本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
[第1実施形態]
図1を参照して、本発明の第1実施形態を示すインクジェット記録装置1について説明する。図1は、インクジェット記録装置1の模式的断面図である。
図1に示すように、インクジェット記録装置1は、筐体2と、搬送装置10と、デカール装置20と、カセット30と、排出トレイ31と、画像形成部40とを備える。
筐体2は、搬送装置10と、デカール装置20と、カセット30と、画像形成部40とを収容する。
搬送装置10は、給送部11と、シート案内部12と、第1ベルト搬送部13と、第2ベルト搬送部14と、第1案内部15と、反転案内部16と、分岐部17と、反転部18と、第2案内部19とを備える。
カセット30は、シートSを収容する。給送部11は、カセット30内のシートSをシート案内部12に送り出す。シートSは、例えば、普通紙、厚紙、OHPシート、封筒、ハガキ、又は送り状である。
シート案内部12は、カセット30から送り出されたシートSを画像形成部40へ案内する。第1ベルト搬送部13は、画像形成部40に対向する。第1ベルト搬送部13は、シート案内部12から送り出されたシートSを、画像形成部40に対向させつつ搬送する。
画像形成部40は、インクを吐出する。具体的には、画像形成部40は、複数のヘッドを有し、複数のヘッドの各々からインクを吐出する。また、画像形成部40は、第1ベルト搬送部13により搬送されるシートSに対し、インクを吐出する。画像形成部40は、シートSにインクを吐出して、シートSに画像を形成する。インクの色は、例えば、ブラック色、シアン色、マゼンダ色、及びイエロー色である。インクは、例えば、水系インクである。
第2ベルト搬送部14は、画像形成部40を通過したシートSをデカール装置20に向けて搬送する。デカール装置20は、第1案内部15に向けてシートSを搬送する。第1案内部15は、デカール装置20から送出されたシートSを排出トレイ31へ案内する。その結果、シートSが排出トレイ31へ排出される。
反転案内部16は、第1案内部15から分岐する。分岐部17は反転案内部16に設けられる。分岐部17は、第1案内部15から反転案内部16に送出されたシートSを反転部18に向けて案内する。
反転部18は反転案内部16に設けられる。反転部18は、分岐部17から送出されたシートSの進行方向を反転させ、シートSを分岐部17に戻す。分岐部17は、反転部18から送出されたシートSを第2案内部19へ案内する。第2案内部19は、シートSを戻り位置11aへ案内する。従って、画像形成部40を通過したシートSは、第2案内部19を介して、戻り位置11aへ案内される。戻り位置11aは、シート案内部12に設けられる。また、戻り位置11aは、画像形成部40よりもシートSの搬送方向Yの上流に位置する。シートSの搬送方向Yは、画像形成部40がシートSに画像を形成するときのシートSの移動方向を示す。
第2案内部19により戻り位置11aへ案内されたシートSは、表面と裏面とが反転している。つまり、シートSは、表面に画像を形成された後、表面と裏面とが反転した状態で、戻り位置11aへ案内される。そして、シートSは、画像形成部40へ搬送される。そして、シートSの裏面に、画像形成部40が画像を形成する。従って、シートSに対して表面印刷が行われた後、シートSが第2案内部19により画像形成部40へ戻される。そして、シートSに対して裏面印刷が行われる。その結果、シートSに対する両面印刷が完了する。
次に、図2を参照して、デカール装置20について説明する。図2は、第1実施形態のデカール装置20を示す図である。
図2に示すように、デカール装置20は、シートSを湾曲させつつ、シートSを搬送する。デカール装置20は、画像形成部40に対し、シートSの搬送方向Yの下流に設置される。デカール装置20には、シートSが搬送される。詳細には、デカール装置20には、画像形成部40を通過したシートSが搬送される。デカール装置20は、ベルト部材50と、ローラー(回転部材)60と、熱源70とを有する。
ベルト部材50は、複数の支持ローラー51と、ベルト(第1ベルト)52とを有する。複数の支持ローラー51は、第1支持ローラー51aと、第2支持ローラー51bとを含む。第1支持ローラー51aと、第2支持ローラー51bとの各々は、回転可能に支持される。第1支持ローラー51aと、第2支持ローラー51bとは、互いに間隔を空けて配置される。ベルト52は、無端状のベルトである。ベルト52は、複数の支持ローラー51に掛けられる。具体的には、ベルト52は、第1支持ローラー51aと、第2支持ローラー51bとに掛けられる。ベルト52は、回転可能に支持される。ベルト52は、第1支持ローラー51a及び第2支持ローラー51bと共に回転する。
ベルト52は、第1挟持面52aを有する。第1挟持面52aは、ベルト52の回転方向に沿って形成される。第1挟持面52aは、ベルト52の回転方向にループする形状を有する。第1挟持面52aは、ベルト52の外側を向く面である。第1挟持面52aの裏側には、第1空所53が形成される。第1空所53は、第1挟持面52aの裏側の面52bで囲まれた空間を示す。第1挟持面52aの裏側の面52bには、第1支持ローラー51aと第2支持ローラー51bとが接触する。
ローラー60は、回転可能に支持される。ローラー60は、第2挟持面60aを有する。第2挟持面60aは、ローラー60の回転方向に沿って形成される。第2挟持面60aは、ローラー60の回転方向にループする形状を有する。第2挟持面60aは、ローラー60の外周面である。
ベルト52とローラー60とは、第1挟持面52aと第2挟持面60aとでシートSを挟持しつつ回転してシートSを搬送する。具体的には、ベルト52とローラー60とは、第1挟持面52aと第2挟持面60aとでシートSの一部を挟持しつつ回転してシートSを搬送する。また、ベルト52とローラー60とは、シートSを搬送する際、ローラー60の外周面に沿ってシートSの一部を湾曲させつつ、第1挟持面52aと第2挟持面60aとでシートSの一部を挟持する。従って、ベルト52とローラー60とは、第1挟持面52aと第2挟持面60aとでシートSの一部を湾曲状に挟持しつつ回転してシートSを搬送する。
