JPH11263991A - エマルジョン燃料 - Google Patents

エマルジョン燃料

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JPH11263991A
JPH11263991A JP11005498A JP11005498A JPH11263991A JP H11263991 A JPH11263991 A JP H11263991A JP 11005498 A JP11005498 A JP 11005498A JP 11005498 A JP11005498 A JP 11005498A JP H11263991 A JPH11263991 A JP H11263991A
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JP
Japan
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water
oil
emulsion fuel
fuel
combustion
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Application number
JP11005498A
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English (en)
Inventor
Toshiro Takeuchi
敏郎 竹内
Masaaki Takarada
正昭 宝田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eihou Kogyo Kk
Original Assignee
Eihou Kogyo Kk
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Filing date
Publication date
Application filed by Eihou Kogyo Kk filed Critical Eihou Kogyo Kk
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Publication of JPH11263991A publication Critical patent/JPH11263991A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C10PETROLEUM, GAS OR COKE INDUSTRIES; TECHNICAL GASES CONTAINING CARBON MONOXIDE; FUELS; LUBRICANTS; PEAT
    • C10LFUELS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; NATURAL GAS; SYNTHETIC NATURAL GAS OBTAINED BY PROCESSES NOT COVERED BY SUBCLASSES C10G, C10K; LIQUEFIED PETROLEUM GAS; ADDING MATERIALS TO FUELS OR FIRES TO REDUCE SMOKE OR UNDESIRABLE DEPOSITS OR TO FACILITATE SOOT REMOVAL; FIRELIGHTERS
    • C10L10/00Use of additives to fuels or fires for particular purposes
    • C10L10/02Use of additives to fuels or fires for particular purposes for reducing smoke development

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Liquid Carbonaceous Fuels (AREA)
