JP6958662B2 - レンズ鏡筒および撮像装置 - Google Patents
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Description
このようなレンズ群は、カム部における、直進溝との係合部と、カム溝との係合部とを偏芯させ、カム部を回転することによってチルト調整が行われているものがある(たとえば特許文献1参照)。
また、本発明の他の一態様は、上記レンズ鏡筒を備える撮像装置である。
本実施形態のレンズ鏡筒1は、図1において点線で示すカメラボディ2に着脱可能な交換式のレンズ鏡筒1である。ただし、これに限らず、カメラボディと一体のレンズ鏡筒であってもよい。
また、レンズ鏡筒1は、レンズ側マウント部11、後固定筒(固定筒)27、中固定筒26、前固定筒24、第1カム筒22、第2カム筒23(第2筒)、第1レンズ移動筒59、第1レンズ枠51、第2レンズ枠52、第3レンズ枠(レンズ枠)53、第4レンズ枠54、フォーカリング12、ズーム操作リング20およびズーム連動キー21を備える。
ただし、レンズ鏡筒1の構成はこれに限定されるものではなく、固定筒、カム筒、レンズ枠の数や、以下に述べる配置は、本実施形態と異なるものであってもよい。
第1カム筒22は、前固定筒24の内径側に回転可能に配置されている。
第2カム筒23は、後固定筒27の外径側に回転可能に配置されている。
第1レンズ枠51は、第1レンズ移動筒59の先端に保持されている。
第2レンズ枠52は、第1カム筒22の内径側に、光軸OA方向に移動可能に配置されている。
第3レンズ枠53は、後固定筒27の内径側に配置され、第2カム筒23の回転により駆動される。
第4レンズ枠54は、後固定筒27の内径側に光軸OA方向に移動可能に配置されている。
ズーム連動キー21は、ズーム操作リング20に取付けられ、第1カム筒22と第2カム筒23とを係合している。
図2は、図1のA部拡大図で、レンズ鏡筒1のブレ補正装置200の部分を示す図である。図3は、ブレ補正装置200のコイル204周辺部を被写体側から見た斜視図である。
VCM210は、マグネット203、コイル204、ヨーク205を含む。
コイル204は、ブレ補正レンズ枠201に取り付けられている。コイル204はマグネット203の間に配置され、コイル204に流れる電流を制御することで、コイル204およびブレ補正レンズ枠201は光軸OAと垂直な面内で移動する。
二股部分220bのそれぞれの端部は、コイル204側面の離間した2箇所に固定されている。二股部分220bのコイル204に固定されている部分と、ブレ補正レンズ枠201の周囲に取り付けられている第1部分220aとの間には、弛みが設けられている。
なお、立ち壁201aはマグネット203から所定量離れた位置にある。また、ブレ補正レンズ枠201の可動域メカ端面は、立ち壁201aの内径側に形成する。
次いで、上記実施形態のFPCの配置に対する第1比較形態について説明する。図4は第1比較形態における、コイル204’周辺部を被写体側から見た斜視図である。
第1比較形態でFPC220’は、コイル204’の側面に半田付けされ、略90°に折り曲げられ、コイル204’の天面と平行に延びている。
そして、FPC220’がコイル204’の天面より突出すると、FPC220’がマグネット203’と干渉する可能性がある。
それゆえ、第1比較形態の構成では、FPC220’の曲げ位置と、貼り付け位置とを厳しく管理する必要があり、高い作業精度が必要である。また、コイル204近傍でFPC220’を曲げる必要があるためコイル204’が破損する可能性がある。
このため、ブレ補正レンズ枠201’の径方向にFPC220’を貼り付けるスペースが必要となり、ブレ補正レンズ枠201’が径方向に大きくなる。
この対策として、FPC220’を光軸OA方向に折り曲げることも考えられる。しかし、折り曲げ箇所が増加すると作業性が悪化し、FPC220’がコイル204’の天面からさらに突出する可能性があり、ブレ補正レンズ群L31の、センター位置出しメカ端(ベース部品との当付け面)にFPC220’が被さる可能性もあり、メカ精度上、好ましくない。
したがって、FPC220およびVCM220の、第3レンズ枠53への組立作業において、煩雑な作業管理を必要としない。
