JP6973607B2 - アンテナモジュールおよびそれを搭載した通信装置 - Google Patents

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Description

本開示は、アンテナモジュールおよびそれを搭載した通信装置に関し、より特定的には、平板状の放射素子を有するアンテナモジュールにおける放射素子の配置に関する。
国際公開第2016/063759号(特許文献1)には、矩形状の誘電体基板の一方の面に平板状のパッチアンテナ(放射素子)が配置され、他方の面に高周波半導体素子が配置されたアンテナモジュールが開示されている。
国際公開第2016/063759号
国際公開第2016/063759号(特許文献1)に開示されるアンテナモジュールは、たとえば、スマートフォンなどの携帯端末のアンテナとして用いられる場合がある。このようなパッチアンテナを用いたアンテナモジュールにおいては、放射素子とそれに対向して配置された接地電極との間の電磁界結合により、放射素子から電波が放射される。
理想的なパッチアンテナにおいては、接地電極は放射素子に対して無限大の大きさを有することが前提とされている。しかしながら、実際には基板サイズの制約により接地電極を十分に大きくできないため、一般的には、理想的な場合に比べるとアンテナ特性は劣化し得る。
携帯端末においては、さらなる小型化および薄型化が要求されており、携帯端末に用いられるアンテナモジュールについてもさらなる小型化が必要となっている。アンテナモジュールの小型化により誘電体基板のサイズが制限されると、基板に含まれる接地電極の面積も制限されてしまう。そのため、放射素子と接地電極との間の電磁界結合が十分に確保できず、アンテナ特性が悪化することが懸念される。
本開示は、このような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、パッチアンテナを用いたアンテナモジュールにおいて、接地電極の面積が制限される場合に、アンテナ特性の低下を抑制することである。
本開示のある局面に従うアンテナモジュールは、平板状の第1放射素子と、第1放射素子に対向して配置される第1接地電極とを備える。第1放射素子の法線方向から平面視した場合に、(i)第1放射素子および第1接地電極の各々は、矩形形状を有しており、(ii)第1放射素子は、第1接地電極の各辺に対して第1放射素子の各辺が傾くように配置されており、(iii)第1放射素子の端部と第1接地電極の端部との間の最短距離を第1特定距離とすると、第1特定距離は、第1放射素子のサイズの1/2よりも短い。
本開示に従うアンテナモジュールにおいては、アンテナモジュールを平面視したときに、矩形状の放射素子および接地電極が互いに傾くように配置されており、さらに、放射素子の端部と接地電極の端部との間の最短距離が放射素子のサイズの1/2よりも短くなるようにされる。これにより、偏波方向および偏波方向に直交する方向の双方において、アンテナモジュールを平面視したときの放射素子と接地電極の端部との距離をある程度確保することが可能となる。したがって、パッチアンテナを用いたアンテナモジュールにおいて、接地電極の面積が制限された場合において、アンテナ特性の低下を抑制することができる。
実施の形態1に従うアンテナモジュールが適用される通信装置のブロック図である。 実施の形態1に従うアンテナモジュールを示す図である。 実施の形態1においてアンテナ特性が改善するメカニズムを概略的に説明するための図である。 実施の形態1および比較例における周波数帯域幅を説明するための図である。 実施の形態1および比較例における反射損失を示す図である。 接地電極の形状と放射素子の配置の指向性への影響を説明するための図である。 変形例1のアンテナモジュールを示す図である。 変形例2のアンテナモジュールを示す図である。 変形例3のアンテナモジュールを示す図である。 実施の形態2に従うアンテナモジュールと比較例との周波数帯域幅を説明するための図である。 実施の形態3に従うアンテナモジュールの平面透視図である。 実施の形態4に従うアンテナモジュールの斜視図である。 図12のアンテナモジュールの断面透視図である。 変形例4のアンテナモジュールの斜視図である。 変形例5のアンテナモジュールの斜視図である。 変形例6のアンテナモジュールの斜視図である。 実施の形態5に従うアンテナモジュールの平面透視図である。 変形例7のアンテナモジュールの平面透視図である。 実施の形態6に従うアンテナモジュールを示す図である。 変形例8のアンテナモジュールを示す図である。 変形例9のアンテナモジュールを示す図である。 変形例9の比較例のアンテナモジュールを示す図である。 変形例10のアンテナモジュールの平面透視図である。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
[実施の形態1]
(通信装置の基本構成)
図1は、本実施の形態1に係るアンテナモジュール100が適用される通信装置10のブロック図の一例である。通信装置10は、たとえば、携帯電話、スマートフォンあるいはタブレットなどの携帯端末や、通信機能を備えたパーソナルコンピュータなどである。本実施の形態に係るアンテナモジュール100に用いられる電波の周波数帯域の一例は、たとえば28GHz、39GHzおよび60GHzなどを中心周波数とするミリ波帯の電波であるが、上記以外の周波数帯域の電波についても適用可能である。
図1を参照して、通信装置10は、アンテナモジュール100と、ベースバンド信号処理回路を構成するBBIC200とを備える。アンテナモジュール100は、給電回路の一例であるRFIC110と、アンテナ装置120とを備える。通信装置10は、BBIC200からアンテナモジュール100へ伝達された信号を高周波信号にアップコンバートしてアンテナ装置120から放射するとともに、アンテナ装置120で受信した高周波信号をダウンコンバートしてBBIC200にて信号を処理する。
図1では、説明を容易にするために、アンテナ装置120を構成する複数の給電素子121(放射素子)のうち、4つの給電素子121に対応する構成のみ示され、同様の構成を有する他の給電素子121に対応する構成については省略されている。なお、図1においては、アンテナ装置120が二次元のアレイ状に配置された複数の給電素子121で形成される例を示しているが、給電素子121は必ずしも複数である必要はなく、1つの給電素子121でアンテナ装置120が形成される場合であってもよい。また、複数の給電素子121が一列に配置された一次元アレイであってもよい。本実施の形態においては、給電素子121は、略正方形の平板状を有するパッチアンテナである。
RFIC110は、スイッチ111A〜111D,113A〜113D,117と、パワーアンプ112AT〜112DTと、ローノイズアンプ112AR〜112DRと、減衰器114A〜114Dと、移相器115A〜115Dと、信号合成/分波器116と、ミキサ118と、増幅回路119とを備える。
高周波信号を送信する場合には、スイッチ111A〜111D,113A〜113Dがパワーアンプ112AT〜112DT側へ切換えられるとともに、スイッチ117が増幅回路119の送信側アンプに接続される。高周波信号を受信する場合には、スイッチ111A〜111D,113A〜113Dがローノイズアンプ112AR〜112DR側へ切換えられるとともに、スイッチ117が増幅回路119の受信側アンプに接続される。
