JP6972604B2 - カウンター回路、測定装置および物理量センサー - Google Patents
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リプルカウンターは、最も基本的なカウンターであり、簡単かつ小規模の回路構成で実現することができる。また、グレイカウンターは、カウント値が1だけ異なる値同士のハミング距離が1となるカウンターである。また、ジョンソンカウンターは、カウント値が1だけ異なる値同士のハミング距離が1となるカウンターであり、簡単な回路構成で実現することができる。
また、グレイカウンターでは、桁上がり時の貫通電流は軽減されるが、下位ビットのデータの決定に上位ビットのデータが必要であるので、その構成を実現するために回路構成が複雑化する。
また、ジョンソンカウンターでは、桁上がり時の貫通電流は軽減されるが、表現できる値が少ないので、必要なビット数が多くなり、回路規模が大きくなる。
前記n段のmビットカウンターのうちの少なくとも1つは、遷移前の状態と遷移後の状態とのハミング距離がm以外のときの遷移時に桁上がり信号を出力することを特徴とする。
この発明では、n段のmビットカウンターのうちの少なくとも1つは、遷移前の状態と遷移後の状態とのハミング距離が小さいときに桁上がり信号を出力するので、桁上がりが生じるときのハミング距離が小さくなり、これにより、貫通電流を減少させることができる。また、回路構成を簡単かつ小規模にすることができる。
これにより、貫通電流をさらに減少させることができる。
これにより、簡単かつ小規模の回路構成で貫通電流を減少させることができる。
これにより、貫通電流をさらに減少させることができ、また、カウンター回路のリセットを容易に行うことができ、また、カウンター部から出力されたカウントデータを容易にデコードすることができる。
これにより、カウンター回路から出力されるカウントデータをデコードすることなく用いることができ、これによって、カウンター回路を各用途に容易に用いることができる。
これにより、カウントデータを容易にデコードすることができる。
前記m1ビットカウンターは、遷移前の状態と遷移後の状態とのハミング距離がm1以外のときの遷移時に桁上がり信号を出力するか、または、前記m2ビットカウンターは、遷移前の状態と遷移後の状態とのハミング距離がm2以外のときの遷移時に桁上がり信号を出力するか、または、前記m1ビットカウンターは、遷移前の状態と遷移後の状態とのハミング距離がm1以外のときの遷移時に桁上がり信号を出力し、かつ、前記m2ビットカウンターは、遷移前の状態と遷移後の状態とのハミング距離がm2以外のときの遷移時に桁上がり信号を出力することが好ましい。
これにより、ビット数の異なる複数の単位カウンターを有するカウンター回路を実現することができる。
前記カウンター回路を用いて測定を行うことを特徴とする。
この発明では、n段のmビットカウンターのうちの少なくとも1つは、遷移前の状態と遷移後の状態とのハミング距離が小さいときに桁上がり信号を出力するので、桁上がりが生じるときのハミング距離が小さくなり、これにより、貫通電流を減少させることができる。また、回路構成を簡単かつ小規模にすることができる。
これにより、周波数比を精度良く測定することができる。
前記検出部から出力された被測定信号が入力される本発明の測定装置と、を備えることを特徴とする。
この発明では、n段のmビットカウンターのうちの少なくとも1つは、遷移前の状態と遷移後の状態とのハミング距離が小さいときに桁上がり信号を出力するので、桁上がりが生じるときのハミング距離が小さくなり、これにより、貫通電流を減少させることができる。また、回路構成を簡単かつ小規模にすることができる。
<第1実施形態>
図1は、本発明のカウンター回路の第1実施形態を示すブロック図である。図2は、図1に示すカウンター回路の初段のmビットカウンターを示すブロック図である。図3および図4は、それぞれ、リプルカウンターの動作を説明するための図である。図5および図6は、それぞれ、図1に示すカウンター回路の動作を説明するための図である。
なお、以下の説明では、信号のレベルが「ロー(Low)」の場合を「0」、信号のレベルが「ハイ(High)」の場合を「1」とも言う。
また、出力した信号が「0」の場合、その信号を出力した回路の状態を「0」、出力した信号が「1」の場合、その信号を出力した回路の状態を「1」とも言う。
