JP2017186528A - サポート材料、サポート材粉末、および、それを用いた立体物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 水溶性材料と非水溶性材料とを有するサポート材料であって、水を含む液体による除去性が従来よりも高いサポート材料を提供する。【解決手段】 低分子糖類、ポリビニルアルコール類、および、ポリアルキレングリコール類からなる群から選択される少なくとも1つと、非水溶性セルロースファイバーと、水溶性セルロース誘導体と、を含有することを特徴とするサポート材料。【選択図】 図1
Description
本発明は、サポート材料、サポート材粉末、および、それを用いた立体物の製造方法に関する。
近年、立体物を製造する方法として、作製したい立体物(造形対象物)の断面データに基づいて造形材料を積層する、積層造形法が注目されている。
積層造形法によって、オーバーハング構造や可動部のある構造などを有する複雑な形状の立体物を作製する場合、立体物を構成する構造部が存在しない領域の上に構造部を形成する必要がある。このような場合、構造部の重力方向の下側に、構造部を支持するサポート部が設けられる。つまり、立体物の空隙となる部分には、積層造形法による造形の過程において、必要に応じてサポート部が形成される。このサポート部は、最終的には除去する必要がある。
特許文献1には、構造部を形成する材料であるモデル材(構造材料)と、サポート部を形成する材料であるサポート材(サポート材料)を用いた立体物の製造方法が記載されている。特許文献1では、サポート材料を水溶性の材料で構成する。そのため、構造部およびサポート部を有する立体物を水に浸けることにより、サポート部を選択的に溶解除去できる。このように、水などの液体と接触させることによってサポート部を除去できることは、サポート部の除去の容易性や環境負荷などの観点から好ましい。
特許文献1に記載のサポート材料には、例えばサポート部の強度を向上させるなどの種々の目的で、金属粉や有機粉、繊維などの非水溶性材料を添加することができる。非水溶性材料は水に溶解しないため、非水溶性材料が添加されたサポート材料は、非水溶性材料を添加していないものに比べて、水を含む液体による除去性が低下してしまうという課題があった。
そこで本発明では上述の課題に鑑み、水溶性材料と非水溶性材料とを有するサポート材料であって、水を含む液体による除去性が従来よりも高いサポート材料を提供することを目的とする。
本発明の一側面としてのサポート材料は、低分子糖類、ポリビニルアルコール類、および、ポリアルキレングリコール類からなる群から選択される少なくとも1つと、非水溶性セルロースファイバーと、水溶性セルロース誘導体と、を含有することを特徴とする。
本発明によれば、水溶性材料と非水溶性材料とを有するサポート材料であって、水を含む液体による除去性が従来よりも高いサポート材料を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について適宜図面を参照しながら詳細に説明する。ただし、本発明は以下に説明する実施形態に限定されるものではない。また、本発明においては、その趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下に説明する実施形態に対して適宜変更、改良等が加えられたものについても本発明の範囲に含まれる。
<造形材料>
まず、本発明で用いる造形材料について説明する。本実施形態では、造形材料として、非水溶性の構造材料と、水溶性材料を含有するサポート材料と、を用いる。
まず、本発明で用いる造形材料について説明する。本実施形態では、造形材料として、非水溶性の構造材料と、水溶性材料を含有するサポート材料と、を用いる。
本明細書において「造形材料」とは、立体物を製造する際に用いる造形材料を言う。造形材料は、目的とする立体物を構成する構造材料(モデル材料)と、構造材料の積層を支持するサポート材料とに分類される。サポート材料で構成されているサポート部は、構造材料の存在しない領域の上に積層される構造材料を支える部分であり、最終的には除去される部分である。
また、本明細書において「造形材粒子」とは、粒子状の造形材料を指す。造形材粒子は、粒子状の構造材料である「構造材粒子(モデル材粒子)」と、粒子状のサポート材料である「サポート材粒子」とに分類される。また、本明細書においては、造形材粒子を含有する粉末を「造形材粉末」、構造材粒子を含有する粉末を「構造材粉末」、サポート材粒子を含有する粉末を「サポート材粉末」、とそれぞれ称する。
造形材粒子の体積基準の平均粒子径は1μm以上100μm以下であることが好ましく、より好ましくは20μm以上80μm以下である。造形材粒子の粒径を1μm以上とすることにより、後述する積層工程における1回の積層膜厚を厚くすることができるため、少ない積層回数で所望の高さの立体物を得ることが可能となる。また、造形材粒子の粒径を100μm以下とすることにより、形状精度や寸法精度の高い立体物を製造しやすくなる。造形材粒子の体積基準の平均粒子径は、市販のレーザー回折散乱式粒度分布測定装置を用いて測定することができる。
<構造材料>
立体物を構成する構造材料としては、非水溶性材料を使用する。本実施形態では後述するように、断面データに応じて配置した構造材料およびサポート材料を加熱することで互いに融着させて積層し、立体物を作製する。そのため、本実施形態に係る構造材料としては、熱可塑性樹脂や熱可塑性を有する金属材料、無機材料などの熱可塑性材料を好適に用いることができる。なお、「熱可塑性」とは、常温では変形しにくいが、材料に応じた温度で加熱すると塑性を示して自由な変形が可能となり、また冷却すると再び固くなる特性を指す。
立体物を構成する構造材料としては、非水溶性材料を使用する。本実施形態では後述するように、断面データに応じて配置した構造材料およびサポート材料を加熱することで互いに融着させて積層し、立体物を作製する。そのため、本実施形態に係る構造材料としては、熱可塑性樹脂や熱可塑性を有する金属材料、無機材料などの熱可塑性材料を好適に用いることができる。なお、「熱可塑性」とは、常温では変形しにくいが、材料に応じた温度で加熱すると塑性を示して自由な変形が可能となり、また冷却すると再び固くなる特性を指す。
熱可塑性樹脂としては、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、PS(ポリスチレン)、PMMA(アクリル)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PPE(ポリフェニレンエーテル)、PA(ナイロン/ポリアミド)、PC(ポリカーボネイト)、POM(ポリアセタール)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、LCP(液晶ポリマー)、フッ素樹脂、ウレタン樹脂、エラストマーなどが挙げられるが、これらに限定はされない。また、構造材料は、目的とする立体物の機能に合わせて顔料や顔料などを分散させる分散剤などの機能性物質をさらに含有していてもよい。
構造材料に非水溶性材料を使用した場合、サポート部を構成するサポート材料として水によって除去可能な材料を用いれば、積層後の造形物からサポート部を水によって選択的に除去することが可能となる。水を用いてサポート部を除去することができれば、水は入手が容易であるためサポート部の除去にかかるコストを低く抑えることができる。さらに、水は安全性が高く環境への負荷が低いため、サポート部の除去に水を用いることは非常に好ましい。
ここで、本明細書において「非水溶性」とは、水に対する溶解度が1未満である性質を言い、「水溶性」とは、水に対する溶解度が1以上である性質を言う。また、「水に対する溶解度」とは、1気圧において、水温20℃の純水100gに溶ける質量をグラム単位で表した数値とする。
<サポート材料>
本実施形態に係るサポート材料は、低分子糖類、ポリビニルアルコール類、および、ポリアルキレングリコール類からなる群から選択される少なくとも1つと、非水溶性セルロースファイバー(B)と、水溶性セルロース誘導体(C)と、を含有している。以下の説明では、本実施形態に係るサポート材料が含有する成分のうち、低分子糖類、ポリビニルアルコール類、および、ポリアルキレングリコール類を総称して、水溶性母材(A)と称する。
本実施形態に係るサポート材料は、低分子糖類、ポリビニルアルコール類、および、ポリアルキレングリコール類からなる群から選択される少なくとも1つと、非水溶性セルロースファイバー(B)と、水溶性セルロース誘導体(C)と、を含有している。以下の説明では、本実施形態に係るサポート材料が含有する成分のうち、低分子糖類、ポリビニルアルコール類、および、ポリアルキレングリコール類を総称して、水溶性母材(A)と称する。
(水溶性母材(A))
本実施形態に係るサポート材料は、水溶性母材(A)を含有する。したがって水溶性母材(A)を含有するサポート材料によって形成されるサポート部も、水溶性母材(A)または水溶性母材(A)に由来する水溶性の材料を含有する。そのため、水を含有する液体(以下、「除去液」と称する)にサポート部を接触させると、サポート部に含有される水溶性の材料からなる部分が溶解し、立体物から除去される。すると、サポート部に含まれていた非水溶性セルロースファイバー(B)からなる部分も流失し、結果として、サポート部が立体物から除去されることになる。
本実施形態に係るサポート材料は、水溶性母材(A)を含有する。したがって水溶性母材(A)を含有するサポート材料によって形成されるサポート部も、水溶性母材(A)または水溶性母材(A)に由来する水溶性の材料を含有する。そのため、水を含有する液体(以下、「除去液」と称する)にサポート部を接触させると、サポート部に含有される水溶性の材料からなる部分が溶解し、立体物から除去される。すると、サポート部に含まれていた非水溶性セルロースファイバー(B)からなる部分も流失し、結果として、サポート部が立体物から除去されることになる。
水溶性母材(A)の水に対する溶解度が大きいほど、サポート部に含まれる水溶性の材料からなる部分の水への溶解を容易に行うことができるため、除去液によるサポート部の除去を容易に行うことができるようになる。
ここで、本明細書において、「ポリビニルアルコール類」はポリビニルアルコールおよびその誘導体を含み、「ポリアルキレングリコール類」はポリアルキレングリコールおよびその誘導体を含む。