ローラー60は、ベルト52に押し当てられる。その結果、第1挟持面52aと、第2挟持面60aとの間には、シートSを挟持するニップ部Zが形成される。ニップ部Zは、ローラー60の外周面の一部に沿って湾曲する。ニップ部Zは、ローラー60の回転方向に所定の幅Zaを有する。デカール装置20は、例えば、ベルト52にローラー60を押し当て、ローラー60の押圧力でベルト52を弾性変形させることで、所定の幅Zaを確保する。
シートSは、画像形成面S1を有する。画像形成面S1は、シートSのうち、画像の形成される面を示す。つまり、画像形成面S1は、シートSのうち、画像形成部40からインクを吐出される面を示す。
一般に、シートSにインクが付着すると、シートSがカールする。詳細には、シートSの画像形成面S1にインクが付着すると、シートSの端部が画像形成面S1の裏面S2側にカールする。
第1実施形態では、ベルト52とローラー60とが、第1挟持面52aと第2挟持面60aとでシートSを挟持すると、第2挟持面60aがシートSの画像形成面S1に対向する。従って、シートSは、第1挟持面52aと第2挟持面60aとで挟持されると、第2挟持面60aに沿って、画像形成面S1側に湾曲する。その結果、シートSの画像形成面S1にインクが付着しても、シートSにカールが生じることを効果的に抑制できる。
以上、図2を参照して説明したように、ベルト52とローラー60とは、第1挟持面52aと第2挟持面60aとでシートSを挟持しつつ回転してシートSを搬送する。この場合、第1挟持面52aと第2挟持面60aとでシートSの一部を挟持できれば、シートSにカールが生じることを抑制できる。従って、ベルト52とローラー60とは、第1挟持面52aと第2挟持面60aとでシートSの一部を挟持できる程度の寸法を有していればよい。その結果、ベルト52とローラー60との大型化を抑制でき、デカール装置20をコンパクトに構成することが可能になる。
次に、図3(a)から図3(c)を参照して、ローラー60について説明する。図3(a)は、第1実施形態の軸部61及びフランジ部62の斜視図である。図3(b)は、第1実施形態の胴部63の斜視図である。図3(c)は、第1実施形態のローラー60の斜視図である。
図3(a)から図3(c)に示すように、ローラー60は、軸部61と、一対のフランジ部62と、胴部63とを有する。
軸部61は、ローラー60の回転軸である。従って、軸部61を中心に、ローラー60が回転する。
一対のフランジ部62は、略円柱形状を有する。一対のフランジ部62は、軸部61に固定される。一対のフランジ部62は、軸部61から軸部61の径方向の外側に膨出する形状を有する。一対のフランジ部62は、ローラー回転方向C1に延びる外周面D1を有する。ローラー回転方向C1は、ローラー60が回転する方向を示す。
一対のフランジ部62は、第1フランジ部62aと、第2フランジ部62bとを含む。第1フランジ部62aと、第2フランジ部62bとは、軸方向(回転軸方向)W1に互いに間隔を空けて配置される。軸方向W1は、軸部61の延びる方向を示す。
胴部63は、筒形状を有する。胴部63は、軸方向W1に延びる形状を有する。胴部63のうち、軸方向W1の両端部には開口63aがそれぞれ形成される。軸部61は、胴部63の両端部の開口63aを通じて、胴部63を貫通する。
胴部63は、一対のフランジ部62に固定される。詳細には、胴部63は、第1フランジ部62aと第2フランジ部62bとの間に位置する。そして、胴部63の開口63aの一つには、第1フランジ部62aが挿入されつつ固着される。また、胴部63の開口63aの他の一つには、第2フランジ部62bが挿入されつつ固着される。
胴部63は、軸部61、及び一対のフランジ部62と共に回転する。
胴部63は、例えば、金属製の部材である。胴部63の外周面は、第2挟持面60aを構成する。第2挟持面60aには、複数の貫通孔(第2貫通孔)64が形成される。第1実施形態では、胴部63は、メッシュ形状を有することで、第2挟持面60aに複数の貫通孔64を形成する。複数の貫通孔64の各々は、第2挟持面60aを貫通する。複数の貫通孔64は、ローラー回転方向C1の位置、及び/又は、軸方向W1の位置が互いに異なる。なお、複数の貫通孔64をローラー回転方向C1に沿って千鳥状に配置してもよい。
第2挟持面60aの裏側には、第2空所65が形成される。第2空所65は、第2挟持面60aの内側に形成された空間を示す。また、第2空所65は、一対のフランジ部62の間に形成される。言い換えれば、第2空所65は、ローラー60の内部に形成される。
第2空所65の軸方向W1の寸法Waは、シートSの幅方向の寸法Wbよりも大きい(Wa>Wb)。従って、第1挟持面52aと第2挟持面60aとがシートSを挟持すると、第2挟持面60aを介してシートSが第2空所65と対向する。なお、シートSの幅方向は、搬送方向Yに対し垂直な方向を示す。
複数の貫通孔64の各々は、ローラー60の外部と、第2空所65とを連通する。
次に、図4を参照して、熱源70について説明する。図4は、熱源70の設置場所を示す図である。
図4に示すように、熱源70は、発熱可能な部材である。熱源70は、例えば、ハロゲンヒーター、又はセラミックヒーターを含む。熱源70は、ローラー60を加熱する。具体的には、熱源70は、第2挟持面60aを加熱する。熱源70は、例えば、第2挟持面60aの温度が100℃程度まで上昇するように、第2挟持面60aを加熱する。熱源70は、ローラー60に設置される。熱源70がローラー60に設置された状態は、熱源70がローラー60に内蔵された状態、及び、熱源70が第2挟持面60aに直接又は間接に接触している状態のいずれか示す。つまり、熱源70は、ローラー60に内蔵されていてもよい。また、熱源70は、第2挟持面60aに直接又は間接に接触していてもよい。
第1実施形態では、熱源70は、ローラー60に内蔵される。具体的には、熱源70は、第2空所65に設置される。熱源70は、例えば、ローラー60と共に回転せず、停止している。その結果、簡素な装置構成で熱源70に給電することが可能となる。また、熱源70は、第2挟持面60aの裏面と非接触であってもよく、接触していてもよい。また、熱源70は、第2挟持面60aの裏面と保護部材を介して接触していてもよい。保護部材は、例えば、摺動シートである。保護部材は、熱源70と第2挟持面60aの裏面との各々の摩耗を抑制する。
次に、図5を参照して、熱源70の設置場所の変形例について説明する。図5は、熱源70の設置場所の変形例を示す図である。
図5に示す熱源70は、第2挟持面60aに接触している点で、図4に示す熱源70と異なる。