  • Solid Fuels And Fuel-Associated Substances (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 燃料、特にA重油、軽油の燃焼により排出さ
れる窒素酸化物を削減するとともに、熱効率を向上する
ことにより、同じく燃焼時に排出される炭酸ガス量を削
減する方法を確立する。 【構成】 燃焼効率を向上するには空気比を1にしても
完全燃焼が可能な燃焼方法を確立することである。エマ
ルジョン燃料の水微粒子の大きさを20μ以下のある径
に揃っている、一定時間内では粒子径に変化がないこと
を特徴とするエマルジョン燃料を時間内に燃焼する。こ
れにより熱効率の向上、窒素酸化物の大幅な減少が可能
となる。 水中油滴型エマルジョン燃料においては油微
粒子を5μ以下とすることにより熱効率、窒素酸化物の
削減が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は産業上の基本的な課題で
ある省エネルギー、公害防止に関する。燃料を燃焼する
には酸素が必要である。この酸素源として、一般的には
空気が利用される。空気には、約78%の窒素が含まれ
ており、これが排ガス損失をもたらすとともに、窒素酸
化物の発生源となる。排ガス損失を削減する目的で燃焼
用空気を予熱すると、排ガス中の窒素酸化物は飛躍的に
増大する。省エネルギーと大気汚染防止は二律背反なの
である。酸素燃焼が窒素酸化物を殆ど出さないことは分
かっているが、燃焼温度が高いため利用しにくい。エマ
ルジョン燃料の場合、窒素酸化物の生成は大幅に削減さ
れる。これは、微粒子化した水分の効果である。総合的
に見た場合、エマルジョン燃料の水分は熱効率を向上さ
せる。これは水分子が熱媒体として作用するためであ
る。燃焼により放射される可視光線、紫外線は水分子に
吸収されて周波数の低い熱線である赤外線として再放出
される。結果、熱効率があがる。エマルジョン燃料は空
気燃焼における熱効率を大幅に向上する。エマルジョン
燃料の場合、空気比を理論値としても完全燃焼し黒煙を
発生しない。排ガス中の酸素濃度はゼロでもよい。排ガ
ス量をかなり削減できる。窒素酸化物は3分の1以下に
なる。発電所などで採用すれば、大気汚染防止に効果が
ある。
【0002】
【従来の技術】エマルジョン燃料の有利性に関しては、
ある程度分かっていたが、安定した分離しにくいエマル
ジョン燃料を生成する技術が開発されていなかった。ま
たエマルジョン燃料の粒子径とその作用について殆ど研
究されていなかった。エマルジョン燃料を使用する場
合、空気比を小さくできることが分かっているが、理論
的には解明されていない。窒素酸化物が少なくなること
も何故なのか解明されてはいない。これらは、分離しに
くい、水微粒子径が均一なエマルジョン燃料を安定的に
製造出来なかったことによる。エマルジョン燃料は燃焼
効率の向上と、窒素酸化物の削減に効果があり、環境対
策として各方面で研究されるものと考える。とくに問題
となっているジーゼル車の窒素酸化物削減には大きな成
果がえられることを実験により確認している。エマルジ
ョン燃料をジーゼル車に使用することと、水をシリンダ
ー内に噴射することとは全く意味が違うことについては
誰も気がついていない。水微粒子と油微粒子とが別々存
在する状態は、エマルジョン燃料をシリンダー内に噴射
したときの状態とは違っている。窒素酸化物を削減でき
る条件が成立していない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】重油炊きボイラーの効
率をあげる方法としては排ガス損失を削減するのが有効
である。空燃比をできるだけ小さくするとよい。しか
し、完全燃焼を考えた場合、空燃比には限界があり理論
値で燃焼する事はできない。空燃比を1もしくは、それ
以下で燃焼できるようにする。エマルジョン燃料の水分
は条件によっては、燃焼効率を向上することが分かって
いる。エマルジョン燃焼における水分子の作用を解明し
安定したエマルジョン燃焼法を確立することにで熱効率
を向上する。窒素酸化物の排出量を削減する。特に、ジ
ーゼル車による大気汚染の防止は急務である。この問題
はエマルジョン燃料を使用することで大幅に改善でき
