〔実施形態1〕
本発明の実施形態1について、図1〜図13に基づいて説明する。
(電子機器30の構成)
図1の(a)は、本発明の実施形態1に係る有機EL表示装置が用いられた電子機器30の外観を表す斜視図であり、(b)は(a)の断面図である。電子機器30の一例として、スマートフォンを挙げることができる。しかし、電子機器30は、スマートフォンに限定されず、その他の携帯電話端末またはタブレットなどの携帯情報端末、テレビジョン受像機、パーソナルコンピュータ等、有機EL表示パネル(異形の表示パネル)42が組み込まれた電子機器であればよい。
電子機器30は筐体32を有する。そして、電子機器30は、それぞれ筐体32に設けられた、タッチパネル40と、スピーカ34と、カメラ36と、図示しないマイクとを有する。また、電子機器30は、電源のオンオフを切り替える電源ボタン等の各種ボタンを有していてもよい。
タッチパネル40は、タッチセンサ41と、有機EL表示パネル42とを有する。有機EL表示パネル42は、各種の画像を表示する異形の表示領域43を有する。有機EL表示パネル42は、表示領域43と、表示領域43の周囲を囲む額縁領域とを有する。有機EL表示パネル42に、各種の部品が取り付けられることで有機EL表示装置が構成される。
タッチセンサ41は、有機EL表示パネル42に設けられている。タッチセンサ41は、指、スタイラスペン等の接触または近接による入力操作を検知することで、ユーザからの有機EL表示パネル42上における座標位置の入力を受け付ける入力装置である。タッチセンサ41は、有機EL表示パネル42と一体的に形成されていてもよいし、有機EL表示パネル42とは別の構成として形成されていてもよい。タッチセンサ41は、静電容量方式、赤外線方式等、ユーザからの入力操作を受け付けることが可能な方式であればよい。
有機EL表示パネル42の表示領域43は、外形が、長方形または正方形ではなく、長方形または正方形以外の形状である異形となっている。
異形とは、有機EL表示パネルの外形を長方形または正方形とした場合の縁(辺または角)の少なくとも一部が、当該縁から内側(長方形または正方形の中央部方向)または外側(長方形または正方形の中央部から離れる方向)に突出した異形部分を有する形状である。つまり、異形部分とは、有機EL表示パネルの外形を長方形または正方形とした場合、当該長方形または正方形とした有機EL表示パネルの縁とは重ならない部分である。
図1では、有機EL表示パネル42の表示領域43において、例えば、4個の隅43a〜43dは、直角ではなく湾曲したいわゆるラウンド(丸み)を有する形状(円弧形状)である。さらに、有機EL表示パネル42の表示領域43は、例えば、4辺のうち少なくとも一辺に、縁から表示領域43の中央部方向へ向けて凸となるように凹んだ切欠き部43dを有する形状である。切欠き部43dは例えば円弧形状を有する。有機EL表示パネル42における額縁領域は、幅が狭く、表示領域43の外形と略同じ形状の外形を有する。
また、図1の(b)に示すように、本実施形態では、有機EL表示パネル42の表示領域43は、両長辺近傍の断面が湾曲している。
筐体32における、切欠き部43dに囲まれた領域に、カメラ36およびスピーカ34が配置されている。
なお、この有機EL表示パネル42の外形の形状は一例であり、他の異形な形状であってもよい。以下、この外形が異形である有機EL表示パネル42の製造方法について説明していく。
(有機EL表示パネルの製造方法の概略)
図2は、本発明の実施形態1に係る有機EL表示パネルの製造工程を表す図である。図3は本発明の実施形態1に係る有機EL表示パネルの基板1の平面図である。図4は図3の基板の有機EL表示パネル形成領域の断面図である。図3では、1枚のマザーガラスから有機EL表示パネルを18面取りする場合の構成を示している。なお、1枚のマザーガラスから有機EL表示パネルを面取りする個数は18個に限らず、17個以下、または19個以上であってもよい。
基板1には有機EL表示パネル形成領域9が18個配置されている。有機EL表示パネル形成領域9は、マザーガラスから切り出されることで個片化された後、有機EL表示パネルとなる領域である。
基板1は、TFT基板(被蒸着基板)2と、アクティブ領域3と、枠状バンク4と、封止層5とを有する。
アクティブ領域3はマトリクス状に、例えばRGBそれぞれの画素が形成される領域である。有機EL表示パネル形成領域9のうち、アクティブ領域3が形成されている領域が表示領域43であり、有機EL表示パネル形成領域9のうち、アクティブ領域3を囲む周囲の領域が額縁領域44である。なお、図3において、額縁領域44は、有機EL表示パネル形成領域9のうちにおける破線で示した領域(アクティブ領域3)よりも外側の領域である。
図23は、実施形態1の表示領域43の一部を拡大した図である。表示領域43には、画像の表示に寄与する画素pixがマトリクス状に並んで配置されている。画素pixには、発光層80が形成されている。
一例として、図23では、赤色光を発光する赤発光層80Rが形成された赤画素Rpixと、緑色光を発光する緑発光層80Gを有する緑画素Gpixと、青色光を発光する青発光層80Bを有する青画素Bpixとがペンタイル配列となっている。しかし、画素配列は、特にペンタイル配列に限定されるものではなく、例えばストライプ配列等、他の配列であってもよい。
なお、発光層80の形状は、当該発光層80が内部に形成される画素バンクの開口部の形状である。
図2〜図4に示すように、まず、TFT工程S11においてTFT基板2を作製する。TFT基板2は、マザーガラスに、公知の方法により、各画素に配される画素回路に含まれるTFT(トランジスタ、駆動素子)、ゲート配線およびソース配線、その他各種の配線が形成され、パッシベーション膜(保護膜)、および層間絶縁膜(平坦化膜)などが形成され、さらにその無機絶縁膜上に、アノードとコンタクトを取った反射電極層、ITO層及び発光領域を規定するための画素バンク層が形成されることで作製される。
これにより、アクティブ領域3に、図23に示した、発光領域が形成される。
パッシベーション膜はTFTにおける金属膜の剥離を防止し、TFTを保護する。パッシベーション膜はマザーガラス上又は他の層を介して形成されており、TFTを覆っている。パッシベーション膜は、窒化シリコンや酸化シリコンなどからなる無機絶縁性膜である。
層間絶縁膜は、パッシベーション膜上の凹凸を平坦化する。層間絶縁膜はパッシベーション膜上に形成されている。層間絶縁膜はアクリルまたはポリイミドなどの感光性樹脂からなる有機絶縁膜である。
次に、有機EL工程S12において、TFT基板2の各画素内(すなわち、TFT工程S11にて形成した画素バンクの開口部内)における反射電極層上に有機EL層を形成する。有機EL層は、発光層、正孔輸送層およびその他の機能層を含む。発光層は、画素毎に、例えば、赤色、緑色または青色等、異なる色の光を発光する。発光層及び正孔輸送層の少なくとも一方(以下、発光層等と称する場合がある)は、蒸着工程において、真空中で本実施形態に係る蒸着マスクを用いた蒸着により、各画素の所定の位置に形成される。
発光層及び正孔輸送層等の画素毎に蒸着される蒸着層を形成するための蒸着工程で用いる蒸着マスクは、蒸着工程の前に、蒸着マスクの作製工程S20により予め作製しておく。なお、蒸着マスクの作製工程S20の詳細は後述する。また、この蒸着マスクを用いて形成する層は、発光層及び正孔輸送層に限定されず、画素毎に(すなわち画素バンクの開口部内に)形成される層であればよい。
そして、有機EL層を介して反射電極と対向する透明電極を、有機EL層を覆うように形成する。また、このアクティブ領域3を形成する際に、当該アクティブ領域3を枠状に囲む枠状バンク4もTFT基板2上に形成する。枠状バンク4は、アクリルまたはポリイミドなどの感光性樹脂からなる。
そして、次に、封止工程S13において、封止層5を形成する。封止層5は、一例とし
て、無機膜6、有機膜7、および無機膜8がこの順に積層された3層構造とすることができる。枠状バンク4が形成されているため、有機膜7の膜厚を、例えば、1.0μm以上と厚く形成することができる。
この封止層5を形成した後、フレキシブル工程S14を設けてもよい。フレキシブル工程S14では、基板のガラスを剥離して支持体となるフィルムなどを貼る。
そして、次に、個片化工程S15において、各有機EL表示パネル形成領域9が切り出される。これにより各有機EL表示パネル形成領域9が個片化される。これにより、可撓性を有し、異形の表示パネル(有機EL表示パネル)が形成される。
