[第1実施形態]
第1実施形態について説明する。以下の説明において、適宜、図1などに示すXYZ直交座標系を参照する。このXYZ直交座標系は、X方向およびY方向が水平方向(横方向)であり、Z方向が鉛直方向である。また、各方向において、適宜、矢印の先端と同じ側を+側(例、+Z側)、矢印の先端と反対側を−側(例、−Z側)と称す。例えば、鉛直方向(Z方向)において、上方が+Z側であり、下方が−Z側である。
図1は、第1実施形態に係る双眼鏡1を−Z側(下側)から見た図である。双眼鏡1は、ブリッジ2と、第1レンズ鏡筒3と、第2レンズ鏡筒4と、焦点調整部5と、視度差調整部6と、を備える。ブリッジ2は、双眼鏡1の中央部分に配置される。ブリッジ2は、双眼鏡1の各部を支持し、また、双眼鏡1の各部を収容する。ブリッジ2は、少なくとも焦点調整軸20、移動部材22、視度差調整軸53、及び駆動部材23を収容する。第1レンズ鏡筒3及び第2レンズ鏡筒4は、それぞれ、軸AX1(中心軸)に対して対照に、ブリッジ2の右側、ブリッジ2の左側に配置される。
図2は、双眼鏡1を−Y側から見た図である。第1レンズ鏡筒3は、Y方向と平行な軸AX2を軸として、ブリッジ2に対して回転可能である。第1レンズ鏡筒3は、例えば、軸AX2上に設けられる2つのピボット8(後に図5に示す)を介して、ブリッジ2に取り付けられる。第2レンズ鏡筒4は、Y方向と平行な軸AX3を軸として、ブリッジ2に対して回転可能である。第2レンズ鏡筒4は、例えば、軸AX3上に設けられる2つのピボット9(後に図5に示す)を介して、ブリッジ2に取り付けられる。双眼鏡1は、第1レンズ鏡筒3及び第2レンズ鏡筒4を、それぞれ、ブリッジ2に対して回転させることにより、眼幅の調整あるいは折り畳みが可能である。
次に、双眼鏡1の光学系について説明する。図3は、図2に示すA−A線に沿った断面を−Z方向から見た断面図である。図3に示すように、第1レンズ鏡筒3は、第1光学系12を有する。第1レンズ鏡筒3は、第1光学系12を内部に保持する。第1光学系12は、例えば、複数の対物レンズ13、複数の接眼レンズ14、合焦レンズ15及び正立プリズム16を含む。
複数の対物レンズ13には観察対象の物体から光が入射し、複数の対物レンズ13は、この光を合焦レンズ15に導く。合焦レンズ15は、第1光学系12の焦点位置、焦点距離を調整する。合焦レンズ15は、例えば、対物レンズ13と接眼レンズ14との間の光路に配置される。合焦レンズ15は、第1レンズ鏡筒3内を光軸AX4と同じ方向に移動可能に合焦レンズ保持部17に保持される。合焦レンズ15は、焦点調整部5によって光軸AX4の方向に移動し、第1光学系12の焦点を調整する。また、合焦レンズ15は、視度差調整部6によって光軸AX4方向に移動し、視度差を調整する。正立プリズム16は、対物レンズ13により形成される倒立像を正立像に変換する。正立プリズム16は、例えば、合焦レンズ15と接眼レンズ14との間の光路に配置される。ユーザは、正立プリズム16により変換された正立像を、接眼レンズ14を介して観察可能である。
第2レンズ鏡筒4は、第2光学系18を有する。第2レンズ鏡筒4は、第2光学系18を内部に保持する。第2レンズ鏡筒4は、第1光学系12と同様に、複数の対物レンズ13、複数の接眼レンズ14、合焦レンズ15及び正立プリズム16を含む。第2光学系18の合焦レンズ15は、焦点調整部5によって光軸AX5の方向に移動し、第2光学系18の焦点を調整される。
なお、第1光学系12及び第2光学系18は、それぞれ、正立プリズム16を備えなくてもよく、例えばリレー光学系などにより倒立像を正立像に変換してもよい。また、合焦レンズ15は、複数の光学部品(例、レンズ部材、反射部材)を含んでもよい。また、第1光学系12及び第2光学系18は、像の倍率を変更するズーム光学系を含んでいてもよく、合焦レンズ15は、像の倍率の変更に利用されてもよい。
図1の焦点調整部5は、第1光学系12及び第2光学系18の焦点を調整する。焦点調整部5は、例えば、焦点調整軸20、操作部21、移動部材22と、駆動部材23と、接続部材24と、を備える。以下、焦点調整部5の説明において、適宜図1および図3〜図9を参照する。図4は、双眼鏡1の各部材を示す図であり、(A)は移動部材、(B)は駆動部材、(C)は接続部材を示す。図5は、図2に示すB−B線に沿った断面を−Z方向から見た断面図である。図6は、図2に示すC−C線に沿った断面を−Z方向から見た断面図である。図7は、図1に示すD−D線に沿った断面を−Y方向から見た断面図である。図8は、図1に示すE−E線に沿った断面を−Y方向から見た断面図である。図9は、図1に示すF−F線に沿った断面を−Y方向から見た断面図である。
