JP6978040B2 - SiO2含有被膜を備えたSi含有Fe基合金粉及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本開示は、SiO2含有被膜を備えたSi含有Fe基合金粉及びその製造方法に関する。
従来、パワー半導体としてSi半導体が主に用いられているが、これに代えて、オン抵抗が低くスイッチング速度が速く且つ高温で動作可能なSiCまたはGaNパワー半導体の利用が検討されている。SiCまたはGaNパワー半導体を用いることで、ACアダプタ、VRM(電圧レギュレータモジュール)、サーバー電源等のDC−DCコンバータのスイッチング周波数を数MHz〜数十MHzに高周波化することができる。DC−DCコンバータのスイッチング周波数の高周波化とともに、高周波数領域に対応可能なトランスやインダクタ等の受動部品の開発が進められているが、高周波数領域で低損失な磁性材料の開発は遅れているのが現状である。
トランスやインダクタ等の磁気部品には軟磁性材料が用いられているが、図48に示すように、1MHzを超えるような高周波数領域で十分に対応可能な磁性材料がない。例えば、水アトマイズ法やガスアトマイズ法で作製される軟磁性金属粉末を用いたダストコアはハイブリッド自動車や電気自動車のパワートレーン系のDC−DCコンバータに用いられているが、数100kHz以下の周波数領域で用いられており、1MHz以上の高周波数領域には対応しない。Mn−Zn系フェライトは絶縁型DC−DCコンバータのメイントランスに用いられ、微結晶化や焼結条件の改良により2MHz程度まで利用できるように改良が進んでいるが、これ以上の周波数では残留損失の急増により使用は困難になる。また、Ni−Zn系フェライトは、1MHz以上の周波数領域に対応し通信用に多くの実績があるものの、大振幅励磁される高周波電力変換用としての性能は必ずしも十分ではない。そのため、現状では、Siパワー半導体を用いた数十kHz〜数百kHzスイッチングのDC−DCコンバータが大半を占めており、SiCやGaNパワー半導体デバイスの特徴を活かした小型軽量で高効率の高周波スイッチングDC−DCコンバータを実現し、普及させるためには高周波低損失の軟磁性材料とそれを用いたインダクタやトランスの開発が急務となっている。
一方、金属軟磁性粉末をバインダとともに高圧プレス成型して作製されるダストコア技術をベースに10μm以下の微細な金属磁性粉末を用いて樹脂と複合化したコンポジット磁性材料の開発が進められており、超微細な金属磁性粉末を採用することで1MHz以上の周波数でも損失の少ない軟磁性材料を実現できる。この際、金属磁性粉末内部にうず電流を閉じ込めて微細粉末の効果を発揮させるには、粉末表面の絶縁皮膜処理が必要になる。
絶縁皮膜によってうず電流を金属磁性粉末に閉じ込めた場合のコンポジット磁性材料のうず電流損は、下記の式(1):
e=K(πdBmf)2/20ρ(W/m3) (1)
(式中、Kは複合材料中の金属磁性粉末の充填率、dは、金属磁性粉末の粒子径、Bmは最大磁束密度、fは周波数、ρは金属磁性粉末の電気抵抗率である)で算出される。
式(1)から分かるように、うず電流損は、粉末粒子径の二乗に比例し、磁性粉末の電気抵抗率ρに反比例する。そのため、10μm以下の範囲の粒径が小さい磁性粉末を用いること、及び電気抵抗率の高い磁性粉末の採用がコンポジット磁性材料のうず電流損の低減に有効である。
金属磁性粉末を用いた場合は、表面に絶縁皮膜を形成し、うず電流が磁性粒子内のみを流れるようにする必要がある。絶縁皮膜を形成する方法として、アンモニアを触媒として用いてTEOS(有機シラン)を加水分解して磁性金属粒子の表面にSiO2被膜を形成することが提案されている(非特許文献1)。また、酸素を含む雰囲気中で加熱することによって磁性金属粒子の表面を酸化して、磁性金属粒子の表面に酸化膜を形成する方法が提案されている(非特許文献2)。
杉村佳奈子 他、鉄系メタルコンポジット鉄心材料用カルボニル鉄粉の高抵抗被膜形成に関する基礎検討、平成27年日本磁気学会学術講演会、11aB−2(2015) 杉村佳奈子 他、鉄系メタルコンポジット鉄心材料用アモルファス合金粉の酸化被膜形成に関する基礎検討、平成28年日本電気学会A部門大会、5−B−p2−2、pp.28(2016)
しかしながら、従来の水アトマイズ法やガスアトマイズ法で10μm以下、特にサブミクロン〜数ミクロン範囲の粒径が小さい金属磁性体粒子を安定して製造することは難しい。また、粒径が小さい金属磁性体粒子を用いても、磁性粉末の充填率を高めるために金属磁性体粒子同士が接触すると磁性体粒子をまたぐうず電流が発生し、コンポジット磁性材料全体をうず電流が流れることによって大きなうず電流損が発生し、高周波特性が低下する。そのため、磁性体粒子の粒径が小さい意味がなくなってしまう。
非特許文献1に開示の方法は、単に、金属磁性体粒子の表面に化学反応でSiO2被膜をコーティングするものであるが、高価なTEOS(有機シラン)を利用しなくてはならないこと、及び粉末表面に外部からSiO2被膜を形成するために粉末表面の凹凸に左右されて均一な厚みでコーティングすることが難しく、薄くコーティングすると金属磁性体粒子が露出する箇所が発生し、金属磁性体粒子の露出を防止しようとするとコーティングの平均厚みが大きくなってしまうという欠点を有する。非特許文献2に開示の方法では、酸化膜の抵抗が不十分であるため金属磁性粉末の高抵抗化が難しく、酸化膜の膜厚制御も難しい。
そのため、従来よりも膜厚が安定しており絶縁性が高く安価な絶縁皮膜を有する金属磁性粉末が求められている。
本発明者は、金属磁性体粒子の表面に高抵抗被膜を形成する新規の方法を見出した。Si含有Fe基合金粒子の表面を化学反応で表面修飾を行い、表面にSiO2含有被膜を形成する方法である。
本開示は、Si含有Fe基合金粉を準備すること、
前記Si含有Fe基合金粉をリン酸水溶液に浸漬し、前記リン酸水溶液から取り出して乾燥して、Fe−O−Si−P系被膜を備えたSi含有Fe基合金粉を得ること、及び