次いで、実装工程S16において、個片化された各有機EL表示パネル形成領域9にドライバ等の部材を実装する。これにより有機EL表示装置が完成する。
本実施形態では、表示領域43が、例えば、長方形又は正方形以外の形状である異形であるため、表示パネルの外形も、表示領域43の形状に合わせて異形となっている。
ここで、従来は、表示領域外の画素である表示領域外画素を画像の表示に寄与させないようにするため、表示領域外画素に対応するマスク開口(蒸着孔)を設けないなど、表示領域内外でマスクシートの構造を異ならせる必要があった。
一方、本実施形態によると、表示領域43外の画素に対応するマスクシート15おける第2蒸着孔H2は、外形規定マスク55と重なっているため、当該外形規定マスク55によって、表示領域外の画素への蒸着層の蒸着は遮蔽される。このため、表示領域外画素には、発光層及び正孔輸送層等の画素毎に蒸着される蒸着層が形成されておらず、確実な封止構造を形成することができる。
このように蒸着マスク10によって、表示領域外画素への蒸着層の蒸着が遮蔽されるため、表示領域外画素は表示に寄与しない。このため、マスクシート15においては、表示領域の外形に左右されない、高精度のマスク開口を設けることができる。
これにより、表示領域43に切欠き部43eが設けられていても、表示領域43外であって、当該切欠き部43eで囲まれた領域にも、マスクシート15上に表示領域43内の画素と同じ構造のマスク開口を形成することができる。この結果、切欠き部43eを有していても高精細に発光層及び正孔輸送層等の画素毎に蒸着される蒸着層が各画素に形成された表示パネルを作製することができる。
図5は、本発明の実施形態1に係る有機EL表示装置の発光層等(発光層及び正孔輸送層等の画素毎に蒸着される蒸着層)を形成する際の蒸着工程の様子を示す模式図である。
発光層等を蒸着する蒸着工程では、TFT基板2に、複数の貫通孔を有するマスクシート15を設けた蒸着マスク10を密着させ、真空下において、蒸着源70で蒸発させた蒸着粒子Z(例えば、有機発光材)をマスクシート15越しにTFT基板2における画素に蒸着させる。これにより、TFT基板2に、マスクシート15の貫通孔に対応するパターンの蒸着パターンが形成される。
ここで、表示領域43(図1、図3および図4参照)は、外形が、長方形または正方形以外の形状である異形である。例えば、表示領域43は、4個の隅43a〜43dが直角ではなく丸みを有し、さらに、4辺のうち少なくとも一辺に、縁から表示領域の中央部方向へ凹んだ切欠き部43dを有する異形である。このため、蒸着工程において用いる蒸着
マスクにも、表示領域43の形状に合わせた異形の蒸着パターンが形成されている。
(蒸着マスク)
次に、蒸着工程で用いる蒸着マスクの作製工程S20について説明する。図6は、本発明の実施形態1に係る有機EL表示パネルにおける発光層の蒸着工程を表す図である。図7は、本発明の実施形態1に係る蒸着マスクを作製している様子を表す図である。
まず、図6の工程Sa、図7の(a)(b)に示すように、枠で囲まれた領域にフレーム開口部11aを有する枠状のマスクフレーム11に、複数のカバーシート(第1シート状マスク)12を取り付ける(カバーシート取り付け工程)。
マスクフレーム11は、例えば、母材として、厚さ20mm〜30mmの熱膨張が極めて少ないインバー材等が用いられる。マスクシートに比べて十分に厚く、マスクシートを架張して溶接した際にも十分な精度を確保できるよう、高い剛性を持っている。
カバーシート12は、後にマスクフレーム11に取り付けられるマスクシート間の隙間を埋めたり、マスクシートに形成されたダミーパターンを塞いだりする役割を果たす。なお、本実施形態では、カバーシート12は表示領域の外形を決めるシートではなく、マスクシートの有効部(詳細は後述する)より外側になるように配置されている。
カバーシート12は、例えば、母材として、厚さ30μm〜50μmのインバー材等が用いられる。本実施形態では、パネルの有効エリア(表示領域43(図3参照))間の間隔が狭いため、マスクシートの有効部が陰にならないように、カバーシートの幅は例えば2mm〜3mm程度とする。しかし、パネルの有効エリア間の間隔が広い場合には、カバーシートの幅をそれより大きくしてもよい。
カバーシート12は、細長い形状であり、一方の端部から他方の端部にかけて直線状に延伸している。
カバーシート12をマスクフレーム11に取り付ける際、図7の(b)における矢印F1に示すように、カバーシート12の両端部それぞれに外向き方向(互いに離れる方向)に力を加えることで架張し(引張り)つつ、カバーシート12の両端部をマスクフレーム11の所定位置に溶接する。そして、カバーシート12における溶接した部分より外側の不要部分をカットする。これにより、各カバーシート12は、マスクフレーム11の所定位置に取り付けられる。本実施形態では、各カバーシート12は、マスクフレーム11の短辺方向に平行になるように、マスクフレーム11に取り付けられる。各カバーシート12は、マスクフレーム11の長辺に並んで、互いに平行になるように、マスクフレーム11に取り付けられる。
図8は、図7の(b)における矢印D1の方向に、マスクフレーム11におけるカバーシート12の取り付け位置(図7の(b)に示す領域AR1)を見た図である。図7の(b)における矢印D1は、マスクフレーム11におけるカバーシート12の取り付け位置を、外側から内側方向であってマスクフレーム11の短辺に平行方向へ見る方向を表している。
図8に示すように、マスクフレーム11におけるカバーシート12を取り付ける所定位置には溝11bが形成されている。カバーシート12は、両端部がマスクフレーム11に形成された溝11bに嵌められることで、マスクフレーム11の所定位置に取り付けられる。
次に、図6の工程Sbおよび図7の(c)に示すように、カバーシート12が取り付けられたマスクフレーム11に、ハウリングシート(第1シート状マスク)13(サポートシートとも呼ばれる)を取り付ける(ハウリングシート取り付け工程)。
ハウリングシート13は、通常、後にマスクフレーム11に取り付けられるマスクシートを弛まないように支えたり、マスクシートに形成されたダミーパターンを塞いだりする役割を果たす。ただし、本実施形態におけるハウリングシート13は、有機EL表示パネルにおける表示領域の外形を決めるマスクシートとして活用している。
ハウリングシート13は、例えば、母材として、厚さ30μm〜100μmのインバー材等が用いられる。ハウリングシート13の幅は、例えば、8mm〜10mm程度であり、パネルが配置される基板上のレイアウトによって決定される。
通常、ポートレート形状の表示パネルでは、端子部がハウリングシートによってマスキングされるため、ハウリングシートの幅はカバーシートより幅は広くなっているが、ハウリングシートは、表示パネルの表示領域(すなわちマスクシートの有効部)とは重ならない位置に配置される。ただし、本実施形態では、ハウリングシート13を、マスクシート15の有効部と重なる位置に配置し、表示パネルの表示領域の外形形状(特に異形部分)をハウリングシート13で形成するようにしている。
図9は、本発明の実施形態1に係るハウリングシートの構成を表す平面図である。図9に示すように、ハウリングシート13は、一方の端部から他方の端部にかけて、表示領域の外径形状のうち異形部分の形状を含む凹凸等が設けられている。ハウリングシート13は、両端部近傍の領域であって、マスクフレーム11に取り付けられた時にマスクフレーム11と重なる領域である取り付け領域13aと、取り付け領域13a間であって、表示領域の外形を形成する領域である表示領域の外形形成領域13bとを有する。
表示領域の外形形成領域13bは、表示領域の異形部分を含む少なくとも一部の表示領域の外形を形成するための凹凸形状を有する。
表示領域の外形形成領域13bのうち、延伸方向に延びる一方の辺には、切欠き部13cが並んで形成されており、延伸方向に延びる他方の辺には、切欠き部13dが並んで形成されている。
切欠き部13c・13dは、表示領域43(図1及び図3)における、例えば、切欠き部43d、及び、4個の隅43a〜43d等の、例えば円弧形状である異形部分に対応する形状を有する。
