JP6752031B2 - 有機着色剤及び着色組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、スチルベン系化合物からなる有機着色剤、及び該有機着色剤を含有する着色組成物に関する。
金属光沢を有するものは人々にきらびやかな印象を与えるため日常生活のあらゆる場面で目にする機会が多い。金属そのものを用いてその意匠性を付与する場合もあるが、基材に金属光沢を有する着色組成物をコートすることにより意匠性を付与することが多い。
コートする方法としては、光輝性を有する顔料を含む印刷インキを用いて各種印刷方式で印刷する方法や、接着剤や熱融着により転写箔する方法が用いられてきた。
金属光沢の中でも、とりわけ金色は富の象徴であり、太古の昔から人々に好まれてきており、正月などのおめでたい行事には欠かせない色である。一方、銀色も落ち着いた風合いで人気が高く、様々な場面で見かけることが多い。また、銀色は金色と異なり、その他の色の着色組成物と混合することにより、金色を含む様々な金属光沢色を表現することが出来るため、金色よりも汎用性が高く、産業上利用価値が高い。
従来、銀色の金属光沢を有する着色組成物に用いられる顔料としてはアルミニウム微粒子や銀粉があるが、コストの問題からアルミニウム微粒子が広く使用されている。しかし、アルミニウム微粒子は比重が重いため着色組成物中に安定に存在し難く、経時で沈降し、場合によっては固着してしまい、ハードケーキを形成してしまうという課題がある。
また、環境負荷の低減のため、印刷インキなどの着色組成物は、有機溶剤を極力使用しない水系のものに次々と置き換わっているが、アルミニウム微粒子は、水と反応して水素ガスを発生する上に、アルミニウムからアルミナに変化してしまうため、金属光沢も失われてしまうという課題があった。
また、近年では、インクジェット印刷技術の発展により、インクジェット印刷でも金属光沢を有する印刷物を得たいという要望が高まってきており、例えば特許文献1のように市販の鱗片状アルミニウム顔料や酸化チタン被覆マイカ顔料などを光輝顔料としてインクジェットインクに利用する検討がなされている。しかし、インク中の光輝顔料の最大粒子径が数十μmと非常に大きいため、ノズル詰まりが生じたり、経時で顔料が沈降するという課題がある。そこで、例えば特許文献2のように、鱗片状アルミニウム顔料がインク中で容易に沈降しない処理を施すことが検討されており、一定の効果が得られているが未だ不十分である。また、水と反応し水素ガスが発生するという課題も、例えば特許文献3などで耐水化アルミニウム顔料が検討されているが、依然として解決はされていない。
そこで、このような諸々の課題を解決するため、金属光沢を有する有機色素材料の開発が幅広く行われている(例えば、特許文献4〜6)。有機色素材料は、金属と比べて比重が非常に軽いため、適切に分散させることができれば、着色組成物中で沈降する危険性を大きく軽減できる。また、有機色素材料の構造を適切に設計することにより水系でも安定に存在させることが可能である。
しかし、金属光沢を有する有機色素材料は少しずつ開発されてきているものの、最も汎用性が高いキーカラーである銀色光沢を有する有機色素材料は、未だ開発されていない。
本発明は、銀色光沢を発現する有機着色剤の提供を目的とする。
一般に金属光沢とは、金属特有のツヤ感や光沢感等のことをいい、例えば光輝性の低いツヤ消しの金属光沢も含む。具体的には、正反射率を測定して金属光沢の有無を判断し、正反射率が10%以上であれば金属光沢があると判断する。正反射率が10%未満では、マットな色調の方が強くなり、金属光沢とは言いがたくなる場合がある。
一方、本発明における銀色光沢とは、正反射率が10%以上で且つ色彩値(L,a,b)におけるa値、b値がいずれも−3.5以上、3.5以下である場合を指す。この範囲を外れると、黄味がかったり、青みがかったりするため銀色とは言いがたくなる。なお、銀色の折り紙の正反射率は38%である。
本発明者等は、特定構造を有するスチルベン系化合物の結晶が銀色光沢を発現することを見出し本発明に至った。即ち、上記課題は、次の1)の発明により解決される。

1) 下記一般式(1)で表され、その結晶の正反射率が10%以上で且つ色彩値(L,a,b)におけるa値、b値がいずれも−3.5以上、3.5以下であるスチルベン系化合物からなる有機着色剤。

一般式(1)
Figure 0006752031
上記式中、R〜Rは、それぞれ独立に、炭素数が6〜20のアルキル基、炭素数が〜20のアルケニル基、置換基を有してもよいフェニル基、置換基を有してもよいナフチル基、−(CH)n−COO−R、−(CH)n−R、−(CH)n−CONH−R、−CR−COO−R、又は−(CH)n−OCOCHで表される基を表し、Rは、水素原子、又は炭素数が1〜2のアルキル基を表し、Rは、水酸基、炭素数が1〜2のアルコキシ基、炭素数が2〜5のアルケニルオキシ基、SONa基、OSONa基、置換基を有してもよいフェニルアルキル基(アルキル部分の炭素数が1〜3)、又は置換基を有してもよいナフチルアルキル基(アルキル部分の炭素数が1〜3)を表し、Rは、炭素数が1〜20のアルキル基、炭素数が〜20のアルケニル基、又は炭素数が1〜12のヒドロキシアルキル基を表し、Rは、水素原子、又はメチル基を表し、Rは、炭素数が1〜4のアルキル基を表し、Rは、炭素数が1〜5のアルキル基を表し、nは1〜12の整数を表す。
本発明によれば、銀色光沢を発現する有機着色剤を提供できる。
以下、上記本発明1)について詳しく説明するが、本発明1)の実施の態様には、次の2)〜4)も含まれるので、これらについても併せて説明する。