前記Fe−O−Si−P系被膜を備えたSi含有Fe基合金粉を塩酸水溶液に浸漬し、前記塩酸水溶液から取り出して乾燥して、表面にSiO2含有被膜を備えたSi含有Fe基合金粉を得ること、
を含む、SiO2含有被膜を備えたSi含有Fe基合金粉の製造方法を対象とする。
本開示はまた、表面にSiO2含有被膜を備えたSi含有Fe基合金粒子を対象とする。
本開示によれば、従来よりも膜厚が安定しており絶縁性が高く低コストの絶縁皮膜を有する金属磁性粉末を得ることができる。
図1は、Fe−Si合金粉の走査型電子顕微鏡写真である。 図2は、Fe−Si−Al合金粉の走査型電子顕微鏡写真である。 図3は、Fe−Si−B−Cr−C合金粉の走査型電子顕微鏡写真である。 図4は、Fe−Si−B−P−C−Nb−Cr合金粉の走査型電子顕微鏡写真である。 図5は、準備したSi含有Fe基合金粉の断面模式図である。 図6は、リン酸処理を行ったSi含有Fe基合金粉の断面模式図である。 図7は、リン酸処理後に塩酸処理を行ったSi含有Fe基合金粉12の断面模式図である。 図8は、準備したSi含有Fe基合金粒子、リン酸処理をしたSi含有Fe合粒子、及びリン酸処理後に塩酸処理をしたSi含有Fe基合金粒子の内部の一部を可視化した模式図である。 図9は、図3に記載のFe−Si−B−Cr−C合金粉をリン酸処理したSi含有Fe基合金粉の走査型電子顕微鏡写真である。 図10は、図3の準備したSi含有Fe基合金粉及び図9のリン酸処理を行ったSi含有Fe基合金粉について分析した粉末X線回折プロファイルである。 図11は、準備したSi含有Fe基合金粉の断面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。 図12は、濃度0.00001wt%のリン酸水溶液を用いて6時間リン酸処理を行ったSi含有Fe基合金粉の断面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。 図13は、濃度0.0001wt%のリン酸水溶液を用いて6時間リン酸処理を行ったSi含有Fe基合金粉の断面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。 図14は、濃度0.001wt%のリン酸水溶液を用いて6時間リン酸処理を行ったSi含有Fe基合金粉の断面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。 図15は、濃度0.01wt%のリン酸水溶液を用いて6時間リン酸処理を行ったSi含有Fe基合金粉の断面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。 図16は、濃度0.1wt%のリン酸水溶液を用いて6時間リン酸処理を行ったSi含有Fe基合金粉の断面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。 図17は、濃度0.01wt%のリン酸水溶液を用いて20分間リン酸処理を行ったSi含有Fe基合金粉の断面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。 図18は、濃度0.1wt%のリン酸水溶液を用いて20分間リン酸処理を行ったSi含有Fe基合金粉の断面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。 図19は、準備したSi含有Fe基合金粉の断面の走査型電子顕微鏡写真である。 図20は、濃度1%でリン酸処理したSi含有Fe基合金粉の断面の走査型電子顕微鏡写真である。 図21は、濃度5%でリン酸処理したSi含有Fe基合金粉の断面の走査型電子顕微鏡写真である。 図22は、準備したSi含有Fe基合金粉のオージェ電子分光法による深さ方向分析の結果である。 図23は、濃度1%でリン酸処理したSi含有Fe基合金粉のオージェ電子分光法による深さ方向分析の結果である。 図24は、濃度2%でリン酸処理したSi含有Fe基合金粉のオージェ電子分光法による深さ方向分析の結果である。 図25は、0.00001〜1wt%のリン酸水溶液の濃度と、リン酸処理を行ったSi含有Fe基合金粉のFe−O−Si−P系被膜の厚さとの関係を表すグラフである。 図26は、リン酸水溶液の濃度と、リン酸処理を行ったSi含有Fe基合金粉の飽和磁化Ms及びFe−O−Si−P系被膜の厚さとの関係を表すグラフである。 図27は、図9に示したリン酸処理を行ったSi含有Fe基合金粉を、濃度5%で2時間塩酸処理したSi含有Fe基合金粉の走査型電子顕微鏡写真である。 図28は、図9に示したリン酸処理を行ったSi含有Fe基合金粉を、濃度5%で4時間塩酸処理したSi含有Fe基合金粉の走査型電子顕微鏡写真である。 図29は、濃度0.01wt%のリン酸水溶液を用いて20分間リン酸処理を行ったSi含有Fe基合金粉を、濃度1wt%の塩酸水溶液に10分間浸漬したSi含有Fe基合金粉の断面の走査型電子顕微鏡写真である。 図30は、濃度0.01wt%のリン酸水溶液を用いて20分間リン酸処理を行ったSi含有Fe基合金粉を、濃度1wt%の塩酸水溶液に30分間浸漬したSi含有Fe基合金粉の断面の走査型電子顕微鏡写真である。 図31は、濃度0.01wt%のリン酸水溶液を用いて20分間リン酸処理を行ったSi含有Fe基合金粉を、濃度1wt%の塩酸水溶液に1時間浸漬したSi含有Fe基合金粉の断面の走査型電子顕微鏡写真である。 図32は、濃度0.1wt%のリン酸水溶液を用いて20分間リン酸処理を行ったSi含有Fe基合金粉を、濃度1wt%の塩酸水溶液に10分間浸漬したSi含有Fe基合金粉の断面の走査型電子顕微鏡写真である。 図33は、濃度0.1wt%のリン酸水溶液を用いて20分間リン酸処理を行ったSi含有Fe基合金粉を、濃度1wt%の塩酸水溶液に30分間浸漬したSi含有Fe基合金粉の断面の走査型電子顕微鏡写真である。 図34は、濃度0.1wt%のリン酸水溶液を用いて20分間リン酸処理を行ったSi含有Fe基合金粉を、濃度1wt%の塩酸水溶液に1時間浸漬したSi含有Fe基合金粉の断面の走査型電子顕微鏡写真である。 