JP6682384B2 - インクジェットインク - Google Patents

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Description

本発明は、スチルベン系化合物に由来する優れた銀色光沢を有する画像を形成することができるインクジェットインクに関する。
金属光沢を有するものは人々にきらびやかな印象を与えるため日常生活のあらゆる場面で目にする機会が多い。金属そのものを用いてその意匠性を付与する場合もあるが、基材に金属光沢を有する着色組成物をコートすることにより意匠性を付与することが多い。
前記コートする方法としては、光輝性を有する顔料を含む印刷インキを用いて各種印刷方式で印刷する方法や、接着剤や熱融着により転写箔する方法が用いられてきた。
金属光沢の中でも、とりわけ金色は富の象徴であり、太古の昔から人々に好まれてきており、正月などのおめでたい行事には欠かせない色である。一方、銀色も落ち着いた風合いで人気が高く、様々な場面で見かけることが多い。また、銀色は金色と異なり、その他の色の着色組成物と混合することにより、金色を含む様々な金属光沢色を表現することができるため、金色よりも汎用性が高く、産業上利用価値が高い。
従来、銀色の金属光沢を有する着色組成物に用いられる顔料としてはアルミニウム微粒子や銀粉があるが、コストの問題からアルミニウム微粒子が広く使用されている。しかし、アルミニウム微粒子は、比重が重いため着色組成物中に安定に存在し難く、経時で沈降し、場合によっては固着してしまい、ハードケーキを形成してしまうという課題がある。
また、環境負荷の低減のため、印刷インキなどの着色組成物は、有機溶剤を極力使用しない水系のものに次々と置き換わっているが、アルミニウム微粒子は、水と反応して水素ガスを発生する上に、アルミニウムからアルミナに変化してしまうため、金属光沢も失われてしまうという課題があった。
また、インクジェット印刷技術の発展により、インクジェット印刷でも金属光沢を有する印刷物を得たいという要望が高まってきており、例えば特許文献1のように市販の鱗片状アルミニウム顔料や酸化チタン被覆マイカ顔料などを光輝顔料としてインクジェットインクに利用されている。また、鱗片状アルミニウム顔料がインク中で容易に沈降しない処理を施すことが提案されている(例えば、特許文献2参照)。さらに、耐水化アルミニウム顔料を使用することにより、アルミニウム粒子と水とが反応し水素ガスの発生を抑制することが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
近年では、金属光沢を有する有機色素材料の開発が幅広く行われている(例えば、特許文献4〜6参照)。前記有機色素材料は、金属と比べて比重が非常に軽いため、適切に分散させることができれば、着色組成物中で沈降する危険性を大きく軽減できる。また、有機色素材料の構造を適切に設計することにより水系でも安定に存在させることが可能である。
本発明は、銀色光沢を有する画像を形成することができるインクジェットインクの提供を目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下のとおりである。即ち、
本発明のインクジェットインクは、下記一般式(1)で表されるスチルベン系化合物を含むインクジェットインクである。
一般式(1)
ただし、前記一般式(1)中、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数が1〜20のアルキル基、炭素数が1〜20のアルケニル基、フェニル基、ナフチル基、及び−(CH−COO−R、−(CH−R、−(CH−CONH−R、−CR−COO−R、又は−(CH−OCOCHで表される基のいずれかを表し、Rは、水素原子、又は炭素数が1〜2のアルキル基を表し、Rは、ヒドロキシ基、炭素数が1〜2のアルコキシ基、炭素数が2〜5のアルケニルオキシ基、SONa基、OSONa基、フェニルアルキル基(アルキル部分の炭素数が1〜3)、又はナフチルアルキル基(アルキル部分の炭素数が1〜3)を表し、Rは、炭素数が1〜20のアルキル基、炭素数が1〜20のアルケニル基、又は炭素数が1〜12のヒドロキシアルキル基を表し、Rは、水素原子、又はメチル基を表し、Rは、炭素数が1〜4のアルキル基を表し、Rは、炭素数が1〜5のアルキル基を表し、nは1〜12の整数を表す。
本発明によれば、銀色光沢を有する画像を形成することができるインクジェットインクを提供することができる。
(インクジェットインク)
本発明のインクジェットインクは、下記一般式(1)で表されるスチルベン系化合物を含み、更に必要に応じて、有機溶剤、水、樹脂、界面活性剤、及びその他の成分を含む。
一般式(1)
ただし、前記一般式(1)中、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数が1〜20のアルキル基、炭素数が1〜20のアルケニル基、フェニル基、ナフチル基、及び−(CH−COO−R、−(CH−R、−(CH−CONH−R、−CR−COO−R、又は−(CH−OCOCHで表される基のいずれかを表し、Rは、水素原子、又は炭素数が1〜2のアルキル基を表し、Rは、ヒドロキシ基、炭素数が1〜2のアルコキシ基、炭素数が2〜5のアルケニルオキシ基、SONa基、OSONa基、フェニルアルキル基(アルキル部分の炭素数が1〜3)、又はナフチルアルキル基(アルキル部分の炭素数が1〜3)を表し、Rは、炭素数が1〜20のアルキル基、炭素数が1〜20のアルケニル基、又は炭素数が1〜12のヒドロキシアルキル基を表し、Rは、水素原子、又はメチル基を表し、Rは、炭素数が1〜4のアルキル基を表し、Rは、炭素数が1〜5のアルキル基を表し、nは1〜12の整数を表す。
本発明のインクジェットインクは、従来の金属粒子などを含むインクでは、インク中の粒子の顔料が大きいためノズル詰まりや光輝顔料が沈降してしまうという問題があるという知見に基づくものである。また、本発明のインクジェットインクは、従来の有機色素材料を含むインクでは、最も汎用性が高い銀色光沢を有する有機色素材料は提案されておらず、銀色光沢に優れるインクは未だ開発されていないという問題があるという知見に基づくものである。
一般に金属光沢とは、金属特有のツヤ感や光沢感等のことをいい、例えば、光輝性の低いツヤ消しの金属光沢も含む。具体的には、正反射率を測定して金属光沢の有無を判断し、正反射率が10%以上であれば金属光沢があると判断する。正反射率が10%未満では、マットな色調の方が強くなり、金属光沢とは言いがたくなる場合がある。
一方、本発明における銀色光沢とは、正反射率が10%以上あり、かつ、色彩値(a値、b値)におけるa値、b値がいずれも−3.5以上3.5以下である場合をいう。この範囲を外れると、黄味がかったり、青みがかったりするため銀色とは言いがたくなる。なお、銀色の折り紙の正反射率は38%で、a値は−1.2、b値は−3.2である。
<スチルベン系化合物>
前記一般式(1)で表されるスチルベン系化合物が銀色光沢を発現するためには、R及びR以外の基本骨格が重要である。一方、R及びRについては、基本骨格が有する特性に悪影響を与えない範囲で種々選択することができる。
また、銀色光沢の発現のためにはトランス体であることが重要であり、純粋なシス体は銀色光沢を発現しない。したがって、前記一般式(1)としてトランス体を示したが、シス体が多少混入しても銀色光沢に大きな影響は及ぼさないから、銀色光沢に影響を与えない限りシス体が混入しても構わない。
