JP6973407B2 - 負極、電池、電池パック、電子機器、電動車両、蓄電装置および電力システム - Google Patents

負極、電池、電池パック、電子機器、電動車両、蓄電装置および電力システム Download PDF

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Description

本技術は、負極、電池、電池パック、電子機器、電動車両、蓄電装置および電力システムに関する。
通常、負極中ではバインダは活物質粒子の表面を覆うように存在するため、活物質粒子−活物質粒子間および集電体―活物質粒子間が粒子表面の一部でしか結着せず、それらの間の密着性が低下してしまう。密着性の低下を改善するためには、一定量以上のバインダを電極合剤に配合すればよいが、バインダの配合量を増加させると、活物質粒子−活物質粒子間および集電体―活物質粒子間にバインダが余剰に存在し、結着に寄与しないバインダが活物質粒子の表面を覆ってしまう。このような状態に活物質粒子があると、イオン伝導が阻害され、電池の内部抵抗が上昇する。電池の内部抵抗が上昇すると、充放電効率、電池容量および高出力特性などの電池特性が低下する。
特許文献1では、機械的、化学的またはその他の方法で電極に孔を開けすることで、電極内部へのイオンの拡散律速を解消する技術が提案されている。
特開平7−122262号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、電池の内部抵抗の上昇を抑制しつつ、活物質粒子間の密着性を向上することは困難である。
本技術の目的は、電池の内部抵抗の上昇を抑制しつつ、活物質粒子間の密着性を向上できる負極、それを備える電池、電池パック、電子機器、電動車両、蓄電装置および電力システムを提供することにある。
上述の課題を解決するために、第1の技術は、正極と負極と電解質とを備え、負極は、活物質粒子と網目状構造を有するバインダとを含み、活物質粒子間の空間は、網目状構造により埋められ、網目状構造の平均孔径は、500nm以上3μm以下であり、平均孔径は、負極の断面SEM像から無作為に5個の細孔を選び出し、それぞれの細孔において直線距離で最も長くなる細孔の幅を孔径として測定した5個の孔径を単純に平均して算出され、バインダが、カルボキシアルキルセルロースおよびその金属塩のうちの少なくとも1種を含む第1のバインダと、スチレン・ブタジエンゴムおよびその誘導体のうちの少なくとも1種を含む第2のバインダとを含み、カルボキシアルキルセルロースは、カルボキシメチルセルロース、カルボキシプロピルメチルセルロース、カルボキシプロピルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびヒドロキシプロピルエチルセルロースのうちの少なくとも1種を含み、第1のバインダと第2のバインダとの質量比(第1のバインダ:第2のバインダ)は、1:99〜40:60の範囲内であり、バインダと活物質粒子との質量比(バインダ:活物質粒子)は、20:80〜5:95の範囲内である、電池である。
第2の技術は、活物質と網目状構造を有するバインダとを含み、活物質粒子間の空間は、網目状構造により埋められ、網目状構造の平均孔径は、500nm以上3μm以下であり、平均孔径は、断面SEM像から無作為に5個の細孔を選び出し、それぞれの細孔において直線距離で最も長くなる細孔の幅を孔径として測定した5個の孔径を単純に平均して算出され、バインダが、カルボキシアルキルセルロースおよびその金属塩のうちの少なくとも1種を含む第1のバインダと、スチレン・ブタジエンゴムおよびその誘導体のうちの少なくとも1種を含む第2のバインダとを含み、カルボキシアルキルセルロースは、カルボキシメチルセルロース、カルボキシプロピルメチルセルロース、カルボキシプロピルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびヒドロキシプロピルエチルセルロースのうちの少なくとも1種を含み、第1のバインダと第2のバインダとの質量比(第1のバインダ:第2のバインダ)は、1:99〜40:60の範囲内であり、バインダと活物質粒子との質量比(バインダ:活物質粒子)は、20:80〜5:95の範囲内である、負極である。
第3の技術は、第1の技術の電池と、電池を制御する制御部とを備える電池パックである。
第4の技術は、第1の技術の電池を備え、電池から電力の供給を受ける電子機器である。
第5の技術は、第1の技術の電池と、電池から電力の供給を受けて車両の駆動力に変換する変換装置と、電池に関する情報に基づいて車両制御に関する情報処理を行う制御装置とを備える電動車両である。
第6の技術は、第1の技術の電池を備え、電池に接続される電子機器に電力を供給する蓄電装置である。
第7の技術は、第1の技術の電池を備え、電池から電力の供給を受ける電力システムである。
本技術によれば、電池の内部抵抗の上昇を抑制しつつ、活物質粒子間の密着性を向上できる。なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果またはそれらと異質な効果であってもよい。
図1は、本技術の第1の実施形態に係る非水電解質二次電池の構成の一例を示す断面図である。 図2は、図1に示した巻回型電極体の一部を拡大して表す断面図である。 図3は、本技術の第2の実施形態に係る非水電解質二次電池の構成の一例を示す分解斜視図である。 図4は、図3のIV−IV線に沿った巻回型電極体の断面図である。 図5は、応用例としての電子機器の構成の一例を示すブロック図である。 図6は、応用例としての車両における蓄電システムの構成の一例を示す概略図である。 図7は、応用例としての住宅における蓄電システムの構成の一例を示す概略図である。 図8Aは、実施例1のプレス前の負極の断面SEM像である。図8Bは、比較例1のプレス前の負極の断面SEM像である。 図9Aは、実施例1、比較例1の負極を用いたコインセルの初期容量を示すグラフである。図9Bは、実施例1、比較例1の負極を用いたコインセルの初回充放電効率を示すグラフである。図9Cは、実施例1、比較例1の負極を用いたコインセルのLi受け入れ性試験の結果を示すグラフである。
本技術の実施形態について以下の順序で説明する。
1 第1の実施形態(円筒型電池の例)
2 第2の実施形態(ラミネートフィルム型電池の例)
3 応用例1(電池パックおよび電子機器)
4 応用例2(車両における蓄電システム)
5 応用例3(住宅における蓄電システム)
<1 第1の実施形態>
[電池の構成]
以下、図1を参照しながら、本技術の第1の実施形態に係る非水電解質二次電池の一構成例について説明する。この二次電池は、例えば、負極の容量が、電極反応物質であるリチウム(Li)の吸蔵および放出による容量成分により表されるいわゆるリチウムイオン二次電池である。この二次電池はいわゆる円筒型といわれるものであり、ほぼ中空円柱状の電池缶11の内部に、一対の帯状の正極21と帯状の負極22とがセパレータ23を介して積層し巻回された巻回型電極体20を有している。電池缶11は、ニッケル(Ni)のめっきがされた鉄(Fe)により構成されており、一端部が閉鎖され他端部が開放されている。電池缶11の内部には、液状の電解質としての電解液が注入され、正極21、負極22およびセパレータ23に含浸されている。また、巻回型電極体20を挟むように巻回周面に対して垂直に一対の絶縁板12、13がそれぞれ配置されている。
電池缶11の開放端部には、電池蓋14と、この電池蓋14の内側に設けられた安全弁機構15および熱感抵抗素子(Positive Temperature Coefficient;PTC素子)16とが、封口ガスケット17を介してかしめられることにより取り付けられている。これにより、電池缶11の内部は密閉されている。電池蓋14は、例えば、電池缶11と同様の材料により構成されている。安全弁機構15は、電池蓋14と電気的に接続されており、内部短絡あるいは外部からの加熱などにより電池の内圧が一定以上となった場合に、ディスク板15Aが反転して電池蓋14と巻回型電極体20との電気的接続を切断するようになっている。封口ガスケット17は、例えば、絶縁材料により構成されており、表面にはアスファルトが塗布されている。
巻回型電極体20の中心には、例えばセンターピン24が挿入されている。巻回型電極体20の正極21にはアルミニウム(Al)などよりなる正極リード25が接続されており、負極22にはニッケルなどよりなる負極リード26が接続されている。正極リード25は安全弁機構15に溶接されることにより電池蓋14と電気的に接続されており、負極リード26は電池缶11に溶接され電気的に接続されている。
以下、図2を参照しながら、二次電池を構成する正極21、負極22、セパレータ23、および電解液について順次説明する。
(正極)
正極21は、例えば、正極集電体21Aの両面に正極活物質層21Bが設けられた構造を有している。なお、図示はしないが、正極集電体21Aの片面のみに正極活物質層21Bを設けるようにしてもよい。正極集電体21Aは、例えば、アルミニウム箔、ニッケル箔あるいはステンレス箔などの金属箔により構成されている。正極活物質層21Bは、例えば、電極反応物質であるリチウムを吸蔵および放出することが可能な正極活物質を含んでいる。正極活物質層21Bは、必要に応じて添加剤をさらに含んでいてもよい。添加剤としては、例えば、導電剤およびバインダ(結着剤)のうちの少なくとも1種を用いることができる。
(正極活物質)
リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料としては、例えば、リチウム酸化物、リチウムリン酸化物、リチウム硫化物あるいはリチウムを含む層間化合物などのリチウム含有化合物が適当であり、これらの2種以上を混合して用いてもよい。エネルギー密度を高くするには、リチウムと遷移金属元素と酸素(O)とを含むリチウム含有化合物が好ましい。このようなリチウム含有化合物としては、例えば、式(A)に示した層状岩塩型の構造を有するリチウム複合酸化物、式(B)に示したオリビン型の構造を有するリチウム複合リン酸塩などが挙げられる。リチウム含有化合物としては、遷移金属元素として、コバルト(Co)、ニッケル、マンガン(Mn)および鉄からなる群のうちの少なくとも1種を含むものであればより好ましい。このようなリチウム含有化合物としては、例えば、式(C)、式(D)もしくは式(E)に示した層状岩塩型の構造を有するリチウム複合酸化物、式(F)に示したスピネル型の構造を有するリチウム複合酸化物、または式(G)に示したオリビン型の構造を有するリチウム複合リン酸塩などが挙げられ、具体的には、LiNi0.50Co0.20Mn0.302、LiaCoO2(a≒1)、LibNiO2(b≒1)、Lic1Nic2Co1-c22(c1≒1,0<c2<1)、LidMn24(d≒1)あるいはLieFePO4(e≒1)などがある。
LipNi(1-q-r)MnqM1r(2-y)z ・・・(A)
(但し、式(A)中、M1は、ニッケル、マンガンを除く2族〜15族から選ばれる元素のうち少なくとも一種を示す。Xは、酸素以外の16族元素および17族元素のうち少なくとも1種を示す。p、q、y、zは、0≦p≦1.5、0≦q≦1.0、0≦r≦1.0、−0.10≦y≦0.20、0≦z≦0.2の範囲内の値である。)
LiaM2bPO4 ・・・(B)
(但し、式(B)中、M2は、2族〜15族から選ばれる元素のうち少なくとも一種を示す。a、bは、0≦a≦2.0、0.5≦b≦2.0の範囲内の値である。)
LifMn(1-g-h)NigM3h(2-j)k ・・・(C)
(但し、式(C)中、M3は、コバルト、マグネシウム(Mg)、アルミニウム、ホウ素(B)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、鉄、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ジルコニウム(Zr)、モリブデン(Mo)、スズ(Sn)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)およびタングステン(W)からなる群のうちの少なくとも1種を表す。f、g、h、jおよびkは、0.8≦f≦1.2、0<g<0.5、0≦h≦0.5、g+h<1、−0.1≦j≦0.2、0≦k≦0.1の範囲内の値である。なお、リチウムの組成は充放電の状態によって異なり、fの値は完全放電状態における値を表している。)
LimNi(1-n)M4n(2-p)q ・・・(D)
(但し、式(D)中、M4は、コバルト、マンガン、マグネシウム、アルミニウム、ホウ素、チタン、バナジウム、クロム、鉄、銅、亜鉛、モリブデン、スズ、カルシウム、ストロンチウムおよびタングステンからなる群のうちの少なくとも1種を表す。m、n、pおよびqは、0.8≦m≦1.2、0.005≦n≦0.5、−0.1≦p≦0.2、0≦q≦0.1の範囲内の値である。なお、リチウムの組成は充放電の状態によって異なり、mの値は完全放電状態における値を表している。)
