JP6988371B2 - 画像形成装置、露光位置の補正方法、プログラム及びテストチャート形成媒体の製造方法 - Google Patents
画像形成装置、露光位置の補正方法、プログラム及びテストチャート形成媒体の製造方法 Download PDFInfo
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Description
また、回転多面鏡の製造時や設置時に、回転多面鏡の鏡面形状や回転速度を高精度に測定して露光位置のずれを予め補正する技術がある。
感光体と、
光源と、
所定の回転軸の回りで回転する回転体の外周面に複数の鏡面を有し、回転している前記外周面に前記光源から光線を照射することにより、前記複数の鏡面の各々で反射した前記光線を順に前記感光体の表面上で所定の主走査方向に走査させる逐次主走査が行われるように設けられた回転多面鏡と、
画像データに基づいて変調された前記光線を書込クロックに応じて前記光源から射出させる光源制御手段と、
帯電した前記感光体の表面を前記主走査方向に交差する副走査方向に移動させるとともに、前記回転多面鏡を回転させて前記変調された光線による前記逐次主走査を行わせることで、前記感光体の表面の二次元露光を行わせて前記画像データに係る画像の静電潜像を形成する露光制御手段と、
前記書込クロックの周波数及び位相の少なくとも一方を含むクロック特性を変更可能なクロック特性変更手段と、
前記光線による露光位置の、前記複数の鏡面の各々の状態に応じたずれを補正する補正手段と、
を備え、
前記露光制御手段は、
前記複数の鏡面のうち一の鏡面による前記走査に用いられる前記書込クロックの前記クロック特性と、他の鏡面による前記走査に用いられる前記書込クロックの前記クロック特性とを異ならせて前記二次元露光を行わせることで、前記一の鏡面による前記走査で形成された基準部分を特定可能な鏡面特定パターンの静電潜像を形成し、
前記鏡面特定パターンに対する所定の相対位置に所定の前記クロック特性で前記二次元露光を行わせることで、前記ずれを検出するための検出パターンの静電潜像を形成し、
前記補正手段は、前記鏡面特定パターン及び前記検出パターンの静電潜像を現像して得られたテストチャートが形成された記録媒体の読取結果に基づいて、前記基準部分と前記検出パターンとの位置関係から前記検出パターンの各部の形成に用いられた鏡面を特定し、当該鏡面の特定結果と前記検出パターンとに基づいて前記複数の鏡面の各々に係る前記ずれを検出して補正することを特徴としている。
前記補正手段は、前記主走査方向についての前記ずれを検出して補正することを特徴としている。
前記補正手段は、検出された前記ずれの量に応じて前記クロック特性変更手段により前記クロック特性を調整させることで前記ずれを補正することを特徴としている。
前記補正手段は、前記副走査方向についての前記ずれを検出して補正することを特徴としている。
前記検出パターンは、前記複数の鏡面の各々による走査でそれぞれ形成された個別パターンを有し、
前記個別パターンは、前記副走査方向について互いに分離されていることを特徴としている。
記録媒体の表面を読み取る読取手段を備え、
前記補正手段は、前記テストチャートが形成された記録媒体の前記読取手段による読取結果に基づいて前記ずれを補正することを特徴としている。
感光体と、光源と、所定の回転軸の回りで回転する回転体の外周面に複数の鏡面を有し、回転している前記外周面に前記光源から光線を照射することにより、前記複数の鏡面の各々で反射した前記光線を順に前記感光体の表面上で所定の主走査方向に走査させる逐次主走査が行われるように設けられた回転多面鏡と、前記走査に用いられる書込クロックの周波数及び位相の少なくとも一方を含むクロック特性を変更可能なクロック特性変更手段と、を備えた画像形成装置における露光位置の補正方法であって、
画像データに基づいて変調された前記光線を前記書込クロックに応じて前記光源から射出させる光源制御工程、
帯電した前記感光体の表面を前記主走査方向に交差する副走査方向に移動させるとともに、前記回転多面鏡を回転させて前記変調された光線による前記逐次主走査を行わせることで、前記感光体の表面の二次元露光を行わせて前記画像データに係る画像の静電潜像を形成する露光制御工程、
前記光線による露光位置の、前記複数の鏡面の各々の状態に応じたずれを補正する補正工程、
を含み、
前記露光制御工程では、