低分子糖類は、分子量が100以上1000以下の糖類であることが好ましく、分子量が100以上1000以下の糖または糖アルコールであることがより好ましい。分子量が100以上1000以下の糖としては、単糖、二糖、三糖、四糖、五糖、または、分子量1000以下のオリゴ糖を用いることが好ましい。また、分子量が100以上1000以下の糖アルコールとしては、単糖由来の糖アルコール、二糖由来の糖アルコール、三糖由来の糖アルコール、四糖由来の糖アルコール、または、分子量1000以下のオリゴ糖由来の糖アルコールを用いることが好ましい。なお、ここでいう「X糖由来の糖アルコール」とは、X糖を還元して得られる糖アルコールを指す。
低分子糖類としては、単糖、二糖、三糖、四糖、五糖、単糖由来の糖アルコール、二糖由来の糖アルコール、三糖由来の糖アルコール、四糖由来の糖アルコール、および、五糖由来の糖アルコールからなる群から選択される少なくとも1つであることが特に好ましい。
低分子糖類は、一種類の糖類のみから構成されていてもよいし、複数種類の糖類から構成されていてもよい。ここで、低分子糖類の「種類」とは化学構造によって決まるものとし、化学構造が異なっている場合に種類が異なっていると表現する。
低分子糖類の具体例としては、例えば、グルコース、キシロース、フラクトース等の単糖;スクロース、ラクトース、マルトース、トレハロース、イソマルツロース(パラチノース(登録商標))等の二糖;メレジトース、マルトトリオース、ニゲロトリオース、ラフィノース、ケストース等の三糖;マルトテトラオース、スタキオース等の四糖;五糖;が挙げられる。
また、低分子糖類の具体例としては、例えば、イソマルトオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、ニゲロオリゴ糖、乳果オリゴ糖等のオリゴ糖のうち、分子量が100以上1000以下のオリゴ糖;分子量が100以上1000以下のオリゴ糖アルコール;が挙げられる。
また、低分子糖類の具体例としては、例えば、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、エリスリトール等の単糖由来の糖アルコール;マルチトール、ラクチトール等の二糖由来の糖アルコール;三糖由来の糖アルコール;四糖由来の糖アルコール;五糖由来の糖アルコール;が挙げられるが、これに限定されるものではない。
ポリビニルアルコール類の具体例としては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレン・ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ブテンジオールビニルアルコール共重合体(BVOH)が挙げられるが、これに限定されるものではない。また、ポリアルキレングリコール類の具体例としては、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリプロピレンオキシド(PPO)が挙げられるが、これに限定されるものではない。
サポート部の水による除去を容易にするために、水溶性母材(A)のサポート材料全体に占める質量分率は、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましい。なお、上限については特に限定されるものではないが、水溶性母材(A)のサポート材料全体に占める質量分率は、95質量%以下であってもよいし、90質量%以下であってもよい。したがって、低分子糖類、ポリビニルアルコール類、および、ポリアルキレングリコール類の含有量の合計は、サポート材料全体を100質量%としたときに、50質量%以上95質量%以下であることが好ましい。
サポート材料は、水溶性母材(A)として1種類の水溶性材料を含有していてもよいし、複数種類の水溶性材料を含有していてもよい。サポート材料が水溶性母材(A)として複数種類の水溶性材料を含有している場合は、これらの水溶性材料の合計量で、サポート材料全体に占める水溶性母材(A)の質量分率を算出すればよい。ここで、本明細書においては、水溶性材料の「種類」とは化学構造によって決まるものとし、化学構造が異なっている場合に種類が異なっていると表現する。
サポート材料の粘弾性特性や軟化温度などの各種特性は、水溶性母材(A)として複数種類の材料を含有させることで、所望の値に調整することができる。本実施形態では、水溶性母材(A)として、第1の水溶性有機材料と第2の水溶性有機材料とを有することが好ましい。
本実施形態では第1の水溶性有機材料として非晶質材料を用いることで、加熱時の粘弾性特性と冷却時の粘弾性特性との間のヒステリシスを低減することができる。また、第2の水溶性有機材料として結晶質材料を用いることで、サポート材料の軟化温度を調整することができる。なお、第2の水溶性有機材料は、融点が60℃以上180℃以下の材料であることが好ましい。これにより、積層造形プロセスにおける温度範囲の設計の自由度を向上させることができる。具体的には、第1の水溶性有機材料としてマルトテトラオースを用いることができ、第2の水溶性有機材料としてマンニトール、ラクチトール、エリスリトール等の糖アルコールを用いることができる。
水溶性母材(A)は、水溶性を有していれば特に限定はされないが、水溶性母材(A)の水に対する溶解度は5以上であることが好ましく、10以上であることがより好ましく、50以上であることがさらに好ましい。
ここで、「軟化温度」とは、物質を加熱していくときに、温度の上昇とともに貯蔵弾性率が大きく減少し始める温度のことを指す。本明細書では、回転式レオメーターを用いて動的粘弾性の温度依存性を測定し、貯蔵弾性率と損失弾性率の比(G″/G′)である損失正接(tanδ)を温度に対してプロットしたときにtanδが極大となる温度を、軟化温度とする。
「貯蔵弾性率(G′)」とは、物質の持つ弾性の度合いを表す。「弾性」とは、一般に固体の性質を表し、ある物質に一定の外力を印加して変形させた後に、その外力を除去すると変形した物質の形状が外力を印加する前の形状に戻る性質を指す。一方、「損失弾性率(G″)」とは、物質の持つ粘性の度合いを表す。「粘性」とは、一般に液体の性質を表し、ある物質に一定の外力を印加して変形させた後に、その外力を除去しても変形した物質の形状が外力を印加する前の形状に戻らない性質を指す。
(非水溶性セルロースファイバー(B))
本実施形態に係るサポート材料は、非水溶性セルロースファイバー(B)(以下、「セルロースファイバー(B)」と称する)を含有する。サポート材料にセルロースファイバー(B)を含有させることで、サポート材料の各種特性を調整することができる。例えば、サポート材料の軟化温度や粘弾性特性、吸湿性、帯電性などを調整したり、サポート部の力学強度を調整したりすることができる。
本実施形態に係るサポート材料は、非水溶性セルロースファイバー(B)(以下、「セルロースファイバー(B)」と称する)を含有する。サポート材料にセルロースファイバー(B)を含有させることで、サポート材料の各種特性を調整することができる。例えば、サポート材料の軟化温度や粘弾性特性、吸湿性、帯電性などを調整したり、サポート部の力学強度を調整したりすることができる。
本実施形態に係るサポート材料は、繊維状の材料であるセルロースファイバー(B)を含有することで、サポート材料中に、セルロースファイバー(B)による3次元的な網目構造が形成される。サポート材料中にこのような3次元的な網目構造を形成することで、水溶性母材(A)が粘性を帯びて流動しようとしても、その流動を抑制することができる。そのため、サポート材料を加熱することによって水溶性母材(A)の粘性が増加しても、水溶性母材(A)の流動を抑制し、サポート材料全体の粘性の増加を抑制することができる。その結果、サポート材料の貯蔵弾性率および損失弾性率等の粘弾性特性を効率的に調整することができる。なお、粘弾性特性以外の特性についても、3次元的な網目構造の形成によって効率的に調整することができると推測される。
セルロースファイバー(B)は後述の加熱融着工程における温度範囲で、水溶性母材(A)の貯蔵弾性率より大きな貯蔵弾性率を有することが好ましい。ここで、サポート材料が水溶性母材(A)として複数種類の水溶性材料を含む場合、「水溶性母材(A)の貯蔵弾性率より大きい」とは、サポート材料に水溶性母材(A)として含まれるいずれの水溶性材料の貯蔵弾性率と比較しても大きいことを言う。サポート材料に水溶性母材(A)よりも貯蔵弾性率の大きな材料であるセルロースファイバー(B)を含有させることで、サポート材料全体の貯蔵弾性率を向上させることができる。また、セルロースファイバー(B)は加熱融着工程における温度範囲で、貯蔵弾性率が損失弾性率よりも大きな材料であることが好ましい。
セルロースファイバー(B)は、サポート材料中でほぼ均一に分布していることが好ましい。サポート材料の内部におけるセルロースファイバー(B)の分布に偏りがあると、サポート材料の内部で粘弾性特性などの諸特性にムラが生じてしまう。その結果、サポート材料を用いて形成した層の上面または下面に凹凸が発生してしまう可能性がある。そこで形成される層の上面および下面の平坦性を向上させるために、サポート材料の内部におけるセルロースファイバー(B)の分布はほぼ均一であることが好ましい。また、サポート材料が粒子状のサポート材料である場合には、セルロースファイバー(B)は、複数の粒子間でもほぼ均一に分布していることが好ましい。
サポート材料が粒子状のサポート材料(サポート材粒子)である場合には、セルロースファイバー(B)は、サポート材粒子の粒径よりも十分小さなサイズを有することが好ましい。また、サポート材料が粒子状ではない場合でも、セルロースファイバー(B)は、サポート材料を積層する際の積層ピッチよりも十分小さなサイズを有することが好ましい。ここで、上述の粒径や積層ピッチは5μm〜100μm程度とすることが好ましい。そのため、セルロースファイバー(B)は、サブミクロンサイズまたはナノサイズの平均繊維径を有する繊維状の材料であることが好ましい。以下、上述の繊維状の材料を「ナノファイバー」と称することがある。これにより、サポート材料中におけるセルロースファイバー(B)の分散性を向上させることができる。また、セルロースファイバー(B)の水に対する分散性を向上させることができる。
本実施形態でセルロースファイバー(B)として用いるナノファイバーは、平均繊維径が1nm以上500nm以下であることが好ましく、1nm以上100nm以下であることがさらに好ましく、1nm以上50nm以下であることが特に好ましい。また、ナノファイバーの長さは、平均繊維径の4倍以上あることが好ましく、10倍以上であることがより好ましく、50倍以上であることがさらに好ましい。ナノファイバーの長さを平均繊維径より十分に大きくすることで、サポート材料中における上述のような網目構造を均一に形成することができる。