切欠き部13cは、表示領域43(図1及び図3)の隅43cを形成するために隅43cと同じ形状の円弧形状等の丸みを有する湾曲部23cと、表示領域43(図1及び図3)の隅43dを形成するために隅43dと同じ形状の円弧形状等の丸みを有する湾曲部23dとを有する。湾曲部23c・23dは、切欠き部13c中に形成された凹部のコーナー部である。
切欠き部13dは、表示領域43(図1及び図3)の隅43aを形成するために隅43aと同じ円弧形状等の丸みを有する湾曲部23aと、表示領域43(図1及び図3)の切欠き部43eと同じ形状の凸形状を有する凸部23eと、表示領域43(図1及び図3)の隅43bを形成するために隅43bと同じ円弧形状等の丸みを有する湾曲部23bとを有する。凸部23eは、湾曲部23aと、湾曲部23bとの間に形成されている。湾曲部23a・23bは、切欠き部13d中に形成された凹部である。凸部23eは、切欠き部
13d中に形成された凸部である。
なお、ハウリングシート13の溶接位置の誤差も考慮し、表示領域よりわずかに外側の位置(例えば100μm〜200μm外側の位置)がハウリングシート外形となるよう設計する。
ハウリングシート13において、切欠き部13c・13dが形成されることで、互いに対向する切欠き部13c・13dの幅W13bは、取り付け領域13aの幅W13aよりも部分的に狭くなっている。
なお、ハウリングシート13は幅W13aのシートに切欠き部13c・13dが設けられた形状であるが、幅W13bのシートに、湾曲部23a〜23d・凸部23eなどのような突起物を設けたような形状でもよい。
図7の(c)における矢印F2に示すように、ハウリングシート13をマスクフレーム11に取り付ける際、ハウリングシート13の両端部それぞれに外向き方向(互いに離れる方向)に力を加えることで架張し(引張り)つつ、ハウリングシート13の両端部をマスクフレーム11の所定位置に溶接する。そして、ハウリングシート13における溶接した部分より外側の不要部分をカットする。これにより、各ハウリングシート13の取り付け領域13a(図9参照)は、マスクフレーム11の所定位置に取り付けられる。すなわち、各ハウリングシート13は、マスクフレーム11の所定位置に取り付けられる。
本実施形態では、各ハウリングシート13は、マスクフレーム11の長辺に平行になるように、マスクフレーム11に取り付けられる。各ハウリングシート13は、マスクフレーム11の短辺方向に並んで、互いに平行になるように、マスクフレーム11に取り付けられる。
図10は、図7の(c)における矢印D2の方向に、マスクフレーム11におけるハウリングシート13の取り付け位置を見た図である。図7の(c)における矢印D2は、マスクフレーム11におけるカバーシート12の取り付け位置(図7の(c)に示す領域AR2)を、外側から内側方向であってマスクフレーム11の長辺に平行方向へ見る方向を表している。
図10に示すように、マスクフレーム11におけるハウリングシート13を取り付ける所定位置には溝11cが形成されている。ハウリングシート13は、両方の取り付け領域13aがマスクフレーム11に形成された溝11cに嵌められ、溶接されることで、マスクフレーム11の所定位置に取り付けられる。
なお、マスクフレーム11に、カバーシート12とハウリングシート13とを取り付ける順番を逆にして(図6の工程Saと工程Sbとを入れ替えて)、マスクフレーム11に、先にハウリングシート13を取り付けた後、次に、カバーシート12を取り付けてもよい。
ただし、カバーシート12とハウリングシート13とのうち、表示領域の外形形状を規定するシートを後で(実施形態1の場合ではハウリングシート13を後で)取り付ける方が望ましい。
図7の(c)に示すように、マスクフレーム11に、複数のカバーシート12と、複数のハウリングシート13とを格子状に取り付けることにより、互いに対向するカバーシート12と、互いに対向するハウリングシート13とによって区画された開口部である外形
開口部53が並んで形成される。
外形開口部53は、発光層の形成領域である表示領域の外形における少なくとも異形部分に対応する形状を有する。換言すると、外形開口部53は、発光層等の形成領域である表示領域の少なくとも一部の外形を規定する。
外形開口部53は、互いに対向するハウリングシート13のうち、一方のハウリングシート13に切欠き部13dが形成されており、他方のハウリングシートに切欠き部13cが形成されることで、表示領域の外形における異形部分と同じ形状を有する。
次に、図6の工程Scおよび図7の(d)に示すように、アライメントマークが形成されたアライメントシート14を、アライメントマークが所定位置に来るようにマスクフレーム11に取り付ける(アライメントシート取り付け工程)。
アライメントシート14をマスクフレーム11に取り付ける際、図7の(d)における矢印F3に示すように、アライメントシート14の両端部にそれぞれに外向き方向(互いに離れる方向)であってマスクフレーム11の短手方向に平行な方向の力を加えることで架張し(引張り)つつ、マスクフレーム11の所定位置に溶接する。そして、アライメントシート14における溶接した部分より外側の不要部分をカットする。これにより、各アライメントシート14は、マスクフレーム11の所定位置に取り付けられる。本実施形態では、2本のアライメントシート14が、それぞれ、マスクフレーム11のフレーム開口部11aの短辺に沿って互いに平行になるように、マスクフレーム11に取り付けられている。
次に、図6の工程Sdおよび図7の(e)に示すように、マスクフレーム11に、複数のマスクシート(第2シート状マスク)15を取り付ける(マスクシート取り付け工程)。マスクシート15は、図3および図4に示した表示領域43(アクティブ領域3)における画素内に発光層等をパターン形成するため、例えば、RGBそれぞれに塗り分けるためのシートである。
図11は、マスクシート15の構成を表す図である。図11の(a)に示すようにマスクシート15は、短冊状であり、母材として、例えば、厚さ10μm〜50μm、好ましくは25μm程度のインバー材等が用いられている。マスクシート15は、蒸着された発光層の厚みが不均一となることを防ぐため、厚みが薄いシートにより構成されている。
なお、マスクシート15の下面が図5における蒸着源70と対向する側の面であり、上面が図5におけるTFT基板2と対向する側の面となる。
マスクシート15の両端部間には、長手方向に並ぶ複数の有効部YAが並んで形成されている。有効部YAには複数の蒸着孔Hが形成されている。
各有効部YAの外形は、なるべく応力が均一となるよう異形ではなく、正方形または長方形である。本実施形態では、各有効部YAの外形は長方形である。
蒸着工程において、マスクシート15のうち、有効部YAは、TFT基板2のアクティブ領域3(図3及び図4参照)と重なり、有効部YAを囲む縁部は、額縁領域44(図3及び図4参照)と重なる。そして、蒸着源から発せられた蒸着粒子は、一部の蒸着孔Hを通ってTFT基板2のアクティブ領域3(表示領域43)の画素に蒸着する。このときマスクシート15の縁部は、TFT基板2の額縁領域44と重なるため、蒸着粒子は縁部によって遮断され、額縁領域44には到達しない。
図11の(b)に示すように、有効部YAは、マスクシート15に設けられた複数の蒸着孔Hが設けられた部分である。
複数の蒸着孔Hは、画素に、発光層等をパターン形成するための第1蒸着孔H1と、表示領域外の開口部である第2蒸着孔H2とを有する。有効部YAのうち、第1蒸着孔H1が形成されている領域が第1領域YA1であり、第2蒸着孔H2が形成されている領域が第2領域YA2である。
マスクシート15を通して発光層をTFT基板に蒸着する場合、蒸着孔H1は、有効部YAにおいて、発光層が発光する色のうち何れかの色の光を発光する発光層の形成領域に対応して形成されている。例えば、表示領域43(アクティブ領域3)に、赤色光を発光する発光層と、緑色光を発光する発光層と、青色光を発光する発光層とが形成される場合、蒸着孔H1は、赤色光を発光する発光層と、緑色光を発光する発光層と、青色光を発光する発光層とのうちいずれかの発光層のパターンと同じパターンで形成されている。
蒸着孔H1は、有効部YAにおいて、画素に対応する配列で形成されている。第2蒸着孔H2は、第1蒸着孔H1と同じピッチ及び同じ形状を有する。第2蒸着孔H2は、アクティブ領域3における周端(周辺の縁)に形成されている。
第1領域YA1は、アクティブ領域3(すなわち表示領域43)に対応する外形を有する。第2領域YA2は、第1領域YAより外側の部分である。第2蒸着孔H2は外形規定マスク55により遮蔽される。このため、第2蒸着孔H2を蒸着粒子は通過しない。