焦点調整軸20(図1参照)は、例えば、ブリッジ2に収容され、第1レンズ鏡筒3と第2レンズ鏡筒4との間のほぼ中央に配置される。焦点調整軸20は、例えば、Y方向に平行な軸AX1(中心軸)と同軸に配置される(図1、図7参照)。操作部21は、焦点が調整される際に、焦点調整軸20を回転させる操作をユーザが行う部分である。操作部21は、例えば、ブリッジ2の+Y側(接眼レンズ14側)に配置される。操作部21は、焦点調整軸20と同軸に配置され、焦点調整軸20と同軸に回転可能である(図1、図7参照)。操作部21は、ねじ山28(図6参照)を有し、ネジ山28は、焦点調整軸20のねじ山27と噛み合わされる。操作部21の回転により、操作部21のねじ山28が回転し、焦点調整軸20は、軸AX1の方向(Y方向と平行な方向)に移動する(後に図10で説明する)。
図4(A)に示す移動部材22は、第1光学系12を移動させるための第1部分29と、第2光学系18に接続され、第2光学系18を移動させるための第2部分30と、を備える。移動部材22は、締結部材31により焦点調整軸20に取り付けられている。移動部材22は、焦点調整軸20の操作により軸AX1の方向に移動する。
図4(A)に示す第1部分29は、例えば、軸AX1の+X側に配置される。第1部分29は、焦点調整軸20と駆動部材23とを接続する。第1部分29は、例えば、駆動部材23の溝部33に接続される(図8参照)。例えば、第1部分29は、溝部33の接線方向に延びた状態で溝部33に入り込む板状に形成される(図8参照)。第1部分29は、例えば、焦点調整軸20から離れる方向の端部が、焦点調整軸20に近づく方向の端部に対して、下方(+Z方向)に曲がるように形成され、この焦点調整軸20から離れる方向の端部が溝部33の接線方向に延びた状態で溝部33の下方の部分に入り込んでいる。第1部分29がこのように形成される場合、双眼鏡1を製造する際において、第1部分29を簡単に配置することができるため、双眼鏡1の製造を簡単にすることができる。第1部分29が焦点調整軸20の移動とともに軸AX1の方向に移動すると、駆動部材23も軸AX1の方向に移動する。なお、第1部分29が第1光学系12を移動させる動作については、後に図10を参照して説明する。また、図8に示すように、第1部分29は、焦点調整軸20の軸AX1方向まわりの一方向に回転が規制される。第1部分29は、例えば、上記したように、その焦点調整軸20から離れる方向の端部が溝部33の接線方向に延びた状態で溝部33の下方の部分に入り込んでいるので、第1部分29は、焦点調整軸20の軸AX1方向まわりにおける−Y方向から見た(対物レンズ13方向から見た)時計回りの回転が規制される。このように、第1部分29は、駆動部材23のAX1方向に移動させる役割を有するとともに操作部21の操作による焦点調整軸20の回転の供回り防止の役割を有している。第1部分29は、上記した駆動部材23のAX1方向に移動させる役割と焦点調整軸20の回転による供回り防止の役割との2つの役割を有する場合、この2つの役割を別々の部品で構成する場合よりも部品の数を削減することができるため、双眼鏡1の構成を単純にすることができる。
図4(A)に示す第2部分30は、例えば、部分35と、部分36と、部分37と、を有する。部分35は、第1部分29と一体に形成され、X方向に延びている。部分36は、例えば、締結部材31により部分35の−X側に接続される。部分37は、例えば、焦点調整軸20と平行な軸AX3(Y方向と平行な軸)を中心として、回転可能である(図9参照)。部分37は、例えば、+X側の端部が軸AX3を中心として部分36と回転可能に接続され、−X側の端部が合焦レンズ保持部17に接続される。第2部分30は、焦点調整軸20の軸AX1方向に移動部材22とともに移動し、第2光学系18の合焦レンズ保持部17も軸AX5方向に移動する(後に図10(B)で説明する)。
また、部分37が部分36に対して焦点調整軸20と平行な軸AX3を中心として回転可能である場合、移動部材22は、第2レンズ鏡筒4がブリッジ2に対して回転するのを許容する。第2レンズ鏡筒4をブリッジ2に対して回転する際に、部分37は部分36に対して回転し、部分36と合焦レンズ保持部17との接続を維持した状態を保つことができる。なお、第2部分30が第2光学系18を移動させる動作については、後に図10を参照して説明する。