る。燃費も良くなる。燃料噴射タイミングを調整すれば
さらに改善される。純酸素燃焼に代わる酸素富化燃焼は
窒素酸化物濃度が増加するため利用しにくい。燃焼温度
も高くなるため耐火物の問題もある。
【0004】
【課題を解決する手段】酸素富化燃焼を通常の燃料で行
うと燃焼効率の向上、排ガス量の削減はできるが、酸素
濃度の増加にともない燃焼温度があがり、急激に窒素酸
化物が増加する。これが酸素富化燃焼が利用されない理
由である。エマルジョン燃料と酸素富化燃焼を組み合わ
せることにより窒素酸化物は減少する。エマルジョン燃
料を燃焼する場合、水分が問題となる。本発明が使用す
るエマルジョン燃料の水分は微粒子化しているため熱効
率を下げない。この微粒子の直径が大きすぎると熱効率
は低下する。蒸発潜熱を奪う役目をするだけである。実
験によれば、小さすぎても熱効率は向上しない。水微粒
子の水蒸気爆発の衝撃力が弱く、水分、油分の超微粒子
化が進まない。実験によれば2−10μの範囲の水微粒
子径が熱効率向上に効果があった。水と油のエマルジョ
ン燃料の場合、微粒子化した水分の周りに油が存在する
状態である。この水微粒子と周りの油は界面活性剤を介
して密着している。密着力が強ければ分離しにくい。エ
マルジョン燃料を噴射するとき、密着力が十分であれ
ば、水微粒子は周囲に油を付着させたまま飛んでいく。
水蒸気爆発により更に微粒子化した水微粒子の表面、及
び近傍には微粒子状の油が存在する。この油微粒子から
水素がとれて酸素と結合燃焼する。この時放射される紫
外線、可視光線を微粒子化した水が吸収、熱線である赤
外線として再放出する。この微粒子化した水の光−熱線
変換媒体としての作用を利用する。
【0005】通常の空気燃焼において問題になる窒素酸
化物は温度が1300°以上になると急激に上昇する。
これは燃焼温度が高くなると、紫外線領域の光の放射が
増加する。この紫外線が空気中の窒素分子を励起し、窒
素酸化物の生成が増加するからである。この紫外線の放
射量を少なくすること、窒素分子をこの紫外線から遮蔽
することが窒素酸化物の生成を防止する方法である。エ
マルジョン燃料の水微粒子がこの役目を果たすのであ
る。エマルジョン燃料の場合、水微粒子の周りに油が密
着した状態である。油の燃焼はその表面、または近傍で
おこる。水微粒子は燃焼により放射される紫外線、可視
光線を効率よく吸収する。そして紫外線、可視光線は熱
線の赤外線となって再放射される。この作用が熱効率の
向上と窒素酸化物の減少をもたらす。水微粒子が奪う蒸
発潜熱も最高温度を下げる。当然、窒素酸化物の生成も
減少する。エマルジョン燃料を空気で燃焼する場合、空
気比を1.0にしても完全燃焼し黒煙は出ない。これは
通常燃料では燃料の一部が炭化し、固体燃焼となるのに
比較して、エマルジョン燃料の燃焼では、水素原子がと
れた状態の炭素原子の直ぐ側に水分子がある。この水分
子から水素をとってガス化する反応がおこる。ガス化し
て燃焼する。実際、エマルジョン燃料の燃焼の場合、そ
の火炎には固体炭素の放射するスペクトルがすくない。
ガス化して燃焼していることを示している。一般的に考
えて、燃焼の初期において炭化水素化合物から水素がと
れた場合、不安定な炭素は、2重結合、3重結合と進ん
で炭化状態となる。この急速な炭化を遅らせるには炭素
の側に水分子が存在する必要がある。水素がとれた状態
の炭化水素の炭素原子は、側に活性化した水分子がある
とこの水分子から水素を奪って炭化しない。ガスの状態
で完全燃焼する。
【0006】ジーゼルエンジン車が排出する窒素酸化物
が大気汚染の原因になっている。この窒素酸化物の削減
は燃料をエマルジョン燃料とすることにより解決でき
る。ジーゼルエンジンに水を噴射する方法が一部採用さ
れているが、その効果は小さい。エマルジョン燃料をジ
ーゼルエンジンのシリンダーに噴射するのとは根本的に
違っている。粒子径が大きい。均一に分散していない。
水分と油分が密着した状態でない。ジーゼルエンジンは
燃焼の熱エネルギーを、気体の膨張を利用して運動のエ
ネルギーに変換する機構である。圧縮比を高くとると高
温になり燃費がよくなる。しかし、窒素酸化物が増加す
る。この窒素酸化物を削減する方法として燃焼温度を下
