JP6958149B2 - 粉末材料、およびこれから得られる立体造形物 - Google Patents

粉末材料、およびこれから得られる立体造形物 Download PDF

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本発明は、粉末材料、およびこれから得られる立体造形物に関する。
近年、複雑な形状の立体造形物を比較的容易に製造できる様々な方法が開発されており、その一つとして、粉末床溶融結合法が知られている。粉末床溶融結合法は、造形精度が高く、最終製品の形状または性質を確認するための試作品の製造のみならず、最終製品の製造にも用いることが可能である。
粉末床溶融結合法では、樹脂粒子または金属粒子を含む粉末材料を平らに敷き詰めて薄膜を形成する。そして、当該薄膜の所望の位置にレーザを照射し、粉末材料を選択的に焼結により結合または溶融により結合(以下、単に「溶融結合」とも称する)させて、立体造形物を厚さ方向に微分割した層(以下、単に「造形物層」とも称する)のひとつを形成する。そして当該造形物層上に、さらに粉末材料を敷き詰め、レーザを照射して次の造形物層を形成する。この手順を繰り返して、造形物層を積み上げていくことで、所望の形状の立体造形物を製造する。
ここで、このような粉末床溶融結合法に使用する粒子として、任意の樹脂を含むコアと、当該コアの外側に形成された、環状オリゴマーを含むシェルと、を有する粒子が提案されている(特許文献1)。また、金属やセラミック、ポリマー等を含むコアと、当該コアの外側に形成され、コアより軟化点の低い樹脂を含むシェルと、を含む粒子も提案されている(特許文献2)。
特開2007−22084号公報 特表2005−536324号公報
前述のように、粉末床溶融結合法で立体造形物1を作製する場合、図1Aに示すように、先に形成した造形物層1a上に、樹脂粒子(粉末材料)2を敷き詰め、当該樹脂粒子2にレーザを照射して樹脂粒子2を溶融させる。このとき、レーザ照射によって溶融した樹脂粒子2の粘度が高かったり、溶融した樹脂粒子2と造形物層1aとの濡れ性が低い場合、図1Bに示すように、樹脂粒子2どうしの間や、樹脂粒子2と造形物層1aとの間に内部欠陥(空隙やボイド等)3が生じやすい。また特に造形物層どうし(1aおよび1b)の界面に内部欠陥3が集中しやすい。このような内部欠陥3を有する立体造形物1では、図1Cに示すように、造形物層1aおよび1bの積層面と垂直(図1Cにおいて、矢印で示す方向)に応力がかかると、内部欠陥3に応力が集中しやすく、当該内部欠陥3からさらにクラックが入ったり、脆性破壊が生じたりしやすいとの課題があった。
ここで、上記特許文献1には、シェルに環状オリゴマーを含むコアシェル状の樹脂粒子等が示されているが、当該樹脂粒子は造形物層の積層面の強度を考慮して設計されたものではなく、従来の樹脂粒子と同様に、造形物層の積層面と垂直に応力がかかった際には、割れやクラック等が生じることがある。一方、特許文献2には、低い軟化点を有する樹脂をシェルに含む樹脂粒子が示されている。ただし、当該樹脂粒子も、造形物層の積層面の強度を勘案したものではなく、同様に、造形物層と垂直方向の応力によって、割れやクラック等が生じる、との課題があった。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものである。すなわち本発明は、造形物層の積層面に垂直にかかる応力に対しても強度の高い、立体造形物を得ることが可能な粉末材料の提供を目的とする。
本発明の第1は、以下の粉末材料にある。
[1]樹脂粒子を含む粉末材料の薄層にレーザ光を選択的に照射して、前記樹脂粒子が焼結または溶融結合してなる造形物層を形成し、前記造形物層を積層することによる立体造形物の製造に使用される粉末材料であって、前記樹脂粒子は、中心側に、25℃における貯蔵弾性率が1000MPa以上である高弾性樹脂を含み、表面側に、25℃における貯蔵弾性率が200MPa以下である低弾性樹脂を含み、前記樹脂粒子の表面を観察したときに、実質的に前記低弾性樹脂からなる領域の面積が、前記樹脂粒子の表面積に対して、平均30%以上である、粉末材料。
[2]前記低弾性樹脂の貯蔵弾性率Bに対する、前記高弾性樹脂の貯蔵弾性率Aの値(A/B)が、100〜1500である、[1]に記載の粉末材料。
[3]前記高弾性樹脂の含有量100質量部に対する、前記低弾性樹脂の含有量が1〜10質量部である、[1]または[2]に記載の粉末材料。
[4]前記樹脂粒子は、前記低弾性樹脂を、前記樹脂粒子の表面から、前記樹脂粒子の平均最大粒径に対して1/20までの領域に含む、[1]〜[3]のいずれかに記載の粉末材料。
[5]前記樹脂粒子の平均最大粒径が、5〜100μmである、[1]〜[4]のいずれかに記載の粉末材料。
[6]前記低弾性樹脂の軟化点が、70℃以上である、[1]〜[5]のいずれかに記載の粉末材料。
本発明の第2は、以下の立体造形物にある。
[7]前記[1]〜[6]のいずれかに記載の粉末材料の凝集物である、立体造形物。
本発明の粉末材料によれば、造形物層の積層面に垂直にかかる応力に対して強度の高い、立体造形物を得ることが可能である。
図1は、従来の粉末材料を用いた立体造形物の製造方法や、その強度を説明するための模式図である。 図2A〜図2Cは、本発明の粉末材料の構造を模式的に示す図である。 図3は本発明の一実施形態における立体造形装置の構成を概略的に示す側面図である。 図4は本発明の一実施形態における立体造形装置の制御系の主要部を示す図である。
前述のように、粉末床溶融結合法では、粉末材料が含む樹脂粒子を溶融結合させて造形物層を形成する。そのため、樹脂粒子の種類や、造形物層の形成条件によっては、造形物層どうしの界面に、特に内部欠陥(空隙やボイド等)が生じやすかった。そして、このような内部欠陥が生じると、得られる立体造形物において、造形物層の積層面に垂直にかかる応力に対して強度が低くなりやすく、例えばクラックや脆性破壊等が生じやすかった。
このような課題に対し、本発明者らは、中心側に、25℃における貯蔵弾性率が1000MPa以上である高弾性樹脂(以下、単に「高弾性樹脂」とも称する)を含み、表面側に、25℃における貯蔵弾性率が200MPa以下である低弾性樹脂(以下、単に「低弾性樹脂」とも称する)を含む樹脂粒子であって、当該樹脂粒子の表面に低弾性樹脂を一定以上の割合で含む樹脂粒子によれば、得られる立体造形物の脆性破壊強度、特に造形物層の積層面に垂直方向にかかる応力に対する破壊強度が高まることを見出した。