図1に示すように、カウンター回路1は、m(mは、2以上の整数)ビットカウンター3をn(nは、2以上の整数)段有するカウンター部2を備えている。そして、n段のmビットカウンター3のうちの少なくとも1つは、遷移前の状態と遷移後の状態とのハミング距離がm以外のときの遷移時に桁上がり信号を出力する。
このカウンター回路1によれば、n段のmビットカウンター3のうちの少なくとも1つは、遷移前の状態と遷移後の状態とのハミング距離が小さいときに桁上がり信号を出力するので、桁上がりが生じるときのハミング距離が小さくなり、これにより、貫通電流を減少させることができる。また、回路構成を簡単かつ小規模にすることができる。
また、nは、2以上であれば、特に限定されず、諸条件に応じて適宜設定される。また、nは、偶数であることが好ましい。なお、mとnとは、同一でもよく、また、異なっていてもよい。
カウンター回路1は、カウンター3を6(n)段有するカウンター部2を備えている。各カウンター3の構成は、同様であるので、以下では、代表的に、初段(1段目)のカウンター3について説明する。なお、各カウンター3の構成は、異なっていてもよい。
図2に示すように、初段のカウンター3は、4(m)ビットのリプルカウンター(バイナリーカウンター)であり、4つのTフリップフロップ51、52、53、54と、論理積回路6とを備えている。なお、カウンター3として、リプルカウンター以外のバイナリーカウンターを用いてもよく、また、バイナリーカウンター以外のカウンターを用いてもよい。
また、Tフリップフロップ51、52、53、54のQ出力端子は、それぞれ、論理積回路6の入力端子に接続されている。
また、カウンター回路1への入力信号の1例であるパルス信号Pは、初段のカウンター3のTフリップフロップ51のクロック入力端子に入力される。
以下、4ビットリプルカウンターを6段有するリプルカウンター(以下、単に「リプルカウンター」とも言う)の初段の4ビットリプルカウンターと対比して、カウンター回路1の初段のカウンター3を説明する。
4ビットリプルカウンターでは、パルス信号Pのパルス(クロック)をカウントする場合、現在のカウント値(10進数で表記)と、現在の状態での出力値「Q3、Q2、Q1、Q0」と、次の状態での出力値「Q3、Q2、Q1、Q0」と、次の状態に遷移したときの桁上がり信号Cと、現在の状態と次の状態とのハミング距離とは、図3に示すようになっている。
以下、途中の説明は省略するが、カウント値が「15」のときの出力値は、「1111」であり、次の状態での出力値は、「0000」である。また、遷移後の桁上がり信号Cは、「1」である。また、ハミング距離は、「4」である。
このように4ビットリプルカウンターでは、ハミング距離が4のときの遷移時に、桁上がり信号Cを「1」とする。このため、大きな貫通電流が流れ易い。
カウンター3では、パルス信号Pのパルス(クロック)をカウントする場合、現在のカウント値(10進数で表記)と、現在の状態での出力値「Q3、Q2、Q1、Q0」と、次の状態での出力値「Q3、Q2、Q1、Q0」と、次の状態に遷移したときの桁上がり信号Cと、現在の状態と次の状態とのハミング距離とは、図5に示すようになっている。
以下、途中の説明は省略するが、カウント値が「15」のときの出力値は、「1110」であり、次の状態での出力値は、「1111」である。また、遷移後の桁上がり信号Cは、「1」である。また、ハミング距離は、「1」である。
このようにカウンター3では、ハミング距離が1のときの遷移時に、桁上がり信号Cを「1」とする。このため、貫通電流を減少させることができる。なお、ハミング距離が1のときの他の遷移時に、桁上がり信号Cを「1」としてもよい。
なお、mビットリプルカウンターをn段有するリプルカウンターの場合(一般形)は、ハミング距離の最大値は、「m・n」である。したがって、前記のように、mが「4」、nが「6」の場合は、ハミング距離の最大値は、「24」である。
なお、mビットカウンター3をn段有するカウンター回路1の場合(一般形)は、各mビットカウンター3の桁上がり時の遷移前の状態と遷移後の状態とのハミング距離をa(aは、1以上の整数)とした場合、ハミング距離の最大値は、「a・(n−1)・m」である。また、各mビットカウンター3のaが「1」の場合は、ハミング距離の最大値は、「m+n−1」である。したがって、前記のように、aが「1」、mが「4」、nが「6」の場合は、ハミング距離の最大値は、「9」である。