図35は、リン酸処理を行ったSi含有Fe基合金粉を、濃度5%で2時間塩酸処理したSi含有Fe基合金粉の断面の走査型電子顕微鏡写真である。 図36は、リン酸処理を行ったSi含有Fe基合金粉を、濃度5%で4時間塩酸処理したSi含有Fe基合金粉の断面の走査型電子顕微鏡写真である。 図37は、リン酸処理を行ったSi含有Fe基合金粉を、濃度5%で4時間塩酸処理したSi含有Fe基合金粉のオージェ電子分光法による深さ方向分析の結果である。 図38は、塩酸処理時間と飽和磁化Msとの関係を表すグラフである。 図39は、塩酸水溶液の濃度と、Fe−O−Si−P系被膜の厚み、SiO2含有被膜の厚み、及び被膜の全体厚みとの関係を表すグラフである。 図40は、塩酸処理時間と、Fe−O−Si−P系被膜の厚み、SiO2含有被膜の厚み、及び被膜の全体厚みとの関係を表すグラフである。 図41は、準備したSi含有Fe基合金粉、6時間のリン酸処理をしたSi含有Fe基合金粉、次いで0.5時間、1.0時間、及び4.0時間の塩酸処理をしたSi含有Fe基合金粉の、X線光電子分光法(XPS)によるFe2pスペクトルである。 図42は、準備したSi含有Fe基合金粉、6時間のリン酸処理をしたSi含有Fe基合金粉、次いで0.5時間、1.0時間、及び4.0時間の塩酸処理をしたSi含有Fe基合金粉の、X線光電子分光法(XPS)によるSi2pスペクトルである。 図43は、フッ酸処理前のSiO2含有被膜を備えたSi含有Fe基合金粉の断面の走査型電子顕微鏡写真である。 図44は、HF濃度が1%及びNH4F濃度が3.3%のバッファードフッ酸を用いてフッ酸処理を行ったSi含有Fe基合金粉の断面の走査型電子顕微鏡写真である。 図45は、HF濃度が5%及びNH4F濃度が16.5%のバッファードフッ酸を用いてフッ酸処理を行ったSi含有Fe基合金粉の断面の走査型電子顕微鏡写真である。 図46は、HF濃度が10%及びNH4F濃度が33%のバッファードフッ酸を用いてフッ酸処理を行ったSi含有Fe基合金粉の断面の走査型電子顕微鏡写真である。 図47は、準備したSi含有Fe基合金粉、フッ酸処理前のSiO2含有被膜を備えたSi含有Fe基合金粉、並びにHF濃度が1%及びNH4F濃度が3.3%のバッファードフッ酸、HF濃度が5%及びNH4F濃度が16.5%のバッファードフッ酸、及びHF濃度が10%及びNH4F濃度が33%のバッファードフッ酸を用いてフッ酸処理を行ったSi含有Fe基合金粉のエネルギー分散型X線分析(EDS)プロファイルである。 図48は、各種磁性材料の対応周波数及び飽和磁束密度を示す図である。
本開示の方法においては、FeベースのSi含有Fe基合金粒子からなるSi含有Fe基合金粉を準備する。Si含有Fe基合金粉は、Fe及びSiと所望の磁気特性に応じた任意の添加元素とを含む合金粒子で構成される。以下、Si含有Fe基合金粉とSi含有Fe基合金粒子とをまとめて、Si含有Fe基合金粉とよぶことがある。
Si含有Fe基合金粉のFe含有量は、SiO2含有被膜を備えたSi含有Fe基合金粉の全質量を基準にして、好ましくは82.0〜97.0wt%であり、より好ましくは85.0〜95.5wt%であり、さらに好ましくは87.0〜93.5wt%である。Si含有Fe基合金粉のSi含有量は、SiO2含有被膜を備えたSi含有Fe基合金粉の全質量を基準にして、好ましくは3.0〜18.0wt%、より好ましくは4.5〜15.0wt%、さらに好ましくは6.5〜13.0wt%である。上記範囲のFe含有量及びSi含有量を有するSi含有Fe基合金粉を用いることで、所望の磁気特性を有し且つ十分な厚みのSiO2含有被膜を有するSi含有Fe基合金粉を得ることができる。
Si含有Fe基合金粉は、Fe含有量及びSi含有量が上記範囲内であれば、その他の元素を含んでもよい。Si含有Fe基合金粉は、所望の磁気特性等を得るためにFe及びSiに加えて、Al、B、Cr、C、Ni、Co、Nb等を含んでもよい。Si含有Fe基合金粉は、好ましくはBを含む3元系合金粉であり、より好ましくはB及びCを含む4元系合金粉であり、さらに好ましくはB、C、及びAlを含む5元系合金粉であり、さらにより好ましくは、B、C、Al、及びCrを含む6元系合金粉である。
Si含有Fe基合金粉は、多結晶合金、アモルファス合金、または金属ガラスであることができ、好ましくはアモルファス合金または金属ガラスである。
Si含有Fe基合金粉が多結晶合金の場合でも、従来よりも膜厚が安定しており絶縁性が高く低コストの絶縁皮膜を有する粒径が小さい金属磁性粉末を得ることができる。ただし、多結晶合金はリン酸処理による溶解速度が速く、特に結晶粒界の溶解が速いために均一に溶解しにくく、Si含有Fe基合金粒子の表面が荒れやすく、SiO2含有被膜の厚みが比較的不均一になりやすい。アモルファス合金及び金属ガラスはリン酸処理による溶解速度が遅く、Si含有Fe基合金粒子の表面が均一に溶解して表面が滑らかになりやすい。そのため、比較的均一な厚みを有するSiO2含有被膜を形成することができる。
Si含有Fe基合金であれば、多結晶合金、アモルファス合金、または金属ガラスの組成は特に限定されないが、例えば、多結晶合金としてはFeSi合金及びFeSiAl合金、アモルファス合金としてはFeSiBCrC合金、金属ガラスとしてはFeSiBPCNbCr合金が挙げられる。
図1にFe−Si合金粉、図2にFe−Si−Al合金粉、図3にFe−Si−B−Cr−C合金粉、図4にFe−Si−B−P−C−Nb−Cr合金粉の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を示す。
Si含有Fe基合金粉は、図1〜4に示すような略球形状でもよいし、略扁平形状でもよい。
Si含有Fe基合金粉は、好ましくは1〜50μm、より好ましくは3〜20μm、さらに好ましくは5〜10μmの平均メジアン径(D50)を有する。Si含有Fe基合金粉の粒径は、レーザー回折散乱式粒度分布計で測定される。
本開示の方法においては、Si含有Fe基合金粉をリン酸水溶液に浸漬し、リン酸水溶液から取り出して乾燥して、Fe−O−Si−P系被膜を備えたSi含有Fe基合金粉が得られる。以下、この工程をリン酸処理またはリン酸処理工程ともいう。
