JP6984949B2 - 半導体装置、電子機器及び半導体装置の製造方法 - Google Patents
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例えば、特許文献1に示される半導体装置では、半導体IC等からなるベアチップと、ベアチップを支持するための支持体と、これらベアチップ及び支持体を包むように設けられた可撓性回路基板と、該可撓性回路基板の外面に接触するように設置された放熱部と、該可撓性回路基板内の熱を外に導く脚部と、を具備した構成とされる。
その結果、特許文献2に示される半導体装置では、ベアチップの温度が上昇してチップの誤動作が生じるという不具合がある。
すなわち、特許文献1〜3に示される3次元実装型の半導体装置では、放熱するための構造が大型化するという問題、及び熱伝達経路の迂回により放熱効率が低下するという問題があり、これらの解決が望まれていた。
本発明の第1態様は、電子デバイスと、該電子デバイスの周囲を取り囲む支持体と、これら電子デバイス及び支持体を包むように配置された可撓性回路基板とからなる構造体を有する半導体装置であって、前記可撓性回路基板に形成されて前記支持体を露出させる開口部を有し、前記可撓性回路基板は、前記開口部にて露出する第1内部配線と、前記開口部とは異なる他の位置で露出する第2内部配線とを有することを特徴とする。
この半導体装置100は、電子デバイス101と、この電子デバイス101を取り囲む支持体102と、電子デバイス101を含む回路を構成する可撓性回路基板103とからなる構造体104、を具備する。
また、この可撓性回路基板103には、開口部105にて露出する第1内部配線106と、開口部105とは異なる他の位置(符号Mで示す)で露出する第2内部配線107とがそれぞれ設置されている。
また、上記半導体装置100では、開口部105にて露出する第1内部配線106と、該開口部105とは異なる他の位置Mで露出する第2内部配線107とが可撓性回路基板103に含有されているので、これら第1及び第2内部配線106,107を経由して、同様に電子デバイス101で生じた熱を速やかに外部に排出することができる。
具体的には、可撓性回路基板103の第1内部配線106では、上部に位置する放熱部材108を通じて電子デバイス101の熱を外部に排出することができる。また、可撓性回路基板103の第2内部配線107では、下部に位置する実装基板109を通じて電子デバイス101の熱を外部に排出することができる。
本発明の第1実施形態に係る半導体装置110について、図2の正断面図及び図3の平面図を参照して説明する。
第1実施形態に係る半導体装置110は、電子デバイス1、この電子デバイス1を取り囲む支持体2、電子デバイス1を含む回路を構成する可撓性回路基板3、及び可撓性回路基板3の上面に搭載された放熱部材4を有する構造体20からなる。
支持体2の材料としては、例えば金属(鉄、アルミニウム、アルミニウムを含んだ合金、ニッケルと鉄を含んだ合金、ニッケルとクロムを含んだ合金、クロムを含んだ合金、銅)、シリコン、樹脂材料(ナイロン樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、カーボン樹脂、アラミド樹脂)、雲母(マイカ)などを用いることができる。
ここに示される放熱部材4はヒートシンクの形をしているが、放熱部材4は一般的に用いられているヒートシンク(放熱器、放熱板)、導熱シート、導熱ゴム、又は半導体装置をカバーしている筐体などにより構成されている。
また、可撓性回路基板3の下方には、半導体装置110を実装するとともに放熱部材としての機能を有する実装基板10が設置されている。
内部配線A及び内部配線Bの末端部は、可撓性回路基板3の上部位置及び下部位置から外部に向けてそれぞれ突出しており、内部配線Aの突出部が開口部5内にて放熱部材4に接続され、かつ内部配線Bの突出部が開口部5とは異なる他の位置M1にて実装基板10に接続されている。
また、可撓性回路基板3の下層配線部では、支持体2の両側端部で2度折り曲げることで、電子デバイス1と支持体2とを包み込んだ構造になっている。
第1の外部電極7には電子デバイス1が電気的に接続されており、第2の外部電極9には実装基板10が電気的に接続されている。
上記例では、半田ボールに限定されず、表面実装型部品の形状であれば、半田ボールなしで対応することも可能である。
電子デバイス1で発生した熱は、電子デバイス1の表面と接触している可撓性回路基板3に伝わり、その後、可撓性回路基板3と接触している支持体2、及び開口部5で該支持体2と接触している放熱部材4を順次経て外部に放出される。