前記複数の鏡面のうち一の鏡面による前記走査に用いられる前記書込クロックの前記クロック特性と、他の鏡面による前記走査に用いられる前記書込クロックの前記クロック特性とを異ならせて前記二次元露光を行わせることで、前記一の鏡面による前記走査で形成された基準部分を特定可能な鏡面特定パターンの静電潜像を形成し、
前記鏡面特定パターンに対する所定の相対位置に所定の前記クロック特性で前記二次元露光を行わせることで、前記ずれを検出するための検出パターンの静電潜像を形成し、
前記補正工程では、前記鏡面特定パターン及び前記検出パターンの静電潜像を現像して得られたテストチャートが形成された記録媒体の読取結果に基づいて、前記基準部分と前記検出パターンとの位置関係から前記検出パターンの各部の形成に用いられた鏡面を特定し、当該鏡面の特定結果と前記検出パターンとに基づいて前記複数の鏡面の各々に係る前記ずれを検出して補正することを特徴としている。
感光体と、光源と、所定の回転軸の回りで回転する回転体の外周面に複数の鏡面を有し、回転している前記外周面に前記光源から光線を照射することにより、前記複数の鏡面の各々で反射した前記光線を順に前記感光体の表面上で所定の主走査方向に走査させる逐次主走査が行われるように設けられた回転多面鏡と、前記走査に用いられる書込クロックの周波数及び位相の少なくとも一方を含むクロック特性を変更可能なクロック特性変更手段と、を備えた画像形成装置のコンピューターを、
画像データに基づいて変調された前記光線を前記書込クロックに応じて前記光源から射出させる光源制御手段、
帯電した前記感光体の表面を前記主走査方向に交差する副走査方向に移動させるとともに、前記回転多面鏡を回転させて前記変調された光線による前記逐次主走査を行わせることで、前記感光体の表面の二次元露光を行わせて前記画像データに係る画像の静電潜像を形成する露光制御手段、
前記光線による露光位置の、前記複数の鏡面の各々の状態に応じたずれを補正する補正手段、
として機能させ、
前記露光制御手段は、
前記複数の鏡面のうち一の鏡面による前記走査に用いられる前記書込クロックの前記クロック特性と、他の鏡面による前記走査に用いられる前記書込クロックの前記クロック特性とを異ならせて前記二次元露光を行わせることで、前記一の鏡面による前記走査で形成された基準部分を特定可能な鏡面特定パターンの静電潜像を形成し、
前記鏡面特定パターンに対する所定の相対位置に所定の前記クロック特性で前記二次元露光を行わせることで、前記ずれを検出するための検出パターンの静電潜像を形成し、
前記補正手段は、前記鏡面特定パターン及び前記検出パターンの静電潜像を現像して得られたテストチャートが形成された記録媒体の読取結果に基づいて、前記基準部分と前記検出パターンとの位置関係から前記検出パターンの各部の形成に用いられた鏡面を特定し、当該鏡面の特定結果と前記検出パターンとに基づいて前記複数の鏡面の各々に係る前記ずれを検出して補正することを特徴としている。
感光体と、光源と、所定の回転軸の回りで回転する回転体の外周面に複数の鏡面を有し、回転している前記外周面に前記光源から光線を照射することにより、前記複数の鏡面の各々で反射した前記光線を順に前記感光体の表面上で所定の主走査方向に走査させる逐次主走査が行われるように設けられた回転多面鏡と、前記走査に用いられる書込クロックの周波数及び位相の少なくとも一方を含むクロック特性を変更可能なクロック特性変更手段と、を備えた画像形成装置により、テストチャートが形成された記録媒体であるテストチャート形成媒体を製造する方法であって、
画像データに基づいて変調された前記光線を前記書込クロックに応じて前記光源から射出させる光源制御工程、
帯電した前記感光体の表面を前記主走査方向に交差する副走査方向に移動させるとともに、前記回転多面鏡を回転させて前記変調された光線による前記逐次主走査を行わせることで、前記感光体の表面の二次元露光を行わせて前記画像データに係る画像の静電潜像を形成する露光制御工程、
を含み、
前記露光制御工程では、
前記複数の鏡面のうち一の鏡面による前記走査に用いられる前記書込クロックの前記クロック特性と、他の鏡面による前記走査に用いられる前記書込クロックの前記クロック特性とを異ならせて前記二次元露光を行わせることで、前記一の鏡面による前記走査で形成された基準部分を特定可能な鏡面特定パターンの静電潜像を形成し、
前記鏡面特定パターンに対する所定の相対位置に所定の前記クロック特性で前記二次元露光を行わせることで、前記光線による露光位置の、前記複数の鏡面の各々の状態に応じたずれを検出するための検出パターンの静電潜像を形成し、
当該製造方法は、
