JP6978033B2 - ガス機器 - Google Patents

Description

本発明はガス機器に関する。

バーナを備えるコンロにおいて、使用者の音声指示を認識しそれに従った制御を行うことは、例えば他の作業中で手が離せない場合や、手が汚れていて操作しづらい場合等に有効である。特許文献１に記載の音信号制御式コンロは、制御ユニットに音信号制御ユニットを付設する。音信号制御ユニットは、加熱器の所定の作動に対応した少なくとも１個の制御用音信号を格納したメモリと、音信号入力部と、入力された音信号を認識する音信号認識部と、認識した音信号をメモリ内の制御用音信号と照合する音信号照合部とから構成する。音が入力された時、音信号照合部での照合で音信号認識部が認識した音信号と格納された音信号とが一致した時、その音信号に対応して制御ユニットがバーナの作動を制御する。

特許第４３１３４９５号公報

音声指示を誤認識した場合、意図しない操作が勝手に行われる可能性があるので、音声認識は慎重に行う必要がある。特に、コンロにおいて受け付け可能な音声指示の選択肢が多い場合、これらの選択肢と認識した音声指示との一致を全て判断しなければならず、時間がかかるという問題点があった。

本発明の目的は、音声指示の誤認識を低減しつつ認識にかかる時間を短縮できるガス機器を提供することである。

本発明の請求項１に係るガス機器は、複数の加熱部を有し、外部からの音声指示に基づき前記複数の加熱部の夫々の動作を制御する制御部を備えたガス機器であって、前記音声指示は、前記加熱部の火力操作の指示である第１音声指示と、前記加熱部の場所の指示である第２音声指示とを備え、前記制御部は、前記第１音声指示を外部から受け付ける第１受付手段と、前記第１受付手段が受け付けた前記第１音声指示を認識する第１認識手段と、前記複数の加熱部の現在の状態を検出する検出手段と、前記検出手段が検出した前記複数の加熱部の現在の状態に基づき、前記複数の加熱部の夫々に対応する前記第２音声指示の情報である音声指示情報を記憶する記憶手段に記憶した前記音声指示情報の中から、現在受け付け可能な前記第２音声指示の候補を抽出する抽出手段と、前記抽出手段が抽出した前記候補を報知する報知手段と、前記第２音声指示を外部から受け付ける第２受付手段と、前記第２受付手段が受けつけた前記第２音声指示を認識する第２認識手段と、前記抽出手段が抽出した前記候補の中から、前記第２認識手段が認識した前記第２音声指示と一致する前記候補が有るか判断する判断手段と、前記判断手段が前記第２音声指示と一致する前記候補が有ると判断した場合、前記第２認識手段が認識した前記第２音声指示に対応する前記加熱部の場所に対して、前記第１認識手段が前記第１音声指示を認識した前記火力操作の内容に基づき動作を実行する実行手段とを備えてもよい。

請求項１に係る発明のガス機器によれば、ガス機器の現在の状態を検出し、その検出した現在の状態に基づき、記憶手段に記憶した音声指示情報の中から、現在受け付け可能な音声指示の候補を抽出する。そして、抽出された候補の中で、外部から受け付けた音声指示と一致する音声指示が有るか判断するので、一致するか判断する音声指示の数を減らすことができる。これにより、全ての音声指示との一致を判断する場合に比べ、短時間で判断できるので、認識にかかる時間を短縮できる。よって、ガス機器の使い勝手を向上できる。

また、ガス機器は現在の状態に基づき、現在受け付け可能な音声指示を報知するので、使用者は、現在受け付け可能な音声指示を、ガス機器に対して正しく発話できる。これにより、音声指示の誤認識を低減できる

コンロ１の斜視図である。 コンロ１の電気的構成を示すブロック図である。 音声指示情報テーブル７４１の概念図である。 音声操作制御処理のフローチャートである。 図４の続きを示すフローチャートである。 音声操作制御の一例を示す状態遷移図である。 音声指示情報テーブル７４１から現在受付可能な項目を抽出するときの説明図である。 表示部２２に説明画面１０１が表示された状態を示す図である。 表示部２２に説明画面１０２が表示された状態を示す図である。

以下、本発明の実施形態を説明する。以下に記載されている装置の構造、フローチャートなどは、特定的な記載がない限り、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものである。以下説明は、図中に矢印で示す左右、前後、上下を使用する。

図１を参照し、コンロ１の構造を説明する。コンロ１は、ビルトインコンロである。コンロ１の上面には、天板３が設置されている。天板３において、右手前には右コンロバーナ４、左手前には左コンロバーナ６、中央奥側には奥コンロバーナ５が設けられる。各コンロバーナ４〜６の中央には、鍋底に当接して調理鍋の温度を検出するセンサ組立２０が設けられる。センサ組立２０は、上下方向に出退可能に設けられ、サーミスタ４０（図２参照）を格納する。コンロバーナ４〜６の近傍には、失火を検出する為の熱電対５０（図２参照）、点火する為のイグナイタ６０（図２参照）が設けられる。天板３の後方部には、コンロ１内に設置されたグリル庫（図示略）の排気口７が設けられる。天板３の上面手前側の略中央部には、矩形状の表示部２２が設けられる。表示部２２は例えば液晶である。表示部２２には、コンロ１の設定画面（図示略）、後述する音声操作時における説明画面１０１，１０２（図８，図９参照）等が表示される。

コンロ１の前面の略中央には、グリル扉８が設けられる。グリル扉８は手前側に移動可能に支持され、コンロ１内部に設けられるグリル庫（図示略）の前側の開口部を開閉する。グリル庫内には、グリルバーナ（図示略）が設けられる。グリルバーナの近傍にも、熱電対５０とイグナイタ６０が設けられる。グリル扉８の右側の領域には、右側から左側に向かって順に、正面視円形状の操作ボタン１１〜１３が横一列に並んで設けられる。グリル扉８の左側の領域にも、操作ボタン１１〜１３と同一高さ位置に、同一円形状の操作ボタン１４が設けられる。