前記一般式(1)中のR及びRは、それぞれ独立に、炭素数が1〜20のアルキル基、炭素数が1〜20のアルケニル基、フェニル基、ナフチル基、及びその他の基で表されるいずれかを表す。
前記一般式(1)中のR及びRにおける炭素数が1〜20のアルキル基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、tert−オクチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。炭素数が1〜20であると化合物の結晶性を向上でき、銀色光沢が発現しやすくなる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記一般式(1)中のR及びRにおける炭素数が1〜20のアルケニル基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、構造中に複数の炭素−炭素二重結合を有していてもよく、例えば、ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、イソプロペニル基、イソブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、1,3−ブタジエニル基、シクロヘキサジエニル基、シクロペンタジエニル基などが挙げられる。炭素数が1〜20であると化合物の結晶性を向上でき、銀色光沢が発現しやすくなる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記一般式(1)中のR及びRにおけるフェニル基としては、銀色光沢の発現などに悪影響を与えない範囲で置換基を有してもよい。前記置換基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、シアノ基、シアノアルキル基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノ基などが挙げられる。前記置換基中のアルキル基部分の炭素数は1〜6が好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記一般式(1)中のR及びRにおけるナフチル基としては、銀色光沢の発現などに悪影響を与えない範囲で置換基を有してもよい。前記置換基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、シアノ基、シアノアルキル基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノ基などが挙げられる。前記置換基中のアルキル基部分の炭素数は1〜6が好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記一般式(1)中のR及びRにおけるその他の基としては、例えば、−(CH−COO−R、−(CH−R、−(CH−CONH−R、−CR−COO−R、及び−(CH−OCOCHのいずれかで表される基が挙げられる。
前記Rは、水素原子、又は炭素数が1〜2のアルキル基を表す。
前記Rは、ヒドロキシ基、炭素数が1〜2のアルコキシ基、炭素数が2〜5のアルケニルオキシ基、SONa基、OSONa基、フェニルアルキル基(アルキル部分の炭素数が1〜3)、又はナフチルアルキル基(アルキル部分の炭素数が1〜3)を表す。
前記Rは、炭素数が1〜20のアルキル基、炭素数が1〜20のアルケニル基、又は炭素数が1〜12のヒドロキシアルキル基を表す。
前記Rは、水素原子、又はメチル基を表す。
前記Rは、炭素数が1〜4のアルキル基を表す。
前記Rは、炭素数が1〜5のアルキル基を表す。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい
前記一般式(1)中のRにおける炭素数が1〜2のアルキル基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メチル基、エチル基などが挙げられる。
前記一般式(1)中のRにおける炭素数が1〜2のアルコキシ基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メトキシ基、エトキシ基などが挙げられる。
前記一般式(1)中のRにおける炭素数が2〜5のアルケニルオキシ基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ビニル基、メチルビニルエーテル基、エチルビニルエーテル基などが挙げられる。
前記一般式(1)中のRにおけるアルキル部分の炭素数が1〜3のフェニルアルキル基は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、銀色光沢の発現などに悪影響を与えない範囲でフェニル基の部分に置換基を有してもよい。前記置換基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、シアノ基、シアノアルキル基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノ基などが挙げられる。前記置換基中のアルキル基部分の炭素数は1〜6が好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種を併用してもよい。
前記一般式(1)中のRにおけるアルキル部分の炭素数が1〜3のナフチルアルキル基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、銀色光沢の発現などに悪影響を与えない範囲でナフチル基の部分に置換基を有してもよい。前記置換基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、シアノ基、シアノアルキル基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノ基などが挙げられる。前記置換基中のアルキル基部分の炭素数は1〜6が好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種を併用してもよい。
前記一般式(1)中のRの炭素数が1〜20のアルキル基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基、トリフルオロメチル基、イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、2−エチルヘキシル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、tert−オクチル基、ネオペンチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。炭素数が1〜20であると化合物の結晶性を向上でき、銀色光沢が発現しやすくなる。
前記一般式(1)中のRの炭素数が1〜20のアルケニル基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、構造中に複数の炭素−炭素二重結合を有していてもよい。前記アルケニル基としては、例えば、ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、イソプロペニル基、イソブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、1,3−ブタジエニル基、シクロヘキサジエニル基、シクロペンタジエニル基などが挙げられる。炭素数が1〜20であると化合物の結晶性を向上でき、銀色光沢が発現しやすくなる。