BBIC200から伝達された信号は、増幅回路119で増幅され、ミキサ118でアップコンバートされる。アップコンバートされた高周波信号である送信信号は、信号合成/分波器116で4分波され、4つの信号経路を通過して、それぞれ異なる給電素子121に給電される。このとき、各信号経路に配置された移相器115A〜115Dの移相度が個別に調整されることにより、アンテナ装置120の指向性を調整することができる。
各給電素子121で受信された高周波信号である受信信号は、それぞれ、異なる4つの信号経路を経由し、信号合成/分波器116で合波される。合波された受信信号は、ミキサ118でダウンコンバートされ、増幅回路119で増幅されてBBIC200へ伝達される。
RFIC110は、例えば、上記回路構成を含む1チップの集積回路部品として形成される。あるいは、RFIC110における各給電素子121に対応する機器(スイッチ、パワーアンプ、ローノイズアンプ、減衰器、移相器)については、対応する給電素子121毎に1チップの集積回路部品として形成されてもよい。
(アンテナモジュールの構成)
次に、図2を用いて、実施の形態1におけるアンテナモジュール100の構成の詳細を説明する。図2において、上段(図2(a))はアンテナモジュール100の平面透視図であり、下段(図2(b))はアンテナモジュールの断面透視図である。
図2においては、説明を容易にするために、アンテナモジュール100が放射素子として1つの給電素子121を有する場合を例として説明するが、後述するように、給電素子は2以上であってもよく、さらに給電素子が二次元配列されていてもよい。アンテナモジュール100は、給電素子121およびRFIC110に加えて、誘電体基板130と、給電配線170と、接地電極GNDとを含む。なお、以降の説明において、誘電体基板130の法線方向(電波の放射方向)をZ軸方向とし、Z軸方向に垂直な面をX軸およびY軸で規定する。また、各図におけるZ軸の正方向を上方側、負方向を下方側と称する場合がある。
誘電体基板130は、たとえば、低温同時焼成セラミックス(LTCC:Low Temperature Co-fired Ceramics)多層基板、エポキシまたはポリイミドなどの樹脂から構成される樹脂層を複数積層して形成された多層樹脂基板、より低い誘電率を有する液晶ポリマー(Liquid Crystal Polymer:LCP)から構成される樹脂層を複数積層して形成された多層樹脂基板、フッ素系樹脂から構成される樹脂層を複数積層して形成された多層樹脂基板、あるいは、LTCC以外のセラミックス多層基板である。なお、誘電体基板130は必ずしも多層構造でなくてもよく、単層の基板であってもよい。なお、図2(a)および以降で説明する平面透視図においては、誘電体基板130および給電配線は省略されている。
誘電体基板130は略矩形形状を有しており、その上面131(Z軸の正方向の面)あるいは内部の層に給電素子121が配置されている。給電素子121は、略正方形の平面形状を有するパッチアンテナである。給電素子121の各辺は、誘電体基板130の長辺および短辺(すなわち、図中のX軸およびY軸)に対して所定の角度だけ傾いて配置される。図2の例においては、所定の角度は略45°である。
誘電体基板130において給電素子121よりも下面132(Z軸の負方向の面)側の層に、給電素子121に対向して、平板形状の接地電極GNDが配置される。誘電体基板130の下面132には、はんだバンプ140を介してRFIC110が実装されている。なお、RFIC110は、はんだ接続に代えて、多極コネクタを用いて誘電体基板130に接続されてもよい。
RFIC110から、給電配線170を介して、給電素子121の給電点SP1に高周波信号が供給される。図2の例においては、給電点SP1は、給電素子121の中心(対角線の交点)CPを通り、給電素子121の辺に平行な破線CL1の方向(第1方向)にオフセットした位置に配置されている。給電点SP1をこのような位置に配置することよって、上記の第1方向を偏波方向とする電波が放射される。
給電配線170は、誘電体基板130の層間に形成された配線パターン、および層を貫通するビアによって形成されている。なお、アンテナモジュール100において、放射素子、配線パターン、電極、およびビア等を構成する導体は、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、および、これらの合金を主成分とする金属で形成されている。
給電素子121は、矩形形状の接地電極GNDの各辺に対して、給電素子121の各辺が傾くように配置されている。すなわち、アンテナモジュール100を平面視したときに給電素子121の中心CPからの距離が最短となる接地電極GNDの端部の位置P1と給電素子121の中心CPとを結ぶ方向と、偏波方向(第1方向)とのなす角度θが0°<θ<90°となるように、給電素子121が配置されている。
また、接地電極GNDと給電素子121との間の距離で表現すると、アンテナモジュール100を平面視した場合に、給電素子121の中心CPと接地電極GNDの端部との間の第1方向に沿った最短距離を距離L1(第1距離)とし、給電素子121の中心CPと接地電極GNDの端部との間の最短距離を距離L2(第2距離)とすると、距離L1は距離L2よりも長い(L1>L2)。また、距離L2において給電素子121の端部と接地電極GNDの端部との間の最短距離を距離L3(第3距離:第1特定距離)とすると、距離L3は給電素子121のサイズ(辺の長さ)の1/2よりも短い。
本実施の形態1のアンテナモジュール100においては、接地電極GNDに対して給電素子121を傾けて配置することによってアンテナ特性の悪化を抑制する。以下、図3を用いて、このような給電素子121の配置によってアンテナ特性の悪化を抑制できるメカニズムについて説明する。
図3において、上段(図3(a))は比較例のアンテナモジュール100#を示し、下段(図3(b))は実施の形態1のアンテナモジュール100を示す。図3(a)および図3(b)の右側の図は、偏波方向に沿った断面における接地電極GNDと給電素子121との間の電気力線を示したものである。
比較例のアンテナモジュール100#においては、各辺がX軸およびY軸と平行となるように給電素子121#が配置されている。比較例においては、給電点SP1が給電素子121#の中心からY軸の正方向にオフセットした位置に配置されており、給電素子121#からY軸方向を偏波方向とする電波が放射される。
給電素子121#では、Y軸方向の端部において電圧の振幅が最大となり、それによって、当該端部において給電素子121#と接地電極GNDとの間の電界強度も最大となる。しかしながら、アンテナモジュール100#を平面視した場合に、偏波方向(Y軸方向)における給電素子121#の端部と接地電極GNDの端部との距離LYが短いため、給電素子121#と接地電極GNDとの間に生じる電気力線の量が制限されてしまい、給電素子121#と接地電極GNDとの間の結合が十分に確保できなくなる。これにより、接地電極GNDに対する給電素子121#の静電容量が十分に確保できず、周波数帯域幅が狭くなってしまう。
一方、図3(b)の実施の形態1のアンテナモジュール100においては、給電素子121を接地電極GNDに対して傾けて配置することによって、偏波方向(線CL1の方向:第1方向)における給電素子121の端部と接地電極GNDの端部との距離LYAが比較例の場合の距離LYよりも長くなり、比較例の場合に比べて給電素子121と接地電極との間の電界による結合が強くなる。これにより、接地電極GNDに対する給電素子121の静電容量も比較例の場合に比べて大きくなるため、比較例の場合よりも周波数帯域幅を広くすることができる。