リン酸処理工程では、Si含有Fe基合金粉をリン酸水溶液に浸漬することにより、Si含有Fe基合金粉の表面からFeが溶出しつつ、Si含有Fe基合金粉の表面に残留したFeがSi含有Fe基合金粉の表面にFe−O−Si−P系被膜を形成することができる。
図5及び6に、準備したSi含有Fe基合金粉10及びリン酸処理を行ったSi含有Fe基合金粉12の断面模式図を示す。リン酸処理を行ったSi含有Fe基合金粉12は、表面にFe−O−Si−P系被膜20を有する。
Fe−O−Si−P系被膜20は、Fe、O、Si、及びPを含有する被膜である。Fe−O−Si−P系被膜20のFe及びSiは、Si含有Fe基合金粉10由来であり、Pはリン酸水溶液由来であり、OはSi含有Fe基合金粉がリン酸水溶液で酸化されることにより形成された酸化膜及び自然酸化膜に含まれる。したがって、Si含有Fe基合金粉10がFe及びSiに加えて、B、Cr、C等を含む場合は、Fe−O−Si−P系被膜20にはそれらの元素も含まれ得る。
Fe−O−Si−P系被膜20は、リン酸処理によりSi含有Fe基合金粉10の表面層が変化して形成される。準備したSi含有Fe基合金粉10とFe−O−Si−P系被膜20との外径は実質的に同じであり、リン酸処理を行ったSi含有Fe基合金粉12の外径は準備したSi含有Fe基合金粉10の外径よりも小さい。Si含有Fe基合金粉の本体の外径が減少する分、表面に形成されるFe−O−Si−P系被膜の厚みが大きくなる。Fe−O−Si−P系被膜20の厚みは、最終的に得られるSiO2含有被膜の厚みの上限になる。
リン酸処理工程におけるリン酸水溶液の濃度、時間、及び温度は、最終的に必要なSiO2含有被膜の厚みに応じて調整することができる。
リン酸水溶液の濃度は、好ましくは0.00001〜10.00wt%、より好ましくは0.25〜5.00wt%、さらに好ましくは0.50〜3.00wt%である。リン酸水溶液の温度は、好ましくは30〜80℃、より好ましくは45〜65℃、さらに好ましくは50〜60℃である。Si含有Fe基合金粉をリン酸水溶液に浸漬する時間は、好ましくは20分間〜10時間、より好ましくは1〜8時間、さらに好ましくは2〜6時間である。
リン酸水溶液の濃度、温度、及び浸漬時間を上記範囲内にすることにより、Si含有Fe基合金粉の表面に所望の厚みを有するFe−O−Si−P系被膜をより効率良く形成することができる。例えば、リン酸水溶液の濃度が高いほどFe−O−Si−P系被膜の厚みは増加する。
リン酸処理では溶出したFeがリン酸鉄を形成し、Fe−O−Si−P系被膜を備えたSi含有Fe基合金の表面にも付着し得るが、リン酸鉄は塩酸処理工程で実質的に除去することができる。
準備したSi含有Fe基合金粉は、表面領域で酸化膜を有する。Si含有Fe基合金粉をリン酸処理することにより、Si含有Fe基合金粉の表面から所定の深さ範囲でFe−Si−P−O系被膜が形成される。Fe−Si−P−O系被膜には、Fe、Si、P、及びOに加えてCr、C等が含まれ得る。
Si含有Fe基合金粉のリン酸水溶液への浸漬は、好ましくは超音波洗浄機にかけながら行う。超音波洗浄機内で浸漬することによりSi含有Fe基合金粉の凝集を防ぐことができる。
リン酸処理工程における乾燥方法は、Si含有Fe基合金粉を乾燥することができれば特にされないが、例えば100℃の大気中で行うことができる。
本開示の方法においては、リン酸処理後のSi含有Fe基合金粉を、塩酸水溶液に浸漬し、塩酸水溶液から取り出して乾燥して、表面にSiO2含有被膜を備えたSi含有Fe基合金粉が得られる。以下、この工程を塩酸処理または塩酸処理工程ともいう。
塩酸処理工程では、リン酸処理をしたSi含有Fe基合金粉を塩酸水溶液に浸漬することにより、リン酸鉄を溶解させ、且つFe−O−Si−P系被膜からFe、P等の元素を溶出させてSiO2含有被膜を形成することができる。
SiO2含有被膜は、実質的にSiO2単相であることが好ましいが、所望の抵抗が得られる限り、SiO2以外にCr、B、P、C等の元素が含まれてもよい。
図7に、リン酸処理後に塩酸処理を行ったSi含有Fe基合金粉12の断面模式図を示す。塩酸処理を行ったSi含有Fe基合金粉14は、表面にSiO2含有被膜30を有する。塩酸処理を行ったSi含有Fe基合金粉14は、Si含有Fe基合金粉14とSiO2含有被膜30との間にFe−O−Si−P系被膜22を有してもよい。
SiO2含有被膜30は、Fe−O−Si−P系被膜20の少なくとも一部が塩酸処理で変化して形成される。そのため、Fe−O−Si−P系被膜22は、Fe−O−Si−P系被膜20の厚みよりも小さく、塩酸処理を十分に行った場合は、Fe−O−Si−P系被膜20が全てSiO2含有被膜30に変化し、Fe−O−Si−P系被膜22は存在しない。
図8に、準備したSi含有Fe基合金粒子、リン酸処理をしたSi含有Fe合粒子、及びリン酸処理後に塩酸処理をしたSi含有Fe基合金粒子の内部の一部を可視化した模式図を示す。
塩酸処理工程における塩酸水溶液の濃度、時間、及び温度は、リン酸処理工程で生成してSi含有Fe基合金粉の周囲に付着しているリン酸鉄を所望の程度に溶解することができる範囲で、Fe−O−Si−P系被膜の厚みのうちSiO2含有被膜に変える所望の厚みに応じて調整することができる。
リン酸鉄が付着しているとその体積分磁気特性が低下するため、リン酸鉄を溶解することによりSi含有Fe基合金粉の磁気特性を向上することができる。SiO2含有被膜を備えたSi含有Fe基合金粉を回収するために、リン酸鉄を全て溶解することが好ましいが、リン酸鉄が残っていても、磁石等を用いてSiO2含有被膜を備えたSi含有Fe基合金粉のみを回収してもよい。
塩酸水溶液の濃度は、好ましくは0.50〜10.00wt%、より好ましくは1.00〜8.00wt%である、さらに好ましくは2.00〜6.00wt%である。塩酸水溶液の温度は、好ましくは30〜80℃、より好ましくは45〜65℃、さらに好ましくは50〜60℃である。塩酸水溶液に浸漬する時間は、好ましくは10分〜10.0時間、より好ましくは1.0〜7.0時間、さらに好ましくは1.5〜4.0時間である。