図5に示すように、熱源70は、ローラー60の外部に設置される。また、熱源70は、第2挟持面60aに接触している。具体的には、熱源70は、摺動シートのような保護部材71を介して第2挟持面60aに間接に接触している。従って、熱源70の熱が、第2挟持面60aに伝導される。具体的には、熱源70の熱が、保護部材71を介して第2挟持面60aに伝導される。その結果、第2挟持面60aを加熱することが可能である。
以上、図4を参照して説明したように、熱源70は、ローラー60を加熱する。この場合、ローラー60に対して熱源70を近接させ、熱源70をローラー60に設置することで、熱源70の熱がローラー60に伝わり易くなる。その結果、熱源70の熱でローラー60を効率的に加熱することができる。また、熱源70をローラー60に設置することで、ローラー60に対して熱源70を近接させて設置でき、デカール装置20をコンパクトに構成することが可能になる。
次に、図6を参照して、第1実施形態のデカール装置20がシートSに付着したインクの乾燥を促進させる原理について説明する。図6は、第1実施形態のデカール装置20が、シートSに付着したインクを乾燥させている状態を示す図である。
図6に示すように、熱源70が発熱している状態で、第1挟持面52aと第2挟持面60aとがシートSを挟持しつつ回転すると、第2挟持面60aを介して、熱源70の熱がシートSに伝わる。熱源70の熱がシートSに伝わると、シートSが加熱される。シートSが加熱されると、シートSに付着しているインクの水分が蒸気になる。蒸気は、複数の貫通孔64(図3(c)参照)を介して第2空所65に流入した後、複数の貫通孔64を介してローラー60の外部に排出される。つまり、複数の貫通孔64は、シートSを加熱することで生じた蒸気の逃げ道として機能する。その結果、シートSに付着したインクの乾燥が促進される。
以上、図6を参照して説明したように、第2挟持面60aには複数の貫通孔64が形成される。従って、第1挟持面52aと第2挟持面60aとがシートSを挟持しつつ回転してシートSを搬送する際、熱源70の熱によりシートSから発生したインクの水分の蒸気を、第1挟持面52aと第2挟持面60aとの間から複数の貫通孔64を介して排出することができる。その結果、シートSに付着したインクの乾燥を促進させ、シートSにカールが生じることを抑制することが可能になる。
[第2実施形態]
図7(a)から図8を参照して、本発明の第2実施形態を示すインクジェット記録装置1について説明する。
第2実施形態では、熱源70が第1挟持面52aを加熱する点で、第1実施形態と異なる。以下、第1実施形態と異なる点を主に説明する。
図7(a)及び図7(b)を参照して、第2実施形態のデカール装置20について説明する。図7(a)は、第2実施形態のデカール装置20を示す図である。図7(b)は、図7(a)に示すデカール装置20のベルト52を矢印E方向から見た図である。
図7(a)及び図7(b)に示すように、ベルト52の第1挟持面52aには、複数のベルト貫通孔(第1貫通孔)54が形成される。複数のベルト貫通孔54の各々は、第1挟持面52aを貫通する。複数のベルト貫通孔54は、ベルト回転方向C2の位置、及び/又は、軸方向W1の位置が互いに異なる。ベルト回転方向C2は、ベルト52が回転する方向を示す。第2実施形態では、ベルト回転方向C2に沿って千鳥状に並ぶ複数のベルト貫通孔54の列55が、軸方向W1に沿って複数設けられる。
第1挟持面52aと第2挟持面60aとがシートSを挟持すると、第1挟持面52aを介してシートSが第1空所53と対向する。
複数のベルト貫通孔54の各々は、ベルト52の外部と、第1空所53とを連通する。
熱源70は、ベルト52を加熱する。具体的には、熱源70は、第1挟持面52aを加熱する。熱源70は、例えば、第1挟持面52aの温度が100℃程度まで上昇するように、第1挟持面52aを加熱する。熱源70は、ベルト52に設置される。熱源70がベルト52に設置された状態は、熱源70がベルト52に内蔵された状態、熱源70が第1挟持面52aに直接又は間接に接触している状態、及び、複数の支持ローラー51のうちの少なくとも1つに熱源70が内蔵された状態のいずれか示す。つまり、熱源70は、ベルト52に内蔵されていてもよい。また、熱源70は、第1挟持面52aに直接又は間接に接触していてもよい。また、複数の支持ローラー51のうちの少なくとも1つに熱源70が内蔵されていてもよい。なお、熱源70がベルト52に内蔵されるとは、熱源70がベルト52の内部に設置されることを示す。ベルト52の内部は、第1空所53を示す。
第2実施形態では、熱源70は、ベルト52に内蔵される。具体的には、熱源70は、第1空所53に設置される。また、熱源70は、保護部材71を介して第1挟持面52aの裏側の面52bに間接に接触する。また、熱源70は、ニップ部Zに対向する。詳細には、熱源70は、保護部材71を介してニップ部Zに対向する。
以上、図7(a)及び図7(b)を参照して説明したように、熱源70は、ベルト52を加熱する。この場合、ベルト52に対して熱源70を近接させ、熱源70をベルト52に設置することで、熱源70の熱がベルト52に伝わり易くなる。その結果、熱源70の熱でベルト52を効率的に加熱することができる。また、熱源70をベルト52に設置することで、ベルト52に対して熱源70を近接させて設置でき、デカール装置20をコンパクトに構成することが可能になる。
次に、図8を参照して、第2実施形態のデカール装置20がシートSに付着したインクの乾燥を促進させる原理について説明する。図8は、第2実施形態のデカール装置20が、シートSに付着したインクを乾燥させている状態を示す図である。
図8に示すように、熱源70が発熱している状態で、第1挟持面52aと第2挟持面60aとがシートSを挟持しつつ回転すると、第1挟持面52aを介して、熱源70の熱がシートSに伝わる。熱源70の熱がシートSに伝わると、シートSが加熱される。シートSが加熱されると、シートSに付着しているインクの水分が蒸気になる。蒸気は、複数のベルト貫通孔54(図7(b)参照)を介して第1空所53に流入した後、複数のベルト貫通孔54を介してベルト52の外部に排出される。つまり、複数のベルト貫通孔54は、シートSを加熱することで生じた蒸気の逃げ道として機能する。その結果、シートSに付着したインクの乾燥を促進させることが可能になる。