2) 前記置換基が、アルキル基、アルケニル基、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、シアノ基、シアノアルキル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アミノ基から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする1)記載の有機着色剤。
3) 前記R〜Rが、−(CH−OHであることを特徴とする1)記載の有機着色剤。
4) 1)〜3)のいずれかに記載の有機着色剤、水及び溶剤を含有することを特徴とする着色組成物。
前記一般式(1)で表されるスチルベン系化合物の結晶が銀色光沢を発現するためには、R、R以外の基本骨格が重要である。一方、R、Rについては、基本骨格が有する特性に悪影響を与えない範囲で種々選択することができる。
また、銀色光沢の発現のためにはトランス体であることが重要であり、純粋なシス体は銀色光沢を発現しない。したがって、一般式(1)としてトランス体を示したが、シス体が多少混入しても銀色光沢に大きな影響は及ぼさないから、銀色光沢に影響を与えない限りシス体が混入しても構わない。しかし、実施例として示したような一般的な方法で合成するとほぼトランス体が得られる。
前記一般式(1)のR〜Rにおける炭素数が6〜20のアルキル基の例としては、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、tert−オクチル基、シクロヘキシル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。炭素数が5以下では化合物の親油性が不足し有機溶剤への溶解性が劣るし、化合物中にバルキーな置換基がないため有機溶剤への分散性も劣り、着色組成物として好ましくない。一方、化合物の結晶性及び銀色光沢の発現しやすさを考慮すると、炭素数の上限は20である。
前記一般式(1)のR〜Rにおける炭素数が〜20のアルケニル基としては、構造中に複数の炭素−炭素二重結合を有していてもよい。その具体例としては、ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、イソプロペニル基、イソブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、1,3−ブタジエニル基、シクロヘキサジエニル基、シクロペンタジエニル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。化合物の結晶性及び銀色光沢の発現しやすさを考慮すると、炭素数の上限は20である。
前記一般式(1)のR〜Rにおけるフェニル基、ナフチル基、及びRがフェニルアルキル基、ナフチルアルキル基の場合のフェニル基やナフチル基の部分は、銀色光沢の発現などに悪影響を与えない範囲で置換基を有してもよい。その例としては、アルキル基、アルケニル基、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、シアノ基、シアノアルキル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アミノ基等が挙げられる。なお、置換基中のアルキル部分の炭素数はあまり多くない方がよく、1〜6程度とする。
前記一般式(1)のRの炭素数が1〜20のアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基、トリフルオロメチル基、イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、2−エチルヘキシル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、tert−オクチル基、ネオペンチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。化合物の結晶性及び銀色光沢の発現しやすさを考慮すると、炭素数の上限は20である。
前記一般式(1)のRの炭素数が〜20のアルケニル基としては、前述したR〜Rがアルケニル基である場合と同様のものが挙げられ、炭素数の上限も同様の理由から20である。
前記一般式(1)のR〜Rにおいて、nは、1〜12の整数とする。12を超えると化合物の結晶性が著しく悪くなるため銀色光沢を発現しにくくなる場合がある。
本発明のスチルベン系化合物の具体例としては以下のものが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。これらの結晶は、いずれも銀色光沢を有する。
(化合物群a)
Figure 0006752031
(化合物群b)
Figure 0006752031
(化合物群c)
Figure 0006752031
(化合物群d)
Figure 0006752031
(化合物群e)
Figure 0006752031
(化合物群f)
Figure 0006752031
(化合物群g)
Figure 0006752031
(化合物群h)
Figure 0006752031
(化合物群i)
Figure 0006752031
(化合物群j)
Figure 0006752031
本発明のスチルベン系化合物を水及び溶剤と混合することにより、銀色光沢を発現する本発明の着色組成物が得られる。
この着色組成物の用途としては、塗料、印刷インキ、プラスチック用着色剤、カラートナー、インクジェット用インク等が挙げられる。
