以下、本開示の一側面に係る支援システム、支援方法、端末装置、及び制御プログラムについて図を参照しつつ説明する。但し、本開示の技術的範囲はそれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。尚、以下の説明及び図において、同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(1)本実施形態の概略
図1は、本実施形態の概略を説明する図である。本実施形態では、ケアマネジャー等の介護サービス従事者が、介護を必要とする人(以下、「被介護者」と称する。)や被介護者の家族等に介護サービスに対するニーズをヒアリングして、介護サービスの長期目標情報を決定する。例えば、被介護者のニーズが、「人の手を借りずに、ベッドサイドに腰掛けられるようになりたい」であるとすると、ケアマネジャーは、「一人でベッドサイドに腰掛けることができる」という介護サービスの長期目標情報を設定する。決定された介護サービスの長期目標情報は、介護サービス支援システム1の端末装置2に入力され(P01)、サーバ3に送られる。サーバ3は、長期目標パターンテーブルから長期目標情報を達成するための短期目標候補情報を取得する(P02)。例えば、長期目標情報「一人でベッドサイドに腰掛けることができる」を達成するための動作を示す短期目標候補情報は、「寝返りできる」、「起き上がりできる」、「座位ができる」の順序で長期目標パターンテーブルに登録されている。次に、サーバ3は、短期目標候補情報に関連する詳細な動作を示す動作項目情報の各動作が「できる」(肯定評価)動作であるか、「できない」(否定評価)動作であるかを示す被介護者アセスメントデータから、否定評価が少なくとも1つあるか否かを判別する(P03)。例えば、短期目標候補情報「寝返りできる」に関連する動作項目情報は、「膝を立てる」、「向きたい方向に頭を向ける」等である。サーバ3は、否定評価が少なくとも1つある短期目標候補情報を介護サービスの長期目標情報を達成するための最初の短期目標(第1短期目標)情報に決定する(P04)。短期目標候補情報に関連するすべての動作が「できる」(肯定評価)であれば、短期目標情報とする必要がないからである。ケアマネジャー等は、端末装置2から決定された短期目標情報を確認することができる。サーバ3は、介護サービスの長期目標情報「一人でベッドサイドに腰掛けることができる」に対して、例えば、第1短期目標情報「起き上がり」を決定する。
次に、介護サービスの長期目標を達成するための第1短期目標情報の決定が終わると、サーバ3は、第1短期目標情報に対応する第1介護サービス計画情報を作成する(P05)。介護サービス計画情報は、短期目標情報に関連付けられたられた日々の介護サービスの提供に関する項目情報である、被介護者の動作及び状態を示す観察項目、被介護者への処置を示す実施項目、被介護者への指導を示す指導項目の各情報から構成される。第1介護サービス計画情報を作成するとき、サーバ3は、被介護者アセスメントデータから否定評価された動作項目情報を観察項目情報に取り込む(P06)。介護スタッフ等が、被介護者ができなかった動作ができるようになったかを観察する必要があるからである。次に、介護スタッフ等は、端末装置2を使用して、日々の被介護者の動作及び状態を示すモニタリング情報や被介護者への処置の実施有無等のモニタリング情報を、第1介護サービス計画情報に対応する第1介護サービス計画モニタリングテーブルに入力する(P07)。サーバ3は、端末装置2からの入力より、第1介護サービス計画モニタリングテーブル情報を更新する。この作業は、被介護者のベッドサイドで行うことが望ましい。したがって、端末装置2は、ノートパソコンやタブレット端末等の携帯型情報処理端末が望ましい。
サーバ3は、第1介護サービス計画情報が達成できたかを評価するため、介護スタッフ等が端末装置2から入力した第1介護サービス計画モニタリングテーブル情報を使用して、第1介護サービス計画情報の各観察項目情報、各実施項目情報、及び各指導項目情報の達成率情報を算出する(P08)。達成率情報は第1介護サービス計画期間中の所定期間に各観察項目情報等がどの程度観察等されたかの比率を示し、サーバ3は、いくつかの項目情報の達成率情報の組み合わせにより、第1介護サービス計画情報が達成されたか否かを評価して評価結果を作成する(P09)。第1介護サービス計画情報に対する評価が肯定的であれば、次の第2短期目標情報へと移行する。例えば、第1短期目標情報「起き上がり」が達成されると、次の、第2短期目標情報「座位ができる」に移行する。サーバ3は、第1介護サービス計画情報に対する評価が否定的であれば、現在の第1介護サービス計画情報を続行あるいは、中止と判定する。ケアマネジャーや介護スタッフは端末装置2から第1介護サービス計画情報の評価情報を閲覧することができる。
以上のように、ケアマネジャーや介護スタッフ等の介護サービス提供者は、介護サービス支援システム1を使用して、介護サービスの目標設定(計画)、実施、評価、及び見直しをすることができ、介護サービスの質の維持と向上が図られる。
なお、本実施形態では、介護サービスを想定するが、本発明はこれに限定されるものではない。当該サービス支援システムは、本発明が適用可能であればよく、例えば、診療サービス、看護サービス、介助サービス等を含む医療サービスに広く適用される。したがって、医療サービスを提供される患者には、介護サービスを提供される被介護者や、介助サービスを提供される要介助者等が含まれる。
ケアマネジャーや介護スタッフは、介護サービスの短期目標情報の決定や照会、モニタリング記録情報の作成等(以下「短期目標情報の決定等」と称する)の指示を端末装置2に入力する。端末装置2は、ケアマネジャーや介護スタッフからの入力に応じて、短期目標情報の決定等をサーバに要求する。サーバ3は、端末装置2からの要求に応じて、短期目標情報の決定等を行い、端末装置2に、作成された短期目標情報等を出力する。
(2)介護サービス支援システム1の構成
図2は、介護サービス支援システム1の概略構成の一例を示す図である。