操作ボタン１１は右コンロバーナ４、操作ボタン１２は奥コンロバーナ５、操作ボタン１３は左コンロバーナ６、操作ボタン１４はグリルバーナを、点火及び消火する為に押下される。操作ボタン１１〜１４は、対応するバーナの消火時、コンロ１の前面とほぼ面一の状態である（図１参照）。点火の為に押下されると、後述する制御回路７０によって、対応するバーナへの点火処理が実行され、公知のプッシュ・プッシュ機構（図示略）によって、操作ボタン１１〜１４は、コンロ１前面から前方に向けて略円柱状に突出し、該突出した状態で回動操作が可能となる。操作ボタン１１〜１４を回動操作すると、制御回路７０によって、回動操作量に応じたガス量になるように、対応するバーナへのガス供給量が調整される。

コンロ１の内部には、４つのガス量調節機構３０（図２参照）が設けられる。ガス量調節機構３０は、対応するコンロバーナ４〜６、及びグリルバーナへのガス供給量を調整する。ガス量調節機構３０は、弁機構部３１とモータ３２を備える。弁機構部３１は、例えばガス流路を流れるガス量を調整するニードル弁や電磁弁等の各種弁を備える。モータ３２は、弁機構部３１の弁を駆動し、ガス流路を流れるガス流量が調整される。モータ３２の駆動は、制御回路７０によって制御される。

操作ボタン１１〜１４を押し込んで手前に突出させると、制御回路７０は、ガス量調節機構３０のモータ３２に通電する。これにより、弁機構部３１が駆動され、ガス流路が開放されることで、対応するバーナにガスが供給される。そして、操作ボタン１１〜１４の回転方向と回転角度に応じて、制御回路７０は、モータ３２を正逆方向に回転し、弁機構部３１における弁の開度を調節する。これにより、ガス流路を流れるガス量が調節されることで、対応するバーナの火力が調節される。また、操作ボタン１１〜１４をコンロ１内部に押し込んで収容させると、制御回路７０は、モータ３２を逆回転させる。これにより、弁機構部３１の弁は逆向きに駆動され、ガス流路が閉じられることで、対応するバーナへのガスの供給が遮断される。

操作ボタン１１の直上には、電源ボタン２５が設けられる。操作ボタン１４の左斜め上方には、コンロ１前面のパネルを貫通する穴１７が設けられ、その穴１７に対して、マイク７６がコンロ１内部から臨むようにして設けられる。本実施形態のコンロ１は、音声操作機能を有する。音声操作機能とは、使用者の音声指示をマイク７６で受け付け、音声認識を行うことによって音声指示の内容を特定し、対象バーナの火力操作を可能とする機能である。音声指示とは、コンロ１に対して音声で行う火力等の操作指示である。なお、音声操作機能を実現する為の音声操作制御処理（図４，図５）については後述する。

図２を参照し、コンロ１の電気的構成を説明する。コンロ１は、制御回路７０を備える。制御回路７０は、ＣＰＵ７１、ＲＯＭ７２、ＲＡＭ７３、不揮発性メモリ７４等を備える。ＣＰＵ７１は、コンロ１の各種動作を統括制御する。ＲＯＭ７２は、音声操作制御プログラム等の各種プログラムを記憶する。音声操作制御プログラムは、後述する音声操作制御処理（図４，図５参照）を実行するものである。ＲＡＭ７３は、各種情報を一時的に記憶する。不揮発性メモリ７４は、後述する音声指示情報テーブル７４１（図３参照）、温調制御の為の各種パラメータ、音声認識で使用する音響モデルデータ、バーナ火力情報等の各種データを記憶する。バーナ火力情報とは、モータ３２の出力軸の回転角度とバーナ火力とを対応づけた情報である。本実施形態では、火力小から大までを１〜１０の１０段階に分け、夫々の段階に対してモータ３２の回転角度を割り当てている。これにより、ＣＰＵ７１は、モータ３２の出力軸の回転角度に基づき、対応するバーナ火力を特定できる。

制御回路７０には、電源回路８１、サーミスタ入力回路８２、熱電対入力回路８３、イグナイタ回路８４、操作パネル２４、モータ制御回路８５、音声入力回路８６、音声出力回路８７、ブザー回路８８、表示制御回路８９、センサ１９等が電気的に各々接続される。使用者によって電源ボタン２５が押下されると、電源回路８１は、電源２３から供給される交流（例えば１００Ｖ）を直流（例えば５Ｖ）に降圧して整流し、各種回路に電力を供給する。故にコンロ１の電源はオンする。使用者によって電源ボタン２５が再押下されると、電源回路８１は、各種回路への電力供給を遮断する。故にコンロ１の電源はオフする。

サーミスタ入力回路８２は、各バーナに設けられたセンサ組立２０に格納するサーミスタ４０からの検出信号を、制御回路７０に入力する。熱電対入力回路８３は、熱電対５０からの検出値（熱起電力に対応する信号）を、制御回路７０に入力する。イグナイタ回路８４は、ＣＰＵ７１からの制御信号に基づき、対応するバーナのイグナイタ６０を駆動する。操作パネル２４は、コンロ１の前面パネルの右下部分に収容され、該部分を押し込むことによって手前側に引き出される。操作パネル２４は、使用者によるタイマ設定、調理メニューに応じた火力制御の選択等の入力等を受け付け、該入力信号を制御回路７０に入力する。モータ制御回路８５は、ＣＰＵ７１からの制御信号に基づき、４つのガス量調節機構３０のモータ３２の駆動を制御する。

音声入力回路８６は、マイク７６で集音された音声のアナログ信号をデジタル信号に変換し、制御回路７０に入力する。音声出力回路８７は、ＣＰＵ７１からの制御信号に基づき、音声のデジタル信号をアナログ信号に変換し、スピーカ７７に出力する。ブザー回路８８は、ＣＰＵ７１の制御信号に基づき、圧電ブザー７８を駆動する。表示制御回路８９は、ＣＰＵ７１からの制御信号に基づき、表示部２２に各種画面を表示する。センサ１９は、操作ボタン１１〜１４の夫々に設けられ、操作ボタン１１〜１４の回転方向と回転角度を検出し、該検出信号を制御回路７０に入力する。ＣＰＵ７１は、センサ１９からの検出信号に基づき、操作ボタン１１〜１４の回転方向と回転角度に対応するように、モータ３２の出力軸を回転させ、弁機構部３１を駆動させる。これにより、ガス流路を流れるガス量が調節され、対応するバーナの火力が調節される。