上記本発明の着色組成物は、分散媒等と共に公知の分散機で分散させることができる。ここでいう分散媒とは、分散機で分散処理している最中の水や溶媒のことである。即ち、混合時と同じ水や溶媒でも、分散処理時には、便宜上「分散媒」と呼ぶことにした。
また、必要に応じて、分散湿潤剤、皮張り防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の各種助材や安定剤を用いても構わない。
オフセットインキ用のワニスは、高分子樹脂成分として、例えばロジン変性フェノール樹脂、石油樹脂、アルキッド樹脂、又はこれらの乾性油変性樹脂等の樹脂と、必要に応じて、アマニ油、桐油、大豆油等の植物油と、n−パラフィン、イソパラフィン、アロマテック、ナフテン、α−オレフィン等の溶剤からなるものであって、それらの混合割合は、重量比で、樹脂:植物油:溶剤=20〜50部:0〜30部:10〜60部の範囲が好ましい。また、アクリル酸エステルを含有するワニスもある。更に、必要に応じて、インキ溶剤、ドライヤー、レベリング改良剤、増粘剤等の公知の添加剤を適宜配合してもよい。
グラビア印刷インキ、フレキソ印刷インキのビヒクルとは、樹脂、溶媒、可塑剤等の添加剤を複数含有するものを指す。樹脂としては、アクリル系樹脂、ニトロセルロ−ス系樹脂、ポリアミド系樹脂、ウレタン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ロジン系樹脂等から選ばれる1種以上の樹脂が挙げられる。
また、溶媒としては、芳香族炭化水素、エステル、ケトン、アルコール等から選ばれる1種以上の溶媒が挙げられる。具体的には、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルブチルケトン、メチルエチルケトン、イソプロピルアルコ−ル、メタノ−ル、エタノ−ル等が挙げられる。
塗料用のビヒクルとは、溶剤、樹脂、添加剤などを複数含有するものを指す。樹脂としては、硬化性の有無や1液型/2液型を問わずに例示すると、アルキッド樹脂、変性アルキッド樹脂、アクリル樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、アクリル−メラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、酢酸ビニル樹脂などが挙げられる。
また、溶媒としては、芳香族炭化水素、エステル、ケトン、アルコール等から選ばれる1種以上の溶媒が挙げられる。具体的には、水、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルブチルケトン、メチルエチルケトン、イソブチルアルコ−ル、ノルマルブタノール、シクロヘキサノン等が挙げられる。
プラスチック用着色剤として用いる場合の樹脂としては、ポリ(メタ)アクリレート、ポリスチレン、ABS樹脂、AS樹脂、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、PETやPBT等のポリエステル、変性ポリフェニレンエーテル等を用いた熱可塑性樹脂などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
カラートナー用の樹脂としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、アミノスチレン等のスチレン及びその誘導体;メタクリル酸、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル類;アクリル酸、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等のアクリル酸エステル類;ブタジエン、イソプレン等のジエン類;アクリロニトリル類;マレイン酸、無水マレイン酸、マレイン酸エステル類;ビニルエーテル、酢酸ビニル等のビニル化合物類;エチレン、プロピレン等のオレフィン類の単独重合体や共重合体、及びポリエステル類、ポリアミド類、ポリウレタン類、を単独で又は混合して用いることができる。また、必要に応じて、サリチル酸金属塩、含金属アゾ化合物、ニグリシン、四級アンモニウム塩などの電荷制御剤や、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン、ワックス等のオフセット防止剤などの公知の材料を添加してもよい。
上記着色組成物中のスチルベン系化合物の割合は、70重量%以下が好ましく、0.01〜50重量%の範囲が特に好ましい。なお、残部は分散媒である。
分散条件は分散媒及び分散機によって異なるため、分散温度や分散時間は特定できないが、分散温度は室温〜240℃が好ましく、より好ましくは室温〜150℃であり、分散時間は120時間以内が好ましく、より好ましくは5時間以内である。
上記着色組成物は、必要に応じて他の添加剤、顔料、染料等と混合し、最終的な塗料、印刷インキ、インクジェット用インク、プラスチック、カラートナー、記録剤等として使用する。
顔料分散体を製造する際に顔料を分散する分散機としては、ディスパー、ホモミキサー、ビーズミル、ボールミル、二本ロール、三本ロール、加圧ニーダー、超音波分散機等の公知の分散機が挙げられるが、これらに限定されるものではない
以下、実施例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例により限定されるものではない。
実施例1(スチルベン系化合物f1の合成)
(反応式)
Figure 0006752031