前記鏡面特定パターン及び前記検出パターンの静電潜像を現像して得られた像を記録媒体に転写して前記鏡面特定パターン及び前記検出パターンを含むテストチャートを形成する画像形成工程を含むことを特徴としている。
図1は、本発明の実施形態である画像形成装置1の概略構成を示す模式図である。
図2は、画像形成装置1の主要な機能構成を示すブロック図である。
画像形成装置1は、記録媒体供給部2と、記録媒体排出部3と、制御部10(光源制御手段、露光制御手段、補正手段、コンピューター)と、記憶部21と、操作部22と、表示部23と、通信部24と、搬送部25と、スキャナー30と、画像形成部40と、画像読取部50(読取手段)と、バス60などを備える。これらの各部は、バス60を介して接続されている。
画像形成装置1は、記録媒体供給部2に格納された用紙などの記録媒体を搬送部25の搬送ローラー251により搬送し、当該搬送されている記録媒体上に画像形成部40により電子写真方式で画像を形成して記録媒体排出部3に排出する。
次に、画像形成部40の詳細な構成及び動作について説明する。
図3は、画像形成部40のうち静電潜像の形成に係る構成要素を説明する模式図である。
画像形成部40は、レーザービームの光源41、スリット451、コリメーターレンズ452、ポリゴンミラー42(回転多面鏡)、fθレンズ453、シリンドリカルレンズ454、感光体43、ミラー455及び同期センサー44を備えている。
スリット451は、光源41から照射された各レーザービームを所定のスポット径に整形する。
コリメーターレンズ452は、スリット451を通過したレーザービームを平行光に変換する。
シリンドリカルレンズ454は、fθレンズ453を通過したレーザービームを感光体43上に結像する。
同期センサー44は、レーザービームを検出すると、検出信号を制御部10に出力する。制御部10は、検出信号を受信すると、各ポリゴン面42aによる走査の開始タイミングの基準となる同期信号を生成する。
画像形成部40は、光源41による発光動作を制御するための書込クロック生成部411(クロック特性変更手段)、画像処理部412及び光源駆動制御部413と、ポリゴンミラー42の回転動作を制御するポリゴンミラー駆動制御部421と、感光体43の回転動作を制御する感光体駆動制御部431とを備えている。
書込クロック生成部411は、基準クロック生成部4111と、6つのPLL(Phase Locked Loop)4112a〜4112f(以下、互いに区別しない場合にはPLL4112と記す)と、セレクター4113とを備える。
詳しくは、PLL4112は、基準クロックCLKの周波数を1/Mに分周して位相比較器に入力する1/M分周器と、PLL4112の出力(後述のVCOの出力)である書込クロックPCLKの周波数を1/Nに分周して位相比較器に入力する1/N分周器と、位相比較器の出力をローパスフィルタにより平滑化した信号に応じた周波数の書込クロックPCLKを出力するVCO(Voltage Controlled Oscillator)と、を有する。このようなPLL4112により、基準クロックCLKの周波数をN/M倍した周波数の書込クロックPCLKを出力することができる。ここで、1/M分周器による分周比Mは、制御部10から入力される補正値Dmに応じて変更可能となっている。これにより、PLL4112は、補正値Dmに応じて周波数が調整された書込クロックPCLKを出力することができる。
ポリゴンミラー42の各ポリゴン面42aは、表面に凹凸がなく法線の副走査方向の向きが揃っており、回転速度にむらがないことが望ましい。このような理想的な状態のポリゴン面42aを用いてレーザービームの逐次主走査を行うことで、主走査方向及び副走査方向についての位置ずれがない所望の露光を行うことができる。
しかしながら、ポリゴン面42aには、僅かな凹凸があったり、法線の向きが所定の向きからずれる「面倒れ」が生じていたりすることがある。また、ポリゴン面42aの表面形状は、継続的に遠心力を受けること等により継時的に変化することがある。また、ポリゴンミラー42のポリゴンモーターの特性変化によりポリゴン面42aの回転速度が経時変化したり速度むらが生じたりする。このように、ポリゴン面42aの状態が理想的な状態ではなく、かつ複数のポリゴン面42aの状態にばらつきがある場合には、ポリゴン面42aごとの走査において、ポリゴン面42aの状態に応じて露光位置にずれが生じてしまう。
