JP6680114B2 - 粉末材料、粉末材料の製造方法、立体造形物の製造方法および立体造形装置 - Google Patents
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Description
[1] 複合粒子を含む粉末材料の薄層にレーザ光を選択的に照射して、前記複合粒子が焼結または溶融結合してなる造形物層を形成し、前記造形物層を積層することによる立体造形物の製造に使用される粉末材料であって、
前記複合粒子は、平均粒子径が1μm以上100μm以下の熱可塑性樹脂を含む母粒子と、前記母粒子の表面に固着した、前記熱可塑性樹脂よりも体積抵抗率が低い第2の樹脂を含む子粒子と、を含み、
前記粉末材料は、100質量部の前記熱可塑性樹脂に対して0.5質量部以上10質量部以下の前記第2の樹脂を含有し、
前記粉末材料に対する、前記粉末材料を水中で超音波分散処理した後の前記第2の樹脂の残存率が、20質量%以上である、粉末材料。
[2] 前記子粒子の平均粒子径は、10nm以上500nm以下である、[1]に記載の粉末材料。
[3] 前記第2の樹脂の体積抵抗値は、前記熱可塑性樹脂の体積抵抗値の1/10以下である、[1]または[2]に記載の粉末材料。
[4] 前記第2の樹脂の体積抵抗値は、前記熱可塑性樹脂の体積抵抗値の1/100以下である、[1]または[2]に記載の粉末材料。
[5] 前記母粒子の平均粒子径は、5μm以上70μm以下である、[1]〜[4]のいずれかに記載の粉末材料。
[6] 前記第2の樹脂の残存率は、30質量%以上である、[1]〜[5]のいずれかに記載の粉末材料。
[7] 前記熱可塑性樹脂が、ポリエステル、ポリエチレン、ナイロン、ポリカーボネートから選択される1種以上の樹脂である[1]〜[6]のいずれかに記載の粉末材料。
[8] 前記第2の樹脂は、前記熱可塑性樹脂よりもガラス転移点Tgの高い樹脂である[1]〜[7]のいずれかに記載の粉末材料。
[9] 前記第2の樹脂が前記熱可塑性樹脂とは主骨格の化学構造が異なる樹脂である[1]〜[8]のいずれかに記載の粉末材料。
[10] 前記第2の樹脂が前記熱可塑性樹脂とは主骨格の化学構造が同じ樹脂である[1]〜[8]のいずれかに記載の粉末材料。
[11] 複合粒子を含む粉末材料の薄層にレーザ光を選択的に照射して、前記複合粒子が焼結または溶融結合してなる造形物層を形成し、前記造形物層を積層することによる立体造形物の製造に使用される粉末材料の製造方法であって、
平均粒子径が1μm以上100μm以下の熱可塑性樹脂を含む粒子と、前記熱可塑性樹脂よりも体積抵抗率が低い第2の樹脂を含む微粒子とを用いて、100質量部の前記熱可塑性樹脂に対する前記第2の樹脂の量が0.5質量部以上10質量部以下となる質量比で、混合装置によって混合および撹拌する工程を含む、製造方法。
[12] 前記混合および撹拌する工程においては、平均粒子径が10nm以上500nm以下である前記第2の樹脂を含む微粒子を用いる、[11]に記載の製造方法。
[13] [1]〜[10]のいずれか一項に記載の粉末材料または[11]もしくは[12]に記載の製造方法で製造された粉末材料の薄層を形成する工程と、
前記形成された薄層にレーザ光を選択的に照射して、前記粉末材料に含まれる複合粒子が焼結または溶融結合してなる造形物層を形成する工程と、
前記薄層を形成する工程と、前記造形物層を形成する工程と、をこの順に繰り返し、前記造形物層を積層する工程と、
を含む立体造形物の製造方法。
[14] 造形ステージと、
[1]〜[10]のいずれかに記載の粉末材料の薄膜を前記造形ステージ上に形成する薄膜形成部と、