以上、図8を参照して説明したように、第1挟持面52aには複数のベルト貫通孔54が形成される。従って、第1挟持面52aと第2挟持面60aとがシートSを挟持しつつ回転してシートSを搬送する際、熱源70の熱によりシートSから発生したインクの水分の蒸気を、第1挟持面52aと第2挟持面60aとの間から複数のベルト貫通孔54を介して排出することができる。その結果、シートSに付着したインクの乾燥を促進させ、シートSにカールが生じることを抑制することが可能になる。
[第3実施形態]
図9(a)から図10を参照して、本発明の第3実施形態を示すインクジェット記録装置1について説明する。
第3実施形態は、インクの水分の蒸気を筐体2の外部2aに排出する機構を設けた点で、第1実施形態と異なる。以下、第1実施形態と異なる点を主に説明する。
図9(a)から図9(c)を参照して、第3実施形態のローラー60について説明する。図9(a)は、第3実施形態の軸部61及びフランジ部62の斜視図である。図9(b)は、第3実施形態の胴部63の斜視図である。図9(c)は、第3実施形態のローラー60の斜視図である。
図9(a)から図9(c)に示すように、ローラー60は、軸部61と、一対のフランジ部62(第1フランジ部62a、及び第2フランジ部62b)と、胴部63とを有する。ローラー60には、不図示の熱源70が内蔵される。
第1フランジ部62aと、第2フランジ部62bとは、互いに同じ構造を有する。従って、第1フランジ部62aの構造についてのみ説明する。
第1フランジ部62aは、筒部66と、蓋部67とを有する。
筒部66は、筒形状を有する。筒部66のうち軸方向W1の両端には、開口66aが形成される。
蓋部67は、枠部67aと、固定部67bと、支持部67cとを有する。枠部67aは、略リング形状を有する。枠部67aは、開口66aの縁部と略同じ形状を有する。枠部67aは、筒部66の両端の開口66aのうちの1つに固定される。固定部67bは、枠部67aの内側の中心部に設置される。枠部67aの外径は、固定部67bの内径よりも小さい。従って、枠部67aと固定部67bとの間には、隙間が形成される。
枠部67aと固定部67bとの間には、複数の支持部67cが介在する。複数の支持部67cの各々は、開口66aの径方向に延びる形状を有する。複数の支持部67cは、筒部66の周方向に間隔を空けて並んでいる。隣り合う支持部67cと、枠部67aと、固定部67bとの間には、開口67dが形成される。
固定部67bは、複数の支持部67cを介して枠部67aに固定される。その結果、固定部67bが枠部67aの内側の中心部に位置するように、固定部67bの位置が保持される。
軸部61は、筒部66の両端の開口66aを通じて第1フランジ部62aを貫通する。軸部61は、固定部67bに固定される。軸部61の外径は、筒部66の内径よりも小さい。従って、軸部61の外周面と、筒部66の内周面との間には、第3空所68が形成される。
第1フランジ部62aと、第2フランジ部62bとは、軸方向W1に互いに間隔を空けて配置される。第1フランジ部62aの蓋部67と、第2フランジ部62bの蓋部67とは、それぞれ、軸方向W1の外側に位置する。
第1フランジ部62aと、第2フランジ部62bとの間には、第2空所65が形成される。第2空所65は、胴部63で囲まれた空間である。
第2空所65に対し、軸方向W1の一側には、流入口(第2流入口)J1が位置する。流入口J1は、第1フランジ部62aに形成された開口67dを示す。流入口J1は、ローラー60の外部に連通する。また、流入口J1は、第2空所65に通じる。詳細には、流入口J1は、第1フランジ部62aの第3空所68を介して第2空所65に通じる。
第2空所65に対し、軸方向W1の他側には、流出口(第2流出口)J2が位置する。流出口J2は、第2フランジ部62bに形成された開口67dを示す。流出口J2は、ローラー60の外部に連通する。また、流出口J2は、第2空所65に通じる。詳細には、流出口J2は、第2フランジ部62bの第3空所68を介して、第2空所65に通じる。
次に、図10を参照して、第3実施形態のデカール装置20について説明する。図10は、第3実施形態のデカール装置20を示す図である。
図10に示すように、デカール装置20は、排出機構80Aをさらに備える。排出機構80Aは、第2空所65に流入したインクの水分の蒸気を、ローラー60の外部に排出する。
排出機構80Aは、ローラー送風部(第2送風部)81と、管部(第2管部)82とを有する。
ローラー送風部81は、例えば、ファンである。ローラー送風部81は、ローラー60に風(第2風)F1を送る。ローラー送風部81は、軸方向W1の他側に向けて風F1を送る。また、ローラー送風部81は、流入口J1に向けて風F1を送る。
風F1は、流入口J1に流入する。そして、風F1は、第2空所65に流入する。そして、風F1は、流出口J2から流出する。従って、風F1が流入口J1を介して第2空所65に流入した後、流出口J2を介して、ローラー60の外部に流出するように、ローラー送風部81が風F1を送る。
管部82は、例えば、ダクトである。管部82は、両端に開口が形成された管形状を有する。管部82の一端には、第1開口82aが形成される。管部82の他端には、第2開口82bが形成される。
管部82は、流出口J2に連通すると共に、筐体2の外部2aに連通する。具体的には、管部82の第1開口82aが流出口J2に連通すると共に、管部82の第2開口82bが筐体2の外部2aに連通する。
管部82が流出口J2に連通するとは、流出口J2から流出した風F1が第1開口82aに流入可能であることを示す。第1開口82aは、例えば、流出口J2と対向しつつ、流出口J2に近接した位置に設置される。また、管部82が筐体2の外部2aに連通するとは、第2開口82bが筐体2の外部2aに設置されることを示す。
続いて、図10を参照して、第3実施形態のデカール装置20がシートSに付着したインクの乾燥を促進させる原理について説明する。
図10に示すように、熱源70が発熱している状態で、第1挟持面52aと第2挟持面60aとがシートSを挟持しつつ回転すると、第2挟持面60aを介して、熱源70の熱がシートSに伝わる。熱源70の熱がシートSに伝わると、シートSが加熱される。シートSが加熱されると、シートSに付着しているインクの水分が蒸気になる。蒸気は、複数の貫通孔64(図9(c)参照)を介して第2空所65に流入する。ローラー送風部81は、第2空所65に風F1を送り、風F1の風圧により第2空所65内の蒸気を搬送する。そして、ローラー送風部81は、風F1の風圧により第2空所65内の蒸気を流出口J2から排出し、管部82に流入させる。風F1は、第1開口82aを介して管部82に流入する。そして、ローラー送風部81は、風F1の風圧により管部82を通じて蒸気を搬送する。そして、ローラー送風部81は、風F1の風圧により蒸気を筐体2の外部2aに排出する。蒸気は、第2開口82bを介して筐体2の外部2aに排出される。