中心側に高弾性樹脂、表面側に低弾性樹脂を含む樹脂粒子にレーザを照射すると、樹脂粒子どうしが溶融結合する。このとき、中心側に位置する高弾性樹脂どうしが溶融結合することで、立体造形物の強度が十分に高まる。一方、溶融した樹脂粒子どうしの界面、もしくは溶融した樹脂粒子と先に形成した造形物層との界面の一部には、低弾性樹脂が含まれる。このような低弾性樹脂は、立体造形物にかかる応力を吸収する役割を果たすことができ、例えば、造形物層どうしの界面に内部欠陥が生じたとしても、当該内部欠陥への応力集中を抑制できる。したがって、内部欠陥を基点としたクラックや脆性破壊等が生じ難く、破壊強度の高い立体造形物を得ることができる。
以下、本発明の一実施形態に係る粉末材料について説明し、その後、当該粉末材料を用いた立体造形物の製造方法について説明する。
1.粉末材料
本実施形態の粉末材料は、粉末床溶融結合法による立体造形物の製造に用いられる。より具体的には、粉末材料を含む薄層の形成と、当該薄層への選択的なレーザ光照射とを繰返し、前記樹脂粒子の少なくとも一部どうしが溶融結合した造形物層を複数層積層して立体造形物を製造する方法に使用される。
粉末材料は、樹脂粒子を少なくとも含んでいればよく、樹脂粒子のみからなるものであってもよい。一方で、粉末材料は、レーザ光照射による樹脂粒子の溶融結合を妨げない範囲において、レーザ吸収剤やフローエージェント等、樹脂粒子以外の材料をさらに含んでいてもよい。
1−1.樹脂粒子
樹脂粒子の中心側には、25℃における貯蔵弾性率が1000MPa以上である高弾性樹脂が含まれ、表面側には、25℃における貯蔵弾性率が200MPa以下である低弾性樹脂が含まれる。ここで、本明細書において、樹脂粒子の中心側とは、樹脂粒子の中心から、樹脂粒子の直径の1/2までの領域をいう。一方、樹脂粒子の表面側とは、樹脂粒子の中心から直径の1/2超の位置から、表面までの領域をいう。なお、樹脂粒子の中心側には、少なくとも高弾性樹脂が含まれていればよく、低弾性樹脂が一部に含まれていてもよい。一方、樹脂粒子の表面側には、少なくとも低弾性樹脂が含まれていればよく、後述の樹脂粒子の表面積に対する、低弾性樹脂からなる領域の面積の割合(以下、「低弾性樹脂の表面占有率」とも称する)を満たす範囲において、高弾性樹脂が一部に含まれていてもよい。
樹脂粒子の構造の例(断面図)を図2A〜図2Cに示す。ただし、樹脂粒子の構造は、これらの構造に限定されるものではない。樹脂粒子は、例えば図2Aに示すように、中心側に位置する高弾性樹脂101をシート状の低弾性樹脂102が被覆する構造であってもよい。また、図2Bに示すように、中心側に位置する高弾性樹脂101の表面を、低弾性樹脂粒子102が覆う構造であってもよい。さらに、中心側に位置する高弾性樹脂101の表面を、低弾性樹脂粒子102および高弾性樹脂粒子101’が覆う構造であってもよい。このとき、中心側に位置する高弾性樹脂101および表面側に位置する高弾性樹脂粒子101’は、同一の種類であってもよく、異なる種類であってもよい。
ここで、樹脂粒子における低弾性樹脂の表面占有率、すなわち、表面を観察したとき、樹脂粒子の表面積に対する、実質的に低弾性樹脂からなる領域の面積(以下、単に「低弾性樹脂からなる領域」とも称する)の比率は、平均30%以上である。低弾性樹脂の表面占有率が平均30%以上であると、作製される造形物層どうしの界面に、低弾性樹脂が含まれやすくなる。したがって、立体造形物にクラックや欠陥が生じ難くなり立体造形物の破壊強度が高くなる。なお、本明細書において、「実質的に低弾性樹脂からなる領域」とは、低弾性樹脂を70質量%以上含む領域とする。
ここで、低弾性樹脂の表面占有率は、粘弾性マッピングモードを備える走査プローブ顕微鏡による観察により、特定することができる。粘弾性マッピングモードを備える走査プローブ顕微鏡の例としては、日立ハイテクサイエンス社製、SPA400/NanoNaviII SII等が挙げられる。上記表面占有率の特定方法としては、走査プローブ顕微鏡により、任意の30個の樹脂粒子表面を観察し、これらの表面積の平均値を算出する。一方で、樹脂粒子の表面における粘弾性の違いを可視化し、低弾性樹脂からなる領域の面積を特定し、その平均値を算出する。そして、算出された表面積の平均値、および低弾性樹脂からなる領域の面積の平均値に基づき、低弾性樹脂の表面占有率を算出する。
なお、低弾性樹脂の表面占有率は、平均値が30%以上であればよく、上記表面占有率を満たさない樹脂粒子が一部に含まれていてもよい。また、低弾性樹脂の表面占有率は、造形物層の積層面に垂直方向の強度を高めるとの観点から、30〜100%であることが好ましく、40〜90%であることがより好ましい。ただし、低弾性樹脂の表面占有率が多くなると、樹脂粒子の流動性が低下する傾向にある。そこで、低弾性樹脂の表面占有率が大きい場合には、粉末材料に、後述のフローエージェントが含まれることが好ましい。
また樹脂粒子において、低弾性樹脂は粒子全体に含まれていてもよいが、立体造形物の強度(例えば引張強度)を高めるとの観点からは、樹脂粒子の表面に近い領域にのみ含まれていることが好ましい。より具体的には、表面から平均最大粒径に対して1/20までの厚みの領域に実質的に全ての低弾性樹脂が含まれていることが好ましく、表面から平均最大粒径に対して1/30までの厚みの領域に実質的に全ての低弾性樹脂が含まれていることがより好ましい。
低弾性樹脂がいずれの領域に含まれているかは、以下のように特定することができる。まず、樹脂粒子を光硬化樹脂等に分散させた後、光硬化樹脂を光硬化させてブロックを形成する。そして、ダイヤモンド歯を備えたミクロトームを用い、上記ブロックから、任意の樹脂粒子について、当該粒子の最大粒径となる部分を含むように、ブロックを切断する。30個の樹脂粒子について同様にサンプルを作製し、これらの最大粒径の平均値を算出する。一方で、当該サンプル(樹脂粒子の切断面)について、粘弾性マッピングモードを有する走査プローブ顕微鏡(例えば、日立ハイテクサイエンス社製、SPA400/NanoNaviII SII)にて、低弾性樹脂を含む領域を可視化し、樹脂粒子一つにつき10箇所ずつ、低弾性樹脂を含む領域の厚み(表面からの距離)を測定する。そして、測定された低弾性樹脂を含む領域の厚みの平均値と、樹脂粒子の平均最大粒径とから、樹脂粒子の平均最大粒径に対してどの位置まで低弾性樹脂が含まれているかを特定する。