これに対し、本実施形態の画像形成装置1では、書込クロックPCLKをポリゴン面42aごとに調整することで、主走査方向についての露光位置のずれを補正することができる。以下では、この露光位置の補正方法について説明する。
図6(a)は、主走査方向についての露光位置のずれを補正しない場合の走査の状態を示す図である。図6(a)の左側では第1ポリゴン面〜第6ポリゴン面を用いて行われる走査の主走査方向についての範囲が示されている。ここで、「SOS(Start Of Scan)」は、主走査方向についての走査開始位置を示し、「EOS(End Of Scan)」は、主走査方向についての走査終了位置を示す。また、この走査は、図6(a)の右側に示されるように、各ポリゴン面42aについてクロック特性が同一の書込クロックPCLKを用いて行われたものである。
各ポリゴン面42aによる走査でのSOSは、上述した同期信号の生成直後の所定タイミングで露光が行われることで、主走査方向の位置が互いに揃っている。一方、各ポリゴン面42aによる走査でのEOSは、各ポリゴン面42aの状態の相違を反映して、主走査方向について範囲Rに亘ってばらついている。このような主走査方向についてのEOSのばらつきは、ジッターとも呼ばれる。
本実施形態では、形成される像における画素の大きさは、約10μm(2400dpi)乃至は約20μm(1200dpi)であり、ジッターの生じる範囲Rの大きさは、例えば数μmである。
図6(a)のように、ポリゴン面42aごとに露光位置が主走査方向にずれて(ばらついて)いる場合、当該露光位置のずれ量に応じて各ポリゴン面42aについての書込クロックPCLKの周波数を調整することで、図6(b)の左側に示されるように露光位置のずれを補正することができる。すなわち、図6(b)の右側に示されるように、EOSが主走査方向の負方向にずれているポリゴン面42aについては書込クロックPCLKの周波数を低減させ、EOSが主走査方向の正方向にずれているポリゴン面42aについては書込クロックPCLKの周波数を増大させることで、図6(b)の左側に示されるように、露光位置のずれを補正してEOSのばらつきを解消させることができる。
本実施形態では、露光位置のずれに経時変化があったり、主走査方向の位置に対する露光位置の非線形なずれがあったりする場合においても当該ずれを検出して補正することができる。
以下では、露光位置のずれの検出方法について説明する。
図7のプロットAは、主走査方向の各位置について、初期状態の露光位置のずれの大きさをプロットしたものであり、プロットBは、所定期間経過後の(経時変化後の)露光位置のずれの大きさをプロットしたものである。
このように、露光位置のずれは、経時的に変化する。これは、上述したとおり、各ポリゴン面42aの形状や回転速度の経時変化に起因する。
また、プロットA及びプロットBでは、いずれも、主走査方向の位置に対して露光位置のずれ量が非線形に変化している。これは、各ポリゴン面42aの形状や回転速度が主走査方向について必ずしも一様とはならないことに起因する。
このように、露光位置のずれに経時変化がある場合や、露光位置の非線形なずれがある場合に当該ずれを検出して正確に補正するために、本実施形態では、画像形成装置1により所定のテストチャートを記録媒体に記録し、当該テストチャートの読取結果を解析することで露光位置のずれを検出する。
テストチャート100は、ポリゴン面特定パターン110(鏡面特定パターン)と、副走査方向についてポリゴン面特定パターン110に対して所定の相対位置に形成された露光位置ずれ検出パターン120(検出パターン)とを有する。ポリゴン面特定パターン110は、記録媒体Mの副走査方向の一方の端部近傍で主走査方向に延びる矩形領域に形成されている。また、露光位置ずれ検出パターン120は、主走査方向についてポリゴン面特定パターン110と同一の幅を有し、ポリゴン面特定パターン110から副走査方向に所定の間隔dだけ離れた矩形領域に形成されている。
このテストチャート100が形成された記録媒体Mが、テストチャート形成媒体を構成する。
また、露光位置ずれ検出パターン120では、第1ポリゴン面〜第6ポリゴン面の各々により1回ずつ走査を用って形成された単位検出パターン120aが副走査方向に繰り返し形成されている。
単位特定パターン110a及び単位検出パターン120aの副走査方向の幅は、例えば約1mmである。
図9(a)の左側には、単位特定パターン110aが示され、図9(a)の右側には、単位特定パターン110aの形成に用いられた書込クロックPCLKがポリゴン面42aごとに示されている。
