JP6962568B2 - 伸縮順序機構付きスライドレール - Google Patents
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そして、インナーレール、あるいは、アウターレールを固定側レールとし、固定側レールの他方側のインナーレール、あるいは、アウターレールを移動側レールとし、移動側レールの移動に合わせて、前記ボールの作用により、中間レールが移動するものである。一般的にはインナーレールが移動側として使用されることが多い。
このようなスライドレールは、移動側レールの摺動に追従して中間レールも摺動移動する。そのため、スライドレールの最縮小時に中間レールとインナーレールがアウターレールの摺動方向長さ内に納まる長さに設定され、さらにインナーレールが中間レールより短長に設定されたスライドレールで、インナーレールを移動側レールとした場合、縮められた状態のスライドレールから、インナーレールを伸長方向に移動させると、中間レールがボールを介してインナーレールの動きに追従するため、中間レールの移動側端がインナーレールより先にアウターレール(固定側レール)から飛び出すこととなる。
他方、スライドレールに加わる荷重や移動速度によって、中間レールは、移動側レールの摺動に合わせて常に一定の動きとはならないことがある。
そして、スライドレールの伸長状態からインナーレールを収縮方向に押し込むと、中間レール側の係止脚122がアウターレール側の当接部22aに当接することにより中間レールが伸長した状態でロック維持され、インナーレールが収縮していくと、制御板110の係合当接片142にインナーレール側の係合凸部42が当接することにより、制御板110が回動し、係止脚122が当接部22aを乗り越え、中間レールのロックが解除される。最後に、係合当接片142が係合凸部42を伸長側に乗り越え、中間レールとインナーレールのロック状態が復旧する。
また、スライドレールの収縮時には、先に中間レールにインナーレールが収納された状態での中間レール対するインナーレールの伸長側の移動を規制でき、該規制後に中間レールロック装置の中間レールを伸長状態で一時的な規制を解除させることができる。
したがって、スライドレールの伸長時、収縮時のいずれにおいても、中間レールの伸長状態での収縮側への移動規制、あるいは、インナーレールが収納された状態でのインナーレールの伸長側への移動の規制が成されるため、インナーレール、中間レールのいずれにもロックが掛かっていない不安定な状態とはならない。
尚、図1における右側斜め下方向を伸長側、あるいは前側、引き出し側、左側斜め上方向を収縮側、あるいは後側、引き込み側とし、伸長側、収縮側の両方向をスライド方向、あるいは前後方向として説明する。また、図3における上下方向を上下方向として説明する。
図1〜図3において、符号1はアウターレールを示し、符号2はインナーレールを示し、符号3は中間レールを示し、符号4はアウターレール1のボール保持板を示し、符号5はインナーレール2のボール保持板を示し、アウターレール1、インナーレール2、中間レール3、ボール保持板4、ボール保持板5と、ボール保持板4、ボール保持板5に回転自在に保持されたボール400・・・、500・・・にて、スライドレール10が構成されている。
そして、アウターレール1の基板12の伸長側端部をインナーレール2方向に折り曲げてボール保持板4の伸長側端部が当接する固定側移動時ストッパー(図示せず。)が形成される。
そして、コ字形基板30の収縮側の上下端部には、中間レール3の最大引出し時に、前記アウターレール1のリテーナー前ストッパー(図示せず。)に伸長側端部が当接したボール保持板4の収縮側端部に当接して、中間レール3の最大引き出し量を規制するボール保持板後ストッパー片32が形成され、コ字形基板30の伸長側端部内面に、インナーレール2が最大伸長状態となった時、ボール保持板5の伸長側端部が当接するとともに、インナーレール2が引き込まれ最短収縮状態となった時、インナーレール2の伸長側端部に形成されたインナーレール前端ストッパー(図示せず。)が当接する前ストッパー部材(図示せず。)が着脱自在に設けられている。
そして、基板20には、インナーレール2の最大伸長時に、前記中間レール3の前ストッパー部材に当接して、インナーレール2の最大伸長量を規制する後ストッパー部材(図示せず。)が設けられている。
中間レール3がアウターレール1に対し引き出し方向に摺動すると、同時に、ボール保持板4も中間レール3の移動量の半分の移動量をもって伸長側に移動し、やがて、ボール保持板4の伸長側端部はアウターレール1のリテーナー前ストッパー(図示せず。)に当接して停止し、同時に、中間レール3のボール保持板後端ストッパー32がボール保持板前ストッパー(図示せず。)に当接したボール保持板4の収縮側端部に当接して停止する。