塩酸水溶液の濃度、温度、及び浸漬時間を上記範囲内にすることにより、より効率的に、SiO2含有被膜を単相のSiO2に近づけ且つ所望の厚みを有するSiO2含有被膜を形成することができる。例えば、塩酸処理の時間が短いとリン酸鉄が残留し、磁性粉末の飽和磁化が小さくなる。塩酸処理の時間が長くなるにつれて、リン酸鉄の占める体積割合が少なくなり磁性粉末の飽和磁化の減少が抑制され、且つFe−O−Si−P系被膜がSiO2含有被膜に変化してSiO2含有被膜の厚みを増加することができる。
Si含有Fe基合金粉の塩酸水溶液への浸漬は、好ましくは超音波洗浄機にかけながら行う。超音波洗浄機内で浸漬することによりSi含有Fe基合金粉の凝集を防ぐことができる。
塩酸処理工程における乾燥方法は、Si含有Fe基合金粉を乾燥することができれば特にされないが、例えば100℃の大気中で行うことができる。
上記の方法によれば、従来よりも膜厚が安定しており絶縁性が高く安価な、SiO含有被膜を備えたSi含有Fe基合金粉を高収率で得ることができる。SiOのSiは準備した本体のSi含有Fe基合金粉由来であり、従来技術のような外部から形成するものではないためSiO含有被膜は膜厚が安定している。また、SiO含有被膜は、上記のようにリン酸水溶液及び塩酸水溶液に浸漬するだけで形成することができるため、コストも小さい。Si含有Fe基合金粉の表面に形成されたSiO2含有被膜は高抵抗であり、少なくとも最表面は実質的に単相のSiO2被膜でありさらに高抵抗であるため、これらの磁性粉末を用いて作製されるコンポジット磁性材料では渦電流損が低減され、1MHz以上の高周波数領域に対応可能となる。また、上記のようにSiO2含有被膜は高抵抗であるため膜厚が比較的薄くてもよく、その分、本体のSi含有Fe基合金粉の体積を大きくすることができ、粉末同士の静磁結合を強くできるため、コンポジット磁性材料の透磁率の向上に寄与するなど優れた磁気特性を得ることができる。
SiO2含有被膜の膜厚は、好ましくは3〜1000nm、より好ましくは4〜500nm、さらに好ましくは5〜100nm、さらにより好ましくは6〜20nmである。SiO2含有被膜を備えたSi含有Fe基合金粉を100kHz〜10MHzの周波数領域で用いる場合は、SiO2含有被膜の膜厚は10nm以下、例えば3〜10nm、4〜10nm、5〜10nm、6〜10nm、または7〜10nmが好ましく、10MHz超の周波数領域で用いる場合はSiO2含有被膜の膜厚は10nm超、例えば10nm超〜1000nm、10nm超〜100nm、または10nm超〜20nmが好ましい。
被膜内側の残留Fe−O−Si−P系被膜の膜厚は、好ましくは0〜10nm、より好ましくは0〜5nmである。
本開示の方法で得られるSiO2含有被膜を備えたSi含有Fe基合金粉は、本体のSi含有Fe基合金部分の寸法を小さくすることができるので、DC−DCコンバータの鉄心以外に電波吸収体等にも好適に用いることができる。
上記リン酸処理及び塩酸処理を行ったSi含有Fe基合金粉を、フッ酸処理してSiO2含有被膜を取り除くことによって、準備したSi含有Fe基合金粉よりも寸法が小さい第2のSi含有Fe基合金粉を得ることができる。
SiO2含有被膜はフッ酸に溶解するため、フッ酸処理を行うことによって、Si含有Fe基合金粉からSiO2含有被膜を取り除くことができる。取り除かれたSiO2含有被膜部分は、準備したSi含有Fe基合金粉の表面をFe−O−Si−P系被膜に変えた部分の少なくとも一部であるため、第2のSi含有Fe基合金粉の寸法は、準備したSi含有Fe基合金粉よりも小さくなる。また、フッ酸処理時間を調整すれば、SiO2含有被膜を残留させることができる。これによって、準備したSi含有Fe基合金粉よりも全体の直径が小さいSiO2含有被膜を備えたSi含有Fe基合金粉を得ることができる。
フッ酸処理は、フッ酸水溶液を用いた溶液処理であることができる。
フッ酸水溶液としては、HF濃度が1〜10%及びNH4F濃度が3.3〜33%のNH4FとHFとの混合物であるバッファードフッ酸が挙げられる。
溶液処理は、室温のフッ酸水溶液中に例えば5〜20分間浸漬することにより行われる。
第2のSi含有Fe基合金粉の直径は、好ましくは0.1〜5.0μm、より好ましくは0.3〜2.0μm、さらに好ましくは0.5〜1.0μmの平均メジアン径(D50)を有する。第2のSi含有Fe基合金粉の粒径は、レーザー回折散乱式粒度分布計で測定される。上記のように、サブミクロン〜数ミクロン範囲の粒径が小さい金属磁性粉末を安定的に得ることができるので、さらに高周波の領域でうず電流損の小さいコンポジット磁性材料を提供できる。
第2のSi含有Fe基合金粉に、上記のリン酸処理及び塩酸処理を行ってもよい。第2のSi含有Fe基合金粉は、出発材料として最初に準備したSi含有Fe基合金粉よりも寸法が小さいので、より高周波領域に対応可能な、第2のSiO2含有被膜を備えたSi含有Fe基合金粉を得ることができる。
第2のSiO2含有被膜を備えたSi含有Fe基合金をさらに、フッ酸処理を行い、さらに小さい粒径のSi含有Fe基合金粉を得ることができる。さらに、リン酸処理、塩酸処理、及びフッ酸処理を繰り返して、さらにより小さい粒径のSi含有Fe基合金粉を得ることができる。リン酸処理、塩酸処理、及びフッ酸処理を繰り返す際に、塩酸処理で終われば粒径が小さいSiO2含有被膜を備えたSi含有Fe基合金を得ることができ、フッ酸処理で終われば、粒径が小さいSi含有Fe基合金を得ることができる。