以上、図9(a)から図10を参照して説明したように、ローラー60には、流入口J1と、流出口J2とが形成される。流入口J1と、流出口J2との各々は、第2空所65に通じる。また、流入口J1には、ローラー送風部81の送る風F1が流入する。流出口J2からは、風F1が流出する。従って、複数の貫通孔64を介して第2空所65に流入したインクの水分の蒸気が、風F1の風圧により、流出口J2を介して第2空所65の外部に排出される。その結果、シートSに付着したインクの乾燥を促進させ、シートSにカールが生じることを抑制することが可能になる。
また、管部82は、流出口J2に連通すると共に、筐体2の外部2aに連通する。従って、風F1の風圧により、流出口J2から排出されたインクの水分の蒸気が、管部82を介して、筐体2の外部2aに排出される。その結果、筐体2の内部に蒸気が滞留することを抑制し、シートSに付着したインクの乾燥を効果的に促進させることが可能になる。
[第4実施形態]
次に、図11を参照して、本発明の第4実施形態を示すインクジェット記録装置1について説明する。図11は、第4実施形態のデカール装置20を示す図である。
第4実施形態は、インクの水分の蒸気を水Gに戻して収容する機構を設けた点で、第3実施形態と異なる。以下、第3実施形態と異なる点を主に説明する。
図11に示すように、デカール装置20は、排出機構80Bをさらに備える。排出機構80Bは、第2空所65に流入したインクの水分の蒸気を、水Gに戻して収容する。
排出機構80Aは、ローラー送風部81と、管部82と、冷却部83と、収容部84とを有する。
管部82は、流出口J2に連通すると共に、冷却部83に連通する。具体的には、管部82の第1開口82aが流出口J2に連通すると共に、管部82の第2開口82bが冷却部83に連通する。
管部82が冷却部83に連通するとは、第2開口82bから流出した風F1が冷却部83に流入可能であることを示す。具体的には、冷却部83は、第2開口82bに連結される。
冷却部83は、蒸気を冷却して水Gに戻す。冷却部83は、例えば、冷媒を用いて蒸気を冷却する。
収容部84は、冷却部83が生成した水Gを収容する。収容部84は、例えば、容器である。収容部84は、冷却部83に直接又は間接に連通する。
続いて、図11を参照して、第4実施形態のデカール装置20がシートSに付着したインクの乾燥を促進させる原理について説明する。
図11に示すように、熱源70が発熱している状態で、第1挟持面52aと第2挟持面60aとがシートSを挟持しつつ回転すると、シートSに付着したインクの水分は、熱源70の熱で加熱されて蒸気になる。蒸気は、複数の貫通孔64(図9(c)参照)を介して第2空所65に流入する。ローラー送風部81は、風F1の風圧により第2空所65内の蒸気を流出口J2から排出し、管部82に流入させる。そして、ローラー送風部81は、風F1の風圧により管部82を通じて蒸気を搬送する。そして、ローラー送風部81は、風F1の風圧により蒸気を冷却部83に供給する。そして、冷却部83は、蒸気を冷却して水Gに戻す。そして、収容部84は、冷却部83が生成した水Gを収容する。
以上、図11を参照して説明したように、管部82は、流出口J2に連通すると共に、冷却部83に連通する。また、収容部84は、冷却部83に連通する。従って、風F1の風圧により、流出口J2から排出されたインクの水分の蒸気が、管部82を介して冷却部83に供給される。そして、蒸気は、冷却部83により水Gに戻され、収容部84に排出される。その結果、筐体2の内部に蒸気が滞留することを抑制し、シートSに付着したインクの乾燥を効果的に促進させることが可能になる。
[第5実施形態]
次に、図12を参照して、本発明の第5実施形態を示すインクジェット記録装置1について説明する。図12は、第5実施形態のデカール装置20を示す図である。
第5実施形態は、インクの水分の蒸気を筐体2の外部に排出する機構を設けた点で、第2実施形態と異なる。以下、第2実施形態と異なる点を主に説明する。
図12に示すように、ベルト52には、流入口(第1流入口)K1と、流出口(第1流出口)K2とが形成される。流入口K1は、ベルト52のうち軸方向W1の一側の縁部52cで囲まれた空間を示す。流出口K2は、ベルト52のうち軸方向W1の他側の縁部52dで囲まれた空間を示す。一側の縁部52cと、他側の縁部52dとの各々は、ベルト回転方向C2に沿って形成される。流入口K1と流出口K2との各々は、第1空所53(図7(a)、図7(b)参照)に通じる。また、流入口K1と流出口K2との各々は、ベルト52の外部と、第1空所53とを連通する。
デカール装置20は、排出機構90Aをさらに備える。排出機構90Aは、第1空所53に流入したインクの水分の蒸気を、ベルト52の外部に排出する。
排出機構90Aは、ベルト送風部(第1送風部)91と、管部(第1管部)92とを有する。
ベルト送風部91は、例えば、ファンである。ベルト送風部91は、ベルト52に風(第1風)F2を送る。ベルト送風部91は、軸方向W1の他側に向けて風F2を送る。また、ベルト送風部91は、流入口K1に向けて風F2を送る。
風F2は、流入口K1に流入する。そして、風F2は、第1空所53に流入する。そして、風F2は、流出口K2から流出する。従って、風F2が流入口K1を介して第1空所53に流入した後、流出口K2を介して、ベルト52の外部に流出するように、ベルト送風部91が風F2を送る。
管部92は、例えば、ダクトである。管部92は、両端に開口が形成された管形状を有する。管部92の一端には、第1開口92aが形成される。管部82の他端には、第2開口92bが形成される。
管部92は、流出口K2に連通すると共に、筐体2の外部2aに連通する。具体的には、管部92の第1開口92aが流出口K2に連通すると共に、管部92の第2開口92bが筐体2の外部2aに連通する。
続いて、図12を参照して、第5実施形態のデカール装置20がシートSに付着したインクの乾燥を促進させる原理について説明する。