第2部分30は、上記した焦点調整軸20の軸AX1方向まわりの一方向と、反対方向に回転が規制される。ブリッジ2(図8参照)は、例えば、第2部分30の回転を規制する部分39を有する。部分39は、例えば、第2部分30の部分35の上面の一部分35aが接触する。部分35a及び部分39は、例えば、水平面(XY平面と平行な面)に配置される。これにより、操作部21による焦点調整軸20が回転する際に、部分35aと部分39とが接触し、第2部分30は、焦点調整軸20の軸AX1方向まわりにおける−Y方向から見た(対物レンズ13方向から見た)反時計回りの回転が規制される。第2部分30が焦点調整軸20の軸AX1方向まわりの反時計回りの回転が規制され、且つ第1部分29が焦点調整軸20の軸AX1方向まわりの時計回りの回転が規制されるので、操作部21が回転する際の操作部21と焦点調整軸20とによる移動部材22(第1部分29、第2部分30)の供回りが抑制され、操作部21が回転しても焦点調整軸20は回転せずに軸AX1方向に移動する。このように、第2部分30は、第2光学系18を光軸AX5方向に移動させる役割を有するとともに操作部21の操作による焦点調整軸20の回転の供回り防止の役割を有している。第2部分30は、上記した第2光学系18を光軸AX5方向に移動させる役割と焦点調整軸20の回転による供回り防止の役割との2つの役割を有する場合、この2つの役割を別々の部品で構成する場合よりも部品の数を削減することができるため、双眼鏡1の構成を単純にすることができる。また、部分39が第2部分30の部分35に接触する構成により、第2部分30の焦点調整軸20の軸AX1方向まわりの反時計回りの回転を規制する場合、簡単な構造(構成)であり、且つ双眼鏡1を製造する際において、第2部分30を簡単に配置することができるため、構成部材の組み付けが容易となって双眼鏡1の製造を簡単にすることができる。さらに、このような第1部分29及び第2部分30を用いることにより、ブリッジ2の厚み(Z方向の厚さ)を薄くすることができる。
次に、図4(B)に示す駆動部材23について説明する。駆動部材23は、視度差調整軸53の周囲に形成される。駆動部材23は、視度差調整軸53に対して回転を規制される。すなわち、駆動部材23は、視度差調整軸53が回転する際に、視度差調整軸53と共に回転する。また、駆動部材23は、視度差調整軸53の外周に、視度差調整軸53の軸AX6方向(Y方向と平行な方向)に移動可能に設けられる。駆動部材23と視度差調整軸53とは、例えば、スプライン構造により構成される。
図4(B)に示す駆動部材23は、第1部分29と当接して軸方向(軸AX6方向)に関して第1部分29の移動を規制する係止部32を備える。係止部32は、視度差調整軸53の軸AX6周りに駆動部材23の外周に形成された溝部33である。この溝部33には、上記したように第1部分29の一部が溝部33の接線方向に延びた状態で入り込む。これにより、第1部分29は軸方向(軸AX6方向)に係止される。この場合、視度差調整軸53の回転により駆動部材23が回転しても、係止部32は第1部分29を軸AX6方向に係止する。駆動部材23は、接続部材24のねじ山41と噛み合うねじ山42を有する。駆動部材23は、接続部材24が駆動部材23に対して移動可能に、接続部材24と接続される。
次に、接続部材24について説明する。図4(C)に示す接続部材24は、第1光学系12に接続され、第1光学系12を光軸に沿って移動させる。接続部材24は、例えば、部分44と、部分45と、部分46と、を備える。部分44は、駆動部材23のねじ山42と噛み合うねじ山41を有し、駆動部材23のねじ山42と接続される。また、部分44(図7参照)は、上方(+Z側)に延びる突起部48を有する。突起部48は、視度差調整軸53の+X側に、視度差調整軸53と平行に形成されるガイド49に挿入され、Y方向にガイドされる。図4(C)に示す部分45は、締結部材31により部分44と接続される。部分46は、例えば、−X側の端部が、軸AX2を中心として回転可能に部分45に接続され、+X側の端部が合焦レンズ保持部17に接続される。駆動部材23と接続される接続部材24は、焦点調整軸20の操作による駆動部材23の移動によって軸AX6方向に移動する。これにより、接続部材24と接続される第1光学系12の合焦レンズ保持部17が軸AX4(図3参照)方向に移動し、焦点が調節される。図4(C)に示す部分46は、視度差調整軸53と平行な軸AX2を中心として、回転可能である。この場合、接続部材24は、第1レンズ鏡筒3がブリッジ2に対して回転するのを許容することができる。第1レンズ鏡筒3をブリッジ2に対して回転する際に、部分46は部分45に対して回転し、部分45と第1光学系12の合焦レンズ保持部17との接続を維持した状態を保つことができる。なお、焦点調整軸20による第1光学系12を移動させる動作については、後に図10を参照して説明する。また、視度差調整軸53による第1光学系12を移動させる動作については、後に図11を参照して説明する。
