JP6988371B2 - 画像形成装置、露光位置の補正方法、プログラム及びテストチャート形成媒体の製造方法 - Google Patents

画像形成装置、露光位置の補正方法、プログラム及びテストチャート形成媒体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、画像形成装置、露光位置の補正方法、プログラム及びテストチャート形成媒体の製造方法に関する。
従来、帯電した感光体の表面を露光して静電潜像を形成し、当該静電潜像を現像して得られたトナー像を記録媒体に転写して画像を形成する電子写真方式の画像形成装置がある。感光体の表面を露光する方法としては、感光体を回転させて感光体の表面を副走査方向に移動させるとともに、画像データに基づいて変調された光線を回転多面鏡に照射して、回転多面鏡の複数の鏡面の各々で反射した光線を順に感光体の表面上で主走査方向に走査させる方法が広く用いられている。
回転多面鏡の鏡面に凹凸があったり、鏡面の回転速度にむらがあったりすると、鏡面を反射した光線による露光位置にずれが生じる。このような鏡面の状態に応じた露光位置のずれは、回転多面鏡の回転周期で繰り返し発生するため、形成画像において周期的なドットの位置ずれとして現れる。この周期的なドットの位置ずれは、スクリーン処理のパターンなどと干渉することにより、筋むらといった画質不良として視認される。
これに対し、特許文献1には、回転多面鏡の各鏡面による走査の開始タイミング及び終了タイミングから走査時間を測定し、得られた各鏡面での走査時間に応じて光線の書込クロックを調整することで主走査方向の露光位置のずれを補正する技術が記載されている。
また、回転多面鏡の製造時や設置時に、回転多面鏡の鏡面形状や回転速度を高精度に測定して露光位置のずれを予め補正する技術がある。
特開2002−267961号公報
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、主走査の範囲内(画像形成領域内)における非線形な露光位置のずれがあった場合に当該ずれを正確に補正することができない。また、鏡面の面倒れ等による露光位置の副走査方向へのずれがあった場合に当該ずれを検出して補正することができない。このように、特許文献1の技術では、画像形成領域内の各位置における露光位置の任意の方向のずれを正確に補正することができないという課題がある。
また、回転多面鏡の鏡面の凹凸は、継続的に遠心力を受けること等により継時的に変化し、また鏡面の回転速度のむらもモーターの特性変化等により経時的に変化し得る。このため、製造時や設置時に露光位置のずれを補正したのでは、鏡面の凹凸や回転速度の経時変化により生じた後発的な露光位置のずれを補正することができないという課題がある。
このように、上記従来の技術では、画像形成領域内の任意の位置に後発的に生じた露光位置のずれを検出して正確に補正することができないという課題がある。
この発明の目的は、後発的に生じた露光位置のずれをより正確に補正することができる画像形成装置、露光位置の補正方法、プログラム及びテストチャート形成媒体の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の画像形成装置の発明は、
感光体と、
光源と、
所定の回転軸の回りで回転する回転体の外周面に複数の鏡面を有し、回転している前記外周面に前記光源から光線を照射することにより、前記複数の鏡面の各々で反射した前記光線を順に前記感光体の表面上で所定の主走査方向に走査させる逐次主走査が行われるように設けられた回転多面鏡と、
画像データに基づいて変調された前記光線を書込クロックに応じて前記光源から射出させる光源制御手段と、
帯電した前記感光体の表面を前記主走査方向に交差する副走査方向に移動させるとともに、前記回転多面鏡を回転させて前記変調された光線による前記逐次主走査を行わせることで、前記感光体の表面の二次元露光を行わせて前記画像データに係る画像の静電潜像を形成する露光制御手段と、
前記書込クロックの周波数及び位相の少なくとも一方を含むクロック特性を変更可能なクロック特性変更手段と、
前記光線による露光位置の、前記複数の鏡面の各々の状態に応じたずれを補正する補正手段と、
を備え、
前記露光制御手段は、
前記複数の鏡面のうち一の鏡面による前記走査に用いられる前記書込クロックの前記クロック特性と、他の鏡面による前記走査に用いられる前記書込クロックの前記クロック特性とを異ならせて前記二次元露光を行わせることで、前記一の鏡面による前記走査で形成された基準部分を特定可能な鏡面特定パターンの静電潜像を形成し、
前記鏡面特定パターンに対する所定の相対位置に所定の前記クロック特性で前記二次元露光を行わせることで、前記ずれを検出するための検出パターンの静電潜像を形成し、
前記補正手段は、前記鏡面特定パターン及び前記検出パターンの静電潜像を現像して得られたテストチャートが形成された記録媒体の読取結果に基づいて、前記基準部分と前記検出パターンとの位置関係から前記検出パターンの各部の形成に用いられた鏡面を特定し、当該鏡面の特定結果と前記検出パターンとに基づいて前記複数の鏡面の各々に係る前記ずれを検出して補正することを特徴としている。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、
前記補正手段は、前記主走査方向についての前記ずれを検出して補正することを特徴としている。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の画像形成装置において、
前記補正手段は、検出された前記ずれの量に応じて前記クロック特性変更手段により前記クロック特性を調整させることで前記ずれを補正することを特徴としている。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記補正手段は、前記副走査方向についての前記ずれを検出して補正することを特徴としている。
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記検出パターンは、前記複数の鏡面の各々による走査でそれぞれ形成された個別パターンを有し、
前記個別パターンは、前記副走査方向について互いに分離されていることを特徴としている。
請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
記録媒体の表面を読み取る読取手段を備え、
前記補正手段は、前記テストチャートが形成された記録媒体の前記読取手段による読取結果に基づいて前記ずれを補正することを特徴としている。
また、上記目的を達成するため、請求項7に記載の露光位置の補正方法の発明は、
感光体と、光源と、所定の回転軸の回りで回転する回転体の外周面に複数の鏡面を有し、回転している前記外周面に前記光源から光線を照射することにより、前記複数の鏡面の各々で反射した前記光線を順に前記感光体の表面上で所定の主走査方向に走査させる逐次主走査が行われるように設けられた回転多面鏡と、前記走査に用いられる書込クロックの周波数及び位相の少なくとも一方を含むクロック特性を変更可能なクロック特性変更手段と、を備えた画像形成装置における露光位置の補正方法であって、
画像データに基づいて変調された前記光線を前記書込クロックに応じて前記光源から射出させる光源制御工程、
帯電した前記感光体の表面を前記主走査方向に交差する副走査方向に移動させるとともに、前記回転多面鏡を回転させて前記変調された光線による前記逐次主走査を行わせることで、前記感光体の表面の二次元露光を行わせて前記画像データに係る画像の静電潜像を形成する露光制御工程、
前記光線による露光位置の、前記複数の鏡面の各々の状態に応じたずれを補正する補正工程、
を含み、
前記露光制御工程では、
前記複数の鏡面のうち一の鏡面による前記走査に用いられる前記書込クロックの前記クロック特性と、他の鏡面による前記走査に用いられる前記書込クロックの前記クロック特性とを異ならせて前記二次元露光を行わせることで、前記一の鏡面による前記走査で形成された基準部分を特定可能な鏡面特定パターンの静電潜像を形成し、