このように、カウンター回路1では、桁上がりが生じるときのハミング距離の最大値がリプルカウンターに比べて小さくなる。これにより、貫通電流を減少させることができる。
また、カウンター回路1では、回路の基本構成は、リプルカウンターと同様であるので、回路構成を簡単かつ小規模にすることができる。
また、カウンター回路1は、遷移前の状態と遷移後の状態とのハミング距離が1ではなく、2または3のときの遷移時に桁上がり信号Cを「1」とするように構成されていてもよい。
また、桁上がり信号Cを「1」とするときの遷移時の遷移前の状態と遷移後の状態とのハミング距離は、本実施形態では、各カウンター3のすべてが同一であるが、これに限らず、異なっていてもよい。
図7は、本発明のカウンター回路の第2実施形態を示すブロック図である。図8は、図7に示すカウンター回路のデコード部の動作を説明するための図である。
以下、第2実施形態について、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第2実施形態は、主として、さらにデコード部7を有すること以外は第1実施形態と同様である。
例えば、カウンター3の現在の状態(デコード前)での出力値「Q3、Q2、Q1、Q0」が、「1111」の場合は、デコード後の値であるデコード部7の出力値「Q3、Q2、Q1、Q0」は、「0000」となる。
以上のような第2実施形態によっても、前述した実施形態と同様の効果を発揮することができる。
なお、第2実施形態は、第3実施形態にも適用することができる。
図9は、本発明のカウンター回路の第3実施形態を示すブロック図である。図10は図9に示すカウンター回路の動作を説明するための図である。
以下、第3実施形態について、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図9に示すように、第3実施形態のカウンター回路1では、n段のmビットカウンター3(図1参照)で構成される部分(カウンター部2)は、m1ビットカウンター81と、m1ビットカウンター81とビット数の異なるm2(m1とm2の一方は、2以上の整数、他方は、1以上の整数)ビットカウンター82とを有している。そして、m1ビットカウンター81は、遷移前の状態と遷移後の状態とのハミング距離がm1以外のときの遷移時に桁上がり信号を出力するか、または、m2ビットカウンター82は、遷移前の状態と遷移後の状態とのハミング距離がm2以外のときの遷移時に桁上がり信号を出力するか、または、m1ビットカウンター81は、遷移前の状態と遷移後の状態とのハミング距離がm1以外のときの遷移時に桁上がり信号を出力し、かつ、m2ビットカウンター82は、遷移前の状態と遷移後の状態とのハミング距離がm2以外のときの遷移時に桁上がり信号を出力する。このカウンター回路1によれば、ビット数の異なる複数の単位カウンター(m1ビットカウンター81、m2ビットカウンター82)を有するカウンター回路1を実現することができる。
第3実施形態のカウンター回路1は、m1(m1は、2以上の整数)ビットカウンター81をn1(n1は、1以上の整数)段と、m1ビットカウンター81とビット数の異なるm2(m2は、2以上の整数)ビットカウンター82をn2(n2は、1以上の整数)段有するカウンター部2を備えている。そして、n1段のm1ビットカウンター81のうちの少なくとも1つは、遷移前の状態と遷移後の状態とのハミング距離がm1以外のときの遷移時に桁上がり信号を出力するか、または、n2段のm2ビットカウンター82のうちの少なくとも1つは、遷移前の状態と遷移後の状態とのハミング距離がm2以外のときの遷移時に桁上がり信号を出力するか、または、n1段のm1ビットカウンター81のうちの少なくとも1つは、遷移前の状態と遷移後の状態とのハミング距離がm1以外のときの遷移時に桁上がり信号を出力し、かつ、n2段のm2ビットカウンター82のうちの少なくとも1つは、遷移前の状態と遷移後の状態とのハミング距離がm2以外のときの遷移時に桁上がり信号を出力する。以下、具体的に説明する。
また、n1、n2は、それぞれ、1以上であれば、特に限定されず、諸条件に応じて適宜設定される。なお、n1とn2とは、同一でもよく、また、異なっていてもよい。また、n1とm1とは、同一でもよく、また、異なっていてもよい。また、n1とm2とは、同一でもよく、また、異なっていてもよい。また、n2とm1とは、同一でもよく、また、異なっていてもよい。また、n2とm2とは、同一でもよく、また、異なっていてもよい。
