。 第8実施形態の第1変形例に係る異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法の拡管加工において、膨出部が形成された後の状態を示す断面図である。 本発明の第9実施形態に係る異材接合方法を示す斜視図である。 第9実施形態の異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法の拡管加工において、膨出部が形成される前の状態を示す図45のXLVI-XLVI線に沿った断面図である。 第9実施形態の異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法の拡管加工において、膨出部が形成された後の状態を示す図45のXLVI-XLVI線に沿った断面図である。 本発明の第10実施形態に係る異材接合継手を示す斜視図である。 本発明の第10実施形態に係る異材接合方法の各工程を示す斜視図である。 第10実施形態に係る異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法において拡管工程を示す斜視図である。 第10実施形態に係る異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法において拡管工程を示す断面図である。 拡管前及び拡管後における図50のLIa-LIa線、及びLIb-LIb線での断面図である。 第11実施形態に係る異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法において拡管工程を示す斜視図である。 第11実施形態に係る異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法において拡管工程を示す断面図である。 本発明の第1変形例に係る、パイプの周囲に補助部材が配置された異材接合補助部材付き管状部材の斜視図である。 本発明の第2変形例に係る、パイプの内側に補助部材が配置された異材接合補助部材付き管状部材の斜視図である。 本発明の第3変形例に係る、パイプの周囲に補助部材が配置された異材接合補助部材付き管状部材の斜視図である。 本発明の第4変形例に係る、パイプの内側に補助部材が配置された異材接合補助部材付き管状部材の斜視図である。 本発明の第5変形例に係る、パイプの周囲に補助部材が配置された異材接合継手を示す斜視図である。 本発明の第6変形例に係る、パイプの内側に補助部材が配置された異材接合継手を示す斜視図である。 本発明の第7変形例に係る、パイプの周囲に補助部材が配置された異材接合継手を示す斜視図である。 本発明の第8変形例に係る、パイプの内側に補助部材が配置された異材接合継手を示す斜視図である。 本発明の第9変形例に係る、パイプの周囲に補助部材が配置された異材接合継手を示す斜視図である。 本発明の第10変形例に係る、パイプの内側に補助部材が配置された異材接合継手を示す斜視図である。 本発明の第11変形例に係る、パイプの周囲に補助部材が配置された異材接合継手を示す斜視図である。 本発明の第12変形例に係る、パイプの内側に補助部材が配置された異材接合継手を示す斜視図である。 本発明の第13変形例に係る、パイプの周囲に補助部材が配置された異材接合継手を示す斜視図である。 本発明の第14変形例に係る、パイプの内側に補助部材が配置された異材接合継手を示す斜視図である。 本発明の第15変形例に係る異材接合用補助部材付き管状部材の斜視図である。 本発明の第16変形例に係る異材接合方法により製造された異材接合継手の断面図である。 本発明の第17変形例に係る異材接合方法、及び異材接合継手を示す断面図である。 本発明の第18変形例に係る異材接合用補助部材付き管状部材を示す断面図である。 本発明の第19変形例に係る異材接合用補助部材付き管状部材を示す斜視図である。 本発明の第19変形例に係る異材接合方法、及び異材接合継手を示す斜視図である。 本発明の、パイプの周囲に補助部材が配置された異材接合継手が適用される自動車用のシートフレームを示す斜視図である。 本発明の、パイプの内側に補助部材が配置された異材接合継手が適用される自動車用のシートフレームを示す斜視図である。
以下、本発明の各実施形態に係る異材接合方法、異材接合継手、異材接合用補助部材付き管状部材及びその製造方法について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下に示す第1~第5実施形態は、第1の部材であるパイプ1を本発明の内側部材とし、補助部材3を本発明の外側部材とする形態を示したものであり、第6~第11実施形態は、第1の部材であるパイプ1を本発明の外側部材とし、補助部材3を本発明の内側部材とする形態を示したものである。
(第1実施形態)
第1実施形態の異材接合方法は、アルミニウム合金又はマグネシウム合金(第1の金属材料)からなる円管状のパイプ(第1の部材、管状部材)1と、鋼製(第2の金属材料)からなる平板状の板材(第2の部材)2とを、鋼製(第3の金属材料)からなる円管状の補助部材3を用いて間接的に接合し、図1に示すような異材接合継手10を得るものである。このため、異材接合継手10では、以下詳述するように、補助部材3がパイプ1と強固に結合されていると共に、補助部材3と板材2とがアーク溶接等により接合されている。
補助部材3は、パイプ1の端部に外嵌して取り付けられている。このため、補助部材3の内径は、パイプ1の外径より僅かに大きく設計されている。また、補助部材3は、円周方向に所定の間隔で複数の貫通穴(本実施形態では、3つ)3aが形成されている。
パイプ1は、補助部材3の複数の貫通穴3aに臨む周壁の一部が径方向外側に膨出し、複数の貫通穴3aに対して嵌入される複数の膨出部1aを有し、これによって、補助部材3とかしめ結合されている。したがって、膨出部1aの基部は、補助部材3の内周面と貫通穴3aとの縁部全周に亘って接触しており、補助部材3は、パイプ1に対して軸方向に位置決めされると共に、回り止めされている。
そして、板材2と、該板材2の平面に載置された補助部材3の端部との隅部には、アーク溶接によって溶接金属Wが形成され、板材2と補助部材3が強固に接合されている。
このような異材接合継手10は、図2に示すように、まず、円筒状のパイプ1と、複数の貫通穴3aが形成された補助部材3と、を用意する。補助部材3の複数の貫通穴3aは、管状のブランク部材に対して図示しないパンチ等を用いて穿設される。なお、複数の貫通穴3aは、図1,2に示すような円形に限らず、多角形など他の形状であってもよい。
そして、この補助部材3を、パイプ1の周囲に配置し、図3に示すように、複数(本実施形態では3つ)の金属球(玉)31と押出部材40とを用いたパイプ1の拡管加工により、複数の貫通穴3aに臨むパイプ1の周壁の一部を径方向外側に膨出させ、パイプ1と補助部材3とをかしめ結合する。
このかしめ結合は、図5に示すように、パイプ1と、パイプ1の周囲に配置される補助部材3とを載置する受座35を用いて行われる。受座35は、図4に示すように、パイプ1及び補助部材3が載置される支持面33、34から突出する円筒状の支持軸部36を有し、支持軸部36の周囲にパイプ1が外嵌される。受座35は、パイプ1を支持する支持面33が、補助部材3を支持する支持面34よりも高くなるように、支持軸部36の外周面が基部側で大径となる段付き形状に形成されている。また、支持軸部36の周壁には、受座35に支持された補助部材3の複数の貫通穴3aと同じ高さの位置に、複数の金属球31を移動可能に保持する複数(本実施形態では3つ)の穴32が円周方向に等間隔に設けられている。これにより、3つの金属球31は、パイプ1の周囲に配置された補助部材3の複数の貫通穴3aと同じ高さの位置に配置される。なお、支持軸部36の径方向の肉厚は、金属球31の半径よりも大きい方が金属球31を保持するために好ましい。また、図示しないが、穴32の外径側開口部は、金属球31が落下しないように形成されることが好ましい。さらに、支持軸部36の内径は、後述の押出部材40が挿入される際に、押出部材40と干渉しないように設計される。
受座35に配置されたパイプ1の内部には、押出部材40が配置される。押出部材40は、受座35の支持軸部36の上に載置されており、不図示のプレス装置などに連結され、下方に向かって強大な荷重を付与可能となっている。
押出部材40の下部には、錐状(本実施形態では、三角錐)に形成された当接部41を有する。当接部41は、三角錐の3辺となる位置に、軸方向に沿って中心軸から徐々に離間する複数(本実施形態では3つ)の溝状の凹面42を有する。凹面42は、金属球31の半径に応じた曲率を有し、軸方向に沿って中心軸から徐々に離間するにつれて、円弧長さを長くしている。また、押出部材40の当接部41は、3つの凹面42をそれぞれテーパ面で結ぶように構成される。
これにより、押出部材40が軸方向に変位する際、3つの金属球31は各凹面42とそれぞれ面接触し、凹面42により金属球31が円周方向にずれるのを防止できるので、確実に補助部材3の貫通穴3aに向けて外側に金属球31を押し出すことができる。
したがって、拡管加工では、まず、受座35の支持面33、34にパイプ1及び補助部材3がそれぞれ配置される。この際、補助部材3は、受座35の穴32内に保持された3つの金属球31が、補助部材3の貫通穴3aに臨むように位相合わせして配置される。
そして、押出部材40を、パイプ1の上方より挿入し、3つの凹面42を3つの金属球31と当接させる。そして、押出部材40を強大な押圧力で軸方向に沿って下降させると、当接部41が受座35の支持軸部36の中空部内に進入しながら3つの金属球31を押圧する。金属球31は3つの凹面42によって径方向外側へと互いに離間するように支持軸部36の穴32内を移動する。この金属球31の移動により、パイプ1の周壁の一部が補助部材3の貫通穴3aに嵌入することで膨出部1aが形成され、パイプ1と補助部材3とがかしめ結合される。その後、押出部材40を上方に退避させてパイプ1から抜き出し、さらに、パイプ1と補助部材3からなる接合体(異材接合用補助部材付き管状部材)4を、受座35から抜き出す。その際、金属球31がパイプ1の膨出部1aから抜け出される。
また、受座35に支持されたパイプ1と補助部材3とは、高さの異なる支持面33、34に支持されているので、補助部材3の軸方向端部3fがパイプ1の軸方向端部1fから延出するようにして、パイプ1と補助部材3とはかしめ結合される。
なお、押出部材40の当接部41は、本実施形態のように溝状の凹面42に限定されるものでなく、複数の金属球31と当接する当接部を有し、該当接部が軸方向に沿って中心軸から徐々に離間するものであればよい。これにより、押出部材40が軸方向に変位することで、複数の金属球31をパイプ1の径方向外側へ移動させることができるものであればよい。
その後、図2に戻って、接合体4の補助部材3と、板材2とがアーク溶接等により接合される。このアークによるすみ肉溶接は、鋼同士の溶接であるので、金属間化合物を生じることなく、強固に接合される。図2中、符号23は、溶接トーチを表している。
この場合、パイプ1と補助部材3とは、補助部材3の軸方向端部3fがパイプ1の軸方向端部1fから延出するように接合されているので、アーク溶接の際に溶接金属Wがアルミニウム合金又はマグネシウム合金からなるパイプ1に達するのを防止することができる。
なお、補助部材3の肉厚は、上述したパイプ1を拡管加工する際に、補助部材3が変形しないように設定されている。
また、本実施形態では、パイプ1をアルミニウム合金又はマグネシウム合金とし、板材2と補助部材3とを鋼製としているが、板材2と補助部材3の金属材料がパイプ1の金属材料と異なるものであればよく、各部材の金属材料はこれに限定されない。例えば、板材2と補助部材3の金属材料は、金属間化合物を生じることなく、融接を用いて互いに接合可能な材料であればよい。また、板材2と補助部材3の鋼製の組成は、互いに同一であっても異なるものであってもよい。
また、パイプ1が鋼製、板材2がアルミニウム合金又はマグネシウム合金である場合には、補助部材3は、パイプ1の金属材料と異なる金属材料であればよく、例えば、板材2と同じ金属材料であるアルミニウム合金又はマグネシウム合金としてもよい。
以上説明したように、本実施形態の異材接合方法によれば、管状のパイプ1をアルミニウム合金又はマグネシウム合金からなるとし、平板状の板材2を鋼製からなるとした場合、鋼製からなり、貫通穴3aが形成された管状の補助部材3を、パイプ1の周囲に配置する工程と、パイプ1を拡管加工することにより、その周壁の一部を径方向外側に膨出して貫通穴3aに対して嵌入させ、パイプ1と補助部材3とをかしめ結合する工程と、補助部材3と板材2とを溶接することで、補助部材3を介してパイプ1と板材2とを接合する工程と、を備える。
また、本実施形態の異材接合継手10によれば、アルミニウム合金又はマグネシウム合金からなる管状のパイプ1と、鋼製からなり、パイプ1と接合される平板状の板材2と、鋼製からなり、貫通穴3aが形成される管状の補助部材3と、を備え、パイプ1は、その周壁の一部が径方向外側に膨出して貫通穴3aに対して嵌入される膨出部1aを有することで、補助部材3とかしめ結合され、かつ、補助部材3と板材2とが溶接される。
これにより、管状の補助部材3が管状のパイプ1と強固に結合されると共に、該補助部材3と板材2とが溶接により接合されるので、異なる金属材料からなるパイプ1と板材2とを、補助部材3を介して間接的に接合することができる。
また、パイプ1に対する補助部材3の取り付け位置に応じて、パイプ1の任意の位置に、板材2を接合することができる。
さらに、管状のパイプ1と補助部材3とを予め結合しておけば、補助部材3と板材2とを一般的な溶接方法で容易に接合することができる。
したがって、本実施形態は、異なる金属材料からなるパイプ1と板材2とを、低コストで簡便に、かつ確実に接合でき、広範囲な分野に適用できる。
また、本実施形態の異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法によれば、アルミニウム合金又はマグネシウム合金からなる管状のパイプ1と、鋼製からなり、パイプ1の周囲に配置される管状の補助部材3と、を備え、貫通穴3aが形成された管状の補助部材3を、パイプ1の周囲に配置する工程と、パイプ1を拡管加工することにより、その周壁の一部を径方向外側に膨出して貫通穴3aに対して嵌入させ、パイプ1と補助部材3とをかしめ結合する工程と、を備える。