窒素下で、二口ナスフラスコにチタノセンジクロリド(2.99g、12.0mmol)と亜鉛粉末(1.57g、24.0mmol)を入れた後、安定剤無添加の脱水したテトラヒドロフラン(以下「脱水THF」という)を35mL加え、室温で溶液の色が赤から緑になるまで撹拌した。この溶液を70℃で15分間加熱還流させた後、4−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンズアルデヒド(1.66g、10.0mmol)を含有する脱水THF15mLを30分かけて滴下した。反応系を19時間加熱還流させた後、tert−ブチルメチルエーテル25mLを20分かけて滴下した。溶媒を減圧除去し残渣を氷冷メタノール50mLで2回洗浄した後、クロロホルム50mLで2回洗浄した。次いで、60℃の温メタノール600mLに粗生成物を溶解させ、吸引ろ過して亜鉛粉末を除去した。最後に、ろ液から溶媒を減圧除去し減圧乾燥して生成物を得た(収率27.4%)。得られた生成物0.05gとメタノール70mLを100mLのサンプル瓶に入れ、63℃まで加熱して完全に溶解させた後、室温で3時間静置した。析出した結晶を吸引濾過して円形のろ紙上(直径21mm)に積層させ、スチルベン系化合物(f1)の銀色光沢結晶薄膜体を得た。
f1のNMRの測定値及び元素分析の結果は次のとおりである。
H NMR(400MHz;ジメチルスルホキシド−d(DMSO−d)):δ 3.71(triplet(t),4H),3.99(t,4H),4.87(singlet(s),2H),6.92(doublet(d),4H),7.02(s,2H),7.48(d,4H);13C NMR(100MHz;DMSO−d):δ 59.6,69.5,114.7,125.8,127.4,130.0,158.1
元素分析値 C:71.98、H:6.71、O:21.31
実施例2(スチルベン系化合物a1の合成)
(反応式)
Figure 0006752031
還流管を取り付けた100mLナスフラスコに4−ヒドロキシベンズアルデヒド7.0g(57.4mmol)と炭酸カリウム14.2g(102.7mmol)を入れた後、窒素雰囲気下で、溶媒のアセトニトリル50mLを加えた。反応系を75°Cに加温し、1−ブロモ−4−メチルペンタン8.4g(50.9mmol)を加え、24時間還流させた。反応終了後、反応混合物中の炭酸カリウムを濾過で除去し、アセトニトリルを留去した。生成物を酢酸エチルに溶解させ、25wt%水酸化ナトリウム(2×100mL)と飽和食塩水(2×100mL)で分液した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、留去して、透明な液体(a1の中間体;収率98%)を得た。
次に、還流管を取り付けた100mLナスフラスコに、チタノセンジクロライド3.9g(15.7mmol)と亜鉛粉末2.0g(31.5mmol)を入れ、窒素雰囲気下で脱水THF(安定剤無添加)を65mL加えて、室温で溶液の色が赤から緑になるまで撹拌した。次いで、溶液を還流させ始め、前記中間体を2.0g(11.6mmol)加えた。反応混合物を8時間還流させ、室温まで冷却した後、tert−ブチルメチルエーテルで反応を停止し、得られた溶液をろ過した。溶媒を減圧留去した後、残渣をクロロホルムで溶解させた。得られたクロロホルム溶液を1N塩酸と飽和食塩水で分液洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧留去した。得られた白色固体をエタノールで2回再結晶し、析出した結晶を吸引濾過して円形のろ紙上(直径21mm)に積層させ、スチルベン系化合物(a1)の銀色光沢結晶薄膜体を得た。実施例1と同様に、元素分析とNMRにより同定した。
実施例3(スチルベン系化合物f2の合成)
(反応式)
Figure 0006752031
実施例2における1−ブロモ−4−メチルペンタンを2−ブロモエチルメチルエーテル10.7g(50.9mmol)に変えた点以外は同様にしてスチルベン系化合物(f2)の銀色光沢結晶薄膜体を得た。実施例1と同様に、元素分析とNMRにより同定した。
実施例4(スチルベン系化合物f4の合成)
(反応式)
Figure 0006752031
実施例2における1−ブロモ−4−メチルペンタンを、2−ブロモエチルエチルエーテル7.79g(50.9mmol)に変えた点以外は同様にして、スチルベン系化合物(f4)の銀色光沢結晶薄膜体を得た。実施例1と同様に、元素分析とNMRにより同定した。
実施例5(スチルベン系化合物f5の合成)
(反応式)
Figure 0006752031
還流管を取り付けた100mLナスフラスコに4−ヒドロキシベンズアルデヒド7.0g(57.4mmol)と炭酸カリウム14.2g(102.7mmol)を入れた後、窒素雰囲気にして溶媒のアセトニトリル50mLを加えた。反応系を75℃に加温し、2−ブロモエタンスルホン酸ナトリウム10.74g(50.9mmol)加えて24時間還流させた。反応終了後、反応混合物中の炭酸カリウムを濾過で除去し、アセトニトリルを留去した。生成物を酢酸エチルに溶解させ、25wt%水酸化ナトリウム(2×100mL)と飽和食塩水(2×100mL)で分液した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、留去することにより、透明な液体(f5の中間体;収率98%)を得た。