さらに、電子デバイス1で発生した一部の熱は、電子デバイス1の表面と接触している可撓性回路基板3の下層の内部配線Bに伝達され、下部位置にて内部配線Bと接触している実装基板10を順次経て外部に放出される。
また、上記半導体装置110では、開口部5にて露出する第1内部配線Aと、該開口部5とは異なる他の位置M1で露出する第2内部配線Bとが、放熱部材4及び実装基板10に接続されているので、これら内部配線A,Bを経由して、同様に電子デバイス1で生じた熱を速やかに外部に排出することができる。
具体的には、可撓性回路基板3の第1内部配線Aでは、上部に位置する放熱部材4を通じて電子デバイス1の熱を外部に排出することができる。また、可撓性回路基板3の第2内部配線Bでは、下部に位置する実装基板10を通じて電子デバイス1の熱を外部に排出することができる。
第二の効果は放熱性を高めることにより、熱問題で使用が難しい電子装置にも搭載可能な半導体装置を提供することができる。
第三の効果は可撓性回路基板3の開口部5に露出している内部配線Aを放熱部材4に直接接続することにより、小型化を図りつつも電子デバイス1で発生した熱の放熱性を高めることができる。
第四の効果は可撓性回路基板3の下部位置で露出している内部配線Bを実装基板10に直接接続することにより、小型化を図りつつも電子デバイス1で発生した熱の放熱性を高めることができる。
すなわち、変形例に示される内部配線A,Bが外部に露出される末端部の形状は、断面が四角形状であることに限定されず、図5(A)に示されるような、熱排出に適するように表面積を大きくした形状としても良い。
すなわち、変形例に示される内部配線Bは、平面視した場合に、可撓性回路基板3の両側部ではなく、四角形状のいずれかの側部から適宜露出させるようにしても良い。
まず、第1実施形態の半導体装置110を製造するに際して、図6に示される電子デバイス1、図7に示される支持体2、図8に示される配線層数が2層の可撓性回路基板3、及び外部端子11として用いる半田ボールを用意する。
図7に示される支持体2は、中心に穴が開いている形状であって、外形サイズが「約23mm×17mm」で、厚さ0.7mmに形成されている。
また、半導体装置110の外部端子11に用いる半田ボールとしては、直径約0.8mmのSn-Ag-Cu系はんだボールを約100個用意する。
なお、本実施形態では、可撓性回路基板3については2層構成の配線層で説明しているが、配線層数が1層又は、3層以上の多層の可撓性回路基板3でも構成できることは言うまでもない。図9は可撓性回路基板3を開いた状態で上方から視た平面図である。
その後、可撓性回路基板3の第一面6の第1の外部電極7上にフラックス又はクリーム半田を塗布し、フリップチップ実装マウンター、及びチップマウンターを用いて、電子デバイス1、支持体2を可撓性回路基板3に仮搭載する(図10の断面図、図11の平面図参照)。
その後、導熱シート12を配置し、可撓性回路基板3の開口部5の部分から見える支持体2に、放熱部材4の脚部4Aを接触させることで、該放熱部材4を可撓性回路基板3の上部に搭載する。
その後、マウンターを用いて可撓性回路基板3を実装基板10上に搭載するとともに、リフロー装置を用いて、可撓性回路基板3の内部配線Bを、はんだボールとともに実装基板10にはんだ接続することで、図2のような半導体装置110を完成させる。
本発明の第2実施形態に係る半導体装置120について、図14の正断面図を参照して説明する。なお、以下において、第1実施形態に示される構成と共通する箇所に同一符号を付し、重複した説明を省略する。
この第2開口部18は、可撓性回路基板3の上層に形成されかつ電子デバイス1を上側に露出させるものであって、該第2開口部18を介して放熱部材4の脚部4Aが設置される。
すなわち、第2実施形態の半導体装置120では、可撓性回路基板3の開口部5及び18という複数の経路により効率の良い熱排出が可能となる。
また、可撓性回路基板3の第2開口部18では、支持体2を経由せず、電子デバイス1で生じた熱を直接外部に排出できるので、これによっても効率の良い熱排出が可能となる。
本発明の第3実施形態に係る半導体装置130について、図15の正断面図を参照して説明する。
このとき、下段に位置する構造体20の可撓性回路基板3には、下側に向けて第3開口部5´が形成されている。
この第3開口部5´には、下段の支持体2と実装基板10とを接続するとともに、内部配線Aの末端部が連結された放熱部材4´が設置されている。
また、上記半導体装置130では、開口部5,5´にて露出する第1内部配線Aと、該開口部5とは異なる他の位置で露出する第2内部配線Bとが、放熱部材4及び実装基板10に接続されているので、これら第1及び第2内部配線A,Bを経由して、構造体20の各段の電子デバイス1で生じた熱を速やかに外部に排出することができる。
