JP6967485B2 - 有機着色剤、着色組成物、及びインクジェットインク - Google Patents
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Description
金属光沢の中でも、とりわけ金色は富の象徴であり、太古の昔から人々に好まれてきており、正月などのおめでたい行事には欠かせない色である。一方、銀色も落ち着いた風合いで人気が高く、様々な場面で見かけることが多い。また、銀色は金色と異なり、その他の色の着色組成物と混合することにより、金色を含む様々な金属光沢色を表現することができるため、金色よりも汎用性が高く、産業上利用価値が高い。
また、環境負荷の低減のため、印刷インキなどの着色組成物は、有機溶剤を極力使用しない水系のものに次々と置き換わっているが、アルミニウム微粒子は、水と反応して水素ガスを発生する上に、アルミニウムからアルミナに変化してしまうため、金属光沢も失われてしまうという課題があった。
一般式(1)
本発明の有機着色剤は、下記一般式(1)で表される。
一般式(1)
一方、本発明における銀色光沢とは、正反射率が10%以上あり、かつ、色彩値(a*値、b*値)におけるa*値、b*値がいずれも−3.5以上3.5以下である場合をいう。この範囲を外れると、黄味がかったり、青みがかったりするため銀色とは言いがたくなる。なお、銀色の折り紙の正反射率は38%で、a*値は−1.2、b*値は−3.2である。
前記一般式(1)で表される化合物が銀色光沢を発現するためには、R1及びR2以外の基本骨格が重要である。一方、R1及びR2については、基本骨格が有する特性に悪影響を与えない範囲で種々選択することができる。
また、銀色光沢の発現のためにはトランス体であることが重要であり、純粋なシス体は銀色光沢を発現しない。したがって、前記一般式(1)としてトランス体を示したが、シス体が多少混入しても銀色光沢に大きな影響は及ぼさないから、銀色光沢に影響を与えない限りシス体が混入しても構わない。
炭素数が1〜20であると化合物の結晶性を向上でき、銀色光沢が発現しやすくなる。また、直鎖状のアルキル基であると、光沢度の観点で好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記R3は、水素原子、又は炭素数が1〜2のアルキル基を表す。
前記R4は、ヒドロキシ基、炭素数が1〜2のアルコキシ基、炭素数が2〜5のアルケニルオキシ基、SO3Na基、OSO3Na基、フェニル基、フェニルアルキル基(アルキル部分の炭素数が1〜3)、ナフチル基、又はナフチルアルキル基(アルキル部分の炭素数が1〜3)を表す。
前記R5は、炭素数が1〜20のアルキル基、炭素数が1〜20のアルケニル基、又は炭素数が1〜12のヒドロキシアルキル基を表す。
前記R6は、水素原子、又はメチル基を表す。
前記R7は、炭素数が1〜4のアルキル基を表す。
前記R8は、炭素数が1〜5のアルキル基を表す。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい
本発明の着色組成物は、本発明の前記有機着色剤を含み、更に必要に応じて、有機溶剤、水、樹脂、界面活性剤、及びその他の成分を含む。
前記有機溶媒としては、通常のインクに用いられる有機溶媒を使用することができる。
前記有機溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、トリデシルアルコール、シクロヘキシルアルコール、2−メチルシクロヘキシルアルコール等のアルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン等のグリコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルアセテート、エチレングリコールモノエチルアセテート、エチレングリコールモノブチルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルアセテート、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸イソプロピレン、酢酸n−ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、ジアセトンアルコール等のケトン類;テトラヒドロフラン(THF);その他の有機溶剤としてヘキサン、トルエン、キシレン、アセトニトリル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトンなどが挙げられる。これらは、印刷時のヘッドノズルの特性への適合性、安全性、乾燥性の観点から種々の溶剤が選択され、必要に応じて複数の溶剤を混合して用いることができる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
水溶性有機溶剤としては、例えば、多価アルコール類、多価アルコールアリールエーテル類などのエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類が挙げられる。