次に、還流管を取り付けた100mLナスフラスコに、チタノセンジクロライド3.9g(15.7mmol)と亜鉛粉末2.0g(31.5mmol)を入れ、窒素雰囲気にした後、脱水THFを65mL加え、室温で溶液の色が赤から緑になるまで撹拌した。次いで溶液を還流させ始め、前記中間体を2.0g(11.6mmol)加えた。反応混合物を8時間還流させ、室温まで冷却した後、tert−ブチルメチルエーテルで反応を停止させ、混合溶液をろ過した。ろ液の溶媒を減圧留去した後、残渣をクロロホルムで溶解させ、1N塩酸と飽和食塩水で分液洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ減圧留去した。得られた白色固体をエタノールで2回再結晶し、析出した結晶を吸引濾過して円形のろ紙上(直径21mm)に積層させ、スチルベン系化合物(f5)の銀色光沢結晶薄膜体を得た。実施例1と同様に、元素分析とNMRにより同定した。
実施例6(スチルベン系化合物f6の合成)
(反応式)
Figure 0006752031
前記化合物f1(2.1g、7mmol)、三酸化硫黄/ピリジン錯体(2.38g、15.0mmol)及びピリジン20mLの反応混合物を50℃で24時間撹拌した後、水酸化ナトリウム(1.2g、30mmol)を含む水溶液10mLを加えて10分間撹拌した。ピリジンと水を減圧除去した後、残渣にメタノールを加えて生成物をメタノール抽出した。次いでメタノールにヘキサンを加えて生成物の結晶を析出させ、この結晶を吸引濾過して円形のろ紙上(直径21mm)に積層させ、スチルベン系化合物(f6)の銀色光沢結晶薄膜体を得た。実施例1と同様に、元素分析とNMRにより同定した。
実施例7(スチルベン系化合物f8の合成)
(反応式)
Figure 0006752031
実施例2における1−ブロモ−4−メチルペンタンを、ベンジルブロミド8.7g(50.9mmol)に変えた点以外は同様にして、スチルベン系化合物(f8)の銀色光沢結晶薄膜体を得た。実施例1と同様に、元素分析とNMRにより同定した。
実施例8(スチルベン系化合物f12の合成)
(反応式)
Figure 0006752031
実施例2における1−ブロモ−4−メチルペンタンを、1−(ブロモメチル)ナフタレン11.3g(50.9mmol)に変えた点以外は同様にして、スチルベン系化合物(f12)の銀色光沢結晶薄膜体を得た。実施例1と同様に、元素分析とNMRにより同定した。
実施例9(スチルベン系化合物f9の合成)
(反応式)
Figure 0006752031
実施例2における1−ブロモ−4−メチルペンタンを、4−メチルベンジルブロミド9.4g(50.9mmol)に変えた点以外は同様にして、スチルベン系化合物(f9)の銀色光沢結晶薄膜体を得た。実施例1と同様に、元素分析とNMRにより同定した。
実施例10(スチルベン系化合物f14の合成)
(反応式)
Figure 0006752031
実施例2における1−ブロモ−4−メチルペンタンを、12−ブロモ−1−ドデカノール13.5g(50.9mmol)に変えた点以外は同様にして、スチルベン系化合物(f14)の銀色光沢結晶薄膜体を得た。実施例1と同様に、元素分析とNMRにより同定した。
実施例11(スチルベン系化合物a2の合成)
(反応式)
Figure 0006752031
実施例2における1−ブロモ−4−メチルペンタンを1−ブロモオクタデカン17.0g(50.9mmol)に変えた点以外は同様にして、スチルベン系化合物(a2)の銀色光沢結晶薄膜体を得た。実施例1と同様に、元素分析とNMRにより同定した。
実施例12(スチルベン系化合物a3の合成)
(反応式)
Figure 0006752031
実施例2における1−ブロモ−4−メチルペンタンを、1−ブロモウンデカン12.0g(50.9mmol)に変えた点以外は同様にして、スチルベン系化合物(a3)の銀色光沢結晶薄膜体を得た。実施例1と同様に、元素分析とNMRにより同定した。
実施例13(スチルベン系化合物a4の合成)
(反応式)
Figure 0006752031
実施例2における1−ブロモ−4−メチルペンタンを、1−ブロモ−3,7−ジメチルオクタン11.3g(50.9mmol)に変えた点以外は同様にして、スチルベン系化合物(a4)の銀色光沢結晶薄膜体を得た。実施例1と同様に、元素分析とNMRにより同定した。
実施例14(スチルベン系化合物b2の合成)
(反応式)
Figure 0006752031
実施例2における1−ブロモ−4−メチルペンタンを、1−ブロモ−3−メチル−2−ブテン7.6g(50.9mmol)に変えた点以外は同様にして、スチルベン系化合物(b2)の銀色光沢結晶薄膜体を得た。実施例1と同様に、元素分析とNMRにより同定した。
実施例15(スチルベン系化合物b3の合成)
(反応式)
Figure 0006752031
実施例2における1−ブロモ−4−メチルペンタンを、18−ブロモ−1−オクタデセン16.87g(50.9mmol)に変えた点以外は同様にして、スチルベン系化合物(b3)の銀色光沢結晶薄膜体を得た。実施例1と同様に、元素分析とNMRにより同定した。
実施例16(スチルベン系化合物c1の合成)
(反応式)
Figure 0006752031
実施例2における1−ブロモ−4−メチルペンタンを、ブロモベンゼン8.0g(50.9mmol)に変えた点以外は同様にして、スチルベン系化合物(c1)の銀色光沢結晶薄膜体を得た。実施例1と同様に、元素分析とNMRにより同定した。
実施例17(スチルベン系化合物c3の合成)
(反応式)
Figure 0006752031
実施例2における1−ブロモ−4−メチルペンタンを、4−ブロモ安息香酸10.2g(50.9mmol)に変えた点以外は同様にして、スチルベン系化合物(c3)の銀色光沢結晶薄膜体を得た。実施例1と同様に、元素分析とNMRにより同定した。
