JP2014232708A - 二次電池用電極およびその製造方法、ならびに二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】水系電解液を用いても充放電の繰り返しによる放電容量の低下が少なく、サイクル特性に優れた大型化が可能な二次電池を提供する。【解決手段】集電層と活物質層とを備える二次電池用電極において、活物質層が活物質、導電助剤、バインダー、および増粘性分散剤を含有し、増粘性分散剤は、アミド結合を有するセルロース系高分子化合物とする。この二次電池用電極を正極および負極のいずれかとして用いることで、水系電解質と共に用いてもサイクル特性に優れた二次電池とすることができる。【選択図】図1
Description
本発明は、二次電池用電極およびその製造方法、ならびに二次電池に関するものである。
近年、携帯用電子機器や電気自動車用途に広く用いられている二次電池には、エネルギー密度に優れるという点から、主としてリチウムイオン二次電池が用いられている。一方、風力発電や太陽光発電などの自然エネルギーなどで発電した電気を貯蔵したり、夜間に蓄電した電力を日中に供給して電力負荷を平準化するなど、数kWから数MWの大容量を有する定置用の大型蓄電池に対する需要が高まっている。
大型蓄電池においては、安全性を確保するため、可燃性の有機溶媒を使用する非水系電解液に替えて、電解質の水溶液である水系の電解液を用いることが検討されており、例えば特許文献1においては、水系電解液を用いたリチウムイオン二次電池が提案されている。
また、従来コイン型セル等の小型電池用途に使用されていたリチウムイオン二次電池を、定置用の大型蓄電池として用いるには、大面積のラミネート型のセルなどを作製する必要があり、そのような形状のセルを作製するには小型のプレス成形による電極形成にかえて、たとえば集電体の上に電極用スラリーを塗工し乾燥、プレスすることで電極を形成する方法や、電極用スラリーから造粒粉末を作製し、その造粒粉末を圧延(ロールプレス)によりシート状に成形し集電体に貼り合わせる方法などの大面積のシート成形法が用いられる。このような大面積のシート成形においては、電極活物質、導電助剤、バインダーを溶剤に分散させた電極用スラリーを作製する必要がある。
近年、電極用スラリーの分散媒として、環境への影響や安全性という点からN−メチルピロリドン(NMP)にかえて水を用いる方法が検討されている。水を分散媒として用いる場合、電極用スラリー中における活物質等の固形分の分散性が低く、固形分の沈降や凝集が発生しやすいことから、固形分の分散性向上のため分散剤および増粘剤を添加している。
しかしながら、水を分散剤とし、分散剤および増粘剤、特に水溶性の増粘性分散剤を添加した電極用スラリーを用いて作製した電極には、水系電解液を用いた二次電池に適用した場合に、充放電サイクルの増加に伴い電極の電気抵抗が増加するとともに、充放電容量が低下するという問題があった。これは、電極に含まれる増粘性分散剤の親水基が水系電解液中において水分子を引き寄せることにより、増粘性分散剤の体積が膨張したり、活物質や導電助剤との接着力が低下してこれらが電極から電解液中に脱離し、電極中の活物質量が減少することに起因する。
本発明は、このような課題を鑑みてなされたもので、水系電解液を用いても充放電の繰り返しによる放電容量の低下が少なく、サイクル特性に優れた大型化が可能な二次電池を
提供することを目的とする。
提供することを目的とする。
本発明の二次電池用電極は、集電層と活物質層を備える二次電池用電極であって、前記活物質層は、活物質、導電助剤、バインダーおよび増粘性分散剤を含有し、該増粘性分散剤が、アミド結合を有するセルロース系高分子化合物であることを特徴とする。
本発明の二次電池は、正極と、負極と、セパレータおよび水系電解液を備え、記正極および前記負極のうち少なくともいずれか一方が、上述の二次電池用電極であることを特徴とする。
本発明の二次電池用電極の作製方法は、活物質と、導電助剤と、バインダーと、分散媒である水と、増粘性分散剤であるカルボキシル基を有するセルロース系高分子化合物および水溶性カルボジイミド化合物と、を含んだ電極用スラリーを作製するスラリー作製工程と、該電極用スラリーを集電体に塗布して活物質層を成形する成形工程と、前記活物質層を乾燥することにより、前記カルボキシル基を有するセルロース系高分子化合物と前記水溶性カルボジイミド化合物を脱水縮合させ、アミド結合を形成する乾燥工程と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、活物質層中の増粘性分散剤がアミド結合を有するセルロース系高分子化合物であることにより、増粘性分散剤中に含まれる親水基の割合が低減し、水系電解液を用いても充放電の繰り返しによる放電容量の低下が少なく、サイクル特性に優れた大型の二次電池を提供できる。