介護サービス支援システム1は、少なくとも一台の端末装置2と、サーバ3とを備える。端末装置2とサーバ3とは、例えばインターネット4やローカルエリアネットワーク(Local Area Network、LAN)等の有線又は無線通信ネットワークを介して相互に接続される。被介護者のベッドサイドでの端末装置2の利用形態から、無線通信による接続が好ましい。更に、訪問介護サービスの場合は、移動体通信網を介して相互に接続されていてもよい。端末装置2で実行されるプログラム(例えば、閲覧プログラム)と、サーバ3で実行されるプログラム(例えば、サービス支援プログラム)とは、ハイパーテキスト転送プロトコル(Hypertext Transfer Protocol, HTTP)等の通信プロトコルを用いて通信を行う。
(2.1)端末装置2の構成
図3は、端末装置2の概略構成の一例を示す図である。
端末装置2は、インターネット4を介してサーバ3に接続し、サーバ3と通信を行う。端末装置2は、ケアマネジャーや介護スタッフによる操作部23(ボタン、タッチパネルディスプレイ等)の操作に応じて、短期目標情報の決定等をサーバ3に要求する。また、端末装置2は、サーバ3から短期目標情報の決定等に係る表示データを受信して表示する。そのために、端末装置2は、端末通信部21と、端末記憶部22と、操作部23と、表示部24と、端末処理部25とを備える。
なお、本実施形態では、端末装置2として、タブレット端末を想定するが、本発明はタブレット端末に限定されるものではない。端末装置2は、本発明が適用可能であればよく、例えば、タブレットPC、ノートPC、多機能携帯電話(所謂「スマートフォン」)、携帯電話(所謂「フィーチャーフォン」)、携帯情報端末(Personal Digital Assistant, PDA)等でもよい。
端末通信部21は、通信インターフェース回路を備え、端末装置2を無線又は有線の通信ネットワークに接続する。端末通信部21は、端末処理部25から供給されたデータをサーバ3等に送信する。また、端末通信部21は、サーバ3等から受信したデータを端末処理部25に供給する。
端末記憶部22は、例えば、半導体メモリ装置、磁気ディスク装置、又は光ディスク装置のうちの少なくともいずれか一つを備える。端末記憶部22は、端末処理部25での処理に用いられるオペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、アプリケーションプログラム、データ等を記憶する。例えば、端末記憶部22は、ドライバプログムとして、操作部23を制御する入力デバイスドライバプログラム、表示部24を制御する出力デバイスドライバプログラム等を記憶する。また、端末記憶部22は、アプリケーションプログラムとして、介護サービス計画情報の作成等に係る表示データの取得及び表示を行う閲覧プログラム等を記憶する。また、端末記憶部22は、データとして、介護サービス計画情報の作成等に係る表示データ、映像データ、画像データ等を記憶する。さらに、端末記憶部22は、所定の処理に係る一時的なデータを一時的に記憶してもよい。
操作部23は、端末装置2の操作が可能であればどのようなデバイスでもよく、例えば、タッチパネル、キーボード等である。ユーザは、操作部23を用いて、文字、数字等を入力することができる。操作部23は、ユーザにより操作されると、その操作に対応する信号を発生する。そして、発生した信号は、ユーザの指示として、端末処理部25に供給される。
表示部24も、映像、画像等の表示が可能であればどのようなデバイスでもよく、例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイ等である。表示部24は、端末処理部25から供給された映像データに応じた映像、画像データに応じた画像等を表示する。
端末処理部25は、一又は複数個のプロセッサ及びその周辺回路を備える。端末処理部25は、端末装置2の全体的な動作を統括的に制御するものであり、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。端末処理部25は、端末装置2の各種処理が端末記憶部22に記憶されているプログラム、操作部23の操作等に応じて適切な手順で実行されるように、端末通信部21、表示部24等の動作を制御する。端末処理部25は、端末記憶部22に記憶されているプログラム(オペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行する。また、端末処理部25は、複数のプログラム(アプリケーションプログラム等)を並列に実行することができる。
(2.1.1)端末処理部25の構成
端末処理部25は、少なくとも閲覧実行部251を備える。これらの各部は、端末処理部25が備えるプロセッサで実行されるプログラムにより実現される機能モジュールである。あるいは、これらの各部は、ファームウェアとして端末装置2に実装されてもよい。
閲覧実行部251は、介護サービス計画情報の作成等に係る表示データの取得及び表示を行う。即ち、ケアマネジャーや介護スタッフからの指示に応じて、短期目標情報の決定等に係る表示データの取得要求を、端末通信部21を介してサーバ3に送信する。また、閲覧実行部251は、対応する表示データを、サーバ3から端末通信部21を介して受信する。閲覧実行部251は、受信した表示データに基づいて描画データを作成する。即ち、閲覧実行部251は受信した表示データを解析して制御データ及び内容データを特定し、特定した制御データに従って同じく特定した内容データをレイアウトし、描画データを作成する。そして、閲覧実行部251は、作成した描画データを表示部24に出力する。
(2.2)サーバ3の構成
図4は、サーバ3の概略構成の一例を示す図である。
サーバ3は、端末装置2からの要求に応じて、介護サービス計画情報の作成等を行う。また、サーバ3は、短期目標情報の決定等に係る表示データを作成して端末装置2に送信する。そのために、サーバ3は、サーバ通信部31と、サーバ記憶部32と、サーバ処理部33とを備える。