また、図1の接続部材24の−Y側には、弾性部材51が設けられる。弾性部材51は、駆動部材23及び接続部材24を焦点調整軸20の軸AX6の+Y側に押し付ける。これにより、接続部材24と駆動部材23とを、あるいは駆動部材23と第1部分29とを、それぞれ、がたつきを抑制して、精度よく接続することができる。がたつきが抑制されるので、例えば操作感をなめらかにすることができる。
次に、視度差調整部6について、説明する。以下、視度差調整部6の説明において、適宜図1および図3〜図9を参照する。視度差調整部6は、視度差を調整する。図1の視度差調整部6は、例えば、視度差調整軸53と、操作部54と、駆動部材23と、接続部材24と、備える。なお、駆動部材23及び接続部材24は、それぞれ焦点調整部5のものと共通であるので、適宜、その説明を簡略化あるいは省略する。
図1の視度差調整軸53は、例えば、焦点調整軸20と第1レンズ鏡筒3との間に配置される。視度差調整軸53は、例えば、焦点調整軸20と平行に配置される。視度差調整軸53は、例えば、焦点調整軸20の軸AX1と平行な軸AX6と同軸である。この場合、視度差の調整に関する部分の構造をシンプルかつコンパクトにすることができる。操作部54は、視度差が調整される際に、ユーザが視度差調整軸53を回転させる操作を行う部分である。操作部54は、例えば、焦点調整軸20の操作部21と反対側に配置される。操作部54は、例えば、接眼レンズ14と反対側(−Y側)に配置される。操作部54は、軸AX6方向に、操作部21と離れた状態で配置される。これにより、操作部21及び操作部54は操作性が向上し、また、操作部21と操作部54とが離れているため、操作の誤りが抑制される。操作部54(図6参照)は、視度差調整軸53と同軸に配置され、視度差調整軸53と同軸に回転可能である。操作部54は、視度差調整軸53と一体に形成され、操作部54の回転により、視度差調整軸53が回転する。
駆動部材23は、視度差調整軸53に対する回転が規制されており、視度差調整軸53の回転に伴い回転する。接続部材24(図4(C)、図6参照)は、駆動部材23のねじ山42と噛み合うねじ山43を有する。視度差調整軸53の回転により駆動部材23が回転すると、接続部材24は、駆動部材23に対して軸AX6方向に移動する。この場合、接続部材24は軸AX6方向に移動するが、駆動部材23は軸AX6方向に移動しないため、第2光学系18の合焦レンズ15に対して、第1光学系12の合焦レンズ15が相対的に軸AX4方向に移動し、視度差の調整が行われる(後に図11(B)で説明する)。
次に、双眼鏡1の動作を説明する。まず、双眼鏡1の焦点調整の動作について説明する。図10は、双眼鏡1の焦点調整の動作を示す図であり、(A)は焦点調整前の状態、(B)は焦点調整後の状態をそれぞれ示す。なお、図10(B)には、一例として、焦点調整軸20が−Y側に移動して、焦点調整を行う場合の例を示すが、焦点調整軸20が+Y側に移動して焦点調整を行う場合、図10(B)に示す各部の移動方向が反対になる点以外の動作は同様である。
双眼鏡1において、焦点調整を行う場合、焦点調整軸20の回転により、第1部分29、駆動部材23、及び接続部材24が軸方向(軸AX1と平行な方向)に移動して第1光学系12を光軸AX4に沿って移動させ、かつ、第2部分30が軸方向に移動して第2光学系18を光軸AX5に沿って移動させる。例えば、まず、図10(B)に示すように、操作部21を操作する。操作部21の操作により、焦点調整軸20は、軸AX1の方向(本例では−Y側)に移動する。この際、焦点調整軸20は、上記したように、操作部21との供回りが防止されているので、焦点調整軸20は回転せずに−Y側に移動する。焦点調整軸20が−Y側に移動すると、移動部材22の第1部分29及び第2部分30(部分35、部分36、部分37)は、それぞれ、−Y側に移動する。第2部分30が−Y側に移動することにより、第2光学系18の合焦レンズ15も−Y側に移動して焦点調整が行われる。一方、第1部分29が−Y側に移動すると、駆動部材23及び接続部材24(部分44、部分45、部分46)も、それぞれ、−Y側に移動する。接続部材24が−Y側に移動することにより、第1光学系12の合焦レンズ15も−Y側に移動して焦点調整が行われる。なお、第1光学系12の合焦レンズ15の−Y側への移動量、及び第2光学系18の合焦レンズ15の−Y側への移動量は、それぞれ、焦点調整軸20の移動量と同じになる。
次に、双眼鏡1の視度差調整の動作について説明する。図11は、双眼鏡1の視度差調整の動作を示す図であり、(A)は視度差調整前の状態、(B)は視度差調整後の状態をそれぞれ示す。なお、図11(B)には、一例として、視度差調整軸53が−Y側に移動して、視度差調整を行う場合の例を示すが、視度差調整軸53が+Y側に移動して視度差調整を行う場合、図11(B)に示す各部の移動方向が反対になる点以外の動作は同様である。