以下に本発明の一実施形態について詳述する。
二次電池は、一般に図1に示すように、正極1、負極2、セパレータ3、電解液4およびそれらを収納したケース5から構成される。正極1、負極2はそれぞれ正極活物質を含む正極活物質層1A、負極活物質を含む負極活物質層2Aが、金属箔である正極側集電層1B、負極側集電層2Bの表面に塗布電極として形成されたものであり、さらにリード6、7を介して正極側外部端子8、負極側外部端子9に電気的に接続されている。セパレータ3は、正極1と負極2の間に配置されている。また、ケース5には、正極1、負極2およびセパレータ3が収納されるとともに電解液4が満たされており、気密性を保つために蓋(図示せず)が設けられている。
そして、本実施形態においては、電解液4を水系電解液とし、正極活物質層1Aおよび負極活物質層2Aの少なくともいずれか一方が、活物質、導電助剤、バインダーおよびアミド結合を有するセルロース系高分子化合物である増粘性分散剤を含有している。
このような活物質層を有する二次電池用電極は、分散媒として水を用い、活物質、導電助剤およびバインダーに加え、カルボキシル基を有するセルロース系高分子化合物および水溶性カルボジイミド化合物を増粘性分散剤として含有する電極用スラリーを、たとえば集電層となる金属箔等に塗布し、乾燥して活物質層とすることで得られる。
増粘性分散剤とは、分散媒に溶解させることで、活物質、導電助剤、バインダー等の固
形分を分散媒中に均一に分散させる作用と、スラリーに粘性を付与する作用とを同時に有するものである。水を分散媒とした場合、このような増粘性分散剤としては、例えば、セルロース系高分子化合物、ポリビニルピロリドン系高分子化合物などが挙げられる。本実施形態においては、活物質層形成後に活物質層内においてアミド結合を有するセルロース系高分子化合物を形成可能なもの、たとえば、カルボキシル基を有するセルロース系高分子化合物および水溶性カルボジイミド化合物を増粘性分散剤として用いる。カルボキシル基を有するセルロース系高分子化合物としては、特にカルボキシメチルセルロース(carboxymethylcellulose、CMC)が好適に用いられ、中でもエーテル化度が0.2〜0.6であるカルボキシメチルセルロースは、溶媒である水への溶解性が安定している点から本実施形態の増粘性分散剤の一つとして用いることが特に好ましい。水溶性カルボジイミド化合物としては、たとえば、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩などが挙げられる。
形分を分散媒中に均一に分散させる作用と、スラリーに粘性を付与する作用とを同時に有するものである。水を分散媒とした場合、このような増粘性分散剤としては、例えば、セルロース系高分子化合物、ポリビニルピロリドン系高分子化合物などが挙げられる。本実施形態においては、活物質層形成後に活物質層内においてアミド結合を有するセルロース系高分子化合物を形成可能なもの、たとえば、カルボキシル基を有するセルロース系高分子化合物および水溶性カルボジイミド化合物を増粘性分散剤として用いる。カルボキシル基を有するセルロース系高分子化合物としては、特にカルボキシメチルセルロース(carboxymethylcellulose、CMC)が好適に用いられ、中でもエーテル化度が0.2〜0.6であるカルボキシメチルセルロースは、溶媒である水への溶解性が安定している点から本実施形態の増粘性分散剤の一つとして用いることが特に好ましい。水溶性カルボジイミド化合物としては、たとえば、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩などが挙げられる。
増粘性分散剤の電極用スラリー中における含有量は、格別な限定はないが、活物質100質量部に対して、通常はカルボキシメチルセルロースの場合は0.1〜10質量部、好ましくは0.5〜5質量部、より好ましくは0.8〜2質量部の範囲である。また水溶性カルボジイミド化合物の場合は、0.05〜0.5質量部の範囲が好ましい。
このように、電極用スラリーが増粘性分散剤を含有することで、水を分散媒とした電極用スラリー中における固形分の沈降や凝集を抑制でき、電極用スラリーとして最適な粘性を付与することができる。そして、このような電極用スラリーを用いて活物質層を形成することで、活物質が均一に充填された活物質層を得ることができる。