なお、樹脂粒子の平均最大粒径は、5〜100μmであることが好ましく、20〜80μmであることがより好ましく、30〜70μmであることがさらに好ましい。樹脂粒子の平均最大粒径が、5μm以上であると、効率良く立体造形物を作製することが可能となる。一方、樹脂粒子の平均最大粒径が100μm以下であると、立体造形物を高精細に作製することが可能となる。
また、樹脂粒子の円形度は0.95以上であることが好ましく、0.96以上であることがより好ましく、0.97以上であることがさらに好ましい。樹脂粒子の円形度が0.95以上であると、個々の樹脂粒子の体積が均一になりやすく、所望の形状に造形物層を形成しやすくなる。上記円形度は、樹脂粒子の平均円形度を示し、「FPIA−2100」(Sysmex社製)を用いて測定される値である。
具体的には、樹脂粒子を界面活性剤水溶液に湿潤させ、超音波分散を1分間行う。そして、「FPIA−2100」を用い、測定条件HPF(高倍率撮像)モードにて、HPF検出数3000〜10000個の適正濃度で測定を行う。この範囲であれば、再現性のある測定値が得られる。円形度は下記式で計算される。
円形度=(粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長)/(粒子投影像の周囲長)
また平均円形度は、各粒子の円形度を足し合わせ、測定した全粒子数で割った算術平均値である。
樹脂粒子に含まれる低弾性樹脂の量は、樹脂粒子に含まれる高弾性樹脂の質量100質量部に対して1〜10質量部であることが好ましく、2〜8質量部であることがより好ましく、3〜6質量部であることがさらに好ましい。低弾性樹脂の含有量が1質量部以上であると、立体造形物にかかる応力を低弾性樹脂が十分に吸収し、立体造形物の割れやクラックを抑制することができる。一方、低弾性樹脂の量が過度に多いと、相対的に高弾性樹脂の量が少なくなり、得られる立体造形物の強度が低くなりやすいが、10質量部以下であれば、十分に強度の高い立体造形物が得られやすくなる。
ここで低弾性樹脂は、25℃における貯蔵弾性率が200MPa以下である樹脂であればよい。立体造形物の強度と応力吸収性との観点から、低弾性樹脂の25℃における貯蔵弾性率は、0.1〜150MPaであることがより好ましく、1〜100MPaであることがさらに好ましい。
ここで、低弾性樹脂の貯蔵弾性率は、以下の方法で測定される値である。まず、樹脂粒子を光硬化性樹脂(例えば日本電子社製、D−800)に分散させた後、光硬化性樹脂を光硬化させてブロックを形成する。そして、ダイヤモンド歯を備えたミクロトームを用い、上記ブロックから、実質的に低弾性樹脂を含む領域について、厚さ100〜200nmの薄片状のサンプルを切り出す。30個の樹脂粒子について、同様のサンプルを作製する。そして、微小硬度評価装置(MTS社製、Nano Indenter SA2)にて、圧子の最大押し込み深さ200nm、歪速度0.05sec−1、変位振幅2nm、振動周波数45Hzの条件でナノインデンテーション試験を行い、各サンプル(低弾性樹脂または高弾性樹脂)の貯蔵弾性率(MPa)の平均値を貯蔵弾性率として採用する。
上記貯蔵弾性率を満たす低弾性樹脂の例には、熱可塑性エラストマーおよび熱硬化性エラストマーが含まれる。熱可塑性エラストマーの具体例には、エチレン−プロピレンゴム(EPM)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)などのオレフィン系エラストマー;スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、スチレン−ブタジエン−スチレンゴム(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンゴム(SIS)、スチレン−エチレン−ブタジエンゴム、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンゴム(SEBS)、スチレン−イソブチレン−スチレンブロックゴム(SIBS)、スチレン−イソプレン−プロピレン−スチレンゴム等のスチレン系エラストマー;ブチルゴム、ポリイソブチレンゴム、ポリブテン、ポリイソプレンゴム、ニトリルブタジエンゴム(NBR)などのブチル系エラストマー;クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム等の塩化ビニル系エラストマー;ウレタン系エラストマー等が含まれる。一方、熱硬化性エラストマーの例には、シリコーンゴム、フッ素ゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、ポリアミドゴム、多硫化ゴム、天然ゴム等が含まれる。
なお、1つの樹脂粒子には、低弾性樹脂が1種のみ含まれていてもよく、2種以上含まれていてもよい。上記の中でも、亀裂進展の抑制の観点から低弾性樹脂は、シリコーンゴム、熱可塑性エラストマーであることが好ましく、オレフィン系エラストマーであることがより好ましい。
また、低弾性樹脂の軟化点は、70℃以上であることが好ましく、90℃以上であることがより好ましく、100℃以上であることがさらに好ましい。低弾性樹脂の軟化点が70℃以上であると、立体造形物の製造の際に予備加熱したとしても、樹脂粒子どうしが結着し難くなる。その結果、寸法精度の高い立体造形物が得られやすくなる。
一方、高弾性樹脂は、25℃における貯蔵弾性率が1000MPa以上である樹脂であればよく、立体造形物の強度の観点から、高弾性樹脂の25℃における貯蔵弾性率は5000MPa以上であることがより好ましく、7000MPa以上であることがさらに好ましい。貯蔵弾性率は、低弾性樹脂の貯蔵弾性率と同様に測定される。