また、上述のようにサポート材粒子の直径は100μm以下であることが好ましいため、ナノファイバーの長さもこれに応じた長さであることが好ましい。具体的には、ナノファイバーの長さは100μm以下であることが好ましく、50μm以下であることがより好ましく、30μm以下であることが特に好ましい。なお、ナノファイバーの長さの下限値は特に限定されるものではないが、1μm以上であることが好ましく、5μm以上であることがより好ましい。
セルロースファイバー(B)は、加熱融着工程における温度範囲で、水溶性母材(A)と反応または相溶したり、セルロースファイバー(B)そのものが変質したりしないことが好ましい。
以上の点から、セルロースファイバー(B)としてはセルロースナノファイバーを用いることが特に好ましい。なお、セルロースナノファイバーはセルロースナノフィブリル、セルロースミクロフィブリル、ナノフィブリル化セルロース、ミクロフィブリル化セルロースなどと呼ばれることもある。
サポート材料全体に対するセルロースファイバー(B)の質量分率は、水溶性母材(A)の種類やサポート材料全体に対する水溶性母材(A)の質量分率に応じて、任意に調整することができる。その際、上述の温度範囲で、サポート材料の貯蔵弾性率がサポート材料の損失弾性率を常に上回るように、セルロースファイバー(B)の質量分率を調整することが好ましい。
上述のとおり、サポート材料を積層して形成したサポート部は、後述するサポート部の除去工程において除去液に接触させることによって除去される。サポート部の除去は水溶性母材(A)が液体に溶解することで進行するため、サポート材料全体に占めるセルロースファイバー(B)の割合が大きすぎると、サポート部が除去液によって除去しにくくなってしまう。そのため、サポート材料全体に占めるセルロースファイバー(B)の質量分率は50質量%未満であることが好ましく、40質量%以下であることがより好ましく、30質量%以下であることがさらに好ましい。
また、セルロースファイバー(B)が少なすぎるとセルロースファイバー(B)による各種特性の調整効果が低減してしまう。そのため、セルロースファイバー(B)のサポート材料全体に対する質量分率は、特に限定されるものではないが、10質量%以上であることが好ましく、15質量%以上であることがより好ましい。
したがって、セルロースファイバー(B)の含有量は、サポート材料の全質量を100質量%としたときに、10質量%以上50質量%未満であることが好ましい。また、前記含有量は、15質量%以上50質量%未満であることがより好ましく、15質量%以上30質量%以下であることがさらに好ましい。
(水溶性セルロース誘導体(C))
上述のように、本実施形態に係るサポート材料は水溶性母材(A)とセルロースファイバー(B)を有し、サポート材料を用いて形成したサポート部は、除去液と接触させることによって除去される。このとき、サポート部に含まれる水溶性母材(A)または水溶性母材(A)に由来する材料は除去液に溶解して除去され、セルロースファイバー(B)は除去液に分散されて除去される。
上述のように、本実施形態に係るサポート材料は水溶性母材(A)とセルロースファイバー(B)を有し、サポート材料を用いて形成したサポート部は、除去液と接触させることによって除去される。このとき、サポート部に含まれる水溶性母材(A)または水溶性母材(A)に由来する材料は除去液に溶解して除去され、セルロースファイバー(B)は除去液に分散されて除去される。
このとき、サポート部全体におけるセルロースファイバー(B)の含有率が大きいと、サポート部を除去する際の効率(除去効率)が低下する。セルロースファイバー(B)は、セルロース骨格を構成するグルコピラノースモノマー(グルコース単位)中に3つのヒドロキシル基を有している。セルロースファイバー(B)を除去液中に分散させようとすると、セルロースファイバー(B)はこのヒドロキシル基を介して水素結合することで複数のセルロースファイバー(B)同士が凝集してしまうことがある。これは、セルロースファイバー(B)の平均繊維径が小さい場合、特に、セルロースナノファイバーである場合に顕著となる。このように、セルロースファイバー(B)同士が凝集してしまうと、セルロースファイバー(B)の除去効率が低下し、その結果、サポート部の除去効率が低下する。
さらに、セルロースファイバー(B)としてセルロースナノファイバーを使用すると、サポート部を除去液と接触させたときに、セルロースファイバー(B)がゲル化してしまう。そして、水溶性母材(A)からなる部分と除去液との接触を妨げるバリア層を形成してしまう。その結果、サポート部の除去効率が著しく低下してしまう。
本実施形態に係るサポート材料は、水溶性母材(A)、セルロースファイバー(B)に加えて、水溶性セルロース誘導体(C)(以下、「セルロース誘導体(C)」と称する)を含有している。セルロース誘導体(C)は、除去液中でセルロースファイバー(B)の凝集を抑制する機能を有する。
サポート材料にセルロース誘導体(C)を含有させることで、サポート材料を用いて形成されるサポート部にも、セルロース誘導体(C)が含有されることになる。サポート部と除去液とを接触させると、セルロース誘導体(C)によってセルロースファイバー(B)の凝集が抑制されるため、上述のようなセルロースファイバー(B)の凝集やゲル化を抑制することができ、サポート部の除去効率を向上させることができる。
具体的なメカニズムは明らかではないが、セルロース誘導体(C)によってサポート部の除去効率が向上するメカニズムについて、本発明者らは以下のように推測している。
セルロース誘導体(C)は、セルロースファイバー(B)と同様に、セルロース骨格を有するが、セルロース骨格を構成するグルコピラノースモノマー中のヒドロキシル基の少なくとも1つがエステルまたはエーテルとなっている。例えば、カルボキシメチルセルロースは上記ヒドロキシル基の少なくとも1つがカルボキシメチル基と結合したエーテルとなっており、ヒドロキシプロピルセルロースは上記ヒドロキシル基の少なくとも1つがヒドロキシプロピル基と結合したエーテルとなっている。
セルロース誘導体(C)はセルロース骨格を有しており、セルロースファイバー(B)との間で水素結合を生じて結合する。しかしながら上述のように、セルロース誘導体(C)はセルロース骨格を構成するグルコピラノースモノマー中のヒドロキシル基の少なくとも1つがエステルまたはエーテルとなっているため、セルロース誘導体(C)とセルロースファイバー(B)との間の結合力は、セルロースファイバー(B)同士の結合力よりも弱い。
セルロース誘導体(C)が除去液と接触すると、セルロース誘導体(C)が除去液に溶解する。また、セルロースファイバー(B)は除去液に分散する。除去液中でセルロースファイバー(B)の近傍にセルロース誘導体(C)が存在すると、セルロースファイバー(B)同士ではなくセルロースファイバー(B)とセルロース誘導体(C)との間に水素結合が生じる。そのため、セルロースファイバー(B)同士が強固に凝集してしまうことを抑制することができる。なお、上述のとおりセルロースファイバー(B)とセルロース誘導体(C)との間の結合力はセルロースファイバー(B)同士の結合力よりも弱いため、セルロースファイバー(B)とセルロース誘導体(C)とが一旦結合したとしても、両者は容易に乖離しうる。この結果、サポート部の除去効率を向上させることができる。
セルロースファイバー(B)を構成するグルコース単位は、イス型の立体配座を持つ。この構造において、グルコース単位中のピラノース環に対して垂直方向にはCとHのみが配置され、水平方向には水酸基が配置されている。こうした構造を有するため、セルロースファイバー(B)は、ピラノース環の垂直方向は疎水性、水平方向は親水性を示し、セルロースの内部には疎水性部位と親水性部位の両方が局在している。セルロース誘導体(C)はセルロースファイバー(B)の疎水性部位に吸着し、保護コロイド性を発揮する。この保護コロイド性によって、サポート部の除去効率が向上すると考えられる。
セルロース誘導体(C)としては、アニオン性のセルロース誘導体またはノニオン性のセルロース誘導体を用いることが好ましい。
アニオン性セルロース誘導体としては、カルボキシメチルセルロース塩を用いることが好ましい。カルボキシメチルセルロース塩は水溶性高分子であり、除去液と接触すると溶解してカルボキシメチルセルロースアニオンとなり、セルロースナノファイバーに対して効率的に配位する。その結果、セルロースナノファイバー同士の凝集やゲル化を抑制することができる。
カルボキシメチルセルロース塩としては、ナトリウム塩(カルボキシメチルセルロースナトリウム)が好ましく用いられるが、カリウム、アンモニウム、リチウム、その他の塩であってもよい。
ノニオン性のセルロース誘導体としては、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
サポート材料全体に対するセルロース誘導体(C)の質量分率(含有量)は、特に限定されるものではないが、サポート材料の全体を100質量%としたときに、0.05質量%以上20質量%以下であることが好ましい。また、0.05質量%以上10質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以上10質量%以下であることが特に好ましい。セルロース誘導体(C)の含有量が0.05質量%より小さいと、セルロースファイバー(B)の凝集やゲル化を抑制する効果が十分に得られない。また、セルロース誘導体(C)は除去液に溶解する材料であることが好ましいが、水溶性母材(A)と比較すると水溶性が高くないものが多いため、セルロース誘導体(C)の含有量が10質量%より大きいとサポート部を除去する際の効率が低下してしまう。なお、セルロース誘導体(C)の含有量は、セルロースファイバー(B)の凝集のしやすさやゲル化のしやすさに応じて適宜調整することができる。
また、セルロースファイバー(B)に対するセルロース誘導体(C)の量は、特に限定されるものではないが、サポート材料に含まれるセルロースファイバー(B)の含有量を100質量%としたときに、0.3質量%以上70質量%以下であることが好ましい。また、0.5質量%以上40質量%以下であることがより好ましい。
(シェル)