前記一般式(1)中のRの炭素数が1〜12のヒドロキシアルキル基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、−(CH−OH、−(CH12−OHなどが挙げられる。
前記一般式(1)中のRとしては、例えば、水素原子、メチル基などが挙げられる。
前記一般式(1)中のRの炭素数が1〜4のアルキル基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基などが挙げられる。
前記一般式(1)中のRの炭素数が1〜5のアルキル基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、neo−ペンチル基、tert−ペンチル基などが挙げられる。
前記一般式(1)中のR及びRにおける、nは、1〜12の整数である。前記nが、1〜12であると、化合物の結晶性を向上でき、銀色光沢を発現しやすくなる。
本発明のスチルベン系化合物の具体例としては以下のものが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。これらは、いずれも銀色光沢を有する。
<<化合物群a>>
<<化合物群b>>
<<化合物群c>>
<<化合物群d>>
<<化合物群e>>
<<化合物群f>>
<<化合物群g>>
<<化合物群h>>
<<化合物群i>>
<<化合物群j>>
前記スチルベン系化合物の含有量としては、インクジェットインク全量に対して、1.0質量%以上30.0質量%以下が好ましく、5.0質量%以上25.0質量%以下がより好ましい。前記含有量が、1.0質量%以上30.0質量%以下であると、銀色光沢に優れる画像を得ることができる。
<有機溶剤>
前記において使用する有機溶媒としては、通常のインクに用いられる有機溶媒を使用することができる。
前記有機溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、トリデシルアルコール、シクロヘキシルアルコール、2−メチルシクロヘキシルアルコール等のアルコール類;
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン等のグリコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルアセテート、エチレングリコールモノエチルアセテート、エチレングリコールモノブチルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルアセテート、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル類;
酢酸エチル、酢酸イソプロピレン、酢酸n−ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル等のエステル類;
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、ジアセトンアルコール等のケトン類;
その他トルエン、キシレン、アセトニトリル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等が挙げられる。 これらは、印刷時のヘッドノズルの特性への適合性、安全性、乾燥性の観点から種々の溶剤が選択され、必要に応じて複数の溶剤を混合して用いることができる。
本発明のインクジェットインクは、有機溶媒としてグリコールエーテル類を含むことが好ましい。 中でも、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートが、印刷特性に優れるため好ましい。
これらの水溶性有機溶剤は、1種単独でも使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記水溶性有機溶剤の含有量としては、インクジェットインクの保湿性維持、スチルベン系化合物の溶解性、分散性向上、及びインクジェットインクの記録紙への効果的な浸透などの点から、インクジェットインク全量に対して、1質量%以上40質量%以下が好ましく、3質量以上30質量%以下がより好ましい。
<水>
前記水としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イオン交換水、限外ろ過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、超純水などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
銀色光沢を有する着色剤である前記スチルベン系化合物を媒体に溶解あるいは分散させることにより、いずれもインクジェットインクとして用いることができる。使用する媒体は、水、水と水溶性有機溶剤との混合溶媒、あるいは有機溶媒であることが好ましい。使用する有機溶媒としては、インクジェットインクの乾燥防止効果を有するものが特に好ましく、また、水は、種々のイオンを含有する一般の水ではなく、イオン交換水を使用することが好ましい。
インクジェットインクにおける水の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、スチルベン系化合物のインク中における溶解性、インクの吐出安定性、及びノズル先端における目詰り防止の点から、30量%以上95質量%以下が好ましい。
<樹脂>
インク中に含有する樹脂の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウレタン樹脂、アクリル系樹脂、などが挙げられる。
また、樹脂粒子を、水を分散媒として分散した樹脂エマルジョンの状態で、色材や有機溶剤などの材料と混合してインクを得ることが可能である。前記樹脂粒子としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。また、これらは、1種を単独で用いても、2種類以上の樹脂粒子を組み合わせて用いてもよい。
前記樹脂エマルジョンとしては、市販品を用いることができ、例えば、アクリットWEM−321U(アクリルウレタン水系エマルジョン、大成化工株式会社製)などが挙げられる。
<分散剤>
本発明に係るスチルベン系化合物を水性媒体に分散させるために、分散剤を用いてもよい。 分散剤としては、イオン性界面活性剤や非イオン性界面活性剤のような化学合成された界面活性剤を用いることができる。 その他、天然物由来及びこれを酵素等により改質したものも用いることができる。
前記分散剤としては、市販品を用いることができ、前記市販品としては、例えば、DISPERBYK−190(ビックケミー社製)などが挙げられる。
前記分散剤の含有量としては、本発明にかかるスチルベン系化合物の分散安定性を良好に保つ目的から、インクジェットインク全量に対して、0.5質量%以上20質量%以下が好ましい。
<界面活性剤>
界面活性剤としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤のいずれも使用可能である。
前記フッ素系界面活性剤としては、ポリフォックスPF−156A(オムノバ社製)などが挙げられる。
<その他の成分>
本発明のインクジェットインクは、前記の成分の他に、所望の物性値を持つインクとするために、本発明の効果を阻害しない範囲内において、必要に応じて、pH調整剤、防腐剤、防黴剤等、種々の添加剤を含有させてもよい。
<pH調整剤>