ここで、低弾性樹脂の貯蔵弾性率Bに対する高弾性樹脂の貯蔵弾性率Aの値(A/B)は、100〜1500であることが好ましく、250〜1200であることがより好ましく、500〜1000あることがさらに好ましい。低弾性樹脂の貯蔵弾性率Bが大きく、A/Bの値が過剰に小さくなると、立体造形物にかかる応力が低弾性樹脂によって十分に吸収され難くなる。一方、低弾性樹脂の貯蔵弾性率Bが小さく、A/Bの値が過剰に大きくなると、立体造形物の強度が低下しやすくなる。
上記貯蔵弾性率を満たす高弾性樹脂の例には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリアセタール、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリフェニルサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、結晶性ポリエステル等の結晶性の樹脂;ポリスチレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、アクリルニトリル・ブタジエン・スチレンコポリマ(ABS)、アクリルポリマー、ポリカーボネート、スチレン・アクリロニトリルコポリマー(SAN)、ポリアリレート、ポリフェニレンエーテル、ポリカプロラクトン等の非結晶性の樹脂;が含まれる。
なお、1つの樹脂粒子には、高弾性樹脂が1種のみ含まれていてもよく、2種以上含まれていてもよい。上記の中でも、造形物の強度の観点から高弾性樹脂は結晶性の樹脂であることが好ましく、ポリプロピレン、ナイロンであることがより好ましい。
ここで、樹脂粒子には、本発明の目的を損なわない範囲で、上述の低弾性樹脂および高弾性樹脂以外の樹脂や各種添加剤等が含まれていてもよい。ただしその量は、樹脂粒子の質量100質量部に対して、2質量部以下であることが好ましく0.5質量部以下であることがより好ましい。
1−2.その他の材料
前述のように、粉末材料には、上記樹脂粒子以外の成分が含まれていてもよく、その例には、レーザ吸収剤や、フローエージェント等が含まれる。
1−2−1.レーザ吸収剤
レーザの光エネルギーをより効率的に熱エネルギーに変換する観点から、粉末材料には、レーザ吸収剤がさらに含まれていてもよい。レーザ吸収剤は、使用する波長のレーザを吸収して熱を発する材料であればよい。このようなレーザ吸収剤の例には、カーボン粉末、ナイロン樹脂粉末、顔料、および染料が含まれる。これらのレーザ吸収剤は、粉末材料に一種のみ含まれていてもよく、二種以上含まれていてもよい。
レーザ吸収剤の量は、上記樹脂粒子の溶融結合が容易になる範囲で適宜設定することができる。例えば、粉末材料の全質量に対して、0質量%より多く3質量%未満とすることができる。
1−2−2.フローエージェント
粉末材料の流動性を向上させ、立体造形物の製造時における粉末材料の取り扱いを容易にする観点から、粉末材料には、フローエージェントがさらに含まれていてもよい。フローエージェントは、摩擦係数が小さく、自己潤滑性を有する材料であればよい。このようなフローエージェントの例には、二酸化ケイ素および窒化ホウ素が含まれる。粉末材料には、これらのフローエージェントが、一種のみ含まれていてもよく、二種含まれていてもよい。
フローエージェントの量は、粉末材料の流動性を向上させ、かつ、樹脂粒子(少なくとも高弾性樹脂)の溶融結合が十分に生じる範囲で適宜設定することができ、たとえば、粉末材料の全質量に対して、0質量%より多く2質量%未満とすることができる。
2.粉末材料の製造方法
上記粉末材料の製造方法は、特に制限されず、公知の方法で製造することができる。例えば、粉末材料が、前述の樹脂粒子のみ含む場合には、当該樹脂粒子をそのまま粉末材料として用いることができる。一方、粉末材料が樹脂粒子と、その他の材料とを含む場合、粉末状にしたその他の材料と、樹脂粒子とを撹拌混合して製造することができる。以下、樹脂粒子の調製方法について説明する。
(樹脂粒子の調製方法)
前述の樹脂粒子の調製方法は、樹脂粒子の形状等に応じて適宜選択される。例えば、図2Cに示すように、高弾性樹脂101が、低弾性樹脂粒子102および高弾性樹脂粒子101’で覆われている樹脂粒子は、高弾性樹脂からなる粒子(以下、「高弾性樹脂粒子A」とも称する)を準備する工程と、当該高弾性樹脂粒子Aの表面に、低弾性樹脂からなる粒子(以下、「低弾性樹脂粒子」とも称する)と、高弾性樹脂からなる粒子(以下、「高弾性樹脂粒子B」とも称する)とを付着させる工程と、によって調製することができる。
高弾性樹脂粒子A、低弾性樹脂粒子、および高弾性樹脂粒子Bは、それぞれ調製してもよく、市販品を用いてもよい。これらの調製方法は、公知の樹脂粒子の調製方法と同様とすることができる。なお、高弾性樹脂粒子Aの平均粒径は、所望の樹脂粒子の平均最大粒径の60〜95%であることが好ましく、70〜90%であることがより好ましい。高弾性樹脂粒子Aの粒径は、上述の樹脂粒子のマルチサイザー3(べックマン・コールター社製)により特定される値である。
一方、低弾性樹脂粒子および高弾性樹脂粒子Bの平均粒径は、所望の樹脂粒子の平均最大粒径の0.1〜10%であることが好ましく、0.5〜5%であることが好ましい。低弾性樹脂粒子および高弾性樹脂粒子Bの粒径は、上述の高弾性樹脂粒子Aと同様に特定される。低弾性樹脂粒子の平均粒径が当該範囲であると、前述のように、樹脂粒子の表面側にのみ低弾性樹脂粒子を含めることが可能となる。
なお、低弾性樹脂粒子および高弾性樹脂粒子Bの平均粒径は略同等であることが好ましい。これらの平均粒径が略同等であると、高弾性樹脂Aの周囲に均一にこれらの粒子を付着させることができ、ひいては寸法精度の高い立体造形物が得られやすくなる。また、当該方法で樹脂粒子を調製する場合、低弾性樹脂粒子と高弾性樹脂粒子Bとの混合比によって、前述の低弾性樹脂の表面占有率を調整することが可能である。
ここで、高弾性樹脂粒子Aの周囲に低弾性樹脂粒子および高弾性樹脂粒子Bを付着させる方法は特に制限されず、例えば、高弾性樹脂粒子A、低弾性樹脂粒子、および高弾性樹脂粒子Bを撹拌混合して、高弾性樹脂粒子Aの表面に機械的衝撃により、低弾性樹脂および高弾性樹脂粒子B付着させる方法等とすることができる。
なお、図2Bに示すように、高弾性樹脂101の周囲が、低弾性樹脂粒子102のみで覆われている樹脂粒子は、上記と同様に、高弾性樹脂からなる粒子表面に、低弾性樹脂からなる粒子を機械的衝撃により付着させること等により、調製することができる。
