JP2011133511A - レンズ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 レンズのカム駆動機構において、構成要素の相対的な位置の誤差を補正し組立てることが可能で、光学素子保持鏡筒の理想的な姿勢からの偏心・倒れと、直線溝及び曲線溝とカムピンとの係合ガタを最小限に抑制して光学性能を向上する。
【解決手段】 固定筒に設けられた光軸方向の直線溝と光軸周りに回転する回転筒に設けられた曲線溝とに係合する複数のカムピンを光学素子保持鏡筒の外周に配設し、回転筒の回転に応じて光学素子保持部材を光軸方向に案内するレンズ装置において、各カムピンの、直線溝と係合する第一の係合径の軸と曲線溝が係合する第二の係合径の軸とが、光軸を中心とする円周方向に偏心可能であることを特徴とする構成とした。また同時に、光学素子保持鏡筒へのカムピン配設位置を光軸方向および光軸を中心とする円周方向に移動可能であることを特徴とする構成とした。
【選択図】 図1
【解決手段】 固定筒に設けられた光軸方向の直線溝と光軸周りに回転する回転筒に設けられた曲線溝とに係合する複数のカムピンを光学素子保持鏡筒の外周に配設し、回転筒の回転に応じて光学素子保持部材を光軸方向に案内するレンズ装置において、各カムピンの、直線溝と係合する第一の係合径の軸と曲線溝が係合する第二の係合径の軸とが、光軸を中心とする円周方向に偏心可能であることを特徴とする構成とした。また同時に、光学素子保持鏡筒へのカムピン配設位置を光軸方向および光軸を中心とする円周方向に移動可能であることを特徴とする構成とした。
【選択図】 図1
Description
本発明は、複数のカムピンによって光学素子を光軸方向に移動させるカム機構を有するレンズ装置に関する。
被写体を撮影するレンズ装置の変倍光学系は、焦点距離を変倍するバリエータ群と像面位置を補正するコンペンセータ群で構成され、ズーム操作環の回転操作により光軸上を移動している。それぞれのレンズ群は光学素子保持鏡筒に保持され、一般的に光学素子保持鏡筒は光軸を中心として120°毎に、また光軸方向に対し直交方向に延出する3個のカムピンを持つ。
カムピンは、ズーム操作環に連動して回転する回転筒に設けた曲線溝と、回転筒の外周に位置する固定筒に設けた光軸方向の直線溝にそれぞれ係合しているので、ズーム操作環の操作に応じて光学素子保持鏡筒は曲線溝の軌跡に従い光軸方向に移動する。
なお、光学素子保持鏡筒を光軸方向に円滑に移動させるため、カムピンと直線溝及び曲線溝との間には少なくとも駆動に際して負荷を発生させないだけの係合ガタが設けられている。
このような構造のレンズ装置において、例えば直線溝・曲線溝・光学素子保持鏡筒など、レンズ装置構成要素の製造に伴う位置誤差あるいは位相誤差が発生すると、複数のカムピンによって支持される光学素子保持鏡筒の姿勢に光軸に対する偏心や倒れが発生する。また、位置や位相にズレを生じた構成要素を組立てるために、カムピンと直線溝及び曲線溝との間には駆動のために最低限必要な係合ガタ以上に大きなガタを許容する必要がある。
これに対し、光学素子の偏心や倒れは光学性能の劣化を招くため、その発生は抑制することが求められている。また、カムピンの係合ガタが大きいと反転操作や衝撃等の外乱により光学素子の姿勢が変化するため、カムピンの大きな係合ガタは望ましくない。
これまで、上記のようなレンズ装置構成要素の位置誤差及び位相誤差による弊害の解決策として、光学素子保持鏡筒へのカムピンの固定に際し、光学素子保持鏡筒に対するカムピン係合径の相対的位置に方向を限定した自由度を付与したレンズ装置が提案されている。(例えば、特許文献1)
特許02794424号明細書では、光学素子保持鏡筒のカムピン配設部が円周方向に長溝を有する構造となっており、その長溝上でカムピンを移動させることで光軸まわり方向の位置誤差を補正することができる。さらに、光学素子保持鏡筒への取付け部に対して直線溝及び曲線溝との係合径が偏心したカムピンを用いることで、光軸方向の位置誤差を補正することができる。これらの構造により、予め理想的な姿勢・位置に保持した光学素子保持鏡筒に、製造に伴うレンズ装置構成要素の位置誤差・位相誤差を補正してカムピンを固定することで、固定時の光学素子保持鏡筒位置においては光学素子の偏心と倒れが最小限に抑制される。