このような電極用スラリーを用いて活物質層を形成する方法としては、上述のように集電層となる金属箔等に電極用スラリーを塗布し乾燥させて活物質層を形成する方法のほか、電極用スラリーをたとえば乾燥・造粒した造粒粉末として用いてロールプレスによりシート状の活物質層を作製した後、集電層に接合する方法などがある。以下、本実施形態の二次電池用電極の作成方法の一例について詳述する。
水を分散媒とした本実施形態の電極用スラリーには、活物質、導電助剤およびバインダーに加え、上述のようなカルボキシル基を有するセルロース系高分子化合物および水溶性カルボジイミド化合物が増粘性分散剤として含まれている。電極用スラリーは、これらの各成分を、ボールミル、超音波分散機、ホモジナイザー、プラネタリーミキサー、または高速撹拌造粒機などの混合機を用いて混合することで得られる。これらの各成分を一度に一括混合してもよいし、まず活物質および導電助材を、プラネタリーミキサー、ヘンシェルミキサー、またはオムニミキサーなどの混合機を用いて混合し、次いでバインダーである樹脂、増粘性分散剤、分散媒(水)などを添加して均一に混合してもよい。なお、増粘性分散剤の添加は、バインダーを添加するより前に行うことが望ましい。電極用スラリーに増粘性分散剤を添加して活物質および導電助剤に分散させた後、バインダーを添加することにより、固形分がより均一に分散した電極用スラリーを容易に得ることができる。
なお、電極用スラリーの固形分濃度は、通常は30〜70質量%の範囲となるように分散媒の量を調整する。また、電極用スラリーの粘度は、活物質層の形成方法や成形装置の形状によっても異なるが、通常100〜100,000mPa・s、好ましくは5,000〜20,000mPa・sである。
このようにして作製した電極用スラリーを、集電層となる金属箔上に塗布(以下、塗工という場合もある)し、乾燥することにより、本実施形態の二次電池用電極を作製できる。電極用スラリーの塗布方法としては、一般的な方法を用いることができ、例えばリバースロール法、ダイレクトロール法、ドクターブレード法、ナイフ法、およびグラビア法な
どをあげることができる。これらの中から、電極用スラリーの粘性等の諸物性や乾燥性、作製する活物質層の性状に応じて塗布方法を選定すればよい。たとえば、良好な活物質層の表面状態を得るには、ドクターブレード法、ナイフ法が好ましい。
どをあげることができる。これらの中から、電極用スラリーの粘性等の諸物性や乾燥性、作製する活物質層の性状に応じて塗布方法を選定すればよい。たとえば、良好な活物質層の表面状態を得るには、ドクターブレード法、ナイフ法が好ましい。
塗工した電極用スラリーの乾燥方法としては、例えば温風、熱風または低湿風による乾燥法、赤外線などの照射による乾燥法などが挙げられる。中でも、塗工した電極用スラリーの内部から温熱を加えることが可能な遠赤外線の照射による乾燥法が、均質な活物質層を得ることができるという点から好ましい。乾燥条件は、塗工後の電極用スラリー中の溶媒である水を完全に除去できる温度と時間で行うことが好ましく、乾燥温度としては60〜250℃の範囲、特に80〜200℃の範囲が好ましく、乾燥時間としては塗工後の電極用スラリー中に含まれる溶媒の量にもよるが、10〜60分、特に15〜45分とすることが好ましい。
また、必要に応じてロールプレス法によってシート状の活物質層を形成してもよい。たとえば、集電層となる金属箔等と、電極用スラリーとをロールプレス間に投入し、プレス条件としてプレス圧を0.2〜3t/cm2、プレスの温度を100℃以下の範囲とすることで、二次電池用電極を作製することができる。その際、ロールプレスに投入する電極用スラリーは、一旦造粒して分散媒である水の含有量を低減しておくことが望ましい。なお、上述のプレス圧およびプレス温度は、本発明の製法を特に限定するものではなく、使用する材料や電極用スラリーの性状、作製する活物質層の形状や特性等に応じて適宜設定すればよい。
また、塗布電極の上にさらに塗布電極を形成したり、ロールプレスにより作製したシート同士を重ね合わせたり、塗布電極とロールプレスにより作製したシートとを重ね合わせるなどした積層体を活物質層とすることもできる。
このようにして作製した二次電池用電極は、電極用スラリーに含まれる増粘性分散剤が乾燥工程において脱水縮合した、アミド結合を有するセルロース系高分子化合物を含むものとなる。すなわち、成形した電極用スラリーの乾燥時に、カルボキシメチルセルロースなどのカルボキシル基を有するセルロース系高分子化合物に含まれるカルボキシル基が、水溶性カルボジイミド化合物と脱水縮合し、アミド結合が形成される。このようにして、アミド結合を有するセルロース系高分子化合物を増粘性分散剤として含み、活物質、導電助材およびバインダーが活物質層内に均一に分散したニ次電池用電極が得られる。