一方、図2Aに示すように、高弾性樹脂101の周囲が、シート状の低弾性樹脂102で覆われている樹脂粒子は、高弾性樹脂からなる粒子を準備する工程と、当該高弾性樹脂粒子の表面に、低弾性樹脂を含む溶液を湿式コート法によって塗布する工程と、により調製することができる。
湿式コート法の例には、高弾性樹脂の表面に、低弾性樹脂を溶媒に溶解させた溶液をスプレー塗布する方法や、高弾性樹脂を当該溶液中に浸漬する方法が含まれる。湿式コート法で溶液を塗布した場合、必要に応じて溶媒を乾燥させる。当該方法によれば、低弾性樹脂の表面占有率が高い樹脂粒子が得られやすくなる。
3.立体造形物の製造方法
次に、前述の粉末材料を用いて立体造形物を製造する方法を説明する。本実施形態の立体造形物の製造方法では、前記粉末材料を用いるほかは、通常の粉末床溶融結合法と同様に行うことができる。具体的には、(1)前述の粉末材料からなる薄層を形成する薄層形成工程と、(2)粉末材料からなる薄層にレーザ光を選択的に照射して、前記粉末材料に含まれる樹脂粒子どうしが溶融結合した造形物層を形成するレーザ光照射工程と、を含む方法とすることができる。そして工程(1)および工程(2)を複数回繰り返し、造形物層を積層することで、立体造形物を製造することができる。なお、必要に応じて、粉末材料を予備加熱する工程(工程(3))を行ってもよい。このとき工程(1)および工程(3)は、いずれを先に行ってもよい。
3−1.薄層形成工程(工程(1))
本工程では、前記粉末材料の薄層を形成する。たとえば、粉末供給部から供給された前記粉末材料を、リコータによって造形ステージ上に平らに敷き詰める。薄層は、造形ステージ上に直接形成してもよいし、すでに敷き詰められている粉末材料またはすでに形成されている造形物層の上に接するように形成してもよい。
薄層の厚さは、所望の造形物層の厚さと同じとする。薄層の厚さは、製造しようとする立体造形物の精度に応じて任意に設定することができるが、通常、0.01mm以上0.30mm以下である。薄層の厚さを0.01mm以上とすることで、次の造形物層を形成するためのレーザ光照射によって下の層の樹脂粒子が溶融結合されることを防ぐことができる。均一な粉体の敷き詰めが可能となる。また、薄層の厚さを0.30mm以下とすることで、レーザ光のエネルギーを薄層の下部まで伝導させて、薄層を構成する粉末材料に含まれる樹脂粒子を、厚み方向の全体にわたって十分に溶融結合させることができる。前記観点からは、薄層の厚さは0.01mm以上0.10mm以下であることがより好ましい。また、薄層の厚み方向の全体にわたってより十分に樹脂粒子を溶融結合させ、造形物層の割れをより生じにくくする観点からは、薄層の厚さは、後述するレーザ光のビームスポット径との差が0.10mm以内になるよう設定することが好ましい。
3−2.レーザ光照射工程(工程(2))
本工程では、粉末材料からなる薄層のうち、造形物層を形成すべき位置にレーザ光を選択的に照射し、照射された位置の樹脂粒子の少なくとも一部どうし(主に高弾性樹脂どうし)を溶融結合させる。溶融した樹脂粒子(主に高弾性樹脂)は、隣接する樹脂粒子(高弾性樹脂)と溶融し合って溶融結合体を形成し、造形物層となる。このとき、レーザ光のエネルギーを受け取った樹脂粒子は、すでに形成された造形物層とも溶融結合するため、隣り合う層間の接着も生じる。
レーザ光の波長は、樹脂粒子が吸収する波長の範囲内で設定すればよい。このとき、レーザ光の波長と、樹脂粒子の吸収率が最も高くなる波長との差が小さくなるようにすることが好ましいが、一般的に樹脂は様々な波長域の光を吸収するため、COレーザ等の波長帯域の広いレーザ光を用いることが好ましい。たとえば、レーザ光の波長は、例えば0.8μm以上12μm以下とすることができる。
レーザ光の出力時のパワーは、後述するレーザ光の走査速度において、樹脂粒子が十分に溶融結合する範囲内で設定すればよい。具体的には、5.0W以上60W以下とすることができる。レーザ光のエネルギーを低くして、製造コストを低くし、かつ、製造装置の構成を簡易なものにする観点からは、レーザ光の出力時のパワーは30W以下であることが好ましく、20W以下であることがより好ましい。
レーザ光の走査速度は、製造コストを高めず、かつ、装置構成を過剰に複雑にしない範囲内で設定すればよい。具体的には、1m/秒以上10m/秒以下とすることが好ましく、2m/秒以上8m/秒以下とすることがより好ましく、3m/秒以上7m/秒以下とすることがさらに好ましい。また、レーザ光のビーム径は、製造しようとする立体造形物の精度に応じて適宜設定することができる。
3−3.予備加熱工程(工程(3))
前述のように、粉末材料を予備加熱する工程を行ってもよい。前述のように、工程(1)を行ってから予備加熱(工程(3))を行ってもよく、予備加熱(工程(3))を行ってから工程(1)を行ってもよい。
予備加熱温度は、高弾性樹脂および低弾性樹脂の種類によって適宜選択される。予備加熱温度は、50℃以上300℃以下であることが好ましく、100℃以上250℃以下であることがより好ましく、140℃以上250℃以下であることがさらに好ましく、140℃以上200℃以下であることがさらに好ましい。
またこのとき、加熱時間は1〜30秒とすることが好ましく、5〜20秒とすることがより好ましい。加熱温度および加熱時間を上記範囲とすることで、樹脂粒子(主に高弾性樹脂)を十分に軟化もしくは溶解させることができ、少ないレーザエネルギー量で立体造形物を製造することが可能となる。
3−4.工程(1)〜工程(3)の繰返しについて
立体造形物の製造の際には、上述の工程(1)〜工程(3)を、任意の回数繰り返す。これにより、造形物層が積層されて、所望の立体造形物が得られることとなる。
3−5.その他
なお、溶融結合中の樹脂粒子の酸化等によって、立体造形物の強度が低下することを防ぐ観点からは、少なくとも工程(2)は減圧下または不活性ガス雰囲気中で行うことが好ましい。減圧するときの圧力は10−2Pa以下であることが好ましく、10−3Pa以下であることがより好ましい。本実施形態で使用することができる不活性ガスの例には、窒素ガスおよび希ガスが含まれる。これらの不活性ガスのうち、入手の容易さの観点からは、窒素(N)ガス、ヘリウム(He)ガスまたはアルゴン(Ar)ガスが好ましい。製造工程を簡略化する観点からは、工程(1)〜工程(3)のすべてを減圧下または不活性ガス雰囲気中で行うことが好ましい。