前記薄膜にレーザを照射して、前記粉末材料に含まれる前記複合粒子が焼結または溶融結合してなる造形物層を形成するレーザ照射部と、
前記造形ステージを、その鉛直方向の位置を可変に支持するステージ支持部と、
前記薄膜形成部、前記レーザ照射部および前記ステージ支持部を制御して、前記造形物層を繰り返し形成させて積層させる制御部と、
を備える、立体造形装置。
本実施形態は、複合粒子を含む粉末材料の薄層にレーザ光を選択的に照射して、前記複合粒子が溶融結合してなる造形物層を形成し、前記造形物層を積層することによる立体造形物の製造に使用される粉末材料(以下、単に「粉末材料」ともいう。)に係る。上記複合粒子は、熱可塑性樹脂を含む母粒子と、母粒子の表面に固着した第2の樹脂を含む子粒子とを含む。また、上記粉末材料は、100質量部の前記熱可塑性樹脂に対して0.5質量部以上10質量部以下の上記第2の樹脂を含有する。また、上記粉末材料を水中で超音波分散処理した後の前記第2の樹脂の残存率は、処理前の粉末材料に対して20質量%以上である。上記粉末材料は、レーザ照射による溶融結合および薄層を形成するときの複合粒子の密な充填を顕著に妨げず、立体造形物の精度を顕著に低下させない範囲において、レーザ吸収剤やフローエージェントなどの、上記母粒子や母粒子に固着している子粒子以外の材料や粒子をさらに含んでもよい。
上記粉末材料は、上記複合粒子として、熱可塑性樹脂(第1の樹脂)を含む母粒子と、前記母粒子の表面に固着した、前記熱可塑性樹脂よりも体積抵抗率が低い第2の樹脂を含む子粒子と、を含む。図1に、母粒子11と子粒子12とを含む粉末材料10を模式的に示す。
コア樹脂およびシェル樹脂いずれか一方のみを溶解する溶剤で、樹脂粒子を構成するコア樹脂またはシェル樹脂を分離および抽出し、乾燥させて粉末状にする。加圧成型機(エヌピーエーシステム株式会社製、NT−100H)を用いて、得られた粉末を常温で30kNに1分間加圧して、直径約8mm、高さ約2mmの円柱状試料に成型する。
上記装置が有するパラレルプレートの温度を150℃に温調して、上記調製した円柱状の試料を加熱溶融させた後、axial forceが10(g重)を超えないように垂直方向に荷重をかけて、パラレルプレートに上記試料を固着させる。この状態でパラレルプレートおよび該円柱状試料を測定開始温度250℃まで加熱し、徐冷しながら粘弾性データを測定する。測定されたデータは、Microsoft社製Windows7(「Windows」は同社の登録商標)を搭載したコンピュータに転送し、上記コンピュータ上で動作する制御、データ収集および解析ソフト(TRIOS)を通じてデータ転送し、各温度における貯蔵弾性率G’(Pa)の値を読み取る。
測定周波数 :6.28ラジアン/秒。
測定歪みの設定 :初期値を0.1%に設定し、自動測定モードにて測定を行う。
試料の伸長補正 :自動測定モードにて調整する。
測定温度 :250℃から100℃まで毎分5℃の割合で徐冷する。
測定間隔 :1℃ごとに粘弾性データを測定する。
粉末状の材料に、3tの圧力をかけて、9cm×9cm×5cmの円筒状に成形する。この円筒状の材料の体積抵抗率を、三菱化学アナリテック社製、ハイレスターUX MCP−HT800で測定する。
ポリオキシエチレンフェニルエーテルの0.2質量%水溶液を用意する。3gの粉末材料と、40gの上記水溶液と、を100mlのプラスチックカップ中に投入して、粉末材料を上記水溶液に湿潤させる。その後、超音波式ホモジナイザー(株式会社日本精機製作所製、US−1200)のチップを上記水溶液に挿入して、本体装置に附属の振動指示値を示す電流計の値が60μA(50W)を示すように調整した超音波エネルギーを3分間印加する。超音波の印加後、目開き1μmのフィルターを使用して上記水溶液から濾過した粉末材料を、60mlの純水を用いて洗浄し、その後、粒子を乾燥機にて80℃2時間の条件で乾燥させ、乾燥させた粒子の重量を、乾燥後重量として測定する。次に、下記数式(1)に基づき、乾燥前重量、乾燥後重量および子粒子総量から、粒子の残存率を求める。
