JP6963838B2 - 燃焼装置 - Google Patents
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Description
本実施形態のエマルジョン燃料の燃焼方法に使用されるエマルジョン燃料Eは、重油または軽油などの原油由来燃料と、水と、界面活性剤と、を混合したものである。
つぎに、本実施形態のエマルジョン燃料の燃焼方法に使用される燃焼装置1を説明する。
ノズル11は、配管によってエマルジョン燃料生成部2の貯留空間2hに連通されている。このノズル11は、エマルジョン燃料を所定の粒径の液滴となるように吹き出すことができるものである。例えば、エバーロイスプレーノズル(株式会社共立合金製作所)などをノズル11として使用することができる。
ノズルとエマルジョン燃料生成部2との間には混合部10が設けられている。この混合部10は、エマルジョン燃料生成部2から供給されるエマルジョン燃料Eに対して、高濃度酸素気体を混合するものである。具体的には、酸素濃度95%以上、望ましくは98%以上の高濃度酸素を形成する酸素濃縮装置等の高濃度酸素気体発生装置6と配管で接続されており、この配管を通して、所定の流量で高濃度酸素気体を供給できるようになっている。
本実施形態の燃焼装置1が以上のような構成であるので、以下のようにすれば、所定の割合に調整されたエマルジョン燃料Eを燃焼させることができる。
混合部10においてエマルジョン燃料Eに混合する高濃度酸素気体の割合はとくに限定されず、エマルジョン燃料Eを連続的に安定して燃焼させることができる割合であればよい。
エマルジョン燃料Eの流量が1000mm3/minの場合であれば、酸素濃度95%以上の高濃度酸素を2000〜8000mm3/minとすることが考えられる。
エマルジョン燃料Eに混合する界面活性剤はとくに限定されない。原油由来燃料と水とを十分に混合した状態で維持できるものであればよい。例えば、界面活性剤として、けん化価が100〜150mg/KOH/gであり、pHが5.0〜8.0(20%エタノール溶液)である界面活性剤を使用することが望ましい。かかる界面活性剤を使用すれば、上述した混合燃料であっても、長時間(例えば1時間程度)、原油由来燃料と水とが分離することを防止できる。かかる界面活性剤としては、例えば、青木油脂工業株式会社製のブラウノンCW−10等を挙げることができる。
また、エマルジョン燃料Eを燃焼する装置は、以下に示す燃焼装置20としてもよい。この燃焼装置20を使用すれば、連続してエマルジョン燃料Eをノズル31に供給することができる。したがって、燃焼装置20を長期間連続して燃焼させることができる。しかも、使用する界面活性剤の混合割合を非常に少なくできるし、安定して高濃度酸素をエマルジョン燃料Eに混合することができる。
図1に示すように、本実施形態の燃焼装置1は、エマルジョン燃料Eを調製するエマルジョン燃料生成部21を備えている。このエマルジョン燃料生成部21は、2つのタンク21aを備えており、それぞれのタンク21a内においてエマルジョン燃料Eを調製できるようになっている。
高濃度酸素気体発生装置25は高濃度の酸素を生成する装置である。この高濃度酸素気体発生装置25は、酸素濃度95%以上、望ましくは酸素濃度98%以上の気体を形成する装置である。この高濃度酸素気体発生装置25としては、例えば、酸素濃縮装置(エアーテクニカ株式会社製:型番SRV−80S)等の装置を使用することができる。この高濃度酸素気体発生装置25は、配管Peによって混合部30に連通されている。なお、配管Peには、混合部30からエマルジョン燃料E等が逆流することを防止するために、逆止弁が設けられていることが望ましい。