げる方法がとられている。この方法は当然、燃費の低下
につながっている。シリンダー内に水を噴射する方法
も、蒸発潜熱による温度低下を目的としたものてある。
燃費は低下する。エマルジョン燃料の場合、高温燃焼に
より放射される紫外線は水微粒子に吸収されて分子運動
を活発にする赤外線として放出される。結果、シリンダ
ー内の気体の分子運動は活発になる。効率的に熱エネル
ギーが運動エネルギーに変換される。また紫外線が水微
粒子に吸収されるため窒素分子が励起状態にならない。
圧縮比をあげて高温としても窒素酸化物の生成は大幅に
すくなくなる。
【0007】
【作用と実施例】エマルジョンの燃料の水微粒子の一部
は燃焼過程で分解する。この分解により生成した水素は
油である炭化水素から水素がとれた状態の炭素と結合、
炭化を防ぐ。ガス化してガス燃焼がおこる。水素は酸素
と結合燃焼する。水性ガス反応も起こる。このほか、水
微粒子は可視光線以上の光エネルギーを熱線である赤外
線に変換する作用をして熱効率を向上させる。次のかん
たんな実験がエマルジョン燃料の微粒子化した水分の熱
効率向上効果と紫外線吸収による窒素酸化物削減効果を
証明している。低圧ボイラーを使用してA重油とエマル
ジョン燃料(A重油80%+水20%)の熱効率比較を
おこなった。エマルジョン燃料は空気比1で燃焼した。
A重油は空気比1.2で燃焼し完全燃焼をはかった。エ
マルジョン燃料の熱効率は92%以上となつた。A重油
の場合の熱効率は80%であった。排ガス中の窒素酸化
物の濃度も大幅に減少した。A重油燃焼の場合の濃度
は、150ppmであった.エマルジョン燃料の場合2
2ppm以下であった。熱効率、窒素酸化物量にはっき
りした差がでた。
【0008】エマルジョン燃料の燃焼性、熱効率の向上
は、エマルジョン燃料の微粒子状の水分に左右される。
水微粒子径が大きすぎても、また小さすぎても熱効率は
低下する。最適な範囲が存在する。その範囲は2−10
μの範囲である事が実験により分かった。B重油の場合
は、7μ付近に最適値があった。この値は油の種類と水
の状態によりある程度影響される。また、燃焼方法によ
り左右される。A重油の場合は5μ、軽油は4μ、灯油
の場合3μ付近に最適値があった。この違いは着火温度
の差である。着火温度の高い油は水素がとれて燃焼がは
じまるまでにに時間があるため、水微粒子は加熱されて
水蒸気爆発にいたり、より小さい微粒子になる。灯油で
はその時間が短い。灯油ベースのエマルジョン燃料は水
微粒子が小さい必要がある。比重差が大きいため安定性
の点でも水微粒子径は小さくなる。2−10μの範囲で
あれば油の種類にあまり影響されずに熱効率の向上、窒
素酸化物の削減効果が得られる。エマルジョン燃料の安
定性もよい。1μ以下にするとエマルジョン燃料として
の安定性は増加するが熱効率、窒素酸化物量の減少にか
んしては、効果は変わらないか、むしろ低下する場合が
あることが実験により分かった。エマルジョン燃料とし
ての安定性、分離しにくい条件は平均粒子径が小さいこ
とも条件であるが、均一で揃っている事のほうがより影
響が大きい条件である。10μ以上でも熱効率の向上、
窒素酸化物削減効果はみられるが、エマルジョン燃料の
安定性が悪くなる。使用可能期間が制限されるので使い
難い。この粒子径と燃焼方法の間に一定の関係があるこ
とは当然であるが、粒子径の囲が2−10μにあれば、
影響は少ない。
【0009】燃料油を加圧水、あるいは水蒸気で噴射、
燃焼する方法とエマルジョン燃料にして燃焼するのは根
本的に違っている。燃料油の粒子径が30−300μと
大きい。ばらつきも大きい。燃料油微粒子と水微粒子が
均一に分散していない。偏在化している。燃料油微粒子
と水微粒子とが接近、あるいは密着した状態にない。そ
の結果、水微粒子の水蒸気爆発による燃料油微粒子の微
細化作用も効果がない。水分子による可視光線以上の光
エネルギーを熱線である赤外線への変換作用もすくな
い。水分子による紫外線の吸収が少ないため窒素酸化物
が減少しない。
【0010】エマルジョン燃料の場合、エマルジョン化
のために使用する界面活性剤の極性により水微粒子と油
はクーロン力により結合した状態である。このため、燃