また、比較形態のように、ブレ補正レンズ枠201の径方向にFPC220を貼り付けるスペースが必要とならないので、第3レンズ枠53の小型化が可能となる。
図5に示すように、第2カム筒23の内周には、カム溝23aが設けられている。後固定筒27の被写体側には、直進溝27aが設けられている。
また本実施形態は、第3レンズ群L3の、光軸OAに対する傾きを調整するチルト調整機構100が設けられている。
チルト調整機構100は、第3レンズ枠53に形成された凹部57と、第3レンズ枠53の外周側に取り付けられている直進部30およびカム部40と、を備える。チルト調整機構100は、たとえば、第3レンズ枠53の外周において略120°間隔で配置された3か所のうちの、2か所に設けられていることが好ましい。
第3レンズ枠53の光軸OA方向の移動によって第3レンズ群L3は光軸OA方向に移動し、第3レンズ枠53の光軸OAに対する傾きを調整することにより、第3レンズ群L3はチルト方向に調整される。
第1螺子孔55は、第3レンズ枠53の外周に設けられた凹部57の底部に設けられている。
凹部57は、2段状になっており、楕円形凹部57bの内部に第3レンズ枠5の周方向に長い長穴状凹部57aが設けられた形状を有する。
また、楕円形凹部57bは、光軸OA方向の両側に延びる延在凹部57cと連結している。
図8は、直進部30の斜視図であり、図8(a)は外径側から見た図、図8(b)は内径側から見た図である。
第2貫通孔32は、光軸OA方向に長い長孔である。第1貫通孔31は円孔で、第2貫通孔32より大きい。
円周状突部31aの側面は後固定筒27の直進溝27aの内周面と接し、その内周面に沿って移動する。
このとき、円周状突部31aの側面は突出し且つ曲面なので、平面である直進溝27aの内周面と面接触ではなく線接触している。このため、たとえば、直進部30の長手方向が、直進溝27aの長手方向(光軸OA方向)に対して若干傾いても、線接触が維持され、直進部30は直進溝27aに沿って移動することができる。
突起33は、図7(a)に示す第3レンズ枠53の凹部57内に設けられた延在凹部57cに挿入され、延在凹部57cに沿って光軸OA方向に移動可能である。
これにより、直進部30と第3レンズ枠53との相対移動は光軸OA方向に規制される。
カム部40は、直進部30の第1貫通孔31および第3レンズ枠53の凹部57に挿入される。
図9はカム部40を示す図で、図9(a)はカム部40を内径側から見た平面図で、図9(b)はカム部40を内径側から見た斜視図である。
カム部40は、筒状の偏芯部41、直進部との嵌合部42およびカム溝係合部43が連結された形状を有する。外径は、偏芯部41、嵌合部42およびカム溝係合部43の順に大きくなる。
また、直進部30の第2貫通孔32を第2螺子66が貫通し、第3レンズ枠53の第2螺子孔56に螺合される。
一方、カム部40の嵌合部42は、直進部30の第1貫通孔31に嵌合されその直進部30の円周状突部31aは、後固定筒27の直進溝27aと係合しているため、カム部40は、光軸OA方向に沿って移動する。
カム部40は第3レンズ枠53に第1螺子65および第2螺子孔56を介して固定されているので、第3レンズ枠53も光軸OA方向に直進駆動される。
図10(a)から(b)は、図6に対応する図で、チルト調整機構100による第3レンズ群L3のチルト調整を説明する図である。
図11(a)から(b)はカム部40を上から見た図で、図10の(a)から(b)に対応している。
ここで、偏芯部41の外周面41aと、第3レンズ枠53の長穴状凹部57aの内周面とは接している。
したがって、第3レンズ枠53の長穴状凹部57aの内周面は偏芯部41の外周面41aによって押される。これにより、第3レンズ枠53が図10(a)に示す矢印の方向に移動する。
すなわち、図10(c)は、図10(a)の状態から、カム部40を90°回転した状態を示した図である。
第3レンズ枠53の長穴状凹部57aの内側面15bを偏芯部41の外周面41aが押すことにより、第3レンズ枠53は、図10(b)の状態から光軸OA方向にa2移動している。すなわち第3レンズ枠53は、図10(a)の状態から光軸OA方向にa1+a2移動している。
そして、第1螺子65および第2螺子66を締めることによりチルト調整が完了する。
図12は、本実施形態のチルト調整機構100に対する第2比較形態を説明する図である。図12(a)はカム溝23a’に係合するカム部40’の全体を示した図で、図12(b)及び(c)はその一部拡大図である。