LirCo(1-s)M5s(2-t)u ・・・(E)
(但し、式(E)中、M5は、ニッケル、マンガン、マグネシウム、アルミニウム、ホウ素、チタン、バナジウム、クロム、鉄、銅、亜鉛、モリブデン、スズ、カルシウム、ストロンチウムおよびタングステンからなる群のうちの少なくとも1種を表す。r、s、tおよびuは、0.8≦r≦1.2、0≦s<0.5、−0.1≦t≦0.2、0≦u≦0.1の範囲内の値である。なお、リチウムの組成は充放電の状態によって異なり、rの値は完全放電状態における値を表している。)
LivMn2-wM6wxy ・・・(F)
(但し、式(F)中、M6は、コバルト、ニッケル、マグネシウム、アルミニウム、ホウ素、チタン、バナジウム、クロム、鉄、銅、亜鉛、モリブデン、スズ、カルシウム、ストロンチウムおよびタングステンからなる群のうちの少なくとも1種を表す。v、w、xおよびyは、0.9≦v≦1.1、0≦w≦0.6、3.7≦x≦4.1、0≦y≦0.1の範囲内の値である。なお、リチウムの組成は充放電の状態によって異なり、vの値は完全放電状態における値を表している。)
LizM7PO4 ・・・(G)
(但し、式(G)中、M7は、コバルト、マンガン、鉄、ニッケル、マグネシウム、アルミニウム、ホウ素、チタン、バナジウム、ニオブ(Nb)、銅、亜鉛、モリブデン、カルシウム、ストロンチウム、タングステンおよびジルコニウムからなる群のうちの少なくとも1種を表す。zは、0.9≦z≦1.1の範囲内の値である。なお、リチウムの組成は充放電の状態によって異なり、zの値は完全放電状態における値を表している。)
Niを含むリチウム複合酸化物としては、リチウムとニッケルとコバルトとマンガンと酸素とを含むリチウム複合酸化物(NCM)、リチウムとニッケルとコバルトとアルミニウムと酸素とを含むリチウム複合酸化物(NCA)などを用いてもよい。Niを含むリチウム複合酸化物としては、具体的には、以下の式(H)または式(I)に示したものを用いてもよい。
Liv1Niw1M1’x1z1 ・・・(H)
(式中、0<v1<2、w1+x1≦1、0.2≦w1≦1、0≦x1≦0.7、0<z<3であり、M1’は、コバルト、鉄、マンガン、銅、亜鉛、アルミニウム、クロム、バナジウム、チタン、マグネシウムおよびジルコニウムなどの遷移金属からなる元素を少なくとも1種類以上である。)
Liv2Niw2M2’x2z2 ・・・(I)
(式中、0<v2<2、w2+x2≦1、0.65≦w2≦1、0≦x2≦0.35、0<z2<3であり、M2’は、コバルト、鉄、マンガン、銅、亜鉛、アルミニウム、クロム、バナジウム、チタン、マグネシウムおよびジルコニウムなどの遷移金属からなる元素を少なくとも1種類以上である。)
リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料としては、これらの他にも、MnO2、V25、V613、NiS、MoSなどのリチウムを含まない無機化合物も挙げられる。
リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料は、上記以外のものであってもよい。また、上記で例示した正極材料は、任意の組み合わせで2種以上混合されてもよい。
(バインダ)
バインダとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリアクリロニトリル(PAN)、スチレンブタジエンゴム(SBR)およびカルボキシメチルセルロース(CMC)などの樹脂材料、ならびにこれら樹脂材料を主体とする共重合体などから選択される少なくとも1種が用いられる。
(導電剤)
導電剤としては、例えば、黒鉛、カーボンブラックあるいはケッチェンブラックなどの炭素材料が挙げられ、それらのうちの1種または2種以上が混合して用いられる。また、炭素材料の他にも、導電性を有する材料であれば金属材料あるいは導電性高分子材料などを用いるようにしてもよい。
(負極)
負極22は、例えば、負極集電体22Aの両面に負極活物質層22Bが設けられた構造を有している。なお、図示はしないが、負極集電体22Aの片面のみに負極活物質層22Bを設けるようにしてもよい。負極集電体22Aは、例えば、銅箔、ニッケル箔あるいはステンレス箔などの金属箔により構成されている。
負極活物質層22Bは、リチウムを吸蔵および放出することが可能な1種または2種以上の負極活物質とバインダ(結着剤)とを含んでいる。負極活物質層22Bは、必要に応じて導電剤などの添加剤をさらに含んでいてもよい。
なお、この二次電池では、負極22または負極活物質の電気化学当量が、正極21の電気化学当量よりも大きくなっており、理論上、充電の途中において負極22にリチウム金属が析出しないようになっていることが好ましい。
(負極活物質)
負極活物質は、負極活物質粒子の粉末である。負極活物質としては、例えば、難黒鉛化性炭素、易黒鉛化性炭素、黒鉛、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物焼成体、炭素繊維あるいは活性炭などの炭素材料が挙げられる。このうち、コークス類には、ピッチコークス、ニードルコークスあるいは石油コークスなどがある。有機高分子化合物焼成体というのは、フェノール樹脂やフラン樹脂などの高分子材料を適当な温度で焼成して炭素化したものをいい、一部には難黒鉛化性炭素または易黒鉛化性炭素に分類されるものもある。これら炭素材料は、充放電時に生じる結晶構造の変化が非常に少なく、高い充放電容量を得ることができると共に、良好なサイクル特性を得ることができるので好ましい。特に黒鉛は、電気化学当量が大きく、高いエネルギー密度を得ることができ好ましい。また、難黒鉛化性炭素は、優れたサイクル特性が得られるので好ましい。更にまた、充放電電位が低いもの、具体的には充放電電位がリチウム金属に近いものが、電池の高エネルギー密度化を容易に実現することができるので好ましい。
また、高容量化が可能な他の負極活物質としては、金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を構成元素(例えば、合金、化合物または混合物)として含む材料も挙げられる。このような材料を用いれば、高いエネルギー密度を得ることができるからである。特に、炭素材料と共に用いるようにすれば、高エネルギー密度を得ることができると共に、優れたサイクル特性を得ることができるのでより好ましい。なお、本技術において、合金には2種以上の金属元素からなるものに加えて、1種以上の金属元素と1種以上の半金属元素とを含むものも含める。また、非金属元素を含んでいてもよい。その組織には固溶体、共晶(共融混合物)、金属間化合物あるいはそれらのうちの2種以上が共存するものがある。
このような負極活物質としては、例えば、リチウムと合金を形成することが可能な金属元素または半金属元素が挙げられる。具体的には、マグネシウム、ホウ素、アルミニウム、チタン、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、スズ、鉛(Pb)、ビスマス(Bi)、カドミウム(Cd)、銀(Ag)、亜鉛、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム、イットリウム(Y)、パラジウム(Pd)あるいは白金(Pt)が挙げられる。これらは結晶質のものでもアモルファスのものでもよい。
負極活物質としては、短周期型周期表における4B族の金属元素あるいは半金属元素を構成元素として含むものが好ましく、より好ましいのはケイ素およびスズの少なくとも一方を構成元素として含むものである。ケイ素およびスズは、リチウムを吸蔵および放出する能力が大きく、高いエネルギー密度を得ることができるからである。このような負極活物質としては、例えば、ケイ素の単体、合金または化合物や、スズの単体、合金または化合物や、それらの1種または2種以上の相を少なくとも一部に有する材料が挙げられる。
ケイ素の合金としては、例えば、ケイ素以外の第2の構成元素として、スズ、ニッケル、銅、鉄、コバルト、マンガン、亜鉛、インジウム、銀、チタン、ゲルマニウム、ビスマス、アンチモン(Sb)およびクロムからなる群のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。スズの合金としては、例えば、スズ以外の第2の構成元素として、ケイ素、ニッケル、銅、鉄、コバルト、マンガン、亜鉛、インジウム、銀、チタン、ゲルマニウム、ビスマス、アンチモンおよびクロムからなる群のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。
スズの化合物あるいはケイ素の化合物としては、例えば、酸素あるいは炭素を含むものが挙げられ、スズまたはケイ素に加えて、上述した第2の構成元素を含んでいてもよい。
中でも、Sn系の負極活物質としては、コバルトと、スズと、炭素とを構成元素として含み、炭素の含有量が9.9質量%以上29.7質量%以下であり、かつスズとコバルトとの合計に対するコバルトの割合が30質量%以上70質量%以下であるSnCoC含有材料が好ましい。このような組成範囲において高いエネルギー密度を得ることができると共に、優れたサイクル特性を得ることができるからである。
このSnCoC含有材料は、必要に応じて更に他の構成元素を含んでいてもよい。他の構成元素としては、例えば、ケイ素、鉄、ニッケル、クロム、インジウム、ニオブ、ゲルマニウム、チタン、モリブデン、アルミニウム、リン(P)、ガリウムまたはビスマスが好ましく、2種以上を含んでいてもよい。容量またはサイクル特性を更に向上させることができるからである。
なお、このSnCoC含有材料は、スズと、コバルトと、炭素とを含む相を有しており、この相は結晶性の低いまたは非晶質な構造を有していることが好ましい。また、このSnCoC含有材料では、構成元素である炭素の少なくとも一部が、他の構成元素である金属元素または半金属元素と結合していることが好ましい。サイクル特性の低下はスズなどが凝集あるいは結晶化することによるものであると考えられるが、炭素が他の元素と結合することにより、そのような凝集あるいは結晶化を抑制することができるからである。
元素の結合状態を調べる測定方法としては、例えばX線光電子分光法(XPS)が挙げられる。XPSでは、炭素の1s軌道(C1s)のピークは、グラファイトであれば、金原子の4f軌道(Au4f)のピークが84.0eVに得られるようにエネルギー較正された装置において、284.5eVに現れる。また、表面汚染炭素であれば、284.8eVに現れる。これに対して、炭素元素の電荷密度が高くなる場合、例えば炭素が金属元素または半金属元素と結合している場合には、C1sのピークは、284.5eVよりも低い領域に現れる。すなわち、SnCoC含有材料について得られるC1sの合成波のピークが284.5eVよりも低い領域に現れる場合には、SnCoC含有材料に含まれる炭素の少なくとも一部が他の構成元素である金属元素または半金属元素と結合している。
なお、XPS測定では、スペクトルのエネルギー軸の補正に、例えばC1sのピークを用いる。通常、表面には表面汚染炭素が存在しているので、表面汚染炭素のC1sのピークを284.8eVとし、これをエネルギー基準とする。XPS測定では、C1sのピークの波形は、表面汚染炭素のピークとSnCoC含有材料中の炭素のピークとを含んだ形として得られるので、例えば市販のソフトウエアを用いて解析することにより、表面汚染炭素のピークと、SnCoC含有材料中の炭素のピークとを分離する。波形の解析では、最低束縛エネルギー側に存在する主ピークの位置をエネルギー基準(284.8eV)とする。
その他の負極活物質としては、例えば、リチウムを吸蔵および放出することが可能な金属酸化物または高分子化合物なども挙げられる。金属酸化物としては、例えば、チタン酸リチウム(Li4Ti512)などのチタンとリチウムとを含むリチウムチタン酸化物、酸化鉄、酸化ルテニウムまたは酸化モリブデンなどが挙げられる。高分子化合物としては、例えば、ポリアセチレン、ポリアニリンまたはポリピロールなどが挙げられる。
(バインダ)
バインダは、3次元的な網目状構造(以下単に「網目状構造」という。)を有し、その網目状構造が負極活物質粒子−負極活物質粒子間および負極活物質粒子−負極集電体22A間の空間を埋めるような状態で存在している(図8A参照)。具体的には、バインダは、負極活物質粒子−負極活物質粒子間の空間に網をかけるような状態で存在すると共に、負極活物質粒子−負極集電体22A間の空間に網をかけるような状態で存在している。したがって、第1の実施形態におけるバインダは、負極活物質粒子の表面を覆うように存在している一般的なバインダとは構造が異なっている。