サーバ通信部31は、サーバ3をインターネット4に接続するための通信インターフェース回路を備え、インターネット4との間で通信を行う。そして、サーバ通信部31は、端末装置2等から受信したデータをサーバ処理部33に供給する。また、サーバ通信部31は、サーバ処理部33から供給されたデータを端末装置2等に送信する。
サーバ記憶部32は、例えば、磁気テープ装置、磁気ディスク装置、又は光ディスク装置のうちの少なくともいずれか一つを備える。サーバ記憶部32は、サーバ処理部33での処理に用いられるオペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、アプリケーションプログラム、データ等を記憶する。例えば、サーバ記憶部32は、アプリケーションプログラムとして、短期目標情報の決定等を行い、その結果に係る表示データを作成する介護サービス短期目標作成プログラム等を記憶する。また、サーバ記憶部32は、データとして、被介護者の属性情報を管理する被介護者属性情報管理テーブル(図5(a))や、ケアマネジャーや介護スタッフ等の属性情報を管理する介護従事者属性情報管理テーブル(図5(b))、短期目標情報を決定するために、介護サービスの長期目標情報を達成するための複数の短期目標候補情報を管理する長期目標パターンテーブル(図5(c))を記憶する。更に、サーバ記憶部32は、各短期目標候補情報に関連する介護サービス計画パターンテーブル(図6)、被介護者の日常生活動作の動作評価情報並びに身体及び精神生活状況の状況評価情報を管理する被介護者アセスメントテーブル(図7〜10)、被介護者への介護サービス提供に関連する介護サービス計画情報を管理する介護サービス計画テーブル(図11)等を記憶する。また、介護サービス計画評価の画面に経過情報を表示する文例情報を作成するための経過文例パターンテーブル(図17)、介護サービス計画情報を評価して、次の短期目標情報に移行するかどうかを判定する計画評価テーブル(図18)を記憶する。さらに、サーバ記憶部32は、所定の処理に係る一時的なデータを一時的に記憶してもよい。
図5及び図6は、各種管理テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
図5(a)には、介護サービスの提供を受ける被介護者の属性情報を管理する被介護者属性情報管理テーブルの一例が示されている。被介護者属性情報管理テーブルは、被介護者のIDや氏名、生年月日、性別、住所、介護区分(例えば、要支援、要介護1〜5等)等の情報を記憶する。
図5(b)には、ケアマネジャーや介護スタッフの属性情報を管理する介護従事者属性情報管理テーブルの一例が示されている。介護従事者属性情報管理テーブルは、各介護従事者情報について、当該介護従事者の識別番号(ID)や氏名、性別、職種(例えば、ケアマネジャーや介護職等)等の情報を記憶する。
図5(c)には、介護サービスの長期目標情報から短期目標情報を決定するための長期目標パターンテーブルの一例が示されている。長期目標パターンテーブルには、一つの長期目標情報を達成するための動作を示す短期目標情報が実行される順序で記憶されている。また、各短期目標情報に関連して、短期目標達成に要する標準的な介護サービス計画の実施期間情報が設定されている。例えば、長期目標情報「一人でベッドサイドに腰掛けることができる」の達成に要する標準的な実施期間は3月期間であり、動作を示す短期目標情報はそれぞれ、「寝返りできる」に1月間、「起き上がりできる」に1月間、「座位ができる」に1月間のようになる。なお、標準的な実施期間完了前に、早期に目標動作ができるようになれば、ケアマネジャー等は実際の実施期間を調整(短縮/延長)することができる。図5(c)では、説明の簡略化のために、長期目標や短期目標の名称で表記しているが、長期目標情報及び短期目標情報等は関連する識別ID情報等で記憶されてもよい。識別ID情報で記憶されている場合、端末装置2での閲覧表示等のために、別途、サーバ記憶部32は識別ID情報に対応する名称情報のテーブル等を記憶している。本実施形態での各種テーブル等も、各名称情報等とその識別ID情報等との対応テーブルを使用してよいことは同様である。
図6には、サービス評価項目パターンテーブルの一例が示されている。サービス評価項目パターンテーブルは、介護スタッフ等が被介護者に一つの短期目標情報に関連する介護サービスを提供する際に、提供する介護サービスの実施項目情報、被介護者の状態等に関する観察項目情報、介護スタッフ等が被介護者に指導する指導項目情報をパターン化したものである。例えば、図5に示される短期目標情報「寝返りできる」に対して、被介護者の及び状態及び動作等に関する観察項目情報として「意欲」、「痛み」、「膝を立てる」等の7つの項目情報、介護スタッフ等が被介護者に実施する7つの実施項目情報、及び介護スタッフ等が安全性確保のために用か愛護者に指導する1つの指導項目情報がパターンとして記憶されている。更に、各実施項目情報や指導項目情報について、実施や指導することのできる担当者情報、例えば職種等の情報を設定することができる。
図7〜10は、介護サービスを提供される対象者である被介護者の日常生活動作の評価を示す動作評価情報並びに身体及び精神生活状況の評価を示す状況評価情報を管理する被介護者アセスメントテーブルの被介護者ごとのイメージの一例が示されている。通常、介護サービスの提供の開始に当たり、介護サービスを提供される被介護者の動作及び状況のアセスメント(評価)が必要となる。アセスメントは、介護面からだけでなく、看護面、リハビリテーション面等を含む医療面から広い範囲にわたり評価される。このため、医師や看護師、リハビリテーション担当等も被介護者に対するアセスメント情報の入力が可能である。図7〜10に示すように被介護者に対するアセスメント情報は、被介護者の身体面、褥瘡危険因子、基本動作、移動、食事、排泄、精神状況等、認知度の指標である長谷川式スケールやMMSE、自立した日常生活をおくる能力を示すIADL状況、日々の生活、及びリスク等の多様な面から評価された情報である。更に、図10に示す詳細アセスメントでは、例えば、基本動作を示す短期目標情報「寝返り」に関連する詳細な動作項目情報「膝を立てる」、「向きたい方向に頭を向ける」、「上肢を向きたい方向に持ってくる」、「上半身を回旋させる」、及び「腰をひねって下半身を回旋させる」と、各動作について「できる」(肯定評価)と「できない」(否定評価)とが評価情報として記憶されている。