水溶性有機溶剤の具体例としては、例えば、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、ポリプロピレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、エチル−1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ペトリオール等の多価アルコール類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ε−カプロラクタム等の含窒素複素環化合物;ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド、3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド等のアミド類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等のアミン類;ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物;プロピレンカーボネート、炭酸エチレンなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、着色組成物は、着色剤及び添加剤(界面活性剤や分散剤)以外のすべての成分が有機溶剤であってもよく、水を添加せずに用いてもよい。この場合であっても、除けない、混入している水は含んでいてもよい。
前記水としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、超純水などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリルスチレン系樹脂、アクリルシリコーン系樹脂などが挙げられる。
また、樹脂粒子を、水を分散媒として分散した樹脂エマルジョンの状態で、色材や有機溶剤などの材料と混合して着色組成物を得ることが可能である。前記樹脂粒子としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。また、これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の有機着色剤を水性媒体に分散させるために、分散剤を用いてもよい。前記分散剤としては、イオン性界面活性剤や非イオン性界面活性剤のような化学合成された界面活性剤を用いることができる。その他、天然物由来及びこれを酵素等により改質したものも用いることができる。
界面活性剤としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤のいずれも使用可能である。
本発明の着色組成物は、前記の成分の他に、所望の物性値を持つインクとするために、本発明の効果を阻害しない範囲内において、必要に応じて、pH調整剤、防腐剤、防黴剤等、種々の添加剤を含有させてもよい。
pH調整剤としては、pHを7以上に調整することが可能であれば、特に制限はなく、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンなどが挙げられる。
防腐防黴剤としては、特に制限はなく、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンなどが挙げられる。
前記着色組成物は、分散媒等と共に公知の分散機で分散させて製造することができる。ここでいう分散媒とは、分散機で分散処理している最中の水や溶媒のことである。即ち、混合時と同じ水や溶媒でも、分散処理時には、便宜上「分散媒」と称した。
また、必要に応じて、分散湿潤剤、皮張り防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の各種助材や安定剤を用いてもよい。
前記樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、ニトロセルロ−ス系樹脂、ポリアミド系樹脂、ウレタン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ロジン系樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
また、前記溶媒としては、例えば、芳香族炭化水素、エステル、ケトン、アルコールなどが挙げられる。具体的には、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルブチルケトン、メチルエチルケトン、イソプロピルアルコール、メタノール、エタノールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記樹脂としては、硬化性の有無や1液型/2液型を問わずに例示すると、アルキッド樹脂、変性アルキッド樹脂、アクリル樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、アクリル−メラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、酢酸ビニル樹脂などが挙げられる。