残存率=(3g−乾燥後重量)/子粒子総量 (1)
尚、子粒子総量は、仕込み時の子粒子の量とする。
粉末材料が十分に乾燥したら、粉末材料を加圧してペレット化し、波長分散型蛍光X線分析装置(株式会社島津製作所製、LAB CENTER XRF−1700)を用いて測定して得られるKα分析線のうち、上記第2の樹脂に由来するピークのNet強度を求める。上記手順で求められた強度を、超音波処理を行わない粉末材料から同様にして得られる強度で除算して、上記第2の樹脂の残存率(%)を求める。
1−2−1.レーザ吸収剤
レーザの光エネルギーをより効率的に熱エネルギーに変換する観点から、粉末材料は、レーザ吸収剤をさらに含んでもよい。レーザ吸収体は、使用する波長のレーザを吸収して熱を発する材料であればよい。このようなレーザ吸収体の例には、カーボン粉末、ナイロン樹脂粉末、顔料および染料が含まれる。これらのレーザ吸収体は、一種類のみ用いても、二種類を組み合わせて用いてもよい。
粉末材料の流動性をより向上させ、立体造形物の製造時における粉末材料の取り扱いを容易にする観点から、粉末材料は、フローエージェントをさらに含んでもよい。フローエージェントは、摩擦係数が小さく、自己潤滑性を有する材料であればよい。このようなフローエージェントの例には、二酸化ケイ素および窒化ホウ素が含まれる。これらのフローエージェントは、一種類のみ用いても、二種類を組み合わせて用いてもよい。上記粉末材料は、フローエージェントによって流動性が高まっても、複合粒子が帯電しにくく、薄膜を形成するときに複合粒子をさらに密に充填させることができる。
本実施形態は、前記粉末材料の製造方法に係る。本実施形態に係る製造方法は、図2の流れ図に示すように、平均粒子径が1μm以上100μm以下の熱可塑性樹脂を含む粒子を作製する工程(工程S201)と、前記熱可塑性樹脂よりも体積抵抗率が低い第2の樹脂を含む微粒子(子粒子)を準備する工程(工程S202)と、両者を、100質量部の前記熱可塑性樹脂に対する前記第2の樹脂の量が0.5質量部以上10質量部以下となる質量比で分取して混合装置に投入する工程(工程S203)と、混合装置によってこれらを混合および撹拌する工程(工程S204)とを含む。
上記熱可塑性樹脂は、粉末材料から製造しようとする立体造形物に所望の特性を付与できるものであればよい。上記熱可塑性樹脂の例には、上述した粉末材料の母粒子が含み得る熱可塑性樹脂が含まれる。
10質量部の熱可塑性樹脂を100質量部の有機溶媒に溶解させて、樹脂溶解液を得る。2000質量部の水に100質量部の非イオン性界面活性剤(たとえば、花王株式会社製、エマノーンC−25(「エマノーン」は同社の登録商標)など)を溶解させた液体中に、上記樹脂溶解液を投入して超音波処理を10分行い、樹脂分散液を得る。上記樹脂分散液をエバポレーターに投入して、減圧して有機溶剤を除去した後、減圧濾過して、樹脂粉末を得る。
上記第2の樹脂を含む微粒子は、母粒子として使用する熱可塑性樹脂を含む粒子と同様に、機械的粉砕法および湿式法を含む公知の方法で作製してもよいし、市販のものを用いてもよい。
上記熱可塑性樹脂を含む粒子および第2の樹脂を含む微粒子は、100質量部の前記熱可塑性樹脂に対する前記第2の樹脂の量が0.5質量部以上10質量部以下となる質量比で混合装置の内部に投入され、混合および撹拌される。