また、偏波方向に直交する方向における給電素子の端部と接地電極GNDの端部との間の距離は、放射される電波のピークゲイン(指向性)に影響を与えることが知られており、給電素子の端部と接地電極GNDの端部との間の距離が長いほどピークゲインは大きくなる。これは、偏波方向に直交する方向に発生する磁界による給電素子121と接地電極との間の結合が変化するためである。
偏波方向に直交する方向における給電素子の端部と接地電極GNDの端部との間の距離は、比較例の場合が最大(距離LX)であり、比較例の状態からの傾きθが大きくなるにしたがって徐々に小さくなる。上述のように、偏波方向の給電素子の端部と接地電極GNDの端部との間の距離については、θ=0°で最小となりθ=90°で最大となるのに対して、偏波方向に直交する方向における給電素子と接地電極GNDとの間の距離は、θ=0°で最大となりθ=90°で最小となる。すなわち、接地電極GNDに対する給電素子の傾きに対して、周波数帯域幅とピークゲインとはトレードオフの関係となる。そのため、実施の形態1においては、接地電極GNDに対する給電素子の傾きθは、所望の周波数帯域幅およびピークゲインを考慮して、0°<θ<90°の範囲となるように設定される。なお、図2および図3の例においては、周波数帯域幅およびピークゲインの双方が中程度となるように、θ=45°に設定されている。この場合、給電素子121と接地電極GNDとの間の偏波方向の距離LYAは、偏波方向と直交する方向の距離LXAとほぼ同じ長さとなる。
このように、実施の形態1においては、誘電体基板130および接地電極GNDの形状(面積)が制限される場合において、給電素子121と接地電極GNDとの間の最短距離が所定距離よりも短くなる場合には、上記のように接地電極GNDに対して給電素子121を傾けて配置することによって、周波数帯域幅およびピークゲインのいずれもが極端に小さくなることが抑制される。これにより、接地電極の面積が制限された場合におけるアンテナ特性の低下を抑制することができる。
特に、給電素子121から放射される電波の波長をλとした場合、図2で示した距離L3がλ/4よりも短い場合、給電素子121と接地電極GNDとの間の電気力線の量が多くなるため、アンテナ特性の低下抑制効果が大きくなる。
さらに、誘電体基板の実効誘電率が反映された電波の波長をλ’とした場合、距離L3がλ’/4よりも短い場合には、給電素子121と接地電極GNDとの間の電気力線の量がさらに多くなるため、アンテナ特性の低下抑制効果がより大きくなる。
また、給電素子121と接地電極GNDとの間の積層方向の距離(Z方向の厚み)d1の2倍よりも距離L3が短い場合には、給電素子121と接地電極GNDとの間の電気力線の量がより一層多くなるため、アンテナ特性の低下抑制効果がさらに大きくなる。
次に図4〜図6を用いて、実施の形態1のアンテナモジュール100のアンテナ特性と、比較例のアンテナモジュールのアンテナ特性との比較について説明する。
図4および図5は、実施の形態1および比較例における周波数帯域幅についてシミュレーションした結果を説明するための図である。図4においては、参考として、接地電極GNDの面積が十分に広い略正方形の誘電体基板に給電素子が配置された場合の周波数帯域幅についても示されている。ここでは、給電素子の反射損失が10dB以下となる周波数帯域幅が示されている。また、図5は、実施の形態1および比較例における反射損失を示すグラフであり、図5の右図は、左図のグラフの領域RG2を拡大して示したものである。図5において、実線LN10が実施の形態1の場合の反射損失を示し、破線LN11が比較例の場合の反射損失を示している。
図4および図5を参照して、略正方形の誘電体基板にY軸方向を偏波方向とする給電素子が配置された参考例において、周波数帯域幅は1.98GHzである。この状態から、比較例のように接地電極のY軸方向(偏波方向)の寸法を短くすると、周波数帯域幅は1.36GHzに低下する。
比較例と同じ形状の接地電極に対して給電素子を傾けた実施の形態1においては、反射損失が低減され、周波数帯域幅が1.51GHzに改善されている。
図6は、誘電体基板(接地電極)の形状および給電素子の配置による指向性への影響を説明するための図である。図6においては、左列に正方形基板の場合が示され、右列に長方形基板の場合が示されている。また、図6の上段には、誘電体基板の辺と給電素子の辺が平行とされた比較例の場合が示されており、下段には誘電体基板に対して給電素子が傾けられた実施の形態1の場合について示されている。なお、上述のように、指向性については偏波方向と直交する方向における、給電素子と接地電極の端部との距離が影響するため、上段右列の比較例においては、誘電体基板の偏波方向と直交する方向の寸法が短くされている。
図6を参照して、正方形基板の場合(左列)には、給電素子の角度が異なっていてもいずれも指向性は6.5dBiと、同等の値となっている。これは、接地電極の端部と給電素子との距離が十分に大きいこと、および、偏波方向の距離に対する偏波方向と直交する方向の距離の比率がいずれも同じであるためと考えられる。
一方で、接地電極の一方の辺を短くした長方形基板の場合(右列)には、比較例では指向性は5.8dBi、実施の形態1においては指向性は6.3dBiとなっており、実施の形態1のほうが改善されている。比較例の場合、偏波方向における接地電極の端部と給電素子との距離は下段の実施の形態1の場合よりも長いが、偏波方向に直交する方向については実施の形態1の場合よりも短くなっている。すなわち、比較例においては、偏波方向の距離に対する偏波方向と直交する方向の距離の比率が、実施の形態1の場合に比べて小さくなっている。
このように、実施の形態1のように接地電極に対して給電素子を傾けて配置し、偏波方向の距離に対する偏波方向と直交する方向の距離の比率をバランスさせることで、指向性を改善することが可能となる。
以上のように、平板形状の給電素子を用いたアンテナモジュールにおいて、接地電極の面積が制限される場合に、給電素子の中心からの距離が最短となる接地電極の端部の位置と給電素子の中心とを結ぶ方向と、放射される電波の偏波方向とのなす角度が、0°より大きくかつ90°より小さくなるように、接地電極に対して給電素子を配置することによって、アンテナ特性(周波数帯域幅,指向性)の低下を抑制することが可能となる。
(変形例)
図7〜図9を用いて実施の形態1の変形例について説明する。
(a)変形例1
変形例1においては、給電素子121が接地電極GNDの中心ではなく端部側に配置された場合のアンテナモジュール100Aについて説明する。このようなアンテナモジュール100Aでは、偏波方向における給電素子121と接地電極GNDとの間の2つの距離が異なる。この場合、アンテナ特性については、短い方の距離によって制限を受ける。
アンテナモジュール100Aにおいても、図7中の給電素子121の中心CPと接地電極GNDの端部の位置P1とを結ぶ方向と、偏波方向(線CL1の方向)とのなす角度θが0°<θ<90°となるように給電素子121が配置されている。これによって、実施の形態1と同様にアンテナ特性(周波数帯域幅,指向性)の低下を抑制することが可能となる。
なお、変形例1においても、アンテナモジュール100Aを平面視したときの、偏波方向の給電素子121の中心CPと接地電極GNDの端部との間の最短距離をL1A(第1距離)とし、給電素子121の中心CPと接地電極GNDの端部との間の最短距離をL2A(第2距離)とすると、L1A>L2Aとなる。また、距離L2Aにおいて給電素子121の端部と接地電極GNDの端部との間の距離をL3A(第3距離:第1特定距離)とすると、距離L3Aは給電素子121の辺の長さの1/2よりも短くなる。