図9(a)の右側に示されるように、単位特定パターン110aを形成する場合には、第1ポリゴン面による走査で用いられる書込クロックPCLKの周波数が、第2ポリゴン面〜第6ポリゴン面による走査で用いられる書込クロックPCLKの周波数よりも大幅に小さくされ、かつ位相がずらされている。
このような書込クロックPCLKで各ポリゴン面42aによる走査を行うことで、図9(a)の左側に示されるように、単位特定パターン110aでは、第1ポリゴン面による走査で形成された基準部分111が、他の第2ポリゴン面〜第6ポリゴン面による走査で形成された部分よりも主走査方向の正方向に大きくずれて形成されている。これにより、単位特定パターン110aにおいて第1ポリゴン面による走査で形成された基準部分111を容易に特定できるようになっている。
なお、第1ポリゴン面に対応する書込クロックPCLKの調整では、周波数の調整のみ行うことで、SOSの位置はずらさず、EOSの位置をずらすようにしても良い。また、位相の調整のみ行って、単位特定パターン110aの全体を副走査方向にずらすようにしても良い。
単位特定パターン110aの内容は、特には限られないが、例えばべたパターンとすることができる。
図9(b)の右側に示されるように、単位検出パターン120aの形成では、各ポリゴン面42aによる走査に同一のクロック特性の書込クロックPCLKが用いられる。この結果、図9(b)の左側に示されるように、単位検出パターン120aでは、各ポリゴン面42aの状態(形状や回転速度)を反映した主走査方向の露光位置のずれ(EOSの範囲Rにおけるジッター)がそのまま表れるようになっている。
単位検出パターン120aでは、各ポリゴン面42aによる走査において4つのレーザービームにより各々形成される副走査方向の4つの画素行のうち、上側の2つの画素行にのみオン画素(トナーを付与する画素)が配置されて個別パターン121が形成され、下側の2つの画素行はオフ画素(トナーを付与しない空白画素)とされる。このように、単位検出パターン120a(露光位置ずれ検出パターン120)では、複数のポリゴン面42aの各々による走査でそれぞれ形成された個別パターン121が、副走査方向について互いに分離した状態で形成される。
また、主走査方向についても、2画素ごとにオン画素とオフ画素が交互に配置されるように露光が行われる。したがって、単位検出パターン120aは、主走査方向及び副走査方向について、いずれもオン画素とオフ画素が2画素ごとに交互に現れる「2オン2オフ」パターンで形成され、この結果、主走査方向及び副走査方向について2×2画素の大きさを有する個別単位パターン121aがマトリクス状に配置されたパターンとなる。
なお、単位特定パターン110aについても図10のようなパターンで形成しても良い。
具体的には、まず、露光位置ずれ検出パターン120において、第1ポリゴン面により形成された複数の個別パターン121に着目する。第1ポリゴン面に対応する個別パターン121は、露光位置ずれ検出パターン120において副走査方向について6つごとに現れる。この第1ポリゴン面に対応する複数の個別パターン121において、主走査方向の位置が対応する個別単位パターン121aについての主走査方向の位置をそれぞれ特定して平均することで、第1ポリゴン面における当該主走査方向の位置での露光位置のずれを検出することができる。このような検出を主走査方向の各位置について行うことで、第1ポリゴン面における主走査方向の各位置での露光位置のずれを検出することができる。上述したように、露光位置のずれの大きさは、数μmと非常に小さいため、通常、画像読取部50による読取結果から直接検出するのは困難であるが、複数の個別単位パターン121aの位置を平均する算出方法によれば、高精度に露光位置のずれを検出することができる。
同様に、第2ポリゴン面〜第6ポリゴン面の各々についても、当該ポリゴン面42aにおける主走査方向の各位置での露光位置のずれを検出することができる。
なお、図6(b)の例では、各ポリゴン面42aについて書込クロックPCLKの周波数を固定しているが、主走査方向の各位置での露光位置のずれ量に応じて、走査中に書込クロックPCLKを変化させても良い。
露光位置補正処理が開始されると、制御部10は、記録媒体Mにテストチャート100を形成するチャート出力処理を実行する(ステップS101)。チャート出力処理の内容については、後述する。
ステップS103及びステップS104は、補正工程に相当する。