本実施形態でいうテーブルとはデータベースの形式の一例であり、データがサーバ3内にプールしているような形式であってもよい。
サーバ処理部33は、一又は複数個のプロセッサ及びその周辺回路を備える。サーバ処理部33は、サーバ3の全体的な動作を統括的に制御するものであり、例えば、CPUである。サーバ処理部33は、サーバ3の各種処理がサーバ記憶部32に記憶されているプログラム、端末装置2からの要求等に応じて適切な手順で実行されるように、サーバ通信部31等の動作を制御する。サーバ処理部33は、サーバ記憶部32に記憶されているプログラム(オペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行する。また、サーバ処理部33は、複数のプログラム(アプリケーションプログラム等)を並列に実行することができる。
サーバ処理部33は、長期目標取得部331、短期目標候補取得部332、動作評価取得部333、短期目標決定部334、短期目標出力部335、介護サービス計画作成部336、介護サービス計画出力部337、モニタリング更新部338、モニタリング出力部339、達成率算出部3310、達成率出力部3311、計画評価テーブル取得部3312、介護サービス計画評価部3313、介護サービス評価出力部3314、評価理由パターン取得部3315、評価理由作成部3316、及び評価理由出力部3317等を有する。サーバ処理部33が有するこれらの各部は、サーバ処理部33が有するプロセッサ上で実行されるプログラムによって実装される機能モジュールである。あるいは、サーバ処理部33が有するこれらの各部は、独立した集積回路、マイクロプロセッサ、又はファームウェアとしてサーバ3に実装されてもよい。
(2.2.1)サーバ処理部33の機能
図11、12は、サーバ3により作成される表示データに基づく端末装置2の表示画面の一例を示す図である。
図11には、被介護者や被介護者の家族の介護サービスに対するニーズに基づきケアマネジャー等が決定する介護サービスの長期目標情報を入力するための端末装置2の入力画面1101の一例が示されている。被介護者に関する属性情報1102は、閲覧実行部251によりサーバ記憶部32の被介護者属性情報管理テーブルを参照して表示される。サービス計画者の氏名情報1103は、サーバ記憶部32の介護従事者属性情報管理テーブルが参照される。介護サービスのニーズ情報1104は、介護サービスを利用する被介護者等にヒアリングに基づいてケアマネジャー等が操作部23から入力する。更に、ケアマネジャーは、端末装置2の操作部23から介護サービスの長期目標情報1105を入力する。また、介護サービスの長期目標情報に関連する計画の開始日情報1106と終了日情報1107を入力する。次に、ケアマネジャーにより、表示部24の画面上の介護サービス計画作成エリア1108がタップ又はクリック等されると、サーバ処理部33の長期目標取得部331は、端末装置2から介護サービスの長期目標情報を取得し、短期目標決定部334により長期目標情報を達成するための最初の短期目標情報である第1短期目標情報が決定される。
図11には、長期目標情報入力のタブ画面1101以外に、タブ1109〜1112が表示されている。タブ1109〜1112は、それぞれ図7〜10に示した被介護者の日常生活動作の評価を示す動作評価情報並びに身体及び精神生活状況の評価を示す状況評価情報を管理する被介護者アセスメントテーブルの端末装置2での表示イメージ画面に付されている。これにより、ケアマネジャー等は、被介護者の日常生活動作の評価を示す動作評価情報並びに身体及び精神生活状況の評価を示す状況評価情報を管理する被介護者アセスメントテーブルを、端末装置2から簡単に閲覧することができ、適切な長期目標情報を設定することができる。端末末装置2での、被介護者アセスメントテーブルの表示画面は、タブ画面を利用した表示方法に限定されず、例えば、複数のウィンドウ表示により被介護者アセスメントテーブルを表示してもよい。
図12は、サーバ3の短期目標決定部334により作成される第1短期目標情報と、介護サービス計画作成部336により作成される介護サービス計画とを端末装置2に表示した画面1201の一例である。まず、被介護者の属性情報、被介護者の介護サービスの長期目標情報、長期目標情報を達成するための最初の短期目標情報である第1短期目標情報が表示される。短期目標決定部334は、サーバ記憶部32に記憶された長期目標パターンテーブルを用いて、介護サービスの長期目標情報を達成するための短期目標情報を取得する。例えば、長期目標パターンテーブルに介護サービスの長期目標情報「一人でベッドサイドに腰掛けることができる」に関連する動作を示す短期目標情報「寝返りできる」、「起き上がりできる」、「座位ができる」が順番に長期目標パターンテーブルに登録されている。短期目標決定部334は、最初の短期目標情報「寝返りできる」を第1短期目標情報とするか否かを判定する。被介護者が既に「寝返り」動作ができている場合は、「寝返りできる」を第1短期目標情報とする必要がないからである。被介護者が「寝返りできる」動作ができているかどうかは、被介護者の詳細アセスメントテーブルを参照して判定される。被介護者が既に「寝返りできる」動作に関連する詳細な動作、「膝を立てる」、「向きたい方向に頭を向ける」、「上肢を向きたい方向に持ってくる」、「上半身を回旋させる」、及び「腰をひねって下半身を回旋させる」がすべて「できる」(肯定評価)場合は、短期目標決定部334は、短期目標候補情報「寝返りできる」を第1短期目標情報とはしない。次に、短期目標決定部334は、2番目の短期目標候補情報「起き上がりできる」を第1短期目標情報とするか否かを判定する。被介護者の詳細アセスメントテーブルを参照し、被介護者が「起き上がりできる」動作に関連する詳細な動作、「寝返りし、体を横向きにする」、「肘で身体を支え上半身を起こす」について少なくとも1つが「できない」(否定評価)場合は、短期目標決定部334は、2番目の短期目標候補情報「起き上がりできる」を第1短期目標情報と決定する。