特許02794424号明細書では、光学素子保持鏡筒のカムピン配設部が円周方向に長溝を有する構造となっており、その長溝上でカムピンを移動させることで光軸まわり方向の位置誤差を補正することができる。さらに、光学素子保持鏡筒への取付け部に対して直線溝及び曲線溝との係合径が偏心したカムピンを用いることで、光軸方向の位置誤差を補正することができる。これらの構造により、予め理想的な姿勢・位置に保持した光学素子保持鏡筒に、製造に伴うレンズ装置構成要素の位置誤差・位相誤差を補正してカムピンを固定することで、固定時の光学素子保持鏡筒位置においては光学素子の偏心と倒れが最小限に抑制される。
しかしながら、前記の従来技術においては直線溝と係合するカムピンの係合径の軸と、曲線溝と係合する同一カムピンの係合径の軸とが一致しており、直線溝と曲線溝の相対的な位置誤差を補正することはできない。すなわち、曲線溝に対するカムピンの曲線溝係合径の位置は曲線溝と直線溝が交差する位置に制限されるため、直線溝と曲線溝の相対的な位置誤差が発生した場合には、複数のカムピンがそれぞれ曲線溝の異なる勾配に従って案内されることとなる。この結果、回転筒の回転量に対して複数のカムピンが異なる移動量で案内される際にも光学素子保持鏡筒を円滑に光軸方向に移動させるために、直線溝及び曲線溝とカムピンとの係合ガタを大きく確保する必要があった。
そこでこのような従来技術の問題を解決するために、本発明の例示的な目的は、レンズ装置構成要素の相対的な位置の誤差を補正し組立てることが可能なレンズ装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明のレンズ装置は、固定筒に設けられた光軸方向の直線溝と光軸周りに回転する回転筒に設けられた曲線溝とに係合する複数のカムピンを光軸から光学素子保持鏡筒の外周に向けて垂直に延びた軸上に位置する前記光学素子保持鏡筒カムピン配設位置に配設し、前記回転筒の回転に応じて前記光学素子保持鏡筒を光軸方向に案内するレンズ装置において、前記各カムピンの、前記直線溝と係合する第一の係合径の中心軸と前記曲線溝が係合する第二の係合径の中心軸とが偏心可能であるとともに、前記第二の係合径の中心軸と前記光学素子保持鏡筒カムピン配設位置の光軸から外周に向けて垂直に延びた軸とが偏心可能であることを特徴とする。
本発明によれば、レンズ装置構成要素の相対的な位置の誤差を補正し組立てることが可能であるので、光学素子保持鏡筒の理想的な姿勢からの偏心・倒れと、直線溝及び曲線溝とカムピンとの係合ガタを最小限に抑制することができる。そのため、レンズ装置の光学性能を向上することができる。
以下に、本発明の実施の形態を添付の図面に基づいて詳細に説明する。
図3は、本発明が適用されるレンズ装置の第1の実施例における変倍光学系の構造図である。バリエータレンズ群1は光学素子保持鏡筒2により保持され、コンペンセータレンズ群3は光学素子保持鏡筒4により保持される。
カムピン5、6は、ズーム操作環7に連動して回転する回転筒8に設けた曲線溝8aと、回転筒8の外周に位置する固定筒9に設けた光軸方向の直線溝9aにそれぞれ軸部で係合し、一端が光学素子保持鏡筒2に固定されている。なお、カムピン5、6、曲線溝8a、直線溝9aは光軸を中心として120°毎に同様に構成されている。上記構成により、ズーム操作環7の回転操作に応じて光学素子保持鏡筒2は曲線溝8aの軌跡に従い光軸方向に移動する。
以下、バリエータレンズ群1に対して、本実施例の好適な構造について説明を行うが、コンペンセータレンズ群3に対しても同様の説明が適用できる。