活物質層が、アミド結合を有するセルロース系高分子化合物を含むことは、紫外・可視分光法を用いて、アミド結合に起因する紫外光の吸収スペクトル(190nmおよび220nm)の有無により確認できる。
二次電池用電極に用いる活物質には、正極1用と負極2用がある。正極1に用いる活物質としては、リチウムイオン二次電池の場合、例えば、リチウムコバルト複合酸化物、リチウムマンガン複合酸化物、二酸化マンガン、リチウムニッケル複合酸化物、リチウムニッケルコバルト複合酸化物、リチウムバナジウム複合酸化物、酸化バナジウムなどが挙げられ、ナトリウムイオン二次電池の場合は、たとえばナトリウムコバルト複合酸化物、ナトリウムマンガン複合酸化物、二酸化マンガン、ナトリウムニッケル複合酸化物、ナトリウムニッケル鉄複合酸化物、ナトリウム鉄複合酸化物、ナトリウムクロム複合酸化物などが挙げられる。負極2に用いる活物質としては、活性炭やNaTi2(PO4)3、LiTi2(PO4)3などを用いることができる。二次電池用電極に用いる活物質の形状は、粒子状に整粒されたものが好ましい。特に、粒子の形状が球形であると、より活物質が高密度に充填された活物質層を形成できる。
バインダーとしては、たとえばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、スチレンブタジエンゴム(SBR)の水溶性エマルジョンエラストマー、ポリアクリル酸(PAA)ポリイミド樹脂(PI)、フッ素系ゴムなどが挙げられる。二次電池を使用する電位領域で分解しない、用途に適したものを選んで使用すればよい。また活物質層の厚みを200μm以上にする場合は、バインダーの添加量が増えることから電極の電気抵抗増加につながるが、ポリテトラフルオロエチレンをバインダーに用いるとポリテトラフルオロエチレンが網目状に形成され、活物質の粒子と導電助剤の粒子を保持する構造となり、電極の電気抵抗に対する影響が少ない点から、これをバインダーとして使用するのが望ましい。
導電助剤は、導電性を有する材料からなり、具体的には、ファーネスブラック、アセチレンブラック、及びケッチェンブラックが挙げられる。これらの中でも、アセチレンブラックおよびケッチェンブラックが好ましい。
導電助剤は、活物質よりも体積平均粒子径が小さいものが好ましく、その範囲は通常0.001〜10μm、好ましくは0.05〜5μm、より好ましくは0.01〜1μmである。導電助剤の体積平均粒子径がこのような範囲であることにより、活物質層中において、より少量の導電助剤で高い導電性が得られる。活物質中における導電助剤の含有量は、活物質100質量部に対して通常0.1〜50質量部、好ましくは0.5〜15質量部、より好ましくは1〜10質量部の範囲である。導電助剤の量がこのような範囲であることにより、高容量且つ内部抵抗が低い二次電池を構成することができる。
集電層は、正極1側については、正極1の電位において溶解などの反応が発生しない耐食性を有する材料を用いればよい。このような材料としては、たとえば、ニッケル、アルミニウム、チタン、金、白金等を含む金属材料や合金、黒鉛、ハードカーボンなどを用いることができる。その中でもニッケル、アルミニウム、チタン、金、白金は耐食性に優れ、容易に入手できるため好ましい。特にアルミニウムは、表面に酸化被膜を形成して不動態化し、高い電位においても耐食性に優れる点から好ましい。
負極2側については、負極2の電位においてLiなどアルカリ金属との合金化などの副反応が発生しない材料を用いればよい。このような材料としては、たとえば、銅、ニッケル、ステンレス、チタン、金、白金等を含む金属材料や合金、黒鉛、ハードカーボンなどを用いることができる。
また、集電層の形状については、特に限定するものではないが、通常、厚さ0.001〜0.5mmのシート状のものを用いることが好ましい。金属箔を使用する場合は、活物質層との接着力向上のために、金属箔の表面を粗面化処理したものを用いてもよい。粗面化処理する場合は、算術平均粗さ(Ra)にして0.5〜2μmであることが好ましい。金属箔の表面粗さは、触針式、光干渉式等の表面粗さ計や、レーザー顕微鏡、原子間力顕微鏡(AFM)等を用いて測定する。一般的に使用される触針式表面粗さ計を用いる場合は、JIS B0601に基づいて、たとえば、触針先端径を2μm、測定長を4.8mm、カットオフ値を0.8mmという条件で測定すればよい。
電解液4は、水系電解液であり、たとえば0.1〜8.0mol/L、望ましくは0.