本実施形態に係るサポート材料が粒子状のサポート材料(サポート材粒子)である場合には、サポート材粒子は、粒子の表面の少なくとも一部を覆うシェルをさらに有することが好ましい。なおこのとき、シェルに最も多く含まれる材料(以下、「シェル材料(D)」と称する)の水に対する溶解度は、水溶性母材(A)の水に対する溶解度より小さい。また、シェルは複数種類の材料で構成されていてもよい。シェル材料(D)は、水に対する溶解度が10より小さい材料が好ましく、5より小さい材料がより好ましく、1未満であればさらに好ましい。すなわち、シェル材料(D)は非水溶性材料であることが特に好ましい。
本実施形態に係るサポート材料が粒子状のサポート材料(サポート材粒子)である場合には、サポート材粒子は、粒子の表面の少なくとも一部を覆うシェルをさらに有することが好ましい。なおこのとき、シェルに最も多く含まれる材料(以下、「シェル材料(D)」と称する)の水に対する溶解度は、水溶性母材(A)の水に対する溶解度より小さい。また、シェルは複数種類の材料で構成されていてもよい。シェル材料(D)は、水に対する溶解度が10より小さい材料が好ましく、5より小さい材料がより好ましく、1未満であればさらに好ましい。すなわち、シェル材料(D)は非水溶性材料であることが特に好ましい。
水溶性母材(A)を含むサポート材料は、高湿度環境などの水分量の多い雰囲気下において、吸湿して表面の粘性が増加しやすい傾向がある。この傾向は、表面積の大きな粒子状のサポート材料において顕著になる。サポート材粒子が上述のシェルを有することで、サポート材粒子の吸湿を抑制することができ、表面の粘性の増加を抑制することができる。そのため、サポート材粒子の保存特性が向上し、ハンドリングも容易になる。
なお、下記のように推測されるメカニズムによって、たとえサポート材粒子が粒子表面の全面を覆うようなシェルを有していたとしても、サポート材粒子によって形成されるサポート部を除去液と接触させることによって除去することができる。
すなわち、立体物の製造工程において、サポート材粒子や構造材粒子を互いに融着する加熱融着工程では、粒子間の界面が消失することで粒子同士が融着し、層(シート)や造形物が形成される。この時、サポート材粒子全体におけるシェルの体積比は、サポート材粒子全体における水溶性母材(A)の体積比に比べて十分小さいため、シェルは破壊される。すなわち、水溶性母材(A)からなるネットワーク(マトリックス)中にセルロースファイバー(B)やセルロース誘導体(C)、シェルの破片などが分散した状態で、サポート部が形成される。しがって、本実施形態に係るサポート材粒子によって形成されたサポート部は、水溶性母材(A)のネットワークを水に接触させることによって造形物から容易に除去することができる。
シェル材料(D)としては、有機化合物および高分子化合物に代表される有機物、金属、セラミックスなどに代表される無機物、そして上記の複合体が挙げられるが、これらの材料に限定されるものではない。
上記の有機物としては、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等の樹脂物質、グリセリン脂肪酸エステル類、ショ糖脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類などのエステル化合物、エチルセルロースなどのセルロース誘導体の一部が挙げられるが、これらに限定はされない。
また無機物としては、酸化ケイ素、酸化チタン、アルミナなどの無機酸化物が挙げられるが、これらに限定はされない。
なお、水溶性母材(A)とシェル材料(D)とは、互いに異なっていることが好ましい。水溶性母材(A)とシェル材料(D)とが異なることで、サポート材粒子間を融着する際に水溶性母材(A)とシェル材料(D)との混合が抑制され、本発明の効果が得られ易い。
<サポート材料の形状>
本実施形態に係るサポート材料の形状は特に限定はされない。例えば、本実施形態に係るサポート材料を紛体状の造形材料(造形材粉体)を用いて造形を行うタイプの積層造形法に適用する場合には、粒子状のサポート材料(サポート材粒子)またはその集合体であるサポート材粉体としてもよい。このようなタイプの積層造形法としては、粉末焼結積層造形方式(SLS)やバインダージェッティング(結合剤噴射)方式、電子写真方式などがある。また、本実施形態に係るサポート材料を熱溶解積層法(FDM)方式の積層造形法に適用する場合には、ペレット状、ロッド状、フィラメント状のサポート材料としてもよい。
本実施形態に係るサポート材料の形状は特に限定はされない。例えば、本実施形態に係るサポート材料を紛体状の造形材料(造形材粉体)を用いて造形を行うタイプの積層造形法に適用する場合には、粒子状のサポート材料(サポート材粒子)またはその集合体であるサポート材粉体としてもよい。このようなタイプの積層造形法としては、粉末焼結積層造形方式(SLS)やバインダージェッティング(結合剤噴射)方式、電子写真方式などがある。また、本実施形態に係るサポート材料を熱溶解積層法(FDM)方式の積層造形法に適用する場合には、ペレット状、ロッド状、フィラメント状のサポート材料としてもよい。
<サポート材粉末の製造方法>
本実施形態に係るサポート材粉末(サポート材粒子の集合体)の製造方法は特に限定はされない。本実施形態に係るサポート材粉末を得るための製造方法の一例としては以下の方法が挙げられる。
本実施形態に係るサポート材粉末(サポート材粒子の集合体)の製造方法は特に限定はされない。本実施形態に係るサポート材粉末を得るための製造方法の一例としては以下の方法が挙げられる。
第1に、水溶性母材(A)およびセルロース誘導体(C)を含む溶液中にセルロースファイバー(B)を分散させたものを原料液とし、原料液を気体中に噴霧して急速に乾燥させることによってサポート材粉末を得る方法(スプレードライ法)がある。この方法によれば、サポート材粉末に含まれるサポート材粒子の平均粒径や円形度を比較的均一にすることができるため好ましい。
第2に、水溶性母材(A)とセルロースファイバー(B)とセルロース誘導体(C)とを溶融混練して固形物を得、得られた固形物を粉砕してサポート材粉末を得る方法(混練粉砕法)がある。この方法によれば、サポート材粉末を安価に製造することができる。
その他の方法として、各成分を機械的に粉砕して混合する機械粉砕法や、各成分を溶融状態で媒体中に分散させ冷却することで粒子を得る溶融分散冷却法などを用いてもよい。
<立体物の製造方法>
次に、本実施形態のサポート材料を用いた立体物の製造方法の例について説明する。本実施形態に係る立体物の製造方法は、三次元モデルのスライスデータに応じて造形材料からなる材料層を形成し、材料層を積層することで三次元モデル(造形対象物)を実体化した立体物を製造する方法である。
次に、本実施形態のサポート材料を用いた立体物の製造方法の例について説明する。本実施形態に係る立体物の製造方法は、三次元モデルのスライスデータに応じて造形材料からなる材料層を形成し、材料層を積層することで三次元モデル(造形対象物)を実体化した立体物を製造する方法である。
なお、ここでいう「スライスデータ」は、三次元モデルの造形データを積層方向に所定の間隔でスライスして生成される複数のスライス画像データであってもよい。このとき、それぞれのスライス画像データは、層ごとの造形材料の二次元的な配置情報を含むデータである。スライス画像データは、造形材料によって材料層を形成し、形成した材料層を積層していくタイプの積層造形法に好適に用いることができる。あるいは、「スライスデータ」は、造形材料を配置していく経路情報を含むツールパスデータであってもよい。ツールパスデータは、熱溶解積層法(FDM)方式の積層造形法に好適に用いることができる。
本実施形態に係る立体物の製造方法は、三次元モデルのスライスデータに応じて造形材料からなる材料層を形成する材料層形成工程と、材料層を積層する材料層積層工程と、を有するということもできる。なお、材料層積層工程は、材料層形成工程で形成した第1の材料層上で第2の材料層を形成する工程であってもよいし、第1の材料層上以外の場所で形成した第2の材料層を第1の材料層の上に積層する工程であってもよい。
本実施形態に係る立体物の製造方法は、次の[1]〜[2]の工程を有する。
[1]立体物を構成する構造部と、前記構造部を支持するサポート部と、を含む造形物を形成する第1の工程(造形物形成工程)
[2]水を含む液体に前記造形物を接触させることにより、前記造形物から前記サポート部を除去して前記立体物を形成する第2の工程(除去工程)
以下、各工程について詳しく説明する。
[2]水を含む液体に前記造形物を接触させることにより、前記造形物から前記サポート部を除去して前記立体物を形成する第2の工程(除去工程)
以下、各工程について詳しく説明する。
[1]造形物形成工程
本工程では、立体物を構成する構造部と、構造部を支持するサポート部と、を含む造形物を積層造形法により形成する工程である。積層造形法により、三次元モデルのスライスデータに応じて、少なくとも1種類の構造材料を用いて構造部を形成し、少なくとも1種類のサポート材料を用いてサポート部を形成する。本実施形態では、サポート部を形成するサポート材料として、本発明のサポート材料を用いる。
本工程では、立体物を構成する構造部と、構造部を支持するサポート部と、を含む造形物を積層造形法により形成する工程である。積層造形法により、三次元モデルのスライスデータに応じて、少なくとも1種類の構造材料を用いて構造部を形成し、少なくとも1種類のサポート材料を用いてサポート部を形成する。本実施形態では、サポート部を形成するサポート材料として、本発明のサポート材料を用いる。
造形物形成工程は、次の[1a]〜[1b]の工程を有していてもよい。
[1a]材料層形成工程
本工程は、三次元モデルのスライスデータに応じて、構造材料と、必要に応じてサポート材料と、を配置して、材料層を形成する工程である。
本工程は、三次元モデルのスライスデータに応じて、構造材料と、必要に応じてサポート材料と、を配置して、材料層を形成する工程である。
なおここでは、造形対象物の三次元モデルから生成されるスライスデータに、サポート部のスライスデータが付加された合成データが用いられる。なお、三次元モデルからスライスデータを生成する前に三次元モデルにサポート部のモデルデータを付加した状態でスライス処理を行い、スライスデータ(合成データ)を生成してもよい。あるいは、三次元モデルからスライスデータを生成した後に、三次元モデルのスライスデータに対してサポート部のスライスデータを付加してもよい。本明細書における「三次元モデルのスライスデータ」は、上述のように必要に応じてサポート部のスライスデータが付加された合成データも含む。
構造材料およびサポート材料を配置する方法は特に限定はされず、積層造形法において使用される種々の方法を用いることができる。中でも、熱溶解積層法(FDM)方式または電子写真方式を用いることが好ましい。これらの方式によれば、複数種類の造形材料のそれぞれをスライスデータに応じて容易に配置していくことができる。