また、本実施形態の異材接合用補助部材付き管状部材によれば、アルミニウム合金又はマグネシウム合金からなる管状部材と、鋼製からなり、パイプ1の周囲に配置される管状の補助部材3と、を備え、補助部材3には、貫通穴3aが形成され、パイプ1は、その周壁の一部が径方向外側に膨出して貫通穴3aに対して嵌入されてなる膨出部1aを有する。
これにより、管状の補助部材3がパイプ1と強固に結合されているので、パイプ1と、該パイプ1と異なる金属材料からなる板材2とを、補助部材3を介して間接的に接合することができる。
また、パイプ1に対する補助部材3の取り付け位置に応じて、パイプ1の任意の位置に、パイプ1と異なる金属材料からなる板材2を接合することができる。
したがって、本実施形態は、異なる金属材料からなるパイプ1と板材2とを、低コストで簡便に、かつ確実に接合でき、広範囲な分野に適用できる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法について図7~図14Eを参照して説明する。第1実施形態では、パイプ1の拡管加工が、金属球31を用いて行われていたが、本実施形態では、複数(本実施形態では、4つ)のビット部材を用いて行われる。なお、第1実施形態と同一又は同等部分については、説明を省略あるいは簡略化する。
図8に示すように、角型ビット部材45は、略直方体状に形成され、先端部を球面状とする一方、後端面45aは、少なくとも上部が傾斜面状に形成されている。
また、図7に示すように、本実施形態の補助部材3には、角型ビット部材45の形状に対応して、四角形状の複数(本実施形態では、4つ)の貫通穴3aが円周方向等間隔に形成されている。
さらに、押出部材40の当接部41は、角型ビット部材45の傾斜面状の後端面45aに対応して、角型ビット部材45と面接触しながら、軸方向に沿って中心軸から徐々に離間する平面43を有する四角錐状に形成される。
また、図9に示すように、受座35に形成される穴32も、角型ビット部材45の形状に対応して、四角形状に形成されている。
したがって、拡管加工では、まず、受座35の支持面33、34にパイプ1及び補助部材3がそれぞれ配置される。この際、補助部材3は、受座35の穴32内に保持された4つの角型ビット部材45が補助部材3の貫通穴3aに臨むように位相合わせして配置される。
そして、押出部材40を、パイプ1の上方より挿入し、4つの平面43を4つの角型ビット部材45と当接させる。そして、押出部材40を強大な押圧力で軸方向に沿って下降させると、当接部41が受座35の支持軸部36の中空部内に進入しながら4つの角型ビット部材45を押圧する。角型ビット部材45は4つの平面43によって径方向外側へと互いに離間するように支持軸部36の穴32内を移動する。この角型ビット部材45の移動により、パイプ1の周壁の一部が補助部材3の貫通穴3aに嵌入することで膨出部1aが形成され、パイプ1と補助部材3とがかしめ結合される。その後、押出部材40を上方に退避させてパイプ1から抜き出し、さらに、パイプ1と補助部材3からなる接合体(異材接合用補助部材付き管状部材)4を、受座35から抜き出す。その際、角型ビット部材45がパイプ1の膨出部1aから抜け出される。
なお、本実施形態では、ビット部材は、図12に示すように、略円柱状に形成される円型ビット部材46であってもよい。この場合、補助部材3に形成される貫通穴3aは、第1実施形態と同様に、円形であればよい。
また、図13に示すように、受座35に形成される穴32も、円型ビット部材46の形状に対応して、円形に形成されている。
また、本実施形態において、パイプ1の断面形状は、円形に限らず、管状であれば任意であり、補助部材3の断面形状は、貫通穴3aが形成される部分でパイプ1の外面に接触又は近接して、貫通穴3a内に膨出部1aが形成される形状であれば、パイプ1の形状と対応するものでもよいし、パイプ1の形状と異なる形状であってもよい。
例えば、図14Aでは、パイプ1は、断面形状が正八角形である角管部材とし、補助部材3も、断面形状が正八角形である角管部材としている。また、補助部材3には、貫通穴3aが1つおきの四辺に穿設されている。
この場合、4つの角型ビット部材45と、該角型ビット部材45と接触する4つの平面43を有する四角錐状の押出部材40が用いられる。
図14Bでは、パイプ1は、断面形状が正方形である角管部材とし、補助部材3も、断面形状が正方形である角管部材としている。また、補助部材3には、貫通穴3aが各辺に穿設されている。
この場合、4つの角型ビット部材45と、該角型ビット部材45と接触する4つの平面43を有する四角錐状の押出部材40が用いられる。
図14Cでは、パイプ1は、断面形状が円形である円管部材とし、補助部材3は、断面形状が正方形である角管部材としている。また、補助部材3には、貫通穴3aが各辺に穿設されている。
この場合も、4つの角型ビット部材45と、該角型ビット部材45と接触する4つの平面43を有する四角錐状の押出部材40が用いられる。
図14Dでは、パイプ1は、断面形状が円形である円管部材とし、補助部材3は、断面形状が正六角形である角管部材としている。また、補助部材3には、貫通穴3aが1つおきの三辺に穿設されている。
この場合も、3つの角型ビット部材45と、該角型ビット部材45と接触する3つの平面43を有する三角錐状の押出部材40が用いられる。
図14Eでは、パイプ1は、断面形状が長方形である角管部材とし、補助部材3も、断面形状が長方形である角管部材としている。また、補助部材3には、貫通穴3aが各辺に穿設されており、特に、長辺には、2つの貫通穴3aが穿設されている。
この場合も、6つの角型ビット部材45と、3つの角型ビット部材45ごとに、角型ビット部材45と接触する各平面43を有する四角錐状の2つの押出部材40が用いられる。なお、この場合、2つの押出部材40との間には、角型ビット部材45の一側面を支持するように、一時的に挿入された仕切板50が用いられている。
上述した図14A~図14Eのいずれの変形例の場合も、パイプ1の拡管加工により補助部材3がパイプ1と強固に結合されていると共に、補助部材3と板材2とがアーク溶接等により接合される。
また、図14A~図14Eでは、角型ビット部材45を用いて接合体4が製造されることを図示したものであるが、円型ビット部材46や、第1実施形態の金属球31を用いた場合にもいずれの形状の接合体4を製造することができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係る異材接合方法について、図15~図19を参照して説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等部分については、説明を省略あるいは簡略化する。
第3実施形態では、図16に示すように、第1及び第2実施形態と異なり、貫通穴が形成されていない円管状の補助部材3が使用される。また、パイプ1は、第1及び第2実施形態と同様に、円管状のものが使用される。
したがって、第3実施形態では、管状のパイプ1をアルミニウム合金又はマグネシウム合金からなるとし、平板状の板材2を鋼製からなるとした場合、金属球31を保持する受座35を用いて、鋼製からなる管状の補助部材3を、パイプ1の周囲に配置する。これにより、パイプ1の内側に複数の金属球31が配置される。そして、押出部材40を軸方向に変位させることで、複数の玉31をパイプ1の径方向外側へ移動させ、パイプ1の周壁の一部を補助部材3の周壁の一部と共に径方向外側に膨出させる。その結果、補助部材3に形成された窪み3cに対してパイプ1の膨出部1aが嵌入され、パイプ1と補助部材3とがかしめ結合される。また、補助部材3の外周面には、窪み3cに対応して突出部3bが形成される。
その後は、第1及び第2実施形態と同様に、押出部材40をパイプ1の内側から引き抜き、接合体4が受座35から抜き出される。さらに、補助部材3と板材2とを溶接することで、補助部材3を介してパイプ1と板材2とを接合して、異材接合継手10が得られる。
このように、第3実施形態の異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法、及び異材接合継手の製造方法によれば、貫通穴3aを有しない円管状の補助部材3に対して、金属球31及び押出部材40を用いてパイプ1と補助部材3とをかしめ結合するので、補助部材3に貫通穴の穴開け作業を行なう必要がなくなり、工程数を削減でき、製造コストを低減することができる。
また、本実施形態では、第2実施形態の図14A~14Eと同様な断面形状を有するパイプ1及び補助部材3との組合せにおいて、補助部材3に貫通穴3aを有しない場合であってもパイプ1と補助部材3とをかしめ結合することができ、製造工程数を削減できるメリットを有する。
その他の構成及び作用については、第1実施形態のものと同様である。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態に係る異材接合方法について、図20~図23Bを参照して説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等部分については、説明を省略あるいは簡略化する。本実施形態では、拡管加工において、第1~第3実施形態のものと異なる。即ち、第1~第3実施形態では、拡管加工が、金属球やビット部材を用いて行われていたが、本実施形態では、図20に示す略円筒形状の筒状拡管部材5を用いて行われる。
筒状拡管部材5は、図20に示すように、該筒状拡管部材5の軸方向一端側(自由端5f側)から軸方向に沿って延び、円周方向に等間隔に形成された複数(本実施形態では3本)のスリット5sによって複数(本実施形態では3つ)の可動片5aを備える。複数の可動片5aは、複数のスリット5sを介して円筒形状に構成される。これにより、可動片5aは、基端5bを支点にして径方向外側(矢印R方向)に移動可能(揺動可能)に構成される。また、この可動片5aの外面には、略半球状の押圧突起5dがそれぞれ設けられている。筒状拡管部材5は、複数の可動片5aを軸方向他端側の基端5bによって連結することで、単一の部品として構成される。
なお、可動片5aの数は、3つ以上であることが好ましく、4つ又はそれ以上でもよい。
また、図21に示すように、筒状拡管部材5は、周囲に補助部材3が配置されたパイプ1の一端部の内側に、下部抑え管133を用いて配置される。この場合、筒状拡管部材5は、軸方向一端側を上方に向けて下部抑え管133上に載置される。また、押圧突起5dが補助部材3の貫通穴3aと円周方向及び軸方向においてそれぞれ位置合わせされる。
なお、補助部材3は、パイプ1に対して軸方向に位置決めされる必要があり、図示しない治具等を用いて補助部材3を所定の高さに保持する。
この状態から、図22に示すように、先端部(下部)が円錐状のテーパ面8tを有する押出部材8をパイプ1の上方より挿入し、テーパ面8tを筒状拡管部材5の可動片5aに当接させる。そして、押出部材8を強大な押圧力で軸方向に沿って下降させると、押出部材8が可動片5aを径方向外側へ移動させる。この可動片5aの移動により、貫通穴3aに臨むパイプ1の周壁の一部が径方向外側に膨出してドーム状の膨出部1aが形成される。この結果、膨出部1aが貫通穴3aに対して嵌入し、パイプ1と補助部材3とがかしめ結合される。
なお、押出部材8は、不図示のプレス装置などに連結され、下方に向かって強大な荷重を付与可能となっている。
その後、押出部材8を上方に退避させると、可動片5aが膨出部1aから抜け出し、パイプ1と補助部材3からなる接合体4を下部抑え管133から抜き出すことができる。
なお、押出部材8は、本実施形態のように、先端部にテーパ面8tを有するものに限定されるものでなく、可動片5aの内周面に当接し、可動片5aをパイプ1の径方向外側へ移動させることができるものであればよい。
その後、第1実施形態と同様に、接合体4の補助部材3と、板材2とがアーク溶接等により接合される。このアークによるすみ肉溶接は、鋼同士の溶接であるので、金属間化合物を生じることなく、強固に接合される。
また、本実施形態では、パイプ1をアルミニウム合金又はマグネシウム合金とし、板材2と補助部材3とを鋼製としているが、板材2と補助部材3の金属材料がパイプ1の金属材料と異なるものであればよく、各部材の金属材料はこれに限定されない。例えば、板材2と補助部材3の金属材料は、金属間化合物を生じることなく、融接を用いて互いに接合可能な材料であればよい。また、板材2と補助部材3の鋼製の組成は、互いに同一であっても異なるものであってもよい。
また、パイプ1が鋼製、板材2がアルミニウム合金又はマグネシウム合金である場合には、補助部材3は、パイプ1の金属材料と異なる金属材料であればよく、例えば、板材2と同じ金属材料であるアルミニウム合金又はマグネシウム合金としてもよい。
さらに、補助部材3には、複数の貫通穴3aが形成される代わりに、内周面に凹設される複数の有底穴や、周方向全周に亘って又は周方向に沿って断続的に形成される内向き溝であってもよい。即ち、パイプ1の拡管加工により、穴や内向き溝内に膨出される膨出部1aによって補助部材3がパイプ1から抜けない構成であればよく、回り止めされるほうがより好ましい。
また、図23A及び図23Bに示すように、異材接合用補助部材付き管状部材である接合体4には、補助部材3の貫通穴3aが軸方向に複数(本実施形態では、2つ)並んで設けられ、これら貫通穴3aに膨出部1aがそれぞれ形成されるようにしてもよい。
図23Bに示す接合体4を製造する際、パイプ1の拡管加工で使用する筒状拡管部材5は、図23Aに示すように、各可動片5aに2個の押圧突起5dが軸方向に並んで配置されたものが用いられる。また、押圧突起5dの突出高さは、可動片5aが径方向に移動した際に各押圧突起5dの先端の径方向位置が略等しくなるように、基端5b側の押圧突起5dの突出高さh2の方が、自由端5f側の押圧突起5dの突出高さh1よりも大きく形成されている。
そして、図23Bにパイプ1の拡管加工では、押出部材8をパイプ1の軸方向に変位させると、軸方向に並んだ押圧突起5dによって、径方向に膨出する高さが略等しい膨出部1aが形成される。
このように、パイプ1と補助部材3とのかしめ部位を円周方向だけでなく、軸方向にも複数設けることで、パイプ1と補助部材3とをより強固に接合することができる。
また、第2実施形態の図14A~14Eに示すように、パイプ1の断面形状は、円形に限らず、筒状であれば任意であり、この場合、補助部材3の断面形状も、パイプ1の形状と対応するものであればよく、パイプ1の拡管加工に用いられる筒状拡管部材5、押出部材8及び下部抑え管133もパイプ1の内形形状に対応するものを用意すればよい。