図1は、形状の位置誤差を一切含まない理想的な部品でレンズ装置を構成した際の図3A部の要部説明図である。図1(a)は図3のB-B断面図であり、図1(b)は図3の要部上面図である。
カムピン5、6は、固定筒9の直線溝9aと係合するカムピンの第一部材5と、回転筒8の曲線溝8aと係合するカムピンの第二部材6から構成されている。カムピン第一部材5は底面5aでカムピン第二部材6のカムピン第一部材接触面6aと、カムピン第二部材6は底面6bで光学素子保持鏡筒のカムピン配設部2aとそれぞれ接触する。そして、カムピン第一部材5、第二部材6は螺子部材10と光学素子保持鏡筒2との十分な締結力によって動かないように固定される。
カムピン第二部材6の底面部の径6cは光学素子保持鏡筒2のカムピン配設部2aの径2bより小さくなっており、少なくともその径の差分と同じだけ第二部材6の内径6eと螺子部材10との間にガタを有している。
同様に、カムピン第一部材5の底面部の径5bはカムピン第二部材6の上面の径6dより小さくなっている。そして、少なくともその径の差分と、第二部材6の底面部の径6cとカムピン配設部の径2bとの差分を合わせた分だけ第一部材5の内径5cと螺子部材10との間にガタを有している。
なお、カムピン第二部材6の底面部の径6cと光学素子保持鏡筒2のカムピン配設部2aの径差によるガタの大きさは回転筒8と光学素子保持鏡筒2との加工精度に伴う相対的な位置誤差を十分に補正できるだけの量を持つように製作されていることとする。
また、カムピン第一部材5の底面部の径5bとカムピン第二部材6上面の径6dの径差によるガタの大きさは、固定筒9と回転筒8との加工精度に伴う相対的な位置誤差を十分に補正できるだけの量を持つように製作されていることとする。
また、カムピン第一部材5の底面部の径5bとカムピン第二部材6上面の径6dの径差によるガタの大きさは、固定筒9と回転筒8との加工精度に伴う相対的な位置誤差を十分に補正できるだけの量を持つように製作されていることとする。
上述のような構造を備えた本実施例のレンズ装置において、光学素子保持鏡筒2、カムピン5、6、回転筒8、固定筒9の構成手順について以下に詳述する。
光学素子保持鏡筒2を治具などを用いて偏心・倒れのない理想的な状態で回転筒8内の理想位置に保持する。次に、カムピン第二部材6を曲線溝8aの基準位置、例えば曲線溝8aの端面へ押し付けるなどして位置合わせを行う。続いて、カムピン第一部材5を直線溝9aの任意の位置に合わせるとともに、カムピン第二部材6のカムピン第一部材接触面6aに乗せ、螺子部材10にて光学素子保持鏡筒2と締結固定する。以上の作業を複数のカムピンで行い光学素子保持鏡筒2と回転筒8及び固定筒9を連結する。
図2(a)は回転筒8の一つの曲線溝8aが光軸まわり方向に位置誤差を持った際の要部説明図であり、図2(b)はその際の要部上面図である。
図2(a)のように回転筒8の曲線溝8aが円周方向に位置誤差を持つため、カムピン第二部材6が、カムピン第一部材5と光学素子保持鏡筒2のカムピン配設部2aの軸と位置誤差の分だけ偏心することで曲線溝8aと直線溝9aの位置誤差は補正される。
以上のように、本実施例のレンズ装置によれば、カムピン第一部材5の軸と、カムピン第二部材6の軸がガタ内で偏心することにより、レンズ装置構成要素の相対的な位置の誤差が補正される。その結果、光学素子保持鏡筒2を理想的な位置・姿勢に保持し、光学素子の偏心と倒れを抑制できる。
それに加えて、カムピン5、6の位置を曲線溝8aの任意の位置で固定できるため、例えば、複数のカムピン5、6をそれぞれ係合する複数の曲線溝8aの端面に押し当てた状態で位置を固定すれば、相対的に位置の合致した曲線溝8aで案内することが可能となる。その結果、ズーミング位置による光学素子保持鏡筒2の姿勢の変化を抑制できる。
以上の効果により、係合ガタは駆動に必要な最低限の量に抑えることができる。