本実施形態は、前記粉末材料を用いる、立体造形物の製造方法に係る。本実施形態に係る方法は、前記粉末材料を用いるほかは、通常の粉末床溶融結合法と同様に行い得る。具体的には、本実施形態に係る方法は、(1)前記粉末材料の薄層を形成する工程と、(2)予備加熱された薄層にレーザ光を選択的に照射して、前記粉末材料に含まれる複合粒子が溶融結合してなる造形物層を形成する工程と、(3)工程(1)および工程(2)をこの順に回繰り返し、前記造形物層を積層する工程、とを含む。工程(2)により、立体造形物を構成する造形物層のひとつが形成され、さらに工程(3)で工程(1)および工程(2)を繰り返し行うことで、立体造形物の次の層が積層されていき、最終的な立体造形物が製造される。本実施形態に係る製造方法は、(4)形成された粉末材料の薄層を予備加熱する工程を、少なくとも工程(2)よりも以前にさらに含んでいてもよい。
本工程では、前記粉末材料の薄層を形成する。たとえば、粉末供給部から供給された前記粉末材料を、リコータによって造形ステージ上に平らに敷き詰める。薄層は、造形ステージ上に直接形成してもよいし、すでに敷き詰められている粉末材料またはすでに形成されている造形物層の上に接するように形成してもよい。
本工程では、形成された薄層のうち、造形物層を形成すべき位置にレーザを選択的に照射し、照射された位置の複合粒子を溶融結合させる。これにより、隣接する複合粒子が溶融し合って溶融結合体を形成し、造形物層となる。このとき、レーザのエネルギーを受け取った複合粒子は、すでに形成された層とも溶融結合するため、隣り合う層間の接着も生じる。
本工程では、工程(1)および工程(2)を繰り返して、工程(2)によって形成される造形物層を積層する。造形物層を積層していくことで、所望の立体造形物が製造される。
本工程では、工程(2)よりも以前に、粉末材料による薄層を予備加熱する。たとえば、ヒータ等により、薄層の表面を熱可塑性樹脂のガラス転移温度(Tg)よりも15℃以下、好ましくは5℃以下に加熱することができる。
溶融結合中の複合粒子を構成する材料の酸化等による、立体造形物の強度の低下を防ぐ観点からは、少なくとも工程(2)は減圧下または不活性ガス雰囲気中で行うことが好ましい。減圧するときの圧力は10−2Pa以下であることが好ましく、10−3Pa以下であることがより好ましい。本実施形態で使用することができる不活性ガスの例には、窒素ガスおよび希ガスが含まれる。これらの不活性ガスのうち、入手の容易さの観点からは、窒素(N2)ガス、ヘリウム(He)ガスまたはアルゴン(Ar)ガスが好ましい。製造工程を簡略化する観点からは、工程(1)〜工程(3)のすべて(工程(4)を含むときは、工程(1)〜工程(4)のすべて)を減圧下または不活性ガス雰囲気中で行うことが好ましい。
本実施形態は、前記粉末材料を用いて、立体造形物を製造する装置に係る。本実施形態に係る装置は、前記粉末材料を用いるほかは、粉末床溶融結合法による立体造形物の製造を行う公知の装置と同様の構成とし得る。具体的には、本実施形態に係る立体造形装置300は、その構成を概略的に示す側面図である図3に記載のように、開口内に位置する造形ステージ310、複合粒子を含む粉末材料の薄膜を前記造形ステージ上に形成する薄膜形成部320、薄膜にレーザを照射して、前記複合粒子が溶融結合してなる造形物層を形成するレーザ照射部330、および鉛直方向の位置を可変に造形ステージ310を支持するステージ支持部340、上記各部を支持するベース345を備える。
制御部350は、データ入力部390がコンピュータ装置400から取得した立体造形データを、造形材層の積層方向について薄く切った複数のスライスデータに変換する。その後、制御部350は、立体造形装置300における以下の動作の制御を行う。