[1b]材料層積層工程
本工程は、材料層形成工程で形成された材料層を繰り返し積層して、造形物を形成する工程である。材料層の積層は、別体として形成した材料層を、先に形成した材料層の表面に積層しても良いし、先に形成した材料層の表面上に、新たな材料層を直接形成して積層しても良い。また、別体として形成した材料層を先に形成した材料層の表面に積層する際は、一旦基材の上に材料層を形成した後に、先に形成した材料層の表面に転写しても良い。この際に用いる基材を、転写体と呼ぶ。材料層を転写体に転写する際には、静電エネルギーを利用した静電転写や熱エネルギーを利用した熱転写など、公知の転写方法が使用可能である。
本工程は、材料層形成工程で形成された材料層を繰り返し積層して、造形物を形成する工程である。材料層の積層は、別体として形成した材料層を、先に形成した材料層の表面に積層しても良いし、先に形成した材料層の表面上に、新たな材料層を直接形成して積層しても良い。また、別体として形成した材料層を先に形成した材料層の表面に積層する際は、一旦基材の上に材料層を形成した後に、先に形成した材料層の表面に転写しても良い。この際に用いる基材を、転写体と呼ぶ。材料層を転写体に転写する際には、静電エネルギーを利用した静電転写や熱エネルギーを利用した熱転写など、公知の転写方法が使用可能である。
造形物形成工程では、上記の[1a]および[1b]の工程を複数回、例えば三次元モデルのスライスデータに応じた回数分だけ繰り返して、造形物を形成する。
[2]除去工程
本工程では、[1]の工程によって得られた造形物のうち、サポート部を除去して立体物を得る工程である。なお、サポート部の除去は造形物を除去液に接触させることで行う。
本工程では、[1]の工程によって得られた造形物のうち、サポート部を除去して立体物を得る工程である。なお、サポート部の除去は造形物を除去液に接触させることで行う。
上述のように、本実施形態に係るサポート材料はセルロース誘導体(C)を含有しているため、サポート部にもセルロース誘導体(C)が含まれる。そのため、除去液によってサポート部を除去する際に、セルロース誘導体(C)によってセルロースファイバー(B)の凝集が抑制される。その結果、除去液と接触させることによるサポート部の除去効率を向上させることができる。
なお、除去工程における除去液の温度は特に限定はされないが、水溶性母材(A)の溶解度が上昇し、サポート部の除去効率が向上するため、除去液の温度は高いほうがよい。除去液の温度は、例えば、60℃以上80℃以下が好ましいが、構造材料の耐熱温度に応じて決定することが好ましい。構造材料がABSやPPの場合、100℃まで温度を上げると構造部が熱によって変形してしまう可能性がある。そのため、除去液の温度は構造材料の荷重たわみ温度以下であることが好ましい。
造形物を除去液に接触させ、造形物からサポート部を除去する方法は、造形物中のサポート部に、除去液がまんべんなく接触しうる方式であれば、特に限定はされない。造形物を除去液に接触させる方法の一例を、図3を用いて説明する。図3は、本実施形態に係るサポート部の除去方法を模式的に示す図である。
例えば、図3(a)に示すように、除去液41を貯留した液槽42中に、造形物19を浸漬する方法(浸漬法)がある。この方法は、液槽42中に造形物19を浸漬した後は、基本的に人手を必要とせず、極めて簡便にサポート部17bを除去できるため、好ましい。
なおこのとき、造形物19に除去液41を接触させつつ、造形物に対して超音波を照射することが好ましい。これにより、サポート部17bを効率的に除去することができる。また、マグネティックスターラーなどの撹拌装置(不図示)を液槽42内に設置しておき、液槽42内に水流を発生させてもよい。これにより、サポート部17bをより効率的に除去することができる。
また、図3(b)に示すように、加圧噴射装置43によって除去液41を加圧噴射し、ウォータージェット状の除去液41を造形物19に噴射する方法(ウォータージェット法)もある。あるいは、図3(c)に示すように、スプレー装置44によって除去液41を噴霧し、スプレー状の除去液41を造形物19に対して噴霧する方法(スプレー法)もある。
特に、ウォータージェット法はサポート部17bを形成する水溶性母材(A)または水溶性母材(A)に起因する材料を溶解させて除去するのみならず、セルロースファイバー(B)などの各成分を除去液41の水勢によって吹き飛ばすこともできる。これにより、より効率的にサポート部17bを除去することができる。立体物20の形状が、ウォータージェット状の除去液41の水圧に耐えうるだけの強度を有する場合には、ウォータージェット法を用いることが好ましい。
<造形装置>
立体物を構成する構造部と、前記構造部を支持するサポート部と、を含む造形物を積層造形法により形成する造形装置について、図1および図2を用いて説明する。本実施形態に係る造形装置は、サポート部を形成するサポート材料として、本発明のサポート材料を用いる。
立体物を構成する構造部と、前記構造部を支持するサポート部と、を含む造形物を積層造形法により形成する造形装置について、図1および図2を用いて説明する。本実施形態に係る造形装置は、サポート部を形成するサポート材料として、本発明のサポート材料を用いる。
図1は、本実施形態に係る造形装置の第1の構成例を模式的に示す図である。図1(a)に示すように、第1の構成例の造形装置100は、粒子層形成部110と、積層部120と、粒子層形成部110で形成された粒子層を積層部120へと搬送する搬送体130と、を有する。本実施形態に係る造形装置100の構成と動作について説明する。
粒子層形成部110は、材料供給部111、像担持体112、露光装置113と、を有する。粒子層形成部110は、構造材粉末による粒子像を像担持体112a上に、サポート材粉末による粒子像を像担持体112b上に、それぞれ形成する。そして、これらの粒子像を搬送体130の上へ転写して、構造材粉末およびサポート材粉末によって構成される粒子層(材料層)を形成する。
以下、材料層の形成工程について詳細に説明するが、各粒子像の形成について共通する説明の中では構成部材の参照符号の添え字a〜dを省略し、材料供給部111、像担持体112などと記載する。
まず、像担持体112の表面を不図示の帯電装置で一様に帯電させる。帯電の方法については特に限定はされない。
露光装置113を用いて、作製する造形物のスライスデータ(断面データ)に従って、帯電した像担持体112を露光し、像担持体112の表面上に静電潜像を形成する。具体的には、作製する造形物のスライスデータにおける構造部領域の静電潜像を像担持体112aに、サポート部領域の静電潜像を像担持体112bに形成する。
続いて、材料供給部111から造形材粉末(構造材粉末またはサポート材粉末)を像担持体112に供給する。これにより、像担持体112の表面上の静電潜像が形成された領域、または静電潜像が形成されなかった領域のいずれかに配置される。これにより、静電潜像を可視化し、像担持体112aの表面上には構造材粉末による粒子像を形成し、像担持体112bの表面上にはサポート材粉末による粒子像を形成することができる。
その後、像担持体112a、112bに各々配置された各粒子像を、搬送体130上へと所定のタイミングで転写する。これにより、構造材粉末による粒子像と、サポート材粉末による粒子像と、からなる粒子層を形成することができる。すなわち、構造材粉末およびサポート材粉末のいずれか一方が配置されてなる第1の層が転写された転写体に、他方の粒子が配置されてなる第2の層を転写して、粒子層を形成する。なお、粒子像を搬送体130へと転写する順番は特に限定はされず、構造材粉末からなる粒子像を転写した後にサポート材粉末からなる粒子像を転写してもよいし、その逆の順番で転写してもよい。
なお、ここでは粒子層形成部110が材料供給部111、像担持体112、露光装置113のセットを2つ有する例を用いて説明したが、これに限定はされない。すなわち、複数種類の構造材粉末や複数種類のサポート材粉末を用いて造形を行う場合には、粒子層形成部110は、造形材粉末(構造材粉末およびサポート材粉末)の種類の数だけ、上記セットを有していればよい。
搬送体130に形成された粒子層は、搬送体130の回転によって積層位置まで移動される。粒子層が積層位置まで移動されると、温度制御手段122により加熱されて粒子層を構成する粒子を互いに融着させる。そして、ステージ121の上面またはステージ121上に形成されている生成途中の造形物上に転写され、積層される。
この際、粒子層のうち構造材粉末からなる領域は立体物を構成する部分(構造部17a)として積層され、サポート材粉末からなる領域はサポート部17bとして積層される。すなわち、本実施形態に係る立体物の製造方法における積層工程は、粒子層を加熱して粒子を融着させる加熱融着工程を含む。
粒子層を加熱し、粒子層を構成する粒子を互いに融着させるタイミングは、特に限定はされず、積層の前、積層と同時、積層の後のいずれで行っても良いし、それらのうちの複数のタイミングで行っても良い。
また、加熱融着工程では、粒子層中の構造材粒子とサポート材粒子はともに、温度制御手段122によって加熱され、これらの粒子はほぼ同じ温度に温度制御される。このとき温度制御手段122は、構造材粒子およびサポート材粒子がともに軟化する温度で加熱を行うことが好ましい。したがって、構造材粒子とサポート材粒子の軟化温度が異なる場合は、温度制御手段122はいずれか高い方の温度以上の温度で加熱を行うことが好ましい。
本実施形態に係る造形装置100は、上述の材料層形成工程と材料層積層工程をスライスデータに応じた回数分だけ繰り返すことで、図1(b)に示すような造形物19を形成する。その後、造形物19を除去液に接触させることでサポート部17bが除去され、図1(c)に示すような立体物20が得られる。
図2は、本実施形態に係る造形装置の第2の構成例を示す図である。第2の構成例の造形装置200は、熱溶解積層法(FDM)方式によって造形を行う装置である。図2(a)に示すように、第2の構成例の造形装置200は、造形コントローラ210と、ステージ121と、ステージ121を駆動するステージ駆動部230と、を有している。さらに、造形装置200は、構造材料を吐出するノズル221aと、サポート材料を吐出するノズル221bと、ノズル221aおよびノズル221bを駆動するノズル駆動部220と、を有している。さらに、造形装置200は、ノズル221aに構造材料を供給する材料供給部222aと、ノズル221bにサポート材料を供給する材料供給部222bと、を有している。