本実施例では、曲線溝8aが直線溝9a及び光学保持鏡筒2に対して光軸まわり方向に相対的な位置誤差を持った場合を例に挙げたが、直線溝9a及び光学素子保持鏡筒2に光軸周り方向の相対的な位置誤差がある場合でも同様の構成により補正される。また曲線溝8a、直線溝9a、カムピン配設部2aにおける光軸方向の相対的な位置誤差についても同様の方法で補正される。
図4は、第二の実施例における形状の位置誤差を一切含まない理想的な部品でレンズ装置を構成した際の図3A部B-B断面の要部説明図であり、第一の実施例と同一符号は同じ部材を示している。以下、第一の実施例と構成が異なる点について説明する。図6は、回転筒8の曲線溝8aと固定筒9の直線溝9a及び光学素子保持鏡筒2のカムピン配設部2aとの間に相対的な位置誤差が生じた際の図3A部B-B断面の要部説明図である。
カムピンは、固定筒9の直線溝9aと係合するカムピンの第一部材11と、回転筒8の曲線溝8aと係合するカムピンの第二部材12から構成されている。
カムピン第一部材11は第二の螺子部材接触面11aで第一の螺子部材13の上面13aと接触する。カムピン第二部材12は第二の螺子部材接触面12aで第二の螺子部材13の螺子頭底面13bと接触し、カムピン第二部材12の底面12bで光学素子保持鏡筒2のカムピン配設部2aとそれぞれ接触する。
第二の螺子部材13は螺子頭部に第一の螺子部材14を締結できるように螺子穴13cを有しており、その上面には図5に示すようなスリ割り形状13dを有している。
固定筒9の直線溝9aと係合するカムピン第一部材11は第一の螺子部材14により第二の螺子部材13に固定される。
回転筒8の曲線溝8aと係合するカムピン第二部材12は、第二の螺子部材13により光学素子保持鏡筒2のカムピン配設部2aに締結固定される。
カムピン第二部材12の底面部の径12cは光学素子保持鏡筒2のカムピン配設部2aの径2bより小さくなっており、少なくともその径の差分と同じだけ第二部材12の内径12dと第二の螺子部材13との間にガタを有している。
同様に、カムピン第一部材11の底面部の径11bは第二の螺子部材13の上面の径13eより大きくなっている。そして、少なくともその径の差分と、第二部材12の底面部の径12cとカムピン配設部2aの径2bとの差分を合わせた分だけカムピン第一部材11の内径11cと第一の螺子部材14との間にガタを有している。
なお、カムピン第二部材12の底面部の径12cと光学素子保持鏡筒2のカムピン配設部2aの径差によるガタの大きさは、回転筒8と光学素子保持鏡筒2との加工精度に伴う相対的な位置誤差を十分に補正できるだけの量を持つように製作されていることとする。
また、カムピン第一部材11の底面部の径11bと第二の螺子部材13の上面の径13eの径差によるガタの大きさは、固定筒9と回転筒8との加工精度に伴う相対的な位置誤差を十分に補正できるだけの量を持つように製作されていることとする。
上述のような構造を有する本実施例のレンズ装置において、光学素子保持鏡筒2、カムピン11、12、回転筒8、固定筒9の構成手順について以下に詳述する。
光学素子保持鏡筒2を治具などを用いて偏心・倒れのない理想的な状態で回転筒内の理想位置に保持する。次に、カムピン第二部材12を曲線溝8aの基準位置、例えば曲線溝8aの端面へ押し付けるなどして位置合わせを行い、第二の螺子部材13で固定する。その際、第二の螺子部材13のスリ割り形状13dに工具を挿入し回転させ締結を行う。
続いて、カムピン第一部材11を直線溝9aの任意の位置に合わせるとともに第二の螺子部材13の上面13aに乗せ、第一の螺子部材14にてカムピン第一部材11を第二の螺子部材13に締結固定する。以上の作業を複数のカムピンで行い光学素子保持鏡筒2と回転筒8及び固定筒9を連結する。
以上のように構成されたレンズ装置は、第一の実施例と同様の効果を得ることができる。
また、本実施例のレンズ装置は、カムピン11、12の固定を他の可動部材(例えばカムピン第二部材)を介さずに直接締結固定することができるため、カムピン11、12を強固に固定することができ、衝撃等に対する信頼性に優れている。