ステップS104の処理が終了すると、制御部10は、露光位置補正処理を終了させる。以降、画像形成装置1による画像形成を行う場合には、制御部10は、各ポリゴン面42aによる走査で用いられる書込クロックPCLKを、ステップS104で算出された補正値Dmに基づいて補正する。
チャート出力処理が呼び出されると、制御部10は、第1ポリゴン面に対応する書込クロックPCLKを調整する(ステップS201)。すなわち、制御部10は、図9(b)の右側に示されるように、第1ポリゴン面に対応する書込クロックPCLKのクロック特性が、第2ポリゴン面〜第6ポリゴン面に対応する書込クロックPCLKのクロック特性と異なるように書込クロック生成部411の動作設定を行う。
ステップS201〜ステップS204は、光源制御工程及び露光制御工程に相当する。
ステップS205は、画像形成工程に相当する。
ステップS205の処理が終了すると、制御部10は、処理を露光位置補正処理に戻す。
続いて上記実施形態の変形例について説明する。
上記実施形態では、主走査方向についての露光位置のずれを補正する例を用いて説明したが、本変形例では、これに代えて、又はこれに加えて、副走査方向についての露光位置のずれを検出して補正する。以下では、上記実施形態との相違点について説明する。
あるいは、副走査方向に多数のレーザービームを並行して照射可能な光源を用い、ポリゴン面42aごとに露光に用いるレーザービームを選択する構成において、検出されたポリゴン面42aごとの副走査方向の露光位置のずれに基づいて選択するレーザービームを変更することで露光位置のずれを補正しても良い。
なお、副走査方向のずれに加えて主走査方向のずれも補正する場合には、書込クロックPCLKの調整を併せて行えば良い。
また、実際に露光を行って形成されたテストチャート100から各ポリゴン面42aについての露光位置のずれを検出できるため、後発的に生じた露光位置のずれを検出して補正することができる。これにより、ポリゴン面42aの形状や回転速度が経時的に変化した場合であっても、露光位置のずれを正確に補正することができる。
また、テストチャート100から、主走査方向についての各位置における露光位置のずれを検出できるため、主走査方向に対して非線形なずれが生じていても、当該ずれを正確に検出して補正することができる。
また、光源41から感光体43に至る光路上に露光位置のずれ検出のためのセンサー等を設ける方法と比較して、簡素な構成により低コストで、レーザービームの光路を妨げることなく露光位置のずれを検出して補正することができる。
このような方法によれば、画像形成領域内の任意の位置に後発的に生じた露光位置のずれを検出して正確に補正することができる。
このようなプログラムによれば、画像形成領域内の任意の位置に後発的に生じた露光位置のずれを検出して正確に補正することができる。
このような方法によれば、画像形成領域内の任意の位置に後発的に生じた露光位置のずれを検出して正確に補正するためのテストチャート100が形成された記録媒体Mを製造することができる。
例えば、単位検出パターン120aは、図10に示したものに限られず、例えば、主走査方向にオン画素が繋がったパターンであっても良い。
また、テストチャート100の読取結果から、テストチャート100の各部の形成に用いられたポリゴン面42aを特定する処理、各ポリゴン面42aに対応する露光位置のずれを検出する処理、及び補正値を算出する処理の少なくとも一部を、画像形成装置1の外部に設けられた情報処理装置により行っても良い。
10 制御部(光源制御手段、露光制御手段、補正手段、コンピューター)
40 画像形成部
41 光源
42 ポリゴンミラー(回転多面鏡)
42a ポリゴン面(鏡面)
43 感光体
44 同期センサー
50 画像読取部(読取手段)
100 テストチャート
110 ポリゴン面特定パターン(鏡面特定パターン)
110a 単位特定パターン
111 基準部分
120 露光位置ずれ検出パターン(検出パターン)
120a 単位検出パターン
121 個別パターン
121a 個別単位パターン
411 書込クロック生成部(クロック特性変更手段)
Claims (9)
- 感光体と、
光源と、
所定の回転軸の回りで回転する回転体の外周面に複数の鏡面を有し、回転している前記外周面に前記光源から光線を照射することにより、前記複数の鏡面の各々で反射した前記光線を順に前記感光体の表面上で所定の主走査方向に走査させる逐次主走査が行われるように設けられた回転多面鏡と、