例えば、図24に示すように、パイプ1は、断面形状が四角形である角管部材であってもよい。この場合、補助部材3もパイプ1の外面に沿った四角形であればよく、貫通穴3aは各側面にそれぞれ穿設されてもよい。この場合も、パイプ1の拡管加工により補助部材3がパイプ1と強固に結合されていると共に、補助部材3と板材2とがアーク溶接等により接合される。
以上説明したように、本実施形態の異材接合方法によれば、管状のパイプ1をアルミニウム合金又はマグネシウム合金からなるとし、平板状の板材2(又は他のパイプ9、後述する図59A等参照)を鋼製からなるとした場合、鋼製からなり、貫通穴3aが形成された管状の補助部材3を、パイプ1の周囲に配置する工程と、外面に押圧突起5dをそれぞれ備え、径方向に移動可能な複数の可動片5aを有する筒状拡管部材5を、押圧突起5dが補助部材3の貫通穴3aと位置合わせされた状態でパイプ1の内側に配置する工程と、押出部材8をパイプ1の軸方向に変位させることで、可動片5aを径方向外側に移動させ、押圧突起5dによって貫通穴3aに臨むパイプ1の周壁の一部を径方向外側に膨出させて貫通穴3aに対して嵌入させ、パイプ1と補助部材3とをかしめ結合する工程と、補助部材3と板材2(又は他のパイプ9)とを溶接することで、補助部材3を介してパイプ1と板材2(又は他のパイプ9)とを接合する工程と、を有する。
また、本実施形態の異材接合継手10によれば、アルミニウム合金又はマグネシウム合金からなる管状のパイプ1と、鋼製からなり、パイプ1と接合される平板状の板材2(又は他のパイプ9)と、鋼製からなり、貫通穴3aが形成される管状の補助部材3と、を備え、パイプ1は、その周壁の一部が径方向外側に膨出して貫通穴3aに対して嵌入される膨出部1aを有することで、補助部材3とかしめ結合され、かつ、補助部材3と板材2(又は他のパイプ9)とが溶接される。
これにより、管状の補助部材3が管状のパイプ1と強固に結合されると共に、該補助部材3と板材2(又は他のパイプ9)とが溶接により接合されるので、異なる金属材料からなるパイプ1と板材2(又は他のパイプ9)とを、補助部材3を介して間接的に接合することができる。
また、パイプ1に対する補助部材3の取り付け位置に応じて、パイプ1の任意の位置に、板材2(又は他のパイプ9)を接合することができる。
さらに、管状のパイプ1と補助部材3とを予め結合しておけば、補助部材3と板材2(又は他のパイプ9)とを一般的な溶接方法で容易に接合することができる。
したがって、本実施形態は、異なる金属材料からなるパイプ1と板材2(又は他のパイプ9)とを、低コストで簡便に、かつ確実に接合でき、広範囲な分野に適用できる。
また、本実施形態の異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法によれば、アルミニウム合金又はマグネシウム合金からなる管状のパイプ1と、鋼製からなり、パイプ1の周囲に配置される管状の補助部材3と、を備え、貫通穴3aが形成された管状の補助部材3を、パイプ1の周囲に配置する工程と、外面に押圧突起5dをそれぞれ備え、径方向に移動可能な複数の可動片5aを有する筒状拡管部材5を、押圧突起5dが補助部材3の貫通穴3aと位置合わせされた状態でパイプ1の内側に配置する工程と、押出部材8をパイプ1の軸方向に変位させることで、可動片5aを径方向外側に移動させ、押圧突起5dによって貫通穴3aに臨むパイプ1の周壁の一部を径方向外側に膨出させて貫通穴3aに対して嵌入させ、パイプ1と補助部材3とをかしめ結合する工程と、を備える。
また、本実施形態の異材接合用補助部材付き管状部材によれば、アルミニウム合金又はマグネシウム合金からなる管状部材と、鋼製からなり、パイプ1の周囲に配置される管状の補助部材3と、を備え、補助部材3には、貫通穴3aが形成され、パイプ1は、その周壁の一部が径方向外側に膨出して貫通穴3aに対して嵌入されてなる複数の膨出部1aを有する。
これにより、管状の補助部材3がパイプ1と強固に結合されているので、パイプ1と、該パイプ1と異なる金属材料からなる板材2(又は他のパイプ9)とを、補助部材3を介して間接的に接合することができる。
また、パイプ1に対する補助部材3の取り付け位置に応じて、パイプ1の任意の位置に、パイプ1と異なる金属材料からなる板材2(又は他のパイプ9)を接合することができる。
したがって、本実施形態は、異なる金属材料からなるパイプ1と板材2(又は他のパイプ9)とを、低コストで簡便に、かつ確実に接合でき、広範囲な分野に適用できる。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態に係る異材接合方法について、図25~図27Bを参照して説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等部分については、説明を省略あるいは簡略化する。
第4実施形態では、筒状拡管部材5は、下部抑え管133上に配置される構成としたが、本実施形態の筒状拡管部材105は、パイプ1と補助部材3の少なくとも一方の軸方向端部(図25における上端部)に吊り下げられる構成としている。これにより、本実施形態の異材接合方法では、下部抑え管133を設ける必要がない。
本実施形態においても、筒状拡管部材105は、該筒状拡管部材105の軸方向一端側(自由端5f側)から軸方向に沿って延び、円周方向に等間隔に形成された複数(本実施形態では3本)のスリット5sによって複数(本実施形態では3つ)の可動片5aを備える。複数の可動片5aは、複数のスリット5sを介して円錐台形状を構成する。これにより、可動片5aは、基端5bを支点にして径方向外側(図27Bに示す矢印R方向)に移動可能(揺動可能)に構成される。また、この可動片5aの外面には、略半球状の押圧突起5dがそれぞれ設けられている。筒状拡管部材105は、複数の可動片5aを軸方向他端側の基端5bによって連結することで、単一の部品として構成される。
特に、本実施形態では、筒状拡管部材105は、テーパ状部分105A、テーパ状部分105Aの大径側端部から半径方向外側に屈曲し、パイプ1及び補助部材3の軸方向端部と対向する円輪部105B、及び円輪部105Bの外径側端部から軸方向に折り返され、補助部材3の外周面を覆う大径円筒部105Cを備える。
そして、本実施形態では、スリット5sが、テーパ状部分105Aの軸方向一端側(自由端5f側)から円輪部105Bを介して、大径円筒部105Cの軸方向中間部まで形成されており、少なくともテーパ状部分105Aと円輪部105Bとが円周方向に分割されて可動片5aを構成している。なお、スリット5sは、少なくともテーパ状部分105Aを越えて形成されればよい。
また、大径円筒部105Cは、径方向から見て、押圧突起5dとオーバーラップしない軸方向長さに設定される。
したがって、本実施形態では、図27Aに示すように、筒状拡管部材105は、周囲に補助部材3が配置されたパイプ1の一端部の内側に、自由端5f側を下方に向け、パイプ1と補助部材3の軸方向端部に吊り下げられた状態で配置される。また、筒状拡管部材105は、吊り下げられた状態において、押圧突起5dが補助部材3の貫通穴3aと軸方向に位置合わせされるように可動片5aの長さを設定しているので、押圧突起5dが補助部材3の貫通穴3aと円周方向において位置合わせされればよい。
その後、図27Bに示すように、先端部(下部)が円錐状のテーパ面8tを有する押出部材8をパイプ1の上方より挿入し、可動片5aを径方向外側に移動させ、押圧突起5dによって貫通穴3aに臨むパイプ1の周壁の一部を径方向外側に膨出させて貫通穴3aに対して嵌入させ、パイプ1と補助部材3とをかしめ結合する。
その他の構成及び作用については、第4実施形態のものと同様である。
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態に係る異材接合方法について、図28~図36を参照して説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等部分については、説明を省略あるいは簡略化する。
第6実施形態では、補助部材3は、パイプ1の端部に内嵌して取り付けられている。このため、補助部材3の外径は、パイプ1の内径より僅かに小さく設計されている。また、図29に示すように、パイプ1には、円周方向に所定の間隔で複数の貫通穴(本実施形態では、3つ)1dが形成されている。一方、補助部材3は、パイプ1の複数の貫通穴1dに臨む周壁の一部が径方向内側に膨出し、複数の貫通穴1dに対して嵌入される複数の膨出部3dを有する。これによって、パイプ1と補助部材3とは、かしめ結合されている。膨出部3dの基部は、補助部材3の外周面と貫通穴1dとの縁部全周に亘って接触しており、補助部材3は、パイプ1に対して軸方向に位置決めされると共に、回り止めされている。また、パイプ1と補助部材3とは、互いにかしめ結合された状態において、補助部材3の軸方向端部3fがパイプ1の軸方向端部1fから延出している。
また、板材2と、該板材2の平面に載置された補助部材3の軸方向端部3fとの隅部には、アーク溶接によって溶接金属Wが形成され、板材2と補助部材3が強固に接合されている。なお、補助部材3の軸方向端部3fは、パイプ1の軸方向端部1fから延出しているので、板材2と容易に溶接することができる。
このような異材接合継手10は、図28~図33に示すように、まず、複数の貫通穴1dが形成された円管状のパイプ1と、円筒状の補助部材3と、を用意する。パイプ1の複数の貫通穴1dは、管状のブランク部材に対して図示しないパンチ等を用いて穿設される。なお、複数の貫通穴1dは、図29に示すような円形に限らず、多角形など他の形状であってもよい。
そして、この補助部材3を、パイプ1の内側に配置し、第1実施形態と同様、図30に示すように、複数(本実施形態では3つ)の金属球(玉)31と押出部材40とを用いた拡管加工により、複数の貫通穴1dに臨む補助部材3の周壁の一部を径方向外側に膨出させ、パイプ1と補助部材3とをかしめ結合する。
ここで、上述したように、補助部材3がパイプ1の内側に配置され、かつ、補助部材3の軸方向端部3fが、パイプ1の軸方向端部1fから延出する。このため、拡管加工する際に使用される受座35では、補助部材3を支持する支持面34は、パイプ1を支持する支持面33の内側に設けられた環状溝38内に形成される。即ち、支持軸部36に形成される環状溝38は、補助部材3の内周面に内嵌する筒状の軸部分と、パイプ1の支持面33を形成するリング部分との間に形成される。
3つの金属球31は、支持軸部36の上面32a上に配置される。上面32aは、3つの金属球31が、補助部材3の周囲に配置されたパイプ1の複数の貫通穴1dと同じ高さとなるような高さを有する。なお、支持軸部36の上面32aの径方向の肉厚は、金属球31の半径よりも大きい方が金属球31を保持するために好ましい。また、支持軸部36の内径は、後述の押出部材40が挿入される際に、押出部材40と干渉しないように設計される。なお、金属球31の落下を防止するため、金属球31は、補助部材3を環状溝38内に配置した後に、上面32a上に載置される。
押出部材40は、第1実施形態と同様に、3つの溝状の凹面42を有する略三角錐状の当接部41を有する。また、上述した受座35を用いる場合には、押出部材40を円周方向に回転させることで、金属球31の円周方向位置を変えることができる。このため、金属球31の円周方向位置を変えることでも、3つの金属球31がパイプ1の貫通穴1dに臨むように位相合わせすることができる。
したがって、拡管加工では、まず、受座35の支持面33、34にパイプ1及び補助部材3がそれぞれ配置される。この際、パイプ1と金属球31とは、受座35の上面32a上の3つの金属球31が補助部材3の貫通穴3aに臨むように位相合わせされる。
そして、押出部材40を、パイプ1の上方より挿入し、3つの凹面42を3つの金属球31と当接させる。そして、押出部材40を強大な押圧力で軸方向に沿って下降させると、当接部41が受座35の支持軸部36内に進入しながら3つの金属球31を押圧する。金属球31は3つの凹面42によって径方向外側へと互いに離間するように支持軸部36の上面32a上を移動する。この金属球31の移動により、補助部材3の周壁の一部がパイプ1の貫通穴1dに嵌入することで膨出部3dが形成され、パイプ1と補助部材3とがかしめ結合されることとなる。その後、押出部材40を上方に退避させてパイプ1から抜き出し、さらに、パイプ1と補助部材3からなる接合体(異材接合用補助部材付き管状部材)4を、受座35から抜き出す。その際、金属球31が補助部材3の膨出部3dから抜け出される。
また、受座35に支持されたパイプ1と補助部材3とは、高さの異なる支持面33、34に支持されているので、補助部材3の軸方向端部3fがパイプ1の軸方向端部1fから延出するようにして、パイプ1と補助部材3とはかしめ結合される。
その後、図29に戻って、接合体4の補助部材3と、板材2とがアーク溶接等により接合される。このアークによるすみ肉溶接は、鋼同士の溶接であるので、金属間化合物を生じることなく、強固に接合される。
なお、本実施形態では、パイプ1をアルミニウム合金又はマグネシウム合金とし、板材2と補助部材3とを鋼製としているが、板材2と補助部材3の金属材料がパイプ1の金属材料と異なるものであればよく、各部材の金属材料はこれに限定されない。例えば、板材2と補助部材3の金属材料は、金属間化合物を生じることなく、融接を用いて互いに接合可能な材料であればよい。また、板材2と補助部材3の鋼製の組成は、互いに同一であっても異なるものであってもよい。
また、パイプ1が鋼製、板材2がアルミニウム合金又はマグネシウム合金である場合には、補助部材3は、パイプ1の金属材料と異なる金属材料であればよく、例えば、板材2と同じ金属材料であるアルミニウム合金又はマグネシウム合金としてもよい。
また、拡管加工は、図34~図36に示すように、第1実施形態と同様、金属球31を保持する穴32を持った支持軸部36を有する受座35を用いて行われてもよい。
以上説明したように、本実施形態の異材接合方法によれば、管状のパイプ1をアルミニウム合金又はマグネシウム合金からなるとし、平板状の板材2を鋼製からなるとした場合、鋼製からなる管状の補助部材3の周囲に、複数の貫通穴1dが形成されたパイプ1を配置する工程と、パイプ1に形成された複数の貫通穴1dに臨む補助部材3の周壁の一部を径方向外側に膨出して、パイプ1の貫通穴1d内に嵌入させ、パイプ1と補助部材3とをかしめ結合する工程と、補助部材3と板材2とを溶接することで、補助部材3を介してパイプ1と板材2とを接合する工程と、を有する。