前記鏡面特定パターンに対する所定の相対位置に所定の前記クロック特性で前記二次元露光を行わせることで、前記ずれを検出するための検出パターンの静電潜像を形成し、
前記補正工程では、前記鏡面特定パターン及び前記検出パターンの静電潜像を現像して得られたテストチャートが形成された記録媒体の読取結果に基づいて、前記基準部分と前記検出パターンとの位置関係から前記検出パターンの各部の形成に用いられた鏡面を特定し、当該鏡面の特定結果と前記検出パターンとに基づいて前記複数の鏡面の各々に係る前記ずれを検出して補正することを特徴としている。
また、上記目的を達成するため、請求項8に記載のプログラムの発明は、
感光体と、光源と、所定の回転軸の回りで回転する回転体の外周面に複数の鏡面を有し、回転している前記外周面に前記光源から光線を照射することにより、前記複数の鏡面の各々で反射した前記光線を順に前記感光体の表面上で所定の主走査方向に走査させる逐次主走査が行われるように設けられた回転多面鏡と、前記走査に用いられる書込クロックの周波数及び位相の少なくとも一方を含むクロック特性を変更可能なクロック特性変更手段と、を備えた画像形成装置のコンピューターを、
画像データに基づいて変調された前記光線を前記書込クロックに応じて前記光源から射出させる光源制御手段、
帯電した前記感光体の表面を前記主走査方向に交差する副走査方向に移動させるとともに、前記回転多面鏡を回転させて前記変調された光線による前記逐次主走査を行わせることで、前記感光体の表面の二次元露光を行わせて前記画像データに係る画像の静電潜像を形成する露光制御手段、
前記光線による露光位置の、前記複数の鏡面の各々の状態に応じたずれを補正する補正手段、
として機能させ、
前記露光制御手段は、
前記複数の鏡面のうち一の鏡面による前記走査に用いられる前記書込クロックの前記クロック特性と、他の鏡面による前記走査に用いられる前記書込クロックの前記クロック特性とを異ならせて前記二次元露光を行わせることで、前記一の鏡面による前記走査で形成された基準部分を特定可能な鏡面特定パターンの静電潜像を形成し、
前記鏡面特定パターンに対する所定の相対位置に所定の前記クロック特性で前記二次元露光を行わせることで、前記ずれを検出するための検出パターンの静電潜像を形成し、
前記補正手段は、前記鏡面特定パターン及び前記検出パターンの静電潜像を現像して得られたテストチャートが形成された記録媒体の読取結果に基づいて、前記基準部分と前記検出パターンとの位置関係から前記検出パターンの各部の形成に用いられた鏡面を特定し、当該鏡面の特定結果と前記検出パターンとに基づいて前記複数の鏡面の各々に係る前記ずれを検出して補正することを特徴としている。
また、上記目的を達成するため、請求項9に記載のテストチャート形成媒体の製造方法の発明は、
感光体と、光源と、所定の回転軸の回りで回転する回転体の外周面に複数の鏡面を有し、回転している前記外周面に前記光源から光線を照射することにより、前記複数の鏡面の各々で反射した前記光線を順に前記感光体の表面上で所定の主走査方向に走査させる逐次主走査が行われるように設けられた回転多面鏡と、前記走査に用いられる書込クロックの周波数及び位相の少なくとも一方を含むクロック特性を変更可能なクロック特性変更手段と、を備えた画像形成装置により、テストチャートが形成された記録媒体であるテストチャート形成媒体を製造する方法であって、
画像データに基づいて変調された前記光線を前記書込クロックに応じて前記光源から射出させる光源制御工程、
帯電した前記感光体の表面を前記主走査方向に交差する副走査方向に移動させるとともに、前記回転多面鏡を回転させて前記変調された光線による前記逐次主走査を行わせることで、前記感光体の表面の二次元露光を行わせて前記画像データに係る画像の静電潜像を形成する露光制御工程、
を含み、
前記露光制御工程では、
前記複数の鏡面のうち一の鏡面による前記走査に用いられる前記書込クロックの前記クロック特性と、他の鏡面による前記走査に用いられる前記書込クロックの前記クロック特性とを異ならせて前記二次元露光を行わせることで、前記一の鏡面による前記走査で形成された基準部分を特定可能な鏡面特定パターンの静電潜像を形成し、
前記鏡面特定パターンに対する所定の相対位置に所定の前記クロック特性で前記二次元露光を行わせることで、前記光線による露光位置の、前記複数の鏡面の各々の状態に応じたずれを検出するための検出パターンの静電潜像を形成し、
当該製造方法は、
前記鏡面特定パターン及び前記検出パターンの静電潜像を現像して得られた像を記録媒体に転写して前記鏡面特定パターン及び前記検出パターンを含むテストチャートを形成する画像形成工程を含むことを特徴としている。
本発明に従うと、後発的に生じた露光位置のずれをより正確に補正することができるという効果がある。
画像形成装置の概略構成を示す模式図である。 画像形成装置の主要な機能構成を示すブロック図である。 画像形成部のうち静電潜像の形成に係る構成要素を説明する模式図である。 画像形成部のうち静電潜像の形成に係る部分の主要な機能構成を示す機能ブロック図である。 書込クロック生成部の構成を示すブロック図である。 露光位置のずれの補正方法を説明する図である。 露光位置のずれの経時変化の例を示す図である。 記録媒体に形成されたテストチャートの例を示す図である。 単位特定パターン及び単位検出パターンを説明する図である。 単位検出パターンの内容例を示す図である。 露光位置補正処理の制御手順を示すフローチャートである。 チャート出力処理の制御手順を示すフローチャートである。
以下、本発明の画像形成装置、露光位置の補正方法、プログラム及びテストチャート形成媒体の製造方法に係る実施の形態を図面に基づいて説明する。
<画像形成装置の構成>
図1は、本発明の実施形態である画像形成装置1の概略構成を示す模式図である。
図2は、画像形成装置1の主要な機能構成を示すブロック図である。
画像形成装置1は、記録媒体供給部2と、記録媒体排出部3と、制御部10(光源制御手段、露光制御手段、補正手段、コンピューター)と、記憶部21と、操作部22と、表示部23と、通信部24と、搬送部25と、スキャナー30と、画像形成部40と、画像読取部50(読取手段)と、バス60などを備える。これらの各部は、バス60を介して接続されている。
画像形成装置1は、記録媒体供給部2に格納された用紙などの記録媒体を搬送部25の搬送ローラー251により搬送し、当該搬送されている記録媒体上に画像形成部40により電子写真方式で画像を形成して記録媒体排出部3に排出する。
制御部10は、CPU11(Central Processing Unit)、RAM12(Random Access Memory)及びROM13(Read Only Memory)を有する。
CPU11は、ROM13に記憶されているプログラム131を読み出して実行し、各種演算処理を行う。
RAM12は、CPU11に作業用のメモリー空間を提供し、一時データを記憶する。
ROM13は、CPU11により実行されるプログラム131や設定データ等を格納する。なお、ROM13に代えてEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)やフラッシュメモリー等の書き換え可能な不揮発性メモリーが用いられてもよい。
これらのCPU11、RAM12及びROM13を有する制御部10は、プログラム131に従って画像形成装置1の各部を統括制御する。例えば、制御部10は、搬送部25に記録媒体を搬送させ、記憶部21に記憶された画像データに基づいて画像形成部40により記録媒体に画像を形成させる。また、制御部10は、後述する方法により、所定のテストチャートの読取結果に基づいて露光位置の補正処理を行う。
記憶部21は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などにより構成され、スキャナー30により取得された画像データや、通信部24を介して外部から入力された画像データなどが記憶される。なお、これらのデータや情報はRAM12に記憶されてもよい。
操作部22は、操作キーや表示部23の画面に重ねられて配置されたタッチパネルなどの入力デバイスを備え、これらの入力デバイスに対する入力操作を操作信号に変換して制御部10に出力する。