混合部30は、エマルジョン燃料生成部21のタンク21aから供給されるエマルジョン燃料Eに対して、高濃度酸素気体発生装置25から供給される高濃度酸素気体を混合する装置である。この混合部30には、その内部を直線状に貫通する第一流路30aと、この第一流路30aの側方に連通された第二流路30bとを備えている。つまり、混合部30は、その軸方向が交差するように設けられた第一流路30aと第二流路30bとを備えている。例えば、第一流路30aと第二流路30bとがなす角θは、90度(つまり両者が直交)でもよいし、60〜90度程度でもよい。
実験では、バケツに入れたエマルジョン燃料に高濃度酸素気体を供給しながら燃焼して、その燃焼温度を測定した。
まず、重油と水と混合する。このとき、静置すれば図5(A)に示すように、重油と水とが界面を形成して、完全に分離した。この重油と水と混合した液に、界面活性剤を混合して攪拌すると、図5(B)に示すようなエマルジョン燃料が形成された。このエマルジョン燃料は、1時間程度静置しても重油と水が分離せず、図5(B)のような状態に維持された(対象1のエマルジョン燃料)。
このエマルジョン燃料に対して、真鍮製の管を通して高濃度酸素気体(酸素濃度100%、図5(C)参照)を供給して燃焼させると、718.4℃で燃焼することが確認された(図5(D)参照)。
なお、対象2、3は対象1と同じ作業で生成し、比較例1、2は重油や軽油を水と混合する工程以外は、実施例1と同じ作業で実施した。
つまり、図2に示す燃焼装置20において、エマルジョン燃料生成部21で生成されたエマルジョン燃料に、高濃度酸素発生装置25から供給される高濃度酸素を混合部30で混合し、高濃度酸素が混合されたエマルジョン燃料を流量4500mm3/min.でノズル31から噴射しながら燃焼させて、その燃焼温度を測定した。
2 エマルジョン燃料生成部
2a 攪拌装置
3 水タンク
4 界面活性剤タンク
5 重油タンク
6 高濃度酸素気体発生部
10 混合部
11 ノズル
20 燃焼装置
21 エマルジョン燃料生成部
21a タンク
21b 攪拌装置
22 界面活性剤
25 高濃度酸素気体発生装置
30 混合部
30a 第一流路
30b 第二流路
31 ノズル
E エマルジョン燃料
T タンク
B ボイラ
Claims (4)
- ノズルからエマルジョン燃料を吹き出してエマルジョン燃料を連続的に燃焼する装置であって、
原油由来燃料と水とを混合するエマルジョン燃料生成部と、
ノズルの上流部に設けられた、高濃度酸素をエマルジョン燃料に混合する混合部と、
エマルジョン燃料生成部から前記混合部を介して供給される該混合部で前記高濃度酸素が混合されたエマルジョン燃料を吹き出すノズルと、
を備えており、
該エマルジョン燃料生成部は、
前記エマルジョン燃料における原油由来燃料と水との体積割合が7:3〜4:6となるように調整し、
前記混合部は、
一端から前記高濃度酸素が供給される、該混合部を直線状に貫通する第一流路と、
該第一流路の側方に連通された、該第一流路の軸方向と交差する方向から前記エマルジョン燃料を該第一流路に供給する第二流路とを備えており、
該第二流路は、
該第二流路から前記第一流路に前記エマルジョン燃料が流入すると、該エマルジョン燃料の流動方向が屈曲するよう設けられており、
該混合部は、
前記エマルジョン燃料の流量に対して、1.5〜8倍の流量で酸素濃度95%以上の高濃度酸素気体の流量で供給する
ことを特徴とする燃焼装置。 - 前記第二流路は、
その軸方向と前記第一流路の軸方向が直交し、かつ、前記第一流路の第一端部と第二端部との間で接続されるように設けられている
ことを特徴とする請求項1記載の燃焼装置。 - 前記エマルジョン燃料には界面活性剤が混合されており、
前記エマルジョン燃料に対する界面活性剤の混合割合が、前記エマルジョン燃料の15体積%以下となるように調整されている
ことを特徴とする請求項1または2記載の燃焼装置。 - 前記界面活性剤は、
けん化価が100〜150mg/KOH/gであり、pHが5.0〜8.0である
ことを特徴とする請求項3記載の燃焼装置。
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