さらに、本実施例のレンズ装置は、曲線溝8aと係合するカムピン第二部材12を第二の螺子部材13で締結固定した後に、直線溝9aと係合するカムピン第一部材11を第一の螺子部材14にて固定することが可能となるため、組立作業性に優れている。
図7は、第三の実施例における形状の位置誤差を一切含まない理想的な部品でレンズ装置を構成した際の図3A部B-B断面の要部説明図であり、第一の実施例及び第二の実施例と同一符号は同じ部材を示している。以下、第二の実施例と構成が異なる点について説明する。図8は、回転筒8の曲線溝8aと固定筒9の直線溝9a及び光学素子保持鏡筒2のカムピン配設部2aとの間に相対的な位置誤差が生じた際の図3A部B-B断面の要部説明図である。
カムピンは、固定筒9の直線溝9aと係合するカムピンの第一部材15と、回転筒8の曲線溝8aと係合するカムピンの第二部材16から構成されている。
カムピン第一部材15は底面15aでカムピン第二部材接触面16aと接触する。カムピン第二部材16は、底面16bで光学素子保持鏡筒2のカムピン配設部2aとそれぞれ接触する。
カムピン第二部材16の内径16cには、第一の螺子部材17が締結可能な螺子穴16dが形成されており、固定筒9の直線溝9aと係合するカムピン第一部材15は第一の螺子部材17によりカムピン第二部材16に締結固定される。
回転筒8の曲線溝8aと係合するカムピン第二部材16は、第二の螺子部材18により光学素子保持鏡筒2のカムピン配設部2aに締結固定される。
カムピン第二部材16の底面部の径16eは光学素子保持鏡筒2のカムピン配設部2aの径2bより小さくなっており、少なくともその径の差分と同じだけ第二部材16の底面部の内径16gと第二の螺子部材18との間にガタを有している。
同様に、カムピン第一部材15の底面部の径15bはカムピン第二部材16の上面の径16fより小さくなっている。そして、少なくともその径の差分と、カムピン第二部材16の底面部の径16eとカムピン配設部2aの径2bとの差分を合わせた分だけ第一部材15の内径15cと第一の螺子部材17との間にガタを有している。
なお、カムピン第二部材16の底面部の径16eと光学素子保持鏡筒2のカムピン配設部2aの径差によるガタの大きさは、回転筒8と光学素子保持鏡筒2との加工精度に伴う相対的な位置誤差を十分に補正できるだけの量を持つように製作されていることとする。
また、カムピン第一部材15の底面部の径15bとカムピン第二部材16の上面の径16fの径差によるガタの大きさは、固定筒9と回転筒8との加工精度に伴う相対的な位置誤差を十分に補正できるだけの量を持つように製作されていることとする。
上述のような構造を有する本実施例のレンズ装置において、光学素子保持鏡筒2、カムピン15、16、回転筒8、固定筒9の構成手順について以下に詳述する。
光学素子保持鏡筒2を治具などを用いて偏心・倒れのない理想的な状態で回転筒8内の理想位置に保持する。次に、カムピン第二部材16を曲線溝8aの基準位置、例えば曲線溝8aの端面へ押し付けるなどして位置合わせを行い、第二の螺子部材18で光学素子保持鏡筒2に固定する。
続いて、カムピン第一部材15を直線溝9aの任意の位置に合わせ、第一の螺子部材17にてカムピン第二部材16に締結固定する。以上の作業を複数のカムピンで行い光学素子保持鏡筒2と回転筒8及び固定筒9を連結する。
以上のように構成されたレンズ装置は、第二の実施例と同様にカムピンの締結強度が向上し、組立作業性に優れる。同時に、市販の螺子部材を用いることができるためコストを低減することができる。
図9は、第四の実施例における図3A部B-B断面の要部説明図であり、第一〜第三の実施例と同一符号は同じ部材を示している。
カムピン部材19は、固定筒9の直線溝係合部19aと回転筒8の曲線溝係合部19bが同一のカムピン部材19に形成され、固定筒9の直線溝係合部の軸19cと、回転筒8の曲線溝係合部の軸19dとが偏心した構造となっている。