造形コントローラ210は、作製する造形物のスライスデータ(ツールパスデータ)に基づいて、ノズル駆動部220および/またはステージ駆動部230を制御するための制御信号を生成する。ノズル駆動部220は制御信号を受信してノズル221aおよびノズル221bの動作や材料吐出量を制御し、ステージ駆動部230は制御信号を受信してステージ121の動作を制御する。これにより、図2(b)に示すような造形物19を形成する。その後、造形物19を除去液に接触させることでサポート部17bが除去され、図2(c)に示すような立体物20が得られる。
以下に実施例について説明するが、本発明は実施例によって制限されるものではない。
(サポート材粉末の調製)
各サポート材粉末を下記方法にて調製した。
各サポート材粉末を下記方法にて調製した。
<調製例1>
水溶性母材(A)として、マルトテトラオース(日食フジオリゴ#450、日本食品化工株式会社製)を2.95kg、ラクチトール無水和物LC−0(物産フードサイエンス株式会社製)を1.26kg用いた。また、セルロースファイバー(B)としてセルロースナノファイバー(ダイセルファインケム株式会社製)を固形分で0.742kg用いた。セルロースナノファイバーは、セルロースナノファイバー:水=20:80(重量比)の分散液(セリッシュ FD−200L、ダイセルファインケム株式会社製)を3.71kg用いた。また、セルロース誘導体(C)としてカルボキシメチルセルロースナトリウム(CMCダイセル1220、ダイセルファインケム株式会社製)を0.05kg用いた。すなわち、サポート材粒子全体に対するセルロースファイバー(B)の重量比が14.9%、セルロース誘導体(C)の重量比が1.00%となるように、各成分を配合した。
水溶性母材(A)として、マルトテトラオース(日食フジオリゴ#450、日本食品化工株式会社製)を2.95kg、ラクチトール無水和物LC−0(物産フードサイエンス株式会社製)を1.26kg用いた。また、セルロースファイバー(B)としてセルロースナノファイバー(ダイセルファインケム株式会社製)を固形分で0.742kg用いた。セルロースナノファイバーは、セルロースナノファイバー:水=20:80(重量比)の分散液(セリッシュ FD−200L、ダイセルファインケム株式会社製)を3.71kg用いた。また、セルロース誘導体(C)としてカルボキシメチルセルロースナトリウム(CMCダイセル1220、ダイセルファインケム株式会社製)を0.05kg用いた。すなわち、サポート材粒子全体に対するセルロースファイバー(B)の重量比が14.9%、セルロース誘導体(C)の重量比が1.00%となるように、各成分を配合した。
水溶性母材(A)、セルロースファイバー(B)、セルロース誘導体(C)を水17.0kgに溶解または分散させた分散液を調製し、スプレードライ装置を用いてスプレードライ法によって粉末を作製した。得られた粉末を分級することで、平均粒径25μmのサポート材粉末1を得た。
ここで、粒径の測定は、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置LA−950(HORIBA社製)を用いて行った。
まず、測定溶媒が入ったバッチ式セルをレーザー回折散乱式粒度分布測定装置LA−950(HORIBA社製)にセットして光軸の調整、バックグラウンドの調整を行なった。この時使用する溶媒は、粉末に含まれる各粒子が溶解しないものを選択する必要がある。ここでは、イソプロピルアルコール(特級 キシダ化学社製)を用いた。測定対象の粉末を、タングステンランプの透過率が95%〜90%になるまでバッチ式セルに添加し、粒度分布の測定を行った。得られた測定結果から、体積基準の平均粒径を算出した。以下、平均粒径の測定は同様に行った。
<調製例2>
水溶性母材(A)として、マルトテトラオース(日食フジオリゴ#450、日本食品化工株式会社製)を2.97kg、ラクチトール無水和物LC−0(物産フードサイエンス株式会社製)を1.27kg用いた。また、セルロースファイバー(B)としてセルロースナノファイバー(ダイセルファインケム株式会社製)を固形分で0.75kg用いた。セルロースナノファイバーは、セルロースナノファイバー:水=20:80(重量比)の分散液(セリッシュ FD−200L、ダイセルファインケム株式会社製)を3.75kg用いた。また、セルロース誘導体(C)としてカルボキシメチルセルロースナトリウム(CMCダイセル1220、ダイセルファインケム株式会社製)を0.0050kg用いた。すなわち、サポート材粒子全体に対するセルロースファイバー(B)の重量比が15.0%、セルロース誘導体(C)の重量比が0.100%となるように、各成分を配合した。
水溶性母材(A)として、マルトテトラオース(日食フジオリゴ#450、日本食品化工株式会社製)を2.97kg、ラクチトール無水和物LC−0(物産フードサイエンス株式会社製)を1.27kg用いた。また、セルロースファイバー(B)としてセルロースナノファイバー(ダイセルファインケム株式会社製)を固形分で0.75kg用いた。セルロースナノファイバーは、セルロースナノファイバー:水=20:80(重量比)の分散液(セリッシュ FD−200L、ダイセルファインケム株式会社製)を3.75kg用いた。また、セルロース誘導体(C)としてカルボキシメチルセルロースナトリウム(CMCダイセル1220、ダイセルファインケム株式会社製)を0.0050kg用いた。すなわち、サポート材粒子全体に対するセルロースファイバー(B)の重量比が15.0%、セルロース誘導体(C)の重量比が0.100%となるように、各成分を配合した。
水溶性母材(A)、セルロースファイバー(B)、セルロース誘導体(C)を水17.0kgに溶解または分散させた分散液を調製し、スプレードライ装置を用いてスプレードライ法によって粉末を作製した。得られた粉末を分級することで、平均粒径25μmのサポート材粉末2を得た。
<調製例3>
水溶性母材(A)として、マルトテトラオース(日食フジオリゴ#450、日本食品化工株式会社製)を2.97kg、ラクチトール無水和物LC−0(物産フードサイエンス株式会社製)を1.27kg用いた。また、セルロースファイバー(B)としてセルロースナノファイバー(ダイセルファインケム株式会社製)を固形分で0.75kg用いた。セルロースナノファイバーは、セルロースナノファイバー:水=20:80(重量比)の分散液(セリッシュ FD−200L、ダイセルファインケム株式会社製)を3.75kg用いた。また、セルロース誘導体(C)としてカルボキシメチルセルロースナトリウム(CMCダイセル1220、ダイセルファインケム株式会社製)を0.0025kgを用いた。すなわち、サポート材粒子全体に対するセルロースファイバー(B)の重量比が15.0%、セルロース誘導体(C)の重量比が0.050%となるように、各成分を配合した。
水溶性母材(A)として、マルトテトラオース(日食フジオリゴ#450、日本食品化工株式会社製)を2.97kg、ラクチトール無水和物LC−0(物産フードサイエンス株式会社製)を1.27kg用いた。また、セルロースファイバー(B)としてセルロースナノファイバー(ダイセルファインケム株式会社製)を固形分で0.75kg用いた。セルロースナノファイバーは、セルロースナノファイバー:水=20:80(重量比)の分散液(セリッシュ FD−200L、ダイセルファインケム株式会社製)を3.75kg用いた。また、セルロース誘導体(C)としてカルボキシメチルセルロースナトリウム(CMCダイセル1220、ダイセルファインケム株式会社製)を0.0025kgを用いた。すなわち、サポート材粒子全体に対するセルロースファイバー(B)の重量比が15.0%、セルロース誘導体(C)の重量比が0.050%となるように、各成分を配合した。
水溶性母材(A)、セルロースファイバー(B)、セルロース誘導体(C)を水17.0kgに溶解または分散させた分散液を調製し、スプレードライ装置を用いてスプレードライ法によって粉末を作製した。得られた粉末を分級することで、平均粒径25μmのサポート材粉末3を得た。
<調製例4>
水溶性母材(A)として、マルトテトラオース(日食フジオリゴ#450、日本食品化工株式会社製)を2.97kg、ラクチトール無水和物LC−0(物産フードサイエンス株式会社製)を1.27kg用いた。また、セルロースファイバー(B)としてセルロースナノファイバー(ダイセルファインケム株式会社製)を固形分で0.75kg用いた。セルロースナノファイバーは、セルロースナノファイバー:水=20:80(重量比)の分散液(セリッシュ FD−200L、ダイセルファインケム株式会社製)を3.75kg用いた。また、セルロース誘導体(C)としてカルボキシメチルセルロースナトリウム(CMCダイセル1220、ダイセルファインケム株式会社製)を0.0005kg用いた。すなわち、サポート材粒子全体に対するセルロースファイバー(B)の重量比が15.0%、セルロース誘導体(C)の重量比が0.01%となるように、各成分を配合した。
水溶性母材(A)として、マルトテトラオース(日食フジオリゴ#450、日本食品化工株式会社製)を2.97kg、ラクチトール無水和物LC−0(物産フードサイエンス株式会社製)を1.27kg用いた。また、セルロースファイバー(B)としてセルロースナノファイバー(ダイセルファインケム株式会社製)を固形分で0.75kg用いた。セルロースナノファイバーは、セルロースナノファイバー:水=20:80(重量比)の分散液(セリッシュ FD−200L、ダイセルファインケム株式会社製)を3.75kg用いた。また、セルロース誘導体(C)としてカルボキシメチルセルロースナトリウム(CMCダイセル1220、ダイセルファインケム株式会社製)を0.0005kg用いた。すなわち、サポート材粒子全体に対するセルロースファイバー(B)の重量比が15.0%、セルロース誘導体(C)の重量比が0.01%となるように、各成分を配合した。
水溶性母材(A)、セルロースファイバー(B)、セルロース誘導体(C)を水17.0kgに溶解または分散させた分散液を調製し、スプレードライ装置を用いてスプレードライ法によって粉末を作製した。得られた粉末を分級することで、平均粒径25μmのサポート材粉末4を得た。
<調製例5>