また、前記溶媒としては、例えば、芳香族炭化水素、エステル、ケトン、アルコールなどが挙げられる。具体的には、水、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルブチルケトン、メチルエチルケトン、イソブチルアルコ−ル、ノルマルブタノール、シクロヘキサノンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
分散条件としては、分散媒及び分散機によって異なるため、分散温度や分散時間は特定できないが、分散温度としては、室温〜240℃が好ましく、室温〜150℃がより好ましく、分散時間としては、120時間以内が好ましく、5時間以内がより好ましい。
前記着色組成物は、必要に応じて他の添加剤、顔料、染料等と混合し、最終的な塗料、印刷インク、プラスチック用着色剤、カラートナー、インクジェットインクなどとして使用することができる。
顔料分散体を製造する際に顔料を分散する分散機としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の分散機を適宜選択することができ、例えば、ディスパー、ホモミキサー、ビーズミル、ボールミル、二本ロール、三本ロール、加圧ニーダー、超音波分散機などが挙げられる。
本発明のインクジェットインクは、本発明の前記有機着色剤を含み、更に必要に応じて、有機溶剤、水、樹脂、界面活性剤、及びその他の成分を含む。
1H NMR(400MHz;CH3OD):δ 7.79(doublet(d),4H),7.40(d,4H),6.85(d,4H),6.77(d,4H)
1H NMR(400MHz;CDCl3):δ 7.82(d,4H) ,7.60(singlet(s),1H),7.97(d,4H),7.91(d,4H),4.03(triplet(t),2H),3.97(t,2H),1.80(multilet(m),4H),1.50(m,4H),0.99(m,6H)
次に、前記化合物g1の中間体1(1.049g、2.60mmol)と脱水THF(30mL)を二口ナスフラスコに入れ、70℃で還流させ始めたところで、0.5質量%水酸化ナトリウム水溶液を50mL加えた。反応系を2時間還流させた後、減圧留去により溶媒を除去し、残渣に水を100mL加えた。吸引濾過により水不要物を除去した後、ろ液が酸性になるまで希塩酸を滴下し粗生成物を析出させた。粗生成物をアセトン30mLで洗浄し、化合物g1の中間体2を得た。
次に、窒素雰囲気下、前記化合物g1の中間体2(0.528g、1.52mmol)を入れた二口ナスフラスコに塩化チオニルを8mL加えた。反応系を80℃で5時間還流させた後、未反応の塩化チオニルを減圧除去し、化合物g1の中間体3を得た。
次に、前記化合物g1の中間体3にクロロホルムを10mL加え、氷浴で0℃まで冷却した後、0℃の2.4質量%水酸化ナトリウム水溶液5mLとイソプロピルアミン(0.89g、15.1mmol)を加えた。得られた溶液を90分間撹拌した後、吸引濾過して円形の濾紙上(直径21mm)に積層させ、最後にメタノール30mLで洗浄し、化合物g1の銀色光沢結晶薄膜体を得た。実施例1と同様に、NMRにより測定し、化合物g1が得られたことを同定した。
次に、窒素雰囲気下にて、二口ナスフラスコにp−アミノフェノール(2.19g、20.1mmol)、化合物j2の中間体1(5.82g、20.1mmol)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC)(3.75g、24.2mmol)を入れたのち、アセトン(脱水)50mLを加え、12時間加熱還流した。その後、溶媒を減圧除去し、残渣を酢酸エチル40mLで一回洗浄、希塩酸40mLで一回洗浄し吸引濾過によって、化合物j2の中間体2を得た。
次に、二口ナスフラスコに、化合物j2の中間体2(2.92g、10.1mmol),ブロモ酢酸エチル(1.69g、10.1mmol)、炭酸カリウム(13.9g、100.9mmol)を入れた後、アセトン300mLを加え、72時間加熱還流した。その後、溶媒を減圧除去し、残渣をヘキサン100mLで2回洗浄(100mL×2回)し、更に、ヘキサンで洗浄後の残渣をアセトンで再結晶し、目的物である化合物j2を得た。
次に、30mLのサンプル瓶に化合物j2を2.0gとメタノール1,200mLを加え、この混合液を80℃まで加熱することで固体を完全に溶解させた。その後、溶液を24時間室温下で静置した。析出した結晶を吸引濾過により、円形の濾紙上(直径21mm)に積層させ、化合物j2の銀色光沢結晶薄膜体を得た。実施例1と同様に、NMRにより測定し、化合物j2が得られたことを同定した。
次に、窒素雰囲気下にて、二口ナスフラスコに、合成した化合物k1の中間体(3.73g、14.4mmol)、1−ブロモブタン(19.74g、144.1mmol)、炭酸カリウム(13.9g、100.9mmol)を入れた後、アセトン300mLを加え、72時間加熱還流した。その後、溶媒を減圧除去し、残渣をヘキサン100mLで2回洗浄(100mL×2回)した。更に、ヘキサンで洗浄後の残渣をアセトンで再結晶し、目的物である化合物k1を得た。