ガス量調節機構３０には、ポジションメータ３５が設けられる。ポジションメータ３５は、モータ３２の出力軸の回転角度を検出し、該検出信号を制御回路７０に入力する。ＣＰＵ７１は、ポジションメータ３５からの検出信号に基づき、モータ３２の出力軸の回転角度を認識できるので、不揮発性メモリ７４に記憶するバーナ火力情報を参照することで、対応するバーナ火力を特定できる。

コンロ１の音声認識機能の原理を簡単に説明する。音声認識は、周知の音声認識技術を用いることができる。例えば不揮発性メモリ７４に記憶する「音響モデルデータ」と、入力された音声信号（波形）のマッチング（照合）で行うとよい。「音響モデルデータ」とは、平均的な発音データを基に作られた音声の単語辞書を意味する。マッチングには、例えば「HMM(Hidden Markov Model)」と呼ばれる理論を用いるとよい。マッチングは通常１０〜２０ミリ秒の単位で、単語の先頭から順次行うのがよい。なお、音声認識技術は、これ以外の技術でもよい。

図３を参照し、音声指示情報テーブル７４１を説明する。説明の便宜上、右コンロバーナ４、左コンロバーナ６、奥コンロバーナ５、グリルバーナを夫々、右コンロ４、左コンロ６、奥コンロ５、グリルと呼ぶ場合がある。本実施形態で受け付ける音声指示は、主に、点火状態のバーナを特定し、そのバーナの火力を操作（変更）することを目的とする。それ故、音声指示は、火力を操作するバーナの場所と、火力を操作する内容とを夫々特定する必要がある。そこで、不揮発性メモリ７４に記憶する音声指示情報テーブル７４１は、コンロ１において受け付け可能な音声指示について、火力操作（１）、場所（２）、その他（３）の三つのカテゴリに分けて設定する。なお、音声指示とは、音声で受け付けるコンロ１の制御命令である。

火力操作（１）は、右コンロ４、奥コンロ５、左コンロ６、グリルの夫々において調節可能な火力操作であり、本実施形態では、何れのバーナにおいても、「火力大」、「火力中」、「火力小」の３つの操作が設定されている。場所（２）は、火力操作を行うバーナの場所であり、本実施形態では、「右コンロ」、「奥コンロ」、「左コンロ」、「グリル」の４つの場所が設定されている。その他（３）は、火力操作と場所以外の音声指示であり、本実施形態では、何れのバーナにおいても、「消火」と「音声操作終了」の２つの音声指示が設定されている。音声指示情報テーブル７４１では、４つの場所に対して、３つの火力操作とその他２つの音声指示が夫々設定されているので、音声指示の組み合わせは、４×（３＋２）＝２０通りとなる。即ち、本実施形態のコンロ１では、音声指示で、２０通りの操作を受け付け可能である。

ところで、上記の通り、本実施形態では、音声指示情報テーブル７４１に設定される２０通りの操作を音声指示で行うが、仮に一回の音声指示でバーナの場所と火力操作を特定しようとした場合、音声指示の言葉は、場所と火力操作の組み合わせで構成されるので、音声認識する言葉が長くなってしまい、誤認識する可能性が高くなる。例えば、右コンロ４の火力を大に変更する制御命令を、仮に一回の音声指示で行う場合、音声指示は、例えば「右コンロを火力大」となるため、音声認識する言葉は長くなってしまう。音声認識において、音響データとのマッチングによる誤認識を低減するには、認識する音声の言葉を短くすることが有効である。

そこで、本実施形態では、後述する音声操作制御処理(図４，図５参照）において、一回の音声指示で場所と火力操作を特定するのではなく、二回の音声指示に分けて順次特定することで、一回で音声認識する言葉を短くする。これにより、認識率を上げることができるので、誤認識の低減を図ることができる。

なお、コンロ１で受け付け可能な音声指示は、音声指示情報テーブル７４１に記憶する火力操作（１）、場所（２）、その他（３）の各カテゴリで記憶する音声指示であり、「右コンロ」、「奥コンロ」、「左コンロ」、「グリル」、「火力大」、「火力中」、「火力小」「消火」、「音声操作終了」の９種類である。これらに対応する９つの音響データが不揮発性メモリ７４に記憶されている。本実施形態では、外部から受け付けた音声指示のデジタルデータについて、これら９つ全ての音響データとの一致を判断するのではなく、コンロ１の状態に応じて現在受け付け可能な音声指示を抽出し、抽出した音声指示の音響データとの一致を判断する。これにより、音声認識にかかる時間を短縮できる。具体例については後述する。

図４〜図９を参照し、音声操作制御処理を説明する。使用者がコンロ１の電源ボタン２５を押下し、電源回路８１から制御回路７０に電力が供給されると、ＣＰＵ７１はＲＯＭ７２から音声操作制御プログラムを読出し、本処理を実行する。

図４に示すように、ＣＰＵ７１は初期設定を行う（Ｓ１）。初期設定では、ＣＰＵ７１は、各種処理に必要な設定値の初期化を行う。次いで、ＣＰＵ７１は、右コンロ４、左コンロ６、奥コンロ５、グリルのうち、何れかのバーナが点火されたか否か判断する（Ｓ２）。何れかのバーナが点火されるまで（Ｓ２：ＮＯ）、ＣＰＵ７１はＳ２に戻って待機する。何れかのバーナが点火された場合（Ｓ２：ＹＥＳ）、ＣＰＵ７１は熱電対５０からの検出信号に基づき、点火されたバーナを特定し（Ｓ３）、点火中のバーナの情報を、点火バーナ情報としてＲＡＭ７３に記憶する。

次いで、ＣＰＵ７１は点火案内の音声を出力する（Ｓ４）。例えば、右コンロ４が点火された場合、「右コンロが点火されました。」という音声を、スピーカ７７から出力する。これにより、使用者は、右コンロ４が点火されたことを認識できる。これ以後、別のバーナが点火されて、複数のバーナが点火状態となる場合も、ＣＰＵ７１は、熱電対５０からの検出信号に基づき、点火されたバーナを特定し、点火バーナ情報としてＲＡＭ７３に記憶する。