網目状構造を有するバインダは、負極活物質層22B内に存在する空隙全体のうちの一部に存在していてもよいし、上記空隙の全体またはほぼ全体に存在していてもよいが、剥離強度向上の観点からすると、上記空隙の全体またはほぼ全体に存在していることが好ましい。ここで、「空隙」とは、負極活物質粒子−負極活物質粒子間および負極活物質粒子−負極集電体22A間の空間を意味する。
バインダは、水溶性バインダであるカルボキシアルキルセルロースおよびその金属塩のうちの少なくとも1種を含む第1のバインダと、ゴム系バインダであるスチレン・ブタジエンゴム(以下「SBR」という。)およびその誘導体のうちの少なくとも1種を含む第2のバインダとを含んでいる。第1の実施形態では、バインダとして上記の第1、第2のバインダを含むものを用いる場合について説明するが、バインダはこれに限定されるものではなく、網目状構造を形成可能なものであれば、上記以外のバインダを使用してもよい。
カルボキシアルキルセルロースは、例えば、カルボキシメチルセルロース(以下「CMC」という。)、カルボキシプロピルメチルセルロース、カルボキシプロピルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびヒドロキシプロピルエチルセルロースのうちの少なくとも1種を含んでいる。カルボキシアルキルセルロースの金属塩を構成する金属は、例えば、Li、Na、K、Rb、Cs、MgおよびBaのうちの少なくとも1種を含んでいる。
SBRは、分子中にスチレンおよびブタジエン以外の成分を含んでいてもよい。例えば、SBRは、分子中にイソプレンおよびクロロプレンのうちの少なくとも一種を含んでいてもよい。
(平均孔径)
バインダが有する網目状構造の平均孔径は、剥離強度などを向上する観点からすると、好ましくは5nm以上5μm以下、より好ましくは100nm以上5μm以下、更により好ましくは1μm以上3μm以下である。
上記の網目状バインダの平均孔径は、以下のようにして求められる。まず、FIB(Focused Ion Beam)加工などにより、負極22の断面を切り出し、走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope、以下「SEM」という。)により断面像を取得する。この際、SEM像の倍率は、平均孔径が十分な大きさとなるように設定する。次に、取得した断面SEM像から無作為に5個の細孔(ポア)を選び出し、それぞれの細孔において直線距離で最も長くなる細孔の幅を孔径として測定する。続いて、測定した5個の孔径を単純に平均(算術平均)して、平均孔径を算出する。
(第1、第2のバインダの質量比)
第1のバインダと第2のバインダとの質量比(第1のバインダ:第2のバインダ)は、剥離強度などを向上する観点からすると、好ましくは1:99〜90:10、より好ましくは1:99〜40:60、更により好ましくは20:80〜30:70である。上記各質量比の範囲には、上限値および下限値の数値を含むものとする。
上記の第1のバインダと第2のバインダとの質量比は、熱重量分析(TG:Thremogravimetry)により求められる。具体的には、熱重量分析で300℃と390℃の重量減少量から逆算して求められる。
(バインダと負極活物質粒子との質量比)
負極活物質層22Bに含まれるバインダと負極活物質粒子との質量比(バインダ:活物質粒子)は、好ましくは20:80〜0.5:99.5、より好ましくは20:80〜1:99、更により好ましくは15:85〜1:99の範囲内である。上記各質量比の範囲には、上限値および下限値の数値を含むものとする。バインダの割合が上記の質量比20:80を超えて多くなると、電池の内部抵抗が上昇し、出力特性が低下する虞がある。一方、バインダの割合が上記の質量比0.5:99.5よりも少なくなると、負極活物質粒子−負極活物質粒子間および負極活物質粒子−負極集電体22A間の密着性が低下する虞がある。
上記のバインダと負極活物質粒子との質量比は、熱重量分析(TG:Thremogravimetry)により求められる。
(第1のバインダの粘度)
第1のバインダは、剥離強度などを向上する観点からすると、第1のバインダを1質量%含む水溶液とした状態において、好ましくは10mPa・s以上18000mPa・s以下、より好ましくは100mPa・s以上4000mPa・s以下、更により好ましくは1000mPa・s以上4000mPa・s以下の粘度を有する。
上記の第1のバインダの粘度は、以下のようにして求められる。まず、CMCを1質量%含む水溶液(希薄溶液)を調製する。次に、B型粘度計にて25℃における上記水溶液の粘度を測定する。第1のバンダイの粘度は、具体的には、B型粘度計を使用して以下のようにして測定される。まず、任意に測定用のローターを選定したのち、試料測定用の容器を選定する。次に、粘度計の校正に使用する標準溶液を、準備したローターと測定容器にて一定量を注入し測定する。回転数の水準を変化させ、各回転数でのトルクを測定する。測定の室温と標準液の液温は共に25℃とする。そして、一定のシェアレートとなるポイントを定めて装置定数を決定する。次に、第1のバインダを1質量%溶解した水溶液を準備し、25℃で24時間放置後に同じB型粘度計と測定容器にて測定する。回転速度の水準を変化させながらトルクを測定して、標準溶液の装置定数を決定した時と同じシェアレートでのトルクを測定し、装置定数を乗じて第1のバインダの粘度を決定する。
(第2のバインダの平均粒径)
第2のバインダの平均粒子径は、剥離強度などを向上する観点からすると、好ましくは80nm以上500nm以下、より好ましくは100nm以上200nm以下である。
第2のバインダがディスパージョンの状態である場合には、上記平均粒径は、大塚電子株式会社製のファイバー光学動的光散乱光度計(FDLS−3000)を使用して求められる。なお、測定には、希釈濃度が0.01質量%〜1質量%である第2のバインダの含有液を用いる。第2のバインダが負極活物質層22B内に含有されている状態の場合には、第2バインダの平均粒径は、オスミウム染色後、SEMで観察し、画像中の任意の10個の直径の平均(算術平均)をとることにより求められる。
オスミウム染色は、以下のようになされる。まず、四酸化オスミウムと負極22とを密閉ボックスに入れる(50℃、6時間)。次に、四酸化ルテニウムを染色処理する(室温、2時間)。続いて、クロセスクッションポリッシングを行う(5kV、8時間)。
SEMの装置名および測定条件を以下に示す。
FE−SEM Hitachi、S−4800(加速電圧2kV)、反射電子像
(剥離強度)
負極活物質層22Bと負極集電体22Aの剥離強度が、0.1mN/mm以上80mN/mm以下であることが好ましい。剥離強度が0.1mN/mm未満であると、サイクル特性が低下する虞がある。一方、剥離強度が80mN/mmを超えると、負極活物質層22B中におけるバインダの含有量が多くなりすぎ、電池の内部抵抗が上昇する虞がある。上記の剥離強度は、iso29862:2007(JIS Z 0237)に準拠して測定される。
(導電剤)
導電剤としては、正極活物質層21Bと同様の炭素材料などを用いることができる。
(セパレータ)
セパレータ23は、正極21と負極22とを隔離し、両極の接触による電流の短絡を防止しつつ、リチウムイオンを通過させるものである。セパレータ23は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレンあるいはポリエチレンなどの樹脂製の多孔質膜によって構成されており、これらの2種以上の多孔質膜を積層した構造とされていてもよい。中でも、ポリオレフィン製の多孔質膜は短絡防止効果に優れ、かつシャットダウン効果による電池の安全性向上を図ることができるので好ましい。特にポリエチレンは、100℃以上160℃以下の範囲内においてシャットダウン効果を得ることができ、かつ電気化学的安定性にも優れているので、セパレータ23を構成する材料として好ましい。他にも、化学的安定性を備えた樹脂を、ポリエチレンあるいはポリプロピレンと共重合またはブレンド化した材料を用いることができる。あるいは、多孔質膜は、ポリプロピレン層と、ポリエチレン層と、ポリプロピレン層とを順次に積層した3層以上の構造を有していてもよい。
セパレータ23は、基材と、基材の片面または両面に設けられた表面層を備える構成を有していてもよい。表面層は、電気的な絶縁性を有する無機粒子と、無機粒子を基材の表面に結着するとともに、無機粒子同士を結着する樹脂材料とを含んでいる。この樹脂材料は、例えば、フィブリル化し、フィブリルが相互連続的に繋がった三次元的なネットワーク構造を有していてもよい。無機粒子は、この三次元的なネットワーク構造を有する樹脂材料に担持されることにより、互いに連結することなく分散状態を保つことができる。また、樹脂材料はフィブリル化せずに基材の表面や無機粒子同士を結着してもよい。この場合、より高い結着性を得ることができる。上述のように基材の片面または両面に表面層を設けることで、耐酸化性、耐熱性および機械強度を基材に付与することができる。
基材は、多孔性を有する多孔質層である。基材は、より具体的には、イオン透過度が大きく、所定の機械的強度を有する絶縁性の膜から構成される多孔質膜であり、基材の空孔に電解液が保持される。基材は、セパレータの主要部として所定の機械的強度を有する一方で、電解液に対する耐性が高く、反応性が低く、膨張しにくいという特性を要することが好ましい。
基材を構成する樹脂材料は、例えばポリプロピレン若しくはポリエチレンなどのポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリエステル樹脂またはナイロン樹脂などを用いることが好ましい。特に、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状ポリエチレンなどのポリエチレン、若しくはそれらの低分子量ワックス分、またはポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂は溶融温度が適当であり、入手が容易なので好適に用いられる。また、これら2種以上の多孔質膜を積層した構造、もしくは、2種以上の樹脂材料を溶融混練して形成した多孔質膜としてもよい。ポリオレフィン樹脂からなる多孔質膜を含むものは、正極21と負極22との分離性に優れ、内部短絡の低下をいっそう低減することができる。
基材としては、不織布を用いてもよい。不織布を構成する繊維としては、アラミド繊維、ガラス繊維、ポリオレフィン繊維、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維、またはナイロン繊維などを用いることができる。また、これら2種以上の繊維を混合して不織布としてもよい。
無機粒子は、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物および金属硫化物などの少なくとも1種を含んでいる。金属酸化物としては、酸化アルミニウム(アルミナ、Al23)、ベーマイト(水和アルミニウム酸化物)、酸化マグネシウム(マグネシア、MgO)、酸化チタン(チタニア、TiO2)、酸化ジルコニウム(ジルコニア、ZrO2)、酸化ケイ素(シリカ、SiO2)または酸化イットリウム(イットリア、Y23)などを好適に用いることができる。金属窒化物としては、窒化ケイ素(Si34)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化硼素(BN)または窒化チタン(TiN)などを好適に用いることができる。金属炭化物としては、炭化ケイ素(SiC)または炭化ホウ素(B4C)などを好適に用いることができる。金属硫化物としては、硫酸バリウム(BaSO4)などを好適に用いることができる。また、ゼオライト(M2/nO・Al23・xSiO2・yH2O、Mは金属元素、x≧2、y≧0)などの多孔質アルミノケイ酸塩、層状ケイ酸塩、チタン酸バリウム(BaTiO3)またはチタン酸ストロンチウム(SrTiO3)などの鉱物を用いてもよい。中でも、アルミナ、チタニア(特にルチル型構造を有するもの)、シリカまたはマグネシアを用いることが好ましく、アルミナを用いることがより好ましい。無機粒子は耐酸化性および耐熱性を備えており、無機粒子を含有する正極対向側面の表面層は、充電時の正極近傍における酸化環境に対しても強い耐性を有する。無機粒子の形状は特に限定されるものではなく、球状、板状、繊維状、キュービック状およびランダム形状などのいずれも用いることができる。