次に、30mLのサンプル瓶に化合物k1を2.0gとメタノール1,200mLを加え、この混合液を80℃まで加熱することで固体を完全に溶解させた。その後、溶液を24時間室温下で静置した。析出した結晶を吸引濾過により、円形の濾紙上(直径21mm)に積層させ、化合物k1の結晶薄膜体を得た。実施例1と同様に、NMRにより測定し、化合物k1が得られたことを同定した。
合成した各化合物について、正反射率及び色彩値を測定し、銀色光沢度を評価した。
即ち、紫外可視分光光度計(JASCO V−570 UV/VIS/NIR Spectrophotometer、JASCO社製)に、大型積分球装置(JASCO ILN−472型の大型積分球装置カラー診断プログラム、JASCO社製)を取り付け、光トラップ反射板を外した状態で、試料用ホルダにセットした各化合物の結晶について拡散反射率を測定した。次に光トラップ反射板を挿入して全反射率を測定し、「正反射率=全反射率−拡散反射率」の式により正反射率を算出した。また、全反射率の測定結果から各色彩値を算出した。
得られた正反射率と色彩値について、下記の基準で判定した結果を表1〜表4に示す。
なお、正反射率と色彩値(a値、b値)がいずれもランク1以上であれば、実用可能な銀色光沢を有する有機着色剤といえる。
[正反射率:評価基準]
ランク3:20%≦正反射率
ランク2:15%≦正反射率<20%
ランク1:10%≦正反射率<15%
ランク0:正反射率<10%
[色彩値(a*値):評価基準]
ランク3:−1.5≦a*≦1.5
ランク2:−2.5≦a*<−1.5 又は 1.5<a*≦2.5
ランク1:−3.5≦a*<−2.5 又は 2.5<a*≦3.5
[色彩値(b*値):評価基準]
ランク3:−1.5≦b*≦1.5
ランク2:−2.5≦b*<−1.5 又は 1.5<b*≦2.5
ランク1:−3.5≦b*<−2.5 又は 2.5<b*≦3.5
−着色組成物1の調製−
バイアル瓶を用いて、下記処方の材料を均一になるように混合し、常温で1時間超音波を照射(600W)した後、平均孔径が5.0μmのフィルタで濾過して着色組成物1を得た。
・化合物a1の銀色光沢結晶薄膜体 5.0質量部
・イオン交換水 5.0質量部
・脱水THF 89.8質量部
・分散剤(DISPERBYK−190、ビックケミー社製) 0.2質量部
−着色組成物2〜35の調製−
実施例35において、実施例1の化合物a1を、下記表5〜8に示す化合物に変えた以外は、実施例35と同様にして、実施例36〜68の着色組成物2〜34、及び比較例2の着色組成物35を得た。
得られた着色組成物1〜35を、下記のようにしてガラス媒体、及びカラーペーパーに塗り、その印刷物の銀色光沢度を測定し評価した。結果を表5〜8に示す。ここで、正反射率と色彩値(a値、b値)がいずれもランク1以上であれば、実用可能な銀色光沢を有する着色組成物といえる。
各着色組成物を、バーコーター(No.22、第一理化株式会社製)を用いて、板厚1.0mmの25mm×75mmサイズのガラス基板に、平均厚み50μmになるように塗工して印刷物を得た。次いで、印刷物の銀色光沢度を、実施例1における<化合物の銀色光沢度評価>と同様にして評価した。
各着色組成物を、バーコーター(No.22、第一理化株式会社製)を用いて、カラーペーパー(カラーペーパーA4 中厚口、株式会社長門屋商店製)に、平均厚み50μmになるように塗工して印刷物を得た。次いで、印刷物の銀色光沢度を、実施例1における<化合物の銀色光沢度評価>と同様にして評価した。
−インクジェットインク1の調製−
バイアル瓶(製品名:SV−50A、日電理化硝子株式会社製)に、下記の混合物を均一になるように混合した後、化合物a1の銀色光沢結晶薄膜体を6質量部加え、超音波ホモジナイザー(装置名:US−300T:チップ直径7mm、株式会社日本精機製作所製)を用い、常温で1分間、超音波を照射(120μA)した後、平均孔径が5.0μmのフィルタ(商品名:ミニザルト 17594−K、ザルトリウス・ステディム・ジャパン社製)で濾過し分散体を作製した。
・イオン交換水 11.4質量部
・3−メチル−1,3−ブタンジオール 12.0質量部
・分散剤(DISPERBYK−190、ビックケミー社製) 0.6質量部
・アクリットWEM−321U 12.3質量部
(アクリルウレタン水系エマルジョン、大成化工株式会社製)
・グリセリン 11.7質量部
・1,3−ブタンジオール 35.2質量部
・2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 6.3質量部
・ポリフォックスPF−156A 5.2質量部
(アニオン系フッ素系界面活性剤、OMMNOVA SOLUTIONS社製)
・Proxel LV 0.3質量部
(防腐防黴剤、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、アビシア社製)
・トリエタノールアミン 0.2質量部
・イオン交換水 28.9質量部
−インクジェットインク2〜35の調製−
