JP7222769B2 - ウェブ印刷機 - Google Patents

Description

本発明は、第１のローラと第２のローラとを備え、第１のローラと第２のローラとの間でウェブがループを形成する、ウェブに印刷を行う印刷機に関する。

独国特許発明第１０２００７０３４２４６号明細書（DE 10 2007 034 246 B4）において、印刷装置の印刷モジュールの内側の搬送路へ被印刷物ウェブを供給するための装置が記載されており、この装置では、被印刷物ウェブを受け取るための緩衝装置が設けられており、緩衝装置は、緩衝容器を有し、緩衝容器は、底部に、負圧装置を有し、負圧装置は、緩衝容器内で、被印刷物ウェブに作用する負圧を発生させる。

本発明の課題は、ウェブが優しくガイドされる印刷機を提供することである。

この課題は、第１のローラと第２のローラとを備え、第１のローラと第２のローラとの間でウェブがループを形成する、ウェブに印刷を行う印刷機であって、第１のローラと第２のローラとの間にシェルが配置されており、シェルは、ループを空圧式に、シェルの大部分のカーブ長さに関して等間隔にガイドすることを特徴とする、ウェブに印刷を行う印刷機により解決される。

様々な改良形態が実現可能である。

印刷機は、好適にはインクジェット印刷用のデジタル印刷機であってよい。シェルは、シンプルにまたは一次的にカーブされていてよく、この場合、カーブは、円弧の形状を成して延在してよい。シェルは、ループをガイドするために吸込開口または吹出開口だけを有してよい。

シェルは、ループを非接触式にガイドするための吸込開口と吹出開口とを有してよい。吸込開口および吹出開口は、同時に作動されていてよく、これによりウェブはシェルに対して所定の間隔を置いて保持される。

吸込開口は、ウェブの搬送方向にもしくは走行方向に、またはこれに対して斜めに延在する溝であってよい。溝は、好適には相互に平行に延在してよい、またはたとえばウェブを横方向に伸ばすために走行方向で相互に離れてよい。

吹出開口は、吸込開口と交互に配置されたノズル列を形成してよい。ノズル列は、たとえばシェルのノズル面に関して吹出空気を半径方向に放出する孔から成ってよい。

シェルは、ループの外側に配置されていてよく、ループの内側に、支障なく進行する印刷運転時にはウェブと接触しない支持ローラが配置されていてよい。吸込開口の吸込空気および吹出開口の吹出空気の強さは、ウェブがシェルおよび支持ローラと接触せずにこれらの間で浮動して走行するようにバランスを取っていてよい。シェルの吸込空気が作動していないとき、たとえばシェルが接続された真空発生器の停止またはオフ接続のとき、たとえばウェブを通す際のまたは他の装備変更の際のオフ接続のとき、支持ローラは、ウェブを支持するだけでよい。

シェルの内周面と支持ローラの外周面とは、相互に平行に延在してよい。シェルおよび支持ローラは、これらの間で半円状の隙間を画定し、この隙間を通って、印刷運転時にウェブが非接触式に走行する。

ウェブのその都度の幅に合わせて吸込開口を調整する判型調整装置が設けられていてよい。ウェブのその都度の幅に合わせて吹出開口を調整するために、同じ判型調整装置または付加的な判型調整装置が使用されてよい。各々の判型調整装置は、ゲートスライダを有する弁であってよい。

吹出開口は、空気流がフィルタインサートまたはラビリンス溝によって絞られる絞りノズルであってよい。フィルタインサートは、ノズル孔に着座するフォーム材料片であってよい。ラビリンス溝は、吹出空気発生器に吹出開口を接続するための溝を形成する孔付きラビリンスプレートであってよい。

第１のローラおよび／または第２のローラは、ウェブを冷却する冷却ドラムであってよく、冷却ドラムを通って冷却流体が通流する。この場合、各々の冷却ドラムは、冷却流体がポンプにより循環される回路に組み込まれていてよい。

第１のローラ、第２のローラおよびシェルは、ウェブの搬送路に沿って、乾燥またはピニング装置と少なくとも１つの後続のインクジェット印刷ヘッドとの間に配置されていてよい。両方のローラおよびシェルが属するウェブガイドは、たとえば不透明ホワイト用の下塗りまたはプライマ被覆装置の下流側であって、たとえば４つまたは５つ以上の印刷バーを有する多色刷りのインクジェット印刷に用いられる装置の上流側に配置されていてよい。

改良形態は、以下の実施の形態の説明および付属の図面から明らかである。

被印刷物ウェブをガイドするシェルを備えるデジタル印刷機を概略図で示す。 支持ローラとともにガイドシェルを空間図で示す。 ガイドシェルのノズル面の平面図を示す。 ノズル面の変化形態を示す。