(b)変形例2
アンテナ素子の形状については、上記のような略正方形には限られない。変形例2のアンテナモジュール100Bにおいては、放射素子として円形の給電素子121Aが用いられる。このような給電素子121Aの場合においても、接地電極GNDの面積が制限される場合には、上述の例のように給電素子121Aの偏波方向を傾ける(0°<θ<90°)ことによって、アンテナ特性(周波数帯域幅,指向性)の低下を抑制することが可能である。
この場合においても、アンテナモジュール100Bを平面視したときの、偏波方向の給電素子121Aの中心CPと接地電極GNDの端部との間の最短距離をL1B(第1距離)とし、給電素子121の中心CPと接地電極GNDの端部との間の最短距離をL2B(第2距離)とすると、L1B>L2Bとなる。また、距離L2Bにおいて給電素子121Aの端部と接地電極GNDの端部とのの距離をL3B(第3距離)とすると、距離L3Bは給電素子121Aの辺の長さの1/2よりも短くなる。
(c)変形例3
変形例3においては、放射素子として、給電素子121の周囲に寄生素子125が配置された場合のアンテナモジュール100Cについて説明する。アンテナモジュール100Cにおいては、略正方形の給電素子121の各辺に対向して、短冊状の寄生素子125が配置されている。この場合には、給電素子121および寄生素子125の全体を包含する領域(破線の領域RG1)について、給電素子121の中心からの距離が最短となる接地電極GNDの端部の位置と給電素子121の中心とを結ぶ方向と、偏波方向とのなす角度θが0°<θ<90°となるように、給電素子121および寄生素子125を配置する。このような構成にすることによって、アンテナ特性(周波数帯域幅,指向性)の低下を抑制することが可能である。
なお、この場合においても、アンテナモジュール100Cを平面視したときの、偏波方向の給電素子121の中心CPと接地電極GNDの端部との間の最短距離をL1C(第1距離)とし、給電素子121の中心CPと接地電極GNDの端部との間の最短距離をL2C(第2距離)とすると、L1C>L2Cとなる。また、距離L2Cにおいて給電素子121の端部と接地電極GNDの端部との間の距離をL3C(第3距離:第1特定距離)とすると、距離L3Cは領域RG1の外縁の一辺の長さの1/2よりも短くなる。
[実施の形態2]
実施の形態2においては、偏波方向の異なる2つの偏波を放射可能な、いわゆるデュアル偏波タイプのアンテナモジュールについて本開示の特徴を適用した構成について説明する。
図10は、実施の形態2に従うアンテナモジュール100Dと比較例のアンテナモジュール100#1との周波数帯域幅を説明するための図である。図10を参照して、アンテナモジュール100Dおよびアンテナモジュール100#1のいずれも、給電素子121には、給電点SP1に加えて給電点SP2にも高周波信号が供給される。
給電点SP1に供給される高周波信号によって放射される電波の偏波方向と、給電点SP2に供給される高周波信号によって放射される電波の偏波方向とは直交している。より具体的には、比較例のアンテナモジュール100#1においては、給電点SP1は、給電素子121の中心からY軸の正方向にオフセットした位置に配置されている。これにより、給電点SP1に高周波信号が供給されると、給電素子121からY軸方向を偏波方向とする電波が放射される。一方、給電点SP2は、給電素子121の中心からX軸の正方向にオフセットした位置に配置されている。これにより、給電点SP2に高周波信号が供給されると、給電素子121からX軸方向を偏波方向とする電波が放射される。
実施の形態2のアンテナモジュール100Dは、比較例のアンテナモジュール100#1の給電素子121を、接地電極GNDに対して45°傾けて配置した構成を有している。アンテナモジュール100Dからは、給電素子121の中心と給電点SP1とを結ぶ方向(第1方向)を偏波方向とする電波、および、給電素子121の中心と給電点SP2とを結ぶ方向(第2方向)を偏波方向とする電波が放射される。
給電素子121の法線方向からアンテナモジュール100Dを平面視した場合、給電素子121の中心と接地電極GNDの端部との間の第1方向の偏波方向に沿った最短距離を第1距離とし、給電素子121Aの中心と接地電極GNDの端部との間の最短距離を第2距離とし、第2距離において接地電極GNDの端部と給電素子121の端部との間の距離を第3距離(第1特定距離)とすると、第1距離は第2距離よりも長く、かつ、第3距離は給電素子121のサイズの1/2よりも短い。
さらに、給電素子121の中心と接地電極GNDの端部との間の第2方向の偏波方向に沿った最短距離を第4距離とすると、第4距離は第2距離よりも長い。
比較例においては、X軸方向の偏波に対しては、給電素子121と接地電極GNDの端部との距離が長いため、反射損失が10dBより小さくなる周波数帯域幅は2.34GHzとなっている。一方、Y軸方向の偏波に対しては、給電素子121と接地電極GNDの端部との距離が短いために、周波数帯域幅は1.40GHzとなっている。
これに対して、実施の形態2のアンテナモジュール100Dにおいては、2つの偏波ともに、周波数帯域幅は1.75GHzとなっている。比較例のX軸方向の偏波よりかは周波数帯域がやや狭くなっているが、2つの偏波の周波数帯域の差が小さくなっており、各偏波の特性が平均化されている。
このように、デュアル偏波タイプのアンテナモジュールについても、接地電極の面積が制限される場合には、接地電極に対して給電素子を傾けて配置することによって、一方の偏波の特性が極端に低下することを抑制することができる。
[実施の形態3]
実施の形態3においては、複数の給電素子が配置されたアレイアンテナに本開示の特徴を適用した構成について説明する。
図11は、実施の形態3に従うアンテナモジュール100Eの平面透視図である。アンテナモジュール100Eは、長方形の接地電極GNDに対向して、略正方形の4つの給電素子121がX軸方向に沿って一列に配置された構成を有している。そして、各給電素子121は、各給電素子121から放射される電波の偏波方向が接地電極GNDの各辺に対して傾くように配置されている。
すなわち、各給電素子121について、給電素子121の中心からの距離が最短となる接地電極GNDの端部の位置と給電素子121の中心とを結ぶ方向と、給電素子121から放射される電波の偏波方向とのなす角度θが、0°<θ<90°となるように、接地電極GNDに対して給電素子121を配置する。
このとき、アンテナモジュール100Eを平面視したときの偏波方向の給電素子121の中心と接地電極GNDの端部との間の最短距離を第1距離とし、給電素子121の中心と接地電極GNDの端部との間の最短距離を第2距離とすると、第1距離は第2距離より長くなる。また、第2距離において給電素子121の端部と接地電極GNDの端部との間の距離を第3距離(第1特定距離)とすると、第3距離は給電素子121のサイズの1/2よりも短くなる。
各給電素子121から放射される電波の偏波方向がY軸方向の場合には、各給電素子121のY軸方向における接地電極GNDの領域が制限される。また、偏波方向がX軸方向の場合には、中央の2つの給電素子121については、接地電極GNDの領域を十分に確保できるが、端部に配置された給電素子121については接地電極GNDの領域が制限される。
一方で、図11に示されたアンテナモジュール100Eにおいては、接地電極GNDに対して給電素子121を傾けて配置することによって、偏波方向および偏波方向に直交する方向の双方について、接地電極GNDの領域を確保することができる。これによって、端部の給電素子121においても、アンテナ特性の低下を抑制することができ、アレイアンテナ全体の特性の低下も抑制することができる。