カムピン部材19の底面部の径19eは光学素子保持鏡筒2のカムピン配設部2aの径2bより小さくなっており、少なくともその径の差分と同じだけカムピン部材19の内径19fと螺子部材10との間にガタを有している。
なお、カムピン部材19の直線溝係合部19aの偏心量は直線溝9aと曲線溝8aとの光軸まわり方向の相対的な位置誤差を十分に補正できるだけの量を持つように製作されていることとする。
また、カムピン部材19の底面部の径19eと光学素子保持鏡筒2のカムピン配設部2aの径差によるガタの大きさは、回転筒8と光学素子保持鏡筒2との加工精度に伴う相対的な位置誤差を十分に補正できるだけの量を持つように製作されていることとする。
上述のような構造を有する本実施例のレンズ装置において、光学素子保持鏡筒2、カムピン19、回転筒8、固定筒9の構成手順について以下に詳述する。
光学素子保持鏡筒2を治具などを用いて偏心・倒れのない理想的な状態で回転筒8内の理想位置に保持する。次に、カムピン部材19の曲線溝係合部19bを曲線溝8aの基準位置に合わせる。続いて、その位置でカムピン部材19を回転させ直線溝9aと係合するよう調整し、螺子部材10により固定する。
本実施例では、固定筒9の直線溝9aと回転筒8の曲線溝8aとの光軸まわり方向の相対的な位置誤差は、カムピン部材19を回転することで補正される。光学素子保持鏡筒2のカムピン配設部2aと回転筒8の曲線溝8aとの光軸方向及び光軸まわり方向の位置誤差は、第一の実施例と同様に、カムピン底面の径19eとカムピン配設部2aの径2bとのガタにより補正される。
以上のように構成されたレンズ装置は、第一の実施例と同様の効果を得ることができる。
また、カムピン部材19は各係合部が一体である構造のため二つの係合部の軸がずれることがなく、衝撃等に対する信頼性が高い。
図10は、第五の実施例における形状の位置誤差を一切含まない理想的な部品でレンズ装置を構成した際の図3A部B-B断面の要部説明図である。図11は、回転筒8の曲線溝8aと固定筒9の直線溝9a及び光学素子保持鏡筒20のカムピン配設部20aとの相対的な位置誤差が生じた際の図3A部B-B断面の要部説明図である。第一〜第四の実施例と同一符号は同じ部材を示している。
図10のようにカムピンは、固定筒9の直線溝9aと係合するカムピン第一部材22と、回転筒の曲線溝と係合するカムピン第二部材23と、カムピン第三部材24の三体から構成される。図12はカムピン第三部材24のカムピン第二部材配設部24aの上面図、図13は光学素子保持鏡筒20のカムピン配設部20aの上面図である。
カムピン第三部材24のカムピン第二部材配設部24aには光軸と直交する方向に長溝24bが、光軸方向に長穴24cが形成されており、長溝24b上の任意の場所でカムピン第二部材23をカムピン第三部材24に配設することができるようになっている。図14は図10のC-C断面図であり、長溝24bはカムピン第二部材23と光軸方向で係合する構造になっており、長穴24cは螺子部材25が通るようになっている。
図15は図14がカムピン第二部材23とカムピン第三部材24との光軸まわり方向に位置誤差が生じた際のC-C断面図である。
一方、光学素子保持鏡筒20のカムピン配設部20aには、図13のように光軸方向に長溝20bが形成され、中心部に螺子穴20cが形成されている。カムピン第三部材24は、長溝20b上の任意の場所で光学素子保持鏡筒20のカムピン配設部20aに配設することができる。図16は図10のD-D断面図であり、長溝20bはカムピン第三部材24と光軸まわり方向で係合する構造になっている。カムピン第三部材24は光軸まわり方向の係合部に直線部24dを有しており、長溝20b上で回転しない構造となっている。そのため、カムピン第二部材23の可動方向は光軸まわり方向のみに規制することができる。
上述のような構造を有する本実施例のレンズ装置において、光学素子保持鏡筒20、カムピン22、23、24、回転筒8、固定筒9の構成手順について以下に詳述する。