双眼鏡1において、視度差調整を行う場合、視度差調整軸54の回転により、駆動部材23が回転して接続部材24を軸方向(Y方向と平行な方向)に移動させ、第1光学系12の位置を保持したまま第2光学系18を光軸AX5に沿って移動させる。例えば、まず、図11(B)に示すように、操作部54を操作する。操作部54の操作により、視度差調整軸53が回転する。視度差調整軸53が回転すると、視度差調整軸53と共に駆動部材23が回転する。駆動部材23が回転すると、駆動部材23のねじ山42と接続部材24のねじ山41が噛み合わされるため(図4(B)、図6参照)、接続部材24(部分44、部分45、部分46)は、駆動部材23とともに−Y側に移動する。接続部材24が−Y側に移動することにより、第1光学系12の合焦レンズ15は−Y側に移動する。この際、接続部材24は−Y側に移動するが、駆動部材23は移動しない。すなわち、接続部材24が駆動部材23に対して相対的に−Y側に移動することにより、第1光学系12の合焦レンズ15に対して、第2光学系18の合焦レンズ15が、相対的に軸AX4方向における−Y側に移動して、視度差の調整が行われる。また、この視度差の調整の後、上記に説明した焦点の調整を行うことができる。この場合、視度差の調整後の第2光学系18の位置(第1光学系12に対しての第2光学系18の相対位置)を保持したまま、上記した焦点の調整により、第1光学系12を光軸AX4に沿って移動させる。これにより、視度差の調整結果が保持された状態で、焦点の調整が行われる。
以上、説明したように、本実施形態の双眼鏡1は、構造がシンプルで、操作性がよいものである。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。なお、以下の説明において、上記した実施形態と同様の構成については、同じ符号を付してその説明を簡略化あるいは省略する。また、上記した実施形態において説明した事項のうち、本実施形態に適用可能なものは、適宜本実施形態でも適用する
図12は、第2実施形態に係る双眼鏡1Aの+Z側から見た断面図である。本実施形態の双眼鏡1Aは、ブリッジ2Aと、第1レンズ鏡筒3と、第2レンズ鏡筒4と、焦点調整部5Aと、視度差調整部6Aと、を備える。双眼鏡1Aは、中央部分にブリッジ2Aを有する。ブリッジ2Aは、双眼鏡1Aの各部を支持し、双眼鏡1Aの各部を収容する。ブリッジ2Aは、少なくとも焦点調整軸20A、移動部材22A、視度差調整軸53、及び駆動部材23Aを収容する。第1レンズ鏡筒3及び第2レンズ鏡筒4は、それぞれ、軸AX1に対して対照に、ブリッジ2Aの右側、ブリッジ2Aの左側に配置される。
図13は、双眼鏡1Aを+Y側から見た図である。ブリッジ2Aは、ブリッジ2ALとブリッジ2ARとを有する。ブリッジ2AL、ブリッジ2ARは、それぞれ、焦点調整軸20Aの軸AX1(中心軸)を中心として左右に配置される。ブリッジ2AL、ブリッジ2ARは、それぞれ、焦点調整軸20Aを中心として回転可能である。これにより、第1レンズ鏡筒3及び第2レンズ鏡筒4は、それぞれ、焦点調整軸20Aを中心として回転可能である。双眼鏡1Aは、第1レンズ鏡筒3及び第2レンズ鏡筒4を、それぞれ、焦点調整軸20Aを中心として回転させることにより、眼幅の調整あるいは折り畳みが可能である。
図12の説明に戻り、次に双眼鏡1Aの光学系について説明する。第1レンズ鏡筒3は、第1光学系12を有する。第1レンズ鏡筒3は、第1光学系12を内部に保持する。第1光学系12は、例えば、第1実施形態と同様に、複数の対物レンズ13、複数の接眼レンズ14、合焦レンズ15及び正立プリズム16を含む。合焦レンズ15は、合焦レンズ保持部17に保持され、合焦レンズ保持部17は、合焦レンズ15を保持した状態で第1レンズ鏡筒3内を光軸AX4方向に移動可能である。合焦レンズ15は、光軸AX4の方向に移動し、第1光学系12の焦点を調整する。また、合焦レンズ15は、光軸AX4の方向に移動し、視度差を調整する。
第2レンズ鏡筒4は、第2光学系18を有する。第2レンズ鏡筒4は、第2光学系18を内部に保持する。第2光学系18は、第1光学系12と同様であり、複数の対物レンズ13、複数の接眼レンズ14、合焦レンズ15及び正立プリズム16を含む。第2光学系18の合焦レンズ15は、光軸AX5方向に移動し、第2光学系18の焦点を調整する。