次いで、ＣＰＵ７１は、使用者に音声操作の開始方法を知らせる為、音声操作開始の説明の音声を、スピーカ７７から出力する（Ｓ５）。ＣＰＵ７１は例えば、「音声操作を開始するには、"音声操作開始"と話しかけて下さい。」という音声を、スピーカ７７から出力する。ＣＰＵ７１は、音声操作の開始を受け付ける（Ｓ６）。使用者は、点火したバーナについて、音声指示で火力操作等を行う場合、コンロ１に向かって「音声操作開始」と話し掛ける。使用者の音声はマイク７６で集音され、音声入力回路８６によって音声のアナログ信号からデジタル信号に変換され、制御回路７０に入力される。ＣＰＵ７１は、変換された音声のデジタル信号について、「音声操作開始」の音響データとのマッチングを行うことで、音声認識処理を行う。

ＣＰＵ７１は、音声認識処理の結果、使用者の音声指示を、「音声操作開始」と認識したか否か判断する（Ｓ７）。例えば、「音声操作開始」と認識しなかった、又は認識を失敗した場合（Ｓ７：ＮＯ）、ＣＰＵ７１はＳ６に戻り、使用者からの音声指示を再度受け付け、音声認識処理を行う。なお、音声操作を行わない場合、使用者は「音声操作開始」と発話しないので、マイク７６から別の音声が集音されても、ＣＰＵ７１は「音声操作開始」とは認識しない（Ｓ７：ＮＯ）。それ故、音声操作は開始されない。

音声認識処理の結果、マイク７６で集音した使用者の音声を「音声操作開始」と認識した場合（Ｓ７：ＹＥＳ）、ＣＰＵ７１は音声操作を開始すると共に（Ｓ８）、音声操作開始案内の音声を出力する（Ｓ９）。ＣＰＵ７１は、例えば、「音声操作を開始します。」という音声を、スピーカ７７から出力する。これにより、使用者は、コンロ１において音声操作が開始されたことを認識できる。

次いで、ＣＰＵ７１は、コンロ１の各バーナの現在の状態を検出する（Ｓ１０）。ここで、例えば、図６に示す状態Ａを想定する。状態Ａは、左コンロ６、奥コンロ５、及びグリルが何れも点火した状態であり、右コンロ４は消火した状態である。ＣＰＵ７１は、熱電対５０からの検出信号に基づき、点火状態にあるバーナを特定し、ＲＡＭ７３に記憶する点火バーナ情報を更新する。ＣＰＵ７１は、ＲＡＭ７３に記憶する点火バーナ情報に基づき、奥コンロ５、左コンロ６、グリルは点火状態、右コンロ４は消火状態であることを速やかに認識できる。

次いで、ＣＰＵ７１は、現在点火中のバーナに基づき、不揮発性メモリ７４に記憶する音声指示情報テーブル７４１の中から、現在受け付け可能な火力操作を抽出する（Ｓ１１）。現在点火中のバーナは、奥コンロ５、左コンロ６、グリルであるので、現在受け付け可能な火力操作は「火力大」、「火力中」、「火力小」である。それ故、図７に示す第一状態のように、ＣＰＵ７１は、音声指示情報テーブル７４１の中から、「火力大」、「火力中」、「火力小」を抽出する（図中太枠Ｐ１参照）。なお、本実施形態では、上記の通り、調節可能な火力操作は共通しているので、これら３つの火力操作を抽出すればよい。これに合わせ、ＣＰＵ７１は、その他の音声指示である「消火」と「音声操作終了」も抽出する（図中太枠Ｐ１参照）。ＣＰＵ７１は、これら抽出した火力操作を含む制御命令の項目の情報を、ＲＡＭ７３に記憶するとよい。

次いで、ＣＰＵ７１は、抽出した現在受け付け可能な制御命令の項目に基づき、コンロ１で現在受け付け可能な項目の選択肢を使用者に知らせる為のガイド音声を作成し、スピーカ７７から出力する（Ｓ１２）。ガイド音声として、例えば、「火力大、火力中、火力小、消火、音声操作終了の中から一つを選び、音声指示をして下さい。」という音声を出力する。なお、現在受け付け可能な項目の中には、「消火」と「音声操作終了」が含まれるので、料理途中で点火中のバーナを消火したい場合や、音声操作から手動操作に切替えたい場合等に特に有効である。

これと同時に、ＣＰＵ７１は、表示部２２に、説明画面１０１（図８参照）を表示する（Ｓ１３）。説明画面１０１には、出力したガイド音声と同じ内容で、現在受け付けることができる制御命令の項目がリスト表示される。これにより、使用者は、現在受け付けることができる制御命令の項目を、音声と表示の両方で認識できるので、音声指示の単語を明確に認識できる。よって、コンロ１は、使用者が間違った単語で音声指示を出してしまうのを防止できる。

また、料理中は、例えば食材をフライパン等で炒めるときの油の音、換気扇の音、調理器具同士が当たったときの音等、様々な要因の雑音があるので、スピーカ７７からのガイド音声だけでは、聞き逃しがあったり、聞いても後に忘れてしまったりする可能性がある。しかしながら、本実施形態では、ガイド音声をスピーカ７７から出力すると共に、表示部２２に説明画面１０１を表示する。これにより、仮にガイド音声で出力された説明を聞き逃してしまった場合でも、表示部２２に表示された説明画面１０１で確認できる。さらに、現在行うことができる火力操作の単語を説明画面１０１で明確に表示できるので、使用者は、コンロ１に対して正確な単語で発話できる。それ故、誤認識の可能性を低減できる。

使用者は、音声と表示で知らされた火力操作の中から、点火中のバーナに対して行う一つの火力操作を選び、コンロ１に対して話し掛ける。ところが、使用者は、コンロ１から現在受け付け可能な項目のガイド音声を聞いたとしても、その選択肢を忘れてしまったり、音声指示を間違えて行う場合がある。また、選択肢を忘れてしまったことで、音声指示が出せない場合もある。また、使用者がコンロ１から離れた場所にいて、表示部２２を確認できない場合もある。そこで、ＣＰＵ７１は、使用者から音声指示を受け付けたか否か判断する（Ｓ１４）。音声指示を受け付けなかった場合（Ｓ１４：ＮＯ）、ＣＰＵ７１は火力操作の音声指示の受け付けを開始してから、音声指示を受け付けない状態が一定時間（例えば１０秒）経過したか否か判断する（Ｓ１５）。一定時間経過するまでは（Ｓ１５：ＮＯ）、ＣＰＵ７１はＳ１４に戻って待機する。音声指示を受け付けない状態が一定時間経過した場合（Ｓ１５：ＹＥＳ）、使用者は、現在受け付け可能な項目を忘れてしまっていること等が想定されるので、ＣＰＵ７１はＳ１２に戻り、再度、ガイド音声を、スピーカ７７から出力する。これにより、使用者は、現在受け付け可能な項目を再確認できるので、正しい音声指示で、コンロ１に話し掛けることができる。