pH調整剤としては、pHを7以上に調整することが可能であれば、特に制限はなく、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンなどが挙げられる。
<防腐防黴剤>
防腐防黴剤としては、特に制限はなく、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンなどが挙げられる。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例により制限されるものではない。
[製造例1(スチルベン系化合物f1の合成)]
(反応式1)
窒素雰囲気下で、二口ナスフラスコにチタノセンジクロリド(2.99g、12.0mmol)と亜鉛粉末(1.57g、24.0mmol)を入れた後、安定剤無添加の脱水したテトラヒドロフラン(以下「脱水THF」と称することがある)を35mL加え、室温で溶液の色が赤から緑になるまで撹拌した。この溶液を70℃で15分間加熱還流させた後、4−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンズアルデヒド(1.66g、10.0mmol)を含有する脱水THF15mLを30分間かけて滴下した。反応系を19時間加熱還流させた後、tert−ブチルメチルエーテル25mLを20分間かけて滴下した。溶媒を減圧除去し残渣を氷冷メタノール50mLで2回洗浄した後、クロロホルム50mLで2回洗浄した。次いで、60℃の温メタノール600mLに粗生成物を溶解させ、吸引ろ過して亜鉛粉末を除去した。最後に、ろ液から溶媒を減圧除去し減圧乾燥して生成物を得た(収率:27.4%)。得られた生成物0.05gとメタノール70mLを100mLのサンプル瓶に入れ、63℃まで加熱して完全に溶解させた後、室温で3時間静置した。析出した結晶を吸引濾過して円形のろ紙上(直径21mm)に積層させ、スチルベン系化合物(f1)の銀色光沢結晶薄膜体を得た。
f1のNMRの測定値及び元素分析の結果は次のとおりである。
H NMR(400MHz;ジメチルスルホキシド−d(DMSO−d)):δ 3.71(triplet(t),4H),3.99(t,4H),4.87(singlet(s),2H),6.92(doublet(d),4H),7.02(s,2H),7.48(d,4H);13C NMR(100MHz;DMSO−d):δ 59.6,69.5,114.7,125.8,127.4,130.0,158.1
元素分析値 C:71.98、H:6.71、O:21.31
[製造例2(スチルベン系化合物a1の合成)]
(反応式2)
還流管を取り付けた100mLナスフラスコに4−ヒドロキシベンズアルデヒド(7.0g、57.4mmol)と炭酸カリウム(14.2g、102.7mmol)を入れた後、窒素雰囲気下で、溶媒のアセトニトリル50mLを加えた。反応系を75℃に加温し、1−ブロモ−4−メチルペンタン(8.4g、50.9mmol)を加え、24時間還流させた。反応終了後、反応混合物中の炭酸カリウムを濾過で除去し、アセトニトリルを留去した。生成物を酢酸エチルに溶解させ、25質量%水酸化ナトリウム(2×100mL)と飽和食塩水(2×100mL)で分液した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、留去して、透明な液体(a1の中間体、収率:98%)を得た。
次に、還流管を取り付けた100mLナスフラスコに、チタノセンジクロライド(3.9g、15.7mmol)と亜鉛粉末(2.0g、31.5mmol)を入れ、窒素雰囲気下で脱水THF(安定剤無添加)を65mL加えて、室温で溶液の色が赤から緑になるまで撹拌した。次いで、溶液を還流させ始め、前記中間体(2.0g、11.6mmol)を加えた。反応混合物を8時間還流させ、室温まで冷却した後、tert−ブチルメチルエーテルで反応を停止し、得られた溶液をろ過した。溶媒を減圧留去した後、残渣をクロロホルムで溶解させた。得られたクロロホルム溶液を1N塩酸と飽和食塩水で分液洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧留去した。得られた白色固体をエタノールで2回再結晶し、析出した結晶を吸引濾過して円形のろ紙上(直径21mm)に積層させ、スチルベン系化合物(a1)の銀色光沢結晶薄膜体を得た。製造例1と同様にして、元素分析とNMRにより同定し、a1が得られていることを確認した。
[製造例3(スチルベン系化合物f2の合成)]
(反応式3)
製造例2における1−ブロモ−4−メチルペンタンを2−ブロモエチルメチルエーテル(10.7g、50.9mmol)に変えた点以外は同様にしてスチルベン系化合物(f2)の銀色光沢結晶薄膜体を得た。製造例1と同様にして、元素分析とNMRにより同定し、f2が得られていることを確認した。
[製造例4(スチルベン系化合物f4の合成)]
(反応式4)
製造例2における1−ブロモ−4−メチルペンタンを、2−ブロモエチルエチルエーテル(7.79g、50.9mmol)に変えた点以外は同様にして、スチルベン系化合物(f4)の銀色光沢結晶薄膜体を得た。製造例1と同様にして、元素分析とNMRにより同定し、f4が得られていることを確認した。
[製造例5(スチルベン系化合物f5の合成)]
(反応式5)
還流管を取り付けた100mLナスフラスコに4−ヒドロキシベンズアルデヒド(7.0g、57.4mmol)と炭酸カリウム(14.2g、102.7mmol)を入れた後、窒素雰囲気にして溶媒のアセトニトリル50mLを加えた。反応系を75℃に加温し、2−ブロモエタンスルホン酸ナトリウム(10.74g、50.9mmol)を加えて24時間還流させた。反応終了後、反応混合物中の炭酸カリウムを濾過で除去し、アセトニトリルを留去した。生成物を酢酸エチルに溶解させ、25質量%水酸化ナトリウム(2×100mL)と飽和食塩水(2×100mL)で分液した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、留去することにより、透明な液体(f5の中間体、収率:98%)を得た。
次に、還流管を取り付けた100mLナスフラスコに、チタノセンジクロライド(3.9g、15.7mmol)と亜鉛粉末(2.0g、31.5mmol)を入れ、窒素雰囲気にした後、脱水THFを65mL加え、室温で溶液の色が赤から緑になるまで撹拌した。次いで溶液を還流させ始め、前記中間体を(2.0g、11.6mmol)加えた。反応混合物を8時間還流させ、室温まで冷却した後、tert−ブチルメチルエーテルで反応を停止させ、混合溶液をろ過した。ろ液の溶媒を減圧留去した後、残渣をクロロホルムで溶解させ、1N塩酸と飽和食塩水で分液洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ減圧留去した。得られた白色固体をエタノールで2回再結晶し、析出した結晶を吸引濾過して円形のろ紙上(直径21mm)に積層させ、スチルベン系化合物(f5)の銀色光沢結晶薄膜体を得た。製造例1と同様にして、元素分析とNMRにより同定し、f5が得られていることを確認した。
[製造例6(スチルベン系化合物f6の合成)]
(反応式6)
前記化合物f1(2.1g、7mmol)、三酸化硫黄/ピリジン錯体(2.38g、15.0mmol)及びピリジン20mLの反応混合物を50℃で24時間撹拌した後、水酸化ナトリウム(1.2g、30mmol)を含む水溶液10mLを加えて10分間撹拌した。ピリジンと水を減圧除去した後、残渣にメタノールを加えて生成物をメタノール抽出した。次いでメタノールにヘキサンを加えて生成物の結晶を析出させ、この結晶を吸引濾過して円形のろ紙上(直径21mm)に積層させ、スチルベン系化合物(f6)の銀色光沢結晶薄膜体を得た。製造例1と同様にして、元素分析とNMRにより同定し、f6が得られていることを確認した。