また、本実施形態の異材接合継手10によれば、アルミニウム合金又はマグネシウム合金からなる管状のパイプ1と、鋼製からなり、パイプ1と接合される平板状の板材2と、鋼製からなり、円周方向に複数の貫通穴3aが形成される管状の補助部材3と、を備え、補助部材3は、その周壁の一部が径方向外側に膨出してパイプ1の貫通穴1dに対して嵌入される複数の膨出部3dを有することで、補助部材3とかしめ結合され、かつ、補助部材3と板材2とが溶接される。
これにより、管状の補助部材3が管状のパイプ1と強固に結合されると共に、該補助部材3と板材2とが溶接により接合されるので、異なる金属材料からなるパイプ1と板材2とを、補助部材3を介して間接的に接合することができる。
また、管状のパイプ1と補助部材3とを予め結合しておけば、補助部材3と板材2とを一般的な溶接方法で容易に接合することができる。
したがって、本実施形態は、異なる金属材料からなるパイプ1と板材2とを、低コストで簡便に、かつ確実に接合でき、広範囲な分野に適用できる。
また、本実施形態の異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法によれば、アルミニウム合金又はマグネシウム合金からなる管状のパイプ1と、鋼製からなり、パイプ1と嵌合する管状の補助部材3と、を備え、管状の補助部材3の周囲に、複数の貫通穴1dが形成されたパイプ1を配置する工程と、パイプ1に形成された複数の貫通穴1dに臨む補助部材3の周壁の一部を径方向外側に膨出させて貫通穴1dに対して嵌入させ、パイプ1と補助部材3とをかしめ結合する工程と、を備える。
また、本実施形態の異材接合用補助部材付き管状部材によれば、アルミニウム合金又はマグネシウム合金からなる管状部材と、鋼製からなり、パイプ1の内側に配置される管状の補助部材3と、を備え、パイプ1には、複数の貫通穴1dが形成され、パイプ1は、その周壁の一部が径方向外側に膨出して複数の貫通穴1dに対して嵌入されてなる複数の膨出部3dを有することで、補助部材3とかしめ結合される。
これにより、管状の補助部材3がパイプ1と強固に結合されているので、パイプ1と、該パイプ1と異なる金属材料からなる板材2とを、補助部材3を介して間接的に接合することができる。
したがって、本実施形態は、異なる金属材料からなるパイプ1と板材2とを、低コストで簡便に、かつ確実に接合でき、広範囲な分野に適用できる。
(第7実施形態)
次に、本発明の第7実施形態に係る異材接合方法について、図37~図41Eを参照して説明する。なお、第6実施形態と同一又は同等部分については、説明を省略あるいは簡略化する。第6実施形態では、拡管加工が、金属球31を用いて行われていたが、本実施形態では、第2実施形態と同様に、複数(本実施形態では、4つ)のビット部材を用いて行われる。
したがって、本実施形態では、第2実施形態で説明した、角型ビット部材45及び押出部材40が用いられる。また、受座35は、図40に示すように、第6実施形態の変形例で説明した図36に示す受座と、四角形状の穴32を有する点において異なる。
したがって、拡管加工では、まず、受座35の支持面33、34にパイプ1及び補助部材3がそれぞれ配置される。この際、補助部材3は、受座35の穴32内に保持された4つの角型ビット部材45がパイプ1の貫通穴1dに臨むように位相合わせして配置される。
そして、押出部材40を、パイプ1の上方より挿入し、4つの平面43を4つの角型ビット部材45と当接させる。そして、押出部材40を強大な押圧力で軸方向に沿って下降させると、当接部41が受座35の支持軸部36内に進入しながら4つの角型ビット部材45を押圧する。角型ビット部材45は4つの平面43によって径方向外側へと互いに離間するように支持軸部36の穴32内を移動する。この角型ビット部材45の移動により、補助部材3の周壁の一部がパイプ1の貫通穴1dに嵌入することで膨出部3dが形成され、パイプ1と補助部材3とがかしめ結合されることとなる。その後、押出部材40を上方に退避させて補助部材3から抜き出し、さらに、パイプ1と補助部材3からなる接合体(異材接合用補助部材付き管状部材)4を、受座35から抜き出す。その際、角型ビット部材45が補助部材3の膨出部3dから抜け出される。
なお、本実施形態においても、ビット部材は、略円柱状に形成される円型ビット部材46(図12参照)であってもよい。この場合、パイプ1に形成される貫通穴1dや、受座35に形成される穴32も円形であればよい。
また、本実施形態においても、パイプ1の断面形状は、円形に限らず、管状であれば任意であり、補助部材3の断面形状は、貫通穴1dが形成される部分でパイプ1の内面に接触又は近接して、貫通穴1d内に膨出部3dが形成される形状であれば、パイプ1の形状と対応するものでもよいし、パイプ1の形状と異なる形状であってもよい。
例えば、図41Aでは、パイプ1は、断面形状が正八角形である角管部材とし、補助部材3も、断面形状が正八角形である角管部材としている。また、パイプ1には、貫通穴1dが1つおきの四辺に穿設されている。
この場合、4つの角型ビット部材45と、該角型ビット部材45と接触する4つの平面43を有する四角錐状の押出部材40が用いられる。
図41Bでは、パイプ1は、断面形状が正方形である角管部材とし、補助部材3も、断面形状が正方形である角管部材としている。また、パイプ1には、貫通穴1dが各辺に穿設されている。
この場合、4つの角型ビット部材45と、該角型ビット部材45と接触する4つの平面43を有する四角錐状の押出部材40が用いられる。
図41Cでは、パイプ1は、断面形状が正方形である角管部材とし、補助部材3は、断面形状が円形である円管部材としている。また、パイプ1には、貫通穴1dが各辺に穿設されている。
この場合も、4つの角型ビット部材45と、該角型ビット部材45と接触する4つの平面43を有する四角錐状の押出部材40が用いられる。
図41Dでは、パイプ1は、断面形状が正六角形である角管部材とし、補助部材3は、断面形状が円形である円管部材としている。また、パイプ1には、貫通穴1dが1つおきの三辺に穿設されている。
この場合も、3つの角型ビット部材45と、該角型ビット部材45と接触する3つの平面43を有する三角錐状の押出部材40が用いられる。
図41Eでは、パイプ1は、断面形状が長方形である角管部材とし、補助部材3も、断面形状が長方形である角管部材としている。また、パイプ1には、貫通穴1dが各辺に穿設されており、特に、長辺には、2つの貫通穴1dが穿設されている。
この場合も、6つの角型ビット部材45と、3つの角型ビット部材45ごとに、角型ビット部材45と接触する各平面43を有する四角錐状の2つの押出部材40が用いられる。なお、この場合、2つの押出部材40との間には、角型ビット部材45の一側面を支持するように、一時的に挿入された仕切板50が用いられている。
上述した図41A~図41Eのいずれの変形例の場合も、補助部材3の拡管加工により補助部材3がパイプ1と強固に結合されていると共に、補助部材3と板材2とがアーク溶接等により接合される。
また、図41A~図41Eでは、角型ビット部材45を用いて接合体4が製造されることを図示したものであるが、円型ビット部材46や、第6実施形態の金属球31を用いた場合にもいずれの形状の接合体4も製造することができる。
(第8実施形態)
次に、本発明の第8実施形態に係る異材接合方法について、図42~図44Bを参照して説明する。なお、第6実施形態と同一又は同等部分については、説明を省略あるいは簡略化する。本実施形態では、拡管加工において、第6及び第7実施形態のものと異なる。即ち、第6及び第7実施形態では、拡管加工が、金属球やビット部材を用いて行われていたが、本実施形態では、第4実施形態で説明した略円筒形状の筒状拡管部材5(図20参照)を用いて行われる。
また、図42に示すように、筒状拡管部材5は、周囲に補助部材3が配置されたパイプ1の一端部の内側に、受座35を用いて配置される。この場合、筒状拡管部材5は、軸方向一端側を上方に向けて受座35上に載置される。また、押圧突起5dがパイプ1の貫通穴1dと円周方向及び軸方向においてそれぞれ位置合わせされる。受座35には、補助部材3の軸方向端部3fがパイプ1の軸方向端部1fから延出するように、パイプ1と補助部材3をそれぞれ支持する高さの異なる支持面33、34が設けられている。したがって、受座35には、補助部材3の外周面と嵌合し、パイプ1の支持面33を構成する円筒部37が設けられている。
この状態から、図43に示すように、先端部(下部)が円錐状の当接部41を有する押出部材40をパイプ1の上方より挿入し、当接部41を筒状拡管部材5の可動片5aに当接させる。そして、押出部材40を強大な押圧力で軸方向に沿って下降させると、押出部材40が可動片5aを径方向外側へ移動させる。この可動片5aの移動により、貫通穴1dに臨む補助部材3の周壁の一部が径方向外側に膨出してドーム状の膨出部3dが形成される。この結果、膨出部3dが貫通穴1dに対して嵌入し、パイプ1と補助部材3とがかしめ結合される。
なお、押出部材40は、不図示のプレス装置などに連結され、下方に向かって強大な荷重を付与可能となっている。
その後、押出部材40を上方に退避させると、可動片5aの押圧突起5dが膨出部3dから抜け出し、パイプ1と補助部材3からなる接合体4を受座35から抜き出すことができる。
なお、押出部材40は、本実施形態のように、先端部に当接部41を有するものに限定されるものでなく、可動片5aの内周面に当接し、可動片5aをパイプ1の径方向外側へ移動させることができるものであればよい。
その後、第6及び第7実施形態と同様に、接合体4の補助部材3と、板材2とがアーク溶接等により接合される。このアークによるすみ肉溶接は、鋼同士の溶接であるので、金属間化合物を生じることなく、強固に接合される。
また、本実施形態では、パイプ1をアルミニウム合金又はマグネシウム合金とし、板材2と補助部材3とを鋼製としているが、板材2と補助部材3の金属材料がパイプ1の金属材料と異なるものであればよく、各部材の金属材料はこれに限定されない。例えば、板材2と補助部材3の金属材料は、金属間化合物を生じることなく、融接を用いて互いに接合可能な材料であればよい。また、板材2と補助部材3の鋼製の組成は、互いに同一であっても異なるものであってもよい。
また、パイプ1が鋼製、板材2がアルミニウム合金又はマグネシウム合金である場合には、補助部材3は、パイプ1の金属材料と異なる金属材料であればよく、例えば、板材2と同じ金属材料であるアルミニウム合金又はマグネシウム合金としてもよい。
また、図44A及び図44Bに示すように、異材接合用補助部材付き管状部材である接合体4には、パイプ1の貫通穴1dが軸方向に複数(本実施形態では、2つ)並んで設けられ、これら貫通穴1dに膨出部3dがそれぞれ形成されるようにしてもよい。
図44Bに示す接合体4を製造する際、補助部材3の拡管加工で使用する筒状拡管部材5は、図44Aに示すように、各可動片5aに2個の押圧突起5dが軸方向に並んで配置されたものが用いられる。また、押圧突起5dの突出高さは、可動片5aが径方向に移動した際に各押圧突起5dの先端の径方向位置が略等しくなるように、基端5b側の押圧突起5dの突出高さh2の方が、自由端5f側の押圧突起5dの突出高さh1よりも大きく形成されている。
そして、図44Bに示す補助部材3の拡管加工では、押出部材40をパイプ1の軸方向に変位させると、軸方向に並んだ押圧突起5dによって、径方向に膨出する高さが略等しい膨出部3dが形成される。
このように、パイプ1と補助部材3とのかしめ部位を円周方向だけでなく、軸方向にも複数設けることで、パイプ1と補助部材3とをより強固に接合することができる(図44B参照)。
また、本実施形態においても、第7実施形態の図41A~図41Eに示すように、パイプ1の断面形状は、円形に限らず、筒状であれば任意であり、この場合、補助部材3の断面形状も、パイプ1の形状と対応するものであればよく、拡管加工に用いられる筒状拡管部材5、押出部材40及び受座35も補助部材3の内形形状に対応するものを用意すればよい。
以上説明したように、本実施形態の異材接合方法によれば、管状のパイプ1をアルミニウム合金又はマグネシウム合金からなるとし、平板状の板材2(又は他のパイプ9)を鋼製からなるとした場合、鋼製からなる管状の補助部材3を、貫通穴1dが形成されたパイプ1の内側に配置する工程と、外面に押圧突起5dをそれぞれ備え、径方向に移動可能な複数の可動片5aを有する筒状拡管部材5を、押圧突起5dがパイプ1の貫通穴1dと位置合わせされた状態で補助部材3の内側に配置する工程と、押出部材40をパイプ1の軸方向に変位させることで、可動片5aを径方向外側に移動させ、押圧突起5dによって貫通穴1dに臨む補助部材3の周壁の一部を径方向外側に膨出させて貫通穴1dに対して嵌入させ、パイプ1と補助部材3とをかしめ結合する工程と、補助部材3と板材2とを溶接することで、補助部材3を介してパイプ1と板材2とを接合する工程と、を有する。
また、本実施形態の異材接合継手10によれば、アルミニウム合金又はマグネシウム合金からなる管状のパイプ1と、鋼製からなり、パイプ1と接合される平板状の板材2と、鋼製からなり、管状の補助部材3と、を備え、パイプ1には、複数の貫通穴1dが形成され、補助部材3は、その周壁の一部が径方向外側に膨出して貫通穴1dに対して嵌入される膨出部3dを有することで、パイプ1とかしめ結合され、かつ、補助部材3と板材2とが溶接される。
これにより、管状の補助部材3が管状のパイプ1と強固に結合されると共に、該補助部材3と板材2とが溶接により接合されるので、異なる金属材料からなるパイプ1と板材2とを、補助部材3を介して間接的に接合することができる。
また、パイプ1に対する補助部材3の取り付け位置に応じて、パイプ1の任意の位置に、パイプ1と異なる金属材料からなる板材2を接合することができる。
また、管状のパイプ1と補助部材3とを予め結合しておけば、補助部材3と板材2とを一般的な溶接方法で容易に接合することができる。
したがって、本実施形態は、異なる金属材料からなるパイプ1と板材2とを、低コストで簡便に、かつ確実に接合でき、広範囲な分野に適用できる。