表面層を構成する樹脂材料としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレンなどの含フッ素樹脂、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体などの含フッ素ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体またはその水素化物、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体またはその水素化物、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体またはその水素化物、メタクリル酸エステル−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体、エチレンプロピレンラバー、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニルなどのゴム類、エチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルイミド、ポリイミド、全芳香族ポリアミド(アラミド)などのポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポリエーテル、アクリル酸樹脂またはポリエステルなどの融点およびガラス転移温度の少なくとも一方が180℃以上の高い耐熱性を有する樹脂などが挙げられる。これら樹脂材料は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。中でも、耐酸化性および柔軟性の観点からは、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素系樹脂が好ましく、耐熱性の観点からは、アラミドまたはポリアミドイミドを含むことが好ましい。
無機粒子の粒径は、1nm〜10μmの範囲内であることが好ましい。1nmより小さいと、入手が困難であり、また入手できたとしてもコスト的に見合わない。一方、10μmより大きいと電極間距離が大きくなり、限られたスペースで活物質充填量が十分得られず電池容量が低くなる。
表面層の形成方法としては、例えば、マトリックス樹脂、溶媒および無機物からなるスラリーを基材(多孔質膜)上に塗布し、マトリックス樹脂の貧溶媒且つ上記溶媒の親溶媒浴中を通過させて相分離させ、その後、乾燥させる方法を用いることができる。
なお、上述した無機粒子は、基材としての多孔質膜に含有されていてもよい。また、表面層が無機粒子を含まず、樹脂材料のみにより構成されていてもよい。
(電解液)
セパレータ23には、液状の電解質である電解液が含浸されている。電解液は、溶媒と、この溶媒に溶解された電解質塩とを含んでいる。電解液が、電池特性を向上するために、公知の添加剤を含んでいてもよい。
溶媒としては、炭酸エチレンあるいは炭酸プロピレンなどの環状の炭酸エステルを用いることができ、炭酸エチレンおよび炭酸プロピレンのうちの一方、特に両方を混合して用いることが好ましい。サイクル特性を向上させることができるからである。
溶媒としては、また、これらの環状の炭酸エステルに加えて、炭酸ジエチル、炭酸ジメチル、炭酸エチルメチルあるいは炭酸メチルプロピルなどの鎖状の炭酸エステルを混合して用いることが好ましい。高いイオン伝導性を得ることができるからである。
溶媒としては、さらにまた、2,4−ジフルオロアニソールあるいは炭酸ビニレンを含むこと好ましい。2,4−ジフルオロアニソールは放電容量を向上させることができ、また、炭酸ビニレンはサイクル特性を向上させることができるからである。よって、これらを混合して用いれば、放電容量およびサイクル特性を向上させることができるので好ましい。
これらの他にも、溶媒としては、炭酸ブチレン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、酢酸メチル、プロピオン酸メチル、アセトニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、3−メトキシプロピロニトリル、N,N−ジメチルフォルムアミド、N−メチルピロリジノン、N−メチルオキサゾリジノン、N,N−ジメチルイミダゾリジノン、ニトロメタン、ニトロエタン、スルホラン、ジメチルスルフォキシドあるいはリン酸トリメチルなどが挙げられる。
なお、これらの非水溶媒の少なくとも一部の水素をフッ素で置換した化合物は、組み合わせる電極の種類によっては、電極反応の可逆性を向上させることができる場合があるので、好ましい場合もある。
電解質塩としては、例えばリチウム塩が挙げられ、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。リチウム塩としては、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiClO4、LiB(C654、LiCH3SO3、LiCF3SO3、LiN(SO2CF32、LiC(SO2CF33、LiAlCl4、LiSiF6、LiCl、ジフルオロ[オキソラト−O,O']ホウ酸リチウム、リチウムビスオキサレートボレート、あるいはLiBrなどが挙げられる。中でも、LiPF6は高いイオン伝導性を得ることができるとともに、サイクル特性を向上させることができるので好ましい。
[電池電圧]
第2の実施形態に係る二次電池では、一対の正極21および負極22当たりの完全充電状態における開回路電圧(すなわち電池電圧)は、4.2V以下でもよいが、好ましくは4.25V以上、より好ましくは4.3V、更により好ましくは4.4V以上になるように設計されていてもよい。電池電圧を高くすることにより、高いエネルギー密度を得ることができる。一対の正極21および負極22当たりの完全充電状態における開回路電圧の上限値は、好ましくは6.00V以下、より好ましくは4.60V以下、さらにより好ましくは4.50V以下である。
[電池の動作]
上述の構成を有する二次電池では、充電を行うと、例えば、正極活物質層21Bからリチウムイオンが放出され、電解液を介して負極活物質層22Bに吸蔵される。また、放電を行うと、例えば、負極活物質層22Bからリチウムイオンが放出され、電解液を介して正極活物質層21Bに吸蔵される。
[電池の製造方法]
次に、本技術の第1の実施形態に係る電池の製造方法の一例について説明する。
(正極の作製工程)
正極を次にようにして作製する。まず、例えば、正極活物質と、導電剤と、バインダとを混合して正極合剤を調製し、この正極合剤をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)などの溶剤に分散させてペースト状の正極合剤スラリーを作製する。次に、この正極合剤スラリーを正極集電体21Aに塗布し乾燥させ、ロールプレス機などにより圧縮成型することにより正極活物質層21Bを形成し、正極21を形成する。
(負極の作製工程)
以下に示す第1、第2の作製工程のいずれかにより、負極22を作製する。なお、負極の作製工程は、バインダに網目状構造を付与できるものであればよく、これらの第1、第2の作製工程に限定されるものではない。
(第1の作製工程)
まず、例えば、負極活物質と、第1のバインダと、第2のバインダとを混合して負極合剤を調製し、この負極合剤を溶剤としての水に分散させてペースト状の負極合剤スラリーを作製する。次に、作製した負極合剤スラリーに気泡を含ませて超音波をかけながら、負極合剤スラリーを負極集電体22Aに塗布する。
上記の気泡を構成する気体は、例えば、窒素、酸素、アルゴン、水素、ヘリウム、空気、炭酸ガス、アセチレン、プロパンおよび二酸化炭素のうちの少なくとも1種を含んでいる。なお、二酸化炭素は、固体状態(すなわちドライアイス)であってもよい。超音波の周波数は、例えば、20kHz以上3mHz以下の範囲内である。
負極合剤スラリーに含まれる気泡の大きさを設定することで、最終的に得られる網目状構造の孔径の大きさをコントロールすることができる。気泡の大きさは、超音波の周波数により変化させることができ、周波数を高くするほど、気泡が小さくなる傾向がある。使用する第1のバインダの分子量や水の量でスラリー粘度を調整することでも網目状構造の孔径をコントロールすることが可能であるが、上記のスラリー粘度の調整による孔径のコントロール範囲は、気泡のサイズの調整による孔径のコントロール範囲ほど大きくはない。したがって、気泡のサイズを主要な制御因子とし、スラリー粘度を補助的な制御因子とすることが好ましい。
続いて、気泡を含む、塗布された負極合剤スラリーを乾燥させて、網目状構造を有するバインダを含む負極活物質層22Bを負極集電体22Aに形成する。その後、負極活物質層22Bをロールプレス機などにより圧縮成型することにより、負極22を作製する。
(第2の作製工程)
まず、第1の作製工程と同様にして、ペースト状の負極合剤スラリーを作製する。次に、作製した負極合剤スラリーを負極集電体22Aに塗布し、塗布された負極合剤スラリーを急速冷凍したちに真空状態にして乾燥する。これにより、網目状構造を有するバインダを含む負極活物質層22Bが負極集電体22Aに形成される。その後、負極活物質層22Bをロールプレス機などにより圧縮成型することにより、負極22を作製する。
急速冷凍の冷凍温度は、例えば、−80℃以上−20℃以下の範囲内である。真空状態の真空度は、例えば、20torr以下の範囲内である。負極合剤スラリーに配合する水の量を調整することにより、網目状構造の孔径のサイズをコントロールすることが可能である。具体的には、水の配合量を多くするほど、負極合剤スラリーの粘度が下がり、気泡が大きくなるため、最終的に得られる網目状構造の孔径が大きくなる。第1のバインダの分子量(粘度)やエーテル化度の調整でも、ある程度、孔径のサイズを制御可能である。
(電池の組み立て工程)
次に、正極集電体21Aに正極リード25を溶接などにより取り付けるとともに、負極集電体22Aに負極リード26を溶接などにより取り付ける。次に、正極21と負極22とをセパレータ23を介して巻回する。次に、正極リード25の先端部を安全弁機構15に溶接するとともに、負極リード26の先端部を電池缶11に溶接して、巻回した正極21および負極22を一対の絶縁板12、13で挟み電池缶11の内部に収納する。次に、正極21および負極22を電池缶11の内部に収納したのち、電解液を電池缶11の内部に注入し、セパレータ23に含浸させる。次に、電池缶11の開口端部に電池蓋14、安全弁機構15および熱感抵抗素子16を封口ガスケット17を介してかしめることにより固定する。これにより、図1に示した電池が得られる。
[効果]
第1の実施形態に係る二次電池では、負極活物質層22Bに含まれるバインダが、網目状構造を有しているので、バインダに対する電解液の含浸性を向上することができる。したがって、バインダによるイオン伝導の阻害を抑制し、電池の内部抵抗の上昇を抑制することができる。よって、充放電効率、電池容量および高出力特性などの電池特性を向上できる。
また、バインダの網目状構造は、負極活物質粒子−負極活物質粒子間の空間および負極活物質粒子−負極集電体22A間の空間を埋めるような状態で存在する。したがって、負極活物質粒子−負極活物質粒子間および負極活物質粒子−負極集電体22A間を点(粒子表面の極一部)ではなく面(粒子表面の広い範囲)で結着できるので、負極活物質粒子−負極活物質粒子間および負極活物質粒子−負極集電体22A間の密着性を向上できる、よって、負極活物質―負極活物質間および負極活物質−負極集電体22A間の剥離強度を向上することができる。
近年では、負極活物質層は高体積密度化が進んでいる。負極活物質層の体積当たりの容量を上げてそれを用いる二次電池の体積あたりの容量を上げるためである。さらにより小型で高容量の二次電池を実現するために、最近では負極活物質として、炭素系材料よりも充放電容量の大きいケイ素、ケイ素化合物、ケイ素と炭素材料との混合物、またはケイ素化合物と炭素材料との混合物などが用いられるようになってきている。しかし、ケイ素やケイ素化合物は、炭素材料に比べて充放電に伴う活物質の体積変化が大きく、そのため負極活物質粒子−負極活物質粒子間および負極活物質粒子−負極集電体間の密着強度がサイクルの進行と共に弱まってしまい、サイクル特性が低下してしまう。
これに対して、第1の実施形態に係る電池では、負極活物質層22Bに含まれるバインダが網目状構造を有するので、上記のケイ素系の負極活物質を用いた場合でも、サイクルの進行に伴う負極活物質粒子−負極活物質粒子間および負極活物質粒子−負極集電体22A間の密着強度の低下を抑制できる。したがって、上記のケイ素系の負極活物質を用いた場合にも、サイクル特性の低下を抑制できる。
<2.第2の実施形態>
[電池の構成]
図3は、本技術の第2の実施形態に係る二次電池の一構成例を示す分解斜視図である。この二次電池はいわゆる扁平型または角型といわれるものであり、正極リード31および負極リード32が取り付けられた巻回型電極体30をフィルム状の外装部材40の内部に収容したものであり、小型化、軽量化および薄型化が可能となっている。