実施例18(スチルベン系化合物d1の合成)
(反応式)
Figure 0006752031
実施例2における1−ブロモ−4−メチルペンタンを、2−ブロモナフタレン11.3g(50.9mmol)に変えた点以外は同様にして、スチルベン系化合物(d1)の銀色光沢結晶薄膜体を得た。実施例1と同様に、元素分析とNMRにより同定した。
実施例19(スチルベン系化合物d7の合成)
(反応式)
Figure 0006752031
実施例2における1−ブロモ−4−メチルペンタンを、6−ブロモ−2−ナフトエ酸12.8g(50.9mmol)に変えた点以外は同様にして、スチルベン系化合物(d7)の銀色光沢結晶薄膜体を得た。実施例1と同様に、元素分析とNMRにより同定した。
実施例20(スチルベン系化合物e1の合成)
(反応式)
Figure 0006752031
実施例2における1−ブロモ−4−メチルペンタンを、3−ブロモプロピオン酸7.8g(50.9mmol)に変えた点以外は同様にして、スチルベン系化合物(e1)の銀色光沢結晶薄膜体を得た。実施例1と同様に、元素分析とNMRにより同定した。
実施例21(スチルベン系化合物e2の合成)
(反応式)
Figure 0006752031
実施例2における1−ブロモ−4−メチルペンタンを、3−ブロモプロピオン酸メチル8.5g(50.9mmol)に変えた点以外は同様にしてスチルベン系化合物(e2)の銀色光沢結晶薄膜体を得た。実施例1と同様に、元素分析とNMRにより同定した。
実施例22(スチルベン系化合物e3の合成)
(反応式)
Figure 0006752031
実施例2における1−ブロモ−4−メチルペンタンを、3−ブロモプロピオン酸エチル9.21g(50.9mmol)に変えた点以外は同様にしてスチルベン系化合物(e3)の銀色光沢結晶薄膜体を得た。実施例1と同様に、元素分析とNMRにより同定した。
実施例23(スチルベン系化合物e5の合成)
(反応式)
Figure 0006752031
実施例2における1−ブロモ−4−メチルペンタンを、11−ブロモウンデカン酸13.5g(50.9mmol)に変えた点以外は同様にして、スチルベン系化合物(e5)の銀色光沢結晶薄膜体を得た。実施例1と同様に、元素分析とNMRにより同定した。
実施例24(スチルベン系化合物g1の合成)
(反応式)
Figure 0006752031
二口ナスフラスコに4−ヒドロキシベンズアルデヒド(0.1g、0.8mmol)と炭酸カリウム(0.17g、1.2mmol)を入れた後、アセトン10mLを加えた。得られた溶液を室温で30分間撹拌し、ブロモ酢酸エチル(0.14g、0.8mmol)を滴下した。反応系を4時間還流させた後、吸引ろ過して炭酸カリウムを除去した。ろ液から溶媒を減圧留去し、オイル状の残渣を水で洗浄した。最後にカラムクロマトグラフィにより精製して、オイル状の生成物(g1の中間体1)を得た。
次に、窒素雰囲気下、二口ナスフラスコにチタノセンジクロリド(3.00g、12.0mmol)と亜鉛粉末(1.57g、24.0mmol)を入れ、脱水THFを50mL加えて、室温で溶液の色が赤から緑になるまで撹拌した。更に溶液を70℃で30分間還流させ、前記中間体1(2.10g、10.0mmol)を加えた。薄層クロマトグラフィーで確認しつつ中間体1が消費されるまで反応混合物を還流させ、tert−ブチルメチルエーテルで反応を停止させた。吸引ろ過して反応液から亜鉛粉末を除去し、ろ液を1N塩酸及び飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで脱水した。更に溶媒を減圧除去し、残渣をヘキサンで洗浄した後、エタノールで再結晶してg1の中間体2を得た。
次に、前記中間体2(1.00g、2.60mmol)と脱水THF(30mL)を二口ナスフラスコに入れ、70℃で還流させ始めたところで、0.5wt%水酸化ナトリウム水溶液を50mL加えた。反応系を2時間還流させた後、減圧留去により溶媒を除去し、残渣に水を100mL加えた。吸引ろ過により水不要物を除去した後、ろ液が酸性になるまで希塩酸を滴下し粗生成物を析出させた。粗生成物をアセトン30mLで洗浄しg1の中間体3を得た。
次に、窒素雰囲気下、前記中間体3(0.50g、1.52mmol)を入れた二口ナスフラスコに塩化チオニルを8mL加えた。反応系を80℃で5時間還流させた後、未反応の塩化チオニルを減圧除去し、g1の中間体4を得た。
次に、前記中間体4にクロロホルムを10mL加え、氷浴で0℃まで冷却した後、0℃の2.4wt%水酸化ナトリウム水溶液5mLとイソプロピルアミン(0.89g、15.1mmol)を加えた。得られた溶液を90分間撹拌した後、吸引ろ過して円形のろ紙上(直径21mm)に積層させ、最後にメタノール30mLで洗浄し、スチルベン系化合物(g1)の銀色光沢結晶薄膜体を得た。実施例1と同様に、元素分析とNMRにより同定した。
実施例25(スチルベン系化合物g2の合成)
(反応式)
Figure 0006752031
実施例24で得られたg1の中間体4にクロロホルムを10mL加え、氷浴で0℃まで冷却した後、0℃の2.4wt%水酸化ナトリウム水溶液5mLとヘプタデシルアミン(3.83g、15.0mmol)を加えた。得られた溶液を90分間撹拌した後、吸引ろ過して円形のろ紙上(直径21mm)に積層させ、最後にメタノール30mLで洗浄し、スチルベン系化合物(g2)の銀色光沢結晶薄膜体を得た。実施例1と同様に、元素分析とNMRにより同定した。
実施例26(スチルベン系化合物g3の合成)
(反応式)
Figure 0006752031