更に、図12には、第1短期目標情報に関連する第1介護サービス計画情報が表示される。介護サービス計画作成部336は、第1短期目標情報に関連する第1介護サービス計画情報を、サーバ記憶部32に記憶されている介護サービス評価項目パターンテーブルを用いて作成する。介護サービス評価項目パターンテーブルは、被介護者に介護サービスを提供する際に介護スタッフ等が行う、被介護者の動作及び状態等の観察を示す観察項目情報、被介護者への処置を示す実施項目情報、及び被介護者への指導を示す指導項目情報をパターン化してテーブルとしたものである。例えば、短期目標情報「寝返りできる」に対して、図5に示す介護サービス評価項目パターンテーブルでは、被介護者の動作及び状態等に関する観察項目情報として「意欲」、「痛み」、「膝を立てる」等の7つの項目情報、7つの実施項目情報、及び安全性確保のための1つの指導項目情報がパターンとして記憶されている。しかし、被介護者の動作及び状態等に関する観察項目情報のうち、被介護者が既にできている動作情報に関しては、サービス計画情報に含める必要がないので除外すべきである。そこで、介護サービス計画作成部336は、被介護者が既にできている動作情報を、被介護者の日常生活動作の評価を示す動作評価情報並びに身体及び精神生活状況の評価を示す状況評価情報を管理する被介護者アセスメントテーブルを利用して、観察項目情報から除外できる。
介護サービス計画作成部336は、ケアマネジャー等が決定した介護サービスの長期目標情報の開始日情報及び終了日情報等を使用して介護サービス計画情報の開始日情報及び終了日情報を決定できる。サーバ記憶部32に記憶された長期目標パターンテーブルに、追加情報として介護サービスの各短期目標候補情報についての実施期間情報を初期設定しておけば、介護サービス計画作成部336は、実施期間情報を自動的に設定することができる。なお、第1短期目標情報に関連する第1介護サービス計画情報に関する開始日情報及び終了日情報は、図12に示す介護サービス計画画面から入力してもよい。また、図5に示した介護サービス評価項目パターンテーブルにおいて、実施項目情報と指導項目情報それぞれに関連して、担当者職種情報、例えば、ケアマネジャー、介護職、看護職、リハビリ職等の職種情報を設定することができるようにしてもよい。更に、介護サービス計画作成部336は、介護サービス評価項目パターンテーブルに初期設定された担当者職種情報と介護従事者属性情報管理テーブルの職種情報を使用して、実施項目情報や指導項目情報それぞれに関して、実際の介護サービスの担当者情報を設定してもよい。
図13は、サーバ処理部33が、端末装置2から入力された介護サービスの長期目標情報に関連する介護サービスの短期目標情報を作成するフローチャートの一例を示す図である。まず、サーバ3の長期目標取得部331はケアマネジャー等が端末装置2の長期目標情報の入力画面から入力された被介護者の介護サービスの長期目標情報を取得する(ST101)。ここで取得されるとは、サーバ記憶部32に記憶されることを示す。次に、短期目標候補取得部332は、サーバ記憶部32に記憶された長期目標パターンテーブルを、取得された介護サービスの長期目標情報で検索し、長期目標パターンテーブルの長期目標情報に対する最初の短期目標候補情報を取得する(ST102)。短期目標候補取得部332が、最初の短期目標候補情報を取得すると、短期目標決定部334は、最初の短期目標候補情報に関連するサーバ記憶部32に記憶された被介護者アセスメントテーブルの動作評価情報を取得する(ST103)。次に、短期目標決定部334は、取得された動作評価情報の少なくとも1つが否定評価であるか否かを判定する(ST104)。読み出された動作評価情報の少なくとも1つが否定評価である場合(ST104−YES)は、最初の短期目標候補情報を第1短期目標情報と決定する(ST105)。決定された第1短期目標情報は、短期目標出力部335により、端末装置2に出力され(ST106)、処理を終了する。読み出された動作評価情報のすべてが肯定評価である場合(ST104−NO)は、短期目標決定部334は、取得した短期目標候補情報が長期目標パターンテーブルに記憶された最後の短期目標候補情報であるか否かを判定する(ST107)。最後の短期目標候補でない場合(ST107−NO)は、ST102に戻り短期目標候補取得部332が、長期目標パターンテーブルに登録されている2番目の短期目標候補を取得する。最後の短期目標候補である場合(ST107−YES)は、短期目標決定部334は、短期目標出力部335に、取得した長期目標情報に関連する短期目標候補情報のすべては患者が既に「できる」動作なので長期目標とならない旨のエラーメッセージを出力させ(ST108)、処理を終了する。
図14は、サーバ処理部33が、介護サービスの長期目標情報を達成するための第1短期目標情報から、介護サービス計画情報を作成するフローチャートの一例を示す図である。介護サービス計画作成部336は、短期目標決定部334が決定した第1短期目標情報に対応する第1介護サービス計画情報を作成する。介護サービス計画作成部336の否定評価抽出部3361は、サーバ記憶部32に記憶された被介護者アセスメントテーブルから、取得した第1短期目標情報に関連する動作評価情報のうちで否定評価を示す動作評価情報を取得する(ST201)。更に、介護サービス計画作成部336の動作項目取得部3362は、被介護者アセスメントテーブルから、取得された否定評価を示す動作評価情報に対応する動作項目情報を取得する(ST202)。次に、介護サービス計画作成部336の動作項目取込部3363は、取得された動作項目情報を第1短期目標情報に対応する第1介護サービス計画の動作を示す観察項目情報として取り込む(ST203)。更に、介護サービス計画作成部336は、第1短期目標情報に対応する、サーバ記憶部32に記憶されたサービス評価項目パターンテーブルの情報を取得する(ST204)。次に、介護サービス計画作成部336は、取得されたサービス評価項目パターンテーブルの観察項目情報のうち動作項目情報以外の観察項目情報、実施項目情報、及び指導項目情報それぞれを、第1短期目標情報に対応する第1介護サービス計画情報として取り込む(ST205)。第1短期目標情報に対応する第1介護サービス計画情報は、ST203において取り込まれた否定評価を示す動作を示す観察項目情報、ST205において取り込まれた動作項目情報以外の観察項目情報、実施項目情報、及び指導項目情報を備えることになる。介護サービス計画作成部336が作成した第1介護サービス計画情報は、介護サービス計画出力部337により、端末装置2に出力され(ST207)、終了する。