1−1.熱可塑性樹脂を含む粒子の作製
以下の手順で、熱可塑性樹脂を含む粒子を作製した。
透過型電子顕微鏡(TEM)により撮像した粉末状の材料の顕微鏡画像中から任意に選択した100個の粒子の粒子径を測定し、その平均値を粒子の平均粒子径とした。
粉末状の材料に、3tの圧力をかけて、9cm×9cm×5cmの円筒状に成形した。この円筒状の材料の体積抵抗率を、三菱化学アナリテック社製、ハイレスターUX MCP−HT800で測定した。
第2の樹脂を含む微粒子として、以下の材料を用意した。
アセチルセルロース:アクロス・オーガニック製(17778−5000)
ポリ塩化ビニル:アクロス・オーガニック製(18331−1000)
ポリエステル2:日本ユピカ株式会社製(GV−110)
ポリカーボネート2:三菱ガス化学製(PCZ−200)
上記樹脂材料をそれぞれ機械的粉砕法で樹脂微粒子に粉砕し、表1および表2に示した体積抵抗率、ガラス転移温度(Tg)および平均粒径の微粒子を得た。
金属酸化物を含む微粒子として、以下の材料を用意した。
1−3−1.粉末材料1
100質量部の上記ポリカーボネート1を含む粒子と、1質量部の上記アセチルセルロースを含む粒子とを、ヘンシェルミキサー(日本コークス工業株式会社製、FM20C/I型)に投入し、羽根先端周速が40m/sとなるようにして回転数を設定して20分間撹拌した。混合時の品温は40℃±1℃となるように設定し、41℃になった場合は、ヘンシェルミキサーの外浴に冷却水を5L/分の流量で流し、39℃になった場合は、1L/分となるように冷却水を流すことでヘンシェルミキサー内部の温度を制御した。このようにして得られた粉末を、粉末材料1とした。
粉末材料1の作製において、アセチルセルロースの投入量を5.0質量部に変更した以外は同様にして、粉末材料2を得た。
粉末材料1の作製において、アセチルセルロースの投入量を10.0質量部に変更した以外は同様にして、粉末材料3を得た。
100質量部の上記ポリカーボネート1と、1.0質量部の上記アセチルセルロースとを、ハイブリダイザー(株式会社奈良機械製作所製、NHS−0型)に投入し、回転数16000rpmに設定して5分間撹拌した。混合時の品温は75℃±1℃となるように設定し、76℃になった場合は、ハイブリダイザーの外浴に冷却水を5L/分の流量で流し、74℃になった場合は、1L/分となるように冷却水を流すことでハイブリダイゼーションシステム内部の温度を制御した。このようにして得られた粉末を、粉末材料4とした。
粉末材料4の作製において、アセチルセルロースの投入量を5.0質量部に変更した以外は同様にして、粉末材料5を得た。
粉末材料4の作製において、アセチルセルロースの投入量を10.0質量部に変更した以外は同様にして、粉末材料6を得た。
粉末材料1の作製において、アセチルセルロースを1.0質量部のポリ塩化ビニルに変更した以外は同様にして、粉末材料7を得た。
粉末材料2の作製において、ポリカーボネート1を100質量部の上記ナイロン12/ポリカーボネート被覆粒子に変更した以外は同様にして、粉末材料8を得た。
粉末材料1〜7の作製において、ポリカーボネート1を100質量部の上記ポリエチレンに変更した以外は同様にして、粉末材料9〜15をそれぞれ得た。
粉末材料1〜6の作製において、ポリカーボネート1を100質量部の上記ナイロン6に変更した以外は同様にして、粉末材料16〜21をそれぞれ得た。
粉末材料2の作製において、ポリカーボネート1を100質量部の上記ポリエステル1に変更し、アセチルセルロースを上記ポリエステル2に変更した以外は同様にして、粉末材料22を得た。