正極リード31および負極リード32は、それぞれ、外装部材40の内部から外部に向かい例えば同一方向に導出されている。正極リード31および負極リード32は、例えば、アルミニウム、銅、ニッケルあるいはステンレスなどの金属材料によりそれぞれ構成されており、それぞれ薄板状または網目状とされている。
外装部材40は、例えば、ナイロンフィルム、アルミニウム箔およびポリエチレンフィルムをこの順に貼り合わせた矩形状のアルミラミネートフィルムにより構成されている。外装部材40は、例えば、ポリエチレンフィルム側と巻回型電極体30とが対向するように配設されており、各外縁部が融着あるいは接着剤により互いに密着されている。外装部材40と正極リード31および負極リード32との間には、外気の侵入を防止するための密着フィルム41が挿入されている。密着フィルム41は、正極リード31および負極リード32に対して密着性を有する材料、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリエチレンまたは変性ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂により構成されている。
なお、外装部材40は、上述したアルミラミネートフィルムに代えて、他の構造を有するラミネートフィルム、ポリプロピレンなどの高分子フィルムまたは金属フィルムにより構成するようにしてもよい。あるいは、アルミニウム製フィルムを心材として、その片面または両面に高分子フィルムを積層したラミネートフィルムを用いても良い。
図4は、図3に示した巻回型電極体30のIV−IV線に沿った断面図である。巻回型電極体30は、正極33と負極34とをセパレータ35および電解質層36を介して積層し、巻回したものであり、最外周部は保護テープ37により保護されている。
正極33は、正極集電体33Aの片面あるいは両面に正極活物質層33Bが設けられた構造を有している。負極34は、負極集電体34Aの片面あるいは両面に負極活物質層34Bが設けられた構造を有しており、負極活物質層34Bと正極活物質層33Bとが対向するように配置されている。正極集電体33A、正極活物質層33B、負極集電体34A、負極活物質層34Bおよびセパレータ35の構成は、それぞれ第1の実施形態における正極集電体21A、正極活物質層21B、負極集電体22A、負極活物質層22Bおよびセパレータ23と同様である。
電解質層36は、電解液と、この電解液を保持する保持体となる高分子化合物とを含み、いわゆるゲル状となっている。ゲル状の電解質層36は高いイオン伝導率を得ることができると共に、電池の漏液を防止することができるので好ましい。電解液は、第1の実施形態に係る電解液である。高分子化合物としては、例えば、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリフォスファゼン、ポリシロキサン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、スチレン−ブタジエンゴム、ニトリル−ブタジエンゴム、ポリスチレンまたはポリカーボネートが挙げられる。特に電気化学的な安定性の点からはポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリヘキサフルオロプロピレンあるいはポリエチレンオキサイドが好ましい。
なお、第2の実施形態にてセパレータ23の樹脂層の説明で述べた無機物と同様の無機物が、ゲル状の電解質層36に含まれていても良い。より耐熱性を向上できるからである。また、電解質層36に代えて電解液を用いるようにしてもよい。
[電池の製造方法]
次に、本技術の第2の実施形態に係る二次電池の製造方法の一例について説明する。
まず、正極33および負極34のそれぞれに、溶媒と、電解質塩と、高分子化合物と、混合溶剤とを含む前駆溶液を塗布し、混合溶剤を揮発させて電解質層36を形成する。次に、正極集電体33Aの端部に正極リード31を溶接により取り付けると共に、負極集電体34Aの端部に負極リード32を溶接により取り付ける。次に、電解質層36が形成された正極33と負極34とをセパレータ35を介して積層し積層体としたのち、この積層体をその長手方向に巻回して、最外周部に保護テープ37を接着して巻回型電極体30を形成する。最後に、例えば、外装部材40の間に巻回型電極体30を挟み込み、外装部材40の外縁部同士を熱融着などにより密着させて封入する。その際、正極リード31および負極リード32と外装部材40との間には密着フィルム41を挿入する。これにより、図4および図4に示した二次電池が得られる。
また、この二次電池は、次のようにして作製してもよい。まず、上述のようにして正極33および負極34を作製し、正極33および負極34に正極リード31および負極リード32を取り付ける。次に、正極33と負極34とをセパレータ35を介して積層して巻回し、最外周部に保護テープ37を接着して、巻回体を形成する。次に、この巻回体を外装部材40に挟み、一辺を除く外周縁部を熱融着して袋状とし、外装部材40の内部に収納する。次に、溶媒と、電解質塩と、高分子化合物の原料であるモノマーと、重合開始剤と、必要に応じて重合禁止剤などの他の材料とを含む電解質用組成物を用意し、外装部材40の内部に注入する。
次に、電解質用組成物を外装部材40内に注入したのち、外装部材40の開口部を真空雰囲気下で熱融着して密封する。次に、熱を加えてモノマーを重合させて高分子化合物とすることによりゲル状の電解質層36を形成する。以上により、図4に示した二次電池が得られる。
<4 応用例1>
「応用例としての電池パックおよび電子機器」
応用例1では、第1または第2の実施形態に係る電池を備える電池パックおよび電子機器について説明する。
[電池パックおよび電子機器の構成]
以下、図5を参照して、応用例としての電池パック300および電子機器400の一構成例について説明する。電子機器400は、電子機器本体の電子回路401と、電池パック300とを備える。電池パック300は、正極端子331aおよび負極端子331bを介して電子回路401に対して電気的に接続されている。電子機器400は、例えば、ユーザにより電池パック300を着脱自在な構成を有している。なお、電子機器400の構成はこれに限定されるものではなく、ユーザにより電池パック300を電子機器400から取り外しできないように、電池パック300が電子機器400内に内蔵されている構成を有していてもよい。
電池パック300の充電時には、電池パック300の正極端子331a、負極端子331bがそれぞれ、充電器(図示せず)の正極端子、負極端子に接続される。一方、電池パック300の放電時(電子機器400の使用時)には、電池パック300の正極端子331a、負極端子331bがそれぞれ、電子回路401の正極端子、負極端子に接続される。
電子機器400としては、例えば、ノート型パーソナルコンピュータ、タブレット型コンピュータ、携帯電話(例えばスマートフォン等)、携帯情報端末(Personal Digital Assistants:PDA)、表示装置(LCD、ELディスプレイ、電子ペーパ等)、撮像装置(例えばデジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ等)、オーディオ機器(例えばポータブルオーディオプレイヤー)、ゲーム機器、コードレスフォン子機、電子書籍、電子辞書、ラジオ、ヘッドホン、ナビゲーションシステム、メモリーカード、ペースメーカー、補聴器、電動工具、電気シェーバー、冷蔵庫、エアコン、テレビ、ステレオ、温水器、電子レンジ、食器洗い器、洗濯機、乾燥器、照明機器、玩具、医療機器、ロボット、ロードコンディショナー、信号機等が挙げられるが、これに限定されるものでなない。
(電子回路)
電子回路401は、例えば、CPU、周辺ロジック部、インターフェース部および記憶部等を備え、電子機器400の全体を制御する。
(電池パック)
電池パック300は、組電池301と、充放電回路302とを備える。組電池301は、複数の二次電池301aを直列および/または並列に接続して構成されている。複数の二次電池301aは、例えばn並列m直列(n、mは正の整数)に接続される。なお、図5では、6つの二次電池301aが2並列3直列(2P3S)に接続された例が示されている。二次電池301aとしては、第1または第2の実施形態に係る電池が用いられる。
ここでは、電池パック300が、複数の二次電池301aにより構成される組電池301を備える場合について説明するが、電池パック300が、組電池301に代えて1つの二次電池301aを備える構成を採用してもよい。
充放電回路302は、組電池301の充放電を制御する制御部である。具体的には、充電時には、充放電回路302は、組電池301に対する充電を制御する。一方、放電時(すなわち電子機器400の使用時)には、充放電回路302は、電子機器400に対する放電を制御する。
<5.応用例2>
応用例2では、第1または第2の実施形態に係る電池を備える車両用の蓄電システムについて説明する。
「応用例としての車両における蓄電システム」
本開示を車両用の蓄電システムに適用した例について、図6を参照して説明する。図6に、本開示が適用されるシリーズハイブリッドシステムを採用するハイブリッド車両の構成の一例を概略的に示す。シリーズハイブリッドシステムはエンジンで動かす発電機で発電された電力、あるいはそれをバッテリーに一旦貯めておいた電力を用いて、電力駆動力変換装置で走行する車である。
このハイブリッド車両7200には、エンジン7201、発電機7202、電力駆動力変換装置7203、駆動輪7204a、駆動輪7204b、車輪7205a、車輪7205b、バッテリー7208、車両制御装置7209、各種センサ7210、充電口7211が搭載されている。バッテリー7208に対して、上述した本開示の蓄電装置が適用される。
ハイブリッド車両7200は、電力駆動力変換装置7203を動力源として走行する。電力駆動力変換装置7203の一例は、モータである。バッテリー7208の電力によって電力駆動力変換装置7203が作動し、この電力駆動力変換装置7203の回転力が駆動輪7204a、7204bに伝達される。なお、必要な個所に直流−交流(DC−AC)あるいは逆変換(AC−DC変換)を用いることによって、電力駆動力変換装置7203が交流モータでも直流モータでも適用可能である。各種センサ7210は、車両制御装置7209を介してエンジン回転数を制御したり、図示しないスロットルバルブの開度(スロットル開度)を制御したりする。各種センサ7210には、速度センサ、加速度センサ、エンジン回転数センサなどが含まれる。
エンジン7201の回転力は発電機7202に伝えられ、その回転力によって発電機7202により生成された電力をバッテリー7208に蓄積することが可能である。
図示しない制動機構によりハイブリッド車両が減速すると、その減速時の抵抗力が電力駆動力変換装置7203に回転力として加わり、この回転力によって電力駆動力変換装置7203により生成された回生電力がバッテリー7208に蓄積される。
バッテリー7208は、ハイブリッド車両の外部の電源に接続されることで、その外部電源から充電口211を入力口として電力供給を受け、受けた電力を蓄積することも可能である。
図示しないが、二次電池に関する情報に基いて車両制御に関する情報処理を行なう情報処理装置を備えていても良い。このような情報処理装置としては、例えば、電池の残量に関する情報に基づき、電池残量表示を行う情報処理装置などがある。
なお、以上は、エンジンで動かす発電機で発電された電力、或いはそれをバッテリーに一旦貯めておいた電力を用いて、モーターで走行するシリーズハイブリッド車を例として説明した。しかしながら、エンジンとモーターの出力がいずれも駆動源とし、エンジンのみで走行、モーターのみで走行、エンジンとモーター走行という3つの方式を適宜切り替えて使用するパラレルハイブリッド車に対しても本開示は有効に適用可能である。さらに、エンジンを用いず駆動モータのみによる駆動で走行する所謂、電動車両に対しても本開示は有効に適用可能である。
以上、本開示に係る技術が適用され得るハイブリッド車両7200の一例について説明した。本開示に係る技術は、以上説明した構成のうち、バッテリー7208に好適に適用され得る。
<6.応用例3>
応用例3では、第1または第2の実施形態に係る電池を備える住宅用の蓄電システムについて説明する。
「応用例としての住宅における蓄電システム」
本開示を住宅用の蓄電システムに適用した例について、図7を参照して説明する。例えば住宅9001用の蓄電システム9100においては、火力発電9002a、原子力発電9002b、水力発電9002c等の集中型電力系統9002から電力網9009、情報網9012、スマートメータ9007、パワーハブ9008等を介し、電力が蓄電装置9003に供給される。これと共に、家庭内発電装置9004等の独立電源から電力が蓄電装置9003に供給される。蓄電装置9003に供給された電力が蓄電される。蓄電装置9003を使用して、住宅9001で使用する電力が給電される。住宅9001に限らずビルに関しても同様の蓄電システムを使用できる。