焼過程における水微粒子の水蒸気爆発により、さらに小
さい水微粒子になっても、その周りには油微粒子が存在
する。この油微粒子の燃焼が水微粒子の表面、あるいは
近傍で進行する。水微粒子は炉壁等から放射される赤外
線を吸収して活性な状態である。この状態で水素が燃焼
する時に放射する紫外線を吸収すると水微粒子は酸素と
水素に分解する。この活性な酸素と水素、水素がとれて
不安定な炭素が複雑な反応を起こして燃焼する。この反
応の中には炭素のメタンガス化、水性ガス反応などもあ
る。メタンガス化反応は500度付近の比較的低温でお
こり、発熱反応である。水性ガス反応は900度以上で
おこり、吸熱反応である。水性ガス反応は燃焼温度を下
げる。この効果も窒素酸化物を減少する。実際にはこれ
らの反応は連続して殆ど同時におきている。燃焼炎のス
ペクトル分析により各種の活性物質の存在を確認してい
る。その存在が反応の証明である。燃焼過程で生成する
酸素を含めた活性物質の存在が理論酸素量で完全燃焼す
る理由である。水微粒子の表面あるいは、きわめて接近
した場所で燃焼はおこる。その結果、燃焼により放射さ
れる紫外線は水微粒子よく吸収される。表面、あるいは
近傍で燃焼がおこるため水微粒子のよる遮蔽効果も大き
い。紫外線による燃焼空気中の窒素の励起がすくなくな
る。これが加圧水、水蒸気による燃料油の噴射燃焼との
根本的な違いである。窒素酸化物の量は大幅に減少す
る。また、直接的に熱として作用する赤外線領域の光が
水分子からの再放出の結果増加する。事実、エマルジョ
ン燃料燃焼時のスペクトルは紫外線が非常にすくない。
赤外線よりになっている。
【0011】空気燃焼の場合、燃焼用の空気を予熱する
ことにより熱効率を上げることができる。しかし、燃焼
温度が1300度以上になると窒素酸化物濃度が急に上
昇する。結果、排ガス処理費が増加する。熱効率の向上
とは二律背反の問題である。A重油をベースとしたエマ
ルジョン燃料を使用した実験により窒素酸化物の排出量
が大幅に削減されることを確認している。実験に使用し
た装置はスラブ加熱炉である。スラブ加熱温度1250
度である。空気予熱温度400度、空気比は1.1であ
る。A重油を燃料とした場合の排ガス中の窒素酸化物の
濃度は150ppmであった。これにたいし、エマルジ
ョン燃料(A重油70%、水分30%、微粒子状水分の
粒子径5μ)の場合は20ppmであった。熱効率は、
A重油の場合55%、エマルジョン燃料の場合は70%
に上昇した。炉内の最高温度はA重油のほうが高く13
20度であった。エマルジョン燃料は1300度であっ
た。これは熱伝達率がよくなったことを意味する。水微
粒子の粒子径について何種類か実験をおこなってみた。
その結果粒子径により熱効率、窒素酸化物に差がでるこ
とを確認した。バーナータイル周辺の温度が高くなると
粒子径を大きくしてもよいことがわかった。例えば、2
0μにしても燃焼効率の低下、窒素酸化物の増加は殆ど
検知できなかった。この事実は、エマルジョン燃料が安
定であれば、水微粒子径を燃焼方法により20μにまで
大きく出来ることを意味する。水微粒子の作用は燃焼方
法によって変わるのである。燃焼方法を工夫する事によ
りエマルジョン燃料の水微粒子径を20μにできる。大
きすぎると水蒸気爆発までに表面の油分の水素が分離し
てしまう。また小さすぎると水素が分離しないまえに蒸
発してしまう。この条件は燃焼状態にある程度左右され
る。油膜は透明であり、水と赤外線吸スペクトルが違っ
ているため、表面に油膜があっても微粒子の水分は急速
に加熱される。この加熱時間は燃焼方法により変わる。
【0012】ジーゼルエンジン車の窒素酸化物、炭化水
素が環境汚染のおおきな原因となっているが、エマルジ
ョン燃料を使用することにより排ガス中の窒素酸化物の
量を大幅に削減できることが実験により分かった。また
燃費も15%以上改善できることも明らかとなった。ジ
ーゼルエンジンのトラック車に軽油80%、水分20%
のエマルジョン燃料をいれて走行試験をおこなった。燃
費の改善は15%以上、窒素酸化物の濃度は3分1にな
った。これはシリンダー内に燃料を噴射するタイミング
を調整する事なし実施したものである。このタイミング