例えば、アクティブ領域3に表示領域外画素が設けられている場合、表示領域外画素は、外形規定マスク55を介在させて、第2蒸着孔H2と重なるように第2蒸着孔H2を形成してもよい。このため、表示領域外画素には、発光層等が形成されず、表示領域内のみに発光層等が形成される。
例えば、表示領域の外側を外形規定マスク55で規定することを前提に、長方形又は正方形のように異形ではない形状となるように、画素を設けてもよい。
有効部YAは、この第1領域YA1及び第2領域YA2が組み合わされて、長方形又は正方形等の異形ではない形状を有する。
第1蒸着孔H1は表示領域43における画像表示に寄与する開口部であり、第2蒸着孔H2は、表示領域43における画像表示に寄与しない開口部であると表現することもできる。
マスクシート15は、マスクフレーム11に取り付けられる前に、予め、マスクシート作製工程にて作製される。
マスクシート15は例えば以下のように作製される。まず、インバー材等からなる長尺板の両面にネガ型もしくはポジ型の感光性レジスト材料を塗布し、両面(上面および下面)にレジスト膜を形成する。
次いで、露光マスクを用いて上面および下面のレジスト膜を露光および現像することでシート両面にレジストパターンを形成する。次いで、上面レジストパターンをマスクとして有効部YAの上面をエッチングし(縁部の上面はエッチングしない)、有効部YAの上面に開口Kをパターン形成する(この段階では貫通した蒸着孔とはならない)。
次いで、エッチング耐性を有する耐性樹脂で上面を覆い、下面レジストパターンをマスクとし、有効部YAおよび縁部の下面をエッチングする。これにより、有効部YAでは下面側からの浸食によって蒸着孔H(貫通孔)が形成され、縁部の下面に複数の凹みが形成される。
有効部YAの複数の蒸着孔Hは、マスクシート15の長手方向および短手方向(幅方向)にマトリクス状に又は斜めに形成され、その開口K(上面の開口)は、基板の画素バンク層の開口形状に対応するように、角が丸まった四角形形状もしくは円形又は楕円形の形状となる。有効部YAでは、各蒸着孔Hに対して上面側よりも下面側のエッチングを広範かつ深く行うことで、陰になる部分(隣り合う2つの蒸着孔間の仕切りの高さ)を小さくし、基板に対する蒸着精度および蒸着効率を高めている。
有効部YAでは、横方向に隣り合う2つの開口Kの中心を通るB−Bラインで断面をとると、図11の(c)のように母材が最小(空洞が最大)の構成となり、縦方向に隣り合う2つの開口Kから等距離の点を通り、B−B線に平行なC−Cラインで断面をとると、図11の(c)(d)のように母材が最大(空洞が最小)の構成(最大厚みは母材の厚みTi)となる。
図7の(e)における矢印F4に示すように、マスクシート15をマスクフレーム11に取り付ける際、マスクシート15の両端部それぞれに外向き方向(互いに離れる方向)に力を加えることで架張し(引張り)つつ、アライメントシート14に形成されているアライメントマークを基準に、蒸着孔が所定位置に来るように、マスクシート15の両端部をマスクフレーム11の所定位置に精度よく溶接する。
また、このマスクフレーム11を架張および溶接する際、架張および溶接後のマスクフレーム11の変形量に合せて、カウンターフォースを加えながら架張および溶接する。
ここで、マスクシート15に形成されている有効部YAの外形は、異形ではなく、正方形または長方形である。このため、異形の有効部を有するマスクシートと比べて、マスクシート15を架張したときにマスクシートに加わる応力が不均一になることを防止することができる。これにより、蒸着マスクにおける蒸着孔の位置ずれを防止して、精度よくマスクシート15をマスクフレーム11に取り付けることができる。
そして、マスクシート15を、図7の(f)に示すように、カバーシート12とハウリングシート13とで区画された外形開口部53が全て有効部YAで覆われるように、必要な全シート分のマスクシート15をマスクフレーム11に取り付けた後、図6の工程Seおよび図7の(e)に示すように各マスクシート15のうち、溶接した部分より外側の不要部分をカットする。これにより、蒸着マスク10が完成する。
次に、図6の工程Sfに示すように、完成した蒸着マスク10を洗浄し、異物検査および精度検査等の各種のマスク検査を行う。この後、マスク検査にて問題がなかった蒸着マスク10はストッカに格納され、必要に応じて、蒸着工程にて使用される蒸着装置に供給される。
(蒸着マスク10の詳細)
図12は、本発明の実施形態1に係る蒸着マスク10の拡大図である。図13は蒸着工程において蒸着をしている際の蒸着マスクおよびTFT基板2の断面図である。図12では、説明のため、マスクシート15は、有効部YA以外の図示を省略している。また、図12では、有効部YAを破線で図示している。
図12に示すように、蒸着マスク10は、カバーシート12およびハウリングシート13とを有する外形規定マスク(第1シート状マスク)55と、蒸着孔H(図11の(b)参照)がパターン形成された有効部YAが形成されたマスクシート15とを備えている。外形規定マスク55は、互いに対向するカバーシート12と、互いに対向するハウリングシート13とによって区画されることで、異形部分を含む形状である外形開口部53が規定(形成)されている。
そして、外形開口部53の短辺は有効部YAと重なっている。すなわち、第2領域YA2に含まれる第2蒸着孔H2(図11の(b)参照)はハウリングシート13と重なることで遮蔽されている。一方、第1領域YA1に含まれる第1蒸着孔H1は遮蔽されていない。このように、ハウリングシート13は、有効部YAにおける第1領域YA1の短辺の外形を規定し、これによって、表示領域の短辺の外形を規定する。
外形開口部53の長辺は有効部YAと重なっていない。すなわち、有効部YAの長辺はカバーシート12と重なっていない。これにより、表示領域の長辺は有効部YAにおける第1領域YA1の長辺によって外形が規定されている。
例えば、有効部YAと重なるハウリングシート13における、湾曲部23a、凸部23e、湾曲部23b、湾曲部23c、及び湾曲部23dによって、表示領域43(図1及び図3参照)の異形部分である、隅43a、切欠き部43e、隅43b、隅43c、及び隅43dがそれぞれ形成される。
このため、蒸着工程において、有効部YA及びハウリングシート13によって、所望の外形を有する表示領域に含まれる各サブ画素に、発光層等をパターン形成することができる。
図21は、有効部の外形を異形にした比較例に係るマスクシートの構成を表す平面図である。
図21に示すように、異形の表示領域に、蒸着によって、発光層等をパターン形成するために、有効部を対応する異形にする方法も考えられる。
マスクシート115Aには、正方形または長方形ではない異形の有効部115Aaがマスクシート115Aに並んで形成されている。
有効部115Aaには、貫通孔である蒸着孔がパターン形成されている。有効部115Aaは、4個の隅143Aa〜143Adが直角ではなく、湾曲した形状となっている。さらに、有効部115Aaには、隅143Aaと隅143Abとを結ぶ直線状の辺の一部に、凹んだ切欠き部143Aeが形成されている。
このような異形の有効部115Aaが形成されているマスクシート115Aを、マスクフレームに取り付ける際、図21の矢印F104に示すように、マスクシート115Aの両端部に外向きの力を加えると、矢印AR100に示す4個の隅143Aa〜143Adの周囲の領域、および、矢印AR101に示す切欠き部143Aeの周囲の領域のような異形部分の周囲の領域に加わる応力が不均一となることで変位量が不均一となる。この結果、マスクシート115Aを取り付けた蒸着マスクにおける蒸着孔の位置精度が悪くなる。
図22は、有効部の外形を異形にしたマスクシートの変形例の構成を表す平面図である
。
図22に示すマスクシート115Bに示す有効部115Baのように、4個の隅143Ba〜143Bdは湾曲しているが、切欠き部143Ae(図21参照)に対応する領域に、フルエッチング部143Be1と、ハーフエッチング部143Be2とを形成する方式が考えられる。フルエッチング部143Be1に含まれる蒸着孔は貫通孔であり、ハーフエッチング部143Be2に含まれる蒸着孔形成領域には貫通しない凹部を形成する。