5〜2.0mol/Lの硫酸リチウムや硝酸リチウム、水酸化リチウム、塩化リチウム、
硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、塩化ナトリウムなどの水溶液を用いることができる。このような水系電解液は、pHの調整により水の電気分解電位を変化させることができるため、二次電池の充電電位を変えることも可能である。
5〜2.0mol/Lの硫酸リチウムや硝酸リチウム、水酸化リチウム、塩化リチウム、
硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、塩化ナトリウムなどの水溶液を用いることができる。このような水系電解液は、pHの調整により水の電気分解電位を変化させることができるため、二次電池の充電電位を変えることも可能である。
電解液4を含浸させるセパレータ3には、イオンを通し、かつ正負極のショートを防止
することが求められる。具体的には、ポリオレフィン繊維性の不織布やポリオレフィン製の微多孔膜、ガラスフィルター、セラミックの多孔質材料などを用いることができる。ここで、ポリオレフィンとしてはポリエチレン、ポリプロピレンを挙げることができ、一般的にリチウムイオン電池などの二次電池に用いられるセパレータが適用可能である。
することが求められる。具体的には、ポリオレフィン繊維性の不織布やポリオレフィン製の微多孔膜、ガラスフィルター、セラミックの多孔質材料などを用いることができる。ここで、ポリオレフィンとしてはポリエチレン、ポリプロピレンを挙げることができ、一般的にリチウムイオン電池などの二次電池に用いられるセパレータが適用可能である。
ケース5を構成する外装体としては、金属外装体やアルミラミネート外装体、酸素バリア性の熱可塑性樹脂などを適宜使用できる。ケース5の形状は、袋型、円筒型、コイン型、箱型など多種多様であるが、いずれの形態であってもよい。
以上、本実施形態の二次電池について説明したが、本発明は本実施形態に限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲で種々変更したものにも適用することができる。
まず、増粘性分散剤のひとつとして、カルボキシメチルセルロース(日本製紙ケミカル株式会社製「MAC200HC」)を用いて、2質量%水溶液を調整した。
正極は次のように作製した。正極活物質であるマンガン酸リチウム100質量部と、導電助剤であるアセチレンブラック5質量部とを、高速撹拌造粒機を用いて回転速度500rpmで5分間乾式混合を行った。これにさらに、作製したカルボキシメチルセルロース水溶液を2質量部、および1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(CAS番号、25952―53―8)を加え、固形分濃度を68質量%に調整した後、25℃で5分間混合した。1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩の正極活物質100質量部に対する添加量を表1に示す。その後、バインダーとしてポリテトラフルオロエチレンを5質量部(ダイキン工業株式会社製「D―210C」)加え、さらに3分間混合した後、脱泡処理して正極用スラリーを得た。
得られた正極用スラリーを、コンマコーターを用いて、厚さ20μmのチタン箔の上に、乾燥後の膜厚が80μm程度になるように塗布し、120℃で20分間乾燥した。その後2ロール成形機にて温度60℃、圧力1t/cm2の条件にて正極をプレス成形した。
負極は次のようにして作製した。負極活物質である活性炭100質量部と、導電助剤であるアセチレンブラック10質量部とを、高速撹拌造粒機を用いて、回転速度500rpmで5分間乾式混合を行った。これにさらに、作製したカルボキシメチルセルロース水溶液を2質量部、および1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩を加え、固形分濃度を67%に調整した後、25℃で15分間混合した。1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩の負極活物質に対する添加量を表1に示す。その後、バインダーとしてスチレンブタジエンゴム(SBR)の水溶性エマルジョンエラストマーを5質量部加え、さらに3分間混合した後、脱泡処理して負極用スラリーを得た。
得られた負極用スラリーを、厚さ20μmのチタン箔の上に、コンマコーターを用いて乾燥後の膜厚が300μm程度になるように塗布し、120℃で20分間乾燥した。その後2ロール成形機にて温度60℃、圧力1t/cm2の条件にて負極をプレス成形した。