4.立体造形装置
上記立体造形物の製造方法に使用可能な立体造形装置について説明する。本実施形態に用いることが可能な立体造形装置は、公知の立体造形装置と同様の構成とすることができる。具体的には、本実施形態に係る立体造形装置200は、図3の概略側面図に示すように、開口内に位置する造形ステージ210、粉末材料からなる薄層を形成するための薄層形成部220、粉末材料を予備加熱するための予備加熱部230、薄層にレーザ光を照射するためのレーザ照射部240、鉛直方向の位置を可変に造形ステージ210を支持するステージ支持部250、および上記各部を支持するベース290を備える。
一方、立体造形装置200の制御系の主要部を図4に示す。図4に示すように、立体造形装置200は、薄層形成部220、予備加熱部230、レーザ照射部240、およびステージ支持部250を制御して、造形物の形成および積層を行う制御部260、各種情報を表示するための表示部270、ユーザーからの指示を受け付けるためのポインティングデバイス等を含む操作部275、制御部260の実行する制御プログラムを含む各種の情報を記憶する記憶部280、ならびに外部機器との間で立体造形データ等の各種情報を送受信するためのインターフェース等を含むデータ入力部285を備えてもよい。また、立体造形装置200は、造形ステージ210上に形成された薄層の表面温度を測定する温度測定器235を備えてもよい。また立体造形装置200には、立体造形用のデータを生成するためのコンピュータ装置300が接続されてもよい。
造形ステージ210は、昇降可能に制御され、当該造形ステージ210上で、薄層形成部220による薄層の形成、予備加熱部230による粉末材料の予備加熱、およびレーザ照射部240によるレーザ光の照射が行われる。そして、これらによって形成された造形物が積層されて、立体造形物が形成される。
薄層形成部220は、粉末材料を収納する粉末材料収納部221aと、粉末材料収納部221aの底部に設けられ開口内を昇降する供給ピストン221bとを備える粉末供給部221、および粉末供給部221から供給された粉末材料を造形ステージ210上に平らに敷き詰めて、粉末材料の薄層を形成するリコータ222aを備えた構成とすることができる。本実施形態では、粉末材料収納部221aの開口部の上面が、造形ステージ210を昇降させる(立体造形物を形成するための)開口部の上面と、ほぼ同一平面上に配置されている。
なお、粉末供給部221は、造形ステージ210に対して鉛直方向上方に設けられた粉末材料収納部(不図示)と、当該粉末材料収納部に収納された粉末材料を、所望の量ずつ吐出するためのノズル(不図示)と、を備える構成としてもよい。この場合、ノズルから造形ステージ210上に、均一に粉末材料を吐出することで、薄層を形成することが可能となる。
予備加熱部230は、粉末材料のうち、造形物層を形成すべき領域を加熱し、その温度を維持できるものであればよい。本実施形態では、予備加熱部230が、造形ステージ210上に形成された薄層の表面を加熱可能な第1のヒータ231と、造形ステージ上に供給される前の粉末材料を加熱する第2のヒータ232とを備えるが、これらはいずれか一方のみであってもよい。また、予備加熱部230は、上記造形物層を形成すべき領域を選択的に加熱する構成であってもよい。また、装置内の全体を予め加熱しておいて、上記薄層の表面を所定の温度に調温する構成であってもよい。
温度測定器235は、薄層の表面温度、特に造形物層を形成すべき領域の表面温度を非接触で測定できるものであればよく、たとえば、赤外線センサまたは光高温計とすることができる。
レーザ照射部240は、レーザ光源241およびガルバノミラー242aを含む構成とすることができる。レーザ照射部240は、レーザ光を透過させるレーザ窓243およびレーザ光の焦点距離を薄層の表面にあわせるためのレンズ(不図示)を備えていてもよい。レーザ光源241は、前記波長のレーザ光を、前記出力で出射する光源であればよい。レーザ光源241の例には、YAGレーザ光源、ファイバレーザ光源およびCOレーザ光源が含まれる。ガルバノミラー242aは、レーザ光源241から出射したレーザ光を反射してレーザ光をX方向に走査するXミラーおよびY方向に走査するYミラーから構成されてもよい。レーザ窓243は、レーザ光を透過させる材料からなるものであればよい。
ステージ支持部250は、造形ステージ210の鉛直方向の位置を可変に支持するものであればよい。すなわち、造形ステージ210は、ステージ支持部250によって鉛直方向に精密に移動可能に構成されている。ステージ支持部250としては、種々の構成を採用できるが、例えば、造形ステージ210を保持する保持部材と、この保持部材を鉛直方向に案内するガイド部材と、ガイド部材に設けられたねじ孔に係合するボールねじ等で構成することができる。
制御部260は、中央処理装置等のハードウェアプロセッサを含んでおり、立体造形物の造形動作中、立体造形装置200全体の動作を制御する。
また、制御部260は、たとえばデータ入力部285がコンピュータ装置300から取得した立体造形データを、造形物層の積層方向について薄く切った複数のスライスデータに変換するよう構成されてもよい。スライスデータは、立体造形物を造形するための各造形物層の造形データである。スライスデータの厚み、すなわち造形物層の厚みは、造形物層の一層分の厚さに応じた距離(積層ピッチ)と一致する。
表示部270は、たとえば液晶ディスプレイ、モニタとすることができる。
操作部275は、たとえばキーボードやマウスなどのポインティングデバイスを含むものとすることができ、テンキー、実行キー、スタートキー等の各種操作キーを備えてもよい。
記憶部280は、たとえばROM、RAM、磁気ディスク、HDD、SSD等の各種の記憶媒体を含むものとすることができる。
立体造形装置200は、制御部260の制御を受けて、装置内を減圧する、減圧ポンプなどの減圧部(不図示)、または、制御部260の制御を受けて、不活性ガスを装置内に供給する、不活性ガス供給部(不図示)を備えていてもよい。