画像データに基づいて変調された前記光線を書込クロックに応じて前記光源から射出させる光源制御手段と、
帯電した前記感光体の表面を前記主走査方向に交差する副走査方向に移動させるとともに、前記回転多面鏡を回転させて前記変調された光線による前記逐次主走査を行わせることで、前記感光体の表面の二次元露光を行わせて前記画像データに係る画像の静電潜像を形成する露光制御手段と、
前記書込クロックの周波数及び位相の少なくとも一方を含むクロック特性を変更可能なクロック特性変更手段と、
前記光線による露光位置の、前記複数の鏡面の各々の状態に応じたずれを補正する補正手段と、
を備え、
前記露光制御手段は、
前記複数の鏡面のうち一の鏡面による前記走査に用いられる前記書込クロックの前記クロック特性と、他の鏡面による前記走査に用いられる前記書込クロックの前記クロック特性とを異ならせて前記二次元露光を行わせることで、前記一の鏡面による前記走査で形成された基準部分を特定可能な鏡面特定パターンの静電潜像を形成し、
前記鏡面特定パターンに対する所定の相対位置に所定の前記クロック特性で前記二次元露光を行わせることで、前記ずれを検出するための検出パターンの静電潜像を形成し、
前記補正手段は、前記鏡面特定パターン及び前記検出パターンの静電潜像を現像して得られたテストチャートが形成された記録媒体の読取結果に基づいて、前記基準部分と前記検出パターンとの位置関係から前記検出パターンの各部の形成に用いられた鏡面を特定し、当該鏡面の特定結果と前記検出パターンとに基づいて前記複数の鏡面の各々に係る前記ずれを検出して補正することを特徴とする画像形成装置。 - 前記補正手段は、前記主走査方向についての前記ずれを検出して補正することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記補正手段は、検出された前記ずれの量に応じて前記クロック特性変更手段により前記クロック特性を調整させることで前記ずれを補正することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
- 前記補正手段は、前記副走査方向についての前記ずれを検出して補正することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 前記検出パターンは、前記複数の鏡面の各々による走査でそれぞれ形成された個別パターンを有し、
前記個別パターンは、前記副走査方向について互いに分離されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の画像形成装置。 - 記録媒体の表面を読み取る読取手段を備え、
前記補正手段は、前記テストチャートが形成された記録媒体の前記読取手段による読取結果に基づいて前記ずれを補正することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の画像形成装置。 - 感光体と、光源と、所定の回転軸の回りで回転する回転体の外周面に複数の鏡面を有し、回転している前記外周面に前記光源から光線を照射することにより、前記複数の鏡面の各々で反射した前記光線を順に前記感光体の表面上で所定の主走査方向に走査させる逐次主走査が行われるように設けられた回転多面鏡と、前記走査に用いられる書込クロックの周波数及び位相の少なくとも一方を含むクロック特性を変更可能なクロック特性変更手段と、を備えた画像形成装置における露光位置の補正方法であって、
画像データに基づいて変調された前記光線を前記書込クロックに応じて前記光源から射出させる光源制御工程、
帯電した前記感光体の表面を前記主走査方向に交差する副走査方向に移動させるとともに、前記回転多面鏡を回転させて前記変調された光線による前記逐次主走査を行わせることで、前記感光体の表面の二次元露光を行わせて前記画像データに係る画像の静電潜像を形成する露光制御工程、
前記光線による露光位置の、前記複数の鏡面の各々の状態に応じたずれを補正する補正工程、
を含み、
前記露光制御工程では、
前記複数の鏡面のうち一の鏡面による前記走査に用いられる前記書込クロックの前記クロック特性と、他の鏡面による前記走査に用いられる前記書込クロックの前記クロック特性とを異ならせて前記二次元露光を行わせることで、前記一の鏡面による前記走査で形成された基準部分を特定可能な鏡面特定パターンの静電潜像を形成し、
前記鏡面特定パターンに対する所定の相対位置に所定の前記クロック特性で前記二次元露光を行わせることで、前記ずれを検出するための検出パターンの静電潜像を形成し、