ここで、隣接する給電素子121同士の間隔D1は、放射される電波の波長の1/2よりも広くなるように設定することが好ましい。一般的に、アレイアンテナの場合には、隣接する放射素子の間隔は、当該放射素子から放射される電波の波長の1/2に設定される。しかしながら、図11のアンテナモジュール100Eのように、隣接する素子間隔を一般的な場合よりも広くすることによって、隣接する素子間のアイソレーションを高めることができる。これにより、アンテナモジュールにおいて、複数の放射素子を同時に駆動した際に、各放射素子の給電配線間における信号の回り込みを低減することができるので、放射素子を駆動した際のインピーダンス(いわゆるアクティブインピーダンス)の劣化を抑制することができる。したがって、アンテナゲインを広帯域化することが可能となる。
なお、アンテナモジュールの設計において、誘電体基板のサイズを変更することなく、給電素子の間隔D1を拡大する場合には、図11におけるX軸方向の誘電体基板の端部と両端の給電素子との距離(図11におけるG1)は、放射される電波の波長の1/4以下としてもよい。
なお、図11においては、給電素子が一次元配列されたアレイアンテナの例について説明したが、給電素子が二次元配列されたアレイアンテナにも本開示の特徴を適用可能である。
なお、実施の形態3において、アレイアンテナの両端の給電素子が本開示の「第1放射素子」に対応し、両端の給電素子に隣接する給電素子が本開示の「第2放射素子」に対応する。
[実施の形態4]
実施の形態4においては、2つの異なる放射面を有するアンテナモジュールの場合について説明する。
図12は、実施の形態4に従うアンテナモジュール100Fの斜視図であり、図13は、アンテナモジュール100Fの屈曲部を含むZX平面の断面透視図である。
図12および図13を参照して、アンテナモジュール100Fのアンテナ装置120Aにおいて、誘電体基板130Bは、断面形状が略L字形状となっており、図12および図13のZ軸方向を法線方向とする平板状の基板133A(第2基板)と、図12および図13のX軸方向を法線方向とする平板状の基板133B(第1基板)と、当該2つの基板133A,133Bを接続する屈曲部135とを含む。
アンテナモジュール100Fにおいては、2つの基板133A,133Bの各々に、4つの給電素子121がY軸方向に一列に配置されている。以下の説明において、理解を容易にするために、給電素子121が基板133A,133Bの表面に露出するように配置された例について説明するが、実施の形態1の図2のように、給電素子121は基板133A,133Bの誘電体基板の内部に配置されてもよい。
基板133Aは略矩形形状を有しており、その表面に4つの給電素子121が一列に配置されている。また、基板133Aの下面側(Z軸の負方向の面)には、RFIC110が接続されている。RFIC110は、はんだバンプ180を介して、実装基板20の表面21に実装されている。なお、RFIC110は、はんだ接続に代えて、多極コネクタを用いて実装基板20に実装されてもよい。
基板133Bは、基板133Aから屈曲した屈曲部135に接続されており、その内側の面(X軸の負方向の面)が実装基板20の側面22に面するように配置される。基板133Bは、略矩形形状の誘電体基板に複数の切欠部136が形成された構成となっており、この切欠部136に屈曲部135が接続されている。言い換えると、基板133Bにおいて切欠部136が形成されていない部分には、屈曲部135と基板133Bとが接続される境界部134から、当該基板133Bに沿って基板133Aに向かう方向(すなわち、Z軸の正方向)に突出した突出部134A,134Bが形成されている。この突出部134A,134Bの突出端の位置は、基板133Aの下面側(実装基板20に面する側)の面よりもZ軸の正方向に位置している。
基板133A,133Bおよび屈曲部135において、実装基板20に面する表面あるいは内層には接地電極GNDが配置されている。基板133Aの給電素子121には、給電配線170を介して、RFIC110からの高周波信号が伝達される。また、基板133Bの給電素子121には、給電配線171を介して、RFIC110からの高周波信号が伝達される。給電配線171は、RFIC110から、基板133A,133Bの誘電体の内部、および、屈曲部135の誘電体の内部(あるいは表面)を通って、基板133Bに配置された給電素子121に接続される。
基板133Bの端部にある突出部134Aの各々には、1つの給電素子121が配置される。また、中央部の突出部134Bには2つの給電素子121が配置される。基板133Bには切欠部136が形成されているため、基板133Bに配置される給電素子121においては、各給電素子121と結合する接地電極GNDの領域が大きく制限される。図12の例においては、特に基板133BのZ軸方向の寸法、および、給電素子121と切欠部136との間の寸法が制限され得る。
そのため、アンテナモジュール100Fにおいては、基板133Bに配置される給電素子121については、各給電素子121から放射される電波の偏波方向が、基板133Bの接地電極GNDの各辺に対して傾くように配置される。すなわち、各給電素子121において、給電素子121の中心からの距離が最短となる接地電極GNDの端部の位置と給電素子121の中心とを結ぶ方向と、偏波方向とのなす角度θが0°<θ<90°となるように給電素子121が配置されている。
このとき、基板133Bを法線方向から平面視した場合に、各給電素子121について、偏波方向の給電素子121の中心と接地電極GNDの端部との間の最短距離を第1距離とし、給電素子121の中心と接地電極GNDの端部との間の最短距離を第2距離とすると、第1距離は第2距離よりも長くとなる。また、第2距離において給電素子121の端部と接地電極GNDの端部との間の距離を第3距離(第1特定距離)とすると、第3距離は給電素子121の辺の長さの1/2よりも短くなる。
このような構成とすることによって、誘電体基板(接地電極)の一部に切欠部が形成されて接地電極の面積が制限されるような場合においても、アンテナ特性の低下を抑制することができる。
なお、図12のアンテナモジュール100Fにおいては、基板133Aに配置される給電素子121については、偏波方向が接地電極GNDのX軸方向の辺と平行になるように配置されているが、基板133AのX軸方向あるいはY軸方向の寸法が制限されるような場合には、実施の形態3の図11と同様に、給電素子121を傾けて配置するようにしてもよい。
(変形例4)
変形例4においては、実施の形態4のL字形状のアンテナモジュールにおいて、2つの基板の双方に切欠部が形成される場合の例について説明する。
図14は、変形例4のアンテナモジュール100Gの斜視図である。アンテナモジュール100Gのアンテナ装置120Bにおいては、誘電体基板130Cは2つの基板133A,133Bを有しており、基板133A,133Bに突出部134C,134Dがそれぞれ形成されている。アンテナ装置120Bにおいては、突出部134Cと対応する位置に突出部134Dが形成されており、基板133Aの切欠部137と基板133Bの切欠部136との間に屈曲部135が形成されている。そして、給電素子121は、各基板において、少なくともその一部が突出部に重なる位置に配置されている。