次に、焦点調整部5Aについて説明する。焦点調整部5Aは、第1光学系12及び第2光学系18の焦点を調整する。焦点調整部5Aは、例えば、焦点調整軸20Aと、操作部21と、移動部材22Aと、駆動部材23Aと、接続部材24Aと、を備える。以下、焦点調整部5Aの説明において、適宜、図12、図14〜図16を参照する。図14は、図12に示すG−G線に沿った断面を+Y方向から見た断面図である。図15は、図12に示すH−H線に沿った断面を+Y方向から見た断面図である。図16は、図12に示すI−I線に沿った断面を+Y方向から見た断面図である。
図12の焦点調整軸20Aは、ブリッジ2Aに収容され、第1レンズ鏡筒3と第2レンズ鏡筒4との間のほぼ中央に配置される。焦点調整軸20A(図14参照)は、例えば、Y方向に平行な軸AX1と同軸に配置される。操作部21は、焦点が調整される際に、ユーザが焦点調整軸20Aを回転させる操作を行う部分である。操作部21は、例えば、ブリッジ2Aの+Y側(接眼レンズ14側)に配置される。操作部21は、焦点調整軸20Aの軸AX1と同軸に配置され、焦点調整軸20Aと同軸に回転可能である。操作部21(図12参照)は、ねじ山28を有し、ねじ山28は、焦点調整軸20Aのねじ山27と噛み合わされる。操作部21は、軸AX1方向の位置が規制される。また、焦点調整軸20Aは、例えば、焦点調整軸20Aの中心軸AX1まわりの回転が規制される。焦点調整軸20Aは、例えば、図16に示すように、下部(−Z方向の部分)に部分57を有する。部分57は、例えば、下方に延びる突起を有する凸部を有する。部分57は、その凸部がブリッジ2Aのガイド部58に接続される。ガイド部58は、例えば、部分57を、軸AX1と直交する方向の移動を規制し、且つ軸AX1と平行の方向にガイドする。例えば、ガイド部58は、例えば、軸AX1と平行に延び且つ下方に凹んだ凹部を有する。ガイド部58の凹部には、部分57の凸部が嵌めあわされる。上記した焦点調整軸20Aとブリッジブリッジ2Aの構成により、焦点調整軸20Aの中心軸AX1まわりの回転が規制され、焦点調整軸20Aは、中心軸AX1と平行な方向に移動可能になる。これにより、操作部21と焦点調整軸20Aとの供回りが防止される。このように、焦点調整軸20Aは、操作部21の回転により操作部21のねじ山27が回転すると、軸AX1まわりの回転が規制され、軸AX1方向(Y方向と平行な方向)に移動する。また、焦点調整軸20Aの中心軸AX1まわりの回転をブリッジ2Aにより規制する場合、簡単な構成で、操作部21と焦点調整軸20Aとの供回りを防止することができる。
図12の移動部材22Aは、第1光学系12を移動させるための第1部分29Aと、第2光学系18に接続され、第2光学系18を移動させるための第2部分30Aと、を備える。第1部分29Aは、焦点調整軸20Aと駆動部材23Aとを接続する。第1部分29Aは、焦点調整軸20Aに対して、その中心軸AX1まわりに回転可能である。第1部分29Aは、例えば、−X側が焦点調整軸20Aの軸AX1に対して回転可能に取り付けられる。これにより、第1レンズ鏡筒3は、焦点調整軸20Aを中心として回転可能になる。また、図12の第1部分29Aは、焦点調整軸20Aの係止部61、62及び第2部分30Aの部分64により、焦点調整軸20Aに対して軸AX1方向の移動が規制されるように取り付けられている。これにより、第1部分29Aは、焦点調整軸20Aの軸AX1方向の移動と共に移動する。また、第1部分29A(図14参照)は、例えば、+X側が溝部33の接線方向に延びた状態で溝部33の下部に入り込む板状に形成される。この場合、ブリッジ2Aを焦点調整軸20Aに対して回転する場合においても、第1部分29Aは、焦点調整軸20Aと駆動部材23Aとを接続することができる。
図12の第2部分30Aは、例えば、部分64と、部分65と、を有する。部分64は、焦点調整軸20Aの軸AX1に対して回転可能に取り付けられる(図15参照)。また、部分64は、焦点調整軸20Aの係止部61、62により、焦点調整軸20Aに対して軸AX1方向の移動が規制されるように取り付けられている。これにより、部分64は、焦点調整軸20Aの軸AX1方向の移動と共に移動する。第2部分30Aは、焦点調整軸20Aの軸AX1方向の移動と共に移動し、第2光学系18の合焦レンズ保持部17を軸AX5方向に移動させる。部分65は、例えば、部分64及び第2光学系18の合焦レンズ保持部17のそれぞれに対して回転自在に接続される。部分65は、例えば、自在継手(ユニバーサルジョイント)である。この場合、ブリッジ2ALを焦点調整軸20Aに対して回転する場合においても、第2部分30Aは、焦点調整軸20Aと第2光学系18の合焦レンズ保持部17とを確実に接続することができる。なお、第2部分30Aが第2光学系18を移動させる動作については、後に図17において説明する。