得られた正極および負極中における、アミド結合を有するセルロース系高分子化合物の存在については、紫外・可視分光法を用いて、アミド結合に起因する紫外光の吸収スペクトル(190nmおよび220nm)の有無により確認した。結果を表1に示す。
得られた正極および負極を、集電層である金属箔と共に10×10cmの正方形状に切断し、さらに集電層である金属箔の活物質層が形成されていない側の面の端部に、ニッケ
ル金属箔を正極端子または負極端子として、スポット溶接で取り付けた。
ル金属箔を正極端子または負極端子として、スポット溶接で取り付けた。
ケースは、ポリエチレン製ケースを用いた。作製した正極とそれに対応する負極とをケース内に配置し、表1に示すような構成の電池評価セルを作製して、電池特性を評価した。なお、セパレータとしては、市販のガラス濾紙を用いた。水系電解液としては、濃度1mol/Lの硫酸リチウム水溶液を用いた。
作製した二次電池の充放電特性は、以下のような条件で評価した。なお充放電の電圧制御は参照極としてAg/AgCl電極を用い、正極との参照極との電位差にて制御した。
充放電電圧範囲:上限2.2V、下限1.3V(正極活物質:LiMn2O4)
充放電電流値 :1mA/cm2(定電流充放電)
充放電レート :1C
測定温度 :60℃
電池特性として、放電−充電1回を1サイクルとした10サイクルおよび100サイクルの充放電試験後の放電容量維持率を表1に示す。
充放電電流値 :1mA/cm2(定電流充放電)
充放電レート :1C
測定温度 :60℃
電池特性として、放電−充電1回を1サイクルとした10サイクルおよび100サイクルの充放電試験後の放電容量維持率を表1に示す。
表1に示すように、電極用スラリーに増粘性分散剤としてカルボキシル基を有するセルロース系高分子化合物および水溶性カルボジイミド化合物を添加した試料No.2〜5は、正極、負極とも活物質層にアミド結合を有するセルロースを含んでおり、優れたサイクル特性を示した。一方、水溶性カルボジイミド化合物を添加しなかった資料No.1は、正極、負極ともアミド結合が確認されず、サイクル特性に劣るものであった。
1 : 正極
1A : 正極活物質層
1B : 正極側集電層
2 : 負極
2A : 負極活物質層
2B : 負極側集電層
3 : セパレータ
4 : 水系電解液
5 : ケース
6、7 : リード
8 : 正極側外部端子
9 : 負極側外部端子
1A : 正極活物質層
1B : 正極側集電層
2 : 負極
2A : 負極活物質層
2B : 負極側集電層
3 : セパレータ
4 : 水系電解液
5 : ケース
6、7 : リード
8 : 正極側外部端子
9 : 負極側外部端子
Claims (4)
- 集電層と活物質層とを備える二次電池用電極であって、
前記活物質層は、活物質、導電助剤、バインダーおよび増粘性分散剤を含有し、
該増粘性分散剤が、アミド結合を有するセルロース系高分子化合物であることを特徴とする二次電池用電極。 - 前記アミド結合を有するセルロース系高分子化合物が、カルボキシメチルセルロースと水溶性カルボジイミド化合物との脱水縮合により形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の二次電池用電極。
- 正極と、負極と、セパレータおよび水系電解液を備え、
前記正極および前記負極のうち少なくともいずれか一方が、請求項1または2に記載の二次電池用電極であることを特徴とする二次電池。 - 活物質と、導電助剤と、バインダーと、分散媒である水と、増粘性分散剤であるカルボキシル基を有するセルロース系高分子化合物および水溶性カルボジイミド化合物と、を含んだ電極用スラリーを作製するスラリー作製工程と、
該電極用スラリーを集電体に塗布して活物質層を成形する成形工程と、
前記活物質層を乾燥することにより、前記カルボキシル基を有するセルロース系高分子化合物と前記水溶性カルボジイミド化合物を脱水縮合させ、アミド結合を形成する乾燥工程と、を有することを特徴とする二次電池用電極の製造方法。
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JPWO2018097316A1 (ja) * | 2016-11-28 | 2019-06-24 | 株式会社村田製作所 | 負極、電池、電池パック、電子機器、電動車両、蓄電装置および電力システム |
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2013
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