[製造例7(スチルベン系化合物f8の合成)]
(反応式7)
製造例2における1−ブロモ−4−メチルペンタンを、ベンジルブロミド(8.7g、50.9mmol)に変えた点以外は同様にして、スチルベン系化合物(f8)の銀色光沢結晶薄膜体を得た。製造例1と同様にして、元素分析とNMRにより同定し、f8が得られていることを確認した。
[製造例8(スチルベン系化合物f12の合成)]
(反応式8)
製造例2における1−ブロモ−4−メチルペンタンを、1−(ブロモメチル)ナフタレン(11.3g、50.9mmol)に変えた点以外は同様にして、スチルベン系化合物(f12)の銀色光沢結晶薄膜体を得た。製造例1と同様にして、元素分析とNMRにより同定し、f12が得られていることを確認した。
[製造例9(スチルベン系化合物f9の合成)]
(反応式9)
製造例2における1−ブロモ−4−メチルペンタンを、4−メチルベンジルブロミド(9.4g、50.9mmol)に変えた点以外は同様にして、スチルベン系化合物(f9)の銀色光沢結晶薄膜体を得た。製造例1と同様にして、元素分析とNMRにより同定し、f9が得られていることを確認した。
[製造例10(スチルベン系化合物f14の合成)]
(反応式10)
製造例2における1−ブロモ−4−メチルペンタンを、12−ブロモ−1−ドデカノール(13.5g、50.9mmol)に変えた点以外は同様にして、スチルベン系化合物(f14)の銀色光沢結晶薄膜体を得た。製造例1と同様にして、元素分析とNMRにより同定し、f14が得られていることを確認した。
[製造例11(スチルベン系化合物a2の合成)]
(反応式11)
製造例2における1−ブロモ−4−メチルペンタンを1−ブロモオクタデカン(17.0g、50.9mmol)に変えた点以外は同様にして、スチルベン系化合物(a2)の銀色光沢結晶薄膜体を得た。製造例1と同様にして、元素分析とNMRにより同定し、a2が得られていることを確認した。
[製造例12(スチルベン系化合物a3の合成)]
(反応式12)
製造例2における1−ブロモ−4−メチルペンタンを、1−ブロモウンデカン(12.0g、50.9mmol)に変えた点以外は同様にして、スチルベン系化合物(a3)の銀色光沢結晶薄膜体を得た。製造例1と同様にして、元素分析とNMRにより同定し、a3が得られていることを確認した。
[製造例13(スチルベン系化合物a4の合成)]
(反応式13)
製造例2における1−ブロモ−4−メチルペンタンを、1−ブロモ−3,7−ジメチルオクタン(11.3g、50.9mmol)に変えた点以外は同様にして、スチルベン系化合物(a4)の銀色光沢結晶薄膜体を得た。製造例1と同様にして、元素分析とNMRにより同定し、a4が得られていることを確認した。
[製造例14(スチルベン系化合物a8の合成)]
(反応式14)
製造例2における1−ブロモ−4−メチルペンタンを、ブロモエタン(5.55g、50.9mmol)に変えた点以外は同様にして、スチルベン系化合物(a8)の銀色光沢結晶薄膜体を得た。製造例1と同様にして、元素分析とNMRにより同定し、a8が得られていることを確認した。
[製造例15(スチルベン系化合物a10の合成)]
(反応式15)
製造例2における1−ブロモ−4−メチルペンタンを、1−ブロモ−3−メチルブタン(7.69g、50.9mmol)に変えた点以外は同様にして、スチルベン系化合物(a10)の銀色光沢結晶薄膜体を得た。製造例1と同様にして、元素分析とNMRにより同定し、a10が得られていることを確認した。
[製造例16(スチルベン系化合物b2の合成)]
(反応式16)
製造例2における1−ブロモ−4−メチルペンタンを、1−ブロモ−3−メチル−2−ブテン(7.6g、50.9mmol)に変えた点以外は同様にして、スチルベン系化合物(b2)の銀色光沢結晶薄膜体を得た。製造例1と同様にして、元素分析とNMRにより同定し、b2が得られていることを確認した。
[製造例17(スチルベン系化合物b3の合成)]
(反応式17)
製造例2における1−ブロモ−4−メチルペンタンを、18−ブロモ−1−オクタデセン(16.87g、50.9mmol)に変えた点以外は同様にして、スチルベン系化合物(b3)の銀色光沢結晶薄膜体を得た。製造例1と同様にして、元素分析とNMRにより同定し、b3が得られていることを確認した。
[製造例18(スチルベン系化合物c1の合成)]
(反応式18)
製造例2における1−ブロモ−4−メチルペンタンを、ブロモベンゼン(8.0g、50.9mmol)に変えた点以外は同様にして、スチルベン系化合物(c1)の銀色光沢結晶薄膜体を得た。製造例1と同様にして、元素分析とNMRにより同定し、c1が得られていることを確認した。
[製造例19(スチルベン系化合物c3の合成)]
(反応式19)
製造例2における1−ブロモ−4−メチルペンタンを、4−ブロモ安息香酸(10.2g、50.9mmol)に変えた点以外は同様にして、スチルベン系化合物(c3)の銀色光沢結晶薄膜体を得た。製造例1と同様にして、元素分析とNMRにより同定し、c3が得られていることを確認した。
[製造例20(スチルベン系化合物d1の合成)]
(反応式20)
製造例2における1−ブロモ−4−メチルペンタンを、2−ブロモナフタレン(11.3g、50.9mmol)に変えた点以外は同様にして、スチルベン系化合物(d1)の銀色光沢結晶薄膜体を得た。製造例1と同様にして、元素分析とNMRにより同定し、d1が得られていることを確認した。
[製造例21(スチルベン系化合物d7の合成)]
(反応式21)
製造例2における1−ブロモ−4−メチルペンタンを、6−ブロモ−2−ナフトエ酸(12.8g、50.9mmol)に変えた点以外は同様にして、スチルベン系化合物(d7)の銀色光沢結晶薄膜体を得た。製造例1と同様にして、元素分析とNMRにより同定し、d7が得られていることを確認した。
[製造例22(スチルベン系化合物e1の合成)]
(反応式22)
製造例2における1−ブロモ−4−メチルペンタンを、3−ブロモプロピオン酸(7.8g、50.9mmol)に変えた点以外は同様にして、スチルベン系化合物(e1)の銀色光沢結晶薄膜体を得た。製造例1と同様にして、元素分析とNMRにより同定し、e1が得られていることを確認した。
[製造例23(スチルベン系化合物e2の合成)]
(反応式23)
製造例2における1−ブロモ−4−メチルペンタンを、3−ブロモプロピオン酸メチル(8.5g、50.9mmol)に変えた点以外は同様にしてスチルベン系化合物(e2)の銀色光沢結晶薄膜体を得た。製造例1と同様にして、元素分析とNMRにより同定し、e2が得られていることを確認した。
[製造例24(スチルベン系化合物e3の合成)]
(反応式24)
製造例2における1−ブロモ−4−メチルペンタンを、3−ブロモプロピオン酸エチル(9.21g、50.9mmol)に変えた点以外は同様にしてスチルベン系化合物(e3)の銀色光沢結晶薄膜体を得た。製造例1と同様にして、元素分析とNMRにより同定し、e3が得られていることを確認した。
[製造例25(スチルベン系化合物e5の合成)]
(反応式25)
製造例2における1−ブロモ−4−メチルペンタンを、11−ブロモウンデカン酸(13.5g、50.9mmol)に変えた点以外は同様にして、スチルベン系化合物(e5)の銀色光沢結晶薄膜体を得た。製造例1と同様にして、元素分析とNMRにより同定し、e5が得られていることを確認した。