図15は、端末装置2の表示部24に表示される介護サービス計画実施記録画面の一例を示す図である。モニタリング更新部338は、介護サービス計画作成部336が作成した介護サービス計画情報に関連する介護サービス計画モニタリングテーブルを作成し更新する。例えば、介護サービス計画モニタリングテーブルは、介護サービス評価項目情報である、被介護者の動作及び状態等を示す観察項目情報、被介護者への処置を示す実施項目情報、及び被介護者への指導を示す指導項目情報を縦軸とし、横軸に暦日(カレンダー日付)と実施経過日情報を有する。モニタリング更新部338は、実施経過日を、長期目標の介護サービス提供開始日情報と、長期目標パターンテーブルに記憶された介護サービスの各短期目標情報について初期設定された実施期間情報により自動的に設定することができる。作成された介護サービス計画モニタリングテーブル情報は、モニタリング出力部339により、端末装置2に出力される。端末装置2の表示部24には介護サービス計画実施記録画面が表示される。介護スタッフ等は、端末装置2の表示部24に表示される介護サービス計画実施記録画面に日々の介護サービスの提供状況情報を入力する。端末装置2から介護スタッフ等が日々の介護サービスの提供状況情報を入力することにより、モニタリング更新部338は、サーバ3のサーバ記憶部32に記憶されている被介護者ごとの介護サービス計画モニタリングテーブル情報を更新する。介護サービスの短期目標情報「寝返りできる」に関連する観察項目情報は、図5に示した医療サービス評価項目パターンテーブルでは7項目が挙げられている。一方、被介護者の日常生活動作の評価を示す動作評価情報並びに身体及び精神生活状況の評価を示す状況評価情報を備える患者アセスメントテーブルを参照すると、被介護者は「膝を立てる」、「向きたい方向に頭を向ける」、「上肢を向きたい方向に持ってくる」の3つの動作については既にできているので、介護サービス計画実施記録画面の観察項目情報から除外されている。更に介護サービス計画実施記録画面には、介護サービスの短期目標情報「寝返りできる」に関連する実施項目情報と指導項目情報が表示されている。本例では、画面表示サイズが小さいので、画面右端にスクロールバーを設けてスクロールすることができる。また、タッチパネルディスプレイの場合には、画面上に指をタッチさせ、画面に表示される部分を左右上下方向に移動する、いわゆるドラッグ操作により表示画像を移動させてもよい。
図15に示す介護サービス計画実施記録画面から、介護スタッフ等が、実施経過日ごとに、各項目情報に関し「できた」又は「できない」等の結果を入力すると、モニタリング更新部338は介護サービス計画モニタリングテーブル情報を更新し、モニタリング出力部339は、介護サービス計画実施記録画面に表示されるよう端末装置2に出力する。例えば、白抜き□は「未入力」を表し、白丸印○は「できた」ことを表し、バツ印×は、「できなかった」こと表している。介護スタッフ等は、端末装置2に表示された介護サービス計画実施記録画面に表示された□をタッチ、クリック等の操作をすることにより「できた」又は「できない」の結果を入力することができる。例えば、「未入力」を示す□を一度タッチすると「できた」ことを示す○に変わり、次に、○をタッチすると「できない」ことを示す×に変わる。なお、観察項目情報「意欲」に関しては、「意欲あり」を○で示し、「意欲なし」を×で示し、観察項目情報「痛み」に関しては、「痛みあり」を○で示し、「痛みなし」を×で示している。また、実施経過日ごとの各項目情報の結果入力エリアを「○できた ○できない」のように表示し、介護スタッフ等は、どちらかの○をタッチ等するようにしてもよい。
図16は、端末装置2の表示部24に表示される介護サービス計画評価画面の一例を示す図である。介護サービスの短期目標情報「寝返りできる」に関連する介護サービス計画の開始日情報から、終了日情報までの1月間の観察項目情報、実施項目情報、指導項目情報それぞれに対して達成率算出部3310が算出した達成率[%]情報が達成率出力部3311により出力され、端末装置2に表示されている。達成率情報は、介護サービス計画の実施期間内に、例えば、本表示例では31日間に、観察項目情報について何回観測されたか、実施項目情報について何回実施されたか、及び、指導項目情報について何回指導されたかを示すパーセント比率情報である。例えば、介護サービス計画の実施期間であるTD[日]の間に観察項目情報である動作「膝を立てる」がN[日}観察されたとすると、達成率R[%]は、次のように表される。
(式1) R=(N/TD)×100[%]
また、介護サービス計画の実施期間に代えて、達成率算出部3310は、介護サービス計画の特定の期間に関連して評価ができるよう、ケアマネジャー等により評価開始日情報と評価終了日情報が入力されることにより、任意の期間で介護サービス計画を評価してもよい。次に、介護サービス計画評価画面には、表示されている介護サービス計画情報に対する経過情報が表示されている。更に、評価結果情報として「起き上がりできる」に移行」が表示されている。介護サービスの短期目標情報「寝返りできる」に関連する介護サービス計画は達成できたと、介護サービス計画評価部3313が評価すると、短期目標決定部334は、被介護者の介護サービスの長期目標情報「1人でベッドサイドに座ることができる」に関連する次の介護サービスの短期目標情報「起き上がりできる」を長期目標パターンテーブルから取得して第2短期目標情報と決定する。介護サービス計画作成部336は、第2短期目標情報「起き上がりできる」に関連する第2介護サービス計画情報を作成する。