(条件1)
n1段のm1ビットカウンター81のうちの少なくとも1つは、遷移前の状態と遷移後の状態とのハミング距離がm1以外のときの遷移時に桁上がり信号を出力する。この場合、すべてのm1ビットカウンター81が遷移前の状態と遷移後の状態とのハミング距離がm1以外のときの遷移時に桁上がり信号を出力することが好ましい。
n2段のm2ビットカウンター82のうちの少なくとも1つは、遷移前の状態と遷移後の状態とのハミング距離がm2以外のときの遷移時に桁上がり信号を出力する。この場合すべてのm2ビットカウンター82が遷移前の状態と遷移後の状態とのハミング距離がm2以外のときの遷移時に桁上がり信号を出力することが好ましい。
n1段のm1ビットカウンター81のうちの少なくとも1つは、遷移前の状態と遷移後の状態とのハミング距離がm1以外のときの遷移時に桁上がり信号を出力し、かつ、n2段のm2ビットカウンター82のうちの少なくとも1つは、遷移前の状態と遷移後の状態とのハミング距離がm2以外のときの遷移時に桁上がり信号を出力する。この場合、すべてのm1ビットカウンター81が遷移前の状態と遷移後の状態とのハミング距離がm1以外のときの遷移時に桁上がり信号を出力することが好ましい。また、すべてのm2ビットカウンター82が遷移前の状態と遷移後の状態とのハミング距離がm2以外のときの遷移時に桁上がり信号を出力することが好ましい。
また、本実施形態では、m1が「4」、n1が「3」、m2が「3」、n2が「4」の場合、すなわち、カウンター部2が、4(m1)ビットカウンター81を3段と、3(m2)ビットカウンター82を4段有する24ビットカウンターである場合を例に挙げて説明する。また、以下では、4(m1)ビットカウンター、3(m2)ビットカウンターをそれぞれ「カウンター」とも言う。
カウンター回路1は、カウンター81を3段とカウンター82を4段有するカウンター部2を備えている。各カウンター81の構成は、第1実施形態のカウンター3の構成と同様であり、各カウンター82の構成は、第1実施形態のカウンター3を3段にした他は同様であるので、それぞれ、その説明は省略する。
このカウンター回路1では、各カウンター81および各カウンター82は、それぞれ、遷移前の状態と遷移後の状態とのハミング距離が1のときの遷移時に桁上がり信号Cを「1」とする。
カウンター82では、パルス信号Pのパルス(クロック)をカウントする場合、現在のカウント値(10進数で表記)と、現在の状態での出力値「Q2、Q1、Q0」と、次の状態での出力値「Q2、Q1、Q0」と、次の状態に遷移したときの桁上がり信号Cと、現在の状態と次の状態とのハミング距離とは、図10に示すようになっている。
以下、途中の説明は省略するが、カウント値が「7」のときの出力値は、「110」であり、次の状態での出力値は、「111」である。また、遷移後の桁上がり信号Cは、「1」である。また、ハミング距離は、「1」である。
このようにカウンター3では、ハミング距離が1のときの遷移時に、桁上がり信号Cを「1」とする。このため、貫通電流を減少させることができる。なお、ハミング距離が1のときの他の遷移時に、桁上がり信号Cを「1」としてもよい。
以上のような第3実施形態によっても、前述した実施形態と同様の効果を発揮することができる。
図11は、本発明の測定装置の1例である周波数比測定装置の実施形態を示すブロック図である。
図11では、回路中のバスを太線で示す。また、図11では、被測定信号において、遅延素子により遅延されていない被測定信号、遅延素子により遅延された31個の被測定信号のそれぞれを区別するため、遅延されていない被測定信号をFxまたはFx0とし、遅延された31個の被測定信号をそれぞれ、Fx1、Fx2・・・Fx31(Fx1〜Fx31は図示されていない)とする。また、Fx0〜Fx31をFx[31:0]と表記する。
以下、測定装置の1例である周波数比測定装置の実施形態について、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