本開示の方法で得られたSiO2含有被膜を備えたSi含有Fe基合金粉を利用して、表面にSiO2含有被膜を備えたSi含有Fe基合金粒子からなるSi含有Fe基合金粉を含むコンポジット磁性材料及びコンポジット磁性材料コアを作製することができる。Si含有Fe基合金粉を含むコンポジット磁性材料及びコンポジット磁性材料コアは、1MHz以上の高周波数領域でも損失が少なく、高周波特性に優れたインダクタやトランスを得ることができる。SiO2含有被膜を備えたSi含有Fe基合金粉と、エポキシまたはシリコーンゴムの前駆体の溶液とを混合してスラリーを調製し、スラリーを鋳型に流し込み鋳造することによって、コンポジット磁性材料及びコンポジット磁性材料コアを作製することができる。直径が5μm以下のSi含有Fe基合金粉を用いる場合、上記鋳造プロセスで作製したコンポジット磁性材料コアと、ダストコアの作製と同様にプレスする方法で作製したトロイダルコアは特性がほぼ同じであり、上記鋳造プロセスは、高圧プレスを用いないのでコスト面で有利である。
(実施例1)
Fe−Si−B−Cr−C系のSi含有Fe基合金粉(EPSON ATMIX社製の水アトマイズ法で作製された鉄系アモルファス合金粉)を準備した。図3に、準備したFe−Si−B−Cr−C系合金粉の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を示す。準備したSi含有Fe基合金粉は、87.83Fe−6.59Si−2.54B−2.53Cr−0.51C(wt%)の組成を有し、メジアン平均径(D50)は2.57μmであり、VSMで測定した飽和磁化は141.7emu/gであり、保磁力測定器で測定した保磁力は1.69Oeであった。
準備したSi含有Fe基合金粉を、濃度が0.00001wt%〜5wt%で60℃のリン酸水溶液に20分間〜6時間浸漬し、リン酸水溶液から取り出して乾燥して、Fe−O−Si−P系被膜を備えたSi含有Fe基合金粉を得た。
次いで、リン酸処理で得られたFe−O−Si−P系被膜を備えたSi含有Fe基合金粉を、濃度が1〜6wt%で60℃の塩酸水溶液に10分〜4時間浸漬し、塩酸水溶液から取り出して乾燥して、表面にSiO2含有被膜を備えたSi含有Fe基合金粉を得た。
図9に、濃度5wt%のリン酸水溶液を用いて6時間リン酸処理を行ったSi含有Fe基合金粉の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を示す。図10に、準備したSi含有Fe基合金粉及び濃度5wt%のリン酸水溶液を用いて6時間リン酸処理を行ったSi含有Fe基合金粉について分析した粉末X線回折プロファイルを示す。
リン酸処理を行ったSi含有Fe基合金粉の写真には不定形の物質がみられるが、これは、粉末X線回折プロファイルに示されるように、リン酸処理で形成されたリン酸鉄である。リン酸鉄は、Si含有Fe基合金の表面にも付着し得る。
図11〜16に、準備したSi含有Fe基合金粉の断面、並びに濃度0.00001wt%、0.0001wt%、0.001wt%、0.01wt%、及び0.1wt%のリン酸水溶液を用いてそれぞれ6時間リン酸処理を行ったSi含有Fe基合金粉の断面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を示す。図17及び18に、濃度0.01wt%及び0.1wt%のリン酸水溶液をそれぞれ用いて20分間リン酸処理を行ったSi含有Fe基合金粉の断面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を示す。図19〜21に、準備したSi含有Fe基合金粉の断面、濃度1wt%のリン酸水溶液を用いて6時間リン酸処理を行ったSi含有Fe基合金粉の断面、及び濃度5wt%のリン酸水溶液を用いて6時間リン酸処理を行ったSi含有Fe基合金粉の断面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を示す。Si含有Fe基合金粉の断面の走査型電子顕微鏡写真は、樹脂中にSi含有Fe基合金粉を固めて研磨及びイオンミリングにより断面をだして、走査型電子顕微鏡で観察することにより得られる。
濃度0.00001wt%、0.0001wt%、0.001wt%、0.01wt%、及び0.1wt%のリン酸水溶液を用いてそれぞれ6時間リン酸処理を行って得られたSi含有Fe基合金粉の表面にはFe−O−Si−P系被膜が形成されており、図12〜16の断面SEM観察で測定したFe−O−Si−P系被膜の厚みはそれぞれ、7.0nm、9.0nm、15.5nm、19.0nm、27.0nmであった。濃度0.01wt%及び0.1wt%のリン酸水溶液をそれぞれ用いて20分間リン酸処理を行ったSi含有Fe基合金粉の表面にもFe−O−Si−P系被膜が形成されており、図17及び18の断面SEM観察で測定したFe−O−Si−P系被膜の厚みはそれぞれ、18nm及び31nmであった。図20及び21に示す濃度1%及び5%のリン酸処理を行って得られたSi含有Fe基合金粉断面において中心部の白い箇所は、図19に示す準備したSi含有Fe基合金粉と同じ組成を有し、その周囲の灰色の箇所はFe−O−Si−P系被膜である。図21において、Fe−O−Si−P系被膜の外部に小片がみられるが、この小片はリン酸鉄である。
図22〜24に、準備したSi含有Fe基合金粉、濃度1wt%のリン酸水溶液を用いてリン酸処理を行ったSi含有Fe基合金粉、及び濃度2wt%のリン酸水溶液を用いてリン酸処理を行ったSi含有Fe基合金粉のオージェ電子分光法による深さ方向分析の結果を示す。
準備したSi含有Fe基合金粉は、表面から8nmの深さ範囲で酸素量が多く酸化膜が形成されていることが分かる。濃度1wt%のリン酸水溶液を用いたリン酸処理により、表面から42nmの深さの範囲でFe、Si、P、Cr、C、及びOが検出され、Cr及びCを含むFe−Si−P−O系被膜が形成されていることが分かる。濃度2wt%のリン酸水溶液を用いたリン酸処理により、表面から69nmの深さの範囲でFe、Si、P、Cr、C、及びOが検出され、Cr及びCを含むFe−O−Si−P系被膜が形成されていることが分かる。検出されたFe、Si、Cr、及びCは、準備した本体のSi含有Fe基合金粉由来であり、Pはリン酸水溶液由来である。OはSi含有Fe基合金粉がリン酸水溶液で酸化されることにより形成された酸化膜及び自然酸化膜に含まれる。