これによって、マスクシート115Bをマスクフレームに取り付ける際に、図22の矢印F104に示すようにマスクシート115Bの両端部に外向きの力を加えると、フルエッチング部143Be1およびハーフエッチング部143Be2の周囲の領域に加わる応力の不均一性は、図21に示した切欠き部143Aeの周囲の領域に加わる応力の不均一性よりは軽減することができる。しかし、依然として、フルエッチング部143Be1およびハーフエッチング部143Be2の周囲の領域に加わる応力は不均一であり、さらに、4個の隅143Ba〜143Bdの周囲に加わる応力も依然として不均一性が残ってしまう。
一方、上述のように、本実施形態に係る蒸着マスク10では、マスクシート15における有効部YAを長方形又は正方形としている。そして、有効部YAと重なるハウリングシート13によって、表示領域の異形部分に対応する外形を有する第1領域YA1が形成されている。
これにより、特に蒸着マスク10における位置精度が要求される有効部YAの外形を、発光層を蒸着すべき表示領域の外形に合せる必要がない。このため、発光層等を蒸着すべき表示領域の外形が異形であっても、有効部YAの外形を、異形ではなく長方形または正方形(本実施形態では長方形)とすることができる。
このため、マスクシート15をマスクフレーム11に取り付ける際に、マスクシート15を架張しても、有効部を異形とした場合とは異なり、マスクシート15に不均一な応力が加わることを防止することができる。これにより、蒸着マスク10における蒸着孔Hの位置精度が高い蒸着マスク10を得ることができる。すなわち、蒸着マスク10により、TFT基板2の各画素に、精度よく発光層を蒸着することができる。
なおかつ、TFT基板2における発光層が形成された表示領域の外形を、正方形または長方形とは異なる異形とすることができ、デザイン性が高い有機EL表示パネルを得ることができる。
換言すると、蒸着マスク10は、発光層を蒸着する表示領域の外形における異形部分の外形を規定する外形規定マスク55と、表示領域内の各画素に発光層等を蒸着してパターン形成するための蒸着孔Hが形成されたマスクシート15との少なくとも2種類の異なる役割を有するマスクを備えていると表現することもできる。
このように蒸着マスク10によると、表示領域の外形が、長方形または正方形以外の異形であっても、有効部YAに形成された蒸着孔Hの蒸着マスク10における位置ずれを抑えることができる。
加えて、有効部YAの外形は、表示領域の外形が変わっても変更する必要がないため、種々の外形を有する基板間で、有効部YAが形成されたマスクシート15を共通化することができる。
図13に示すように、蒸着工程において、蒸着マスク10と、TFT基板2とが対向配置されたとき、蒸着マスク10においては、有効部YAが形成されたマスクシート15は、外形開口部53が形成された外形規定マスク55とは、マスクシート15の方が、TFT基板2に近くなる。これにより、精度よく、発光層を、画素に形成することができる。さらに、マスクシート15とTFT基板2とを、密着させるか、近接させることができるため、発光層の縁の膜厚が不均一になることを防止することができる。
また、図12および図13に示すように、本実施形態では、外形規定マスク55を構成するカバーシート12およびハウリングシート13のうち、ハウリングシート13に、表示領域の異形部分に対応する、例えば凹凸形状が形成された切り欠き13c・13dが形成されている。そして、この異形部分が形成されたハウリングシート13の方が、カバーシート12よりもマスクシート15に近く配置されている。
これにより、蒸着工程において、異形部分が形成されたハウリングシート13を、カバーシート12よりもTFT基板2に近づけることができる。このため、蒸着工程において、切り欠き13c・13dによって規定される表示領域の外形近傍の画素へも位置精度よく発光層等を蒸着することができる。
また、蒸着マスク10は、カバーシート12、ハウリングシート13およびマスクシート15が、それぞれ剛性が高いマスクフレーム11に直接取り付けられているため、蒸着マスク10における外形開口部53の位置精度および蒸着孔Hの位置精度が高い。
また、蒸着マスク10においては、外形規定マスク55と、マスクシート15とは、磁力に対して吸着される材質を含んでいる。本実施形態では、外形規定マスク55と、マスクシート15とはインバー材等の磁石による吸着性を有する材料を含む。これにより、蒸着装置に装填された蒸着マスク10は、磁石により、外形規定マスク55と、マスクシート15をTFT基板2に吸着させることができる。
図24は、実施形態1に係る磁石を有する蒸着装置の構成を表す断面図である。なお、図24では、蒸着源の図示は省略している。図24に示すように、蒸着装置は、TFT基板2を吸着させる磁石を有している。蒸着装置は、例えば、TFT基板2の一方の面(蒸着面)には蒸着マスク10が密着しており、TFT基板2の他方の面と接するように配置された冷却板であるタッチプレート71と、タッチプレート71におけるTFT基板2との接触面とは逆側面に配置された磁石を有するマグネットプレート72とを有している。
(蒸着マスク10の変形例)
図25は、実施形態1の変形例に係る蒸着マスク10の拡大図である。図25に示すように、有効部YAは、短辺がハウリングシート13と重なり、さらに、長辺がカバーシート12と重なってもよい。図25の態様によると、有効部YAにおいて、第1領域YA1を囲むように第2領域YA2が形成されている。なお、図25の態様であっても、有効部YAにおける第1領域YA1の異形部分(すなわち、表示領域の異形部分)は、ハウリングシート13によって規定されている。
(有機EL表示パネル42の変形例)
図26は、実施形態1の変形例に係る表示パネルの切欠き部近傍の構成を表す図である。
画像の表示に寄与しない表示領域外画素の一部に、蒸着層(発光層及び正孔輸送層の少なくとも一方)が形成されていてもよい。
図26に示す有機EL表示パネル42は、可撓性の表示パネルであって、外形の少なくとも一部に切欠き部43eを有する表示領域43と、当該表示領域43の外周を囲み、切り欠き部44eを有する額縁領域44とを含む。
表示領域43には、マトリクス状に形成された発光層80及び正孔輸送層が形成された画素pixを備えている。例えば、図26では、赤発光層80が形成された赤画素Rpixと、緑発光層80Gが形成された緑画素Gpixと、青発光層80Bが形成された青画素Bpixとがストライプ配列となっている。なお、図26に示した、赤画素Rpix、緑画素Gpix及び青画素Bpixの配列は一例である。
そして、額縁領域44は、切欠き部44e周辺の領域であって、蒸着時に、ハウリングシート13の凸部23e(図9参照)で遮蔽される遮蔽領域44aと、蒸着マスクによって遮蔽されない非遮蔽領域44bとを有する。
そして、遮蔽領域44aと、非遮蔽領域44bとには、表示領域外画素であり画像の表示に寄与しない表示領域外画素pixoutが形成されている。
遮蔽領域44a及び非遮蔽領域44bに形成された表示領域外画素pixoutは、画素回路及び画素バンクは形成されていないが、蒸着時、蒸着マスクの蒸着孔H(図11の(b))と重なる領域である。
遮蔽領域44aに形成された表示領域外画素pixoutには、発光層80及び正孔輸送層等の画素毎に蒸着される蒸着層が形成されていない。
非遮蔽領域44bに形成された複数の表示領域外画素pixoutは、表示領域43に形成された発光層80(又はその他の画素毎に蒸着される蒸着層)と同じ形状である第1発光層81(又はその他の画素毎に蒸着される蒸着層)と、表示領域43に形成された発光層80(又はその他の画素毎に蒸着される蒸着層)の形状のうち周辺の一部が切り欠かれた形状である第2発光層82(又はその他の画素毎に蒸着される蒸着層)とを有する。
遮蔽領域44aに形成された表示領域外画素pixoutは、蒸着時、ハウリングシート13の凸部23eを介在させて、有効部YAの第2領域YA2(図11の(b))と重なる。
非遮蔽領域44bにおいて、第1発光層81(又はその他の画素毎に蒸着される蒸着層)が形成された表示領域外画素pixoutは、蒸着時、有効部YAの第1領域YA1(図11の(b))と重なるため、第1発光層81(又はその他の画素毎に蒸着される蒸着層)が蒸着されてしまうものの、画像の表示には寄与しない。
非遮蔽領域44bにおいて、第2発光層82(又はその他の画素毎に蒸着される蒸着層)が形成された表示領域外画素pixoutは、それぞれ一部が、ハウリングシート13の凸部23eによって遮蔽される。このため、第2発光層82(又は正孔輸送層)は、表示領域43に形成された発光層80(又はその他の画素毎に蒸着される蒸着層)の形状のうち一部が欠損した形状である。