このような構成においては、各給電素子121が、対応する突出部に個別に配置されているため、給電素子121と結合する接地電極GNDの面積が大きく制限される。そのため、アンテナモジュール100Gにおいては、基板133Aに配置される給電素子121、および基板133Bに配置される給電素子121の双方について、各給電素子121から放射される電波の偏波方向が、基板の接地電極GNDの各辺に対して傾くように配置される。
すなわち、基板133Aに配置される各給電素子121についても、基板133Bにおける給電素子121と同様に、給電素子121の中心からの距離が最短となる接地電極GNDの端部の位置と給電素子121の中心とを結ぶ方向と、偏波方向(第2方向)とのなす角度θが0°<θ<90°となるように給電素子121が配置されている。
このとき、基板133Aを法線方向から平面視した場合に、各給電素子121について、偏波方向の給電素子121の中心と接地電極GNDの端部との間の最短距離を第5距離とし、給電素子121の中心と接地電極GNDの端部との間の最短距離を第6距離とすると、第5距離は第6距離よりも長くなる。また、第5距離において給電素子121の端部と接地電極GNDの端部との間の距離を第7距離(第2特定距離)とすると、第7距離は給電素子121の辺の長さの1/2よりも短くなる。
これにより、偏波方向およびそれに直交する方向の接地電極GNDの領域を拡大できるので、アンテナ特性の低下を抑制することができる。
(変形例5)
変形例5においては、異なる2方向に電波を放射できる構成の他の例について説明する。
図15は、変形例5のアンテナモジュール100Hの斜視図である。図15を参照して、アンテナモジュール100Hのアンテナ装置120Cにおいては、Z軸方向を法線方向とする基板133Aが、略正方形の平板状とされており、X軸に沿った辺側に形成された基板133Bに加えて、Y軸に沿った辺側にも基板133Cが形成されている。基板133Cは、基板133Bと同様の形状を有しており、複数の突出部134Cが形成されている。基板133Cは、屈曲部135Cによって基板133Aに接続されている。そして、基板133Cにおいて、給電素子121は、その少なくとも一部が突出部134Cに重なるように配置される。アンテナ装置120Cによって、X軸方向およびY軸方向に電波を放射することができる。
このような構成において、基板133Cに配置される給電素子121についても、基板133Bに配置される給電素子121と同様に、切欠部136によって各給電素子121と結合する接地電極GNDの面積が大きく制限される。そのため、アンテナモジュール100Hにおいては、各給電素子121から放射される電波の偏波方向が、基板133Cの接地電極GNDの各辺に対して傾くように配置される。
すなわち、基板133Cに配置される各給電素子121について、給電素子121の中心からの距離が最短となる接地電極GNDの端部の位置と給電素子121の中心とを結ぶ方向と、偏波方向(第2方向)とのなす角度θが0°<θ<90°となるように給電素子121が配置されている。
このとき、基板133Cを法線方向から平面視した場合に、各給電素子121について、偏波方向の給電素子121の中心と接地電極GNDの端部との間の最短距離を第5距離とし、給電素子121の中心と接地電極GNDの端部との間の最短距離を第6距離とすると、第5距離は第6距離よりも長くとなる。また、第5距離において給電素子121の端部と接地電極GNDの端部との間の距離を第7距離(第2特定距離)とすると、第7距離は給電素子121の辺の長さの1/2よりも短くなる。
これにより、偏波方向およびそれに直交する方向の接地電極GNDの領域を拡大できるので、アンテナ特性の低下を抑制することができる。
なお、図15においては、X軸およびY軸を法線方向とする基板133Bおよび基板133Cに給電素子が配置される例について示したが、これに加えて、Z軸方向を法線方向とする基板133Aにも給電素子をさらに配置して、3方向に電波を放射する構成であってもよい。
(変形例6)
変形例6においては、実施の形態4のL字形状のアンテナモジュールにおいて、2つの基板のいずれにも切欠部が形成されない場合の例について説明する。
図16は、変形例6のアンテナモジュール100Yの斜視図である。アンテナモジュール100Yのアンテナ装置120Yにおいては、誘電体基板130Yは2つの基板133A,133Bを有しており、基板133A,133Bには切欠部は形成されていない。そして、屈曲部135によって、基板133Aと基板133Bとが接続されている。基板133A,133Bの各々には、Y軸方向に沿って4つの給電素子121が配置されている。
このような構成において、基板133AのY軸方向に沿った辺と基板133A上の給電素子121との距離が短くかつX軸方向を偏波方向とする場合、および/または、基板133BのY軸方向に沿った辺と基板133B上の給電素子121との距離が短くかつZ軸方向を偏波方向とする場合には、各給電素子121と結合する偏波方向の接地電極GNDの面積が制限される場合がある。そのため、アンテナモジュール100Yにおいては、基板133Aに配置される給電素子121、および基板133Bに配置される給電素子121の双方について、各給電素子121から放射される電波の偏波方向が、各基板のY軸に沿った辺に対して傾くように配置される。
すなわち、基板133Aに配置される各給電素子121、および基板133Bにおける給電素子121の双方について、給電素子121の中心からの距離が最短となる接地電極GNDの端部の位置と給電素子121の中心とを結ぶ方向と、偏波方向とのなす角度θが0°<θ<90°となるように給電素子121が配置されている。
このようにすることによって、各基板を法線方向から平面視した場合に、偏波方向における給電素子121の中心と接地電極GNDの端部との間の最短距離を第5距離とし、給電素子121の中心と接地電極GNDの端部との間の最短距離を第6距離とすると、第5距離は第6距離よりも長くとなる。また、第5距離において給電素子121の端部と接地電極GNDの端部との間の距離を第7距離(第2特定距離)とすると、第7距離は給電素子121の辺の長さの1/2よりも短くなる。
これにより、偏波方向およびそれに直交する方向の接地電極GNDの領域を拡大できるので、アンテナ特性の低下を抑制することができる。
なお、実施の形態4およびその変形例において、基板133Bに形成される給電素子は、本開示における「第1放射素子」に対応し、基板133Aあるいは基板133Cに形成される給電素子は、本開示における「第4放射素子」に対応する。
[実施の形態5]
実施の形態5においては、実施の形態3で説明したアレイアンテナにおいて、異なる周波数の高周波信号をさらに放射可能な構成について説明する。
図17は、実施の形態5に従うアンテナモジュール100Iの平面透視図である。アンテナモジュール100Iにおいては、隣接した2つの給電素子121の間に、給電素子121から放射される電波とは異なる周波数の電波を放射することが可能な給電素子122が配置されている。すなわち、アンテナモジュール100Iは、デュアルバンドタイプのアンテナモジュールである。給電素子122は、給電素子121と同様に、略正方形の平板状を有するパッチアンテナである。
図17の例においては、給電素子122から放射される電波の周波数(たとえば、39GHz)は、給電素子121から放射される電波の周波数(たとえば、28GHz)よりも高い。そのため、給電素子122のサイズは、給電素子121のサイズより小さい。
図17のように、共通の誘電体基板に異なる周波数の電波を放射可能な給電素子が交互に配置される構成においては、サイズが大きくなる低周波側の給電素子121の方が、接地電極GNDの面積に対して制限されることになる。したがって、アンテナモジュール100Iにおいては、接地電極に対して給電素子121を傾けて配置することによって、給電素子121のアンテナ特性が低下することを抑制できる。