中間レールロック装置8は、図4、5に示すように、中間レール3のコ字形基板30の収縮側端部に設けられる中間ロック体81と、アウターレール1の基板11の最大伸長した中間レール3の収縮側端から中間ロック体81の突出分離れた位置に設けられる係合体82と、インナーレール2の基板20の収縮側端部側に設けられる案内片83で構成される。
そして、中間ロック体81は、中間ロック片813、813部が中間レール3の収縮側端より収縮側突出して中間レール3のコ字形基板30に回転軸81aにて軸支されており、回転軸81aを軸として、上下方向に回動可能で、通常は、中間ロック体81の自重により下側に回動した状態で中間ロック片813の伸長側の面が中間レールの収縮側端面に当接することにより回動が停止し、中間ロック体81は傾いた姿勢で停止している。
案内溝812は、中間ロック基体811の外縁に沿うように収縮側に向かって細くなっていく形状で、伸長側が開放されている。
コ字状の凹部の通過部813cは、中間ロック体81が水平状態の時に係合体82が通過可能な大きさに設定されている。
このように、中間ロック体81は、中間ロック基体811がインナーレール2と干渉しないように形成されている。
そして、前後方向に長い長方形を基本形として、係合体82の上下高さは、前述の中間ロック体81の通過部813cを通過できる高さに設定され、収縮側に向かって細くなる傾斜面821、821が形成され、伸長側に細長の振れ止め片822が形成され、ほぼ矢印形状に形成されている。
係合片73は、支持片61に本体60から離間した位置に突設され、図6で示されるように、収縮側に傾斜する案内面731を本体60の側面に面する側に備え、伸長側が係合部732として設定され、案内面731との対向面側が上下折曲縁21の内面に当接する当接面733として形成されている。
尚、本体60は、コ字形基板50に干渉しない高さ(厚み)に設定され、係合片73も同じ高さ(厚み)に設定され、支持片61は、本体60より薄く設定され、本体60と支持片61と係合片73でコ字状溝62が形成されている。
尚、インナーレール2の基板20には、リベット孔に加え、補強片83a、支持片61が挿入される挿入孔が設けられている。
補強片83a、支持片61が挿入孔に挿入されることにより、ロック部材6に負荷がかかった時の変形をインナーレール2の剛性によって抑えることができる。
したがって、案内片83と係合片73は、インナーレール2の基板20から、中間レール3のコ字形基板30側に向かって突出し、支持片61は、インナーレール2の上下折曲縁21に向かって突出し、かつ、係合片73の当接面733が上下折曲縁21の内面に当接して、ロック部材6が装着されていることとなる。
また、係止片712は、インナーレール2の基板20に向かって突出し、押接片713は、中間レール3のコ字形基板30に設けられた開口部302を貫通してアウターレール1の基板12に向かって突出している。
係止片712は、図6で示されるように、インナーロック基体711の平面上の角部で、伸長側に傾斜する回動案内面712aをインナーレール2の上下折曲縁21に面する側に備えた三角形状に突出形成されたもので、収縮側が被係合部712bとして設定されている。
このように、一旦アウターレール1の基板12に向かって突出した後に上方に膨出形成されているから、押接片713は、インナーレール2の上下折曲縁21との干渉を避けることができる。
そして、当接片72は、係合体82より伸長側に形成され、後述する中間ロック装置8がロック状態となる箇所より、やや伸長側で、インナーロック体71の係止片712と当接する位置に設定される。
尚、当接片72の位置によってインナーレール2と中間レール3のロックが解除される位置が決まるものであり、当接片72は、係合体82より伸長側であれば設計に応じて位置を決定することができる。
そして、引き込み装置90は、取付片911をアウターレール1の収縮側端面から差し込み、基板12に設けられた係合穴12a、12aに係合突起912、912が係合することにより、アウターレール1に取り付けられる。
伸長動作について図6を用いて説明する。尚、図6は伸長動作を示す図であって、図6(a)が伸縮順序機構付きスライドレール100最収縮状態で、(a)〜(g)の順に伸長過程を示しており、図6(g)の状態が最伸長状態である。
まず、最収縮状態の伸縮順序機構付きスライドレール100(図6の(a)の状態)のインナーレール2が伸長側に引き出されると、インナーレール2が中間レール3に対して、若干伸長側に移動し、後述する中間ロック体81の案内溝812とロック部材6の案内片83の係合が外れ、中間ロック体81が自重により下側に回動した状態となる。