一方、使用者から音声指示を受け付けた場合（Ｓ１４：ＹＥＳ）、ＣＰＵ７１は、受け付けた音声指示を認識する（Ｓ１６）。ここでは、受け付けた音声指示のデジタルデータと、不揮発性メモリ７４に記憶された音響データのうち、現在受け付け可能な制御命令の音響データとのマッチングを行う。ＣＰＵ７１は、図７に示す第一状態のように、音声指示情報テーブル７４１から、マッチングを行う現在受け付け可能な項目の候補を抽出する。ここで、右コンロ４は消火されているので、右コンロ４の火力操作とその他の音声指示は除外される。奥コンロ５、左コンロ６、グリルは点火状態であるので、ＣＰＵ７１は、これらの共通する火力操作である「火力大」、「火力中」、「火力小」と、その他の音声指示である「消火」と「火力操作」を抽出する（図中太枠Ｐ１参照）。即ち、５つの候補が抽出されたことになる。よって、ＣＰＵ７１は、抽出した項目に対応する５つの音響データを不揮発性メモリ７４から読出し、受け付けた音声指示のデジタルデータとのマッチングを行い、例えば一致率が所定の閾値以上であれば、その項目と一致したと判断できる。

ＣＰＵ７１は、現在受け付け可能な項目と一致したか否か判断する（Ｓ１７）。上記のように、例えば使用者が、現在受け付け可能な項目を忘れてしまったことで、現在受け付け可能な火力操作の言葉とは異なる火力操作の音声指示をしてしまった場合、現在受け付け可能な火力操作の言葉とは一致していないので（Ｓ１７：ＮＯ）、認識失敗である。そこで、再度正しい火力操作を使用者に知らせる為に、ＣＰＵ７１はＳ１２に戻り、再度ガイド音声を、スピーカ７７から出力する。これにより、使用者は、自分が発話した火力操作の言葉が間違っていることに気付くと共に、現在受け付け可能な項目を再確認できるので、正しい音声指示でコンロ１に話し掛けることができる。

そして、音声認識の結果、使用者からの音声指示が、現在受け付け可能な項目と一致した場合（Ｓ１７：ＹＥＳ）、ＣＰＵ７１は、認識した音声指示は「音声操作終了」であるか否か判断する（Ｓ１８）。音声指示が「音声操作終了」であった場合（Ｓ１８：ＹＥＳ）、ＣＰＵ７１は、音声操作を終了すると共に、「音声操作を終了しました。」という音声を、スピーカ７７から出力し（Ｓ２０）、Ｓ５の処理に戻る。これにより、使用者は、音声操作が終了したことを認識できる。

ここで、例えば、図６に示す状態Ａで、点火中のグリルのみを消火したい場合、「消火」は現在受け付け可能な火力操作であるので、使用者はコンロ１に向かって「消火」と話し掛ける。音声指示が「消火」であった場合（Ｓ１７：ＹＥＳ、Ｓ１８：ＮＯ）、ＣＰＵ７１は、認識した火力操作である「消火」を、火力操作情報としてＲＡＭ７３に一旦記憶する（Ｓ１９）。続いて、図５に示すように、ＣＰＵ７１は、現在点火中のバーナは一つか否か判断する（Ｓ２１）。ここで、状態Ａでは、３つのバーナ（左コンロ６、奥コンロ５、グリル）が点火中であるので（Ｓ２１：ＮＯ）、先に受け付けた火力操作（本実施例では「消火」）が、３つの点火中のバーナのうち、どの場所のバーナを対象としているのか不明である。それ故、火力操作に続き、火力操作の対象バーナの場所を音声指示で特定する必要がある。特に「消火」のような早急に行う必要がある火力操作に対応する為、ＣＰＵ７１は、以下の制御を引き続き実行する。

先ず、ＣＰＵ７１は、３つの点火中のバーナに対応するガス量調節機構３０のモータ３２の回転角度を求め、不揮発性メモリに記憶するバーナ火力情報を参照し、現在点火中のバーナと、夫々のバーナ火力を特定する（Ｓ２２）。ＣＰＵ７１は、特定した点火中のバーナと、夫々のバーナ火力の情報を、元火力情報としてＲＡＭ７３に一旦記憶する（Ｓ２３）。状態Ａでは、点火中のバーナは、左コンロ６、奥コンロ５、グリルであり、左コンロ６の火力は９、奥コンロ５の火力は３、グリルの火力は８である。次いで、ＣＰＵ７１は、これら点火中のバーナの夫々のガス量調節機構３０のモータ３２を駆動し、弁機構部３１を駆動することで、３つの点火中のバーナ火力を一旦全て弱火力に変更する（Ｓ２４）。よって、図６に示す状態Ｂのように、左コンロ６、奥コンロ５、グリルの夫々の火力は一旦全て１となる。これにより、火力操作の対象バーナの場所が特定されるまでは、ひとまず火力が弱められるので、火力を弱める等の早急に行う必要がある場合等に十分対応できる。

次いで、ＣＰＵ７１は、コンロ１の各バーナの現在の状態を再度検出する（Ｓ２５）。例えば、図６に示す状態Ｂでは、状態Ａと同様に、奥コンロ５、左コンロ６、グリルが点火した状態であり、右コンロ４は消火した状態である。ＣＰＵ７１は、熱電対５０からの検出信号に基づき、点火状態にあるバーナを特定し、ＲＡＭ７３に記憶する点火バーナ情報を更新する。それ故、ＣＰＵ７１は、ＲＡＭ７３に記憶する点火バーナ情報に基づき、奥コンロ５、左コンロ６、グリルは点火状態、右コンロ４は消火状態であることを認識できる。