の調整を行えばさらに燃費は更によくなるのは間違いな
い。この燃費改善、窒素酸化物の削減の原因は繰り返し
説明した水微粒子の効果である。水微粒子による光−赤
外線変換作用が熱エネルギーを効率よく分子の運動エネ
ルギーに変換する効果をもたらしている。結果、燃費の
向上がえられるのである。
【0013】エマルジョンには2種類ある。微粒子状の
水がありその周囲に油がある油中水滴型とその逆の水中
油滴型がる。請求項1においてエマルジョン燃料の水微
粒子の粒子径を20μ以下としたが、油中水滴型を対象
としたものである。また、請求項4において油微粒子の
粒子径を5μ以下としたが、これは水中油滴型を対象と
したものである。図1は油中水滴型、図2は水中油滴型
のエマルジョンを示すものである。油と水は界面活性剤
の力により結びついている。この結合力が重要なのであ
る。別々に噴射したのとの作用の違い原因である。この
両者が混在する状態も存在する。ボイラーの様な外燃機
とエンジンのような内燃機において両者の使い分けがエ
マルジョン燃料においては必要な場合がある。
【0014】水中油滴型の場合、油滴の周囲に水のコー
トがあるため、燃焼開始が遅くなる。また、水蒸気爆発
による油微粒子の微細化作用が弱いため粒子径を出来る
だけ小さくする必要がる。油微粒子の粒子径について実
験した結果、5μ以下にしなれば熱効率の向上はないこ
とが分かった。窒素酸化物排出量はかなり下がる。油微
粒子径を1μにすると熱効率は向上する。先に実験に使
用した低圧ボイラー効率は90%に近くなった。窒素酸
化物排出量も3分の1になった。この値はA重油をベー
スとしたエマルジョン燃料において、水微粒子の粒子径
を5μにした値とほぼおなじである。水中油滴型は低い
温度で安定である。高温になると不安定になり分離し易
くなる。粒子径により熱効率、窒素酸化物の排出量が影
響をうけるため、油中水滴型と同様、油微粒子の粒子径
は揃って均一であることが必要である。粒子径が変わら
ない間に燃焼する必要がある。
【0015】ヂーゼルエンジンの場合、圧縮比をできる
だけ高くし、高温において燃焼することを目的に考えれ
ば、周囲が水でカバーされた状態である水中油滴型のほ
うが有利である。シリンダー内に噴射されたとき、外側
の水が先ず蒸発するため油の燃焼がおくれる。圧縮比を
高くできる。しかし、水蒸気爆発によ微粒子化作用が弱
くなる。油中水滴型の場合は反対で水蒸気爆発による微
粒子化と分散を有利につかえる。どちらのエマルジョン
燃料を使用するにしても噴射のタイミングの調整が必要
である。油中水滴は周囲の油から水素がとれると同時に
水滴が加熱されて水蒸気爆発する。このため急速に微細
化して広がる。結果、連続的に燃焼がひろがる。これに
反して、水中油滴型は最初に表面の水が蒸発潜熱を奪う
ため、油微粒子の温度上昇はおくれる。この間に拡散す
るため連続的に燃焼がひろがる。ジーゼルエンジン車に
よる実験では噴射のタイミングを調整しない場合は油中
水滴型のほうが燃費は良かった。各々タイミングを調整
した後では差は無かった。排ガス中の窒素酸化物の濃度
は油中水滴型のほうがやや少なかった。両者が存在する
状態のエマルジョンも可能である。安定性に欠けるため
実用化は難しいと考えられるが、特定な用途には面白
い。
【0016】ジーゼルエンジン車におけるエマルジョン
燃料使用の利点は、ガソリン車にもそのまま適用でき
る。ガソリンエンジンもヂーゼルエンジン同様に直接噴
射方式になる。その時には、エマルジョン燃料が最適で
ある。
【0017】エマルジョン燃料は不安定であり、すぐに
水と油に分離する。本発明が発見発明したのは水微粒子
の粒子径を2−10μの範囲にすれば、エマルジョン燃
料は安定で分離しにくいこと、また特定の粒子径に揃い
易いことである。大きさが揃っていないと分離し易くな
る。平均粒子径が小さくても、20μ以上の微粒子があ
ると短時間で水と油に分離する。水と油の密着性は粒子
径に反比例である。密着性はエマルジョン燃料が噴射さ
れたときに水と油に分離しない条件で大きいと分離し易
くなる。分離すると水微粒子による光−熱線(赤外線)
変換作用と窒素分子を紫外線から遮蔽する効果も少なく
なる。現在使用しているエマルジョン燃料は安定してい