図12に示すように、熱源70が発熱している状態で、第1挟持面52aと第2挟持面60aとがシートSを挟持しつつ回転すると、シートSに付着したインクの水分は、熱源70の熱で加熱されて蒸気になる。蒸気は、複数のベルト貫通孔54を介して第1空所53(図8参照)に流入する。ベルト送風部91は、風F2の風圧により第1空所53内の蒸気を流出口K2から排出し、第1開口92aを介して管部92に流入させる。そして、ベルト送風部91は、風F2の風圧により管部92を通じて蒸気を搬送する。そして、ベルト送風部91は、風F2の風圧により蒸気を筐体2の外部2aに排出する。具体的には、蒸気が第2開口92bを介して筐体2の外部2aに排出される。
以上、図12を参照して説明したように、ベルト52には、流入口K1と、流出口K2とが形成される。流入口K1と、流出口K2との各々は、第1空所53に通じる。また、流入口K1には、ベルト送風部91の送る風F2が流入する。流出口K2からは、風F2が流出する。従って、複数のベルト貫通孔54を介して第1空所53に流入したインクの水分の蒸気が、風F2の風圧により、流出口K2を介して第1空所53の外部に排出される。その結果、シートSに付着したインクの乾燥を促進させ、シートSにカールが生じることを抑制することが可能になる。
また、管部92は、流出口K2に連通すると共に、筐体2の外部2aに連通する。従って、風F2の風圧により、流出口K2から排出されたインクの水分の蒸気が、管部92を介して、筐体2の外部2aに排出される。その結果、筐体2の内部に蒸気が滞留することを抑制し、シートSに付着したインクの乾燥を効果的に促進させることが可能になる。
[第6実施形態]
次に、図13を参照して、本発明の第6実施形態を示すインクジェット記録装置1について説明する。図13は、第6実施形態のデカール装置20を示す図である。
第6実施形態は、インクの水分の蒸気を水Gに戻して収容する機構を設けた点で、第5実施形態と異なる。以下、第5実施形態と異なる点を主に説明する。
図13に示すように、デカール装置20は、排出機構90Bをさらに備える。排出機構90Bは、第1空所53に流入したインクの水分の蒸気を、水Gに戻して収容する。
排出機構90Bは、ベルト送風部91と、管部92と、冷却部93と、収容部94とを有する。
管部92は、流出口K2に連通すると共に冷却部93に連通する。具体的には、管部92の第1開口92aが流出口K2に連通すると共に、管部92の第2開口92bが冷却部93に連通する。
管部92が冷却部93に連通するとは、第2開口92bから流出した風F2が冷却部93に流入可能であることを示す。具体的には、冷却部93は、第2開口92bに連結される。
冷却部93は、蒸気を冷却して水Gに戻す。冷却部93は、例えば、冷媒を用いて蒸気を冷却する。
収容部94は、冷却部93が生成した水Gを収容する。収容部94は、例えば、容器である。収容部94は、冷却部93に直接又は間接に連通する。
続いて、図13を参照して、第6実施形態のデカール装置20がシートSに付着したインクの乾燥を促進させる原理について説明する。
図13に示すように、熱源70が発熱している状態で、第1挟持面52aと第2挟持面60aとがシートSを挟持しつつ回転すると、シートSに付着したインクの水分は、熱源70の熱で加熱されて蒸気になる。蒸気は、複数のベルト貫通孔54を介して第1空所53(図8参照)に流入する。ベルト送風部91は、風F2の風圧により第1空所53内の蒸気を流出口K2から排出し、第1開口92aを介して管部92に流入させる。そして、ベルト送風部91は、風F2の風圧により管部92を通じて蒸気を搬送する。そして、ベルト送風部91は、風F2の風圧により蒸気を冷却部93に供給する。具体的には、蒸気が第2開口92bから排出され、冷却部93に供給される。そして、冷却部93は、蒸気を冷却して水Gに戻す。そして、収容部94は、冷却部93が生成した水Gを収容する。
以上、図13を参照して説明したように、管部92は、流出口K2に連通すると共に、冷却部93に連通する。また、収容部94は、冷却部93に連通する。従って、風F2の風圧により、流出口K2から排出されたインクの水分の蒸気が、管部92を介して冷却部93に供給される。そして、蒸気は、冷却部93により水Gに戻され、収容部94に排出される。その結果、筐体2の内部に蒸気が滞留することを抑制し、シートSに付着したインクの乾燥を効果的に促進させることが可能になる。
以上、図面(図1〜図13)を参照しながら本発明の実施形態について説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である(例えば、(1)〜(12))。また、上記の実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明の形成が可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の個数等は、図面作成の都合から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(1)第1実施形態、第3実施形態、及び第4実施形態では、熱源70がローラー60に設置されるのに対し、熱源70がベルト52に設置されない。これに対し、第2実施形態、第5実施形態、及び第6実施形態では、熱源70がベルト52に設置されるのに対し、熱源70がローラー60に設置されない。しかし、第1実施形態から第6実施形態において、熱源70が、ベルト52と、ローラー60とにそれぞれ設置されてもよい。つまり、熱源70は、ベルト52、及び/又は、ローラー60に設置される。従って、熱源70は、ベルト52、及び/又は、ローラー60を加熱する。
(2)第1実施形態では、第2挟持面60aに複数の貫通孔64が形成されるのに対し、第1挟持面52aに複数のベルト貫通孔54が形成されない。これに対し、第2実施形態では、第1挟持面52aに複数のベルト貫通孔54が形成されるのに対し、第2挟持面60aに複数の貫通孔64が形成されない。
しかし、第1実施形態において、第1挟持面52aに複数のベルト貫通孔54が形成されるのに対し、第2挟持面60aに複数の貫通孔64が形成されなくてもよい。この場合、シートSから発生したインクの水分の蒸気は、複数のベルト貫通孔54を介して第1空所53に流入する。
また、第2実施形態において、第2挟持面60aに複数の貫通孔64が形成されるのに対し、第1挟持面52aに複数のベルト貫通孔54が形成されなくてもよい。この場合、シートSから発生したインクの水分の蒸気は、複数の貫通孔64を介して第2空所65に流入する。