また、本実施形態の異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法によれば、アルミニウム合金又はマグネシウム合金からなる管状のパイプ1と、鋼製からなり、パイプ1の内側に配置される管状の補助部材3と、を備え、管状の補助部材3を、複数の貫通穴1dが形成されるパイプ1の内側に配置する工程と、外面に押圧突起5dをそれぞれ備え、径方向に移動可能な複数の可動片5aを有する筒状拡管部材5を、押圧突起5dが補助部材3の貫通穴3aと位置合わせされた状態で補助部材3の内側に配置する工程と、押出部材40をパイプ1の軸方向に変位させることで、可動片5aを径方向外側に移動させ、押圧突起5dによって貫通穴1dに臨む補助部材3の周壁の一部を径方向外側に膨出させて貫通穴1dに対して嵌入させ、パイプ1と補助部材3とをかしめ結合する工程と、を備える。
また、本実施形態の異材接合用補助部材付き管状部材によれば、アルミニウム合金又はマグネシウム合金からなる管状部材と、鋼製からなり、パイプ1の内側に配置される管状の補助部材3と、を備え、パイプ1には、貫通穴1dが形成され、補助部材3は、その周壁の一部が径方向外側に膨出して貫通穴1dに対して嵌入されてなる複数の膨出部3dを有する。
これにより、管状の補助部材3がパイプ1と強固に結合されているので、パイプ1と、該パイプ1と異なる金属材料からなる板材2とを、補助部材3を介して間接的に接合することができる。
また、パイプ1に対する補助部材3の取り付け位置に応じて、パイプ1の任意の位置に、パイプ1と異なる金属材料からなる板材2を接合することができる。
したがって、本実施形態は、異なる金属材料からなるパイプ1と板材2とを、低コストで簡便に、かつ確実に接合でき、広範囲な分野に適用できる。
(第9実施形態)
次に、本発明の第9実施形態に係る異材接合方法について、図45~図46Bを参照して説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等部分については、説明を省略あるいは簡略化する。
第8実施形態では、筒状拡管部材5は、受座35上に配置される構成としたが、本実施形態の筒状拡管部材105は、第5実施形態と同様のものが使用され、補助部材3の軸方向端部(図45における上端部)に吊り下げられる構成としている。これにより、本実施形態の異材接合方法では、受座35は、補助部材3の内周面に嵌合し、補助部材3の軸方向端部3fがパイプ1の軸方向端部1fから延出するように、補助部材3を支持する支持面34を有する円筒部39を備える。また、受座35には、支持面34と異なる高さを有し、パイプ1を支持する支持面33が設けられている。
したがって、本実施形態では、図46Aに示すように、筒状拡管部材105は、周囲にパイプ1が配置された補助部材3の一端部の内側に、自由端5f側を下方に向け、補助部材3の軸方向端部に吊り下げられた状態で配置される。また、筒状拡管部材105は、吊り下げられた状態において、押圧突起5dがパイプ1の貫通穴1dと軸方向に位置合わせされるように可動片5aの長さを設定しているので、押圧突起5dがパイプ1の貫通穴1dと円周方向において位置合わせされればよい。
その後、図46Bに示すように、先端部(下部)が円錐状の当接部41を有する押出部材40をパイプ1の上方より挿入し、可動片5aを径方向外側に移動させ、押圧突起5dによって貫通穴1dに臨む補助部材3の周壁の一部を径方向外側に膨出させて貫通穴1dに対して嵌入させ、パイプ1と補助部材3とをかしめ結合する。
その他の構成及び作用については、第8実施形態のものと同様である。
(第10実施形態)
次に、本発明の第10実施形態に係る異材接合方法について、図47~図51を参照して説明する。なお、第6実施形態と同一又は同等部分については、説明を省略あるいは簡略化する。
第10実施形態では、図48に示すように、第6~第9実施形態と異なり、貫通穴が形成されていない円管状のパイプ1が使用される。また、補助部材3は、第6~第9実施形態と同様に、円管状のものが使用される。
したがって、図49~図51に示すように、第10実施形態では、管状のパイプ1をアルミニウム合金又はマグネシウム合金からなるとし、平板状の板材2を鋼製からなるとした場合、金属球31を保持する受座35を用いて、鋼製からなる管状の補助部材3を、パイプ1の内側に配置する。これにより、補助部材3の内側に複数の金属球31が配置される。そして、押出部材40を軸方向に変位させることで、複数の玉31を補助部材3の径方向外側へ移動させ、補助部材3の周壁の一部をパイプ1の周壁の一部と共に径方向外側に膨出させる。その結果、パイプ1に形成された窪み1hに対して補助部材3の膨出部3dが嵌入され、パイプ1と補助部材3とがかしめ結合される。また、パイプ1の外周面には、窪み1hに対応して突出部1gが形成される。
その後は、第6~第9実施形態と同様に、押出部材40をパイプ1の内側から引き抜き、接合体4が受座35から抜き出される。さらに、補助部材3と板材2とを溶接することで、補助部材3を介してパイプ1と板材2とを接合して、図47に示すような異材接合継手10が得られる。
このように、第10実施形態の異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法、及び異材接合継手の製造方法によれば、貫通穴1dを有しない円管状のパイプ1に対して、金属球31及び押出部材40を用いてパイプ1と補助部材3とをかしめ結合するので、パイプ1に貫通穴の穴開け作業を行なう必要がなくなり、工程数を削減でき、製造コストを低減することができる。
また、本実施形態では、第7実施形態の図41A~図41Eと同様な断面形状を有するパイプ1及び補助部材3との組合せにおいて、パイプ1に貫通穴1dを有しない場合であってもパイプ1と補助部材3とをかしめ結合することができ、製造工程数を削減できるメリットを有する。
その他の構成及び作用については、第1実施形態のものと同様である。
(第11実施形態)
次に、本発明の第11実施形態に係る異材接合方法について、図52及び図53を参照して説明する。なお、第10実施形態と同一又は同等部分については、説明を省略あるいは簡略化する。
第11実施形態では、補助部材3の軸方向端部3fには、パイプ1の内径よりも大径の外周面を有する拡管部3eが設けられる。具体的に、本実施形態では、拡管部3eの外径は、パイプ1の外径と略等しく形成される。これにより、補助部材3の周囲にパイプ1を配置する際に、パイプ1の軸方向端部1fは、補助部材3の拡管部3e、即ち、拡管部3eによって形成された段差部分と当接させて、パイプ1と補助部材3とを軸方向に位置決めすることができる。また、接合体4が形成された後は、補助部材3の拡管部3eと板材2とがアーク溶接され、拡管部3eと板材2との隅部には溶接金属Wが形成される。
したがって、本実施形態によれば、補助部材3に拡管部3eを設けることで、パイプ1の支持部材を設けることなく、受座35が、補助部材3の支持面34を有するのみで、補助部材3の軸方向端部3fをパイプ1の軸方向端部1fから延出した状態で、パイプ1を補助部材3の周囲に容易に配置することができる。
また、補助部材3には、拡管部3eを形成するための拡管工程が必要となるが、パイプ1の軸方向端部1fと板材2との間にくびれ部分がなくなり、異材接合継手10としての外観性を向上することができる。
その他の構成及び作用については、第10実施形態のものと同様である。なお、本実施形態の拡管部を有する構成は、第6~第10実施形態の補助部材3にも適用可能である。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものでなく、適宜、変形、改良等が可能である。
例えば、補助部材3に設けられる複数の穴3aは、要求されるパイプ1との接合強度に応じて少なくとも2箇所あればよく、上記実施形態の3箇所や4箇所に限定されるものでなく、例えば、図54A、図54Bに示すような6箇所であってもよい。
また、図55Aに示すように、異材接合用補助部材付き管状部材である接合体4には、パイプ1の膨出部1aが軸方向に複数(本実施形態では、2つ)並んで形成されるようにしてもよい。この場合、補助部材3には、貫通穴3aも軸方向に複数並んで設けられている。
さらに、図55Bに示すように、接合体4は、補助部材3の膨出部3dが軸方向に複数(本実施形態では、2つ)並んで形成されるようにしてもよい。この場合、パイプ1には、貫通穴1dが軸方向に複数並んで設けられている。
このように、パイプ1と補助部材3とのかしめ部位を円周方向だけでなく、軸方向にも複数設けることで、パイプ1と補助部材3とをより強固に接合することができる。
さらに、図56Aに示すように、接合体4の端面(パイプ1及び補助部材3の端面)は、パイプ1の軸線方向に対して傾斜していてもよく、接合体4の軸線方向が板材2の法線に対して傾斜して接合することもできる。この場合、パイプ1及び補助部材3の端面は、パイプ1の拡管加工の後に斜めに切断してもよいし、拡管加工の前にそれぞれ斜めに切断していてもよい。
また、図56Bに示すように、パイプ1の内側に補助部材3が配置される場合にも、接合体4の端面(即ち、補助部材3の端面)は、パイプ1の軸線方向に対して傾斜していてもよい。この場合も、補助部材3の端面は、補助部材3の拡管加工の後に斜めに切断してもよいし、拡管加工の前に斜めに切断していてもよい。
また、図57Aに示すように、接合体4は、板材2の面に対して、パイプ1の軸線が平行になるように、パイプ1と板材2とが接合させてもよい。この場合、補助部材3と板材2とは、補助部材3の円周方向2か所(片側のみ図示)にパイプ1の軸方向に沿ってアーク溶接が施されている。
また、図57Bに示すように、パイプ1の内側に補助部材3が配置される場合にも、補助部材3と板材2とは、補助部材3の円周方向2か所(片側のみ図示)にパイプ1の軸方向に沿ってアーク溶接が施されている。
また、図58Aに示すように、接合体4は、板材2に形成された半円筒形の凹部2dに補助部材3を介してパイプ1が収容されるようにして、パイプ1と板材2とが接合されてもよい。この場合、補助部材3と板材2とは、板材2の凹部2dと平面との境界部2箇所にパイプ1の軸方向に沿ってアーク溶接が施されている。
また、図58Bに示すように、パイプ1の内側に補助部材3が配置される場合にも、補助部材3と板材2とは、板材2の凹部2dと平面との境界部2箇所にパイプ1の軸方向に沿ってアーク溶接が施されている。
また、図59Aに示すように、接合体4は、パイプ1と他のパイプ9とが直交するようにして、補助部材3を介して互いに接合されてもよい。この場合、補助部材3の端面は、他のパイプ9の外周面9aに対して全周に亘って接するように加工され、補助部材3の端面に沿ってアーク溶接が施されている。
また、図59Bに示すように、パイプ1の内側に補助部材3が配置される場合にも、補助部材3の端面は、他のパイプ9の外周面9aに対して全周に亘って接するように加工され、補助部材3の端面に沿ってアーク溶接が施されている。
また、図60Aに示すように、接合体4は、パイプ1と他のパイプ9とが直線状に連結するように、補助部材3を介して互いに接合されてもよい。この場合、補助部材3の端面と他のパイプ9の端面とが全周に亘って接し、これら端面に沿ってアーク溶接が施される。なお、パイプ1とパイプ9は同じ径でも良いし、異なる径とすることもできる。
また、図60Bに示すように、パイプ1の内側に補助部材3が配置される場合にも、補助部材3の端面は、他のパイプ9の外周面9aに対して全周に亘って接するように加工され、補助部材3の端面に沿ってアーク溶接が施されている。
また、一対の補助部材3をパイプ1の両端部にかしめ結合することで、図61に示すような接合体4を構成してもよい。
さらに、内側部材をパイプ1、外側部材を補助部材3とする場合において、図62に示すように、補助部材3の肉厚tは、アーク溶接の際に溶接金属Wがアルミニウム合金又はマグネシウム合金からなるパイプ1に達しないように設定されることが望ましい。加えて、補助部材3の肉厚tは、上述したパイプ1を拡管加工する際に、補助部材3が変形しないように設定されることが望ましい。
また、パイプ1と補助部材3とは、図62に示すように、互いの端面が面一となるように結合されてもよいが、図63に示すように、補助部材3の端面がパイプ1の端面よりも延出するように結合されてもよい。
これにより、図62では、すみ肉溶接の際に、溶接金属がパイプ1に当たらないように留意する必要があったが、図63に示す変形例では、溶接金属がパイプ1に当たらないように留意する必要がない。
また、パイプ1の膨出部1aは、補助部材3の貫通穴3aに確実にかしめ結合されるものであればよく、膨出部1aの突出高さhが補助部材3の肉厚tよりも高くてもよいし、図64に示すように、補助部材3の肉厚t以下であってもよい。なお、膨出部1aの大きさは、貫通穴3aの大きさや拡管加工時の押出部材40の軸方向荷重等によって制御される。
さらに、このような突出高さhの場合、図65Aに示すように、膨出部1a及び貫通穴3aが補助部材3の軸方向両端側に位置するようにして、補助部材3をパイプ1の軸方向中間部に配置した接合体4を形成することで、開口が形成された板材2を補助部材3の回りに挿通することができる。これにより、図65Bに示すように、一対の補助部材3と、板材2との間の各隅部をアーク溶接などにより接合することで、板材2をパイプ1の軸方向中間部に接合することができる。
また、内側部材をパイプ1、外側部材を補助部材3とする場合において、第4及び第5実施形態の筒状拡管部材5、105を用いて拡管する際にも、第3実施形態のように、補助部材3に貫通穴が形成されていなくてもよい。
同様に、内側部材を補助部材3、外側部材をパイプ1とする場合において、第8及び第9実施形態の筒状拡管部材5、105を用いて拡管する際にも、第10実施形態のように、パイプ1に貫通穴が形成されていなくてもよい。
また、本発明の異材接合継手10が適用される例としては、図66Aに示すような、自動車用のシートフレームが挙げられる。具体的には、離間して対向配置される鋼製の一対のプレス板部材(サイドフレーム、第2の部材)2A、2Bに対して、アルミニウム合金製のパイプ(第1の部材)1と鋼製の補助部材3とが結合された接合体4A、4B、4Cを梁部材(連結部材)として、アーク溶接により接合することで、自動車用のシートフレームが得られる。この場合、接合体4A,4B,4Cでは、パイプ1の両端部に一対の補助部材3が設けられており、各補助部材3が各プレス板部材2A,2Bにそれぞれ接合される。このように構成されたシートフレームは、梁部材として鋼製の金属管が使用される一般的なものに比べて、軽量化を図ることができ、また、従来通りのアーク溶接設備にて製造することができる。
さらに、図66Bに示すように、パイプ1の内側に補助部材3が配置される場合にも、接合体4A、4B、4Cを用いてシートフレームを構成することができる。