[製造例26(スチルベン系化合物g1の合成)]
(反応式26)
二口ナスフラスコに4−ヒドロキシベンズアルデヒド(0.1g、0.8mmol)と炭酸カリウム(0.17g、1.2mmol)を入れた後、アセトン10mLを加えた。得られた溶液を室温で30分間撹拌し、ブロモ酢酸エチル(0.14g、0.8mmol)を滴下した。反応系を4時間還流させた後、吸引ろ過して炭酸カリウムを除去した。ろ液から溶媒を減圧留去し、オイル状の残渣を水で洗浄した。最後にカラムクロマトグラフィにより精製して、オイル状の生成物(g1の中間体1)を得た。
次に、窒素雰囲気下、二口ナスフラスコにチタノセンジクロリド(3.00g、12.0mmol)と亜鉛粉末(1.57g、24.0mmol)を入れ、脱水THFを50mL加えて、室温で溶液の色が赤から緑になるまで撹拌した。更に溶液を70℃で30分間還流させ、前記中間体1(2.10g、10.0mmol)を加えた。薄層クロマトグラフィーで確認しつつ中間体1が消費されるまで反応混合物を還流させ、tert−ブチルメチルエーテルで反応を停止させた。吸引ろ過して反応液から亜鉛粉末を除去し、ろ液を1N塩酸及び飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで脱水した。更に溶媒を減圧除去し、残渣をヘキサンで洗浄した後、エタノールで再結晶してg1の中間体2を得た。
次に、前記中間体2(1.00g、2.60mmol)と脱水THF(30mL)を二口ナスフラスコに入れ、70℃で還流させ始めたところで、0.5質量%水酸化ナトリウム水溶液を50mL加えた。反応系を2時間還流させた後、減圧留去により溶媒を除去し、残渣に水を100mL加えた。吸引ろ過により水不要物を除去した後、ろ液が酸性になるまで希塩酸を滴下し粗生成物を析出させた。粗生成物をアセトン30mLで洗浄しg1の中間体3を得た。
次に、窒素雰囲気下、前記中間体3(0.50g、1.52mmol)を入れた二口ナスフラスコに塩化チオニルを8mL加えた。反応系を80℃で5時間還流させた後、未反応の塩化チオニルを減圧除去し、g1の中間体4を得た。
次に、前記中間体4にクロロホルムを10mL加え、氷浴で0℃まで冷却した後、0℃の2.4質量%水酸化ナトリウム水溶液5mLとイソプロピルアミン(0.89g、15.1mmol)を加えた。得られた溶液を90分間撹拌した後、吸引ろ過して円形のろ紙上(直径21mm)に積層させ、最後にメタノール30mLで洗浄し、スチルベン系化合物(g1)の銀色光沢結晶薄膜体を得た。製造例1と同様にして、元素分析とNMRにより同定し、g1が得られていることを確認した。
[製造例27(スチルベン系化合物g2の合成)]
(反応式27)
製造例26で得られたg1の中間体4にクロロホルムを10mL加え、氷浴で0℃まで冷却した後、0℃の2.4質量%水酸化ナトリウム水溶液5mLとヘプタデシルアミン(3.83g、15.0mmol)を加えた。得られた溶液を90分間撹拌した後、吸引ろ過して円形のろ紙上(直径21mm)に積層させ、最後にメタノール30mLで洗浄し、スチルベン系化合物(g2)の銀色光沢結晶薄膜体を得た。製造例1と同様にして、元素分析とNMRにより同定し、g2が得られていることを確認した。
[製造例28(スチルベン系化合物g3の合成)]
(反応式28)
製造例26で得られたg1の中間体4にクロロホルムを10mL加え、氷浴で0℃まで冷却した後、0℃の2.4質量%水酸化ナトリウム水溶液5mLとオレイルアミン(4.01g、15.0mmol)を加えた。得られた溶液を90分間撹拌した後、吸引ろ過して円形のろ紙上(直径21mm)に積層させ、最後にメタノール30mLで洗浄し、スチルベン系化合物(g3)の銀色光沢結晶薄膜体を得た。製造例1と同様にして、元素分析とNMRにより同定し、g3が得られていることを確認した。
[製造例29(スチルベン系化合物g4の合成)]
(反応式29)
製造例26で得られたg1の中間体4にクロロホルムを10mL加え、氷浴で0℃まで冷却した後、0℃の2.4質量%水酸化ナトリウム水溶液5mLと2−アミノエタノール(0.90mL、15.0mmol)を加えた。得られた溶液を90分間撹拌した後、吸引ろ過して円形のろ紙上(直径21mm)に積層させ、最後にメタノール30mLで洗浄し、スチルベン系化合物(g4)の銀色光沢結晶薄膜体を得た。製造例1と同様にして、元素分析とNMRにより同定し、g4が得られていることを確認した。
[製造例30(スチルベン系化合物g6の合成)]
(反応式30)
製造例26で得られたg1の中間体4にクロロホルムを10mL加え、氷浴で0℃まで冷却した後、0℃の2.4質量%水酸化ナトリウム水溶液5mLと12−アミノ−1−ドデカノール(3.02g、15.0mmol)を加えた。この溶液を90分間撹拌した後、吸引ろ過して円形のろ紙上(直径21mm)に積層させ、最後にメタノール30mLで洗浄し、スチルベン系化合物(g6)の銀色光沢結晶薄膜体を得た。製造例1と同様にして、元素分析とNMRにより同定し、g6が得られていることを確認した。
[製造例31(スチルベン系化合物g7の合成)]
(反応式31)
製造例26で得られたg1の中間体4にクロロホルムを10mL加え、氷浴で0℃まで冷却した後、0℃の2.4質量%水酸化ナトリウム水溶液5mLと3−アミノプロピレン(0.86g、15.0mmol)を加えた。この溶液を90分間撹拌した後、吸引ろ過して円形のろ紙上(直径21mm)に積層させ、最後にメタノール30mLで洗浄し、スチルベン系化合物(g7)の銀色光沢結晶薄膜体を得た。製造例1と同様にして、元素分析とNMRにより同定し、g7が得られていることを確認した。
[製造例32(スチルベン系化合物h2の合成)]
(反応式32)
製造例2における1−ブロモ−4−メチルペンタンを、2−ブロモプロピオン酸エチル(9.2g、50.9mmol)に変えた点以外は同様にして、スチルベン系化合物(h2)の銀色光沢結晶薄膜体を得た。製造例1と同様にして、元素分析とNMRにより同定し、h2が得られていることを確認した。
[製造例33(スチルベン系化合物i1の合成)]
(反応式33)
製造例2における1−ブロモ−4−メチルペンタンを、酢酸−2−ブロモエチル(8.5g、50.9mmol)に変えた点以外は同様にして、スチルベン系化合物(i1)の銀色光沢結晶薄膜体を得た。製造例1と同様にして、元素分析とNMRにより同定し、i1が得られていることを確認した。
[製造例34(スチルベン系化合物j1の合成)]
(反応式34)
還流管を取り付けた100mLナスフラスコに、チタノセンジクロライド(3.9g、15.7mmol)と亜鉛粉末(2.0g、31.5mmol)を入れ、窒素雰囲気下で脱水THF(安定剤無添加)を65mL加えて、室温で溶液の色が赤から緑になるまで撹拌した。次いで、溶液を還流させ始め、4−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンズアルデヒド(1.66g、10.0mmol)と、製造例26におけるg1の中間体(2.10g、10.0mmol)を加えた。反応混合物を8時間還流させ、室温まで冷却した後、tert−ブチルメチルエーテルで反応を停止し、得られた溶液をろ過した。溶媒を減圧留去した後、残渣をクロロホルムで溶解させた。得られたクロロホルム溶液を1N塩酸と飽和食塩水で分液洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧留去した。得られた白色固体をエタノールで2回再結晶し、析出した結晶を吸引濾過して円形のろ紙上(直径21mm)に積層させ、スチルベン系化合物(j1)の銀色光沢結晶薄膜体を得た。製造例1と同様にして、元素分析とNMRにより同定し、j1が得られていることを確認した。