図25に、0.00001〜1wt%のリン酸水溶液の濃度と、リン酸処理を行ったSi含有Fe基合金粉のFe−O−Si−P系被膜の厚さとの関係を表すグラフを示す。0.00001〜1%のリン酸水溶液を用いて3nm〜49nmの厚みのFe−O−Si−P系被膜が得られた。図26に、0.25wt%〜5wt%のリン酸水溶液の濃度と、リン酸処理を行ったSi含有Fe基合金粉の飽和磁化Ms及びFe−O−Si−P系被膜の厚さとの関係を表すグラフを示す。リン酸水溶液の濃度が高いほどFe−O−Si−P系被膜の厚みが増加し、その分飽和磁化が低下することが分かる。
図27及び28に、濃度5wt%のリン酸水溶液を用いてリン酸処理を行ったSi含有Fe基合金粉を、濃度5wt%の塩酸水溶液に2.0時間浸漬したSi含有Fe基合金粉、及び濃度5wt%の塩酸水溶液に4.0時間浸漬したSi含有Fe基合金粉の走査型電子顕微鏡写真を示す。
図9に示すように濃度5wt%のリン酸水溶液を用いてリン酸処理を行ったSi含有Fe基合金粉の周囲には、不定形のリン酸鉄がみられるが、図27及び28に示すように、塩酸処理によりリン酸鉄は除去された。
図29〜31に、濃度0.01wt%のリン酸水溶液を用いて20分間リン酸処理を行ったSi含有Fe基合金粉を、濃度1wt%の塩酸水溶液に10分間、30分間、及び1時間浸漬したSi含有Fe基合金粉の断面の走査型電子顕微鏡写真を示す。図32〜34に、濃度0.1wt%のリン酸水溶液を用いて20分間リン酸処理を行ったSi含有Fe基合金粉を、濃度1wt%の塩酸水溶液に10分間、30分間、及び1時間浸漬したSi含有Fe基合金粉の断面の走査型電子顕微鏡写真を示す。図35及び36に、濃度5wt%のリン酸水溶液を用いて6時間リン酸処理を行ったSi含有Fe基合金粉を、濃度5wt%の塩酸水溶液に2.0時間及び4.0時間浸漬したSi含有Fe基合金粉の断面の走査型電子顕微鏡写真を示す。
リン酸処理及び塩酸処理を行って得られたSi含有Fe基合金粉の表面にはSiO含有被膜が形成されており、図29〜34の断面SEM観察で測定したSiO含有被膜の厚みはそれぞれ、14nm、9nm、13nm、23nm、13nm、20nmであった。図35及び36において、中心部の白い箇所が、準備したSi含有Fe基合金粉と実質的に同じ組成を有し、その周囲に二層の被膜が形成されている。二層の被膜のうち外側の比較的黒い層がSiO2含有被膜であり、内側の比較的白い層がFe−O−Si−P系被膜である。
図37に、濃度5wt%のリン酸水溶液を用いてリン酸処理を行ったSi含有Fe基合金粉を、濃度5wt%の塩酸水溶液に4.0時間浸漬したSi含有Fe基合金粉のオージェ電子分光法による深さ方向分析の結果を示す。
濃度5wt%の塩酸水溶液を用いた塩酸処理により、表面から350nmの深さ範囲でFe、Si、Cr、C、及びOが検出され、Cr及びCを含むSiO2含有被膜が形成されていることが分かる。350〜490nmの深さ範囲では、酸素量が大きく減少しており、Fe、Si、P、B、Cr、及びOが検出され、この範囲にB及びCrを含むFe−O−Si−P系被膜が残存している。
図38に、濃度5wt%のリン酸水溶液を用いてリン酸処理を行ったSi含有Fe基合金粉を、濃度5wt%の塩酸水溶液に1.0〜4.0時間浸漬した場合の浸漬時間と飽和磁化Msとの関係を表すグラフを示す。飽和磁化Msは、Si含有Fe基合金粉をエポキシ樹脂と混合して鋳造し、焼成して得られたトロイダルコアについて測定して得られた値である。塩酸処理の時間が短いとトロイダルコア中のリン酸鉄の占める体積割合が多くなり飽和磁化が小さくなる。塩酸処理の時間が長くなるにつれて、トロイダルコア中のリン酸鉄の占める体積割合が少なくなり飽和磁化が大きくなった。
図39に、濃度5wt%のリン酸水溶液を用いて6時間リン酸処理を行ったSi含有Fe基合金粉を、濃度3〜6wt%の塩酸水溶液に3.0時間浸漬した場合の、塩酸水溶液の濃度と、Fe−O−Si−P系被膜の厚み、SiO2含有被膜の厚み、及び被膜の全体厚みとの関係を表すグラフを示す。塩酸水溶液の濃度が高くなるにつれて、Fe−O−Si−P系被膜がSiO2含有被膜に変化した。
図40に、濃度5wt%のリン酸水溶液を用いて6時間リン酸処理を行ったSi含有Fe基合金粉を、濃度5wt%の塩酸水溶液に1.0〜4.0時間浸漬した場合の、浸漬時間と、Fe−O−Si−P系被膜の厚み、SiO2含有被膜の厚み、及び被膜の全体厚みとの関係を表すグラフを示す。塩酸処理の時間が長くなるにつれて、Fe−O−Si−P系被膜がSiO2含有被膜に変化した。
図41及び42に、準備したSi含有Fe基合金粉、濃度5wt%のリン酸水溶液を用いてリン酸処理を行ったSi含有Fe基合金粉、次いで濃度5wt%の塩酸水溶液に0.5時間、1.0時間、及び4.0時間浸漬して塩酸処理をしたSi含有Fe基合金粉の、X線光電子分光法(XPS)によるFe2pスペクトル及びSi2pスペクトルを示す。
Fe2pスペクトルから、準備したSi含有Fe基合金粉の表面には金属Feが存在していることが分かる。準備したSi含有Fe基合金粉に濃度5wt%のリン酸水溶液を用いてリン酸処理を行うと金属Feのピークがなくなり、表面は鉄酸化物の状態になる。次いで濃度5wt%の塩酸水溶液を用いて0.5時間、1.0時間、及び4.0時間の塩酸処理を行うと、705〜740eVの結合エネルギー範囲でピークがなくなる。このXPSの分析結果から、リン酸処理を行うと金属Feの表面は鉄酸化物となり、塩酸処理を行うと鉄酸化物は除去されることが分かる。
Si2pスペクトルから、準備したSi含有Fe基合金粉の表面にはSi23またはそれに近い構造のSi酸化物が存在していることが分かる。準備したSi含有Fe基合金粉に濃度5wt%のリン酸水溶液を用いてリン酸処理を行うと、SiO2またはそれに近い構造のSi酸化物になり、次いで濃度5wt%の塩酸水溶液を用いて0.5時間、1.0時間、及び4.0時間の塩酸処理を行うと、塩酸処理時間が長くなるとともにSiO2のピークが大きくなり、SiO2相が増加することが分かる。
このようにSi含有Fe基合金粉をリン酸処理し、次いで塩酸処理することによって、Si含有Fe基合金粉は、図8に模式的に示すように、表面にSiO2含有被膜を形成する。Si含有Fe基合金粉は、Si含有Fe基合金粉と表面のSiO2含有被膜との間にFe−O−Si−P系被膜を有してもよい。