なお、サイズの小さい高周波側の給電素子122についても、給電素子121と同様に傾けて配置してもよい。
(変形例7)
実施の形態5においては、異なる周波数の電波を放射する他の放射素子が平板状のパッチアンテナである場合について説明した。変形例7においては、当該他の放射素子が、パッチアンテナ以外のタイプの放射素子である場合について説明する。
図18は、変形例7のアンテナモジュールの100Jの平面透視図である。アンテナモジュール100Jにおいては、隣接した2つの給電素子121の間に、ダイポールアンテナ123が配置されている。このような構成において、パッチアンテナである給電素子121について、接地電極GNDの面積に対して制限されることになる場合には、接地電極に対して給電素子121を傾けて配置する。このような構成とすることによって、給電素子121のアンテナ特性が低下することを抑制できる。
なお、2つの給電素子121の間に配置される放射素子は、パッチアンテナおよびダイポールアンテナ以外であってもよい。
実施の形態5において、「給電素子122」および「ダイポールアンテナ123」は、本開示の「第3放射素子」に対応する。
[実施の形態6]
実施の形態6においては、複数の放射素子が誘電体基板の積層方向に対向して配置されたスタック型のパッチアンテナの場合について説明する。
図19は、実施の形態6に従うアンテナモジュール100Kを示す図である。図19において、上段(図19(a))はアンテナモジュール100Kの平面透視図であり、下段(図19(b))はアンテナモジュール100Kの断面透視図である。
図19を参照して、アンテナモジュール100Kは、図2で説明した実施の形態1の構成に加えて、放射素子として給電素子121と異なる層に配置された無給電素子124をさらに含む。給電素子121は誘電体基板130の内部に配置されており、無給電素子124は給電素子121よりも誘電体基板130の上面131側に給電素子121と対向して配置される。なお、無給電素子124は、誘電体基板130の上面131に露出するように配置されてもよいし、誘電体基板130の内部に配置されてもよい。
無給電素子124のサイズは、給電素子121のサイズとほぼ同じである。また、アンテナモジュール100Kを法線方向から平面視した場合に、無給電素子124は給電素子121と重なるように配置される。このような無給電素子124を配置することによって、アンテナモジュール100Kの周波数帯域幅を拡大することができる。
アンテナモジュール100Kにおいても、接地電極GNDの面積が制限される場合には、実施の形態1の場合と同様に、給電素子121が接地電極GNDに対して傾けて配置される。このとき、無給電素子124についても給電素子121と同様に接地電極GNDに対して傾けて配置される。
このような構成とすることによって、スタック型のアンテナモジュールについても、アンテナ特性の低下を抑制することができる。
(変形例8)
変形例8においては、デュアルバンドタイプのスタック型のアンテナモジュールについて説明する。
図20は、変形例8のアンテナモジュール100Lを示す図である。図20において、上段(図20(a))はアンテナモジュール100Lの平面透視図であり、下段(図20(b))はアンテナモジュール100Lの断面透視図である。
図20を参照して、アンテナモジュール100Lは、図2で説明した実施の形態1の構成に加えて、放射素子として給電素子121と異なる層に配置された無給電素子124Aを含む。無給電素子124Aは、給電素子121と接地電極GNDとの間の層に、給電素子121と対向して配置される。
アンテナモジュール100Lを法線方向から平面視した場合に、給電素子121の全体が無給電素子124Aと重なるように配置される。給電配線170は、無給電素子124Aを貫通して給電素子121に接続される。
無給電素子124Aのサイズは、給電素子121のサイズよりも大きい。そのため、無給電素子124Aの共振周波数は、給電素子121の共振周波数よりも低い。RFIC110から給電配線170に、無給電素子124Aの共振周波数に対応した周波数の高周波信号が供給されると、給電配線170と無給電素子124Aとが電磁界結合し、無給電素子124Aから電波が放射される。
このような構成においては、サイズがより大きな無給電素子124Aの方が、接地電極GNDの面積に対してより制限されることになる。したがって、アンテナモジュール100Lにおいては、接地電極に対して無給電素子124Aを傾けて配置することによって、無給電素子124Aのアンテナ特性が低下することを抑制できる。なお、アンテナモジュール100Lにおいては、給電素子121についても、無給電素子124Aと同様に傾けて配置される。
(変形例9)
変形例9においては、スタック型のアンテナモジュールにおいて、2つの放射素子に対して、個別の給電配線で高周波信号が供給される場合について説明する。
図21は、変形例9のアンテナモジュール100Mを示す図である。図21において、上段(図21(a))はアンテナモジュール100Mの平面透視図であり、下段(図21(b))はアンテナモジュール100Mの断面透視図である。
図21を参照して、アンテナモジュール100Mは、放射素子として給電素子121および給電素子121Aを含む。給電素子121Aは、給電素子121と接地電極GNDとの間の層に、給電素子121と対向して配置される。アンテナモジュール100Mを法線方向から平面視した場合に、給電素子121の全体が給電素子121Aと重なるように配置される。
給電素子121Aのサイズは、給電素子121のサイズよりも大きい。そのため、給電素子121Aの共振周波数は、給電素子121の共振周波数よりも低い。そのため、給電素子121Aに高周波信号が供給されると、給電素子121から放射される電波の周波数よりも低い周波数の電波が給電素子121Aから放射される。また、図21の例においては、給電素子121および給電素子121Aの各々について、2つの給電点が設けられている。すなわち、アンテナモジュール100Mは、デュアルバンドタイプかつデュアル偏波タイプのアンテナモジュールである。
給電素子121には、給電配線1701を介して給電点SP1に高周波信号が供給され、給電配線1702を介して給電点SP2に高周波信号が供給される。給電配線1701および給電配線1702は、RFIC110から給電素子121Aを貫通して給電素子121に接続されている。また、給電素子121Aには、給電配線1703を介して給電点SP3に高周波信号が供給され、給電配線1704を介して給電点SP4に高周波信号が供給される。給電素子121および給電素子121Aの各々において、2つの偏波が互いに直交するように給電点が配置されている。
そして、アンテナモジュール100Mにおいては、実施の形態1と同様に、矩形形状の接地電極GNDの各辺に対して、給電素子121および給電素子121Aの各辺が傾くように配置されている。すなわち、アンテナモジュール100Mを平面視した場合に、各給電素子において、給電素子の中心からの距離が最短となる接地電極GNDの端部の位置と給電素子の中心とを結ぶ方向と、偏波方向とのなす角度θが0°<θ<90°となるように、各給電素子が配置されている。なお、図21の例では、各給電素子は接地電極GNDに対して45°傾いて配置されている。
図22は、変形例9の比較例のアンテナモジュール100#2の平面透視図である。アンテナモジュール100#2においては、給電素子121,121Aの各辺は、接地電極GNDの辺に対して平行となるように配置されている。