図17は、図16に示した介護サービス計画評価の画面の経過情報を表示する文例情報を作成するための経過文例パターンテーブルの一例を示している。経過文例パターンテーブルは、サーバ記憶部32に短期目標情報ごとに経過文例パターン情報として記憶されている。図6に示した介護サービス評価項目パターンテーブルを利用して、ケアマネジャー等介護サービス支援システムの利用者は経過文例パターンテーブルを作成して登録しておくことができる。経過文例パターン情報は、各観察項目情報とそれぞれの達成率変数情報、各実施項目情報とそれそれぞれの達成率変数情報、指導項目情報とそれぞれの達成変数情報に対応して作られている。例えば、観察項目情報「膝を立てる」とその達成率変数情報が、O3[%}であり、観察項目情報「膝を立てる」に関連する実施項目情報は「両足の踵を被介護者の臀部にできるだけ引き寄せ、両膝を立てるよう声をかける」でありその達成率変数情報が、T3[%]であるとする。この場合の経過文例パターン情報は、「膝を立てるO3[%]達成、声掛けT3[%]。」等のように設定できる。達成率O3[%]とT3[%]は変数として表されている。達成率変数情報O3[%],T3[%]に関連する具体的な達成率の値は、達成率算出部3310が、介護サービス実施期間情報と介護サービス計画モニタリングテーブル情報を取得して、(式1)に当てはめて算出する。更に、介護サービス計画評価部3313は、達成率変数情報O3[%],T3[%]に関連する算出した達成率の値を経過文例パターン情報に埋め込み、経過情報を作成する。なお、図17に示した文例パターンテーブルでは、1つの観察項目情報とその1つの観察項目情報に関連する1つの実施項目情報に対して、1つの経過文例パターン情報を登録できることを示した。更にケアマネジャーや介護スタッフ等は、例えば、1つの観察項目情報に複数の実施項目情報を組み合わせた経過文例パターン情報や、複数の観察項目情報と複数の実施項目情報を組み合わせた経過文例パターン情報を作成してもよい。
図18は、介護サービス計画評価部3313が、介護サービス計画を評価して、次の介護サービスの短期目標情報に移行するかどうかを判定するための評価結果テーブルの一例を示す図である。通常、介護サービス計画評価部3313は、次の介護サービスの短期目標情報への移行の判定を、被介護者の観察項目情報の最終項目の達成率情報により判定する。図18(a)に示す例示では、介護サービスの短期目標情報「寝返り」の最終観察項目情報は「腰をひねって下半身を回旋させる」であり、その達成率情報は変数O7[%]として表されている。O7の値が、設定されている第1閾値95%以上の場合は、次の介護サービスの短期目標情報「起き上がり」に移行し、O7の値が、第2閾値5%を超え第1閾値95%未満である場合は計画が続行され、第2閾値5%以下の場合は、計画は中止される。また、評価結果文例パターン情報が設定されていて、介護サービス計画評価部3313は、評価文例パターン情報を使用して、評価結果情報を作成して、介護サービス評価出力部3314に端末装置2の介護サービス計画評価画面に表示するための出力をするよう指示する。なお、本例示以外に、被介護者の他の観察項目情報や、実施項目情報の達成率情報の閾値を組み合わせた条件情報を計画評価テーブルに登録してもよい。
更に、図18(b)は、介護サービスの短期目標情報「寝返りできる」に関連する介護サービス計画の評価に別の評価基準がある場合の計画評価テーブルの1つの例である。例えば、通常、次の介護サービスの短期目標情報「起き上がりできる」に移行するための条件は「寝返りできる」動作の最終動作「腰をひねって下半身を回旋させる」動作の達成率の閾値はが95%以上であるとする。しかし、被介護者の観察項目情報の達成率情報に関して(a)被介護者の意欲が80%(O1)以上あり、(b)痛みが20%(O2)以下であり、(c)「寝返りできる」動作の最終動作「腰をひねって下半身を回旋させる」動作の達成率が80%(O7)以上、の場合、経験則上、次の介護サービスの短期目標情報「起き上がりできる」に移行できることが知られているとする。そこで、介護サービス計画評価部3313は、各達成率を表す変数O1、O2及びO7の実際の達成率の値をそれぞれ評価して、(a)、(b)、(c)の条件をすべて満たした場合、次の短期目標「起き上がりできる」に移行する。介護サービス計画評価部3313は、複数の条件で評価して移行決定したこと示す評価結果情報を評価結果文例パターン情報から作成して、介護サービス評価出力部3314は、作成された評価結果情報を評価結果情報として端末装置2に表示するための出力をする。
図19は、サーバ3の介護サービス計画評価部3313により実行される介護サービス計画評価処理の一例を示すフローチャートである。本フローチャートは、図18に示した計画評価テーブルに対応している。例えば、図18(a)に示した評価結果テーブルでは、評価判定するための、介護サービスの短期目標情報「寝返り」の最終観察項目情報は「腰をひねって下半身を回旋させる」であり、最終観察項目情報に関連する達成率情報が、第1閾値95%以上の場合は、次の短期目標情報「起き上がり」に移行し、達成率情報が、第2閾値5%を超え第1閾値95%未満である場合は計画が続行され、第2閾値5%以下の場合は、計画は中止される。