表示部23は、LCD(Liquid crystal display)などの表示装置を備え、制御部10による制御下で、画像形成装置1の状態や、タッチパネルへの入力操作の対象となる操作ボタンを含む操作画面などを表示する。
通信部24は、制御部10による制御下で、ネットワーク上のコンピューターや他の画像形成装置と通信を行って画像データや印刷ジョブデータなどを送受信する。
搬送部25は、記録媒体を挟持した状態で回転することで記録媒体を移動させる搬送ローラー251を複数備え、制御部10による制御下で搬送ローラー251を回転駆動させることで記録媒体を所定の搬送経路に沿って搬送する。
スキャナー30は、制御部10による制御下で、ユーザーにより所定の記録媒体載置台に載置された記録媒体の表面を読み取って画像データを生成し、生成された画像データを記憶部21に記憶させる。
画像形成部40は、制御部10による制御下で、記憶部21に記憶された画像データに基づいて記録媒体に画像を形成する。画像形成部40は、図示しない帯電ローラーにより表面が帯電されるドラム状の感光体43(像担持体)と、帯電された感光体43の表面にレーザービーム(光線)を射出して露光することにより当該表面に静電潜像を形成する光源41と、トナーを含む現像剤を用いて静電潜像を現像し、感光体43の表面にトナー像を形成する現像部46と、形成されたトナー像が一次転写される中間転写ベルト47と、中間転写ベルト47から記録媒体にトナー像を二次転写する転写部48と、トナー像が転写された記録媒体を加熱及び加圧して記録媒体にトナー像を定着させる画像定着部49などを備える。上記のうち、光源41、感光体43及び現像部46を含む作像ユニットは、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)及びK(ブラック)の各色に対応して4つ設けられ、中間転写ベルト47に沿ってY,M,C,Kの順に配列されている。
画像読取部50は、制御部10による制御下で、画像形成部40により画像が形成された記録媒体の表面を読み取って画像データを生成し、生成された画像データを記憶部21に記憶させる。画像読取部50は、記録媒体の搬送方向について画像形成部40の下流側に設けられ、記録媒体が記録媒体排出部3に排出される前に(すなわち、インラインで)記録媒体の表面を読み取る。画像読取部50は、例えば記録媒体の搬送方向と直交する幅方向についての記録媒体の幅に亘る撮像が可能なラインセンサーとすることができる。
<画像形成部の構成及び動作>
次に、画像形成部40の詳細な構成及び動作について説明する。
図3は、画像形成部40のうち静電潜像の形成に係る構成要素を説明する模式図である。
画像形成部40は、レーザービームの光源41、スリット451、コリメーターレンズ452、ポリゴンミラー42(回転多面鏡)、fθレンズ453、シリンドリカルレンズ454、感光体43、ミラー455及び同期センサー44を備えている。
光源41は、複数の発光素子を備えたマルチビーム方式の光源であり、複数の発光素子の各々からレーザービームを射出することで、複数の(本実施形態では、4つの)レーザービームを並行して照射することができる。光源41としては、半導体レーザーアレイ等を用いることができる。
スリット451は、光源41から照射された各レーザービームを所定のスポット径に整形する。
コリメーターレンズ452は、スリット451を通過したレーザービームを平行光に変換する。
ポリゴンミラー42は、正多角形柱体(本実施形態では、正六角柱体)の回転体の外周面に複数の(本実施形態では、6つの)ミラー状のポリゴン面42a(鏡面)を備え、各ポリゴン面42aに平行な回転軸(正多角形柱体の回転対称軸)を中心に回転する。ポリゴンミラー42は、平行光に変換されたレーザービームを各ポリゴン面42aで反射して感光体43へと導く。レーザービームは、ポリゴンミラー42の回転によって偏向され、感光体43の軸方向に沿って感光体43上を走査する。このレーザービームが走査する方向が主走査方向であり、感光体43上で主走査方向と交差する(本実施形態では、直交する)方向が副走査方向である。このように、ポリゴンミラー42は、回転している外周面にレーザービームを照射することにより、複数のポリゴン面42aの各々で反射したレーザービームを順に感光体43の表面上で主走査方向に走査させる逐次主走査が行われるように設けられている。また、感光体43を回転させて感光体43の表面を副走査方向に移動させながら上記の逐次主走査を行うことで、帯電した感光体43の表面の二次元露光が行われる。以下では、ポリゴンミラー42の6つのポリゴン面42aをそれぞれ第1ポリゴン面〜第6ポリゴン面と記す。
fθレンズ453は、ポリゴンミラー42と感光体43との間の光路上に配置され、感光体43の表面を走査するレーザービームの走査速度を等速化する。
シリンドリカルレンズ454は、fθレンズ453を通過したレーザービームを感光体43上に結像する。
ミラー455は、感光体43の表面を走査する直前のレーザービームを反射して同期センサー44に導く。
同期センサー44は、レーザービームを検出すると、検出信号を制御部10に出力する。制御部10は、検出信号を受信すると、各ポリゴン面42aによる走査の開始タイミングの基準となる同期信号を生成する。
図4は、画像形成部40のうち静電潜像の形成に係る部分の主要な機能構成を示す機能ブロック図である。
画像形成部40は、光源41による発光動作を制御するための書込クロック生成部411(クロック特性変更手段)、画像処理部412及び光源駆動制御部413と、ポリゴンミラー42の回転動作を制御するポリゴンミラー駆動制御部421と、感光体43の回転動作を制御する感光体駆動制御部431とを備えている。
書込クロック生成部411は、レーザービームの走査に用いられる書き込み用の画素クロック(以下では、書込クロックPCLKと記す)を生成して画像処理部412及び光源駆動制御部413に出力する。書込クロック生成部411は、ポリゴンミラー42のポリゴン面42aごとに、当該ポリゴン面42aによる走査に用いられる書込クロックPCLKのクロック特性を調整して出力することができる。ここで、クロック特性は、書込クロックPCLKの周波数及び位相の少なくとも一部を含む。
図5は、書込クロック生成部411の構成を示すブロック図である。
書込クロック生成部411は、基準クロック生成部4111と、6つのPLL(Phase Locked Loop)4112a〜4112f(以下、互いに区別しない場合にはPLL4112と記す)と、セレクター4113とを備える。
6つのPLL4112a〜4112fは、それぞれポリゴンミラー42の第1ポリゴン面〜第6ポリゴン面に対応している。各PLL4112には、対応するポリゴン面42aの状態(表面の凹凸形状や回転速度)に応じて設定された補正値Dmと、基準クロック生成部4111により生成された基準クロックCLKとが入力される。PLL4112は、補正値Dmに応じて基準クロックCLKの周波数を調整し、図示しない位相同期回路を介して書込クロックPCLKとして出力する。
詳しくは、PLL4112は、基準クロックCLKの周波数を1/Mに分周して位相比較器に入力する1/M分周器と、PLL4112の出力(後述のVCOの出力)である書込クロックPCLKの周波数を1/Nに分周して位相比較器に入力する1/N分周器と、位相比較器の出力をローパスフィルタにより平滑化した信号に応じた周波数の書込クロックPCLKを出力するVCO(Voltage Controlled Oscillator)と、を有する。このようなPLL4112により、基準クロックCLKの周波数をN/M倍した周波数の書込クロックPCLKを出力することができる。ここで、1/M分周器による分周比Mは、制御部10から入力される補正値Dmに応じて変更可能となっている。これにより、PLL4112は、補正値Dmに応じて周波数が調整された書込クロックPCLKを出力することができる。
セレクター4113は、制御部10からの制御信号(走査に用いられるポリゴン面42aを特定する信号、及び上述の同期信号)に応じて、PLL4112a〜4112fから出力される書込クロックPCLKのうちいずれか一つを選択して(切り替えて)画像処理部412及び光源駆動制御部413に出力する。