ここで、本実施形態の立体造形装置200を用いた立体造形方法について、具体的に説明する。制御部260は、データ入力部285がコンピュータ装置300から取得した立体造形データを、造形物層の積層方向について薄く切った複数のスライスデータに変換する。その後、制御部260は、立体造形装置200における以下の動作の制御を行う。
粉末供給部221は、制御部260から出力された供給情報に従って、モーターおよび駆動機構(いずれも不図示)を駆動し、供給ピストンを鉛直方向上方(図2の矢印方向)に移動させ、前記造形ステージと水平方向同一平面上に、粉末材料を押し出す。
その後、リコータ駆動部222は、制御部260から出力された薄層形成情報に従って水平方向(図中矢印方向)にリコータ222aを移動させて、粉末材料を造形ステージ210に運搬し、かつ、薄層の厚さが造形物層の1層分の厚さとなるように粉末材料を押圧する。
予備加熱部230は、制御部260から出力された温度情報に従って所定の領域の粉末材料のみ、または装置内の全体を加熱する。上記温度情報は、たとえば、データ入力部285から入力された低弾性樹脂の軟化点や、高弾性樹脂の溶融温度等に基づいた情報等とすることができる。予備加熱部230は、薄層が形成された後に加熱を開始してもよいし、薄層が形成される前から形成されるべき薄層の表面に該当する箇所または装置内の加熱を行っていてもよい。
その後、レーザ照射部240は、制御部260から出力されたレーザ照射情報に従って、薄層上の、各スライスデータにおける立体造形物を構成する領域に適合して、レーザ光源241からレーザ光を出射し、ガルバノミラー駆動部242によりガルバノミラー242aを駆動してレーザ光を走査する。レーザ光の照射によって粉末材料に含まれる樹脂粒子の少なくとも一部(主に高弾性樹脂)が溶融結合し、造形物層が形成される。
その後、ステージ支持部250は、制御部260から出力された位置制御情報に従って、モーターおよび駆動機構(いずれも不図示)を駆動し、造形ステージ210を、積層ピッチだけ鉛直方向下方(図中矢印方向)に移動する。
表示部270は、必要に応じて、制御部260の制御を受けて、ユーザーに認識させるべき各種の情報やメッセージを表示する。操作部275は、ユーザーによる各種入力操作を受け付けて、その入力操作に応じた操作信号を制御部260に出力する。たとえば、形成される仮想の立体造形物を表示部270に表示して所望の形状が形成されるか否かを確認し、所望の形状が形成されない場合は、操作部275から修正を加えてもよい。
制御部260は、必要に応じて、記憶部280へのデータの格納または記憶部280からのデータの引き出しを行う。
これらの動作を繰り返すことで、造形物層が積層され、立体造形物が製造される。
以下において、本発明の具体的な実施例を説明する。なお、これらの実施例によって、本発明の範囲は限定して解釈されない。
<材料の準備>
粉末材料(樹脂粒子)の調製には、以下の材料を用いた。なお、高弾性樹脂および低弾性樹脂の貯蔵弾性率は、以下のように測定した。
まず、各樹脂を光硬化性樹脂(日本電子社製、D−800)に分散させた後、光硬化性樹脂を光硬化させてブロックを形成した。そして、ダイヤモンド歯を備えたミクロトームを用い、上記ブロックから、厚さ100〜200nmの薄片状のサンプルを切り出した。
その後、微小硬度評価装置(MTS社製、Nano Indenter SA2)にて、圧子の最大押し込み深さ200nm、歪速度0.05sec−1、変位振幅2nm、振動周波数45Hzの条件でナノインデンテーション試験を行い、各サンプル(低弾性樹脂、高弾性樹脂、またはその他樹脂)の25℃における貯蔵弾性率(MPa)を測定した。
Figure 0006958149
<粉末材料の調製>
・実施例1
平均粒径50μmのポリプロピレン(高弾性樹脂)粒子90質量部と、平均粒径5μmのポリプロピレン(高弾性樹脂)粒子(高弾性樹脂粒子)5質量部と、平均粒径5μmのシリコーンゴム(低弾性樹脂)粒子5質量部と、を混合した。そして、ハイブリダイザー(奈良機械製作所社製)で、回転数16000rpm、処理時間10分混合して、粉末材料(樹脂粒子)を得た。なお高弾性樹脂粒子、および低弾性樹脂粒子の平均粒径は、それぞれマルチサイザー3(べックマン・コールター社製)により求めた値である。
・実施例2〜12、および比較例1〜4
表2に示すように、高弾性樹脂または低弾性樹脂の種類、粒径、もしくは含有量を変更した以外は、実施例1と同様に粉末材料(樹脂粒子)を調製した。
<立体造形物の作製>
上記実施例および比較例で作製した粉末材料を造形ステージ上に敷き詰めて、厚さ0.1mmの薄層を形成した。この薄層に、以下の条件で、YAG波長用ガルバノメータスキャナを搭載した50W COレーザ(SPI社製)からISO 527−2−1BAに記載の試験片形状に、以下の条件でレーザ光を照射して、造形物層を作製した。上記工程を10回繰り返し、造形物層が10層積層された立体造形物を作製した。
[レーザ照射条件]
ガルバノメータスキャナ速度:3m/sec
スキャンスペース(走査間隔):0.2mm
レーザ出力:20W
レーザ光の波長:1.07μm
ビーム径:薄層表面で170μm
周囲雰囲気:窒素100%
周囲雰囲気(予備加熱)温度:70℃
<評価>
各実施例および比較例で使用した高弾性樹脂または低弾性樹脂の物性、および粉末材料(樹脂粒子)の物性を以下のように測定した。結果を表2に示す。
(樹脂粒子の平均最大粒径)
各樹脂粒子を光硬化樹脂(日本電子社製、D−800)に分散させた後、光硬化性樹脂を光硬化させてブロックを形成した。そして、ダイヤモンド歯を備えたミクロトームを用い、上記ブロックから、任意の樹脂粒子について、当該粒子の最大粒径となる部分を含むように、ブロックを切断した。30個の樹脂粒子について同様にサンプルを作製し、これらの最大粒径の平均値を樹脂粒子の平均最大粒径とした。
(低弾性樹脂の軟化点)
低弾性樹脂の軟化点は、「フローテスターCFT−500(島津製作所社製)」を用い、高さ10mmの円柱形状に成形し、昇温速度6℃/分で加熱しながらプランジャーより1.96×106Paの圧力を加え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出すようにし、これにより当該フローテスターのプランジャー降下量−温度間の曲線(軟化流動曲線)を描き、最初に流出する温度を溶融開始温度、降下量5mmに対する温度を軟化点とする法により求めた。