水溶性母材(A)として、マルトテトラオース(日食フジオリゴ#450、日本食品化工株式会社製)を2.98kg、ラクチトール無水和物LC−0(物産フードサイエンス株式会社製)を1.28kg用いた。また、セルロースファイバー(B)としてセルロースナノファイバー(ダイセルファインケム株式会社製)を固形分で0.75kg用いた。セルロースナノファイバーは、セルロースナノファイバー:水=20:80(重量比)の分散液(セリッシュ FD−200L、ダイセルファインケム株式会社製)を3.75kg用いた。本調製例では、セルロース誘導体(C)は用いなかった。すなわち、サポート材粒子全体に対するセルロースファイバー(B)の重量比が15.0%となるように、各成分を配合した。
水溶性母材(A)として、マルトテトラオース(日食フジオリゴ#450、日本食品化工株式会社製)を2.98kg、ラクチトール無水和物LC−0(物産フードサイエンス株式会社製)を1.28kg用いた。また、セルロースファイバー(B)としてセルロースナノファイバー(ダイセルファインケム株式会社製)を固形分で0.75kg用いた。セルロースナノファイバーは、セルロースナノファイバー:水=20:80(重量比)の分散液(セリッシュ FD−200L、ダイセルファインケム株式会社製)を3.75kg用いた。本調製例では、セルロース誘導体(C)は用いなかった。すなわち、サポート材粒子全体に対するセルロースファイバー(B)の重量比が15.0%となるように、各成分を配合した。
水溶性母材(A)とセルロースファイバー(B)を水17.0kgに溶解または分散させた分散液を調製し、スプレードライ装置を用いてスプレードライ法によって粉末を作製した。得られた粉末を分級することで、平均粒径25μmの造形材粉末5を得た。
<調製例6>
水溶性母材(A)として、マルトテトラオース(日食フジオリゴ#450、日本食品化工株式会社製)を2.83kg、ラクチトール無水和物LC−0(物産フードサイエンス株式会社製)を1.21kg用いた。また、セルロースファイバー(B)としてセルロースナノファイバー(ダイセルファインケム株式会社製)を固形分で0.71kg用いた。セルロースナノファイバーは、セルロースナノファイバー:水=20:80(重量比)の分散液(セリッシュ FD−200L、ダイセルファインケム株式会社製)を3.56kg用いた。また、セルロース誘導体(C)としてカルボキシメチルセルロースナトリウム(CMCダイセル1220、ダイセルファインケム株式会社製)を0.25kg用いた。すなわち、サポート材粒子全体に対するセルロースファイバー(B)の重量比が15.0%、セルロース誘導体(C)の重量比が5.0%となるように、各成分を配合した。
水溶性母材(A)として、マルトテトラオース(日食フジオリゴ#450、日本食品化工株式会社製)を2.83kg、ラクチトール無水和物LC−0(物産フードサイエンス株式会社製)を1.21kg用いた。また、セルロースファイバー(B)としてセルロースナノファイバー(ダイセルファインケム株式会社製)を固形分で0.71kg用いた。セルロースナノファイバーは、セルロースナノファイバー:水=20:80(重量比)の分散液(セリッシュ FD−200L、ダイセルファインケム株式会社製)を3.56kg用いた。また、セルロース誘導体(C)としてカルボキシメチルセルロースナトリウム(CMCダイセル1220、ダイセルファインケム株式会社製)を0.25kg用いた。すなわち、サポート材粒子全体に対するセルロースファイバー(B)の重量比が15.0%、セルロース誘導体(C)の重量比が5.0%となるように、各成分を配合した。
水溶性母材(A)、セルロースファイバー(B)、セルロース誘導体(C)を水17.0kgに溶解または分散させた分散液を調製し、スプレードライ装置を用いてスプレードライ法によって粉末を作製した。得られた粉末を分級することで、平均粒径25μmのサポート材粉末6を得た。
<調製例7>
水溶性母材(A)として、マルトテトラオース(日食フジオリゴ#450、日本食品化工株式会社製)を2.68kg、ラクチトール無水和物LC−0(物産フードサイエンス株式会社製)を1.15kg用いた。また、セルロースファイバー(B)としてセルロースナノファイバー(ダイセルファインケム株式会社製)を固形分で0.68kg用いた。セルロースナノファイバーは、セルロースナノファイバー:水=20:80(重量比)の分散液(セリッシュ FD−200L、ダイセルファインケム株式会社製)を3.38kg用いた。また、セルロース誘導体(C)としてカルボキシメチルセルロースナトリウム(CMCダイセル1220、ダイセルファインケム株式会社製)を0.50kg用いた。すなわち、サポート材粒子全体に対するセルロースファイバー(B)の重量比が15.0%、セルロース誘導体(C)の重量比が10.0%となるように、各成分を配合した。
水溶性母材(A)として、マルトテトラオース(日食フジオリゴ#450、日本食品化工株式会社製)を2.68kg、ラクチトール無水和物LC−0(物産フードサイエンス株式会社製)を1.15kg用いた。また、セルロースファイバー(B)としてセルロースナノファイバー(ダイセルファインケム株式会社製)を固形分で0.68kg用いた。セルロースナノファイバーは、セルロースナノファイバー:水=20:80(重量比)の分散液(セリッシュ FD−200L、ダイセルファインケム株式会社製)を3.38kg用いた。また、セルロース誘導体(C)としてカルボキシメチルセルロースナトリウム(CMCダイセル1220、ダイセルファインケム株式会社製)を0.50kg用いた。すなわち、サポート材粒子全体に対するセルロースファイバー(B)の重量比が15.0%、セルロース誘導体(C)の重量比が10.0%となるように、各成分を配合した。
水溶性母材(A)、セルロースファイバー(B)、セルロース誘導体(C)を水17.0kgに溶解または分散させた分散液を調製し、スプレードライ装置を用いてスプレードライ法によって粉末を作製した。得られた粉末を分級することで、平均粒径25μmのサポート材粉末7を得た。
<調製例8>
水溶性母材(A)として、マルトテトラオース(日食フジオリゴ#450、日本食品化工株式会社製)を2.38kg、ラクチトール無水和物LC−0(物産フードサイエンス株式会社製)を1.02kg用いた。また、セルロースファイバー(B)としてセルロースナノファイバー(ダイセルファインケム株式会社製)を固形分で0.60kg用いた。セルロースナノファイバーは、セルロースナノファイバー:水=20:80(重量比)の分散液(セリッシュ FD−200L、ダイセルファインケム株式会社製)を3.00kg用いた。また、セルロース誘導体(C)としてカルボキシメチルセルロースナトリウム(CMCダイセル1220、ダイセルファインケム株式会社製)を1.00kg用いた。すなわち、サポート材粒子全体に対するセルロースファイバー(B)の重量比が15.0%、セルロース誘導体(C)の重量比が20.0%となるように、各成分を配合した。
水溶性母材(A)として、マルトテトラオース(日食フジオリゴ#450、日本食品化工株式会社製)を2.38kg、ラクチトール無水和物LC−0(物産フードサイエンス株式会社製)を1.02kg用いた。また、セルロースファイバー(B)としてセルロースナノファイバー(ダイセルファインケム株式会社製)を固形分で0.60kg用いた。セルロースナノファイバーは、セルロースナノファイバー:水=20:80(重量比)の分散液(セリッシュ FD−200L、ダイセルファインケム株式会社製)を3.00kg用いた。また、セルロース誘導体(C)としてカルボキシメチルセルロースナトリウム(CMCダイセル1220、ダイセルファインケム株式会社製)を1.00kg用いた。すなわち、サポート材粒子全体に対するセルロースファイバー(B)の重量比が15.0%、セルロース誘導体(C)の重量比が20.0%となるように、各成分を配合した。
水溶性母材(A)、セルロースファイバー(B)、セルロース誘導体(C)を水17.0kgに溶解または分散させた分散液を調製し、スプレードライ装置を用いてスプレードライ法によって粉末を作製した。得られた粉末を分級することで、平均粒径25μmのサポート材粉末8を得た。
<調製例9>
水溶性母材(A)として、マルトテトラオース(日食フジオリゴ#450、日本食品化工株式会社製)を2.95kg、ラクチトール無水和物LC−0(物産フードサイエンス株式会社製)を1.26kg用いた。また、セルロースファイバー(B)としてセルロースナノファイバー(ダイセルファインケム株式会社製)を固形分で0.742kg用いた。セルロースナノファイバーは、セルロースナノファイバー:水=20:80(重量比)の分散液(セリッシュ FD−200L、ダイセルファインケム株式会社製)を3.71kg用いた。また、セルロース誘導体(C)としてヒドロキシエチルセルロース(HECダイセルSP200、ダイセルファインケム株式会社製)を0.05kg用いた。すなわち、サポート材粒子全体に対するセルロースファイバー(B)の重量比が15.0%、セルロース誘導体(C)の重量比が1.0%となるように、各成分を配合した。
水溶性母材(A)として、マルトテトラオース(日食フジオリゴ#450、日本食品化工株式会社製)を2.95kg、ラクチトール無水和物LC−0(物産フードサイエンス株式会社製)を1.26kg用いた。また、セルロースファイバー(B)としてセルロースナノファイバー(ダイセルファインケム株式会社製)を固形分で0.742kg用いた。セルロースナノファイバーは、セルロースナノファイバー:水=20:80(重量比)の分散液(セリッシュ FD−200L、ダイセルファインケム株式会社製)を3.71kg用いた。また、セルロース誘導体(C)としてヒドロキシエチルセルロース(HECダイセルSP200、ダイセルファインケム株式会社製)を0.05kg用いた。すなわち、サポート材粒子全体に対するセルロースファイバー(B)の重量比が15.0%、セルロース誘導体(C)の重量比が1.0%となるように、各成分を配合した。
水溶性母材(A)、セルロースファイバー(B)、セルロース誘導体(C)を水17.0kgに溶解または分散させた分散液を調製し、スプレードライ装置を用いてスプレードライ法によって粉末を作製した。得られた粉末を分級することで、平均粒径25μmのサポート材粉末9を得た。
(サポート部の除去性評価)
<実施例1>
調製例1で調製したサポート材粉末1を、直径8mmの円柱型のペレットを形成するための金型に約0.05g投入した。そして、加圧プレス装置(マサダ製作所製 MASADA JACK MH−10)で0.1MPaの荷重をかけつつ、電熱ヒーターで120℃に保温し、直径8mm、厚さ1mmの円柱型のペレットを得た。
<実施例1>
調製例1で調製したサポート材粉末1を、直径8mmの円柱型のペレットを形成するための金型に約0.05g投入した。そして、加圧プレス装置(マサダ製作所製 MASADA JACK MH−10)で0.1MPaの荷重をかけつつ、電熱ヒーターで120℃に保温し、直径8mm、厚さ1mmの円柱型のペレットを得た。