以上説明したように、本明細書には以下の事項が記載されている。
(1) 第1の金属材料からなる管状の第1の部材と、該第1の金属材料と異なる第2の金属材料からなる第2の部材とを接合してなる異材接合方法において、
前記第1の金属材料と異なる第3の金属材料からなる管状の補助部材を、前記第1の部材の周囲に配置する工程と、
前記第1の部材を拡管加工することにより、その周壁の一部を径方向外側に膨出して、前記第1の部材と前記補助部材とをかしめ結合する工程と、
前記補助部材と前記第2の部材とを溶接することで、前記補助部材を介して前記第1の部材と前記第2の部材とを接合する工程と、
を有する異材接合方法。
(2) 前記拡管加工は、前記第1の部材の内部に複数の玉又はビット部材を配置し、前記複数の玉又はビット部材と当接する当接部を有し、該当接部が軸方向に沿って中心軸から徐々に離間する押出部材を軸方向に変位させることで、前記複数の玉又はビット部材を前記内側部材の径方向外側へ移動させ、前記第1の部材の周壁の一部を径方向外側に膨出させる(1)に記載の異材接合方法。
(3) 前記補助部材には、円周方向に沿って複数の穴が設けられ、
前記拡管加工は、前記第1の部材の内部に前記複数の穴に対応して前記複数の玉又はビット部材を配置し、前記押出部材を軸方向に変位させることで、前記複数の玉又はビット部材を前記第1の部材の径方向外側へ移動させ、前記複数の穴に臨む前記第1の部材の周壁の一部を径方向外側に膨出させる(2)に記載の異材接合方法。
(4) 前記拡管加工は、前記第1の部材の内部に複数の玉又はビット部材を配置し、前記押出部材を軸方向に変位させることで、前記複数の玉又はビット部材を前記第1の部材の径方向外側へ移動させ、前記第1の部材の周壁の一部を径方向外側に膨出させて前記補助部材に形成された窪みに対して嵌入させる(2)に記載の異材接合方法。
(5) 前記押出部材の当接部は、前記複数の玉又はビット部材と面接触しながら、軸方向に沿って中心軸から徐々に離間する凹面又は平面を有する錐状に形成される(2)~(4)のいずれかに記載の異材接合方法。
(6) 前記拡管加工は、
外面に押圧突起をそれぞれ備え、径方向に移動可能な複数の可動片を有する筒状拡管部材を、前記第1の部材の内側に配置し、
押出部材を前記第1の部材の軸方向に変位させることで、前記可動片を径方向外側に移動させ、前記押圧突起によって前記第1の部材の周壁の一部を径方向外側に膨出させる(1)に記載の異材接合方法。
(7) 前記補助部材には、穴又は内向き溝が形成され、
前記筒状拡管部材は、前記押圧突起が前記補助部材の前記穴又は内向き溝と位置合わせされた状態で前記第1の部材の内側に配置され、
前記押出部材を前記第1の部材の軸方向に変位させることで、前記可動片を径方向外側に移動させ、前記押圧突起によって前記穴又は内向き溝に臨む前記第1の部材の周壁の一部を径方向外側に膨出させて前記穴又は内向き溝に対して嵌入させ、前記第1の部材と前記補助部材とをかしめ結合する(6)に記載の異材接合方法。
(8) 前記押出部材は、前記筒状拡管部材の内側で前記第1の部材の軸方向に変位する際に、前記可動片を径方向外側へ移動させるテーパ面を有する(6)又は(7)に記載の異材接合方法。
(9) 前記複数の可動片は、軸方向に沿って延びる複数のスリットを介して円筒形状を構成し、
前記筒状拡管部材は、自由端側を上方に向けて下部抑え管上に載置することで、前記第1の部材の内側に配置される(6)~(8)のいずれかに記載の異材接合方法。
(10) 前記可動片には、複数の前記押圧突起が前記軸方向に配置され、
基端側の前記押圧突起の突出高さは、自由端側の前記押圧突起のものよりも高い(6)~(9)のいずれか1項に記載の異材接合方法。
(11) 前記複数の可動片は、軸方向に沿って延びる複数のスリットを介して円錐台形状を構成し、
前記筒状拡管部材は、自由端側を下方に向け、少なくとも前記補助部材の軸方向端部に吊り下げられることで、前記第1の部材の内側に配置される(6)又は(7)に記載の異材接合方法。
(12) 前記拡管加工は、前記補助部材の軸方向端部が前記第1の部材の軸方向端部から延出するように、受座に設けられた高さの異なる2つの支持面に前記第1の部材と前記補助部材を支持した状態で行われる(1)~(11)のいずれかに記載の異材接合方法。
(13) 前記第1の金属材料は、アルミニウム合金もしくはマグネシウム合金製と、鋼製とのいずれか一方であり、
前記第2及び第3の金属材料は、前記アルミニウム合金もしくは前記マグネシウム合金製と、前記鋼製とのいずれか他方である(1)~(12)のいずれかに記載の異材接合方法。
(14) 第1の金属材料からなる管状の第1の部材と、該第1の金属材料と異なる第2の金属材料からなり、前記第1の部材と接合される第2の部材と、を有する異材接合継手において、 前記第1の金属材料と異なる第3の金属材料からなる管状の補助部材を備え、
前記第1の部材は、その周壁の一部が径方向外側に膨出する膨出部を有することで、前記補助部材とかしめ結合され、
前記補助部材と前記第2の部材とが溶接される異材接合継手。
(15) 前記補助部材には、円周方向に沿って複数の穴が設けられ、
前記第1の部材は、前記複数の穴に嵌入される複数の前記膨出部を有する(14)に記載の異材接合継手。
(16) 前記第1の部材は、その周壁の一部が径方向外側に膨出し、前記補助部材に形成された複数の窪みに対して嵌入される複数の前記膨出部を有する(14)に記載の異材接合継手。
(17) 前記補助部材の軸方向端部が前記第1の部材の軸方向端部から延出する(14)~(16)のいずれかに記載の異材接合継手。
(18) 複数の前記膨出部の突出高さは、前記補助部材の肉厚以下である(14)~(17)のいずれかに記載の異材接合継手。
(19) 前記第1の金属材料は、アルミニウム合金もしくはマグネシウム合金製と、鋼製とのいずれか一方であり、
前記第2及び第3の金属材料は、前記アルミニウム合金もしくは前記マグネシウム合金製と、前記鋼製とのいずれか他方である(14)~(18)のいずれかに記載の異材接合継手。
(20) 金属材料からなる管状部材と、該管状部材の金属材料と異なる金属材料からなり、前記管状部材と嵌合する管状の補助部材と、を備える異材接合用補助部材付き管状部材であって、
前記管状部材は、その周壁の一部が径方向外側に膨出する膨出部を有することで、前記補助部材とかしめ結合される異材接合用補助部材付き管状部材。
(21) 前記補助部材には、複数の貫通穴が円周方向に沿って設けられ、
前記管状部材は、前記複数の貫通穴に嵌入される複数の前記膨出部を有する(20)に記載の異材接合用補助部材付き管状部材。
(22) 前記管状部材は、その周壁の一部が径方向外側に膨出し、前記補助部材に形成された複数の窪みに対して嵌入される複数の前記膨出部を有する(20)に記載の異材接合用補助部材付き管状部材。
(23) 前記補助部材の軸方向端部が前記管状部材の軸方向端部から延出する(20)~(22)のいずれかに記載の異材接合用補助部材付き管状部材。
(24) 複数の前記膨出部の突出高さは、前記補助部材の肉厚以下である(20)~(23)のいずれかに記載の異材接合用補助部材付き管状部材。
(25) 前記管状部材の金属材料は、アルミニウム合金もしくはマグネシウム合金製と、鋼製とのいずれか一方であり、
前記補助部材の金属材料は、前記アルミニウム合金もしくは前記マグネシウム合金製と、前記鋼製とのいずれか他方である(20)~(24)のいずれかに記載の異材接合用補助部材付き管状部材。
(26) 金属材料からなる管状部材と、該管状部材の金属材料と異なる金属材料からなり、前記管状部材と嵌合する管状の補助部材と、を備える異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法であって、
前記管状部材の周囲に、前記補助部材を配置する工程と、
前記管状部材を拡管加工することにより、その周壁の一部を径方向外側に膨出して、前記管状部材と前記補助部材とをかしめ結合する工程と、を備える異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法。
(27) 前記拡管加工は、前記管状部材の内部に複数の玉又はビット部材を配置し、前記複数の玉又はビット部材と当接する当接部を有し、該当接部が軸方向に沿って中心軸から徐々に離間する押出部材を軸方向に変位させることで、前記複数の玉又はビット部材を前記管状部材の径方向外側へ移動させ、前記管状部材の周壁の一部を径方向外側に膨出させる(26)に記載の異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法。
(28) 前記補助部材には、円周方向に沿って複数の穴が設けられ、
前記拡管加工は、前記管状部材の内部に前記複数の穴に対応して前記複数の玉又はビット部材を配置し、前記押出部材を軸方向に変位させることで、前記複数の玉又はビット部材を前記管状部材の径方向外側へ移動させ、前記複数の穴に臨む前記管状部材の周壁の一部を径方向外側に膨出させる(27)に記載の異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法。
(29) 前記拡管加工は、前記管状部材の内部に複数の玉又はビット部材を配置し、前記押出部材を軸方向に変位させることで、前記複数の玉又はビット部材を前記管状部材の径方向外側へ移動させ、前記管状部材の周壁の一部を径方向外側に膨出させて前記補助部材に形成された窪みに対して嵌入させる(27)に記載の異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法。
(30) 前記押出部材の当接部は、前記複数の玉又はビット部材と面接触しながら、軸方向に沿って中心軸から徐々に離間する凹面又は平面を有する錐状に形成される(27)~(29)のいずれかに記載の異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法。
(31) 前記拡管加工は、
外面に押圧突起をそれぞれ備え、径方向に移動可能な複数の可動片を有する筒状拡管部材を、前記管状部材の内側に配置し、
押出部材を前記管状部材の軸方向に変位させることで、前記可動片を径方向外側に移動させ、前記押圧突起によって前記管状部材の周壁の一部を径方向外側に膨出させる(27)に記載の異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法。
(32) 前記補助部材には、穴又は内向き溝が形成され、
前記筒状拡管部材は、前記押圧突起が前記補助部材の前記穴又は内向き溝と位置合わせされた状態で前記第1の部材の内側に配置する工程と、
前記押出部材を前記第1の部材の軸方向に変位させることで、前記可動片を径方向外側に移動させ、前記押圧突起によって前記穴又は内向き溝に臨む前記第1の部材の周壁の一部を径方向外側に膨出させて前記穴又は内向き溝に対して嵌入させ、前記第1の部材と前記補助部材とをかしめ結合する(31)に記載の異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法。
(33) 前記押出部材は、前記筒状拡管部材の内側で前記管状部材の軸方向に変位する際に、前記可動片を径方向外側へ移動させるテーパ面を有する(31)又は(32)に記載の異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法。
(34) 前記複数の可動片は、軸方向に沿って延びる複数のスリットを介して円筒形状を構成し、
前記筒状拡管部材は、自由端側を上方に向けて下部抑え管上に載置することで、前記管状部材の内側に配置される(31)~(33)のいずれかに記載の異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法。
(35) 前記可動片には、複数の前記押圧突起が前記軸方向に配置され、
基端側の前記押圧突起の突出高さは、自由端側の前記押圧突起のものよりも高い(31)~(34)のいずれかに記載の異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法。
(36) 前記複数の可動片は、軸方向に沿って延びる複数のスリットを介して円錐台形状を構成し、
前記筒状拡管部材は、自由端側を下方に向け、少なくとも前記補助部材の軸方向端部に吊り下げられることで、前記管状部材の内側に配置される(31)に記載の異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法。
(37) 前記拡管加工は、前記補助部材の軸方向端部が前記管状部材の軸方向端部から延出するように、受座に設けられた高さの異なる2つの支持面に前記管状部材と前記補助部材を支持した状態で行われる(26)~(36)のいずれかに記載の異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法。
(38) 前記管状部材の金属材料は、アルミニウム合金もしくはマグネシウム合金製と、鋼製とのいずれか一方であり、
前記補助部材の金属材料は、前記アルミニウム合金もしくは前記マグネシウム合金製と、前記鋼製とのいずれか他方である(26)~(36)のいずれかに記載の異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法。
(39) 第1の金属材料からなる管状の第1の部材と、該第1の金属材料と異なる第2の金属材料からなる第2の部材とを接合してなる異材接合方法において、
前記第1の金属材料と異なる第3の金属材料からなる管状の補助部材を、前記第1の部材の内側に配置する工程と、
前記補助部材を拡管加工することにより、その周壁の一部を径方向外側に膨出して、前記第1の部材と前記補助部材とをかしめ結合する工程と、
前記補助部材と前記第2の部材とを溶接することで、前記補助部材を介して前記第1の部材と前記第2の部材とを接合する工程と、
を有する異材接合方法。
(40) 前記拡管加工は、前記補助部材の内部に複数の玉又はビット部材を配置し、前記複数の玉又はビット部材と当接する当接部を有し、該当接部が軸方向に沿って中心軸から徐々に離間する押出部材を軸方向に変位させることで、前記複数の玉又はビット部材を前記補助部材の径方向外側へ移動させ、前記補助部材の周壁の一部を径方向外側に膨出させる(39)に記載の異材接合方法。
(41) 前記外側部材には、円周方向に沿って複数の穴が設けられ、