(低弾性樹脂の表面占有率)
走査プローブ顕微鏡(日立ハイテクサイエンス社製、SPA400/NanoNaviII SII)の粘弾性マッピングモードで、任意の30個の樹脂粒子表面を観察した。そして、高弾性樹脂および低弾性樹脂の弾性の差に基づき、樹脂粒子の表面積に対する、実質的に低弾性樹脂からなる領域の割合を特定した。そして、30個の樹脂粒子で算出された割合の平均値を算出し、これを低弾性樹脂の表面占有率として採用した。
(低弾性樹脂の含有範囲)
樹脂粒子の平均最大粒径の測定と同様に作製したサンプル(樹脂粒子の切断面)について、走査プローブ顕微鏡(日立ハイテクサイエンス社製、SPA400/NanoNaviII SII)の粘弾性マッピングモードで、低弾性樹脂を含む領域を可視化し、低弾性樹脂を含む領域の表面からの厚みを10箇所測定した。そして、30個のサンプル全てについて同様の測定を行い、低弾性樹脂を含む領域の厚みの平均値を算出した。そして、上述の樹脂粒子の平均最大粒径、および当該低弾性樹脂を含む領域の厚みの平均値に基づき、樹脂粒子の平均最大粒径に対する、低弾性樹脂の含有範囲の厚みの値を特定した。
(引張強度および破断時の伸び)
作製した立体造形物について、テンシロン引張試験機RTC−1250を使用し、JIS K7164に準拠して引張強度、および破断時の伸びを測定した。なお、引張強度および破断時の伸びは、造形物層の積層面に垂直方向に測定した。また、引張強度は30MPa以上では実用上問題がなく、破断時の伸びは、20%以上を合格と判断した。
(総合評価)
総合評価は、以下のように評価した。
・良:引張強度40MPa以上 破断伸び20%以上
・可:引張強度30MPa以上40MPa未満 破断伸び20%以上
・不可:引張強度30MPa未満もしくは破断伸び20%未満
Figure 0006958149
上記表2に示されるように、樹脂粒子が1000MPa以上の高弾性樹脂のみからなる場合には、破壊時の伸びが少なく、総合評価が低かった(比較例1)。立体造形物に応力がかかった際、樹脂が変形し難いため、内部欠陥を基点に脆性破壊等が生じたと推察される。
これに対し、中心側に25℃における貯蔵弾性率が1000MPa以上である高弾性樹脂を含み、表面側に25℃における貯蔵弾性率が低弾性樹脂200MPa以下である低弾性樹脂を含み、さらに低弾性樹脂の表面占有率が平均30%以上である場合、立体造形物の引張強度が高くなり、さらには破断時の伸び率も良好になった(実施例1〜12)。これは、内部欠陥が生じたとしても、造形物層どうしの界面等に存在する低弾性樹脂が、これらの欠陥にかかる応力を吸収したため、引張強度や破断伸びが十分に高まったと推察される。ただし、低弾性樹脂の軟化点が、70℃を下回ると、寸法精度が低下する傾向にあった(実施例10)。
なお、外側に低弾性率樹脂を含んでいたとしても、中心側の樹脂の貯蔵弾性率が低すぎる場合には、引張強度が低くなり、総合評価が低くなった(比較例2)。一方、中心側に高弾性樹脂を含んでいたとしても、表面側の低弾性樹脂の貯蔵弾性率が高すぎる場合に、破断伸びが低くなった(比較例4)。さらに、低弾性樹脂の表面占有率が低い場合、低弾性樹脂が十分に応力を吸収できず、破断時の伸びが低くなり、総合評価が低下した(比較例3)。
本発明によれば、造形物層の積層面に垂直にかかる応力に対しても強度の高い、立体造形物を製造することができる。したがって、本発明は、立体造形法のさらなる普及に寄与するものと思われる。
1 立体造形物
1a、1b 造形物層
2、100 樹脂粒子
101、101’ 高弾性樹脂
102 低弾性樹脂
200 立体造形装置
210 造形ステージ
220 薄膜形成部
221 粉末供給部
222 リコータ駆動部
222a リコータ
230 予備加熱部
231 第1のヒータ
232 第2のヒータ
235 温度測定器
240 レーザ照射部
250 ステージ支持部
260 制御部
270 表示部
275 操作部
280 記憶部
290 ベース
285 データ入力部
300 コンピュータ装置

Claims (7)

  1. 樹脂粒子を含む粉末材料の薄層にレーザ光を選択的に照射して、前記樹脂粒子が焼結または溶融結合してなる造形物層を形成し、前記造形物層を積層することによる立体造形物の製造に使用される粉末材料であって、
    前記樹脂粒子は、中心側に、25℃における貯蔵弾性率が1000MPa以上である高弾性樹脂を含み、表面側に、25℃における貯蔵弾性率が200MPa以下である低弾性樹脂を含み、
    前記樹脂粒子の表面を観察したときに観察される前記低弾性樹脂を70質量%以上含む層によって覆われた領域の面積および/または前記低弾性樹脂を70質量%以上含む粒子によって覆われた領域の面積が、前記樹脂粒子の表面積に対して、平均30%以上である、
    粉末材料。
  2. 前記低弾性樹脂の貯蔵弾性率Bに対する、前記高弾性樹脂の貯蔵弾性率Aの値(A/B)が、100〜1500である、
    請求項1に記載の粉末材料。
  3. 前記高弾性樹脂の含有量100質量部に対する、前記低弾性樹脂の含有量が1〜10質量部である、
    請求項1または2に記載の粉末材料。
  4. 前記樹脂粒子は、前記低弾性樹脂を、前記樹脂粒子の表面から、前記樹脂粒子の平均最大粒径に対して1/20までの領域に含む、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の粉末材料。
  5. 前記樹脂粒子の平均最大粒径が、5〜100μmである、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の粉末材料。
  6. 前記低弾性樹脂の軟化点が、70℃以上である、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の粉末材料。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の粉末材料の凝集物である、
    立体造形物。


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