前記補正工程では、前記鏡面特定パターン及び前記検出パターンの静電潜像を現像して得られたテストチャートが形成された記録媒体の読取結果に基づいて、前記基準部分と前記検出パターンとの位置関係から前記検出パターンの各部の形成に用いられた鏡面を特定し、当該鏡面の特定結果と前記検出パターンとに基づいて前記複数の鏡面の各々に係る前記ずれを検出して補正することを特徴とする露光位置の補正方法。 - 感光体と、光源と、所定の回転軸の回りで回転する回転体の外周面に複数の鏡面を有し、回転している前記外周面に前記光源から光線を照射することにより、前記複数の鏡面の各々で反射した前記光線を順に前記感光体の表面上で所定の主走査方向に走査させる逐次主走査が行われるように設けられた回転多面鏡と、前記走査に用いられる書込クロックの周波数及び位相の少なくとも一方を含むクロック特性を変更可能なクロック特性変更手段と、を備えた画像形成装置のコンピューターを、
画像データに基づいて変調された前記光線を前記書込クロックに応じて前記光源から射出させる光源制御手段、
帯電した前記感光体の表面を前記主走査方向に交差する副走査方向に移動させるとともに、前記回転多面鏡を回転させて前記変調された光線による前記逐次主走査を行わせることで、前記感光体の表面の二次元露光を行わせて前記画像データに係る画像の静電潜像を形成する露光制御手段、
前記光線による露光位置の、前記複数の鏡面の各々の状態に応じたずれを補正する補正手段、
として機能させ、
前記露光制御手段は、
前記複数の鏡面のうち一の鏡面による前記走査に用いられる前記書込クロックの前記クロック特性と、他の鏡面による前記走査に用いられる前記書込クロックの前記クロック特性とを異ならせて前記二次元露光を行わせることで、前記一の鏡面による前記走査で形成された基準部分を特定可能な鏡面特定パターンの静電潜像を形成し、
前記鏡面特定パターンに対する所定の相対位置に所定の前記クロック特性で前記二次元露光を行わせることで、前記ずれを検出するための検出パターンの静電潜像を形成し、
前記補正手段は、前記鏡面特定パターン及び前記検出パターンの静電潜像を現像して得られたテストチャートが形成された記録媒体の読取結果に基づいて、前記基準部分と前記検出パターンとの位置関係から前記検出パターンの各部の形成に用いられた鏡面を特定し、当該鏡面の特定結果と前記検出パターンとに基づいて前記複数の鏡面の各々に係る前記ずれを検出して補正することを特徴とするプログラム。 - 感光体と、光源と、所定の回転軸の回りで回転する回転体の外周面に複数の鏡面を有し、回転している前記外周面に前記光源から光線を照射することにより、前記複数の鏡面の各々で反射した前記光線を順に前記感光体の表面上で所定の主走査方向に走査させる逐次主走査が行われるように設けられた回転多面鏡と、前記走査に用いられる書込クロックの周波数及び位相の少なくとも一方を含むクロック特性を変更可能なクロック特性変更手段と、を備えた画像形成装置により、テストチャートが形成された記録媒体であるテストチャート形成媒体を製造する方法であって、
画像データに基づいて変調された前記光線を前記書込クロックに応じて前記光源から射出させる光源制御工程、
帯電した前記感光体の表面を前記主走査方向に交差する副走査方向に移動させるとともに、前記回転多面鏡を回転させて前記変調された光線による前記逐次主走査を行わせることで、前記感光体の表面の二次元露光を行わせて前記画像データに係る画像の静電潜像を形成する露光制御工程、
を含み、
前記露光制御工程では、
前記複数の鏡面のうち一の鏡面による前記走査に用いられる前記書込クロックの前記クロック特性と、他の鏡面による前記走査に用いられる前記書込クロックの前記クロック特性とを異ならせて前記二次元露光を行わせることで、前記一の鏡面による前記走査で形成された基準部分を特定可能な鏡面特定パターンの静電潜像を形成し、
前記鏡面特定パターンに対する所定の相対位置に所定の前記クロック特性で前記二次元露光を行わせることで、前記光線による露光位置の、前記複数の鏡面の各々の状態に応じたずれを検出するための検出パターンの静電潜像を形成し、
当該製造方法は、
前記鏡面特定パターン及び前記検出パターンの静電潜像を現像して得られた像を記録媒体に転写して前記鏡面特定パターン及び前記検出パターンを含むテストチャートを形成する画像形成工程を含むことを特徴とするテストチャート形成媒体の製造方法。
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