実施例24で得られたg1の中間体4にクロロホルムを10mL加え、氷浴で0℃まで冷却した後、0℃の2.4wt%水酸化ナトリウム水溶液5mLとオレイルアミン(4.01g、15.0mmol)を加えた。得られた溶液を90分間撹拌した後、吸引ろ過して円形のろ紙上(直径21mm)に積層させ、最後にメタノール30mLで洗浄し、スチルベン系化合物(g3)の銀色光沢結晶薄膜体を得た。実施例1と同様に、元素分析とNMRにより同定した。
実施例27(スチルベン系化合物g4の合成)
(反応式)
Figure 0006752031
実施例24で得られたg1の中間体4にクロロホルムを10mL加え、氷浴で0℃まで冷却した後、0℃の2.4wt%水酸化ナトリウム水溶液5mLと2−アミノエタノール(0.90mL、15.0mmol)を加えた。得られた溶液を90分間撹拌した後、吸引ろ過して円形のろ紙上(直径21mm)に積層させ、最後にメタノール30mLで洗浄し、スチルベン系化合物(g4)の銀色光沢結晶薄膜体を得た。実施例1と同様に、元素分析とNMRにより同定した。
実施例28(スチルベン系化合物g6の合成)
(反応式)
Figure 0006752031
実施例24で得られたg1の中間体4にクロロホルムを10mL加え、氷浴で0℃まで冷却した後、0℃の2.4wt%水酸化ナトリウム水溶液5mLと12−アミノ−1−ドデカノール(3.02g、15.0mmol)を加えた。この溶液を90分間撹拌した後、吸引ろ過して円形のろ紙上(直径21mm)に積層させ、最後にメタノール30mLで洗浄し、スチルベン系化合物(g6)の銀色光沢結晶薄膜体を得た。実施例1と同様に、元素分析とNMRにより同定した。
実施例29(スチルベン系化合物g7の合成)
(反応式)
Figure 0006752031
実施例24で得られたg1の中間体4にクロロホルムを10mL加え、氷浴で0℃まで冷却した後、0℃の2.4wt%水酸化ナトリウム水溶液5mLと3−アミノプロピレン(0.86g、15.0mmol)を加えた。この溶液を90分間撹拌した後、吸引ろ過して円形のろ紙上(直径21mm)に積層させ、最後にメタノール30mLで洗浄し、スチルベン系化合物(g7)の銀色光沢結晶薄膜体を得た。実施例1と同様に、元素分析とNMRにより同定した。
実施例30(スチルベン系化合物h2の合成)
(反応式)
Figure 0006752031
実施例2における1−ブロモ−4−メチルペンタンを、2−ブロモプロピオン酸エチル9.2g(50.9mmol)に変えた点以外は同様にしてスチルベン系化合物(h2)の銀色光沢結晶薄膜体の薄膜体を得た。実施例1と同様に、元素分析とNMRにより同定した。
実施例31(スチルベン系化合物i1の合成)
(反応式)
Figure 0006752031
実施例2における1−ブロモ−4−メチルペンタンを、酢酸−2−ブロモエチル8.5g(50.9mmol)に変えた点以外は同様にしてスチルベン系化合物(i1)の銀色光沢結晶薄膜体の薄膜体を得た。実施例1と同様に、元素分析とNMRにより同定した。
実施例32(スチルベン系化合物j1の合成)
(反応式)
Figure 0006752031
還流管を取り付けた100mLナスフラスコに、チタノセンジクロライド3.9g(15.7mmol)と亜鉛粉末2.0g(31.5mmol)を入れ、窒素雰囲気下で脱水THF(安定剤無添加)を65mL加えて、室温で溶液の色が赤から緑になるまで撹拌した。次いで、溶液を還流させ始め、4−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンズアルデヒド(1.66g、10.0mmol)と、g1の中間体(2.10g、10.0mmol)を加えた。反応混合物を8時間還流させ、室温まで冷却した後、tert−ブチルメチルエーテルで反応を停止し、得られた溶液をろ過した。溶媒を減圧留去した後、残渣をクロロホルムで溶解させた。得られたクロロホルム溶液を1N塩酸と飽和食塩水で分液洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧留去した。得られた白色固体をエタノールで2回再結晶し、析出した結晶を吸引濾過して円形のろ紙上(直径21mm)に積層させ、スチルベン系化合物(j1)の銀色光沢結晶薄膜体を得た。実施例1と同様に、元素分析とNMRにより同定した。
実施例33(スチルベン系化合物j2の合成)
(反応式)
Figure 0006752031
実施例32における4−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンズアルデヒドを、f2の中間体1.8g(10.0mmol)に変えた点以外は同様にしてスチルベン系化合物(j2)の銀色光沢結晶薄膜体の薄膜体を得た。実施例1と同様に、元素分析とNMRにより同定した。
実施例34(スチルベン系化合物j10の合成)
(反応式)
Figure 0006752031
実施例32における4−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンズアルデヒドを、f14の中間体3.06g(10.0mmol)に変えた点以外は同様にして、スチルベン系化合物(j10)の銀色光沢結晶薄膜体の薄膜体を得た。実施例1と同様に、元素分析とNMRにより同定した。
<スチルベン系化合物の結晶の銀色光沢度評価>
上記各スチルベン系化合物の結晶について、正反射率及び色彩値を測定し、銀色光沢度を評価した。