また、上記半導体装置130では、第2実施形態の半導体装置120に示される、可撓性回路基板3の中央上部に第2開口部18を設け、該第2開口部18内に放熱部材4の脚部4Aを設置する構成を組み込んでも良い。
上記実施形態に記載の半導体装置110,120,130とともに、以下の図16及び図17に示される半導体装置140,150を併せて設置しても良い。
図16に示される半導体装置140では、第1実施形態で説明した半導体装置110から放熱部材4を省略した構造になっている。
そして、このような半導体装置140では、放熱部材4がないこととで、部品高を低く抑えることができ、小型で放熱効率の優れた構造体を得ることができる。
そして、このような半導体装置150では、支持体2及び放熱部材4がないことで、部品高を低く抑えることができ、小型で放熱効率の優れた構造体を得ることができる。
また、上記半導体装置は、家庭用ゲーム機、医療機器、ワークステーション、サーバー、パーソナルコンピュータ、カーナビゲーション、携帯電話、ロボット、計測器などの電子機器に適宜使用することが可能である。
2 支持体
3 可撓性回路基板
4 放熱部材
4´ 放熱部材
4A 脚部
5 開口部
5´ 第3開口部
6 第一面
7 (第1の)外部電極
8 第二面
9 (第2の)外部電極
10 実装基板
11 外部端子
12 伝熱シート(導熱シート)
13 第1絶縁層
14 第2絶縁層
15 第3絶縁層
18 第2開口部
20 構造体
100 半導体装置
101 電子デバイス
102 支持体
103 可撓性回路基板
104 構造体
105 開口部
106 (第1)内部配線
107 (第2)内部配線
108 放熱部材
109 実装基板
110 半導体装置
120 半導体装置
130 半導体装置
140 半導体装置
150 半導体装置
A (第1)内部配線
B (第2)内部配線
M 他の位置
M1 他の位置
Claims (10)
- 電子デバイスと、該電子デバイスの周囲を取り囲む支持体と、これら電子デバイス及び支持体を包むように配置された可撓性回路基板とからなる構造体を有する半導体装置であって、
前記可撓性回路基板に形成されて前記支持体を露出させる開口部を有し、
前記可撓性回路基板は、前記開口部にて露出する第1内部配線と、前記開口部とは異なる他の位置で露出する第2内部配線とを有することを特徴とする半導体装置。 - 前記可撓性回路基板の開口部に露出する支持体及び前記可撓性回路基板の第1内部配線は、上部に位置する放熱部材に接触して配置されることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
- 前記可撓性回路基板の上面と前記放熱部材との間に伝熱シートが介在することを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
- 前記可撓性回路基板の上部中央には前記電子デバイスを露出させる第2開口部が形成され、
前記第2開口部から露出した電子デバイスは前記放熱部材に接触配置されることを特徴とする請求項2又は3のいずれか1項に記載の半導体装置。 - 前記可撓性回路基板の第2内部配線は、下部に位置する実装基板に接触配置されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体装置。
- 前記可撓性回路基板の下面と前記実装基板との間には外部端子となる金属ボールが配置されていることを特徴とする請求項5に記載の半導体装置。
- 前記露出される内部配線の末端部は熱排出に適した形状に形成されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の半導体装置。
- 前記電子デバイスと、該電子デバイスの周囲を取り囲む支持体と、これら電子デバイス及び支持体を包むように配置された可撓性回路基板とからなる構造体は、上下に複数段設置されており、
複数段のうち、下段に位置する前記構造体の前記可撓性回路基板には、前記支持体を実装基板に対して露出させる第3開口部が形成され、
前記第3開口部には前記支持体の熱を実装基板に排出する放熱部材が配置されていることを特徴とする請求項7に記載の半導体装置。 - 請求項1〜8のいずれか1項に記載の半導体装置が搭載されることを特徴とする電子機器。
- 電子デバイス及び該電子デバイスの周囲を取り囲む支持体を共に包むように可撓性回路基板を配置し、
前記可撓性回路基板に前記支持体を露出させる開口部を形成するとともに、前記可撓性回路基板に、前記開口部にて露出させる第1内部配線、及び前記開口部とは異なる他の位置で露出させる第2内部配線を設けることを特徴とする半導体装置の製造方法。
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