次に、駆動部材23Aについて説明する。図12の駆動部材23Aは、視度差調整軸53の周囲に形成される(図14参照)。駆動部材23Aは、視度差調整軸53に対して回転が規制される。駆動部材23Aは、視度差調整軸53が回転する際に、視度差調整軸53とともに回転する。また、駆動部材23Aは、視度差調整軸53の外周に、視度差調整軸53の軸AX6方向(Y方向と平行な方向)に移動可能に設けられる。駆動部材23Aと視度差調整軸53とは、例えば、スプライン構造により構成される。
駆動部材23Aは、第1部分29A当接して軸AX6方向に関して第1部分29Aの移動を規制する係止部32を備える。係止部32は、第1実施形態と同様に、視度差調整軸53の軸AX6周りに駆動部材23Aの外周に形成された溝部33である。この溝部33には、第1部分29Aの一部が溝部33の接線方向に延びた状態で入り込む。これにより、第1部分29Aは軸AX6方向に係止される。この場合、視度差調整軸53の回転により駆動部材23Aが回転しても、係止部32は第1部分29Aを軸AX6方向に係止することができる。駆動部材23Aは、ねじ山42を有し、ネジ山42は、接続部材24Aのねじ山41と噛み合う。これにより、駆動部材23Aは、接続部材24Aが駆動部材23Aに対して移動可能に、接続部材24Aと接続することができる。
次に、接続部材24Aについて説明する。接続部材24Aは、第1実施形態と同様に、第1光学系12に接続され、第1光学系12を光軸AX4に沿って移動させる。接続部材24Aは、例えば、部分66と、部分67と、を備える。部分66は、上記したように、駆動部材23Aのねじ山41と噛み合うねじ山42を有し、駆動部材23Aと接続される。これにより、部分66は、駆動部材23Aの軸AX6方向の移動と共に移動する。接続部材24Aは、焦点調整軸20Aの回転により、焦点調整軸20Aに対して軸AX1方向に移動し、第1光学系12の合焦レンズ保持部17を軸AX4の方向に移動させる。部分67は、例えば、部分66及び合焦レンズ保持部17のそれぞれに対して回転自在に接続される。部分67は、例えば、自在継手である。この場合、ブリッジ2ARを焦点調整軸20Aに対して回転する場合においても、第2部分30Aは、焦点調整軸20Aと第1光学系12の合焦レンズ保持部17とを確実に接続することができる。なお、接続部材24Aが第1光学系12を移動させる動作については、後に図17において説明する。
また、図12に示すように、接続部材24Aの−Y側には、弾性部材51が設けられる。弾性部材51は、駆動部材23A及び接続部材24Aを視度差調整軸53の+Y側に押し付ける。これにより、接続部材24Aと駆動部材23Aとを、あるいは駆動部材23Aと第1部分29Aとを、それぞれ、がたつきを抑制して接続することができる。がたつきが抑制されるので、操作感をなめらかにすることができる。
次に、視度差調整部6Aについて、説明する。以下、視度差調整部6Aの説明において、適宜、図12、図14〜図16を参照する。視度差調整部6Aは、視度差を調整する。図12の視度差調整部6Aは、視度差調整軸53と、操作部54と、駆動部材23Aと、接続部材24Aと、備える。なお、駆動部材23A及び接続部材24Aは、それぞれ、焦点調整部5Aと共通であるので、適宜、説明の一部を簡略化あるいは省略する。
視度差調整軸53は、例えば、焦点調整軸20Aと第1レンズ鏡筒3との間に配置される。視度差調整軸53は、例えば、焦点調整軸20Aと平行に配置される。視度差調整軸53は、例えば、焦点調整軸20Aの軸AX1と平行な軸AX6と同軸である。この場合、視度差の調整に関する部分の構造をシンプルかつコンパクトにすることができる。操作部54は、視度差が調整される際に、ユーザが視度差調整軸53を回転させる操作を行う部分である。操作部54は、例えば、焦点調整軸20Aの操作部21と反対側に配置される。操作部54は、例えば、接眼レンズ14と反対側(−Y側)に配置される。操作部54は、軸AX6方向に、操作部21と離れた状態で配置される。これにより、操作部21及び操作部54は操作性が向上し、また、操作部21と操作部54とが離れているため、操作の誤りが抑制される。操作部54は、視度差調整軸53の軸AX6と同軸に配置され、視度差調整軸53と同軸に回転可能である。操作部54は、視度差調整軸53と一体に形成され、操作部54の回転により、視度差調整軸53が回転する。