図１～図４において、相互に対応する構成部材および要素には、同一の符号を付してある。

図１は、デジタル印刷機を示しており、デジタル印刷機を通って、被印刷物から成るウェブＢが、矢印で示された走行方向Ｒに走行する。最初に、インクジェット印刷ヘッドとして構成された被覆装置１０により、下塗りまたはプライマがウェブＢに塗布される。次に、ピニング装置８により、塗布された下塗りまたは塗布されたプライマが乾燥される。最後に、１つまたは複数のインクジェット印刷ヘッド９により、印刷像が、下塗りまたはプライマ上に印刷される。

ウェブＢに沿って、ピニング装置８とインクジェット印刷ヘッド９との間に、第１のローラ１および第２のローラ２が配置されており、両方のローラ１，２の間に、シェル３および支持ローラ６が配置されている。両方のローラ１，２の間で、ウェブＢは、環状部またはループＳを形成する。シェル３は、ウェブＢの、ローラ１，２と同じ側に、つまりウェブＢの、被覆装置１０により被覆されない裏面側に位置する。反対の側に、つまりウェブＢの、被覆装置１０により被覆された表面側に、支持ローラ６が位置する。

シェル３は、印刷運転時に、ループＳが安定しているので、ウェブＢがローラ１，２にそれぞれ最大の円周角にわたって巻き掛けられるように働く。これにより、ウェブＢとローラ１または２との間の接触面が大きく、これに即してウェブＢから各々のローラ１または２への熱伝達も大きい。

ピニング装置８によりウェブＢを処理するとき、ウェブＢは、不都合に加温される。これは不可避の副次的効果である。ウェブＢのこの加温は、対策が講じられないと、インクジェット印刷ヘッド９によるウェブＢの印刷時に印刷品質が損なわれ得る。対策を講じないと、ウェブＢに縦じわが生じることになり、縦じわは、インクジェット印刷ヘッド９の印刷像に視認できるであろう。

対策は、１つまたは好適には両方のローラ１，２によるウェブＢの冷却にあり、そのために、ローラ１，２は、冷却ローラとして構成されている。ローラ１，２を、冷却剤、たとえば冷却水が通流し、ローラ１，２は、縦じわが生じず、後続のインクジェット印刷が損なわれない値への、ウェブＢの温度の低下をもたらす。

図２は、シェル３が、本形態における理想的な円弧状のシェル３の場合では弧の長さである所定のカーブ長さＬを有することを示している。支障のない印刷運転時に、走行するウェブＢと、シェル３の、このウェブＢに向けられたノズル面との間に、隙間幅または間隔ａを有する隙間が存在する。この間隔ａは、ほぼ全体のカーブ長さＬに沿って一定である。カーブ長さＬの両方の端区分、つまりウェブＢの進入領域および退出領域でのみ、間隔ａは、これらの端区分における空気特性に基づき異なり得る、つまりカーブ長さＬの、その間に位置する主区分における間隔よりも小さくなり得る。

図３は、シェル３を、単一部材として、シェル３の、ウェブＢに向けられたノズル面を見た展開図で示している。シェル３の、一次的にカーブしたガイド面またはノズル面は、曲率中心点として、支持ローラ６の幾何学的な回転軸線を有する。要するに、シェル３のガイド面の内周面は、支持ローラ６の外周面と同心に延在する（図２参照）。

ガイド面またはノズル面に、吸込開口４および吹出開口５が加工されている。吸込開口４は、判型調整装置７を介して、図示されていない真空発生器に接続されており、吹出開口５は、判型調整装置７を介して、図示されていない圧縮空気源に接続されている。

吹出開口５は、絞りノズルとして構成されていて、ウェブＢの走行方向Ｒと平行に延在する列を成して配置されている。吸込開口４は、同様に走行方向Ｒと平行に延在する溝として構成されている。走行方向Ｒに対して横向きに見て、吸込開口４は、吹出開口５と交互に配置されている。

図３に示されたパターンとは異なり、それぞれ２つの吸込溝の間に、複数の絞りノズル列が延在してもよい、かつ／またはそれぞれ２つの絞りノズル列の間に複数の吸込溝が延在してもよい。

略示しただけの判型調整装置７により、ウェブＢの判型幅の外側に位置し、ウェブＢにより覆われない吸込開口４および／または吹出開口５を非作動化することができる。

真空発生器および圧縮空気源の相応の調整により、吸込開口４に作用する真空の強さと、吹出開口５から放出される吹出空気の強さとが、相互にバランスを取っていて、吸込開口４を通って吸い込まれ、その際に同時に吹出開口５により空気クッション上に支持されるウェブＢは、印刷運転に支障がない限り、シェル３と接触せずに、かつ同様に支持ローラ６と接触せずに、これら両方の間で浮動して走行する。

印刷運転時に支障がある間には、または予想されたまたは予想外の印刷中断の間には、ウェブＢは、支持ローラ６と接触し、これに密着し得る。ウェブＢが、支障がある間にまたは印刷中断の間に引き続き走行するとき、ウェブＢは、ウェブＢが巻き掛けられた支持ローラ６を、周面摩擦を介して駆動し得る。その際、支持ローラ６は、固有の駆動装置を用いずにウェブＢとともに走行し得る。