図26に示す有機EL表示パネル42によっても、額縁領域44に形成された表示領域外画素pixoutのうち第2発光層82(又はその他の画素毎に蒸着される蒸着層)が形成された表示領域外画素pixoutよりも外側である遮蔽領域44aに形成された表示領域外画素pixoutには、蒸着マスクによってパターン形成される発光層及び正孔輸送層等の画素毎に蒸着される蒸着層が形成されていない。
このように蒸着マスクによって、表示領域外画素pixoutへの蒸着層の蒸着が遮蔽されるため、表示領域外画素を表示に寄与させないようにするために、遮蔽領域44aに形成された表示領域外画素pixoutに対応するマスク開口(蒸着孔H2(図11の(b)))を設けないなどのように、表示領域内外でマスクシート15における有効部YAの形状を異ならせる必要がない。
このため、マスクシート15においては、表示領域43の外形に左右されない、高精度のマスク開口を設けることができる。この結果、表示領域43に切欠き部43eを有していても高精細に発光層80及び正孔輸送層の少なくとも一方が各画素pixに形成された有機EL表示パネル42を得ることができる。
〔実施形態2〕
本発明の実施形態2について説明すれば以下のとおりである。なお、説明の便宜上、実施形態1にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
蒸着マスクにおいて、表示領域の異形部分は、ハウリングシートではなく、カバーシートに形成されていてもよい。
図14は、本発明の実施形態2に係る蒸着マスクを作製している様子を表す図である。図14の(a)に示すように、マスクフレーム11の所定位置に、ハウリングシート(第1シート状マスク)13Aを取り付ける(ハウリングシート取り付け工程)。
ハウリングシート13Aは、細長い形状であり、一方の端部から他方の端部にかけて直線状に延伸している。すなわち、本実施形態では、ハウリングシート13Aには、凹凸などの異形形状は形成されていない。
ハウリングシート13Aをマスクフレーム11に取り付ける際、ハウリングシート13Aの両端部それぞれに外向き方向(互いに離れる方向)に力を加えることで架張し(引張り)つつ、ハウリングシート13Aの両端部をマスクフレーム11の所定位置に溶接する。そして、ハウリングシート13Aにおける溶接した部分より外側の不要部分をカットする。これにより、各ハウリングシート13Aの両端部近傍は、マスクフレーム11の所定位置に取り付けられる。すなわち、各ハウリングシート13Aは、マスクフレーム11の所定位置に取り付けられる。
本実施形態では、各ハウリングシート13Aは、マスクフレーム11の長辺方向に平行になるように、マスクフレーム11に取り付けられる。各ハウリングシート13Aは、マスクフレーム11の短辺方向に並んで、互いに平行になるように、マスクフレーム11に取り付けられる。
次に、図14の(b)に示すように、ハウリングシート13Aが取り付けられたマスクフレーム11に、複数のカバーシート12Aを取り付ける(カバーシート取り付け工程)。
図15は、本発明の実施形態2に係るカバーシート12Aの構成を表す平面図である。
カバーシート12Aは、一方の端部から他方の端部にかけて延伸している。カバーシート12Aは、一方の端部と、他方の端部との間の領域に、表示領域の異形部分の形状と同じ形状に切り欠きが形成された領域(表示領域の外形形成領域)を有する。
カバーシート12Aにおける表示領域の外形形成領域には、延伸方向に延びる一方の辺に、切欠き部12Aaが並んで形成されており、延伸方向に延びる他方の辺に、切欠き部12Abが並んで形成されている。
切欠き部12Aa・12Abは、表示領域43(図1及び図3)における、例えば、4個の隅43a〜43d等の異形部分に対応する形状を有する。
なお、本実施形態における表示領域は、4個の隅43a〜43dが湾曲した形状であり、切欠き部43e(図1および図3参照)は形成されないものとする。
切欠き部12Aaは、表示領域43(図1及び図3)の隅43aを形成するために隅43aと同じ形状の丸みを有する湾曲部23cと、表示領域43(図1及び図3)の隅43cを形成するために隅43cと同じ形状の丸みを有する湾曲部23Acとを有する。
切欠き部12Abは、表示領域43(図1及び図3)の隅43bを形成するために隅43bと同じ形状の丸みを有する湾曲部23Abと、表示領域43(図1及び図3)の隅43dを形成するために隅43dと同じ形状の丸みを有する湾曲部23Adとを有する。
図14の(b)に示すように、カバーシート12Aをマスクフレーム11に取り付ける際、カバーシート12Aの両端部それぞれに外向き方向(互いに離れる方向)に力を加えることで架張し(引張り)つつ、カバーシート12Aの両端部をマスクフレーム11の所定位置に溶接する。そして、カバーシート12Aにおける溶接した部分より外側の不要部分をカットする。これにより、各カバーシート12Aは、マスクフレーム11の所定位置に取り付けられる。本実施形態では、各カバーシート12Aは、マスクフレーム11の短辺に平行になるように、マスクフレーム11に取り付けられる。各カバーシート12Aは、マスクフレーム11の長辺方向に並んで、互いに平行になるように、マスクフレーム11に取り付けられる。
なお、本実施形態では、ハウリングシート13A上ではなく、カバーシート12A上にマスクシート15を配置して溶接する。カバーシート12Aとマスクシート15とはマスクフレーム11の同一辺上に溶接される。そこで、マスクフレーム11とマスクシート15の溶接幅を確保するため、カバーシート12Aの溶接部の幅は小さい程、望ましい。
図14の(b)に示すように、マスクフレーム11に、複数のハウリングシート13Aと、複数のカバーシート12Aとを格子状に取り付けることにより、互いに対向するカバーシート12Aと、互いに対向するハウリングシート13Aとによって区画された開口部である外形開口部53Aが並んで形成される。
外形開口部53Aは、発光層の形成領域である表示領域の外形における少なくとも異形部分に対応する形状を有する。換言すると、外形開口部53Aは、発光層の形成領域である表示領域の少なくとも一部の外形を規定する。
外形開口部53Aは、互いに対向するカバーシート12Aのうち、一方のカバーシート12Aに切欠き部12Aaが形成されており、他方のカバーシート12Aに切欠き部12Abが形成されることで、表示領域の外形における異形と同じ形状を有する。
この後、図14の(c)(d)に示すように、アライメントシート14と、マスクシート15とをマスクフレーム11に取り付ける。これにより、蒸着マスク10Aが完成する。なお、アライメントシート14およびマスクシート15の取り付け方は、実施形態1と
同様である。
図16は本発明の実施形態2に係る蒸着マスク10Aの拡大図である。図16に示すように、蒸着マスク10Aは、カバーシート12Aおよびハウリングシート13Aとを有する外形規定マスク(第1シート状マスク)55Aと、蒸着孔H(図11の(b)参照)がパターン形成された有効部YAが形成されたマスクシート15とを備えている。外形規定マスク55Aは、互いに対向するカバーシート12Aと、互いに対向するハウリングシート13Aとによって区画されることで、異形部分を含む形状である外形開口部53Aが規定(形成)されている。
そして、外形開口部53Aの長辺は有効部YAと重なっている。すなわち、第2領域YA2に含まれる第2蒸着孔H2(図11の(b)参照)はカバーシート12Aと重なることで遮蔽されている。一方、第1領域YA1に含まれる第1蒸着孔H1は遮蔽されていない。このように、カバーシート12Aは、有効部YAにおける第1領域YA1の長辺の外形を規定し、これによって、表示領域の長辺の外形を規定する。
外形開口部53の短辺は有効部YAと重なっていない。すなわち、有効部YAの短辺はカバーシート12Aと重なっていない。これにより、表示領域の短辺は有効部YAにおける第1領域YA1の短辺によって外形が規定されている。
例えば、有効部YAと重なるカバーシート12Aにおける、湾曲部23Aa、湾曲部23Ab、湾曲部23Ac、及び湾曲部23Adによって、表示領域43(図1及び図3参照)の異形部分である、隅43a、隅43b、隅43c、及び隅43dがそれぞれ形成される。
このため、蒸着工程において、有効部YA及びカバーシート12Aによって、所望の外形を有する表示領域に含まれる各画素に、発光層等をパターン形成することができる。