前記拡管加工は、前記補助部材の内部に前記複数の穴に対応して前記複数の玉又はビット部材を配置し、前記押出部材を軸方向に変位させることで、前記複数の玉又はビット部材を前記補助部材の径方向外側へ移動させ、前記複数の穴に臨む前記補助部材の周壁の一部を径方向外側に膨出させる(40)に記載の異材接合方法。
(42) 前記拡管加工は、前記補助部材の内部に複数の玉又はビット部材を配置し、前記押出部材を軸方向に変位させることで、前記複数の玉又はビット部材を前記補助部材の径方向外側へ移動させ、前記補助部材の周壁の一部を径方向外側に膨出させて前記第1の部材に形成された窪みに対して嵌入させる(40)に記載の異材接合方法。
(43) 前記押出部材の当接部は、前記複数の玉又はビット部材と面接触しながら、軸方向に沿って中心軸から徐々に離間する凹面又は平面を有する錐状に形成される(40)~(42)のいずれかに記載の異材接合方法。
(44) 前記拡管加工は、
外面に押圧突起をそれぞれ備え、径方向に移動可能な複数の可動片を有する筒状拡管部材を、前記補助部材の内側に配置し、
押出部材を前記補助部材の軸方向に変位させることで、前記可動片を径方向外側に移動させ、前記押圧突起によって前記補助部材の周壁の一部を径方向外側に膨出させる(39)に記載の異材接合方法。
(45) 前記第1の部材には、穴又は内向き溝が形成され、
前記筒状拡管部材は、前記押圧突起が前記第1の部材の前記穴又は内向き溝と位置合わせされた状態で前記補助部材の内側に配置され、
前記押出部材を前記補助部材の軸方向に変位させることで、前記可動片を径方向外側に移動させ、前記押圧突起によって前記穴又は内向き溝に臨む前記補助部材の周壁の一部を径方向外側に膨出させて前記穴又は内向き溝に対して嵌入させ、前記補助部材と前記第1の部材とをかしめ結合する(44)に記載の異材接合方法。
(46) 前記押出部材は、前記筒状拡管部材の内側で前記補助部材の軸方向に変位する際に、前記可動片を径方向外側へ移動させるテーパ面を有する(44)又は(45)に記載の異材接合方法。
(47) 前記複数の可動片は、軸方向に沿って延びる複数のスリットを介して円筒形状を構成し、
前記筒状拡管部材は、自由端側を上方に向けて下部抑え管上に載置することで、前記補助部材の内側に配置される(44)~(46)のいずれかに記載の異材接合方法。
(48) 前記可動片には、複数の前記押圧突起が前記軸方向に配置され、
基端側の前記押圧突起の突出高さは、自由端側の前記押圧突起のものよりも高い(44)~(47)のいずれか1項に記載の異材接合方法。
(49) 前記複数の可動片は、軸方向に沿って延びる複数のスリットを介して円錐台形状を構成し、
前記筒状拡管部材は、自由端側を下方に向け、少なくとも前記補助部材の軸方向端部に吊り下げられることで、前記補助部材の内側に配置される(44)又は(45)に記載の異材接合方法。
(50) 前記拡管加工は、前記補助部材の軸方向端部が前記第1の部材の軸方向端部から延出するように、受座に設けられた高さの異なる2つの支持面に前記第1の部材と前記補助部材を支持した状態で行われる(39)~(49)のいずれかに記載の異材接合方法。
(51) 前記補助部材の軸方向端部には、前記第1の部材の内径よりも大径の外周面を有する拡管部が設けられ、
前記配置工程において、前記第1の部材の軸方向端部は、前記補助部材の拡管部と当接する、(39)~(43)のいずれかに記載の異材接合方法。
(52) 前記第1の金属材料は、アルミニウム合金もしくはマグネシウム合金製と、鋼製とのいずれか一方であり、
前記第2及び第3の金属材料は、前記アルミニウム合金もしくは前記マグネシウム合金製と、前記鋼製とのいずれか他方である(39)~(51)のいずれかに記載の異材接合方法。
(53) 第1の金属材料からなる管状の第1の部材と、該第1の金属材料と異なる第2の金属材料からなり、前記第1の部材と接合される第2の部材と、を有する異材接合継手において、
前記第1の金属材料と異なる第3の金属材料からなる管状の補助部材を備え、
前記補助部材は、その周壁の一部が径方向外側に膨出する膨出部を有することで、前記第1の部材とかしめ結合され、
前記補助部材と前記第2の部材とが溶接される異材接合継手。
(54) 前記第1の部材には、円周方向に沿って複数の穴が設けられ、
前記補助部材は、前記複数の穴に嵌入される複数の前記膨出部を有する(53)に記載の異材接合継手。
(55) 前記補助部材は、その周壁の一部が径方向外側に膨出し、前記第1の部材に形成された複数の窪みに対して嵌入される複数の前記膨出部を有する(53)に記載の異材接合継手。
(56) 前記補助部材の軸方向端部が前記第1の部材の軸方向端部から延出する(53)~(55)のいずれかに記載の異材接合継手。
(57) 複数の前記膨出部の突出高さは、前記第1の部材の肉厚以下である(53)~(56)のいずれかに記載の異材接合継手。
(58) 前記補助部材の軸方向端部には、前記第1の部材の内径よりも大径の外周面を有する拡管部が設けられ、
前記第1の部材の軸方向端部は、前記補助部材の拡管部と当接する、(53)~(57)のいずれかに記載の異材接合継手。
(59) 前記第1の金属材料は、アルミニウム合金もしくはマグネシウム合金製と、鋼製とのいずれか一方であり、
前記第2及び第3の金属材料は、前記アルミニウム合金もしくは前記マグネシウム合金製と、前記鋼製とのいずれか他方である(53)~(58)のいずれかに記載の異材接合継手。
(60) 金属材料からなる管状部材と、該管状部材の金属材料と異なる金属材料からなり、前記管状部材と嵌合する管状の補助部材と、を備える異材接合用補助部材付き管状部材であって、
前記補助部材は、その周壁の一部が径方向外側に膨出する膨出部を有することで、前記管状部材とかしめ結合される異材接合用補助部材付き管状部材。
(61) 前記管状部材には、複数の貫通穴が円周方向に沿って設けられ、
前記補助部材は、前記複数の貫通穴に嵌入される複数の前記膨出部を有する(60)に記載の異材接合用補助部材付き管状部材。
(62) 前記補助部材は、その周壁の一部が径方向外側に膨出し、前記管状部材に形成された複数の窪みに対して嵌入される複数の前記膨出部を有する(60)に記載の異材接合用補助部材付き管状部材。
(63) 前記補助部材の軸方向端部が前記管状部材の軸方向端部から延出する(60)~(62)のいずれかに記載の異材接合用補助部材付き管状部材。
(64) 複数の前記膨出部の突出高さは、前記第1の部材の肉厚以下である(60)~(63)のいずれかに記載の異材接合用補助部材付き管状部材。
(65) 前記補助部材の軸方向端部には、前記管状部材の内径よりも大径の外周面を有する拡管部が設けられ、
前記管状部材の軸方向端部は、前記補助部材の拡管部と当接する(60)~(63)のいずれかに記載の異材接合用補助部材付き管状部材。
(66) 前記管状部材の金属材料は、アルミニウム合金もしくはマグネシウム合金製と、鋼製とのいずれか一方であり、
前記補助部材の金属材料は、前記アルミニウム合金もしくは前記マグネシウム合金製と、前記鋼製とのいずれか他方である(60)~(65)のいずれかに記載の異材接合用補助部材付き管状部材。
(67) 金属材料からなる管状部材と、該管状部材の金属材料と異なる金属材料からなり、前記管状部材と嵌合する管状の補助部材と、を備える異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法であって、
前記補助部材の周囲に、前記管状部材を配置する工程と、
前記補助部材を拡管加工することにより、その周壁の一部を径方向外側に膨出して、前記管状部材と前記補助部材とをかしめ結合する工程と、を備える異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法。
(68) 前記拡管加工は、前記補助部材の内部に複数の玉又はビット部材を配置し、前記複数の玉又はビット部材と当接する当接部を有し、該当接部が軸方向に沿って中心軸から徐々に離間する押出部材を軸方向に変位させることで、前記複数の玉又はビット部材を前記補助部材の径方向外側へ移動させ、前記補助部材の周壁の一部を径方向外側に膨出させる(67)に記載の異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法。
(69) 前記管状部材には、円周方向に沿って複数の穴が設けられ、
前記拡管加工は、前記補助部材の内部に前記複数の穴に対応して前記複数の玉又はビット部材を配置し、前記押出部材を軸方向に変位させることで、前記複数の玉又はビット部材を前記補助部材の径方向外側へ移動させ、前記複数の穴に臨む前記補助部材の周壁の一部を径方向外側に膨出させる(68)に記載の異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法。
(70) 前記拡管加工は、前記補助部材の内部に複数の玉又はビット部材を配置し、前記押出部材を軸方向に変位させることで、前記複数の玉又はビット部材を前記補助部材の径方向外側へ移動させ、前記補助部材の周壁の一部を径方向外側に膨出させて前記管状部材に形成された窪みに対して嵌入させる(68)に記載の異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法。
(71) 前記押出部材の当接部は、前記複数の玉又はビット部材と面接触しながら、軸方向に沿って中心軸から徐々に離間する凹面又は平面を有する錐状に形成される(68)~(70)のいずれかに記載の異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法。
(72) 前記拡管加工は、
外面に押圧突起をそれぞれ備え、径方向に移動可能な複数の可動片を有する筒状拡管部材を、前記補助部材の内側に配置し、
押出部材を前記補助部材の軸方向に変位させることで、前記可動片を径方向外側に移動させ、前記押圧突起によって前記補助部材の周壁の一部を径方向外側に膨出させる(67)に記載の異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法。
(73) 前記第1の部材には、穴又は内向き溝が形成され、
前記筒状拡管部材は、前記押圧突起が前記第1の部材の前記穴又は内向き溝と位置合わせされた状態で前記補助部材の内側に配置する工程と、
前記押出部材を前記補助部材の軸方向に変位させることで、前記可動片を径方向外側に移動させ、前記押圧突起によって前記穴又は内向き溝に臨む前記補助部材の周壁の一部を径方向外側に膨出させて前記穴又は内向き溝に対して嵌入させ、前記補助部材と前記第1の部材とをかしめ結合する(72)に記載の異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法。
(74) 前記押出部材は、前記筒状拡管部材の内側で前記管状部材の軸方向に変位する際に、前記可動片を径方向外側へ移動させるテーパ面を有する(72)又は(73)に記載の異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法。
(75) 前記複数の可動片は、軸方向に沿って延びる複数のスリットを介して円筒形状を構成し、
前記筒状拡管部材は、自由端側を上方に向けて下部抑え管上に載置することで、前記管状部材の内側に配置される(72)~(74)のいずれかに記載の異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法。
(76) 前記可動片には、複数の前記押圧突起が前記軸方向に配置され、
基端側の前記押圧突起の突出高さは、自由端側の前記押圧突起のものよりも高い(72)~(75)のいずれかに記載の異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法。
(77) 前記複数の可動片は、軸方向に沿って延びる複数のスリットを介して円錐台形状を構成し、
前記筒状拡管部材は、自由端側を下方に向け、少なくとも前記補助部材の軸方向端部に吊り下げられることで、前記補助部材の内側に配置される(76)に記載の異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法。
(78) 前記拡管加工は、前記補助部材の軸方向端部が前記管状部材の軸方向端部から延出するように、受座に設けられた高さの異なる2つの支持面に前記管状部材と前記補助部材を支持した状態で行われる(67)~(77)のいずれかに記載の異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法。
(79) 前記補助部材の軸方向端部には、前記管状部材の内径よりも大径の外周面を有する拡管部が設けられ、
前記配置工程において、前記管状部材の軸方向端部は、前記補助部材の拡管部と当接する(67)~(71)のいずれかに記載の異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法。(80) 前記管状部材の金属材料は、アルミニウム合金もしくはマグネシウム合金製と、鋼製とのいずれか一方であり、
前記補助部材の金属材料は、前記アルミニウム合金もしくは前記マグネシウム合金製と、前記鋼製とのいずれか他方である(67)~(79)のいずれかに記載の異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法。
1 パイプ(第1の部材、管状部材)
1a 膨出部
2 板材(第2の部材)
3 補助部材
3a 貫通穴(穴)
4 接合体
5,105 筒状拡管部材
5a 可動片
5b 基端
5d 押圧突起
5f 自由端
5s スリット
8 押出部材
9 他のパイプ(第2の部材)
10 異材接合継手
31 金属球(玉)
35 受座
40 押出部材
41 当接部
42 凹面
43 平面
45 角型ビット部材
46 円型ビット部材
133 下部抑え管

Claims (42)

  1. 第1の金属材料からなる管状の第1の部材と、該第1の金属材料と異なる第2の金属材料からなる第2の部材とを接合してなる異材接合方法において、
    前記第1の金属材料と異なる第3の金属材料からなる管状の補助部材と、前記第1の部材のいずれか一方の内側部材の周囲に、前記補助部材と前記第1の部材のいずれか他方の外側部材を配置する工程と、
    前記内側部材を拡管加工することにより、その周壁の一部を径方向外側に膨出して、前記第1の部材と前記補助部材とをかしめ結合する工程と、
    前記補助部材と前記第2の部材とを溶接することで、前記補助部材を介して前記第1の部材と前記第2の部材とを接合する工程と、
    を有する異材接合方法。