支障のない印刷運転時には、被覆装置１０の、ピニング装置８により未だ完全には乾かされていないまたは硬化されていない印刷像が損傷から防護されていることが確保されている。というのも、この印刷像は、支持ローラ６と接触しないからである。ウェブＢを非接触式にガイドするシェル３により、極めて優しいウェブガイドが保証されている。

図４は、図３の例とは、溝（吸込開口４）および絞りノズル（吹出開口５）の列がウェブＢの走行方向Ｒに対して好適には鋭角を成して斜めに延在する点でのみ異なっている変化形態を示している。

１ 第１のローラ
２ 第２のローラ
３ シェル
４ 吸込開口
５ 吹出開口
６ 支持ローラ
７ 判型調整装置
８ ピニング装置
９ インクジェット印刷ヘッド
１０ 被覆装置
ａ 間隔
Ｂ ウェブ
Ｌ カーブ長さ
Ｒ 走行方向
Ｓ ループ

Claims (9)

1. 第１のローラ（１）と第２のローラ（２）とを備え、
   前記第１のローラ（１）と前記第２のローラ（２）との間でウェブ（Ｂ）がループ（Ｓ）を形成する、
   ウェブ（Ｂ）に印刷を行う印刷機において、
   前記第１のローラ（１）と前記第２のローラ（２）との間にシェル（３）が配置されており、該シェル（３）は、前記ループ（Ｓ）を空圧式に、前記シェル（３）のカーブ長さ（Ｌ）のうち前記ウェブ（Ｂ）の前記シェル（３）への進入領域及び前記シェル（３）からの退出領域を除く主区分に関して等間隔にガイドし、
   前記シェル（３）は、前記ループ（Ｓ）を非接触式にガイドする吸込開口（４）と吹出開口（５）とを有し、
   前記吸込開口（４）は、前記ウェブ（Ｂ）の走行方向（Ｒ）と平行にまたは走行方向（Ｒ）に対して斜めに延在する溝である
   ことを特徴とする、ウェブ（Ｂ）に印刷を行う印刷機。
2. 前記吹出開口（５）は、前記吸込開口（４）と交互に配置されたノズル列を形成していることを特徴とする、請求項１記載の印刷機。
3. 第１のローラ（１）と第２のローラ（２）とを備え、
   前記第１のローラ（１）と前記第２のローラ（２）との間でウェブ（Ｂ）がループ（Ｓ）を形成する、
   ウェブ（Ｂ）に印刷を行う印刷機において、
   前記第１のローラ（１）と前記第２のローラ（２）との間にシェル（３）が配置されており、該シェル（３）は、前記ループ（Ｓ）を空圧式に、前記シェル（３）のカーブ長さ（Ｌ）のうち前記ウェブ（Ｂ）の前記シェル（３）への進入領域及び前記シェル（３）からの退出領域を除く主区分に関して等間隔にガイドし、
   前記シェル（３）は、前記ループ（Ｓ）を非接触式にガイドする吸込開口（４）と吹出開口（５）とを有し、
   前記吹出開口（５）は、前記吸込開口（４）と交互に配置されたノズル列を形成していることを特徴とする、ウェブ（Ｂ）に印刷を行う印刷機。
4. 前記シェル（３）は、前記ループ（Ｓ）の外側に配置されており、前記ループ（Ｓ）の内側に、支障なく進行する印刷運転時には前記ウェブ（Ｂ）と接触しない支持ローラ（６）が配置されていることを特徴とする、請求項１から３までのいずれか１項記載の印刷機。
5. 前記シェル（３）の内周面と前記支持ローラ（６）の外周面とは、相互に平行に延在することを特徴とする、請求項４記載の印刷機。
6. 前記ウェブ（Ｂ）のその都度の幅に合わせて前記吸込開口（４）に作用する真空の強さを調整する判型調整装置（７）が設けられていることを特徴とする、請求項１から５までのいずれか１項記載の印刷機。
7. 前記吹出開口（５）は、空気流がフィルタインサートまたはラビリンス溝によって絞られる絞りノズルであることを特徴とする、請求項１から６までのいずれか１項記載の印刷機。
8. 前記第１のローラ（１）および／または前記第２のローラ（２）は、前記ウェブ（Ｂ）を冷却する冷却ドラムであり、該冷却ドラムを通って冷却流体が通流することを特徴とする、請求項１から７までのいずれか１項記載の印刷機。
9. 前記第１のローラ（１）、前記第２のローラ（２）および前記シェル（３）は、前記ウェブ（Ｂ）の搬送路に沿って、乾燥またはピニング装置（８）と後続の少なくとも１つのインクジェット印刷ヘッド（９）との間に配置されていることを特徴とする、請求項１から８までのいずれか１項記載の印刷機。

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