(実施例2)
実施例1において、濃度5wt%で60℃のリン酸水溶液を用いて6時間リン酸処理を行い、次いで、濃度5wt%で60℃の塩酸水溶液を用いて4.0時間塩酸処理をして得られたSiO2含有被膜を備えたSi含有Fe基合金粉に、フッ酸処理として、フッ酸水溶液を用いた溶液処理を行った。
フッ酸水溶液として、HF濃度が1〜10%及びNH4F濃度が3.3〜33%のNH4FとHFとの混合物であるバッファードフッ酸を用いた。室温のバッファードフッ酸中にSiO2含有被膜を備えたSi含有Fe基合金粉を10分間浸漬し、取り出して乾燥した。
図43〜46に、フッ酸処理前のSiO2含有被膜を備えたSi含有Fe基合金粉の断面、並びにHF濃度が1%及びNH4F濃度が3.3%のバッファードフッ酸、HF濃度が5%及びNH4F濃度が16.5%のバッファードフッ酸、及びHF濃度が10%及びNH4F濃度が33%のバッファードフッ酸を用いてフッ酸処理を行ったSi含有Fe基合金粉の断面の走査型電子顕微鏡写真を示す。
図47に、準備したSi含有Fe基合金粉、フッ酸処理前のSiO2含有被膜を備えたSi含有Fe基合金粉、並びにHF濃度が1%及びNH4F濃度が3.3%のバッファードフッ酸、HF濃度が5%及びNH4F濃度が16.5%のバッファードフッ酸、及びHF濃度が10%及びNH4F濃度が33%のバッファードフッ酸を用いてフッ酸処理を行ったSi含有Fe基合金粉のエネルギー分散型X線分析(EDS)プロファイルを示す。図44〜47から、フッ酸処理を行うことにより、SiO2含有被膜が除去されることが分かる。
10 準備したSi含有Fe基合金粉
12 リン酸処理を行ったSi含有Fe基合金粉
20 Fe−O−Si−P系被膜
22 塩酸処理を行ったFe−O−Si−P系被膜
30 SiO2含有被膜

Claims (11)

  1. Si含有Fe基合金粉を準備すること、
    前記Si含有Fe基合金粉をリン酸水溶液に浸漬し、前記リン酸水溶液から取り出して乾燥して、Fe−O−Si−P系被膜を備えたSi含有Fe基合金粉を得ること、及び
    前記Fe−O−Si−P系被膜を備えたSi含有Fe基合金粉を塩酸水溶液に浸漬し、前記塩酸水溶液から取り出して乾燥して、表面にSiO2含有被膜を備えたSi含有Fe基合金粉を得ること、
    を含む、SiO2含有被膜を備えたSi含有Fe基合金粉の製造方法。
  2. 前記SiO2含有被膜を備えたSi含有Fe基合金粉が、前記Si含有Fe基合金粉の本体と前記SiO2含有被膜との間に、Fe−O−Si−P系被膜を有する、請求項1に記載のSi含有Fe基合金粉の製造方法。
  3. 前記SiO2含有被膜を備えたSi含有Fe基合金粉は、前記SiO2含有被膜を備えたSi含有Fe基合金粉の全質量を基準にして、3.0〜18.0wt%のSiを含む、請求項1または2に記載のSi含有Fe基合金粉の製造方法。
  4. 前記Si含有Fe基合金粉は、多結晶合金、アモルファス合金、または金属ガラスである、請求項1〜3のいずれか一項に記載のSi含有Fe基合金粉の製造方法。
  5. 前記Si含有Fe基合金粉は、アモルファス合金粉または金属ガラス粉である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のSi含有Fe基合金粉の製造方法。
  6. 前記リン酸水溶液は0.00001〜10.00wt%の濃度を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のSi含有Fe基合金粉の製造方法。
  7. 前記塩酸水溶液は0.50〜10.00wt%の濃度を有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載のSi含有Fe基合金粉の製造方法。
  8. (A)前記SiO2含有被膜を備えたSi含有Fe基合金粉をフッ酸処理して前記SiO2含有被膜を取り除き、前記準備したSi含有Fe基合金粉よりも寸法が小さい第2のSi含有Fe基合金粉を得ること、
    (B)前記第2のSi含有Fe基合金粉を、リン酸水溶液に浸漬し、前記リン酸水溶液から取り出して乾燥して、Fe−O−Si−P系被膜を備えた第2のSi含有Fe基合金粉を得ること、及び
    (C)前記Fe−O−Si−P系被膜を備えた第2のSi含有Fe基合金粉を塩酸水溶液に浸漬し、前記塩酸水溶液から取り出して乾燥して、表面にSiO2含有被膜を備えた第2のSi含有Fe基合金粉を得ること、
    を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載のSi含有Fe基合金粉の製造方法。
  9. 前記フッ酸処理、リン酸水溶液への浸漬及び乾燥、及び塩酸水溶液への浸漬及び乾燥をさらに繰り返すことを含む、請求項8に記載のSi含有Fe基合金粉の製造方法。
  10. 請求項1〜7のいずれか一項に記載のSi含有Fe基合金粉の製造方法で得られたSiO2含有被膜を備えたSi含有Fe基合金粉をフッ酸処理して前記SiO2含有被膜を取り除き、前記準備したSi含有Fe基合金粉よりも粒子の寸法が小さい第2のSi含有Fe基合金粉を得ることを含む、Si含有Fe基合金粉の製造方法。
  11. 請求項10に記載の製造方法で得られた第2のSi含有Fe基合金粉を、リン酸水溶液に浸漬し、前記リン酸水溶液から取り出して乾燥して、Fe−O−Si−P系被膜を備えた第3のSi含有Fe基合金粉を得ること、
    前記Fe−O−Si−P系被膜を備えた第3のSi含有Fe基合金粉を塩酸水溶液に浸漬し、前記塩酸水溶液から取り出して乾燥して、表面にSiO2含有被膜を備えた第3のSi含有Fe基合金粉を得ること、及び
    前記第3のSi含有Fe基合金粉をフッ酸処理して前記SiO2含有被膜を取り除き、前記第2のSi含有Fe基合金粉よりも粒子の寸法が小さい第3のSi含有Fe基合金粉を得ることを含む、Si含有Fe基合金粉の製造方法。
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