住宅9001には、発電装置9004、電力消費装置9005、蓄電装置9003、各装置を制御する制御装置9010、スマートメータ9007、各種情報を取得するセンサー9011が設けられている。各装置は、電力網9009および情報網9012によって接続されている。発電装置9004として、太陽電池、燃料電池等が利用され、発電した電力が電力消費装置9005および/または蓄電装置9003に供給される。電力消費装置9005は、冷蔵庫9005a、空調装置9005b、テレビジョン受信機9005c、風呂9005d等である。さらに、電力消費装置9005には、電動車両9006が含まれる。電動車両9006は、電気自動車9006a、ハイブリッドカー9006b、電気バイク9006cである。
蓄電装置9003に対して、上述した本開示のバッテリユニットが適用される。蓄電装置9003は、二次電池又はキャパシタから構成されている。例えば、リチウムイオン電池によって構成されている。リチウムイオン電池は、定置型であっても、電動車両9006で使用されるものでも良い。スマートメータ9007は、商用電力の使用量を測定し、測定された使用量を、電力会社に送信する機能を備えている。電力網9009は、直流給電、交流給電、非接触給電の何れか一つまたは複数を組み合わせても良い。
各種のセンサー9011は、例えば人感センサー、照度センサー、物体検知センサー、消費電力センサー、振動センサー、接触センサー、温度センサー、赤外線センサー等である。各種センサー9011により取得された情報は、制御装置9010に送信される。センサー9011からの情報によって、気象の状態、人の状態等が把握されて電力消費装置9005を自動的に制御してエネルギー消費を最小とすることができる。さらに、制御装置9010は、住宅9001に関する情報をインターネットを介して外部の電力会社等に送信することができる。
パワーハブ9008によって、電力線の分岐、直流交流変換等の処理がなされる。制御装置9010と接続される情報網9012の通信方式としては、UART(Universal Asynchronous Receiver-Transmitter:非同期シリアル通信用送受信回路)等の通信インターフェースを使う方法、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)、Wi−Fi等の無線通信規格によるセンサーネットワークを利用する方法がある。Bluetooth(登録商標)方式は、マルチメディア通信に適用され、一対多接続の通信を行うことができる。ZigBee(登録商標)は、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers) 802.15.4の物理層を使用するものである。IEEE802.15.4は、PAN(Personal Area Network) またはW(Wireless)PANと呼ばれる短距離無線ネットワーク規格の名称である。
制御装置9010は、外部のサーバ9013と接続されている。このサーバ9013は、住宅9001、電力会社、サービスプロバイダーの何れかによって管理されていても良い。サーバ9013が送受信する情報は、たとえば、消費電力情報、生活パターン情報、電力料金、天気情報、天災情報、電力取引に関する情報である。これらの情報は、家庭内の電力消費装置(たとえばテレビジョン受信機)から送受信しても良いが、家庭外の装置(たとえば、携帯電話機等)から送受信しても良い。これらの情報は、表示機能を持つ機器、たとえば、テレビジョン受信機、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistants)等に、表示されても良い。
各部を制御する制御装置9010は、CPU(Central Processing Unit )、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等で構成され、この例では、蓄電装置9003に格納されている。制御装置9010は、蓄電装置9003、家庭内発電装置9004、電力消費装置9005、各種センサー9011、サーバ9013と情報網9012により接続され、例えば、商用電力の使用量と、発電量とを調整する機能を有している。なお、その他にも、電力市場で電力取引を行う機能等を備えていても良い。
以上のように、電力が火力9002a、原子力9002b、水力9002c等の集中型電力系統9002のみならず、家庭内発電装置9004(太陽光発電、風力発電)の発電電力を蓄電装置9003に蓄えることができる。したがって、家庭内発電装置9004の発電電力が変動しても、外部に送出する電力量を一定にしたり、または、必要なだけ放電するといった制御を行うことができる。例えば、太陽光発電で得られた電力を蓄電装置9003に蓄えると共に、夜間は料金が安い深夜電力を蓄電装置9003に蓄え、昼間の料金が高い時間帯に蓄電装置9003によって蓄電した電力を放電して利用するといった使い方もできる。
なお、この例では、制御装置9010が蓄電装置9003内に格納される例を説明したが、スマートメータ9007内に格納されても良いし、単独で構成されていても良い。さらに、蓄電システム9100は、集合住宅における複数の家庭を対象として用いられてもよいし、複数の戸建て住宅を対象として用いられてもよい。
以上、本開示に係る技術が適用され得る蓄電システム9100の一例について説明した。本開示に係る技術は、以上説明した構成のうち、蓄電装置9003が有する二次電池に好適に適用され得る。
以下、実施例により本技術を具体的に説明するが、本技術はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
本実施例において、バインダの網目状構造の平均孔径、CMCの粘度およびSBRの平均粒子径は、上述の第1の実施形態にて説明した測定方法により求められた値である。
<バインダを網目状構造とした実施例、バインダを通常の構造とした比較例>
[実施例1]
負極を次のようにして作製した。まず、負極活物質として黒鉛粉末98質量部と、バインダ2質量部とを混合して、負極合剤とした。バインダとしては、CMC(第1のバインダ)とSBR(第2のバインダ)とをCMC:SBR=1.3:2.0の質量比で混合したものを用いた。次に、溶剤としての水に負極合剤を分散させて、ペースト状の負極合剤スラリーを調製した。次に、調製した負極合剤スラリーに空気を気泡として含ませて超音波をかけながら、負極合剤スラリーを帯状の銅箔(負極集電体)の片面に塗布した。この際、超音波の周波数は500kHzに設定した。その後、塗布した負極合剤スラリーを乾燥させて、負極活物質層の面積密度が10mg/cm2の負極活物質層を形成した。最後に、ロールプレス機を用いて負極活物質層を圧縮成型することにより、負極活物質層の体積密度密が1.65g/cm3である負極を得た。
[比較例1]
負極合剤スラリーに気泡を含ませず、また超音波もかけることなく、調製したスラリーをそのままの状態で帯状の銅箔の片面に塗布すること以外は実施例1と同様にして負極を得た。
[評価]
上述の負極の作製工程におけるプレス前の負極および、上述の負極作製工程により得られた負極について以下の評価を実施した。
(SEM観察)
スラリー乾燥工程後、プレス工程前において負極の断面を切り出し、SEMにより断面を観察した。
(初回放電容量、初回充放電効率)
負極を作用極とし、Li金属を対極とする充放電効率測定用の化学セル(コインセル)を作製し、以下の充放電条件により充放電し、初回充電容量および初回放電容量を測定した。
充電:0.1C、0V、1/300Cut
放電:0.1C、0.8V、1/300Cut
なお、「0.1C」とは、電池容量(理論容量)を10時間で充電または放電しきる電流値である。
次に、以下の式により充放電効率を求めた。
初回充放電効率(%)=((初回放電容量)/(初回充電容量))×100
(Li受け入れ性試験)
上記の評価と同様にして化学セル(コインセル)を作製し、以下の充電条件により充電し、Li受け入れ性を試験した。
充電:1.5C、0V、容量の90%Cut
なお、「1.5C」とは、電池容量(理論容量)をおよそ0.67時間で充電または放電しきる電流値である。
[結果]
図8A、図8Bにそれぞれ、実施例1、比較例1のプレス前の負極の断面SEM像を示す。図8Aから、プレス前の負極活物質層中にてバインダが網目状構造を有し、その網目状構造が負極活物質粒子間の空間を埋めるように存在していることがわかる。一方、図8Bから、プレス前の負極活物質層中にてバインダが網目状構造を有しておらず、負極活物質粒子の表面を覆うようにして存在していることがわかる。なお、プレス後においても、バインダの網目構造は保持される。
図9A、図9Bにそれぞれ、実施例1、比較例1の初回放電容量、初回充放電効率の評価結果を示す。図9A、図9Bから、バインダが網目状構造を有する実施例1の負極は、バインダが網目状構造を有さない比較例1の負極に比べて、初回放電容量、初回充放電効率が向上しているこがわかる。
図9Cに、Li受け入れ性試験の結果を示す。図9Cから、バインダが網目状構造を有する実施例1の負極は、バインダが網目状構造を有さない比較例1の負極に比べて、リチウム受け入れ性が改善し、過電圧が低減しているこがわかる。この過電圧の低減は、バインダが網目状構造を有するため、負極活物質粒子の表面のバンダ被覆量が減少し、イオン伝導の阻害が抑制され、電池の内部抵抗が低くなったためと考えられる。
<網目状バインダの平均孔径を変化させた実施例、比較例>
[実施例2−1〜2−8]
(負極の製作工程)
負極を次のようにして作製した。まず、負極活物質として黒鉛粉末98質量部と、バインダ2質量部とを混合して、負極合剤とした。バインダとしては、CMC(第1のバインダ)とSBR(第2のバインダ)とをCMC:SBR=30:70の質量比で混合したものを用いた。次に、溶剤としての水に負極合剤を分散させて、ペースト状の負極合剤スラリーを調製した。次に、調製した負極合剤スラリーに空気を気泡として含ませて超音波をかけながら、負極合剤スラリーを帯状の銅箔(負極集電体)の両面に塗布した。この際、超音波の周波数は20kHz〜3mHzの範囲内でサンプル毎に変化させて、負極合剤スラリーに含まれる気泡のサイズをサンプル毎に変化させた。次に、塗布した負極合剤スラリーを乾燥させて、負極活物質の面積密度が5mg/cm2の負極活物質層を形成した。最後に、ロールプレス機を用いて負極活物質層を圧縮成型することにより、負極活物質層の体積密度が1.70g/cm3であり、かつ、負極活物質層に含まれる網目状構造のバインダの平均孔径が0.5nm以上8000nm以下の範囲(表1参照)である負極を得た。
[比較例2−1]
負極合剤スラリーに気泡を含ませず、また超音波もかけることなく、調製したスラリーをそのままの状態で帯状の銅箔の両面に塗布すること以外は実施例2−1と同様にして負極を得た。
<CMCとSBRとの質量比を変化させた実施例、比較例>
[実施例3−1〜3−8、比較例3−1]
CMCとSBRとの質量比を100:0〜0:100の範囲内でサンプル毎に変化させた(表2参照)。また、最終的に得られる網目状構造の平均孔径が500nmとなるように、負極合剤スラリーに含まれる気泡のサイズを調整した。これ以外ことは実施例2−1と同様にして負極を得た。
[比較例3−2]
負極合剤スラリーに気泡を含ませず、また超音波もかけることなく、調製したスラリーをそのままの状態で帯状の銅箔の両面に塗布すること以外は比較例3−1と同様にして負極を得た。
<CMCの粘度を変化させた実施例、比較例>
[実施例4−1〜4−6、比較例4−1]
CMCの粘度を1mPa・s以上25000mPa・s以下の範囲内でサンプル毎に変化させた(表3参照)。また、最終的に得られる網目状構造の平均孔径が1100nmとなるように、負極合剤スラリーに含まれる気泡のサイズを調整した。これ以外ことは実施例2−1と同様にして負極を得た。
[比較例4−2]
負極合剤スラリーに気泡を含ませず、また超音波もかけることなく、調製したスラリーをそのままの状態で帯状の銅箔の両面に塗布すること以外は実施例4−5と同様にして負極を得た。
<SBRの平均粒子径を変化させた実施例、比較例>
[実施例5−1〜5−6]
SBRの平均粒子径を50nm以上1000nm以下の範囲内でサンプル毎に変化させた(表4参照)。また、最終的に得られる網目状構造の平均孔径が900nmとなるように、負極合剤スラリーに含まれる気泡のサイズを調整した。これ以外ことは実施例2−1と同様にして負極を得た。
[比較例5−1]
負極合剤スラリーに気泡を含ませず、また超音波もかけることなく、調製したスラリーをそのままの状態で帯状の銅箔の両面に塗布すること以外は実施例5−4と同様にして負極を得た。
<負極活物質層に含まれるバインダと負極活物質の質量比を変化させた実施例、比較例>