第2比較形態において、カム部40’は、カム溝23a’と係合するカム溝係合部40c’と、直進溝27a’と係合する嵌合部40b’とを有しており、カム溝係合部40c’と、嵌合部40b’とが偏芯している。
たとえば、図12(a)に示す位置Pにおいてカム部40’を回転し、カム部40’の嵌合部40b’が図12(b)中、実線の位置で、カム溝係合部40c’が点線の位置になったとする。
そうすると、カム溝係合部40c’をカム溝23a’に係合するようにするため、第3レンズ枠53’が傾く。そのときの第3レンズ枠53’の傾き量(チルト量)は図12(b)の右側の図のpで示す量となる(角度θで表す場合はp/半径)。
すなわち第3レンズ枠53’の傾き量は、位置Pではpであったが、位置Qではqとなる。したがって、pとqとの差の分、チルト姿勢が変化してしまう。
つまり、カム溝の全域(つまり、Wide〜Tele)が、同じリード角となるよう設計しない限り、調整したチルト姿勢は維持できない。
ここで、カム溝係合部40c及び嵌合部40bとの位置関係が保たれる直進部30と、第3レンズ枠53とは、光軸OA方向の移動のみ許容される関係にある。
また、カム部40の偏芯部40aの光軸OAに対する周方向の移動は、第3レンズ枠53の長穴状凹部57a内での位置が変わることによって吸収可能である。
そして、光軸方向成分によって、直進部30(カム溝係合部43)と第3レンズ枠53との光軸OA方向の相対位置関係が変わり、これにより第3レンズ枠53のチルト調整が行われる。
一方、周方向移動成分は、第3レンズ枠53の長穴状凹部57a内での位置が変わることによって吸収される。
したがって、チルト調整した場合、直進部30(カム溝係合部43)と第3レンズ枠53とは、光軸OA方向にだけ位置関係が変わり周方向の位置関係は変わらない。ゆえに、カム溝23aのリード角によって、第3レンズ枠53チルト量が変化することはない。
これによって、カム溝23aのリード角によらず、カム部40がカム溝23aに沿って移動しても、チルト調整量が変化することがない。
このため、直進部30を第3レンズ枠53に対して直進溝27aが形成される方向に相対移動させつつ、カム部を回転調整することができる。
このように、直進部30は曲面を有するため、直進溝27aの内周面と面接触しない。このため、たとえば、直進部30の長手方向が、直進溝27aの長手方向(光軸OA方向)に対して若干傾いたとしても、直進部30は直進溝27aに沿って移動することができる。
このように、カム部40の偏芯部41が楕円状の長穴状凹部57aに配置されているので、偏芯部41を偏芯させたときに、偏芯部41の周方向への移動が可能となる。
これにより、第3レンズ枠53が直進部30に対して相対移動したときに、第1螺子65が第3レンズ枠53とともに移動することができる。
図13は、第2実施形態を示した第1実施形態の図7に対応する図である。図14は第2実施形態のチルト調整機構100の断面図である。
第2実施形態が第1実施形態と異なる点は、カム部40に偏芯部がない点、第2螺子66が直接、直進部30に挿通されておらず、ホルダ部35を介して挿入されている点である。
小径偏芯部35aは、大径部35cおよび中径部35bに対して偏芯している。また、ホルダ部35は回転工具用溝39を有している。
第3レンズ枠53の凹部57は、1段の凹部で、楕円形の凹部は、光軸OA方向の両側に延びる延在凹部57cと連結している。
チルト調整を行う場合、第1実施形態と同様に、まず第1螺子65および第2螺子66を緩める。
そして、回転工具用溝36に調整用の回転工具の先を差し込んで回転工具を回転すると、回転工具用溝36、すなわちホルダ部35が回転する。
そうすると、大径部35cと中径部35bとは、同軸で回転する。
一方、小径偏芯部35aは大径部35cと中径部35bに対して偏芯している。したがって、ホルダ部35が回転すると、大径部35cと中径部35bに対する小径偏芯部35aの位置が変動する。
小径偏芯部35aの外周35dと、第3レンズ枠53の長穴状凹部53aの内周とは接している。小径偏芯部35aの大径部35cと中径部35bに対する位置が変わるので、小径偏芯部35aの位置が変わると、第3レンズ枠53の長穴状凹部53aの内周面が押される。これにより、第1実施形態と同様に、第3レンズ枠53が光軸OA方向に移動する。このようにしてホルダ部35を適宜回転することにより、チルト調整を行う。