この周波数比測定装置10によれば、周波数比測定装置10が備えるカウンター回路1は、前述した実施形態と同様の効果を発揮することができる。すなわち、カウンター回路1では、各カウンター3は、遷移前の状態と遷移後の状態とのハミング距離が小さいときに桁上がり信号を出力するので、桁上がりが生じるときのハミング距離が小さくなり、これにより、貫通電流を減少させることができる。また、回路構成を簡単かつ小規模にすることができる。また、周波数比測定装置10は、周波数比を精度良く測定することができる。以下、具体的に説明する。
また、周波数比測定装置10では、直接カウント方式とレシプロカルカウント方式とのいずれも採用することが可能である。以下では、代表的に、レシプロカルカウント方式を例に挙げて説明する。
また、カウンター20は、ラッチ21、ラッチ22および排他的論理和回路23を備えており、前記カウンター30と同様に構成されている。
また、エッジ検出部9と、カウンター部2と、ラッチ18と、デコード部7と、乗算器25とは、入力側から出力側に向って、この順序で接続されている。
また、カウンター20と、ラッチ24とは、入力側から出力側に向って、この順序で接続されている。
また、前記ラッチ17、ラッチ18およびラッチ26としては、それぞれ、例えば、Dラッチ等を用いることができる。
図11に示すように、エッジ検出部9では、基準信号Fsの立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジが検出される。すなわち、エッジ検出部9は、基準信号Fsの立ち上がりエッジに同期したパルスおよび基準信号Fsの立ち下がりエッジに同期したパルスを有するパルス信号Pを出力する。
また、カウンター30から出力された信号は、それぞれ、ラッチ17により、パルス信号Pの立ち上がりエッジに同期してラッチされ、出力される。
また、カウンター部2から出力されたカウント値は、ラッチ18に入力される。ラッチ18は、パルス信号Pの立ち上がりエッジに同期して前記カウント値をラッチし、出力する。そして、デコード部7は、ラッチ18から出力されたカウント値をデコードする。
乗算器25から出力された乗算値は、加算器27の一方の入力端子に入力される。また、加算器27の出力は、ラッチ26により、パルス信号Pの立ち上がりエッジに同期してラッチされ、出力され、加算器27の他方の入力端子に入力される。
以降の動作については詳細な説明を省略するが、例えば、現在の積算されたレシプロカルカウント値の総和と、1つ前の積算されたレシプロカルカウント値の総和との差を求め、出力する。この出力は、レシプロカルカウント値の総和である。なお、レシプロカルカウント値の総和を求める方法としては、この方法に限定されず、他の方法を用いてもよい。また、例えば、ローパスフィルター、移動平均フィルター等のフィルター等を設けてもよい。
また、レシプロカルカウント値の総和は、すべてのカウンター3の出力から得られたレシプロカルカウント値を合計した値である。したがって、レシプロカルカウント値の総和からも基準信号Fsと被測定信号Fxとの周波数比を求めることができる。
図12は、本発明の物理量センサーの1例である加速度センサーの実施形態を示す図である。図13は、図12中のA−A線での断面図である。
以下、物理量センサーの1例である加速度センサーの実施形態について、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
この被測定信号は、周波数比測定装置10に入力され、周波数比測定装置10は、前記実施形態で説明したように動作する。
前述したカウンター回路1の効果を確認するため、下記の実験を行なった。
図14および図15は、それぞれ、実験の際の測定に用いる装置およびその装置の接続を説明するためのブロック部である。図16および図17は、それぞれ、実験結果を示すグラフである。
第2実施形態のカウンター回路1を備える前記実施形態の周波数比測定装置10を用意した。カウンター回路1は、4ビットカウンターを6段有しており(24ビット)、各4ビットカウンターは、それぞれ、「1110」から「1111」に遷移するときに、桁上がり信号Cを「1」にする。このカウンター回路1の遷移前の状態と遷移後の状態とのハミング距離の最大値は、「9」である。
カウンター回路1をリプルカウンターに変更した他は前記実施例と同様の周波数比測定装置を用意した。
リプルカウンターは、4ビットリプルカウンターを6段有しており(24ビット)、各4ビットリプルカウンターは、それぞれ、「1111」から「0000」に遷移するときに、桁上がり信号を「1」にする。このリプルカウンターの遷移前の状態と遷移後の状態とのハミング距離の最大値は、「24」である。