[実施例6−1〜6−10]
負極活物質層に含まれるバインダと負極活物質の質量比を25:75〜0.4:99.6の範囲内でサンプル毎に変化させた(表5参照)。また、最終的に得られる網目状構造の平均孔径が1000nmとなるように、負極合剤スラリーに含まれる気泡のサイズを調整した。これ以外のことは実施例2−1と同様にして負極を得た。
[実施例6−11]
表5に示すように、気泡の平均孔径を8000nmとすることで剥離強度を調整すること以外は実施例6−10と同様にして負極を得た。
[比較例6−1〜6−2]
負極合剤スラリーに気泡を含ませず、また超音波もかけることなく、調製した負極合剤スラリーをそのままの状態で帯状の銅箔の両面に塗布すること以外は実施例6−3および実施例6−9と同様にして負極を得た。
[評価]
上述のようにして得られた負極に対して以下の評価を行った。
(SEM観察)
負極の断面を切り出したのち、SEMにより断面を観察し、網目状構造の有無を確認した。
(集電体―活物質層間剥離強度)
負極に剥離強度試験用テープを貼り、iso29862:2007(JIS Z 0237)に準拠して180°剥離強度を測定した。
(充放電効率)
まず、負極活物質層が負極集電体の片面にのみ形成されている点以外では上記の各実施例および比較例と同様の構成を有する負極を別途作製した。この負極を作用極とし、Li金属を対極とする充放電効率測定用の化学セル(コインセル)を作製し、以下の充放電条件により、初回充電容量および初回放電容量を測定した。
充電:0.1C、0V、1/300Cut
放電:0.1C、0.8V、1/300Cut
なお、「0.1C」とは、電池容量(理論容量)を10時間で充電または放電しきる電流値である。
次に、以下の式により充放電効率を求めた。
初回充放電効率(%)=((初回放電容量)/(初回充電容量))×100
[二次電池の評価]
まず、上述のようにして得られた負極を用いて、評価用の二次電池を次のようにして作製した。
(正極の作製工程)
正極を次にようにして作製した。まず、炭酸リチウム(Li2CO3)と炭酸コバルト(CoCO3)とを0.5:1のモル比で混合したのち、空気中において900℃で5時間焼成することにより、正極活物質としてリチウムコバルト複合酸化物(LiCoO2)を得た。次に、上述のようにして得られたリチウムコバルト複合酸化物91質量部と、導電剤としてグラファイト6質量部と、バインダとしてポリフッ化ビニリデン3質量部とを混合することにより正極合剤としたのち、N−メチル−2−ピロリドンに分散させることにより、ペースト状の正極合剤スラリーとした。次に、帯状のアルミニウム箔(12μm厚)からなる正極集電体の両面に正極合剤スラリーを塗布して乾燥させたのち、ロールプレス機で圧縮成型することにより、正極活物質層を形成した。
(電池の組み立て工程)
電池を次のようにして組み立てた。まず、上述のようにして得られた正極と負極とを厚み23μmの微多孔性ポリエチレン延伸フィルムよりなるセパレータを介して、負極、セパレータ、正極、セパレータの順に積層し、多数回巻回することにより、発電素子としてジェリーロール型の巻回電極体を得た。
次に、巻回電極体の中心孔にセンターピンを挿入し、巻回電極体を一対の絶縁板で挟み、負極リードを電池缶に溶接すると共に、正極リードを安全弁機構に溶接して、巻回電極体を電池缶の内部に収納した。次に、エチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートとを1:1の体積比で混合した溶媒に、電解質塩としてLiPF6を1mol/dm3の濃度になるように溶解して非水電解液を調製した。
最後に、上述の巻回電極体が収容された電池缶内に、電解液を注入した後、絶縁封口ガスケットを介して電池缶をかしめることにより、安全弁、PTC素子および電池蓋を固定し、外径(直径)18mm、高さ65mmの円筒型の二次電池を作製した。
(高出力特性)
まず、上述のようにして作製した二次電池を以下の充放電条件にて充放電して、低負荷放電容量を求めた。
充電条件:0.7C、4.2V、容量1/40cut
放電条件、0.5C、3Vcut
次に、二次電池を以下の充放電条件にて充放電して、高負荷放電容量を求めた。
充電条件:0.7C、4.2V、容量1/40cut
放電条件、5C、3Vcut
なお、「0.7C」とは、電池容量(理論容量)をおよそ1.43時間で充電または放電しきる電流値である。「0.5C」とは、電池容量(理論容量)を2時間で充電または放電しきる電流値である。「5C」とは、電池容量(理論容量)を0.2時間で充電または放電しきる電流値である。なお、「5C」は、「0.5C」の10倍の電流値を表す。
続いて、以下の式から出力特性を求めた。
出力特性=(高負荷放電容量)/(低負荷放電容量)
(サイクル特性)
まず、上述のようにして作製した二次電池を以下の充放電条件にて1000サイクル充放電して、10サイクル目の放電容量および1000サイクル目の放電容量を求めた。
充電条件:0.7C、4.2V、容量1/40cut
放電条件:1C、3Vcut
なお、「1C」とは、電池容量(理論容量)を1時間で充電または放電しきる電流値である。
次に、以下の式から容量維持率を求めた。
容量維持率(%)=((1000サイクル後の容量)/(10サイクル後の容量))×100
<網目状バインダの平均孔径を変化させた実施例、比較例の評価結果>
Figure 0006973407
表1中において「網目」とは、バインダが網目状構造を有し、その網目状構造が活物質粒子−活物質粒子間および活物質粒子−集電体間の空間を埋めるような状態で存在することを意味する。なお、以下の表2〜表5中において「網目」もそれぞれ、上記と同様の状態を意味する。
表1から以下のことがわかる。バインダが網目状構造を有し、その網目状構造が活物質粒子−活物質粒子間および活物質粒子−集電体間の空間を埋めるような状態で存在することで、バインダの添加量を増加させることなく、負極活物質層の剥離強度を向上することができる。したがって、高サイクル特性を得ることができる。剥離強度を向上する観点(すなわちサイクル特性を向上する観点)からすると、網目状バインダの平均孔径は、好ましくは5nm以上5μm以下、より好ましくは100nm以上5μm以下、更により好ましくは1μm以上3μm以下である。
また、上記のように状態でバインダが存在することで、負極活物質粒子の表面のバンダ被覆量が減少するため、出力特性が向上する。出力特性を向上する観点からすると、網目状バインダの平均孔径は、好ましくは5nm以上5μm以下である。
<CMCとSBRとの質量比を変化させた実施例、比較例の評価結果>
Figure 0006973407
表2中において、「マイクロバブル処理」とは、負極合剤スラリーに気泡を含ませて超音波をかける処理のことを意味する。
表2から以下のことがわかる。CMCとSBRとの質量比は、剥離強度を向上する観点(すなわちサイクル特性を向上する観点)からすると、好ましくは1:99〜90:10、より好ましくは1:99〜40:60、更により好ましくは20:80〜30:70である。また、出力特性を向上する観点からすると、CMCとSBRとの質量比は、好ましくは1:99〜90:10である。
バインダとしてSBRのみを用いた場合には、負極合剤スラリーに気泡を含ませて超音波をかけても、網目状構造が形成されない。したがって、網目状構造を形成するためには、CMCとSBRとを組み合わせることが必要である。
<CMCの粘度を変化させた実施例、比較例の評価結果>
Figure 0006973407
表3から以下のことがわかる。剥離強度を向上する観点(すなわちサイクル特性を向上する観点)からすると、CMCを1質量%含む水溶液の粘度は、好ましくは10mPa・s以上18000mPa・s以下、より好ましくは100mPa・s以上4000mPa・s以下、更により好ましくは1000mPa・s以上4000mPa・s以下である。また、CMCを1質量%含む水溶液の粘度は、出力特性を向上する観点からすると、好ましくは10mPa・s以上18000mPa・s以下である。
<SBRの平均粒子径を変化させた実施例、比較例の評価結果>
Figure 0006973407
表4から以下のことがわかる。SBRの平均粒子径は、剥離強度を向上する観点(すなわちサイクル特性を向上する観点)からすると、好ましくは80nm以上500nm以下、より好ましくは100nm以上200nm以下である。また、出力特性を向上する観点からすると、SBRの平均粒子径は、好ましくは80nm以上500nm以下である。
<負極活物質層に含まれるバインダと負極活物質の質量比を変化させた実施例、比較例の評価結果>
Figure 0006973407
なお、表5に比較例6−1の評価結果が記載されていないのは、比較例6−1では剥離強度が得られず負極の形成が困難であったためである。
表5から以下のことがわかる。すなわち、実施例6−1〜6−10の評価結果から、バインダと負極活物質の総質量に対するバインダの質量比は、剥離強度を向上する観点(すなわちサイクル特性を向上する観点)からすると、好ましくは0.5以上、より好ましくは1.0以上であることがわかる。一方、出力特性を向上する観点からすると、バインダと負極活物質の総質量に対するバインダの質量比は、好ましくは20以下、より好ましくは15以下であることがわかる。したがって、上記の両特性を同時に満足する観点からすると、負極活物質層に含まれるバインダと負極活物質の質量比(バインダ:負極活物質)は、好ましくは20:80〜0.5:99.5、より好ましくは20:80〜1:99、更により好ましくは15:85〜1:99である。
また、実施例6−10、6−11の評価結果から、バインダの網目構造の平均孔径を調整することで同じバインダ量で剥離強度を低くできることがわかる。しかし、バインダと負極活物質の質量比が25:75であると、剥離強度が80mN/mm以下であっても出力特性に劣ることがわかる。
また、比較例6−1の評価結果から、バインダの網目構造がない負極では、バインダと負極活物質の質量比が1:99であっても、剥離強度が得られず負極の形成が困難であることがわかる。そして、比較例6−2の評価結果から、バインダの網目構造がない負極では、バインダと負極活物質の質量比が20:80であっても、出力特性やサイクル特性に劣ることがわかる。
以上、本技術の実施形態およびその変形例、ならびに実施例について具体的に説明したが、本技術は、上述の実施形態およびその変形例、ならびに実施例に限定されるものではなく、本技術の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
例えば、上述の実施形態およびその変形例、ならびに実施例において挙げた構成、方法、工程、形状、材料および数値などはあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる構成、方法、工程、形状、材料および数値などを用いてもよい。また、化合物などの化学式は代表的なものであって、同じ化合物の一般名称であれば、記載された価数などに限定されない。
また、上述の実施形態およびその変形例、ならびに実施例の構成、方法、工程、形状、材料および数値などは、本技術の主旨を逸脱しない限り、互いに組み合わせることが可能である。
また、上述の実施形態および実施例では、円筒型およびラミネートフィルム型の二次電池に本技術を適用した例について説明したが、電池の形状は特に限定されるものではない。例えば、角型やコイン型などの二次電池に本技術を適用することも可能であるし、スマートウオッチ、ヘッドマウントディスプレイ、iGlass(登録商標)などのウェアラブル端末に搭載されるフレキシブル電池などに本技術を適用することも可能である。
また、上述の実施形態および実施例では、巻回型に対して本技術を適用した例について説明したが、電池の構造は特に限定されるものではなく、例えば、正極および負極を積層した構造(スタック型電極構造)を有する二次電池、および正極および負極を折り畳んだ構造を有する二次電池などに本技術を適用することも可能である。
また、上述の実施形態および実施例では、本技術を負極に適用した例について説明したが、本技術を正極に適用するようにしてもよい。
また、上述の実施形態および実施例では、電極(正極および負極)が集電体と活物質層とを備える構成を例として説明したが、電極の構成は特に限定されるもではない。例えば、電極が活物質層のみからなる構成としてもよい。
また、正極活物質層は正極材料を含む圧粉体であってもよいし、正極材料を含むグリーンシートの焼結体であってもよい。負極活物質層も同様に圧粉体またはグリーンシートの焼結体であってもよい。
また、上述の実施形態および実施例では、本技術をリチウムイオン二次電池およびリチウムイオンポリマー二次電池に適用した例について説明したが、本技術を適用可能な電池の種類はこれに限定されるものではい。例えば、ナトリウムイオン二次電池、バルク型全固体電池などに本技術を適用してもよい。