粉末材料2の作製において、ポリカーボネート1を100質量部の上記ポリエステル1に変更した以外は同様にして、粉末材料23を得た。
粉末材料1の作製において、アセチルセルロースを1.0質量部の上記ポリカーボネート2に変更した以外は同様にして、粉末材料24を得た。
粉末材料4の作製において、アセチルセルロースを1.0質量部の上記ポリカーボネート2に変更した以外は同様にして、粉末材料25を得た。
粉末材料1の作製において、アセチルセルロースの量を0.10質量部に変更した以外は同様にして、粉末材料26を得た。
100質量部の上記ナイロン12をポリエチレン製の袋に分取し、これに5.0質量部の上記シリカを投入して、機械を用いずに手で約3分間振とうした。このようにして得られた粉末を、粉末材料27とした。
粉末材料1の作製において、ポリカーボネート1を100質量部の上記ナイロン12に変更し、アセチルセルロースを5.0質量部の上記シリカに変更した以外は同様にして、粉末材料28を得た。
100質量部の上記ポリエステル1をポリエチレン製の袋に分取し、これに5.0質量部の上記ポリエステル2を投入して、機械を用いずに手で約3分間振とうした。このようにして得られた粉末を、粉末材料29とした。
2−1.残存率
3gの粉末材料1と、40gのポリオキシエチレンフェニルエーテルの0.2質量%水溶液を100mlのプラスチックカップ中に投入して、粉末材料1を上記水溶液に湿潤させた。その後、超音波式ホモジナイザー(株式会社日本精機製作所製、US−1200)のチップを上記水溶液に挿入して、本体装置に附属の振動指示値を示す電流計の値が60μA(50W)を示すように調整した超音波エネルギー(波長:19.5kHz±1hKz)を3分間印加した。超音波の印加後、目開き1μmのフィルターを使用して上記水溶液から濾過した粉末材料1を、60mlの純水を用いて洗浄した。その後、粒子を乾燥機にて80℃2時間の条件で乾燥させ、乾燥させた粒子の重量を、乾燥後重量として測定した。
下記数式(1)に基づき、乾燥前重量、乾燥後重量および子粒子総量から、粒子の残存率を求めた。
残存率=(3g−乾燥後重量)/子粒子総量 (1)
尚、子粒子総量は、仕込み時の子粒子の量とした。
粉末材料1〜29からそれぞれ作製した造形物を目視で確認し、造形物に見られる複合粒子の大きさ(約0.1mm)よりも大きい欠損(造形物が形成されず、空隙となった部分)の数が30個以上であるときは、造形物の欠損を「×」と評価した。
次に、上記欠損の数が30個未満であった場合には、上記方法で得た子粒子の残存率(%)に基づき、造形物の欠損を評価した。具体的には、粒子残存率が70%以上であるときは、造形物の欠損を「◎」と評価し、粒子残存率が50%以上70%未満であるときは、造形物の欠損を「○」と評価し、粒子残存率が20%以上50%未満であるときは、造形物の欠損を「△」と評価した。
11 母粒子
12 子粒子
300 立体造形装置
310 造形ステージ
320 薄膜形成部
321 粉末供給部
322 リコータ駆動部
322a リコータ
330 レーザ照射部
331 レーザ光源
332 ガルバノミラー駆動部
332a ガルバノミラー
340 ステージ支持部
345 ベース
350 制御部
360 表示部
370 操作部
380 記憶部
390 データ入力部
400 コンピュータ装置
Claims (12)
- 複合粒子を含む粉末材料の薄層にレーザ光を選択的に照射して、前記複合粒子が焼結または溶融結合してなる造形物層を形成し、前記造形物層を積層することによる立体造形物の製造に使用される粉末材料であって、