カムピン第三部材24をカムピン配設部20aに仮固定した光学素子保持鏡筒20を、治具などを用いて偏心・倒れのない理想的な状態で回転筒8内の理想位置に保持する。次に、カムピン第二部材23を曲線溝8aの基準位置に合わせる。その際、カムピン第三部材24はカムピン第二部材23の位置に合わせて、光軸方向は長溝20b上を、光軸まわり方向は長溝24b上を動き位置が決められる。
続いて、カムピン第一部材22は第一の実施例と同様の方法でカムピン第二部材23に配設し、螺子部材25でカムピン22、23、24を固定する。
本構成をとることでカムピン第二部材23とカムピン第三部材24との光軸まわり方向の位置誤差はカムピン第三部材24が長溝24b上を動くことで補正される。また、曲線溝8aとカムピン第三部材24との光軸方向の位置誤差は、図17に示すようにカムピン第三部材24が長溝20b上を動くことで補正される。
したがって、曲線溝8aと係合するカムピン第二部材23は理想的な位置で固定することが可能である。
以上のように構成されたレンズ装置は第一の実施例と同様の効果を得ることができる。
また、曲線溝8aと光学素子保持鏡筒20との光軸方向及び光軸まわり方向の相対的な位置誤差の補正される方向が、長溝20b、24bで各二方向に規制される。そのため、カムピン第二部材23及びカムピン第三部材24の可動方向の自由度を減らすことができるため、衝撃等に対する信頼性に優れている。
なお、上記に示した方法では、長溝20b、24bの方向を上記のように構成したが、長溝20b、24b及び長穴24cの方向をカムピン第三部材24と光学素子保持鏡筒20とで逆にした構成としてもよい。
また、カムピン第三部材24の長溝24bの方向を光軸方向に対して任意の方向とし、光学素子保持鏡筒2の長溝20bの方向をカムピン第三部材24の長溝方向と直交する方向とする構造としてもよい。
さらに、図18のように、図10のC-C断面に長溝24bを形成し、カムピン第三部材24と光学素子保持鏡筒20との配設部20aは光軸方向及び光軸まわり方向ともに係合させる構成としてもよい。この場合では、カムピン第三部材24のE方向への回転と長溝24bの長さ内でのカムピン第二部材23の移動によって光学素子保持鏡筒20と曲線溝8aの位置誤差が補正される。
本実施例では固定筒9の直線溝9aと回転筒8の曲線溝8aとの間の位置誤差の補正は第一の実施例の構造で行われたが、他の実施例の構造をとることも可能である。
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されないことはいうまでもなく、その要旨の範囲内で種々の形状変更が可能である。
2、4、20 光学素子保持鏡筒
5、11、22 カムピン第一部材
6、12、23 カムピン第二部材
8 回転筒
8a 曲線溝
9 固定筒
9a 直線溝
2a、20a カムピン配設位置
10、25 螺子部材
14、17 第一の螺子部材
13、18 第二の螺子部材
19 偏心カムピン
5、11、22 カムピン第一部材
6、12、23 カムピン第二部材
8 回転筒
8a 曲線溝
9 固定筒
9a 直線溝
2a、20a カムピン配設位置
10、25 螺子部材
14、17 第一の螺子部材
13、18 第二の螺子部材
19 偏心カムピン
Claims (6)
- 固定筒に設けられた光軸方向の直線溝と
光軸周りに回転する回転筒に設けられた曲線溝とに
係合する複数のカムピンを
光軸から光学素子保持鏡筒の外周に向けて垂直に延びた軸上に位置する前記光学素子保持鏡筒カムピン配設位置に配設し、
前記回転筒の回転に応じて
前記光学素子保持鏡筒を光軸方向に案内するレンズ装置において、
前記各カムピンの、前記直線溝と係合する第一の係合径の中心軸と
前記曲線溝が係合する第二の係合径の中心軸とが
偏心可能であるとともに、
前記第二の係合径の中心軸と
前記光学素子保持鏡筒カムピン配設位置の光軸から外周に向けて垂直に延びた軸とが偏心可能であることを
特徴とするレンズ装置。 - 前記各カムピンの、前記直線溝と係合する第一の係合径の中心軸が
前記曲線溝が係合する第二の係合径の中心軸に対して