実施例69において、化合物a1を、下記表9〜12に示す化合物に変えた以外は、実施例69と同様にして、実施例70〜102のインクジェットインク2〜34、及び比較例3のインクジェットインク35を得た。
得られた化合物を含むインクジェットインクをインクカートリッジに充填し、インクジェットプリンター(装置名:IPSiO GX3000、株式会社リコー製)を用いて、全ノズルにインクが充填され異常画像が出ないことを確認し、記録媒体(商品名:カラーペーパーA4 中厚口、株式会社長門屋商店製)上へのインク付着量が100g/m2となるように吐出量を調整した後、50mm×50mmのベタ画像を得た。次いで、得られたベタ画像の銀色光沢度を、実施例1における<化合物の銀色光沢度評価>と同様にして評価した。
<1> 下記一般式(1)で表される有機着色剤である。
一般式(1)
<2> 前記R1及び前記R2の前記フェニル基、及び前記ナフチル基、並びに前記R4のフェニルアルキル基、及び前記ナフチルアルキル基が、置換基を有し、
前記置換基が、アルキル基、アルケニル基、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、シアノ基、シアノアルキル基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、及びアミノ基から選択される少なくとも1種である前記<1>に記載の有機着色剤である。
<3> 前記R1及び前記R2が、それぞれ独立に、炭素数が1〜20の直鎖アルキル基、炭素数が1〜20の直鎖アルケニル基で表される基のいずれかである前記<1>に記載の有機着色剤である。
<4> 前記R1及び前記R2が、−(CH2)2−OHである前記<1>に記載の有機着色剤である。
<5> 前記R1及び前記R2が、エチルスルホン酸ナトリウムである前記<1>から<4>のいずれかに記載の有機着色剤である。
<6> 前記R1及び前記R2が、エチルエーテルスルホン酸ナトリウムである前記<1>から<4>のいずれかに記載の有機着色剤である。
<7> 前記R1及び前記R2が、2―メチルブタンである前記<1>から<4>のいずれかに記載の有機着色剤である。
<8> 前記R1及び前記R2が、プロピオン酸である前記<1>から<4>のいずれかに記載の有機着色剤である。
<9> 前記R1及び前記R2が、プロピオン酸メチルである前記<1>から<4>のいずれかに記載の有機着色剤である。
<10> 前記R1及び前記R2が、プロピオン酸エチルである前記<1>から<4>のいずれかに記載の有機着色剤である。
<11> 前記<1>から<10>のいずれかに記載の有機着色剤を含むことを特徴とする着色組成物である。
<12> 有機溶剤を更に含む前記<11>に記載の着色組成物である。
<13> 水を更に含む前記<11>から<12>のいずれかに記載の着色組成物である。
<14> 樹脂を更に含む前記<11>から<13>のいずれかに記載の着色組成物である。
<15> 界面活性剤を更に含む前記<11>から<14>のいずれかに記載の着色組成物である。
<16> 前記有機着色剤の含有量が、0.01質量%〜50.0質量%である前記<11>から<15>のいずれかに記載の着色組成物である。
<17> 前記<1>から<10>のいずれかに記載の有機着色剤を含むことを特徴とするインクジェットインクである。
<18> 有機溶剤を更に含む前記<17>に記載のインクジェットインクである。
<19> 水を更に含む前記<17>から<18>のいずれかに記載のインクジェットインクである。
<20> 樹脂を更に含む前記<17>から<19>のいずれかに記載のインクジェットインクである。
<21> 界面活性剤を更に含む前記<17>から<20>のいずれかに記載のインクジェットインクである。
<22> 前記有機着色剤の含有量が、0.1質量%〜30.0質量%である前記<17>から<21>のいずれかに記載のインクジェットインクである。
Claims (6)
- 下記一般式(1)で表される有機着色剤。
一般式(1)
- 前記R1及び前記R2の前記フェニル基、及び前記ナフチル基、並びに前記R4のフェニルアルキル基、及び前記ナフチルアルキル基が、置換基を有し、
前記置換基が、アルキル基、アルケニル基、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、シアノ基、シアノアルキル基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、及びアミノ基から選択される少なくとも1種である請求項1に記載の有機着色剤。 - 前記R1及び前記R2が、それぞれ独立に、炭素数が1〜20の直鎖アルキル基、炭素数が1〜20の直鎖アルケニル基で表される基のいずれかである請求項1に記載の有機着色剤。
- 前記R1及び前記R2が、−(CH2)2−OHである請求項1に記載の有機着色剤。
- 請求項1から4のいずれかに記載の有機着色剤を含むことを特徴とする着色組成物。
- 請求項1から4のいずれかに記載の有機着色剤を含むことを特徴とするインクジェットインク。
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