サポート除去液として蒸留水を約50mL入れた100mLビーカーに、得られたペレットを投入して、ペレットをサポート除去液に浸漬した。上記ビーカーをマグネティックスターラー本体(ホットスターラーREMIX RSH−4DN、アズワン株式会社製)のホットプレート上に載置した。ホットプレートによってビーカー内のサポート除去液を約60℃に加温した。また、ビーカー内に長さ15mm×Φ5mmのマグネティックスターラー回転子を投入しておき、約500回転/secの撹拌を行った。なお、マグネティックスターラー回転子とペレットが接触しないように、ビーカー内に台座を配置し、ペレットは台座上に配置した。
サポート除去液に浸漬した状態で、ペレットが崩壊し、目視で形状が無くなるまでの時間(除去時間)を測定し、下記基準で除去性を評価した。結果を表1に示す。
ランクA 除去時間が、3時間未満である。
ランクB 除去時間が、3時間以上6時間未満である。
ランクC 除去時間が、6時間以上かかる。
ランクA 除去時間が、3時間未満である。
ランクB 除去時間が、3時間以上6時間未満である。
ランクC 除去時間が、6時間以上かかる。
なお、表1において、「CMCNa」は「カルボキシメチルセルロースナトリウム」を表し、「HEC」は「ヒドロキシエチルセルロース」を表す。
<実施例2>
調製例2で調製したサポート材粉末2について、実施例1と同様にして除去性を評価した。結果を表1に示す。
調製例2で調製したサポート材粉末2について、実施例1と同様にして除去性を評価した。結果を表1に示す。
<実施例3>
調製例3で調製したサポート材粉末3について、実施例1と同様にして除去性を評価した。結果を表1に示す。
調製例3で調製したサポート材粉末3について、実施例1と同様にして除去性を評価した。結果を表1に示す。
<実施例4>
調製例6で調製したサポート材粉末6について、実施例1と同様にして除去性を評価した。結果を表1に示す。
調製例6で調製したサポート材粉末6について、実施例1と同様にして除去性を評価した。結果を表1に示す。
<実施例5>
調製例7で調製したサポート材粉末7について、実施例1と同様にして除去性を評価した。結果を表1に示す。
調製例7で調製したサポート材粉末7について、実施例1と同様にして除去性を評価した。結果を表1に示す。
<実施例6>
調製例8で調製したサポート材粉末8について、実施例1と同様にして除去性を評価した。結果を表1に示す。
調製例8で調製したサポート材粉末8について、実施例1と同様にして除去性を評価した。結果を表1に示す。
<実施例7>
調製例9で調製したサポート材粉末9について、実施例1と同様にして除去性を評価した。結果を表1に示す。
調製例9で調製したサポート材粉末9について、実施例1と同様にして除去性を評価した。結果を表1に示す。
<比較例1>
調製例4で調製したサポート材粉末4について、実施例1と同様にして除去性を評価した。結果を表1に示す。
調製例4で調製したサポート材粉末4について、実施例1と同様にして除去性を評価した。結果を表1に示す。
<比較例2>
調製例5で調製したサポート材粉末5について、実施例1と同様にして除去性を評価した。結果を表1に示す。
調製例5で調製したサポート材粉末5について、実施例1と同様にして除去性を評価した。結果を表1に示す。
<比較例3>
調製例5で調製したサポート材粉末5について、実施例1の除去方法において、サポート除去液を下記のように変更して、除去性を評価した。蒸留水の代わりに、蒸留水にカルボキシメチルセルロースナトリウムを1%添加した除去液(蒸留水49.5gにカルボキシメチルセルロースナトリウム0.5gを添加)を用いた。結果を表1に示す。
調製例5で調製したサポート材粉末5について、実施例1の除去方法において、サポート除去液を下記のように変更して、除去性を評価した。蒸留水の代わりに、蒸留水にカルボキシメチルセルロースナトリウムを1%添加した除去液(蒸留水49.5gにカルボキシメチルセルロースナトリウム0.5gを添加)を用いた。結果を表1に示す。
実施例1、2、4、5、7においては、サポート材粉末を用いて形成したペレットは3時間未満の時間で除去できた。なお、ペレットをサポート除去液に浸漬して数分経過した後にペレットの表面を観察したところ、ペレットの表面にゲル状のバリア層が形成されていることは確認されなかった。
実施例3、6においては、サポート材粉末を用いて形成したペレットは3時間以上6時間未満の時間で除去できた。なお、ペレットをサポート除去液に浸漬して数分経過した後にペレットの表面を観察したところ、実施例3のペレットの表面にゲル状のバリア層が部分的に形成されていることが確認された。実施例3ではこのバリア層によって除去速度が低下し、他の実施例に比べて除去性が低下したものと推測される。
比較例1〜3においては、サポート材粉末を用いて形成したペレットは6時間経過しても除去できなかった。
比較例1〜2において、ペレットをサポート除去液に浸漬して数分経過した後にペレットの表面を観察したところ、ペレットの表面にゲル状のバリア層が強固に形成されていることが確認された。なお、除去性の評価を終えた後に、ヘラを用いてこのバリア層を物理的に掻き落としたところ、溶解が進行した。
比較例3のように、セルロース誘導体(C)をサポート材料中にではなくサポート除去液中に含有させたところ、サポート材料の除去性は向上しなかった。比較例3においても、ペレットをサポート除去液に浸漬して数分経過した後にペレットの表面を観察したところ、ペレットの表面にゲル状のバリア層が強固に形成されていることが確認された。
実施例ではサポート材料中にセルロース誘導体(C)を含有させたため、サポート部の内部にセルロース誘導体が含有される。この状態でサポート除去液と接触させ、セルロースファイバー(B)がサポート除去液に分散すると、セルロースファイバー(B)が強固に凝集したりゲル化したりする前に、セルロース誘導体(C)が可及的にセルロースファイバー(B)を取り囲む。そのため、セルロースファイバー(B)の凝集を抑制することができると考えられる。この結果、セルロースファイバー(B)による強固なバリア層が形成されることなく、サポート部を容易に除去することができたと推測される。
一方、比較例3のように、サポート除去液中にのみセルロース誘導体(C)を含有させると、セルロース誘導体(C)がセルロースファイバー(B)を取り囲む前に、セルロースファイバー(B)同士が強固に凝集したりゲル化したりしてしまうと考えられる。そのため、セルロースファイバー(B)による強固なバリア層が形成され、サポート部を効率的に除去することができなかったと推測される。
17a 構造部
17b サポート部
19 造形物
20 立体物
17b サポート部
19 造形物
20 立体物
Claims (14)
- 低分子糖類、ポリビニルアルコール類、および、ポリアルキレングリコール類からなる群から選択される少なくとも1つと、非水溶性セルロースファイバーと、水溶性セルロース誘導体と、を含有することを特徴とするサポート材料。
- 前記水溶性セルロース誘導体が、アニオン性のセルロース誘導体であることを特徴とする請求項1に記載のサポート材料。
- 前記水溶性セルロース誘導体が、カルボキシメチルセルロース塩であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のサポート材料。
- 前記水溶性セルロース誘導体が、ノニオン性のセルロース誘導体であることを特徴とする請求項1に記載のサポート材料。
- 前記水溶性セルロース誘導体が、ヒドロキシプロピルセルロースであることを特徴とする請求項4に記載のサポート材料。
- 前記アニオン性のセルロース誘導体の含有量が、サポート材料全体を100質量%としたときに、0.05質量%以上20質量%以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のサポート材料。
- 前記アニオン性のセルロース誘導体の含有量が、前記非水溶性セルロースファイバーの含有量を100質量%としたときに、0.3質量%以上70質量%以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載のサポート材料。
- 前記低分子糖類、前記ポリビニルアルコール類、および、前記ポリアルキレングリコール類の含有量の合計が、サポート材料全体を100質量%としたときに、50質量%以上95質量%以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載のサポート材料。
- サポート材料全体を100質量%としたときに、
前記非水溶性セルロースファイバーの含有量が10質量%以上50質量%未満であり、
前記水溶性セルロース誘導体の含有量が0.05質量%以上20質量%以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載のサポート材料。 - 前記低分子糖類が、分子量が100以上1000以下の糖類であることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載のサポート材料。
- 前記低分子糖類が、単糖、二糖、三糖、四糖、五糖、単糖由来の糖アルコール、二糖由来の糖アルコール、三糖由来の糖アルコール、四糖由来の糖アルコール、および、五糖由来の糖アルコールからなる群から選択される少なくとも1つであることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載のサポート材料。
- 前記非水溶性セルロースファイバーが、平均繊維径が1nm以上500nm以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか一項に記載のサポート材料。
- 粒子状のサポート材料を含むサポート材粉末であって、
前記サポート材料が、請求項1乃至請求項12のいずれか一項に記載のサポート材料であることを特徴とするサポート材粉末。 - 立体物を構成する構造部と、前記構造部を支持するサポート部と、を含む造形物を形成する第1の工程と、
水を含む液体に前記造形物を接触させることにより、前記造形物から前記サポート部を除去して前記立体物を形成する第2の工程と、を含む立体物の製造方法であって、
前記第1の工程において、請求項1乃至請求項13のいずれか一項に記載のサポート材料を用いて、前記サポート部を形成することを特徴とする立体物の製造方法。
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