図17は本発明の実施形態2における、蒸着工程において蒸着をしている際の蒸着マスクおよびTFT基板2の断面図である。
図16および図17に示すように、本実施形態では、外形規定マスク55Aを構成するカバーシート12Aとハウリングシート13Aとのうち、カバーシート12Aに、表示領域の異形部分に対応する例えば凹形状が形成された切り欠き12Aa・12Abが形成されている。そして、この異形部分が形成されたカバーシート12Aの方が、ハウリングシート13Aよりもマスクシート15に近く配置されている。
これにより、蒸着工程において、異形部分が形成されたカバーシート12Aを、ハウリングシート13AよりもTFT基板2に近づけることができる。このため、蒸着工程において、切り欠き12Aa・12Abによって規定される表示領域の外形近傍の画素へも位置精度よく発光層等を蒸着することができる。
なお、カバーシート12Aに加え、ハウリングシート13Aにも、表示領域の異形部分に対応する、例えば凹凸が形成されていてもよい。この場合、カバーシート12Aと、ハウリングシート13Aとの何れをマスクシート15側に配置してもよい。
〔実施形態3〕
本発明の実施形態3について説明すれば以下のとおりである。なお、説明の便宜上、実施形態1、2にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
外形開口部が形成された外形規定マスクは、カバーシートとハウリングシートとを有するのではなく、1枚のシート状マスクから構成されていてもよい。
図18の(a)はマスクフレームにオープンマスクを取り付けている様子を表す平面図であり、(b)は(a)のマスクフレーム近傍の断面図である。図19の(a)はマスクフレームにマスクシートを取り付けている様子を表す平面図であり、(b)は(a)のマスクフレーム近傍の断面図である。
図18の(a)に示すように、マスクフレーム11のフレーム開口部11aを覆って、オープンマスク55Bの縁をマスクフレーム11に取り付ける。
オープンマスク55Bには、マトリクス状に、表示領域の外形に対応する形状である外形開口部53Bが並んで形成されている。
オープンマスク55Bは1枚のシート状マスクである。オープンマスク55Bは、例えば、母材がインバー材などからなり、厚さは100μm〜200μm程度である。但し、30μm〜100μm程度の厚みにしてもよい。
外形開口部53Bは、異形部分を含む形状を有する。外形開口部53Bは、湾曲部23Ba、凸部23Be、湾曲部23Bb、湾曲部23Bc、及び湾曲部23Bdを有し、それぞれによって、表示領域43(図1及び図3参照)の異形部分である、隅43a、切欠き部43e、隅43b、隅43c、及び隅43dが形成される。
マスクシート15をオープンマスク55Bに重ねたとき、外形開口部53Bにおける、湾曲部23Ba、凸部23Be、湾曲部23Bb、湾曲部23Bc、及び湾曲部23Bdは、マスクシート15の有効部YAと重なる。有効部YAのうち、第1領域YA1に含まれる第1蒸着孔H1(図11の(b)参照)は遮蔽されず、第2領域YA2に含まれる第2蒸着孔H2(図11の(b)参照)はマスクシート15に遮蔽される。
これにより、表示領域43(図1及び図3参照)の異形部分の外形はオープンマスク55Bによって規定される。
マスクシート15をオープンマスク55Bに重ねたとき、外形開口部53Bにおける異形部分以外の辺、すなわち、湾曲部23Ba、凸部23Be、湾曲部23Bb、湾曲部23Bc、及び湾曲部23Bdそれぞれ間の辺は、有効部YAと重なってもよいし重ならなくてもよい。すなわち、表示領域43(図1及び図3参照)の異形部分以外の部分の外形は、オープンマスク55Bの外形開口部53Bによって規定されてもよいし、マスクシート15の有効部YAによって規定されてもよい。
図18の(a)(b)に示すように、マスクフレーム11におけるフレーム開口部11aの縁は、枠状に突出した突出部11dとなっており、突出部11dの頭頂面が、オープンマスク55Bおよびマスクシート15の取付面11e・11fとなっている。
取付面11eは、取付面11fの外側の周囲を囲っている。取付面11eは、取付面11fよりも突出している。
オープンマスク55Bに、中央部分から外側に向く力を加えることで架張しつつ、オープンマスク55Bの縁を取付面11eに接触させる。そして、マスク押え装置60によって、オープンマスク55Bを上方から取付面11fに押し付ける。そして、レーザLAを
照射することで、オープンマスク55Bを取付面11fに溶接する。そして、オープンマスク55Bにおける、溶接した位置より外側の不要な部分をカットする。
次に、図19の(a)(b)に示すように、マスクシート15を、外側向きの力を加えることで架張しつつ、取付面11eに接触させる。そして、レーザLAを照射することで、マスクシート15を取付面11eに溶接する。そして、外形開口部53Bが全て有効部YAで覆われるように、必要な全シート分のマスクシート15をマスクフレーム11に取り付ける。
次に、各マスクシート15のうち、溶接した部分より外側の不要部分をカットする。これにより本実施形態に係る蒸着マスクが完成する。
このように、本実施形態では、マスクフレーム11は、オープンマスク55Bおよびマスクシート15の取付面11f・11eは、取付面11eより凹んだ凹部である取付面11fと、取付面11fより突出した凸部である取付面11eとを有している。
そして、オープンマスク55Bは取付面11fに取り付けられており、マスクシート15は取付面11eに取り付けられている。
これにより、オープンマスク55Bのように、外形開口部53Bが1枚のシート状マスクに形成された構成であっても、オープンマスク55Bを直接マスクフレーム11の取付面11fに取り付け、マスクシート15を直接取付面11eに、それぞれ取り付けることができる。
これにより、オープンマスク55Bおよびマスクシート15とを重ねてマスクフレーム11の取付面11f・11eに取り付ける場合と比べて、蒸着マスクにおける、上記外形開口部および上記有効部それぞれの位置を、精度よく合せることができる。
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る蒸着マスクは、表示領域にマトリクス状に配置された表示に寄与する画素がマトリクス状に配置されたアクティブ領域に、蒸着層をパターン形成するための蒸着マスクであって、上記表示領域の外形の少なくとも一部に対応する形状を有する外形開口部が、上記表示領域の配置パターンに対応して形成された第1シート状マスクと、複数の開口部を有する有効部が形成された第2シート状マスクと、を備え、上記第2シート状マスクに形成された上記複数の開口部は、第1開口部と、第2開口部とを含み、上記第1開口部は、上記画素と対応する配列で形成されており、上記第2開口部は、上記第1開口部と同じピッチ及び同じ形状であり、上記第1シート状マスクと重なっていることを特徴とする。
上記構成によると、上記第1シート状マスクに、上記表示領域の外形の少なくとも一部に対応する形状の外形開口部が、上記表示領域の配置パターンに対応して形成されている。そして、上記第2シート状マスクは、第1開口部と、第2開口部とを含み、上記第1開口部は、上記画素と対応する配列で形成されており、上記第2開口部は、上記第1開口部と同じピッチ及び同じ形状であり、上記第1シート状マスクと重なっている。
このため、上記外形開口部によって、上記表示領域の上記少なくとも一部の外形(縁の形状)に合せて当該表示領域内の画素に、蒸着層をパターン形成することができる。これにより、特に蒸着マスクにおける位置精度が要求される上記有効部の外形を、上記表示領域の上記少なくとも一部の外形に合せる必要がなく、有効部の外形を、蒸着マスクにおける位置ずれを抑制しやすい長方形または正方形とすることができる。
このため、上記表示領域の外形が、長方形または正方形以外の異形であっても、上記有効部の上記蒸着マスクにおける位置ずれを抑えることができる。
加えて、上記有効部の外形は、上記表示領域の外形が変わっても変更する必要がないため、種々の外形を有する被蒸着基板間で、上記有効部が形成された上記第2シート状マスクを共通化することができる。
本発明の態様2に係る蒸着マスクは、上記態様1において、上記第2開口部は、上記有効部内の周端に形成されていてもよい。上記構成により、上記第2開口部は、上記シート状マスクと重なる。
本発明の態様3に係る蒸着マスクは、上記態様1において、上記外形開口部のうち、上記表示領域の上記外形の少なくとも一部に対応する形状は、円弧形状を含んでもよい。