また、第1実施形態、及び第2実施形態において、第2挟持面60aに複数の貫通孔64が形成されると共に、第1挟持面52aに複数のベルト貫通孔54が形成されてもよい。この場合、シートSから発生したインクの水分の蒸気の一部は、複数のベルト貫通孔54を介して第1空所53に流入する。また、蒸気の他の一部は、複数の貫通孔64を介して第2空所65に流入する。
つまり、デカール装置20は、第1挟持面52aを貫通する複数のベルト貫通孔54、及び/又は、第2挟持面60aを貫通する複数の貫通孔64を有する。
(3)第1実施形態において、熱源70が、ベルト52と、ローラー60とにそれぞれ設置され、第2挟持面60aに複数の貫通孔64が形成され、さらに、複数のベルト貫通孔54が形成されてもよい。この場合、シートSから発生したインクの水分の蒸気の一部は、複数のベルト貫通孔54を介して第1空所53に流入する。また、蒸気の他の一部は、複数の貫通孔64を介して第2空所65に流入する。
(4)第3実施形態において、第1挟持面52aに複数のベルト貫通孔54が形成されるのに対し、第2挟持面60aに複数の貫通孔64が形成されなくてもよい。この場合、デカール装置20は、排出機構80Aに代えて、排出機構90Aを有する。また、この場合、シートSから発生したインクの水分の蒸気は、複数のベルト貫通孔54を介して第1空所53に流入する。そして、蒸気は、風F2の風圧により、管部92に搬送され、管部92を介して筐体2の外部2aに排出される。
(5)第4実施形態において、第1挟持面52aに複数のベルト貫通孔54が形成されるのに対し、第2挟持面60aに複数の貫通孔64が形成されなくてもよい。この場合、デカール装置20は、排出機構80Bに代えて、排出機構90Bを有する。また、この場合、シートSから発生したインクの水分の蒸気は、複数のベルト貫通孔54を介して第1空所53に流入する。そして、蒸気は、風F2の風圧により、管部92、及び冷却部93の順に搬送される。そして、蒸気は、冷却部93により水Gに戻され、収容部94に排出される。
(6)第5実施形態において、第2挟持面60aに複数の貫通孔64が形成されるのに対し、第1挟持面52aに複数のベルト貫通孔54が形成されなくてもよい。この場合、デカール装置20は、排出機構90Aに代えて、排出機構80Aを有する。また、この場合、シートSから発生したインクの水分の蒸気は、複数の貫通孔64を介して第2空所65に流入する。そして、蒸気は、風F1の風圧により、管部82に搬送され、管部82を介して筐体2の外部2aに排出される。
(7)第6実施形態において、第2挟持面60aに複数の貫通孔64が形成されるのに対し、第1挟持面52aに複数のベルト貫通孔54が形成されなくてもよい。この場合、デカール装置20は、排出機構90Bに代えて、排出機構80Bを有する。また、この場合、シートSから発生したインクの水分の蒸気は、複数の貫通孔64を介して第2空所65に流入する。そして、蒸気は、風F1の風圧により、管部82、及び冷却部83の順に搬送される。そして、蒸気は、冷却部83により水Gに戻され、収容部84に排出される。
(8)第3実施形態において、熱源70が、ベルト52、及び/又は、ローラー60に設置され、第2挟持面60aに複数の貫通孔64が形成され、さらに、複数のベルト貫通孔54が形成されてもよい。この場合、デカール装置20は、排出機構80A及び排出機構80Bのうちのいずれかと、排出機構90A及び排出機構90Bのうちのいずれかとを有する。
(9)図14を参照して、ローラー60の変形例であるローラー60Aについて説明する。図14は、ローラー60の変形例(ローラー60A)を示す斜視図である。ローラー60Aは、第1フランジ部62aと第2フランジ部62bとの間に胴部63を支持する部材を設ける点でローラー60と異なる。
ローラー60Aは、軸部61と、第1フランジ部62aと、第2フランジ部62bと、複数のロッド部69を有する。第1フランジ部62aと、第2フランジ部62bとは、軸方向W1に互いに間隔を空けて設置される。複数のロッド部69の各々は、軸方向W1に沿って延びる形状を有する。複数のロッド部69の各々は、第1フランジ部62aと第2フランジ部62bとの間に介在する。複数のロッド部69は、ローラー回転方向C1に間隔を空けて並ぶ。複数のロッド部69の各々の一端は、第1フランジ部62aの外周部に連結される。複数のロッド部69の各々の他端は、第2フランジ部62bの外周部に連結される。複数のロッド部69の各々は、胴部63の内周面に接触する。
軸部61は、第1軸部61aと、第2軸部61bとを含む。第1軸部61aは、第1フランジ部62aから軸方向W1に沿って突出し、かつ、第2フランジ部62bから離間する方向に突出する。第2軸部61bは、第2フランジ部62bから軸方向W1に沿って突出し、かつ、第1フランジ部62aから離間する方向に突出する。
なお、ローラー60Aの第1フランジ部62aを、第1実施形態の第1フランジ部62aのように構成し、かつ、ローラー60Aの第2フランジ部62bを、第1実施形態の第2フランジ部62bのように構成してもよい(図3(a)参照)。また、ローラー60Aの第1フランジ部62aを、第3実施形態の第1フランジ部62aのように構成し、かつ、ローラー60Aの第2フランジ部62bを、第3実施形態の第2フランジ部62bのように構成してもよい(図9(a)参照)。
以上、図14を参照して説明したように、ローラー60Aは、複数のロッド部69を有する。複数のロッド部69の各々は、第1フランジ部62aに連結されると共に、第2フランジ部62bに連結される。つまり、複数のロッド部69の各々は、第1フランジ部62aと第2フランジ部62bとの間に架設される。また、複数のロッド部69の各々は、胴部63の内周面に接触する。従って、複数のロッド部69により胴部63を支持することが可能である。
(10)図15を参照して、デカール装置20の変形例であるデカール装置21について説明する。図15は、デカール装置20の変形例(デカール装置21)を示す図である。デカール装置21は、2つのベルトでシートSを搬送する点で、デカール装置20と異なる。
デカール装置21は、シートSを平面状に挟持しつつ搬送する。
図15に示すように、デカール装置21は、第1ベルト部材110と、第2ベルト部材120と、熱源70とを有する。
第1ベルト部材110は、複数の第1支持ローラー111と、第1ベルト112とを有する。第1ベルト112は、複数の第1支持ローラー111に掛けられる。本実施形態では、第1ベルト112は、2つの第1支持ローラー111に掛けられる。2つの第1支持ローラー111は、搬送方向Yに間隔を空けて設置される。第1ベルト112は、複数の第1支持ローラー111と共に回転する。従って、第1ベルト112は、回転可能に支持される。また、第1ベルト112は、第1挟持面110aを有する。第1挟持面110aは、第1ベルト112の回転方向に沿って形成される。第1挟持面110aは、第1ベルト112の外側を向く面である。第1挟持面110aの裏側には、第1空所114が形成される。