さらに、インナーレール2が伸長側に引き出されると、インナーレール2の係合片73の係合部732が、中間レール3の係止片712の被係合部712bに当接する(図6の(b)の状態)。そして、そのままインナーレール2が引き出されると係合部732が被係合部712bを押圧するため、中間レール3もインナーレール2と同じスライド量でワイヤー93を引き出しながら伸長側に引き出されていく。
次に、そのまま中間レール3がインナーレール2によって引き出されると、脚部813bの下面が傾斜面821に沿って移動するので、中間ロック体81は回転軸81aを軸芯として上方に回動し略水平状態となり、水平状態となった脚部813b、813b間の通過部813cは係合体82が通過可能なので、中間レール3は、係合体82に邪魔されることなく伸長側に移動していく(図6の(c)の状態)。
尚、この状態で、中間レール3を収縮側に引き込むと、中間ロック体81の上部側の脚部813bの収縮側端面に係合体82の伸長側の端面が接触するので、中間レール3は収縮側に移動できない。この中間レール3の収縮側の移動を規制した状態が中間レールのロック状態である。
インナーロック体71が回動すると、被係合部712bも回動することになるので、被係合部712bが下方に移動し係合部732との当接が外れ、インナーレール1のロックが解除される(図6の(e)の状態)。
インナーレール1のロックが解除されると、インナーロック体71は、弾性体714の弾性力の作用によって回動状態から、中間レール3を若干収縮側に押し戻し、押接片713と当接片72との押圧の解除しながら復旧する(図6の(f)の状態)。
本実施例の場合、引き込み装置90によって、中間レール3は、収縮側に付勢されているので、弾性体714の弾性力の作用に頼らずとも、収縮側に戻るが、引き込み装置90は必ずしも装備されるものではないので、弾性体714の弾性力の作用にて中間レール3が若干収縮側に押し戻されるように構成するほうがよい。
被係合部712bと係合部732の当接が外れるとインナーレール1は、中間レール3とは別にそのまま最大伸長まで引き出されることとなる(図6の(g)の状態)。
本実施例のように、中間ロック体81を自重により回動させ、かつ、上下対象に形成することにより、伸縮順序機構付きスライドレール100は上下反転させることにより右用、左用で兼用させることができる。
尚、中間ロック体81は自重により回動するが、別途合成樹脂の弾性力を利用した付勢装置や、バネなどの付勢装置を設けて、強制的に回動させてもよく、この場合、伸縮順序機構付きスライドレール100は図3における垂直方向を水平方向とする水平使いとした場合でも中間レールロック装置を作動させることができる。
また、伸長状態のインナーレール1が収縮側に移動すると、引き込み装置90が装備されていない場合は、中間レール3は、ボール式スライドレールの特性によって、引き込み側に移動しようとするが、前記のとおり中間レール3はロック状態であるので、移動することはない。
まず、伸縮順序機構付きスライドレール100の最伸長状態(図7(a)の状態)からインナーレール1が収縮側に移動すると、中間レール3は前述のとおりロック状態にあるから、インナーレール1のみが収縮側に移動する。そして、中間レール3に対して、最収縮状態の近傍で、インナーレール1の係合片73の案内面731が、中間レール3の係止片712の回動案内面712aに接触する(図7(b)の状態)。
案内面731と回動案内面712aは互いに傾斜面であるから、インナーレール1が収縮側への移動に合わせて、固定されている案内面731に回動案内面712aが押圧されるかたちで、インナーロック体71は、回転軸71aを軸芯として収縮側に回動する(図7(c)の状態)ので、案内面731が回動案内面712aに沿って収縮側に移動できる。
そして、案内面731が回動案内面712aを通過、すなわち、係合片73が係止片712を乗り越え、インナーロック体71は、弾性体714の弾性力の作用によって回動状態から復旧する。
案内片83は直線的に収縮側に移動するので、案内片83によって外縁812aが上方に押し上げられるかたちで中間ロック体81が上方に回動する。
そして、案内溝812の収縮端に案内片83が接触し、該状態で、案内片83によって、中間ロック体81は水平状態とされ、通過部813cが係合体82を通過できるようになる(図7(e)の状態)。すなわち、中間レールのロックが解除された状態である。