本発明の態様4に係る蒸着マスクは、上記態様3において、上記円弧形状は、上記外形開口部のうち、上記有効部の少なくとも一辺に対応する辺に形成されていてもよい。
本発明の態様5に係る蒸着マスクは、上記態様3において、上記円弧形状は、上記外形開口部のうち、上記有効部の4隅の少なくとも一つに対応する隅に形成されていてもよい。
本発明の態様6に係る蒸着マスクは、上記態様1〜5において、上記被蒸着基板に上記蒸着層を蒸着する際、上記第2シート状マスクは、上記第1シート状マスクよりも上記被蒸着基板に近くてもよい。上記構成によると、精度よく、上記蒸着層を上記画素に蒸着することができる。
本発明の態様7に係る蒸着マスクは、上記態様1〜6において、上記第1シート状マスクおよび上記第2シート状マスクは、磁力に対して吸着される材質を含んでもよい。上記構成によると、磁石により、上記第1シート状マスクおよび上記第2シート状マスクを吸着させることができる。
本発明の態様8に係る蒸着マスクは、上記態様1〜7において、上記第1シート状マスクおよび上記第2シート状マスクが取り付けられる枠状のマスクフレームを備えてもよい。
上記第1シート状マスクおよび上記第2シート状マスクとも、剛性が高いマスクフレームに取り付けられるため、蒸着マスクにおける、上記外形開口部および上記有効部それぞれの位置を、精度よく合せることができる。
本発明の態様9に係る蒸着マスクは、上記態様8において、上記第1シート状マスクは、第1方向に延伸し互いに平行に上記マスクフレームに取り付けられた複数のカバーシートと、上記第1方向と直交する第2方向に延伸し互いに平行に上記マスクフレームに取り付けられた複数のハウリングシートと有し、上記外形開口部は、互いに隣接する上記カバーシートと、互いに隣接する上記ハウリングシートによって区画された領域であってもよい。上記構成により、上記外形開口部を構成することができる。
本発明の態様10に係る蒸着マスクは、上記態様8において、上記第1シート状マスクは、1枚のシート状マスクに、上記外形開口部が形成された構成であり、上記マスクフレームは、上記第1シート状マスクおよび上記第2シート状マスクの取付面に凹部と、当該
凹部から突出した凸部とを有しており、上記第1シート状マスクは、上記取付面のうち上記凹部に取り付けられており、上記第2シート状マスクは、上記取付面のうち、上記凸部に取り付けられていてもよい。
上記構成によると、上記第1シート状マスクのように、上記外形開口部が1枚のシート状マスクに形成された構成であっても、上記第1シート状マスクと、上記第2シート状マスクとをそれぞれ、上記マスクフレームの上記取付面に取り付けることができる。これにより、第1シート状マスクと第2シート状マスクとを重ねてマスクフレームの取付面に取り付ける場合と比べて、蒸着マスクにおける、上記外形開口部および上記有効部それぞれの位置を、精度よく合せることができる。
本発明の態様11に係る蒸着マスクは、上記態様1〜10において、上記外形開口部のうち、上記表示領域の外形の少なくとも一部に対応する形状は、長方形または正方形の縁から、内側または外側に突出した異形であってもよい。上記構成によると、上記外形開口部の形状が異形であっても、上記有効部の上記蒸着マスクにおける位置ずれを抑えることができる。加えて、種々の外形を有する被蒸着基板間で、上記有効部が形成された上記第2シート状マスクを共通化することができる。
本発明の態様12に係る蒸着マスクは、上記態様9において、上記被蒸着基板に上記蒸着層を蒸着する際、上記第2シート状マスクは、上記第1シート状マスクよりも上記被蒸着基板に近く、上記外形開口部のうち、上記表示領域の外形の少なくとも一部に対応する形状は、長方形または正方形の縁から、内側または外側に突出した異形であり、上記カバーシートと、上記ハウリングシートとのうち、当該ハウリングシートに、上記異形に対応する形状が形成されており、上記ハウリングシートは、上記カバーシートよりも上記第2シート状マスクに近くてもよい。
上記構成により、上記異形部分を被蒸着基板に近づけることができるため、当該異形部分に含まれる蒸着層の位置精度が低下することを抑制することができる。
本発明の態様13に係る蒸着マスクは、上記態様12において、上記第2シート状マスクは、長手方向が上記第1方向である長方形であり、上記第2方向に並んで配置されており、上記ハウリングシートは、複数の上記第2シート状マスクに跨って延伸していてもよい。
上記構成によると、上記ハウリングシートにより、上記第2シート状マスクの弛みを防止することができる。
本発明の態様14に係る蒸着マスクは、上記態様9において、上記被蒸着基板に上記蒸着層を蒸着する際、上記第2シート状マスクは、上記第1シート状マスクよりも上記被蒸着基板に近く、上記外形開口部のうち、上記表示領域の外形の少なくとも一部に対応する形状は、長方形または正方形の縁から、内側または外側に突出した異形部分を有する異形であり、上記カバーシートと、上記ハウリングシートとのうち、当該カバーシートに、上記異形部分に対応する形状が形成されており、上記カバーシートは、上記ハウリングシートよりも上記第2シート状マスクに近くてもよい。
上記構成により、上記異形部分を被蒸着基板に近づけることができるため、当該異形部分に含まれる蒸着層の位置精度が低下することを抑制することができる。
本発明の態様15に係る蒸着マスクは、上記態様14において、上記第2シート状マスクは、長手方向が上記第1方向である長方形であり、上記第2方向に並んで配置されてお
り、上記カバーシートは、隣接する上記第2シート状マスクにおける、互いに対向し、長手方向に延伸する縁と重なっていてもよい。上記構成によると、上記カバーシートによって、上記第2シート状マスク間の隙間を塞ぐことができる。
本発明の態様16に係る蒸着マスクは、上記態様9において、上記外形開口部の形状は、長方形または正方形の縁から、内側または外側に突出した異形部分を有する異形であり、上記カバーシートと、上記ハウリングシートとの両方に、上記異形部分に対応する凹形状又は凸形状の少なくとも一方が形成されていてもよい。上記構成により、上記異形部分に含まれる上記蒸着層を精度よく形成することができる。
本発明の態様17に係る蒸着マスクは、上記態様1〜16において、上記蒸着層は、画素毎に蒸着される層であってもよい。上記構成によると、精度よく、上記蒸着層を上記画素毎に蒸着することができる。
本発明の態様18に係る表示パネルの製造方法は、上記態様1〜17において、上記蒸着マスクを用いた蒸着工程を有してもよい。
本発明の態様19に係る表示パネルは、外形の少なくとも一部に切欠き部を有する表示領域と、当該表示領域の外周を囲み、切り欠き部を有する額縁領域とを含む可撓性の表示パネルであって、上記表示領域には、マトリクス状に形成された蒸着層を備え、上記額縁領域の上記切欠き部周辺には、上記表示領域に形成された蒸着層と同じ形状である第1蒸着層と、上記表示領域に形成された蒸着層の形状のうち周辺の一部が切り欠かれた形状である第2蒸着層とを有することを特徴とする。
ここで、従来は、表示領域における画素内の発光層又は正孔輸送層の位置精度低下を防ぐため、画像の表示に寄与しない表示領域外の画素である表示領域外画素にも発光層又は正孔輸送層を形成していた。このため、表示領域外画素を、画像の表示に寄与させないようにするため、例えば、表示領域外画素においてマスク開口を設けないなど、表示領域内外でマスクシートの有効部の形状を異ならせる必要があった。
一方、上記構成によると、額縁領域に形成された上記表示領域外画素のうち第2蒸着層が形成された表示領域外画素よりも外側の表示領域外画素には、蒸着マスクによってパターン形成される蒸着層が形成されていない。
このように蒸着マスクによって、表示領域外画素への蒸着層の蒸着が遮蔽されるため、表示領域外画素を表示に寄与させないようにするために、表示領域外画素のうち第2蒸着層が形成された表示領域外画素に対応するマスク開口(蒸着孔)を設けないなどのように、表示領域内外でマスクシートの有効部の形状を異ならせる必要がない。
このため、マスクシートにおいては、表示領域の外形に左右されない、高精度のマスク開口を設けることができる。この結果、表示領域に切欠き部を有していても高精細に発光層及び正孔輸送層の少なくとも一方が各画素に形成された表示パネルを得ることができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。