前記複合粒子は、平均粒子径が1μm以上100μm以下の実質的に熱可塑性樹脂のみを含む母粒子と、前記母粒子の表面に固着した、平均粒子径が10nm以上500nm以下であり、実質的に前記熱可塑性樹脂よりも体積抵抗率が低い第2の樹脂のみを含む子粒子と、を含み、
前記粉末材料は、100質量部の前記熱可塑性樹脂に対して0.5質量部以上10質量部以下の前記第2の樹脂を含有し、
前記粉末材料に対する、前記粉末材料を水中で超音波分散処理した後の前記第2の樹脂の残存率が、20質量%以上である、粉末材料。 - 前記第2の樹脂の体積抵抗値は、前記熱可塑性樹脂の体積抵抗値の1/10以下である、請求項1に記載の粉末材料。
- 前記第2の樹脂の体積抵抗値は、前記熱可塑性樹脂の体積抵抗値の1/100以下である、請求項1に記載の粉末材料。
- 前記母粒子の平均粒子径は、5μm以上70μm以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の粉末材料。
- 前記第2の樹脂の残存率は、30質量%以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の粉末材料。
- 前記熱可塑性樹脂が、ポリエステル、ポリエチレン、ナイロン、ポリカーボネートから選択される1種以上の樹脂である請求項1〜5のいずれか一項に記載の粉末材料。
- 前記第2の樹脂は、前記熱可塑性樹脂よりもガラス転移点(Tg)の高い樹脂である請求項1〜6のいずれか一項に記載の粉末材料。
- 前記第2の樹脂が前記熱可塑性樹脂とは主骨格の化学構造が異なる樹脂である請求項1〜7のいずれか一項に記載の粉末材料。
- 前記第2の樹脂が前記熱可塑性樹脂とは主骨格の化学構造が同じ樹脂である請求項1〜7のいずれか一項に記載の粉末材料。
- 複合粒子を含む粉末材料の薄層にレーザ光を選択的に照射して、前記複合粒子が焼結または溶融結合してなる造形物層を形成し、前記造形物層を積層することによる立体造形物の製造に使用される粉末材料の製造方法であって、
平均粒子径が1μm以上100μm以下の実質的に熱可塑性樹脂のみを含む粒子と、実質的に前記熱可塑性樹脂よりも体積抵抗率が低い第2の樹脂のみを含む、平均粒子径が10nm以上500nm以下の微粒子とを用いて、100質量部の前記熱可塑性樹脂に対する前記第2の樹脂の量が0.5質量部以上10質量部以下となる質量比で、混合装置によって混合および撹拌し、前記粉末材料に対する、前記粉末材料を水中で超音波分散処理した後の前記第2の樹脂の残存率が、20質量%以上である粉末材料を形成する工程を含む、製造方法。 - 請求項1〜9のいずれか一項に記載の粉末材料または請求項10に記載の製造方法で製造された粉末材料の薄層を形成する工程と、
前記形成された薄層にレーザ光を選択的に照射して、前記粉末材料に含まれる複合粒子が焼結または溶融結合してなる造形物層を形成する工程と、
前記薄層を形成する工程と、前記造形物層を形成する工程と、をこの順に繰り返し、前記造形物層を積層する工程と、
を含む立体造形物の製造方法。 - 造形ステージと、
請求項1〜9のいずれか一項に記載の粉末材料の薄膜を前記造形ステージ上に形成する薄膜形成部と、
前記薄膜にレーザを照射して、前記粉末材料に含まれる前記複合粒子が焼結または溶融結合してなる造形物層を形成するレーザ照射部と、
前記造形ステージを、その鉛直方向の位置を可変に支持するステージ支持部と、
前記薄膜形成部、前記レーザ照射部および前記ステージ支持部を制御して、前記造形物層を繰り返し形成させて積層させる制御部と、
を備える、立体造形装置。
Priority Applications (1)
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