駆動部材23Aは、視度差調整軸53に対する回転が規制されており、視度差調整軸53の回転に伴い回転する。接続部材24Aは、そのねじ山42が駆動部材23Aのねじ山41と噛み合う。視度差調整軸53の回転に伴って駆動部材23Aが回転すると、接続部材24Aは、駆動部材23Aに対して軸AX6方向に移動する。この場合、接続部材24Aは軸AX6方向に移動するが、駆動部材23Aは軸AX6方向に移動しないため、第2光学系18の合焦レンズ15に対して、第1光学系12の合焦レンズ15が相対的に軸AX4方向に移動し、視度差の調整が行われる。
次に、双眼鏡1Aの動作を説明する。まず、双眼鏡1Aの焦点調整の動作について説明する。図17は、双眼鏡1の焦点調整の動作を示す図であり、(A)は焦点調整前の状態、(B)は焦点調整後の状態をそれぞれ示す。なお、図17(B)には、一例として、焦点調整軸20Aが+Y側に移動して、焦点調整を行う場合の例を示すが、焦点調整軸20Aが−Y側に移動して焦点調整を行う場合、図17(B)に示す各部の移動方向が反対になる点以外の動作は同様である。
双眼鏡1Aにおいて、焦点調整を行う場合、焦点調整軸20Aの回転により、第1部分29A、駆動部材23A、及び接続部材24Aが軸方向(軸AX1と平行な方向)に移動して第1光学系12を光軸AX4に沿って移動させ、かつ、第2部分30が軸方向に移動して第2光学系18を光軸AX5に沿って移動させる。例えば、まず、図17(B)に示すように、操作部21を操作する。操作部21の操作により、焦点調整軸20Aは、軸AX1方向(本例では、+Y側)に移動する。この際、焦点調整軸20Aは、上記したように、操作部21との供回りが防止されているので、焦点調整軸20Aは回転せずに+Y側に移動する。焦点調整軸20Aが+Y側に移動すると、移動部材22Aの第1部分29A及び第2部分30A(部分64、部分65)は、それぞれ、+Y側に移動する。第2部分30Aが+Y側に移動することにより、第2光学系18の合焦レンズ15も+Y側に移動して焦点調整が行われる。また、第1部分29Aが+Y側に移動すると、駆動部材23A及び接続部材24A(部分66、部分67)も、それぞれ、+Y側に移動する。接続部材24Aが+Y側に移動することにより、第1光学系12の合焦レンズ15も+Y側に移動して焦点調整が行われる。なお、第1光学系12の合焦レンズ15の+Y側への移動量、及び第2光学系18の合焦レンズ15の+Y側への移動量は、それぞれ、焦点調整軸20Aの移動量と同じになる。
次に、双眼鏡1Aの視度差調整の動作について説明する。図18は、双眼鏡1Aの視度差調整の動作を示す図であり、(A)は視度差調整前の状態、(B)は視度差調整後の状態をそれぞれ示す。なお、図18(B)には、一例として、視度差調整軸53が+Y側に移動して、視度差調整を行う場合の例を示すが、視度差調整軸53が−Y側に移動して視度差調整を行う場合、図18(B)に示す各部の移動方向が反対になる点以外の動作は同様である。
双眼鏡1Aにおいて、視度差調整を行う場合、視度差調整軸54の回転により、駆動部材23Aが回転して接続部材24Aを軸方向(Y方向と平行な方向)に移動させ、第1光学系12の位置を保持したまま第2光学系18を光軸AX5に沿って移動させる。例えば、まず、図18(B)に示すように、操作部54を操作する。操作部54の操作により、視度差調整軸53は回転する。視度差調整軸53が回転すると、視度差調整軸53と共に駆動部材23Aが回転する。駆動部材23Aが回転すると、駆動部材23Aのねじ山41と接続部材24Aのねじ山42が噛み合わされるため、接続部材24A(部分66、部分67)は、それぞれ、+Y側に移動する。接続部材24Aが+Y側に移動することにより、第1光学系12の合焦レンズ15は+Y側に移動する。この際、接続部材24Aは+Y側に移動するが、駆動部材23Aは移動しない。すなわち、接続部材24Aが駆動部材23Aに対して相対的に+Y側に移動することにより、第2光学系18の合焦レンズ15に対して、第1光学系12の合焦レンズ15が相対的に軸AX4方向における+Y側に移動して、視度差の調整が行われる。また、この視度差の調整の後、上記に説明した焦点の調整を行うことができる。この場合、視度差の調整後の第2光学系18の位置(第1光学系12に対しての第2光学系18の相対位置)を保持したまま、上記した焦点の調整により、第1光学系12を光軸AX4に沿って移動させる。これにより、視度差の調整結果が保持された状態で、焦点の調整が行われる。
以上、説明したように、本実施形態の双眼鏡1Aは、構造がシンプルで、操作性がよいものである。
なお、本発明の技術範囲は、上述の実施形態などで説明した態様に限定されるものではない。上述の実施形態などで説明した要件の1つ以上は、省略されることがある。また、上述の実施形態などで説明した要件は、適宜組み合わせることができる。また、法令で許容される限りにおいて、上述の実施形態などで引用した全ての文献の開示を援用して本文の記載の一部とする。