そして、前記実施例と同様にして測定を行った。その結果は、図17に示す通りである。図17に示すグラフの縦軸および横軸は、図16に示すグラフと同様である。
比較例では、図17に示すように、周波数が99.18Hzのときと、その2倍の198.36Hz(倍波)のときに、それぞれ、矢印で指し示す大きな電源ノイズ(ノイズ成分)が生じた。このノイズは、桁上がりが生じるときの貫通電流の影響によるものと考えられる。その理由は、カウントしたクロックの周波数である26MHzを218で除算すると、前記ノイズの周波数である99.18Hzとなり、べき指数「18」は、桁上がりが生じるときの遷移前の状態と遷移後の状態とのハミング距離に相当するためである。同様に、26MHzを217で除算すると、前記ノイズの周波数である198.36Hzとなり、べき指数「17」は、桁上がりが生じるときの遷移前の状態と遷移後の状態とのハミング距離に相当するためである。
これに対し、実施例では、図16に示すように、前記貫通電流が減少し、周波数が99.18Hzおよび198.36Hzのノイズ成分が抑制された。
また、本発明は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
また、前記実施形態では、物理量センサーとして、加速度センサーを例に挙げて説明したが、本発明では、物理量センサーは、物理量の変化を周波数変化として検出することが可能なものであれば、これに限定されず、この他、例えば、質量センサー、超音波センサー、角加速度センサー、容量センサー等が挙げられる。
また、本発明の物理量センサーは、例えば、傾斜計、地震計、ナビゲーション装置、姿勢制御装置、ゲームコントローラー、携帯電話、スマートフォン、デジタルスチルカメラ等の各種の電子機器や、自動車等の各種の移動体等に適用することが可能である。すなわち、本発明では、本発明の物理量センサーを備えた電子機器、本発明の物理量センサーを備えた移動体等を提供することが可能である。
Claims (7)
- m(mは、2以上の整数)ビットカウンターをn(nは、2以上の整数)段有するカウンター部を備え、
前記n段のmビットカウンターは、それぞれ、mビットのバイナリーアップカウンターであり、
前記n段のmビットカウンターのうちの少なくとも1つは、遷移前の状態と遷移後の状態とのハミング距離が1のときの遷移時に桁上がり信号を出力し、
前記mビットカウンターの各桁の初期の出力値は、それぞれ、「1」であることを特徴とするカウンター回路。 - 前記カウンター部から出力されたカウントデータをデコードするデコード部を有する請求項1に記載のカウンター回路。
- 前記デコード部は、前記n段のmビットカウンターのそれぞれから出力されたデータ毎に、所定の数を加算または減算することにより前記カウントデータをデコードする請求項2に記載のカウンター回路。
- 前記n段の前記mビットカウンターで構成される部分は、m1ビットカウンターと、前記m1ビットカウンターとビット数の異なるm2(m1とm2の一方は、2以上の整数、他方は、1以上の整数)ビットカウンターとを有し、
前記m1ビットカウンターは、遷移前の状態と遷移後の状態とのハミング距離がm1以外のときの遷移時に桁上がり信号を出力するか、または、前記m2ビットカウンターは、遷移前の状態と遷移後の状態とのハミング距離がm2以外のときの遷移時に桁上がり信号を出力するか、または、前記m1ビットカウンターは、遷移前の状態と遷移後の状態とのハミング距離がm1以外のときの遷移時に桁上がり信号を出力し、かつ、前記m2ビットカウンターは、遷移前の状態と遷移後の状態とのハミング距離がm2以外のときの遷移時に桁上がり信号を出力する請求項1ないし3のいずれか1項に記載のカウンター回路。 - 請求項1ないし4のいずれか1項に記載のカウンター回路を備え、
前記カウンター回路を用いて測定を行うことを特徴とする測定装置。 - 被測定信号と基準信号との周波数比を測定する請求項5に記載の測定装置。
- 物理量を検出する検出部と、
前記検出部から出力された被測定信号が入力される請求項5または6に記載の測定装置と、を備えることを特徴とする物理量センサー。
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