  2. 前記拡管加工は、前記内側部材の内部に複数の玉又はビット部材を配置し、前記複数の玉又はビット部材と当接する当接部を有し、該当接部が軸方向に沿って中心軸から徐々に離間する押出部材を軸方向に変位させることで、前記複数の玉又はビット部材を前記内側部材の径方向外側へ移動させ、前記内側部材の周壁の一部を径方向外側に膨出させる請求項1に記載の異材接合方法。
  3. 前記外側部材には、円周方向に沿って複数の穴が設けられ、
    前記拡管加工は、前記内側部材の内部に前記複数の穴に対応して前記複数の玉又はビット部材を配置し、前記押出部材を軸方向に変位させることで、前記複数の玉又はビット部材を前記内側部材の径方向外側へ移動させ、前記複数の穴に臨む前記内側部材の周壁の一部を径方向外側に膨出させる請求項2に記載の異材接合方法。
  4. 前記拡管加工は、前記内側部材の内部に複数の玉又はビット部材を配置し、前記押出部材を軸方向に変位させることで、前記複数の玉又はビット部材を前記内側部材の径方向外側へ移動させ、前記内側部材の周壁の一部を径方向外側に膨出させて前記外側部材に形成された窪みに対して嵌入させる請求項2に記載の異材接合方法。
  5. 前記押出部材の当接部は、前記複数の玉又はビット部材と面接触しながら、軸方向に沿って中心軸から徐々に離間する凹面又は平面を有する錐状に形成される請求項2に記載の異材接合方法。
  6. 前記拡管加工は、
    外面に押圧突起をそれぞれ備え、径方向に移動可能な複数の可動片を有する筒状拡管部材を、前記内側部材の内側に配置し、
    押出部材を前記内側部材の軸方向に変位させることで、前記可動片を径方向外側に移動させ、前記押圧突起によって前記内側部材の周壁の一部を径方向外側に膨出させる請求項1に記載の異材接合方法。
  7. 前記外側部材には、穴又は内向き溝が形成され、
    前記筒状拡管部材は、前記押圧突起が前記外側部材の前記穴又は内向き溝と位置合わせされた状態で前記内側部材の内側に配置され、
    前記押出部材を前記内側部材の軸方向に変位させることで、前記可動片を径方向外側に移動させ、前記押圧突起によって前記穴又は内向き溝に臨む前記内側部材の周壁の一部を径方向外側に膨出させて前記穴又は内向き溝に対して嵌入させ、前記内側部材と前記外側部材とをかしめ結合する請求項6に記載の異材接合方法。
  8. 前記押出部材は、前記筒状拡管部材の内側で前記内側部材の軸方向に変位する際に、前記可動片を径方向外側へ移動させるテーパ面を有する請求項6に記載の異材接合方法。
  9. 前記複数の可動片は、軸方向に沿って延びる複数のスリットを介して円筒形状を構成し、
    前記筒状拡管部材は、自由端側を上方に向けて下部抑え管上に載置することで、前記内側部材の内側に配置される請求項6に記載の異材接合方法。
  10. 前記可動片には、複数の前記押圧突起が前記軸方向に配置され、
    基端側の前記押圧突起の突出高さは、自由端側の前記押圧突起のものよりも高い請求項6に記載の異材接合方法。
  11. 前記複数の可動片は、軸方向に沿って延びる複数のスリットを介して円錐台形状を構成し、
    前記筒状拡管部材は、自由端側を下方に向け、少なくとも前記補助部材の軸方向端部に吊り下げられることで、前記内側部材の内側に配置される請求項6に記載の異材接合方法。
  12. 前記拡管加工は、前記補助部材の軸方向端部が前記第1の部材の軸方向端部から延出するように、受座に設けられた高さの異なる2つの支持面に前記第1の部材と前記補助部材を支持した状態で行われる請求項1に記載の異材接合方法。
  13. 前記内側部材が前記補助部材で、前記外側部材が前記第1の部材であり、
    前記補助部材の軸方向端部には、前記第1の部材の内径よりも大径の外周面を有する拡管部が設けられ、
    前記配置工程において、前記第1の部材の軸方向端部は、前記補助部材の拡管部と当接する、請求項1に記載の異材接合方法。
  14. 前記第1の金属材料は、アルミニウム合金もしくはマグネシウム合金製と、鋼製とのいずれか一方であり、
    前記第2及び第3の金属材料は、前記アルミニウム合金もしくは前記マグネシウム合金製と、前記鋼製とのいずれか他方である請求項1~13のいずれか1項に記載の異材接合方法。
  15. 第1の金属材料からなる管状の第1の部材と、該第1の金属材料と異なる第2の金属材料からなり、前記第1の部材と接合される第2の部材と、を有する異材接合継手において、
    前記第1の金属材料と異なる第3の金属材料からなる管状の補助部材を備え、
    前記補助部材と前記第1の部材のいずれか一方である内側部材は、その周壁の一部が径方向外側に膨出する膨出部を有することで、前記補助部材と前記第1の部材のいずれか他方である外側部材とかしめ結合され、
    前記補助部材と前記第2の部材とが溶接される異材接合継手。
  16. 前記外側部材には、円周方向に沿って複数の穴が設けられ、
    前記内側部材は、前記複数の穴に嵌入される複数の前記膨出部を有する請求項15に記載の異材接合継手。
  17. 前記内側部材は、その周壁の一部が径方向外側に膨出し、前記外側部材に形成された複数の窪みに対して嵌入される複数の前記膨出部を有する請求項15に記載の異材接合継手。
  18. 前記補助部材の軸方向端部が前記第1の部材の軸方向端部から延出する請求項15に記載の異材接合継手。
  19. 複数の前記膨出部の突出高さは、前記外側部材の肉厚以下である請求項15に記載の異材接合継手。
  20. 前記内側部材が前記補助部材で、前記外側部材が前記第1の部材であり、
    前記補助部材の軸方向端部には、前記第1の部材の内径よりも大径の外周面を有する拡管部が設けられ、
    前記第1の部材の軸方向端部は、前記補助部材の拡管部と当接する、請求項15に記載の異材接合継手。
  21. 前記第1の金属材料は、アルミニウム合金もしくはマグネシウム合金製と、鋼製とのいずれか一方であり、
    前記第2及び第3の金属材料は、前記アルミニウム合金もしくは前記マグネシウム合金製と、前記鋼製とのいずれか他方である請求項15~20のいずれか1項に記載の異材接合継手。
  22. 金属材料からなる管状部材と、該管状部材の金属材料と異なる金属材料からなり、前記管状部材と嵌合する管状の補助部材と、を備える異材接合用補助部材付き管状部材であって、
    前記補助部材と前記管状部材のいずれか一方の内側部材は、その周壁の一部が径方向外側に膨出する膨出部を有することで、前記補助部材と前記管状部材のいずれか他方の外側部材とかしめ結合される異材接合用補助部材付き管状部材。
  23. 前記外側部材には、複数の貫通穴が円周方向に沿って設けられ、
    前記内側部材は、前記複数の貫通穴に嵌入される複数の前記膨出部を有する請求項22に記載の異材接合用補助部材付き管状部材。
  24. 前記内側部材は、その周壁の一部が径方向外側に膨出し、前記外側部材に形成された複数の窪みに対して嵌入される複数の前記膨出部を有する請求項22に記載の異材接合用補助部材付き管状部材。
  25. 前記補助部材の軸方向端部が前記管状部材の軸方向端部から延出する請求項22に記載の異材接合用補助部材付き管状部材。
  26. 複数の前記膨出部の突出高さは、前記外側部材の肉厚以下である請求項22に記載の異材接合用補助部材付き管状部材。
  27. 前記内側部材が前記補助部材で、前記外側部材が前記管状部材であり、
    前記補助部材の軸方向端部には、前記管状部材の内径よりも大径の外周面を有する拡管部が設けられ、
    前記管状部材の軸方向端部は、前記補助部材の拡管部と当接する請求項22に記載の異材接合用補助部材付き管状部材。
  28. 前記管状部材の金属材料は、アルミニウム合金もしくはマグネシウム合金製と、鋼製とのいずれか一方であり、
    前記補助部材の金属材料は、前記アルミニウム合金もしくは前記マグネシウム合金製と、前記鋼製とのいずれか他方である請求項22~27のいずれか1項に記載の異材接合用補助部材付き管状部材。
  29. 金属材料からなる管状部材と、該管状部材の金属材料と異なる金属材料からなり、前記管状部材と嵌合する管状の補助部材と、を備える異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法であって、
    前記補助部材と前記管状部材のいずれか一方の内側部材の周囲に、前記補助部材と前記管状部材のいずれか他方の外側部材を配置する工程と、
    前記内側部材を拡管加工することにより、その周壁の一部を径方向外側に膨出して、前記管状部材と前記補助部材とをかしめ結合する工程と、を備える異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法。
  30. 前記拡管加工は、前記内側部材の内部に複数の玉又はビット部材を配置し、前記複数の玉又はビット部材と当接する当接部を有し、該当接部が軸方向に沿って中心軸から徐々に離間する押出部材を軸方向に変位させることで、前記複数の玉又はビット部材を前記内側部材の径方向外側へ移動させ、前記内側部材の周壁の一部を径方向外側に膨出させる請求項29に記載の異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法。
  31. 前記外側部材には、円周方向に沿って複数の穴が設けられ、
    前記拡管加工は、前記内側部材の内部に前記複数の穴に対応して前記複数の玉又はビット部材を配置し、前記押出部材を軸方向に変位させることで、前記複数の玉又はビット部材を前記内側部材の径方向外側へ移動させ、前記複数の穴に臨む前記内側部材の周壁の一部を径方向外側に膨出させる請求項30に記載の異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法。
  32. 前記拡管加工は、前記内側部材の内部に複数の玉又はビット部材を配置し、前記押出部材を軸方向に変位させることで、前記複数の玉又はビット部材を前記内側部材の径方向外側へ移動させ、前記内側部材の周壁の一部を径方向外側に膨出させて前記外側部材に形成された窪みに対して嵌入させる請求項30に記載の異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法。
  33. 前記押出部材の当接部は、前記複数の玉又はビット部材と面接触しながら、軸方向に沿って中心軸から徐々に離間する凹面又は平面を有する錐状に形成される請求項30に記載の異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法。
  34. 前記拡管加工は、
    外面に押圧突起をそれぞれ備え、径方向に移動可能な複数の可動片を有する筒状拡管部材を、前記内側部材の内側に配置し、
    押出部材を前記内側部材の軸方向に変位させることで、前記可動片を径方向外側に移動させ、前記押圧突起によって前記内側部材の周壁の一部を径方向外側に膨出させる請求項29に記載の異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法。
  35. 前記外側部材には、穴又は内向き溝が形成され、
    前記筒状拡管部材は、前記押圧突起が前記外側部材の前記穴又は内向き溝と位置合わせされた状態で前記内側部材の内側に配置する工程と、
    前記押出部材を前記内側部材の軸方向に変位させることで、前記可動片を径方向外側に移動させ、前記押圧突起によって前記穴又は内向き溝に臨む前記内側部材の周壁の一部を径方向外側に膨出させて前記穴又は内向き溝に対して嵌入させ、前記内側部材と前記外側部材とをかしめ結合する請求項34に記載の異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法。
  36. 前記押出部材は、前記筒状拡管部材の内側で前記管状部材の軸方向に変位する際に、前記可動片を径方向外側へ移動させるテーパ面を有する請求項34に記載の異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法。
  37. 前記複数の可動片は、軸方向に沿って延びる複数のスリットを介して円筒形状を構成し、
    前記筒状拡管部材は、自由端側を上方に向けて下部抑え管上に載置することで、前記管状部材の内側に配置される請求項34に記載の異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法。
  38. 前記可動片には、複数の前記押圧突起が前記軸方向に配置され、
    基端側の前記押圧突起の突出高さは、自由端側の前記押圧突起のものよりも高い請求項34に記載の異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法。
  39. 前記複数の可動片は、軸方向に沿って延びる複数のスリットを介して円錐台形状を構成し、
    前記筒状拡管部材は、自由端側を下方に向け、少なくとも前記補助部材の軸方向端部に吊り下げられることで、前記内側部材の内側に配置される請求項34に記載の異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法。
  40. 前記拡管加工は、前記補助部材の軸方向端部が前記管状部材の軸方向端部から延出するように、受座に設けられた高さの異なる2つの支持面に前記管状部材と前記補助部材を支持した状態で行われる請求項29に記載の異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法。
  41. 前記内側部材が前記補助部材で、前記外側部材が前記管状部材であり、
    前記補助部材の軸方向端部には、前記管状部材の内径よりも大径の外周面を有する拡管部が設けられ、
    前記配置工程において、前記管状部材の軸方向端部は、前記補助部材の拡管部と当接する請求項29に記載の異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法。
  42. 前記管状部材の金属材料は、アルミニウム合金もしくはマグネシウム合金製と、鋼製とのいずれか一方であり、
    前記補助部材の金属材料は、前記アルミニウム合金もしくは前記マグネシウム合金製と、前記鋼製とのいずれか他方である請求項29~41のいずれか1項に記載の異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法。
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