第2ベルト部材120は、複数の第2支持ローラー121と、第2ベルト(回転部材)122とを有する。第2ベルト122は、複数の第2支持ローラー121に掛けられる。本実施形態では、第2ベルト122は、2つの第2支持ローラー121に掛けられる。2つの第2支持ローラー121は、搬送方向Yに間隔を空けて設置される。第2ベルト122は、複数の第2支持ローラー121と共に回転する。従って、第2ベルト122は回転可能に支持される。第2ベルト122は、第2挟持面120aを有する。第2挟持面120aは、第2ベルト122の回転方向に沿って形成される。第2挟持面120aは、第2ベルト122の外側を向く面である。第2挟持面120aの裏側には、第2空所124が形成される。
第1ベルト112と第2ベルト122とは、第1挟持面110aと第2挟持面120aとでシートSを挟持しつつ回転してシートSを搬送する。第1挟持面110aと、第2挟持面120aとの間には、シートSを挟持するニップ部Z1が形成される。ニップ部Z1は、平面状に形成される。従って、第1ベルト112と第2ベルト122とは、第1挟持面110aと第2挟持面120aとでシートSの一部又は全部を平面状に挟持しつつ回転してシートSを搬送する。
熱源70は、第1挟持面110a、及び/又は、第2挟持面120aを加熱する。熱源70は、第1ベルト部材110、及び/又は、第2ベルト部材120に設置される。具体的には、熱源70は、第1ベルト112、及び/又は、第2ベルト122に設置される。熱源70が第1ベルト112に設置された状態は、熱源70が第1ベルト112に内蔵された状態、熱源70が第1挟持面110aに直接又は間接に接触している状態、及び、複数の第1支持ローラー111のうちの少なくとも1つに熱源70が内蔵された状態のいずれか示す。また、熱源70が第2ベルト122に設置された状態は、熱源70が第2ベルト122に内蔵された状態、熱源70が第2挟持面120aに直接又は間接に接触している状態、及び、複数の第2支持ローラー121のうちの少なくとも1つに熱源70が内蔵された状態のいずれか示す。本実施形態では、熱源70は、第2ベルト122に内蔵される。
デカール装置21は、第1挟持面110aを貫通する複数の第1貫通孔、及び/又は、第2挟持面120aを貫通する複数の第2貫通孔を有する。複数の第1貫通孔の各々は、第1ベルト112の外部と、第1空所114とを連通する。また、複数の第2貫通孔の各々は、第2ベルト122の外部と、第2空所124とを連通する。
なお、第1ベルト112に対し、排出機構90A(図12参照)を設けてもよい。この場合、排出機構90Aのベルト送風部91は、第1ベルト112に風F2を送る。また、ベルト送風部91は、第1支持ローラー111の軸方向に沿って、風F2を送る。第1支持ローラー111の軸方向は、第1支持ローラー111の回転軸の延びる方向を示す。そして、ベルト送風部91の送った風F2は、第1空所114を通過する。そして、第1空所114を通過した風F2は、管部92の第1開口92aに流入する。その結果、第1ベルト112の複数の第1貫通孔を介して第1空所114に流入した蒸気を、風F2の風圧で搬送し、筐体2の外部2aに排出することが可能となる。
また、第1ベルト112に対し、排出機構90B(図13参照)を設けてもよい。この場合、排出機構90Bのベルト送風部91は、第1ベルト112に風F2を送る。また、ベルト送風部91は、第1支持ローラー111の軸方向に沿って、風F2を送る。そして、ベルト送風部91の送った風F2は、第1空所114を通過する。そして、第1空所114を通過した風F2は、管部92の第1開口92aに流入する。従って、第1ベルト112の複数の第1貫通孔を介して第1空所114に流入した蒸気を、風F2の風圧で搬送し、冷却部83に供給することが可能となる。その結果、蒸気を冷却して水Gに戻し、収容部84に収容させることが可能となる。
また、第2ベルト122に対し、排出機構90A(図12参照)を設けてもよい。この場合、排出機構90Aのベルト送風部91は、第2ベルト122に風F2を送る。また、ベルト送風部91は、第2支持ローラー121の軸方向に沿って、風F2を送る。第2支持ローラー121の軸方向は、第2支持ローラー121の回転軸の延びる方向を示す。そして、ベルト送風部91の送った風F2は、第2空所124を通過する。そして、第2空所124を通過した風F2は、管部92の第1開口92aに流入する。その結果、第2ベルト122の複数の第2貫通孔を介して第2空所124に流入した蒸気を、風F2の風圧で搬送し、筐体2の外部2aに排出することが可能となる。
また、第2ベルト122に対し、排出機構90b(図13参照)を設けてもよい。この場合、排出機構90Aのベルト送風部91は、第2ベルト122に風F2を送る。また、ベルト送風部91は、第2支持ローラー121の軸方向に沿って、風F2を送る。そして、ベルト送風部91の送った風F2は、第2空所124を通過する。そして、第2空所124を通過した風F2は、管部92の第1開口92aに流入する。従って、第2ベルト122の複数の第2貫通孔を介して第2空所124に流入した蒸気を、風F2の風圧で搬送し、冷却部83に供給することが可能となる。その結果、蒸気を冷却して水Gに戻し、収容部84に収容させることが可能となる。
(11)デカール装置20、及びデカール装置21の各々は、後処理装置に内蔵されていてもよい。後処理装置は、インクジェット記録装置1に接続される。後処理装置は、シートSに対して、所定の後処理を行う。所定の後処理は、例えば、パンチ処理、及び/又は、ステープル処理である。パンチ処理は、シートSにパンチ穴を形成する処理である。ステープル処理は、シートSの束を針のような綴じ具で綴じる処理である。
(12)デカール装置20、及びデカール装置21の各々には、インク画像の形成されたシートSが搬送される。インク画像は、インクで形成された画像を示す。しかし、デカール装置20、及びデカール装置21の各々には、インクと異なる液体が塗布されたシートSが搬送されてもよい。デカール装置20、及びデカール装置21の各々は、液体によって湿ったシートSのカールを緩和する。