[製造例35(スチルベン系化合物j2の合成)]
(反応式35)
製造例34における4−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンズアルデヒドを、製造例3におけるf2の中間体(1.8g、10.0mmol)に変えた点以外は同様にしてスチルベン系化合物(j2)の銀色光沢結晶薄膜体を得た。製造例1と同様にして、元素分析とNMRにより同定し、j2が得られていることを確認した。
[製造例36(スチルベン系化合物j10の合成)]
(反応式36)
製造例34における4−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンズアルデヒドを、製造例10におけるf14の中間体(3.06g、10.0mmol)に変えた点以外は同様にして、スチルベン系化合物(j10)の銀色光沢結晶薄膜体を得た。製造例1と同様にして、元素分析とNMRにより同定し、j10が得られていることを確認した。
[製造例37(スチルベン系化合物k1の合成)]
(反応式37)
還流管を取り付けた100mLナスフラスコにイソバニリン(8.7g、57.4mmol)と炭酸カリウム(14.2g、102.7mmol)を入れた後、窒素雰囲気下で、溶媒のアセトニトリル50mLを加えた。反応系を75℃に加温し、1−ブロモ−4−メチルペンタン(8.4g、50.9mmol)を加え、24時間還流させた。反応終了後、反応混合物中の炭酸カリウムを濾過で除去し、アセトニトリルを留去した。生成物を酢酸エチルに溶解させ、25質量%水酸化ナトリウム(2×100mL)と飽和食塩水(2×100mL)で分液した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、留去して、透明な液体(k1の中間体、収率:95%)を得た。
次に、還流管を取り付けた100mLナスフラスコに、チタノセンジクロライド(3.9g、15.7mmol)と亜鉛粉末(2.0g、31.5mmol)を入れ、窒素雰囲気下で脱水THF(安定剤無添加)を65mL加えて、室温で溶液の色が赤から緑になるまで撹拌した。次いで、溶液を還流させ始め、前記k1の中間体(2.72g、5.8mmol)を加えた。反応混合物を8時間還流させ、室温まで冷却した後、tert−ブチルメチルエーテルで反応を停止し、得られた溶液をろ過した。溶媒を減圧留去した後、残渣をクロロホルムで溶解させた。得られたクロロホルム溶液を1N塩酸と飽和食塩水で分液洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧留去した。得られた白色固体をエタノールで2回再結晶し、析出した結晶を吸引濾過して円形のろ紙上(直径21mm)に積層させ、スチルベン系化合物(k1)の銀色光沢結晶薄膜体を得た。製造例1と同様にして、元素分析とNMRにより同定し、k1が得られていることを確認した。
(実施例1)
−インクジェットインク1の調製−
バイアル瓶(製品名:SV−50A、日電理化硝子株式会社製)に、下記の混合物を均一になるように混合した後、スチルベン系化合物f1の銀色光沢結晶薄膜体を6質量部加え、超音波ホモジナイザー(装置名:US−300T:チップ直径7、株式会社日本精機製作所製)を用い、常温で1分間、超音波を照射(120μA)した後、平均孔径が5.0μmのフィルタ(商品名:ミニザルト 17594−K、ザルトリウス・ステディム・ジャパン社製)で濾過し分散体を作製した。
イオン交換水: 11.4質量部
3−メチル−1,3−ブタンジオール: 12.0質量部
分散剤(DISPERBYK−190(ビックケミー社製)): 0.6質量部
一方、下記に示す原材料を混合し、ビヒクルを作製した。
アクリットWEM−321U: 12.3質量部(アクリルウレタン水系エマルジョン、大成化工株式会社製)
グリセリン: 11.7質量部
1,3−ブタンジオール: 35.2質量部
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール: 6.3質量部
ポリフォックスPF−156A: 5.2質量部
(アニオン系フッ素系界面活性剤、OMMNOVA SOLUTIONS社製)
Proxel LV: 0.3質量部
(防腐防黴剤、1、2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、アビシア社製)
トリエタノールアミン: 0.2質量部
イオン交換水: 28.9質量部
前記で調製した分散体とビヒクルとを、バイアル瓶中でそれぞれ等量ずつ混合し、インクジェットインク1を得た。
(実施例2〜36及び比較例1)
−インクジェットインク2〜37の調製−
実施例1において、f1を、下記表1〜4に示すスチルベン系化合物に変えた点以外は、実施例1と同様にして、インクジェットインク2〜37を得た。
<記録物の形成方法>
得られたスチルベン系化合物を含むインクジェットインクをインクカートリッジに充填し、インクジェットプリンター(装置名:IPSiO GX3000、株式会社リコー製)を用いて、全ノズルにインクが充填され異常画像が出ないことを確認し、記録媒体(商品名:カラーペーパーA4 中厚口、株式会社長門屋商店製)上へのインク付着量が100g/mとなるように吐出量を調整した後、50mm×50mmのベタ画像を得た。
<銀色光沢度評価>
前記各記録物について、正反射率及び色彩値を測定し、銀色光沢度を評価した。
即ち、紫外可視分光光度計(製品名:V−570 UV/VIS/NIR Spectrophotometer、日本分光株式会社製)に、大型積分球装置(製品名:ILN−472型 大型積分球装置カラー診断プログラム、日本分光株式会社製)を取り付け、光トラップ反射板を外した状態にて、試料用ホルダにセットした各記録物について、拡散反射率を測定した。次に、光トラップ反射板を挿入して全反射率を測定し、「正反射率=全反射率−拡散反射率」の式により正反射率を算出した。また、全反射率の測定結果から各色彩値を算出した。得られた正反射率と色彩値について、下記評価基準で判定した結果を表1〜4に示す。
なお、正反射率と色彩値(a値、b値)がいずれもランク1以上であれば、実用可能な銀色光沢を有するインクジェットインクと言える。
<正反射率:評価基準>
ランク3:20%≦正反射率
ランク2:15%≦正反射率<20%
ランク1:10%≦正反射率<15%
<色彩値(a値):評価基準>
ランク3:−1.5≦a≦1.5
ランク2:−2.5≦a<−1.5 又は 1.5<a≦2.5
ランク1:−3.5≦a<−2.5 又は 2.5<a≦3.5
<色彩値(b値):評価基準>
ランク3:−1.5≦b≦1.5
ランク2:−2.5≦b<−1.5 又は 1.5<b≦2.5
ランク1:−3.5≦b<−2.5 又は 2.5<b≦3.5
なお、前記表1中に記載の*印は、R及びRが結合するスチルベン骨格の酸素原子との結合位置を表す。
なお、前記表2中に記載の*印は、R及びRが結合するスチルベン骨格の酸素原子との結合位置を表す。
なお、前記表3中に記載の*印は、R及びRが結合するスチルベン骨格の酸素原子との結合位置を表す。