光軸まわりに偏心可能であるとともに、
前記第二の係合径の中心軸と
前記光学素子保持鏡筒カムピン配設位置の光軸から外周に向けて垂直に延びた軸とが
光軸方向および光軸周りに偏心可能であることを
特徴とする請求項1に記載のレンズ装置。 - 前記カムピンが、
前記第一の係合径を備えた第一のピン部材と
前記第二の係合径を備えた第二のピン部材から構成されることを
特徴とする請求項1〜2に記載のレンズ装置。 - 前記第一のピン部材が、
前記第二のピン部材に第一の螺子部材により締結固定され、
前記第二のピン部材が、
前記光学素子保持鏡筒の前記カムピン配設位置に第二の螺子部材により締結固定されることを
特徴とする請求項1〜3に記載のレンズ装置。 - 前記第一のピン部材が
第一の螺子部材により第二の螺子部材に締結固定され、
前記第二のピン部材が
第二の螺子部材により前記光学素子保持鏡筒の前記カムピン配設位置に締結固定されることを
特徴とする請求項1〜3に記載のレンズ装置。 - 前記第一の係合径と前記第二の係合径が同一の部材に形成され、
第一の係合径の中心軸と第二の係合径の中心軸とが偏心していることを
特徴とする請求項1〜2に記載のレンズ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009290094A JP2011133511A (ja) | 2009-12-22 | 2009-12-22 | レンズ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009290094A JP2011133511A (ja) | 2009-12-22 | 2009-12-22 | レンズ装置 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011133511A true JP2011133511A (ja) | 2011-07-07 |
Family
ID=44346355
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2009290094A Pending JP2011133511A (ja) | 2009-12-22 | 2009-12-22 | レンズ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2011133511A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015028599A (ja) * | 2013-06-25 | 2015-02-12 | キヤノン株式会社 | レンズ鏡筒及びそれを有する光学機器 |
JP2017026977A (ja) * | 2015-07-28 | 2017-02-02 | 株式会社ニコン | レンズ鏡筒および光学機器 |
JP2017049466A (ja) * | 2015-09-03 | 2017-03-09 | リコーイメージング株式会社 | カム装置 |
JP2019113758A (ja) * | 2017-12-25 | 2019-07-11 | キヤノン株式会社 | レンズ鏡筒及び光学機器 |
JP2020170163A (ja) * | 2015-07-28 | 2020-10-15 | 株式会社ニコン | レンズ鏡筒および撮像装置 |
-
2009
- 2009-12-22 JP JP2009290094A patent/JP2011133511A/ja active Pending
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JP7046597B2 (ja) | 2017-12-25 | 2022-04-04 | キヤノン株式会社 | レンズ鏡筒及び光学機器 |
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