図22の変形例においては、給電点SP1および給電点SP3に高周波信号が供給されることにより、Y軸方向を偏波方向とする電波が給電素子121および給電素子121Aから放射される。また、給電点SP2および給電点SP4に高周波信号が供給されることにより、X軸方向を偏波方向とする電波が給電素子121および給電素子121Aから放射される。
この場合、接地電極GNDの長辺の延在方向であるX軸方向の偏波については、アンテナモジュール100#2を平面視した場合の各給電素子から接地電極GNDの端部までの距離が十分に確保できるが、Y軸方向の偏波についてはX軸方向に比べて接地電極GNDの端部までの距離が制限される。したがって、Y軸方向の偏波については、X軸方向の偏波に比べてアンテナ特性(周波数帯域幅および指向性)が低下する可能性がある。
一方で、図21のアンテナモジュール100Mにおいては、給電素子を傾けることにより、直交する双方の偏波に対して給電素子から接地電極GNDの端部までの距離を確保できるので、一方の偏波の特性が極端に低下することが抑制できる。
(変形例10)
変形例10においては、複数のスタック型アンテナモジュールが一次元に配置されたアレイアンテナの例について説明する。
図23は、変形例10のアンテナモジュール100Nの平面透視図である。アンテナモジュール100Nは、変形例9で示したアンテナモジュール100Mにおける放射素子(給電素子121,121A)が、X軸方向に沿って4つ配置された構成を有している。隣接する放射素子同士は、間隔D2をあけて配置されている。アンテナモジュール100Nにおいては、この間隔D2は、給電素子121Aから放射される低周波数側の電波の波長の1/2よりも広くなるように設定することが好ましい。
このような構成とすることによって、図11における説明と同様に、隣接する放射素子間のアイソレーションを高めることができる。これにより、アンテナモジュールにおけるアクティブインピーダンスの劣化を抑制することができ、結果としてアンテナゲインを広帯域化することができる。なお、アンテナモジュール100Nにおいては、各給電素子が2つの偏波方向に電波を放射可能なデュアル偏波タイプのアンテナモジュールの例について説明したが、各給電素子が1つの偏波方向に電波を放射する構成であってもよい。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 通信装置、20 実装基板、100,100A〜100N,100Y,100#,100#1,100#2 アンテナモジュール、110 RFID、111A〜111D,113A〜113D,117 スイッチ、112AR〜112DR ローノイズアンプ、112AT〜112DT パワーアンプ、114A,114D 減衰器、115A,115D 移相器、116 信号合成/分波器、118 ミキサ、119 増幅回路、120,120A〜120C,120Y アンテナ装置、121,121A,121#,122,122# 給電素子、123 ダイポールアンテナ、124,124A 無給電素子、125 寄生素子、130,130B,130C,130Y 誘電体基板、133A〜133C 基板、134 境界部、134A〜134D 突出部、135,135C 屈曲部、136,137 切欠部、140,180 はんだバンプ、170,171,1701〜1704 給電配線、200 BBIC、GND 接地電極、SP1〜SP4 給電点。

Claims (14)

  1. 平板状の第1放射素子と、
    前記第1放射素子に対向して配置される第1接地電極とを備え、
    前記第1放射素子の法線方向から平面視した場合に、
    前記第1放射素子および前記第1接地電極の各々は、矩形形状を有しており、
    前記第1放射素子は、前記第1接地電極の各辺に対して前記第1放射素子の各辺が傾くように配置されており、
    前記第1放射素子の端部と前記第1接地電極の端部との間の最短距離を第1特定距離とすると、前記第1特定距離は、前記第1放射素子のサイズの1/2よりも短い、アンテナモジュール。
  2. 前記第1放射素子から放射される電波の波長をλとすると、前記第1特定距離はλ/4よりも短い、請求項1に記載のアンテナモジュール。
  3. 前記第1特定距離は、前記第1放射素子と前記第1接地電極との間の積層方向の距離の2倍よりも短い、請求項1に記載のアンテナモジュール。
  4. 前記第1放射素子は、前記第1接地電極から互いに異なる高さに対向して配置された給電素子および無給電素子とを含み、
    前記アンテナモジュールを法線方向から平面視した場合に、前記給電素子と前記無給電素子とは重なっている、請求項1〜3のいずれか1項に記載のアンテナモジュール。
  5. 前記給電素子に高周波信号を供給する給電配線をさらに備え、
    前記無給電素子は、前記給電素子と前記第1接地電極との間に配置され、
    前記給電配線は、前記無給電素子を貫通して前記給電素子に接続される、請求項4に記載のアンテナモジュール。
  6. 前記第1放射素子は、前記第1接地電極から互いに異なる高さに対向して配置された第1給電素子および第2給電素子を含み、
    前記アンテナモジュールを法線方向から平面視した場合に、前記第1給電素子と前記第2給電素子とは重なっている、請求項1〜3のいずれか1項に記載のアンテナモジュール。
  7. 前記第1放射素子は、給電素子と、前記給電素子の周囲に配置された少なくとも1つの寄生素子とを含み、
    前記第1放射素子のサイズは、前記アンテナモジュールを法線方向から平面視した場合に、前記給電素子および前記少なくとも1つの寄生素子を含む領域の外縁の一辺の長さである、請求項1〜3のいずれか1項に記載のアンテナモジュール。
  8. 前記第1放射素子は、互いに異なる2つの偏波方向に電波を放射可能である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のアンテナモジュール。
  9. 前記第1接地電極に対向して配置される平板状の第2放射素子をさらに備える、請求項1〜8のいずれか1項に記載のアンテナモジュール。
  10. 前記第1放射素子と前記第2放射素子との間に配置される第3放射素子をさらに備え、
    前記第3放射素子は、前記第1放射素子および前記第2放射素子から放射される電波とは異なる周波数の電波を放射することが可能に構成される、請求項9に記載のアンテナモジュール。
  11. 平板状の第4放射素子と、
    前記第4放射素子に対向して配置された第2接地電極をさらに備え、
    前記第4放射素子の法線方向は、前記第1放射素子の法線方向とは異なる、請求項1〜7のいずれか1項に記載のアンテナモジュール。
  12. 前記第4放射素子の法線方向から平面視した場合に、
    前記第4放射素子および前記第2接地電極の各々は、矩形形状を有しており、
    前記第4放射素子は、前記第2接地電極の各辺に対して前記第4放射素子の各辺が傾くように配置されており、
    前記第4放射素子の端部と前記第2接地電極の端部との間の最短距離を第2特定距離とすると、前記第2特定距離は、前記第4放射素子のサイズの1/2よりも短い、請求項11に記載のアンテナモジュール。
  13. 各放射素子に高周波信号を供給するように構成された給電回路をさらに備える、請求項1〜12のいずれか1項に記載のアンテナモジュール。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載のアンテナモジュールを搭載した、通信装置。
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