また、第2実施形態は第1実施形態と比べて、偏芯部40aが設けられていない分、カム部40の長さが短くて済むので、第1螺子65と第3レンズ枠53との螺合の長さを長くとることができ、カム部40の強度が高くなる。
第2螺子66の外周にホルダ部35が取り付けられる、このホルダ部35はカム部40のようにカム溝23aを摺動する部分ではない。したがって、接着剤に接着しやすい材料で製造することができる。
そして、第2螺子66の頭の部分とホルダ部35の部分とを接着剤で固めることにより、第2螺子66が緩まないように固定することができる。
図15は、第3実施形態を示した第1実施形態の図7に対応する図である。
図16はチルト調整機構の断面図である。
第3実施形態が第1実施形態と異なる点は、カム部40に偏芯部がない点、第3レンズ枠53の凹部57は、楕円形の一段で、光軸OA方向の両側に延びる延在凹部57cと連結している点である。
また、第3レンズ枠53の延在凹部57cのマウント側には、チルト調整用突出部37が設けられている。
チルト調整用突出部37には、長穴37aが設けられている。
チルト調整を行う場合、第1実施形態と同様に、まず第1螺子65および第2螺子66を緩める。
そして、図16に示すような、本体部38aと、本体部38aに対して偏芯した偏芯部38bが設けられた形状の偏芯工具38を、径方向外側から長穴37aに差し込む。
この状態で偏芯工具38を本体部38aの軸線を中心として回転すると、偏芯部38bは偏心して回転する。
そうすると、長穴37aの光軸OA方向の位置が移動する。これにより、第1実施形態と同様に、第3レンズ枠53を光軸OA方向に移動することができる。このようにして偏芯工具38を適宜回転することにより、チルト調整を行う。
また、第3実施形態は第1実施形態と比べて、偏芯部40aが設けられていない分、カム部40の長さが短くて済むので、第1螺子65と第3レンズ枠53との螺合の長さを長くとることができ、カム部40の強度が高くなる。
また、第3実施形態は第2実施形態と比べて、ホルダ部35が不要である。
したがって、チルト調整機構100の構造が容易になり、製造コストが低減するとともに、コンパクト化が可能となる。
Claims (8)
- 直進溝を有する第1筒と、
カム溝を有する第2筒と、
前記直進溝と係合する第1係合部を有する直進部と、
前記直進部に対して回転可能であり、前記カム溝に係合するカム部と、
前記第1筒及び前記第2筒より内側に配置され、レンズを保持し、前記直進部及び前記カム部が取り付けられるレンズ保持枠と、を備え、
前記直進部が有する前記第1係合部は、前記カム部が配置される配設部を有し、
前記カム部は、前記配設部を介して、前記直進部より外側から前記レンズ保持枠に取り付けられ、
前記レンズ保持枠は、前記カム部と当接し、前記カム部の回転に伴って前記直進部に対して移動する、
レンズ鏡筒。 - 前記カム部が回転すると、前記カム部が前記レンズ保持枠を押すことにより、前記レンズ保持枠は移動する、
請求項1に記載のレンズ鏡筒。 - 前記レンズ保持枠は、前記カム部が回転すると、光軸方向に移動し、周方向の移動は規制されている、
請求項1又は請求項2に記載のレンズ鏡筒。 - 前記レンズ保持枠は、光軸方向に長さを有する第2係合部を有し、
前記直進部は、前記第2係合部と係合する第3係合部を有し、
前記第3係合部は、前記第2係合部に沿って光軸方向に移動可能である、
請求項1から請求項3の何れか1項に記載のレンズ鏡筒。 - 前記カム部は、前記カム溝と係合する第1部分と、前記直進部に係合する第2部分と、前記レンズ保持枠と当接する第3部分と、を有し、
前記第3部分は、前記第1部分及び前記第2部分に対して偏芯している、
請求項1から請求項4の何れか1項に記載のレンズ鏡筒。 - 前記レンズ保持枠は、前記カム部の前記第3部分が挿入され、周方向に長さを有する凹部を有する、
請求項5に記載のレンズ鏡筒。 - 前記直進部が有する前記第1係合部は、曲面を有し、
前記曲面が前記直進溝に沿って移動する、
請求項1から請求項6の何れか1項に記載のレンズ鏡筒。 - 請求項1から請求項7の何れか1項に記載のレンズ鏡筒を備える撮像装置。
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