介護サービス計画評価部3313は、端末装置2から取得される評価期間情報を取得、または、長期目標パターンテーブルに記憶された各短期目標情報について初期設定された実施期間情報により評価期間情報を取得する(ST301)。介護サービス計画評価部3313は、取得した評価期間情報を用いて、関連する介護サービス計画モニタリングテーブル情報を取得する(ST302)。達成率算出部3310は、評価期間情報と介護サービス計画モニタリングテーブル情報を使用して、介護サービス評価項目情報それぞれの達成率情報を算出する(ST303)。次に、計画評価テーブル取得部3312は、サーバ記憶部32から、経過文例テーブルを読み出し(ST305)、介護サービス計画評価部3313は、経過文例テーブル情報を使用して、介護サービス情報と達成率情報から経過情報を作成する(ST306)。更に、介護サービス計画評価部3313は、介護サービス計画情報に関連する計画評価テーブル情報を読み出す(ST306)。例えば、短期目標情報「寝返りできる」に関連する介護サービス計画評価テーブル情報は、最終観察項目情報「腰をひねって下半身を回旋させる」である。介護サービス計画評価部3313は、最終観察項目情報と達成率変数情報を読み出す(ST307)。最終観察項目情報「腰をひねって下半身を回旋させる」に関連する達成率変数情報は、O7であり、ST303で算出された具体的な値がO7に関連付けられて達成率情報となっている。次に、最終観察項目情報に関連する達成率情報は移行条件を満たすか否かが判定される(ST308)。移行条件を満たしている場合(ST308−YES)は、第1短期計画情報から次の第2短期目標情報への移行を決定する処理が行われる(ST309)。すなわち、介護サービス計画評価部3313は、介護サービス計画作成部336に第2介護サービス計画情報の作成等を指示する。移行条件を満たしていない場合(ST308−NO)は、最終観察項目情報に関連する達成率情報は介護サービス計画の続行条件を満たすか否かが判定される(ST310)。続行条件を満たしている場合(ST310−YES)は、介護サービス計画の続行を決定する処理が行われる(ST311)。介護サービス計画評価部3313は、モニタリング更新部338に計画の続行(延長)処理を指示する。続行条件を満たしていない場合(ST310−No)は、介護サービス計画の中止が決定される(ST312)。移行決定(ST319)、続行決定(ST311)、中止決定(ST312)されると、評価理由パターン取得部3315は、評価結果テーブルから評価結果文例パターン情報を取得し(ST313)、評価理由作成部3316は、達成率算出部3310が算出した達成率情報を評価結果文例パターン情報に埋め込んで評価結果文情報を作成して(ST314)、処理を終了する。評価理由作成部3316が作成した評価結果文情報は、評価理由出力部3317により出力され、端末装置2の閲覧実行部251を介して表示部24に表示される。
図20は、端末装置2の表示部24に表示される介護サービス計画評価の画面の別の一例を示す図である。短期目標情報「寝返りできる」に関連する介護サービス計画の開始日から、第1週、第2週、第3週、第4週、及び1月間の観察項目情報、実施項目情報、指導項目情報それぞれに対しての達成率[%]が表示されている。達成率は、例えば、1週間を一つの評価期間(7日)として、観察項目情報について何日観測されたか、実施項目情報について何日実施されたか、及び、指導項目情報について何日指導されたかを示すパーセント比率である。なお、評価期間1月の場合は、1週間単位で分割すると端数となる日を生じるが、端数となる日は、最後の第4週に含めて比率を算出する等の処理をしてもよい。介護サービス計画評価は、評価開始日と評価終了日を入力することにより、任意の範囲でできるようにしてもよい。更に、介護サービス計画評価画面には、表示されている介護サービス計画情報に対する経過情報が表示されている。計画開始から1月後の計画終了時点での経過情報として「意欲90%。痛み少ない15%、看護師への報告5%。上半身を回旋させる85%達成、回旋補助率40%。腰をひねって下半身を回旋させる75%達成、回旋補助率50%。徐々に改善され最終週では97%。転倒防止のため動作開始前の位置確認を促す指導達成率60%」と表示されている。また、評価結果情報として「起き上がりできるに移行」が表示されている。図18に示した評価結果テーブルでは、次の短期目標情報「起き上がりできる」への移行判定基準を、観察項目情報「腰をひねって下半身を回旋させる」の全評価期間における達成率95%以上として設定されていた。本例示では、全期間の達成率は72%であり、介護サービス計画評価部3313は、図18に示した評価結果テーブル情報に基づくと移行できないと判定する。しかし、本例示では、評価項目情報である動作「腰をひねって下半身を回旋させる」に関連する達成率が、(第1週の達成率)<(第2週の達成率)<(第3週の達成率)<(第4週の達成率)と右肩上がりで改善し(第1判定基準)、評価対象となる最終週、すなわち第4週の達成率が95%以上である(第2判定基準)との評価結果の判定基準を使用して、介護サービス計画評価部3313は移行できるかを判定することになる。これは、現場のケアマネジャーや介護スタッフの経験上から導かれるものである。このように、ケアマネジャー等は、現場の経験則を多数収集して、分類して、解析して、より精度の高い短期目標移行の判定基準を設けることができる。また、ケアマネジャー等は、判定基準を的確に表現した、評価結果文例パターン情報を計画評価テーブルに登録しておくことができる。
図21は、介護サービス計画の実施結果を示す介護サービス計画評価の画面の別の表示例である。本表示では、図20に示した、1週間ごとの達成率の表の表示部分に代えて、介護サービス評価出力部3314は、端末装置2の表示部24に各週での各観察項目の達成率[%]を折れ線グラフで表示できるように出力する。グラフ表示により、ケアマネジャー等は、被介護者の動作機能等の改善又は悪化の傾向を容易に把握することができる。また、介護サービス評価出力部3314は、グラフ表示部分を、別ウィンドウしてポップアップ表示したり、別のタブ画面として表示してもよい。
本発明の医療サービスシステム1は、端末装置2とサーバ3を備えることとして説明したが、本発明はこれに限られず、端末装置の機能とサーバの機能を一体化した、例えばノートパソコンであってもよい。更に、訪問介護や訪問医療の場合等では、訪問する被介護者等の患者に関するデータを端末装置2の記憶部内に記憶し、訪問先で端末装置2単独で利用できるようにしてもよい。
当業者は、本発明の精神及び範囲から外れることなく、様々な変更、置換、及び修正をこれに加えることが可能であることを理解されたい。