図4の画像処理部412は、記憶部21に記憶された画像データに対し各種の画像処理を施す手段であり、制御部10から入力された同期信号、及び書込クロック生成部411から入力された書込クロックPCLKに同期して画像形成に必要な画像データを光源駆動制御部413に転送する。
光源駆動制御部413は、書込クロック生成部411から入力された書込クロックPCLKに同期して、画像処理部412から転送された画像データに応じて変調されたレーザービームを光源41から射出させる。
ポリゴンミラー駆動制御部421は、制御部10からの制御信号に応じてポリゴンミラー42のポリゴンモーターを動作させて、所定の回転速度でポリゴンミラー42を回転させる。
感光体駆動制御部431は、制御部10からの制御信号に応じて感光体43の回転モーターを動作させて、所定の回転速度で感光体43を回転させる。
<露光位置の補正方法>
ポリゴンミラー42の各ポリゴン面42aは、表面に凹凸がなく法線の副走査方向の向きが揃っており、回転速度にむらがないことが望ましい。このような理想的な状態のポリゴン面42aを用いてレーザービームの逐次主走査を行うことで、主走査方向及び副走査方向についての位置ずれがない所望の露光を行うことができる。
しかしながら、ポリゴン面42aには、僅かな凹凸があったり、法線の向きが所定の向きからずれる「面倒れ」が生じていたりすることがある。また、ポリゴン面42aの表面形状は、継続的に遠心力を受けること等により継時的に変化することがある。また、ポリゴンミラー42のポリゴンモーターの特性変化によりポリゴン面42aの回転速度が経時変化したり速度むらが生じたりする。このように、ポリゴン面42aの状態が理想的な状態ではなく、かつ複数のポリゴン面42aの状態にばらつきがある場合には、ポリゴン面42aごとの走査において、ポリゴン面42aの状態に応じて露光位置にずれが生じてしまう。
これに対し、本実施形態の画像形成装置1では、書込クロックPCLKをポリゴン面42aごとに調整することで、主走査方向についての露光位置のずれを補正することができる。以下では、この露光位置の補正方法について説明する。
図6は、露光位置のずれの補正方法を説明する図である。
図6(a)は、主走査方向についての露光位置のずれを補正しない場合の走査の状態を示す図である。図6(a)の左側では第1ポリゴン面〜第6ポリゴン面を用いて行われる走査の主走査方向についての範囲が示されている。ここで、「SOS(Start Of Scan)」は、主走査方向についての走査開始位置を示し、「EOS(End Of Scan)」は、主走査方向についての走査終了位置を示す。また、この走査は、図6(a)の右側に示されるように、各ポリゴン面42aについてクロック特性が同一の書込クロックPCLKを用いて行われたものである。
各ポリゴン面42aによる走査でのSOSは、上述した同期信号の生成直後の所定タイミングで露光が行われることで、主走査方向の位置が互いに揃っている。一方、各ポリゴン面42aによる走査でのEOSは、各ポリゴン面42aの状態の相違を反映して、主走査方向について範囲Rに亘ってばらついている。このような主走査方向についてのEOSのばらつきは、ジッターとも呼ばれる。
本実施形態では、形成される像における画素の大きさは、約10μm(2400dpi)乃至は約20μm(1200dpi)であり、ジッターの生じる範囲Rの大きさは、例えば数μmである。
図6(b)は、主走査方向についての露光位置のずれを補正した場合の走査の状態を示す図である。
図6(a)のように、ポリゴン面42aごとに露光位置が主走査方向にずれて(ばらついて)いる場合、当該露光位置のずれ量に応じて各ポリゴン面42aについての書込クロックPCLKの周波数を調整することで、図6(b)の左側に示されるように露光位置のずれを補正することができる。すなわち、図6(b)の右側に示されるように、EOSが主走査方向の負方向にずれているポリゴン面42aについては書込クロックPCLKの周波数を低減させ、EOSが主走査方向の正方向にずれているポリゴン面42aについては書込クロックPCLKの周波数を増大させることで、図6(b)の左側に示されるように、露光位置のずれを補正してEOSのばらつきを解消させることができる。
<露光位置のずれの検出方法>
本実施形態では、露光位置のずれに経時変化があったり、主走査方向の位置に対する露光位置の非線形なずれがあったりする場合においても当該ずれを検出して補正することができる。
以下では、露光位置のずれの検出方法について説明する。
図7は、露光位置のずれの経時変化の例を示す図である。
図7のプロットAは、主走査方向の各位置について、初期状態の露光位置のずれの大きさをプロットしたものであり、プロットBは、所定期間経過後の(経時変化後の)露光位置のずれの大きさをプロットしたものである。
このように、露光位置のずれは、経時的に変化する。これは、上述したとおり、各ポリゴン面42aの形状や回転速度の経時変化に起因する。
また、プロットA及びプロットBでは、いずれも、主走査方向の位置に対して露光位置のずれ量が非線形に変化している。これは、各ポリゴン面42aの形状や回転速度が主走査方向について必ずしも一様とはならないことに起因する。
このように、露光位置のずれに経時変化がある場合や、露光位置の非線形なずれがある場合に当該ずれを検出して正確に補正するために、本実施形態では、画像形成装置1により所定のテストチャートを記録媒体に記録し、当該テストチャートの読取結果を解析することで露光位置のずれを検出する。
図8は、記録媒体Mに形成されたテストチャート100の例を示す図である。
テストチャート100は、ポリゴン面特定パターン110(鏡面特定パターン)と、副走査方向についてポリゴン面特定パターン110に対して所定の相対位置に形成された露光位置ずれ検出パターン120(検出パターン)とを有する。ポリゴン面特定パターン110は、記録媒体Mの副走査方向の一方の端部近傍で主走査方向に延びる矩形領域に形成されている。また、露光位置ずれ検出パターン120は、主走査方向についてポリゴン面特定パターン110と同一の幅を有し、ポリゴン面特定パターン110から副走査方向に所定の間隔dだけ離れた矩形領域に形成されている。
このテストチャート100が形成された記録媒体Mが、テストチャート形成媒体を構成する。
ポリゴン面特定パターン110では、第1ポリゴン面〜第6ポリゴン面の各々により1回ずつ走査を用って形成された単位特定パターン110aが、副走査方向に繰り返し形成されている。この単位特定パターン110aでは、特定の一のポリゴン面42a(本実施形態では第1ポリゴン面)による走査で形成された基準部分が特定できるようになっている。
また、露光位置ずれ検出パターン120では、第1ポリゴン面〜第6ポリゴン面の各々により1回ずつ走査を用って形成された単位検出パターン120aが副走査方向に繰り返し形成されている。
単位特定パターン110a及び単位検出パターン120aの副走査方向の幅は、例えば約1mmである。
図9は、単位特定パターン110a及び単位検出パターン120aを説明する図である。
図9(a)の左側には、単位特定パターン110aが示され、図9(a)の右側には、単位特定パターン110aの形成に用いられた書込クロックPCLKがポリゴン面42aごとに示されている。
図9(a)の右側に示されるように、単位特定パターン110aを形成する場合には、第1ポリゴン面による走査で用いられる書込クロックPCLKの周波数が、第2ポリゴン面〜第6ポリゴン面による走査で用いられる書込クロックPCLKの周波数よりも大幅に小さくされ、かつ位相がずらされている。
このような書込クロックPCLKで各ポリゴン面42aによる走査を行うことで、図9(a)の左側に示されるように、単位特定パターン110aでは、第1ポリゴン面による走査で形成された基準部分111が、他の第2ポリゴン面〜第6ポリゴン面による走査で形成された部分よりも主走査方向の正方向に大きくずれて形成されている。これにより、単位特定パターン110aにおいて第1ポリゴン面による走査で形成された基準部分111を容易に特定できるようになっている。