次いで、ＣＰＵ７１は、火力操作を行うバーナの場所を特定する為に、現在点火中のバーナに基づき、不揮発性メモリ７４に記憶する音声指示情報テーブル７４１の中から、現在受け付け可能な場所を抽出する（Ｓ２６）。現在点火中のバーナは、奥コンロ５、左コンロ６、グリルであるので、現在受け付け可能な場所は「奥コンロ」、「左コンロ」、「グリル」である。それ故、図７に示す第二状態のように、ＣＰＵ７１は、音声指示情報テーブル７４１から「奥コンロ」、「左コンロ」、「グリル」を抽出する（図中太枠Ｐ２参照）。これに合わせ、その他の音声指示である「消火」と「音声操作終了」も抽出する（図中太枠Ｐ３参照）。ＣＰＵ７１は、抽出したこれら現在受け付け可能な場所等の項目の情報を、ＲＡＭ７３に記憶するとよい。

そして、使用者に火力操作の場所を音声指示で特定させる為、ＣＰＵ７１は、抽出した現在受け付け可能な制御命令の項目に基づき、コンロ１で現在受け付け可能な項目の選択肢を使用者に知らせる為のガイド音声を作成し、スピーカ７７から出力する（Ｓ２７）。ガイド音声として、例えば、「左コンロ、奥コンロ、グリル、消火、音声操作終了の中から一つを選び、音声指示をして下さい。」という音声を出力する。なお、ガイド音声で説明する項目の選択肢の中には、現在受け付け可能な場所に加え、「消火」と「音声操作終了」が含まれるので、料理途中で点火中のバーナを消火したい場合や、音声操作から手動操作に切替えたい場合等に特に有効である。

これと同時に、ＣＰＵ７１は、表示部２２に、説明画面１０２（図９参照）を表示する（Ｓ２８）。説明画面１０２には、出力したガイド音声と同じ内容で、現在選択できる場所と、「消火」と「音声操作終了」の各項目がリスト表示される。これにより、使用者は、現在受け付けできる項目の選択肢を、音声と表示の両方で認識できるので、音声指示の単語を明確に認識できる。よって、使用者が間違った単語で音声指示を出してしまうのを防止できる。

使用者は、音声と表示で知らされた場所の中から、音声指示で指定した火力操作を行うバーナの場所を選び、コンロ１に対して話し掛ける。ここで、火力操作の受け付け時と同様に、使用者は、コンロ１から現在受け付け可能な場所のガイド音声を聞いたとしても、その選択肢を忘れてしまったり、音声指示を間違えて行う場合がある。また、選択肢を忘れてしまったことで、音声指示が出せない場合もある。また、使用者がコンロ１から離れた場所にいて、表示部２２を確認できない場合もある。そこで、ＣＰＵ７１は、使用者から音声指示を受け付けたか否か判断する（Ｓ２９）。音声指示を受け付けなかった場合（Ｓ２９：ＮＯ）、ＣＰＵ７１は火力操作の音声指示の受け付けを開始してから、音声指示を受け付けない状態が一定時間（例えば５秒）経過したか否か判断する（Ｓ３０）。一定時間経過するまでは（Ｓ３０：ＮＯ）、ＣＰＵ７１はＳ２９に戻って待機する。音声指示を受け付けない状態が一定時間経過した場合（Ｓ３０：ＹＥＳ）、使用者は、例えば現在受け付け可能な項目を忘れてしまっている可能性があるので、ＣＰＵ７１はＳ２７に戻り、再度、現在受け付け可能な項目の選択肢を知らせる為のガイド音声を、スピーカ７７から出力する。これにより、使用者は、現在受け付け可能な項目を再確認できるので、正しい音声指示でコンロ１に話し掛けることができる。

そして、使用者から音声指示を受け付けた場合（Ｓ２９：ＹＥＳ）、ＣＰＵ７１は、受け付けた音声指示を認識する（Ｓ３１）。ここでは、受け付けた音声指示のデジタルデータと、不揮発性メモリ７４に記憶された音響データのうち、現在受け付け可能な制御命令の音響データとのマッチングを行う。ＣＰＵ７１は、図７に示す第二状態のように、音声指示情報テーブル７４１から、マッチングを行う現在受け付け可能な項目の候補を抽出する。ここで、右コンロ４は消火されているので、右コンロ４の火力操作とその他の音声指示は除外される。奥コンロ５、左コンロ６、グリルは点火状態であるので、「奥コンロ」、「左コンロ」、「グリル」と、その他の音声指示である「消火」と「火力操作」を抽出する（図中太枠Ｐ２，Ｐ３参照）。即ち、５つの候補が抽出されたことになる。よって、ＣＰＵ７１は、抽出した項目に対応する５つの音響データを不揮発性メモリ７４から読出し、受け付けた音声指示のデジタルデータとのマッチングを行い、例えば一致率が所定の閾値以上であれば、その項目と一致したと判断する。

このように、ＣＰＵ７１は、マッチングを行うバーナの場所について、４つ全ての場所の音響データとのマッチングを行うのではなく、消火されている「右コンロ」を除外した３つの場所に限定することで、マッチングを行う音響データの数を少なくできる。これにより、音声認識にかかる時間を短縮できるので、コンロ１の使い勝手を向上できる。

ＣＰＵ７１は、受け付けた音声指示が現在受け付け可能な項目の言葉と一致したか否か判断する（Ｓ３２）。上記のように、例えば使用者が、現在受け付け可能な場所を忘れてしまったことで、現在受け付け可能な場所とは異なる場所の音声指示をしてしまった場合、現在受け付け可能な場所の言葉とは一致していないので（Ｓ３２：ＮＯ）、再度正しい場所を使用者に知らせる為に、ＣＰＵ７１はＳ２７に戻り、再度ガイド音声を、スピーカ７７から出力する。これにより、使用者は、自分が発話した場所が間違っていることに気付くと共に、現在受け付け可能な場所を再確認できるので、正しい音声指示でコンロ１に話し掛けることができる。