そして、中間レール3が最収縮状態まで引き込まれると、ストッパーにより中間レール3は停止し、インナーレール1は中間レール3に引き込まれた状態であるから、伸縮順序機構付きスライドレール100は最収縮状態となる(図7(g)の状態)。
引き込み装置90でも、手動でインナーレール2を収縮側に押せば移動するので、インナーレールのロック位置と中間レールのロック位置間の間隔分の飛び出しは出ない。
特に、引き込み装置90が装備される場合、インナーレール1がロック状態となるより先に中間レールロック装置が解除されると、中間レール3が引き込み装置90の作用によって引き込まれ、インナーレール1より先に収縮されることになり、インナーレール1は未だロックされていないから、中間レール3に対して相対的に引き出された状態となってしまい、スライドレールの各レール作動順位が制御できない。
したがって、インナーレール1がロック状態となった後に中間レールロック装置8を解除させることができる本件実施例の方法であれば、中間レールの引き込み装置90を装備することが可能である。
10 スライドレール
1 アウターレール
12 基板
2 インナーレール
20 基板
21 上下折曲縁
3 中間レール
30 コ字形基板
301 規制孔
302 開口部
31 上下折曲縁
32 ボール保持板後ストッパー片
4 ボール保持板
5 ボール保持板
6 ロック部材
60 本体
61 支持片
7 インナーレールロック装置
71 インナーロック体
71a 回転軸
711 インナーロック基体
712 係止片
712a 回動案内面
712b 被係合部
713 押接片
714 弾性体
72 当接片
73 係合片
731 案内面
732 係合部
733 当接面
8 中間レールロック装置
81 中間ロック体
81a 回転軸
811 中間ロック基体
812 案内溝
813 中間ロック片
813b 脚部
82 係合体
83 案内片
90 引き込み装置
93 ワイヤー
Claims (3)
- 少なくともインナーレール、中間レール、アウターレールを備えたスリーレール型のスライドレールにおいて、スライドレールの伸長時に、中間レールにインナーレールが収納された状態で、インナーレールが中間レールと共に伸長方向にスライド可能に中間レールに対するインナーレールの伸長側への移動を一時的に規制するインナーレールロック装置と、中間レールを伸長状態から収縮方向への移動を一時的に規制する中間レールロック装置とを備え、インナーレールロック装置のインナーレールと中間レールを固定するロック動作部と該固定を解除するロック解除部は、中間レールロック装置の、中間レールを伸長状態で固定するロック動作部と該固定を解除するロック解除部より伸長側に配置されるとともに、インナーレールロック装置と中間レールロック装置はそれぞれが別に作動可能とされる伸縮順序機構付きスライドレール。
- インナーレールロック装置は、アウターレールに設けられる当接片と、中間レールに回動自在とされるインナーロック体と、インナーレールに設けられる係合片で構成され、インナーロック体に係合片が接触することにより、中間レールに対するインナーレールの伸長側への移動が規制され、インナーロック体と当接片が押接することにより、インナーレールと中間レールの該規制が解除されるもので、中間レールロック装置は、アウターレールに設けられる係合体と、中間レールに回動自在とされる中間ロック体と、インナーレールに設けられる案内片とで構成され、係合体に中間ロック体が接触することにより、中間レールの伸長状態から収縮方向への移動が規制され、案内片で中間ロック体が制御されることにより、中間レールの伸長状態から収縮方向への移動の規制が解除されるもので、インナーロック体は、中間ロック体より伸長側に配置され、係合片は、案内片より伸長側に配置される請求項1に記載の伸縮順序機構付きスライドレール。
- インナーロック体は、水平状態でロック状態となり、水平状態から回動することによりロック解除状態となるもので、付勢手段にて水平状態が維持され、ロック解除状態、ロック状態のいずれにおいてもインナーレールの上下折曲縁間に納まる基体と基体に設けられる係止片を備え、係止片に係合片が当接することにより、中間レールに対するインナーレールの伸長側への移動が規制されるもので、中間ロック体は、水平状態でロック解除となり、水平状態から回動することによりロック状態となるものであり、ロック解除、ロック状態のいずれにおいてもインナーレールの上下折曲縁間に納まる基体と基体に設けられる案内溝を備え、案内溝に案内片が挿入することにより、中間ロック体が水平状態となる請求項2に記載の伸縮順序機構付きスライドレール。
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