なお、第1ポリゴン面に対応する書込クロックPCLKの調整では、周波数の調整のみ行うことで、SOSの位置はずらさず、EOSの位置をずらすようにしても良い。また、位相の調整のみ行って、単位特定パターン110aの全体を副走査方向にずらすようにしても良い。
単位特定パターン110aの内容は、特には限られないが、例えばべたパターンとすることができる。
また、図9(b)の左側には、単位検出パターン120aが示され、図9(b)の右側には、単位検出パターン120aの形成に用いられた書込クロックPCLKがポリゴン面42aごとに示されている。
図9(b)の右側に示されるように、単位検出パターン120aの形成では、各ポリゴン面42aによる走査に同一のクロック特性の書込クロックPCLKが用いられる。この結果、図9(b)の左側に示されるように、単位検出パターン120aでは、各ポリゴン面42aの状態(形状や回転速度)を反映した主走査方向の露光位置のずれ(EOSの範囲Rにおけるジッター)がそのまま表れるようになっている。
図10は、単位検出パターン120aの内容例を示す図である。
単位検出パターン120aでは、各ポリゴン面42aによる走査において4つのレーザービームにより各々形成される副走査方向の4つの画素行のうち、上側の2つの画素行にのみオン画素(トナーを付与する画素)が配置されて個別パターン121が形成され、下側の2つの画素行はオフ画素(トナーを付与しない空白画素)とされる。このように、単位検出パターン120a(露光位置ずれ検出パターン120)では、複数のポリゴン面42aの各々による走査でそれぞれ形成された個別パターン121が、副走査方向について互いに分離した状態で形成される。
また、主走査方向についても、2画素ごとにオン画素とオフ画素が交互に配置されるように露光が行われる。したがって、単位検出パターン120aは、主走査方向及び副走査方向について、いずれもオン画素とオフ画素が2画素ごとに交互に現れる「2オン2オフ」パターンで形成され、この結果、主走査方向及び副走査方向について2×2画素の大きさを有する個別単位パターン121aがマトリクス状に配置されたパターンとなる。
なお、単位特定パターン110aについても図10のようなパターンで形成しても良い。
図8のポリゴン面特定パターン110では、各単位特定パターン110aに含まれる基準部分111の副走査方向の位置を特定することができる。したがって、この基準部分111の位置と、副走査方向についての間隔dの大きさ(画素数)とに基づいて、露光位置ずれ検出パターン120の各部の形成に用いられたポリゴン面42aを特定することができる。すなわち、図10に示されるように、各個別パターン121に対応するポリゴン面42aの番号を特定することができる。
このポリゴン面42aの特定結果と、露光位置ずれ検出パターン120における個別単位パターン121aの位置の所定位置からのずれ量とを対応付けることにより、各ポリゴン面42aに対応する露光位置のずれを検出することができる。
具体的には、まず、露光位置ずれ検出パターン120において、第1ポリゴン面により形成された複数の個別パターン121に着目する。第1ポリゴン面に対応する個別パターン121は、露光位置ずれ検出パターン120において副走査方向について6つごとに現れる。この第1ポリゴン面に対応する複数の個別パターン121において、主走査方向の位置が対応する個別単位パターン121aについての主走査方向の位置をそれぞれ特定して平均することで、第1ポリゴン面における当該主走査方向の位置での露光位置のずれを検出することができる。このような検出を主走査方向の各位置について行うことで、第1ポリゴン面における主走査方向の各位置での露光位置のずれを検出することができる。上述したように、露光位置のずれの大きさは、数μmと非常に小さいため、通常、画像読取部50による読取結果から直接検出するのは困難であるが、複数の個別単位パターン121aの位置を平均する算出方法によれば、高精度に露光位置のずれを検出することができる。
同様に、第2ポリゴン面〜第6ポリゴン面の各々についても、当該ポリゴン面42aにおける主走査方向の各位置での露光位置のずれを検出することができる。
そして、ポリゴン面42aごとの露光位置のずれに基づいて、図6(b)のように各ポリゴン面42aによる走査で用いられる書込クロックPCLKの周波数を調整することにより、各ポリゴン面42aの状態に応じた露光位置の主走査方向についてのずれを補正することができる。
なお、図6(b)の例では、各ポリゴン面42aについて書込クロックPCLKの周波数を固定しているが、主走査方向の各位置での露光位置のずれ量に応じて、走査中に書込クロックPCLKを変化させても良い。
次に、画像形成装置1で実行される露光位置補正処理の制御部10による制御手順について説明する。
図11は、露光位置補正処理の制御手順を示すフローチャートである。
露光位置補正処理が開始されると、制御部10は、記録媒体Mにテストチャート100を形成するチャート出力処理を実行する(ステップS101)。チャート出力処理の内容については、後述する。
チャート出力処理が終了すると、制御部10は、画像読取部50により記録媒体M上のテストチャート100を読み取らせる(ステップS102)。
次に、制御部10は、読取結果(テストチャート100の画像データ)を解析し、露光位置ずれ検出パターン120の各位置の形成に用いられたポリゴン面42aを特定する(ステップS103)。すなわち、テストチャート100のポリゴン面特定パターン110における基準部分111の副走査方向の位置と、ポリゴン面特定パターン110及び露光位置ずれ検出パターン120との間隔dの画素数とに基づいて、露光位置ずれ検出パターン120の各個別パターン121に対応するポリゴン面42aを特定する。
次に、制御部10は、上述のアルゴリズムに従って、ポリゴン面42aごとの露光位置のずれを検出し、当該検出結果に基づいて、各ポリゴン面42aに対応する補正値Dmを算出する(ステップS104)。
ステップS103及びステップS104は、補正工程に相当する。
ステップS104の処理が終了すると、制御部10は、露光位置補正処理を終了させる。以降、画像形成装置1による画像形成を行う場合には、制御部10は、各ポリゴン面42aによる走査で用いられる書込クロックPCLKを、ステップS104で算出された補正値Dmに基づいて補正する。
図12は、チャート出力処理の制御手順を示すフローチャートである。
チャート出力処理が呼び出されると、制御部10は、第1ポリゴン面に対応する書込クロックPCLKを調整する(ステップS201)。すなわち、制御部10は、図9(b)の右側に示されるように、第1ポリゴン面に対応する書込クロックPCLKのクロック特性が、第2ポリゴン面〜第6ポリゴン面に対応する書込クロックPCLKのクロック特性と異なるように書込クロック生成部411の動作設定を行う。
次に、制御部10は、感光体43上に、ポリゴン面特定パターン110の静電潜像を形成する(ステップS202)。すなわち、制御部10は、感光体駆動制御部431により、帯電した感光体43を回転させて感光体43の表面を副走査方向に移動させるとともに、ポリゴンミラー駆動制御部421によりポリゴンミラー42を回転させて、ポリゴン面特定パターン110の画像データに応じて変調された光線による逐次主走査を行わせることで、感光体43の表面の二次元露光を行わせてポリゴン面特定パターン110の静電潜像を形成する。
ポリゴン面特定パターン110の静電潜像の形成が終了すると、制御部10は、第1ポリゴン面に対応する書込クロックPCLKを元に戻す(ステップS203)。ここでは、制御部10は、第1ポリゴン面に対応する書込クロックPCLKのクロック特性が、第2ポリゴン面〜第6ポリゴン面に対応する書込クロックPCLKのクロック特性と同一となるように書込クロック生成部411の動作設定を変更する。
次に、制御部10は、感光体43上に、露光位置ずれ検出パターン120の静電潜像を形成する(ステップS204)。すなわち、制御部10は、感光体43を回転させながらポリゴンミラー42を回転させて、露光位置ずれ検出パターン120の画像データに応じて変調された光線による逐次主走査を行わせることで、感光体43の表面の二次元露光を行わせて露光位置ずれ検出パターン120の静電潜像を形成する。