そして、音声認識の結果、使用者からの音声指示が、現在受け付け可能な項目と一致した場合（Ｓ３２：ＹＥＳ）、ＣＰＵ７１は、認識した音声指示は「音声操作終了」であるか否か判断する（Ｓ３３）。音声指示が「音声操作終了」であった場合（Ｓ３３：ＹＥＳ）、ＣＰＵ７１は、図４のＳ２０に進み、音声操作を終了する共に、「音声操作を終了しました。」という音声を、スピーカ７７から出力する。これにより、使用者は、音声操作が終了したことを認識できる。ＣＰＵ７１はＳ５に戻り上記処理を繰り返す。

一方、図６に示す状態Ｂにおいて、使用者はグリルのみを消火したいので、場所指定の音声指示は「グリル」である。ＣＰＵ７１が使用者からの音声指示を「グリル」と認識した場合（Ｓ３２：ＹＥＳ、Ｓ３３：ＮＯ）、グリルを対象バーナに特定する（Ｓ３４）。即ち、先に受け付けた火力操作である「消火」を行う対象バーナは、「グリル」であるので、ＣＰＵ７１は、グリルを消火する内容の実行操作音声の音声データを作成し、スピーカ７７から出力する（Ｓ３５）。ＣＰＵ７１は、例えば「グリルを消火します。」という実行操作音声を出力する。これにより、使用者は、これからグリルが消火されることを認識できる。

そして、実行操作音声を出力した後、ＣＰＵ７１は対象バーナである「グリル」に対し、ＲＡＭ７３に記憶された火力操作情報に基づき、先に受け付けた「消火」を実行する（Ｓ３６）。さらに、これと同時に、又はこれに少し遅れて、ＣＰＵ７１は、対象バーナ以外のバーナ火力を、ＲＡＭ７３に記憶する元火力情報を参照し、元火力に復帰させる（Ｓ３７）。対象バーナ以外のバーナは、左コンロ６と奥コンロ５である。ＣＰＵ７１は、ＲＡＭ７３に記憶する元火力情報に基づき、左コンロ６と奥コンロ５の夫々の火力を、弱火力に切替える前の元火力に復帰させる。これにより、図６に示す状態Ｃのように、グリルは消火され、左コンロ６は火力１から元火力９へ、奥コンロ５は火力１から元火力３へ復帰させることができる。これにより、複数のバーナが点火状態であっても、使用者の音声指示で、グリルのみを正しく安全に消火できる。本実施形態では、火力操作が実行される前に、実行操作音声が出力されるので、使用者はこれから火力が切り替わるのを事前に認識できるので、火力が不意に切り替わるのを防止できる。

次いで、ＣＰＵ７１は点火中のバーナが有るか否か判断する（Ｓ３８）。点火中のバーナが有る場合（Ｓ３８：ＹＥＳ）、ＣＰＵ７１は、図４のＳ１２に戻り、再度火力操作の説明の音声を出力し、表示部２２に説明画面１０１を表示することで、現在行うことができる火力操作の音声指示を使用者に認識させ、上記処理を繰り返す。

一方、コンロ１のバーナが全て消火されている場合（Ｓ３８：ＮＯ）、ＣＰＵ７１は、音声操作を終了し、音声操作終了の音声をスピーカ７７から出力する（Ｓ３９）。ＣＰＵ７１は、例えば「音声操作を終了します。」という音声を出力する。ＣＰＵ７１は、図４のＳ２に戻り、再びバーナが点火されたか否かを判断し、上記処理を繰り返す。

なお、点火操作の音声指示を先に受け付けて認識し、点火中のバーナが一つであった場合（図５のＳ２１：ＹＥＳ）。対象バーナは、現在点火中の一つのバーナであるので、点火中のバーナが複数のときのように、場所を特定する必要が無い。よって、仮にグリルのみが点火した状態であった場合、ＣＰＵ７１はグリルを消火する内容の実行操作音声データを作成し、作成したデータを元に実行操作音声を、スピーカ７７から出力する（Ｓ４０）。ＣＰＵ７１は、例えば「グリルを消火します。」という実行操作音声を出力する。実行操作音声を出力した後、ＣＰＵ７１は、点火中であるグリルに対し、火力操作である消火を実行する（Ｓ４１）。ＣＰＵ７１はＳ３８に処理を進め、上記処理を繰り返す。

このように、本実施形態では、音声指示で、火力操作を先に特定してから、その火力操作を行うバーナの場所を特定するので、例えば点火中のバーナが一つであった場合、火力操作のみを特定すればよい。即ち、火力操作の音声指示のみを認識すればよいので、場所を特定する為の音声指示を認識する作業は不要となる。これにより、音声認識にかかる時間を短縮でき、誤認識も低減できるので、使用勝手を向上できる。

以上説明したように、本実施形態のコンロ１は、使用者からの音声指示を認識し、点火状態にある複数のバーナの火力操作を個別に行うものである。音声操作を開始すると、コンロ１のＣＰＵ７１は、音声指示を外部から受け付け、予め記憶する音響データとの一致を判断して音声指示を認識する。ＣＰＵ７１は、コンロ１の現在の状態を検出する。現在の状態とは、例えば各バーナの現在の状態であり、点火又は消火状態を意味する。ＣＰＵ７１は、検出した各バーナの点火、消火の現在の状態に基づき、不揮発性メモリ７４に記憶された音声指示情報テーブル７４１の中から、現在受け付け可能な音声指示の候補を抽出する。例えば、火力操作を行うバーナの場所を音声指示で特定する場合、現在受け付け可能な音声指示の候補として、点火状態のバーナのみを抽出し、消火中のバーナを除外する。これにより、受け付けた音声指示と一致するかを判断する音響データの数を減らすことができる。よって、全バーナの場所の音響データとの一致を判断する場合に比べ、短時間で判断できるので、認識にかかる時間を短縮できる。よって、コンロ１の使い勝手を向上できる。

また、ＣＰＵ７１は、現在受け付け可能な音声指示の候補を抽出した後、抽出した候補の項目を使用者に知らせるガイド音声を出力し、該ガイド音声に対応する説明画面１０１（１０２）を表示部２２に表示する。これにより、使用者は、音声指示で現在受け付け可能な項目を確認してから、コンロ１に対して音声指示を行うことができるので、音声指示の誤認識を低減できる。