また、本技術は以下の構成を採用することもできる。
(1)
正極と負極と電解質とを備え、
前記負極は、活物質粒子と網目状構造を有するバインダとを含み、
前記活物質粒子間の空間は、前記網目状構造により埋められている電池。
(2)
前記網目状構造の平均孔径は、5nm以上5μm以下である(1)に記載の電池。
(3)
前記平均孔径は、断面SEM像から算出される(2)に記載の電池。
(4)
前記バインダが、
カルボキシアルキルセルロースおよびその金属塩のうちの少なくとも1種を含む第1のバインダと、
スチレン・ブタジエンゴムおよびその誘導体のうちの少なくとも1種を含む第2のバインダと
を含む(1)から(3)のいずれかに記載の電池。
(5)
前記カルボキシアルキルセルロースは、カルボキシメチルセルロース、カルボキシプロピルメチルセルロース、カルボキシプロピルセルロース、カルボキシエチルセルロースおよびヒドロキシプロピルエチルセルロースのうちの少なくとも1種を含む(4)に記載の電池。
(6)
前記第1のバインダは、該第1のバインダを1質量%含む水溶液とした状態において10mPa・s以上18000mPa・s以下の粘度を有する(4)または(5)に記載の電池。
(7)
前記第2のバインダの平均粒子径は、80nm以上500nm以下である(4)から(6)のいずれかに記載の電池。
(8)
前記第1のバインダと前記第2のバインダとの質量比(前記第1のバインダ:前記第2のバインダ)は、1:99〜90:10の範囲内である(4)から(7)のいずれかに記載の電池。
(9)
前記バインダと前記活物質粒子との質量比(前記バインダ:前記活物質粒子)は、20:80〜1:99の範囲内である(1)から(8)のいずれかに記載の電池。
(10)
前記負極は、
集電体と
前記集電体の少なくとも一方の面に設けられ、前記活物質粒子と前記バインダとを含む活物質層と
を備え、
前記活物質粒子と前記集電体との間の空間は、前記網目状構造により埋められている(1)から(9)のいずれかに記載の電池。
(11)
前記活物質層と前記集電体の剥離強度が、0.1mN/mm以上80mN/mm以下である(10)に記載の電池。
(12)
前記剥離強度は、iso29862:2007(JIS Z 0237)に準拠して測定される(11)に記載の電池。
(13)
活物質粒子と網目状構造を有するバインダとを含み、
前記活物質粒子間の空間は、前記網目状構造により埋められている負極。
(14)
(1)から(12)のいずれかに記載の電池と、
前記電池を制御する制御部と
を備える電池パック。
(15)
(1)から(12)のいずれかに記載の電池を備え、
前記電池から電力の供給を受ける電子機器。
(16)
(1)から(12)のいずれかに記載の電池と、
前記電池から電力の供給を受けて車両の駆動力に変換する変換装置と、
前記電池に関する情報に基づいて車両制御に関する情報処理を行う制御装置と
を備える電動車両。
(17)
(1)から(12)のいずれかに記載の電池を備え、
前記電池に接続される電子機器に電力を供給する蓄電装置。
(18)
他の機器とネットワークを介して信号を送受信する電力情報制御装置を備え、
前記電力情報制御装置が受信した情報に基づき、前記電池の充放電制御を行う(17)に記載の蓄電装置。
(19)
(1)から(12)のいずれかに記載の電池を備え、
前記電池から電力の供給を受ける電力システム。
(20)
発電装置もしくは電力網から前記電池に電力が供給される(19)に記載の電力システム。
また、本技術は以下の構成を採用することもできる。
(1A)
正極と負極と電解質とを備え、
前記負極は、活物質粒子と網目状構造を有するバインダとを含み、
前記活物質粒子間の空間は、前記網目状構造により埋められている電池。
(2A)
前記網目状構造の平均孔径は、5nm以上5μm以下である(1A)に記載の電池。
(3A)
前記平均孔径は、断面SEM像から算出される(2A)に記載の電池。
(4A)
前記バインダが、
カルボキシアルキルセルロースおよびその金属塩のうちの少なくとも1種を含む第1のバインダと、
スチレン・ブタジエンゴムおよびその誘導体のうちの少なくとも1種を含む第2のバインダと
を含む(1A)から(3A)のいずれかに記載の電池。
(5A)
前記カルボキシアルキルセルロースは、カルボキシメチルセルロース、カルボキシプロピルメチルセルロース、カルボキシプロピルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびヒドロキシプロピルエチルセルロースのうちの少なくとも1種を含む(4A)に記載の電池。
(6A)
前記第1のバインダは、該第1のバインダを1質量%含む水溶液とした状態において10mPa・s以上18000mPa・s以下の粘度を有する(4A)または(5A)に記載の電池。
(7A)
前記第2のバインダの平均粒子径は、80nm以上500nm以下である(4A)から(6A)のいずれかに記載の電池。
(8A)
前記第1のバインダと前記第2のバインダとの質量比(前記第1のバインダ:前記第2のバインダ)は、1:99〜90:10の範囲内である(4A)から(7A)のいずれかに記載の電池。
(9A)
前記バインダと前記活物質粒子との質量比(前記バインダ:前記活物質粒子)は、20:80〜0.5:99.5の範囲内である(1A)から(8A)のいずれかに記載の電池。
(10A)
前記バインダと前記活物質粒子との質量比(前記バインダ:前記活物質粒子)は、20:80〜1:99の範囲内である(1A)から(9A)のいずれかに記載の電池。
(11A)
前記負極は、
集電体と
前記集電体の少なくとも一方の面に設けられ、前記活物質粒子と前記バインダとを含む活物質層と
を備え、
前記活物質粒子と前記集電体との間の空間は、前記網目状構造により埋められている(1A)から(10A)のいずれかに記載の電池。
(12A)
前記活物質層と前記集電体の剥離強度が、0.1mN/mm以上80mN/mm以下である(11A)に記載の電池。
(13A)
前記剥離強度は、iso29862:2007(JIS Z 0237)に準拠して測定される(12A)に記載の電池。
(14A)
活物質粒子と網目状構造を有するバインダとを含み、
前記活物質粒子間の空間は、前記網目状構造により埋められている負極。
(15A)
(1)から(13A)のいずれかに記載の電池と、
前記電池を制御する制御部と
を備える電池パック。
(16A)
(1)から(13A)のいずれかに記載の電池を備え、
前記電池から電力の供給を受ける電子機器。
(17A)
(1)から(13A)のいずれかに記載の電池と、
前記電池から電力の供給を受けて車両の駆動力に変換する変換装置と、
前記電池に関する情報に基づいて車両制御に関する情報処理を行う制御装置と
を備える電動車両。
(18A)
(1)から(13A)のいずれかに記載の電池を備え、
前記電池に接続される電子機器に電力を供給する蓄電装置。
(19A)
他の機器とネットワークを介して信号を送受信する電力情報制御装置を備え、
前記電力情報制御装置が受信した情報に基づき、前記電池の充放電制御を行う(18A)に記載の蓄電装置。
(20A)
(1)から(13A)のいずれかに記載の電池を備え、
前記電池から電力の供給を受ける電力システム。
(21A)
発電装置もしくは電力網から前記電池に電力が供給される(20A)に記載の電力システム。
11 電池缶
12、13 絶縁板
14 電池蓋
15 安全弁機構
15A ディスク板
16 熱感抵抗素子
17 ガスケット
20 巻回型電極体
21 正極
21A 正極集電体
21B 正極活物質層
22 負極
22A 負極集電体
22B 負極活物質層
23 セパレータ
24 センターピン
25 正極リード
26 負極リード

Claims (13)

  1. 正極と負極と電解質とを備え、
    前記負極は、活物質粒子と網目状構造を有するバインダとを含み、
    前記活物質粒子間の空間は、前記網目状構造により埋められ、
    前記網目状構造の平均孔径は、500nm以上3μm以下であり、
    前記平均孔径は、前記負極の断面SEM像から無作為に5個の細孔を選び出し、それぞれの細孔において直線距離で最も長くなる細孔の幅を孔径として測定した5個の孔径を単純に平均して算出され
    前記バインダが、
    カルボキシアルキルセルロースおよびその金属塩のうちの少なくとも1種を含む第1のバインダと、
    スチレン・ブタジエンゴムおよびその誘導体のうちの少なくとも1種を含む第2のバインダと
    を含み、
    前記カルボキシアルキルセルロースは、カルボキシメチルセルロース、カルボキシプロピルメチルセルロース、カルボキシプロピルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびヒドロキシプロピルエチルセルロースのうちの少なくとも1種を含み、
    前記第1のバインダと前記第2のバインダとの質量比(前記第1のバインダ:前記第2のバインダ)は、1:99〜40:60の範囲内であり、
    前記バインダと前記活物質粒子との質量比(前記バインダ:前記活物質粒子)は、20:80〜5:95の範囲内である、電池。
  2. 前記第1のバインダは、該第1のバインダを1質量%含む水溶液とした状態において10mPa・s以上18000mPa・s以下の粘度を有し、
    前記粘度は、25℃でB型粘度計を用いて測定される請求項に記載の電池。
  3. 前記第2のバインダの平均粒子径は、80nm以上500nm以下であり、
    前記第2のバインダの平均粒子径は、前記第2のバインダが負極活物質層内に含有されている状態で、オスミウム染色後、SEMで観察し、画像中の任意の10個の直径の平均をとることにより求められる請求項1または2に記載の電池。
  4. 前記負極は、
    集電体と
    前記集電体の少なくとも一方の面に設けられ、前記活物質粒子と前記バインダとを含む活物質層と
    を備え、
    前記活物質粒子と前記集電体との間の空間は、前記網目状構造により埋められている請求項1からのいずれかに記載の電池。
  5. 前記活物質層と前記集電体の剥離強度が、0.1mN/mm以上80mN/mm以下であり、
    前記剥離強度は、iso29862:2007(JIS Z 0237)に準拠して測定される請求項に記載の電池。
  6. 活物質粒子と網目状構造を有するバインダとを含み、
    前記活物質粒子間の空間は、前記網目状構造により埋められ、
    前記網目状構造の平均孔径は、500nm以上3μm以下であり、
    前記平均孔径は、断面SEM像から無作為に5個の細孔を選び出し、それぞれの細孔において直線距離で最も長くなる細孔の幅を孔径として測定した5個の孔径を単純に平均して算出され
    前記バインダが、
    カルボキシアルキルセルロースおよびその金属塩のうちの少なくとも1種を含む第1のバインダと、
    スチレン・ブタジエンゴムおよびその誘導体のうちの少なくとも1種を含む第2のバインダと
    を含み、
    前記カルボキシアルキルセルロースは、カルボキシメチルセルロース、カルボキシプロピルメチルセルロース、カルボキシプロピルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびヒドロキシプロピルエチルセルロースのうちの少なくとも1種を含み、
    前記第1のバインダと前記第2のバインダとの質量比(前記第1のバインダ:前記第2のバインダ)は、1:99〜40:60の範囲内であり、
    前記バインダと前記活物質粒子との質量比(前記バインダ:前記活物質粒子)は、20:80〜5:95の範囲内である、負極。
  7. 請求項1からのいずれかに記載の電池と、
    前記電池を制御する制御部と
    を備える電池パック。
  8. 請求項1からのいずれかに記載の電池を備え、
    前記電池から電力の供給を受ける電子機器。
  9. 請求項1からのいずれかに記載の電池と、
    前記電池から電力の供給を受けて車両の駆動力に変換する変換装置と、
    前記電池に関する情報に基づいて車両制御に関する情報処理を行う制御装置と
    を備える電動車両。
  10. 請求項1からのいずれかに記載の電池を備え、
    前記電池に接続される電子機器に電力を供給する蓄電装置。
  11. 他の機器とネットワークを介して信号を送受信する電力情報制御装置を備え、
    前記電力情報制御装置が受信した情報に基づき、前記電池の充放電制御を行う請求項10に記載の蓄電装置。
  12. 請求項1からのいずれかに記載の電池を備え、
    前記電池から電力の供給を受ける電力システム。
  13. 発電装置もしくは電力網から前記電池に電力が供給される請求項12に記載の電力システム。
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