ステップS201〜ステップS204は、光源制御工程及び露光制御工程に相当する。
次に、制御部10は、画像形成部40の各部を動作させて、ポリゴン面特定パターン110及び露光位置ずれ検出パターン120を現像させ、記録媒体Mに転写させて定着させる(ステップS205)。
ステップS205は、画像形成工程に相当する。
ステップS205の処理が終了すると、制御部10は、処理を露光位置補正処理に戻す。
(変形例)
続いて上記実施形態の変形例について説明する。
上記実施形態では、主走査方向についての露光位置のずれを補正する例を用いて説明したが、本変形例では、これに代えて、又はこれに加えて、副走査方向についての露光位置のずれを検出して補正する。以下では、上記実施形態との相違点について説明する。
ポリゴンミラー42のポリゴン面42aの法線が、所望の方向から副走査方向に傾斜している場合、すなわちポリゴン面42aに副走査方向への面倒れが生じている場合には、当該ポリゴン面42aによる走査での露光位置は、副走査方向にずれることとなる。この場合には、図10の個別パターン121や個別単位パターン121aが副走査方向にずれるため、当該ずれを検出することで、ポリゴン面42aごとに、露光位置の副走査方向のずれを検出することができる。
このように検出された副走査方向のずれを補正する場合には、例えば、画像形成に用いられる画像データにおける画素データを、検出されたポリゴン面42aごとの副走査方向の露光位置のずれ量に応じて副走査方向にシフトする補正を行えば良い。
あるいは、副走査方向に多数のレーザービームを並行して照射可能な光源を用い、ポリゴン面42aごとに露光に用いるレーザービームを選択する構成において、検出されたポリゴン面42aごとの副走査方向の露光位置のずれに基づいて選択するレーザービームを変更することで露光位置のずれを補正しても良い。
なお、副走査方向のずれに加えて主走査方向のずれも補正する場合には、書込クロックPCLKの調整を併せて行えば良い。
以上のように、本実施形態に係る画像形成装置1は、感光体43と、光源41と、所定の回転軸の回りで回転する回転体の外周面に複数のポリゴン面42a(鏡面)を有し、回転している外周面に光源41からレーザービームを照射することにより、複数のポリゴン面42aの各々で反射したレーザービームを順に感光体43の表面上で主走査方向に走査させる逐次主走査が行われるように設けられたポリゴンミラー42(回転多面鏡)と、制御部10と、を備え、制御部10は、画像データに基づいて変調されたレーザービームを書込クロックに応じて光源41から射出させ(光源制御手段)、帯電した感光体43の表面を副走査方向に移動させるとともに、ポリゴンミラー42を回転させて変調されたレーザービームによる逐次主走査を行わせることで、感光体43の表面の二次元露光を行わせて画像データに係る画像の静電潜像を形成し(露光制御手段)、画像形成装置1は、書込クロックの周波数及び位相の少なくとも一方を含むクロック特性を変更可能な書込クロック生成部411を備え、制御部10は、レーザービームによる露光位置の、複数のポリゴン面42aの各々の状態に応じたずれを補正し(補正手段)、複数のポリゴン面42aのうち一のポリゴン面42aによる走査に用いられる書込クロックのクロック特性と、他のポリゴン面42aによる走査に用いられる書込クロックのクロック特性とを異ならせて二次元露光を行わせることで、一のポリゴン面42aによる走査で形成された基準部分111を特定可能なポリゴン面特定パターン110の静電潜像を形成し(露光制御手段)、ポリゴン面特定パターン110に対する所定の相対位置に所定のクロック特性で二次元露光を行わせることで、ずれを検出するための露光位置ずれ検出パターン120の静電潜像を形成し(露光制御手段)、ポリゴン面特定パターン110及び露光位置ずれ検出パターン120の静電潜像を現像して得られたテストチャート100が形成された記録媒体Mの読取結果に基づいて、基準部分111と露光位置ずれ検出パターン120との位置関係から露光位置ずれ検出パターン120の各部の形成に用いられたポリゴン面42aを特定し、当該ポリゴン面42aの特定結果と露光位置ずれ検出パターン120とに基づいて複数のポリゴン面42aの各々に係るずれを検出して補正する(補正手段)。
このような構成によれば、記録媒体M上のテストチャート100の各部の形成(走査)に用いられたポリゴン面42aを容易に特定することができる。よって、テストチャート100から露光位置のずれを特定することで、ポリゴン面42aの状態に応じた露光位置のずれをポリゴン面42aごとに容易に特定することができ、ポリゴン面42aごとに露光位置のずれを正確に補正することができる。
また、実際に露光を行って形成されたテストチャート100から各ポリゴン面42aについての露光位置のずれを検出できるため、後発的に生じた露光位置のずれを検出して補正することができる。これにより、ポリゴン面42aの形状や回転速度が経時的に変化した場合であっても、露光位置のずれを正確に補正することができる。
また、テストチャート100から、主走査方向についての各位置における露光位置のずれを検出できるため、主走査方向に対して非線形なずれが生じていても、当該ずれを正確に検出して補正することができる。
また、光源41から感光体43に至る光路上に露光位置のずれ検出のためのセンサー等を設ける方法と比較して、簡素な構成により低コストで、レーザービームの光路を妨げることなく露光位置のずれを検出して補正することができる。
また、制御部10は、主走査方向についてのずれを検出して補正する(補正手段)。これにより、ポリゴン面42aごとに主走査方向の露光位置がずれてジッターが生じ、当該ジッターの周期とスクリーン処理のパターンなどが干渉して筋むらといった画質不良が生じるのを抑制することができる。
また、制御部10は、検出されたずれの量に応じて書込クロック生成部411によりクロック特性を調整させることでずれを補正する(補正手段)。これにより、簡易な方法で正確に主走査方向についての露光位置のずれを補正することができる。
また、上記変形例に係る制御部10は、副走査方向についてのずれを検出して補正する(補正手段)。これにより、ポリゴン面42aの面倒れ等により副走査方向についての露光位置のずれが生じている場合においても、当該ずれを検出して補正することができる。
また、露光位置ずれ検出パターン120は、複数のポリゴン面42aの各々による走査でそれぞれ形成された個別パターン121を有し、個別パターン121は、副走査方向について互いに分離されている。これにより、ポリゴン面42aごとの露光位置のずれを互いに独立して正確に検出することができる。
また、画像形成装置1は、記録媒体Mの表面を読み取る画像読取部50を備え、制御部10は、テストチャート100が形成された記録媒体Mの画像読取部50による読取結果に基づいてずれを補正する(補正手段)。これにより、画像形成装置1においてテストチャート100を読み取って露光位置のずれの検出及び補正を行うことができる。
また、上記実施形態に係る露光位置の補正方法は、画像データに基づいて変調されたレーザービームを書込クロックに応じて光源41から射出させる光源制御工程、帯電した感光体43の表面を副走査方向に移動させるとともに、ポリゴンミラー42を回転させて変調されたレーザービームによる逐次主走査を行わせることで、感光体43の表面の二次元露光を行わせて画像データに係る画像の静電潜像を形成する露光制御工程、レーザービームによる露光位置の、複数のポリゴン面42aの各々の状態に応じたずれを補正する補正工程、を含み、露光制御工程では、複数のポリゴン面42aのうち一のポリゴン面42aによる走査に用いられる書込クロックのクロック特性と、他のポリゴン面42aによる走査に用いられる書込クロックのクロック特性とを異ならせて二次元露光を行わせることで、一のポリゴン面42aによる走査で形成された基準部分111を特定可能なポリゴン面特定パターン110の静電潜像を形成し、ポリゴン面特定パターン110に対する所定の相対位置に所定のクロック特性で二次元露光を行わせることで、ずれを検出するための露光位置ずれ検出パターン120の静電潜像を形成し、補正工程では、ポリゴン面特定パターン110及び露光位置ずれ検出パターン120の静電潜像を現像して得られたテストチャート100が形成された記録媒体Mの読取結果に基づいて、基準部分111と露光位置ずれ検出パターン120との位置関係から露光位置ずれ検出パターン120の各部の形成に用いられたポリゴン面42aを特定し、当該ポリゴン面42aの特定結果と露光位置ずれ検出パターン120とに基づいて複数のポリゴン面42aの各々に係るずれを検出して補正する。