以上説明において、制御回路７０のＣＰＵ７１は、本発明の「制御部」の一例である。Ｓ１４とＳ２９の各処理を実行するＣＰＵ７１は、本発明の「受付手段」の一例である。Ｓ１６とＳ３１の各処理を実行するＣＰＵ７１は、本発明の「認識手段」の一例である。
Ｓ１０とＳ２５の各処理を実行するＣＰＵ７１は、本発明の「検出手段」の一例である。
不揮発性メモリ７４は、本発明の「記憶手段」の一例である。音声指示情報テーブル７４１と音響データは、本発明の「音声指示情報」の一例である。Ｓ１１とＳ２６の各処理を実行するＣＰＵ７１は、本発明の「抽出手段」の一例である。Ｓ１７とＳ３２の各処理を実行するＣＰＵ７１は、本発明の「判断手段」の一例である。Ｓ３６とＳ４１の各処理を実行するＣＰＵ７１は、本発明の「実行手段」の一例である。Ｓ１２、Ｓ１３、Ｓ２７、Ｓ２８の各処理を実行するＣＰＵ７１は、本発明の「報知手段」の一例である。

なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。本実施形態では、ビルトインタイプのコンロ１を例示したが、テーブルコンロであってもよい。コンロバーナの数は一つでも複数でもよく、グリルは省略してもよい。また、本発明はコンロ等の加熱調理器以外のガス機器にも適用でき、例えば給湯器等にも適用可能である。

上記実施形態の音声指示情報テーブル７４１では、右コンロ４、奥コンロ５、左コンロ６、グリルの何れのバーナにおいても、受け付け可能な火力操作は、「火力大」、「火力中」、「火力小」の３種類とされているが、バーナ毎に変えてもよい。また、受け付け可能な火力操作の種類も３種類に限らず、自由に変更可能である。

上記実施形態の音声操作制御処理のＳ７、Ｓ１７、Ｓ３２において、音声指示を受け付けて認識が完了したときに、音声を認識したことを報知する為の音声、例えば「ポーン」というチャイム音等をスピーカ７７から出力するようにするとよい。これにより、使用者が自ら発話した音声指示がコンロ１に認識されたか否かを速やかに認識できる。発話してもチャイムが鳴らなければ、音声認識は失敗したことが分かるので、使用者は再度発話を試みることができる。

上記実施形態の音声操作制御処理のＳ１２とＳ１３において、スピーカ７７からガイド音声を出力し、表示部２２に説明画面１０１を表示したが、何れか一方を省略してもよい。Ｓ２６とＳ２７においても、スピーカ７７からガイド音声を出力し、表示部２２に説明画面１０２を表示したが、何れか一方を省略してもよい。好ましくは、上記実施形態のように、音声の出力と表示部２２における表示の両方を行うのがよい。

上記実施形態のＳ２４では、対象バーナ以外の他の点火中のバーナの火力について、一律に火力１に弱めているが、現在の火力よりも弱めればよく、同じ火力に弱めなくてもよい。

上記実施形態では、火力操作の音声指示を認識した後で、対象バーナの場所を認識しているが、対象バーナの場所を先に認識してから、火力操作の音声指示を認識してもよい。

上記実施形態では、バーナに対応するガス量調節機構３０のモータ３２を駆動することで、弁機構部３１の弁の開度を調節し、バーナの火力を調節しているが、ガス量調節機構の構造は、これ以外の構造でもよく、例えば、ガス供給管に複数のバイパス路と電磁弁を設け、電磁弁を開閉することで、バーナに流れるガス量を調節してもよい。

上記実施形態の音声操作制御処理のＳ１５の「一定時間」は一例として１０秒、Ｓ２９の「一定時間」は一例として５秒であるが、自由に設定可能である。

上記実施形態の音声操作制御処理では、使用者から音声指示を受け付けない状態が一定時間続いた場合（Ｓ１４：ＮＯ、Ｓ１５：ＹＥＳ）、ガイド音声を自動的に再度出力するが（Ｓ１２）、これとは別に、例えば、使用者が一度聞いたガイド音声を忘れてしまい、もう一度聞き返したいこともある。そのような場合、使用者自ら、例えば、現在受け付け可能な制御命令とは一致しない異なる言葉を敢えて発話することで（Ｓ１７：ＮＯ）、ガイド音声を再度出力させてもよい（Ｓ１２）。なお、現在受け付け可能な制御命令とは一致しない言葉とは、例えば「リピート」のような特定の言葉でもよく、その都度、言葉の内容を変えてもよい。また、使用者が例えば「リピート」の様な特定の言葉を発話し、ＣＰＵ７１がそれを認識した場合に、ガイド音声を再度出力するようにしてもよい。

１ コンロ
７１ ＣＰＵ
７４ 不揮発性メモリ
７４１ 音声指示情報テーブル

Claims (1)

1. 複数の加熱部を有し、外部からの音声指示に基づき前記複数の加熱部の夫々の動作を制御する制御部を備えたガス機器であって、
   前記音声指示は、
   前記加熱部の火力操作の指示である第１音声指示と、
   前記加熱部の場所の指示である第２音声指示と
   を備え、
   前記制御部は、
   前記第１音声指示を外部から受け付ける第１受付手段と、
   前記第１受付手段が受け付けた前記第１音声指示を認識する第１認識手段と、
   前記複数の加熱部の現在の状態を検出する検出手段と、
   前記検出手段が検出した前記複数の加熱部の現在の状態に基づき、前記複数の加熱部の夫々に対応する前記第２音声指示の情報である音声指示情報を記憶する記憶手段に記憶した前記音声指示情報の中から、現在受け付け可能な前記第２音声指示の候補を抽出する抽出手段と、
   前記抽出手段が抽出した前記候補を報知する報知手段と、
   前記第２音声指示を外部から受け付ける第２受付手段と、
   前記第２受付手段が受けつけた前記第２音声指示を認識する第２認識手段と、
   前記抽出手段が抽出した前記候補の中から、前記第２認識手段が認識した前記第２音声指示と一致する前記候補が有るか判断する判断手段と、
   前記判断手段が前記第２音声指示と一致する前記候補が有ると判断した場合、前記第２認識手段が認識した前記第２音声指示に対応する前記加熱部の場所に対して、前記第１認識手段が前記第１音声指示を認識した前記火力操作の内容に基づき動作を実行する実行手段と
   を備えたこと
   を特徴とするガス機器。

Images