る。軽油ベースのエマルジョン燃料は製造後3ヶ月は水
微粒子径は変化しない。灯油の場合でも3週間は安定し
ている。実用化に何等問題はない。このように安定した
エマルジョン燃料は例外である。普通は、短時間に、例
えば30分で完全に水と油に分離する。平均水微粒子径
は小さいが、ばらつきが大きい。例えば、20μの水微
粒子がる。このような場合、大きい水微粒子が核となっ
て急速に成長し、水と油に分離する。
【0018】水微粒子の粒子径で4種類のエマルジョン
燃料(A重油80%水分20%)をを作成して粒子径に
よる燃焼比較をおこなった。 エマルジョン燃料 熱効率(%) 窒素酸化物排出濃度(ppm) 粒子径 2μ 90 25 粒子径 3μ 91 20 粒子径 5μ 92 20 粒子径10μ 90 25 A重油 80 150 燃焼比較試験は低圧ボイラーを使用した。比較項目は熱
効率と窒素酸化物排出濃度、ボイラーは定負荷運転。比
較基準としてA重油燃焼を使用した試験結果の表から5
μ付近に最適値があることが分かる。
【0019】
【発明の効果】環境汚染に重大な影響を与えているジー
ゼル車の排ガス中の窒素酸化物の排出量を大幅に削減で
きる。また燃費が15%以上改善できるため炭酸ガス排
出量の削減につながる。ハイドロカーボンの排出も燃費
の向上から分かるように減少できる。ガソリンエンジン
車に適用しても同じ効果をえることができる。産業用に
使用されている大量の灯油、軽油、重油をエマルジョン
燃料とすることにより熱効率の15%以上の向上が可能
となる。窒素酸化物の排出量が3分の1になる。排ガス
量が削減できるなど環境汚染防止に大きな効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】油中水滴型エマルジョン
【図2】水中油滴型エマルジョン
【符号の説明】
1………………界面活性剤 2………………親水基 3………………親油基 4………………水微粒子 5………………油微粒子

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水と油が分散混合したエマルジョン燃料
    において、水微粒子の粒子径が20μ以下の特定の直径
    に均一に揃っていること、一定時間内では該水微粒子の
    粒子径に変化がないことを特徴とするエマルジョン燃料
    を該一定時間内に燃焼する事を特徴とする該エマルジョ
    ン燃料の燃焼法。
  2. 【請求項2】 請求項1の該エマルジョン燃料の水微粒
    子の粒子径を油の種類により決まる直径とする方法。
  3. 【請求項3】 請求項1の該エマルジョン燃料の水微粒
    子の粒子径を燃焼方法より決まる直径とする方法。
  4. 【請求項4】 水と油が分散混合したエマルジョン燃料
    において、油微粒子の粒子径が5μ以下の特定の直径に
    均一に揃っていること、一定時間内では該油微粒子の粒
    子径に変化がないことを特徴とするエマルジョン燃料を
    該一定時間内に燃焼することを特徴とする該エマルジョ
    ン燃料の燃焼方法。
  5. 【請求項5】 請求項1に規定された特徴を有するエマ
    ルジョン燃料をエンシンの燃料とし、該一定期間内に該
    エンジンを運転することを特徴とする該エマルジョン燃
    料によるエンジンの運転法。
  6. 【請求項6】 請求項5において請求項4に規定された
    該エマルジョン燃料とする方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2008072391A1 (ja) 2006-12-14 2008-06-19 Ait Corporation エマルジョン燃料とその製造方法及び製造装置
JP2011021803A (ja) * 2009-07-15 2011-02-03 Communication Link Co Ltd 水油燃焼装置
JP2020180773A (ja) * 2019-04-23 2020-11-05 株式会社イスト 燃焼装置

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