このような方法によれば、画像形成領域内の任意の位置に後発的に生じた露光位置のずれを検出して正確に補正することができる。
また、上記実施形態に係るプログラムは、画像形成装置1のコンピューター(制御部10)を、画像データに基づいて変調されたレーザービームを書込クロックに応じて光源41から射出させる光源制御手段、帯電した感光体43の表面を副走査方向に移動させるとともに、ポリゴンミラー42を回転させて変調されたレーザービームによる逐次主走査を行わせることで、感光体43の表面の二次元露光を行わせて画像データに係る画像の静電潜像を形成する露光制御手段、レーザービームによる露光位置の、複数のポリゴン面42aの各々の状態に応じたずれを補正する補正手段、として機能させ、露光制御手段は、複数のポリゴン面42aのうち一のポリゴン面42aによる走査に用いられる書込クロックのクロック特性と、他のポリゴン面42aによる走査に用いられる書込クロックのクロック特性とを異ならせて二次元露光を行わせることで、一のポリゴン面42aによる走査で形成された基準部分111を特定可能なポリゴン面特定パターン110の静電潜像を形成し、ポリゴン面特定パターン110に対する所定の相対位置に所定のクロック特性で二次元露光を行わせることで、ずれを検出するための露光位置ずれ検出パターン120の静電潜像を形成し、補正手段は、ポリゴン面特定パターン110及び露光位置ずれ検出パターン120の静電潜像を現像して得られたテストチャート100が形成された記録媒体Mの読取結果に基づいて、基準部分111と露光位置ずれ検出パターン120との位置関係から露光位置ずれ検出パターン120の各部の形成に用いられたポリゴン面42aを特定し、当該ポリゴン面42aの特定結果と露光位置ずれ検出パターン120とに基づいて複数のポリゴン面42aの各々に係るずれを検出して補正する。
このようなプログラムによれば、画像形成領域内の任意の位置に後発的に生じた露光位置のずれを検出して正確に補正することができる。
また、上記実施形態に係るテストチャート形成媒体の製造方法は、画像データに基づいて変調されたレーザービームを書込クロックに応じて光源41から射出させる光源制御工程、帯電した感光体43の表面を副走査方向に移動させるとともに、ポリゴンミラー42を回転させて変調されたレーザービームによる逐次主走査を行わせることで、感光体43の表面の二次元露光を行わせて画像データに係る画像の静電潜像を形成する露光制御工程、を含み、露光制御工程では、複数のポリゴン面42aのうち一のポリゴン面42aによる走査に用いられる書込クロックのクロック特性と、他のポリゴン面42aによる走査に用いられる書込クロックのクロック特性とを異ならせて二次元露光を行わせることで、一のポリゴン面42aによる走査で形成された基準部分111を特定可能なポリゴン面特定パターン110の静電潜像を形成し、ポリゴン面特定パターン110に対する所定の相対位置に所定のクロック特性で二次元露光を行わせることで、ずれを検出するための露光位置ずれ検出パターン120の静電潜像を形成し、当該製造方法は、ポリゴン面特定パターン110及び露光位置ずれ検出パターン120の静電潜像を現像して得られた像を記録媒体Mに転写してポリゴン面特定パターン110及び露光位置ずれ検出パターン120を含むテストチャート100を形成する画像形成工程を含む。
このような方法によれば、画像形成領域内の任意の位置に後発的に生じた露光位置のずれを検出して正確に補正するためのテストチャート100が形成された記録媒体Mを製造することができる。
なお、本発明は、上記実施形態及び変形例に限られるものではなく、様々な変更が可能である。
例えば、単位検出パターン120aは、図10に示したものに限られず、例えば、主走査方向にオン画素が繋がったパターンであっても良い。
また、テストチャート100の読み取りは、画像読取部50に代えて、スキャナー30や、画像形成装置1の外部に設けられた画像読取装置により行っても良い。
また、テストチャート100の読取結果から、テストチャート100の各部の形成に用いられたポリゴン面42aを特定する処理、各ポリゴン面42aに対応する露光位置のずれを検出する処理、及び補正値を算出する処理の少なくとも一部を、画像形成装置1の外部に設けられた情報処理装置により行っても良い。
また、露光位置ずれ検出パターン120の形成に用いられる書込クロックPCLKは、必ずしも図9(b)のように各ポリゴン面42aについて同一としなくても良く、ポリゴン面42aごとに予め定められたクロック特性の書込クロックPCLKを用いても良い。この場合でも、走査に用いた書込クロックPCLKのクロック特性を参照することで、露光位置ずれ検出パターン120における個別パターン121や個別単位パターン121aの位置から露光位置のずれを検出することができる。
また、テストチャート100のポリゴン面特定パターン110と露光位置ずれ検出パターン120との間は、空白でなくても良く、任意の画像が形成されていても良い。例えば、ポリゴン面特定パターン110と露光位置ずれ検出パターン120との間隔dを人が特定する場合に、当該間隔dにおける画素数が特定しやすい画像、例えば1画素単位の階段状の画像を形成しても良い。
また、光源41は、マルチビーム方式のものに限られず、各ポリゴン面42aに対して単一のレーザービームを照射して走査する構成のものであっても良い。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
1 画像形成装置
10 制御部(光源制御手段、露光制御手段、補正手段、コンピューター)
40 画像形成部
41 光源
42 ポリゴンミラー(回転多面鏡)
42a ポリゴン面(鏡面)
43 感光体
44 同期センサー
50 画像読取部(読取手段)
100 テストチャート
110 ポリゴン面特定パターン(鏡面特定パターン)
110a 単位特定パターン
111 基準部分
120 露光位置ずれ検出パターン(検出パターン)
120a 単位検出パターン
121 個別パターン
121a 個別単位パターン
411 書込クロック生成部(クロック特性変更手段)

Claims (9)

  1. 感光体と、
    光源と、
    所定の回転軸の回りで回転する回転体の外周面に複数の鏡面を有し、回転している前記外周面に前記光源から光線を照射することにより、前記複数の鏡面の各々で反射した前記光線を順に前記感光体の表面上で所定の主走査方向に走査させる逐次主走査が行われるように設けられた回転多面鏡と、
    画像データに基づいて変調された前記光線を書込クロックに応じて前記光源から射出させる光源制御手段と、
    帯電した前記感光体の表面を前記主走査方向に交差する副走査方向に移動させるとともに、前記回転多面鏡を回転させて前記変調された光線による前記逐次主走査を行わせることで、前記感光体の表面の二次元露光を行わせて前記画像データに係る画像の静電潜像を形成する露光制御手段と、
    前記書込クロックの周波数及び位相の少なくとも一方を含むクロック特性を変更可能なクロック特性変更手段と、
    前記光線による露光位置の、前記複数の鏡面の各々の状態に応じたずれを補正する補正手段と、
    を備え、
    前記露光制御手段は、
    前記複数の鏡面のうち一の鏡面による前記走査に用いられる前記書込クロックの前記クロック特性と、他の鏡面による前記走査に用いられる前記書込クロックの前記クロック特性とを異ならせて前記二次元露光を行わせることで、前記一の鏡面による前記走査で形成された基準部分を特定可能な鏡面特定パターンの静電潜像を形成し、
    前記鏡面特定パターンに対する所定の相対位置に所定の前記クロック特性で前記二次元露光を行わせることで、前記ずれを検出するための検出パターンの静電潜像を形成し、