前記表1〜3の結果から、本発明に係るスチルベン系化合物を含むインクジェットインク1〜36を用いることにより、いずれも実用可能な銀色光沢を有する画像が得られることがわかる。また、前記表4の結果から、比較例1のスチルベンの基本骨格に置換基を付したスチルベン系化合物k1においては、正反射率が10%未満であり、銀色光沢を発現せず、実用に適さないことがわかった。
本発明の態様としては、以下のとおりである。
<1> 下記一般式(1)で表されるスチルベン系化合物を含むことを特徴とするインクジェットインクである。
一般式(1)
ただし、前記一般式(1)中、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数が1〜20のアルキル基、炭素数が1〜20のアルケニル基、フェニル基、ナフチル基、及び−(CH−COO−R、−(CH−R、−(CH−CONH−R、−CR−COO−R、又は−(CH−OCOCHで表される基のいずれかを表し、Rは、水素原子、又は炭素数が1〜2のアルキル基を表し、Rは、ヒドロキシ基、炭素数が1〜2のアルコキシ基、炭素数が2〜5のアルケニルオキシ基、SONa基、OSONa基、フェニルアルキル基(アルキル部分の炭素数が1〜3)、又はナフチルアルキル基(アルキル部分の炭素数が1〜3)を表し、Rは、炭素数が1〜20のアルキル基、炭素数が1〜20のアルケニル基、又は炭素数が1〜12のヒドロキシアルキル基を表し、Rは、水素原子、又はメチル基を表し、Rは、炭素数が1〜4のアルキル基を表し、Rは、炭素数が1〜5のアルキル基を表し、nは1〜12の整数を表す。
<2> 前記R及び前記Rの前記フェニル基、及び前記ナフチル基、並びに前記Rのフェニルアルキル基、及び前記ナフチルアルキル基が、置換基を有し、
前記置換基が、アルキル基、アルケニル基、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、シアノ基、シアノアルキル基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、及びアミノ基から選択される少なくとも1種である前記<1>に記載のインクジェットインクである。
<3> 前記R及び前記Rが、−(CH−OHである前記<1>から<2>のいずれかに記載のインクジェットインクである。
<4> 前記R及び前記Rが、エチルスルホン酸ナトリウムである前記<1>から<2>のいずれかに記載のインクジェットインクである。
<5> 前記R及び前記Rが、エチルエーテルスルホン酸ナトリウムである前記<1>から<2>のいずれかに記載のインクジェットインクである。
<6> 前記R及び前記Rが、2―メチルブタンである前記<1>から<2>のいずれかに記載のインクジェットインクである。
<7> 前記R及び前記Rが、プロピオン酸である前記<1>から<2>のいずれかに記載のインクジェットインクである。
<8> 前記R及び前記Rが、プロピオン酸メチルである前記<1>から<2>のいずれかに記載のインクジェットインクである。
<9> 前記R及び前記Rが、プロピオン酸エチルである前記<1>から<2>のいずれかに記載のインクジェットインクである。
<10> 更に、水及び有機溶媒の少なくともいずれかを含む前記<1>から<9>に記載のインクジェットインクである。
<11> 前記水が、イオン交換水、限外ろ過水、逆浸透水、蒸留水、及び超純水から選択される少なくとも1種を含む前記<10>に記載のインクジェットインクである。
<12> 前記有機溶剤が、水溶性有機溶剤である前記<10>から<11>のいずれかに記載のインクジェットインクである。
<13> 前記水溶性有機溶剤が、1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、グリセリン、及びトリエタノールアミンから選択される少なくとも1種を含む前記<12>に記載のインクジェットインクである。
<14> 前記水溶性有機溶剤の含有量が、1質量%以上40質量%以下である前記<12>から<13>のいずれかに記載のインクジェットインクである。
<15> 前記水溶性有機溶剤の含有量が、3質量%以上30質量%以下である前記<12>から<14>のいずれかに記載のインクジェットインクである。
<16> 樹脂をさらに含む前記<1>から<15>のいずれかに記載のインクジェットインクである。
<17> 前記樹脂が、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリルスチレン系樹脂、及びアクリルシリコーン系樹脂から選択される少なくとも1種を含む前記<16>に記載のインクジェットインクである。
<18> 界面活性剤をさらに含む前記<1>から<17>のいずれかに記載のインクジェットインクである。
<19> 前記界面活性剤が、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、及びアニオン系界面活性剤から選択される少なくとも1種を含む前記<18>のいずれかに記載のインクジェットインクである。
<20> 前記界面活性剤が、フッ素系界面活性剤を含む前記<18>から<19>のいずれかに記載のインクジェットインクである。
前記<1>から<20>のいずれかに記載のインクジェットインクによると、従来における前記諸問題を解決し、前記本発明の目的を達成することができる。
特開2005−036079号公報 特開2011−52041号公報 特開2014−074127号公報 特開2013−203785号公報 特開2009−132641号公報 国際公開第2014/021405号パンフレット

Claims (3)

  1. 下記一般式(1)で表されるスチルベン系化合物の結晶を含むことを特徴とするインクジェットインク。
    一般式(1)
    ただし、前記一般式(1)中、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数が1〜20のアルキル基(ただし、炭素数が5以下のものを除く)、炭素数が1〜20のアルケニル基、フェニル基、ナフチル基、及び−(CH−COO−R、−(CH−R、−(CH−CONH−R、−CR−COO−R、又は−(CH−OCOCHで表される基のいずれかを表し、Rは、水素原子、又は炭素数が1〜2のアルキル基を表し、Rは、ヒドロキシ基、炭素数が1〜2のアルコキシ基、炭素数が2〜5のアルケニルオキシ基、SONa基、OSONa基、フェニルアルキル基(アルキル部分の炭素数が1〜3)、又はナフチルアルキル基(アルキル部分の炭素数が1〜3)を表し、Rは、炭素数が1〜20のアルキル基、炭素数が1〜20のアルケニル基、又は炭素数が1〜12のヒドロキシアルキル基を表し、Rは、水素原子、又はメチル基を表し、Rは、炭素数が1〜4のアルキル基を表し、Rは、炭素数が1〜5のアルキル基を表し、nは1〜12の整数を表す。
  2. 前記R及び前記Rの前記フェニル基、及び前記ナフチル基、並びに前記Rのフェニルアルキル基、及び前記ナフチルアルキル基が、置換基を有し、
    前記置換基が、アルキル基、アルケニル基、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、シアノ基、シアノアルキル基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、及びアミノ基から選択される少なくとも1種である請求項1に記載のインクジェットインク。
  3. 前記R及びRが、−(CH−OHである請求項1から2のいずれかに記載のインクジェットインク。
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