即ち、紫外可視分光光度計(JASCO V−570 UV/VIS/NIR Spectrophotometer)に、大型積分球装置(JASCO ILN−472型の大型積分球装置カラー診断プログラム)を取り付け、光トラップ反射板を外した状態で、試料用ホルダにセットした各スチルベン系化合物の結晶について拡散反射率を測定した。次に光トラップ反射板を挿入して全反射率を測定し、「正反射率=全反射率−拡散反射率」の式により正反射率を算出した。また、全反射率の測定結果から各色彩値を算出した。得られた正反射率と色彩値について、下記の基準で判定した結果を表1に示す。
なお、正反射率と色彩値(a値、b値)がいずれもランク1以上であれば、実用可能な銀色光沢を発現する有機着色剤と言える。

<正反射率>
ランク3:20%≦正反射率
ランク2:15%≦正反射率<20%
ランク1:10%≦正反射率<15%

<色彩値(a値)>
ランク3:−1.5≦a≦1.5
ランク2:−2.5≦a<−1.5 又は 1.5<a≦2.5
ランク1:−3.5≦a<−2.5 又は 2.5<a≦3.5

<色彩値(b値)>
ランク3:−1.5≦b≦1.5
ランク2:−2.5≦b<−1.5 又は 1.5<b≦2.5
ランク1:−3.5≦b<−2.5 又は 2.5<b≦3.5
Figure 0006752031
表1から、本発明に係るスチルベン系化合物は、いずれも、その結晶が実用可能な銀色光沢を発現する有機着色剤であることが判る。
実施例41(スチルベン系化合物の結晶を含む着色組成物1)
バイアル瓶を用いて、下記処方の材料を均一になるように混合し、常温で1時間超音波を照射(600W)した後、5.0μmのフィルタで濾過して着色組成物1を得た。
・スチルベン系化合物f1の銀色光沢結晶薄膜体 5.0重量部
・イオン交換水 5.0重量部
・脱水THF 88.8重量部
・分散剤(DISPERBYK−190、ビックケミー社製) 0.2重量部
実施例42〜74(スチルベン系化合物の結晶を含む着色組成物2〜34)
実施例41におけるf1を、表1の実施例2〜34の各欄に示すスチルベン系化合物に変えた点以外は、実施例41と同様にして、着色組成物2〜34を得た。
得られた着色組成物1〜34を、下記のようにしてガラス媒体及びカラーペーパーに塗り、その印刷物の銀色光沢度を測定し評価した。結果を表2に示すが、正反射率と色彩値(a値、b値)がいずれもランク1以上であれば、実用可能な銀色光沢を発現する着色組成物といえる。

(ガラス媒体の場合)
各着色組成物を、バーコーター(第一理化社製:NO.22)を用いて、板厚1.0mmの25mm×75mmサイズのガラス基板に厚さ50μmになるように塗工し印刷物を得た。次いで印刷物の銀色光沢度を、前述した<スチルベン系化合物の結晶の銀色光沢度評価>の場合と同様にして評価した。

(カラーペーパーの場合)
各着色組成物を、バーコーター(第一理化社製:NO.22)を用いて、カラーペーパー(長門屋商店、カラーペーパーA4 中厚口)に、厚さ50μmになるように塗工し印刷物を得た。次いで印刷物の銀色光沢度を、前述した<スチルベン系化合物の結晶の銀色光沢度評価>の場合と同様にして評価した。
Figure 0006752031
上記表2から、本発明の着色組成物1〜34を用いると、いずれも実用可能な銀色光沢を有する印刷物が得られることが判る。
特開2005−036079号公報 特開2011−52041号公報 特開2014−074127号公報 特開2013−203785号公報 特開2009−132641号公報 国際公開2014−021405号パンフレット

Claims (4)

  1. 下記一般式(1)で表されるスチルベン系化合物の結晶からなる、正反射率が10%以上で且つ色彩値(L,a,b)におけるa値、b値がいずれも−3.5以上、3.5以下の光沢を発現する有機着色剤。
    一般式(1)
    Figure 0006752031
    上記式中、R〜Rは、それぞれ独立に、炭素数が6〜20のアルキル基、炭素数が2〜20のアルケニル基、置換基を有してもよいフェニル基、置換基を有してもよいナフチル基、−(CH)n−COO−R、−(CH)n−R、−(CH)n−CONH−R、−CR−COO−R、又は−(CH)n−OCOCHで表される基を表し、Rは、水素原子、又は炭素数が1〜2のアルキル基を表し、Rは、水酸基、炭素数が1〜2のアルコキシ基、炭素数が2〜5のアルケニルオキシ基、SONa基、OSONa基、置換基を有してもよいフェニルアルキル基(アルキル部分の炭素数が1〜3)、又は置換基を有してもよいナフチルアルキル基(アルキル部分の炭素数が1〜3)を表し、Rは、炭素数が1〜20のアルキル基、炭素数が2〜20のアルケニル基、又は炭素数が1〜12のヒドロキシアルキル基を表し、Rは、水素原子、又はメチル基を表し、Rは、炭素数が1〜4のアルキル基を表し、Rは、炭素数が1〜5のアルキル基を表し、nは1〜12の整数を表す。
  2. 前記置換基が、アルキル基、アルケニル基、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、シアノ基、シアノアルキル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、及びアミノ基から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載の有機着色剤。
  3. 前記R〜Rが、−(CH−OHであることを特徴とする請求項1記載の有機着色剤。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の有機着色剤、水及び溶剤を含有することを特徴とする着色組成物。
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