    前記補正手段は、前記鏡面特定パターン及び前記検出パターンの静電潜像を現像して得られたテストチャートが形成された記録媒体の読取結果に基づいて、前記基準部分と前記検出パターンとの位置関係から前記検出パターンの各部の形成に用いられた鏡面を特定し、当該鏡面の特定結果と前記検出パターンとに基づいて前記複数の鏡面の各々に係る前記ずれを検出して補正することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記補正手段は、前記主走査方向についての前記ずれを検出して補正することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記補正手段は、検出された前記ずれの量に応じて前記クロック特性変更手段により前記クロック特性を調整させることで前記ずれを補正することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記補正手段は、前記副走査方向についての前記ずれを検出して補正することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  5. 前記検出パターンは、前記複数の鏡面の各々による走査でそれぞれ形成された個別パターンを有し、
    前記個別パターンは、前記副走査方向について互いに分離されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  6. 記録媒体の表面を読み取る読取手段を備え、
    前記補正手段は、前記テストチャートが形成された記録媒体の前記読取手段による読取結果に基づいて前記ずれを補正することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  7. 感光体と、光源と、所定の回転軸の回りで回転する回転体の外周面に複数の鏡面を有し、回転している前記外周面に前記光源から光線を照射することにより、前記複数の鏡面の各々で反射した前記光線を順に前記感光体の表面上で所定の主走査方向に走査させる逐次主走査が行われるように設けられた回転多面鏡と、前記走査に用いられる書込クロックの周波数及び位相の少なくとも一方を含むクロック特性を変更可能なクロック特性変更手段と、を備えた画像形成装置における露光位置の補正方法であって、
    画像データに基づいて変調された前記光線を前記書込クロックに応じて前記光源から射出させる光源制御工程、
    帯電した前記感光体の表面を前記主走査方向に交差する副走査方向に移動させるとともに、前記回転多面鏡を回転させて前記変調された光線による前記逐次主走査を行わせることで、前記感光体の表面の二次元露光を行わせて前記画像データに係る画像の静電潜像を形成する露光制御工程、
    前記光線による露光位置の、前記複数の鏡面の各々の状態に応じたずれを補正する補正工程、
    を含み、
    前記露光制御工程では、
    前記複数の鏡面のうち一の鏡面による前記走査に用いられる前記書込クロックの前記クロック特性と、他の鏡面による前記走査に用いられる前記書込クロックの前記クロック特性とを異ならせて前記二次元露光を行わせることで、前記一の鏡面による前記走査で形成された基準部分を特定可能な鏡面特定パターンの静電潜像を形成し、
    前記鏡面特定パターンに対する所定の相対位置に所定の前記クロック特性で前記二次元露光を行わせることで、前記ずれを検出するための検出パターンの静電潜像を形成し、
    前記補正工程では、前記鏡面特定パターン及び前記検出パターンの静電潜像を現像して得られたテストチャートが形成された記録媒体の読取結果に基づいて、前記基準部分と前記検出パターンとの位置関係から前記検出パターンの各部の形成に用いられた鏡面を特定し、当該鏡面の特定結果と前記検出パターンとに基づいて前記複数の鏡面の各々に係る前記ずれを検出して補正することを特徴とする露光位置の補正方法。
  8. 感光体と、光源と、所定の回転軸の回りで回転する回転体の外周面に複数の鏡面を有し、回転している前記外周面に前記光源から光線を照射することにより、前記複数の鏡面の各々で反射した前記光線を順に前記感光体の表面上で所定の主走査方向に走査させる逐次主走査が行われるように設けられた回転多面鏡と、前記走査に用いられる書込クロックの周波数及び位相の少なくとも一方を含むクロック特性を変更可能なクロック特性変更手段と、を備えた画像形成装置のコンピューターを、
    画像データに基づいて変調された前記光線を前記書込クロックに応じて前記光源から射出させる光源制御手段、
    帯電した前記感光体の表面を前記主走査方向に交差する副走査方向に移動させるとともに、前記回転多面鏡を回転させて前記変調された光線による前記逐次主走査を行わせることで、前記感光体の表面の二次元露光を行わせて前記画像データに係る画像の静電潜像を形成する露光制御手段、
    前記光線による露光位置の、前記複数の鏡面の各々の状態に応じたずれを補正する補正手段、
    として機能させ、
    前記露光制御手段は、
    前記複数の鏡面のうち一の鏡面による前記走査に用いられる前記書込クロックの前記クロック特性と、他の鏡面による前記走査に用いられる前記書込クロックの前記クロック特性とを異ならせて前記二次元露光を行わせることで、前記一の鏡面による前記走査で形成された基準部分を特定可能な鏡面特定パターンの静電潜像を形成し、
    前記鏡面特定パターンに対する所定の相対位置に所定の前記クロック特性で前記二次元露光を行わせることで、前記ずれを検出するための検出パターンの静電潜像を形成し、
    前記補正手段は、前記鏡面特定パターン及び前記検出パターンの静電潜像を現像して得られたテストチャートが形成された記録媒体の読取結果に基づいて、前記基準部分と前記検出パターンとの位置関係から前記検出パターンの各部の形成に用いられた鏡面を特定し、当該鏡面の特定結果と前記検出パターンとに基づいて前記複数の鏡面の各々に係る前記ずれを検出して補正することを特徴とするプログラム。
  9. 感光体と、光源と、所定の回転軸の回りで回転する回転体の外周面に複数の鏡面を有し、回転している前記外周面に前記光源から光線を照射することにより、前記複数の鏡面の各々で反射した前記光線を順に前記感光体の表面上で所定の主走査方向に走査させる逐次主走査が行われるように設けられた回転多面鏡と、前記走査に用いられる書込クロックの周波数及び位相の少なくとも一方を含むクロック特性を変更可能なクロック特性変更手段と、を備えた画像形成装置により、テストチャートが形成された記録媒体であるテストチャート形成媒体を製造する方法であって、
    画像データに基づいて変調された前記光線を前記書込クロックに応じて前記光源から射出させる光源制御工程、
    帯電した前記感光体の表面を前記主走査方向に交差する副走査方向に移動させるとともに、前記回転多面鏡を回転させて前記変調された光線による前記逐次主走査を行わせることで、前記感光体の表面の二次元露光を行わせて前記画像データに係る画像の静電潜像を形成する露光制御工程、
    を含み、
    前記露光制御工程では、
    前記複数の鏡面のうち一の鏡面による前記走査に用いられる前記書込クロックの前記クロック特性と、他の鏡面による前記走査に用いられる前記書込クロックの前記クロック特性とを異ならせて前記二次元露光を行わせることで、前記一の鏡面による前記走査で形成された基準部分を特定可能な鏡面特定パターンの静電潜像を形成し、
    前記鏡面特定パターンに対する所定の相対位置に所定の前記クロック特性で前記二次元露光を行わせることで、前記光線による露光位置の、前記複数の鏡面の各々の状態に応じたずれを検出するための検出パターンの静電潜像を形成し、
    当該製造方法は、
    前記鏡面特定パターン及び前記検出パターンの静電潜像を現像して得られた像を記録媒体に転写して前記鏡面特定パターン及び前記検出パターンを含むテストチャートを形成する画像形成工程を含むことを特徴とするテストチャート形成媒体の製造方法。
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