特許文献1、2のように、アンテナ端子を独立に設けると、各バンド間の干渉は抑制(例えばアイソレーションの向上)できるが、RF(Radio Frequency)用のコネクタが3個となり、コストアップおよび大型化する。一方、アンテナ端子を共用すると、コストダウンおよび小型化できるが、バンド間の干渉が大きくなる。例えば、3つのアンテナ端子を共用すると、RFコネクタは1個となるが、マルチプレクサの損失および/またはバンド間の干渉が大きくなる。また、特許文献1から3の方法では、複数のバンド間の干渉の抑制が十分でない。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、コストダウンおよび小型化が可能で、複数のバンド間の干渉を抑制することを目的とする。
本発明は、アンテナに接続され、ローバンドと前記ローバンドより周波数が高いハイバンドとの送信信号および受信信号がそれぞれ出力および入力する第1アンテナ端子と、前記アンテナと別のアンテナに接続され、前記ローバンドより周波数が高く前記ハイバンドより周波数が低いミドルバンドの送信信号および受信信号がそれぞれ出力および入力する第2アンテナ端子と、前記ローバンドの送信信号および受信信号がそれぞれ入力および出力するローバンド端子と、前記ミドルバンドの送信信号および受信信号がそれぞれ入力および出力するミドルバンド端子と、前記ハイバンドの送信信号および受信信号がそれぞれ入力および出力するハイバンド端子と、前記第1アンテナ端子と前記ローバンド端子との間を前記ローバンドの送信信号および受信信号を通過させ、前記ミドルバンドおよび前記ハイバンドの送信信号および受信信号を遮断し、前記第1アンテナ端子と前記ハイバンド端子との間を前記ハイバンドの送信信号および受信信号を通過させ、前記ローバンドおよび前記ミドルバンドの送信信号および受信信号を遮断する分波回路と、を具備することを特徴とするフロントエンド回路である。
上記構成において、前記分波回路は、前記第1アンテナ端子と前記ローバンド端子との間に接続されたローパスフィルタと、前記第1アンテナ端子と前記ハイバンド端子との間に接続されたハイパスフィルタと、を備える構成とすることができる。
上記構成において、前記ローバンドは、699MHzから960MHzの帯域の少なくとも一部を含み、前記ミドルバンドは、1710MHzから2170MHzの帯域の少なくとも一部を含み、前記ハイバンドは、2305MHzから2690MHzの帯域の少なくとも一部を含む構成とすることができる。
上記構成において、前記ローバンド、前記ミドルバンドおよび前記ハイバンドの少なくとも1つは、それぞれ送信帯域および受信帯域を含む複数のバンドを含む構成とすることができる。
上記構成において、前記ローバンド、前記ミドルバンドおよび前記ハイバンドは、それぞれ送信帯域および受信帯域を含む複数のバンドを含む構成とすることができる。
上記構成において、複数のバンドの送信信号をそれぞれ通過させる複数の送信バンドパスフィルタと、複数のバンドの受信信号をそれぞれ通過させる複数の受信バンドパスフィルタと、を具備する構成とすることができる。
上記構成において、前記複数のバンドは、第1バンド、第2バンドおよび第3バンドを含み、前記第1バンドの送信帯域と前記第2バンドの受信帯域とは少なくとも一部が重なり、前記第3バンドの受信帯域は前記第1バンドおよび前記第2バンドの送信帯域と重ならず、前記第1バンドの受信フィルタと、前記第2バンドの受信フィルタと、の間に前記第3バンドの受信フィルタが設けられている構成とすることができる。
上記構成において、前記複数のバンドは、第1バンド、第2バンド、第3バンドおよび第4バンドを含み、前記第1バンドの受信信号と前記第2バンドの受信信号とは同時に受信され、前記第3バンドの受信帯域は前記第1バンドの送信帯域の少なくとも一部と重なり、前記第4バンドの受信帯域は前記第1バンドおよび前記第2バンドの送信帯域と重ならず、前記第2バンドの受信フィルタと、前記第3バンドの受信フィルタと、の間に前記第4バンドの受信フィルタが設けられている構成とすることができる。
上記構成において、前記ローバンド、前記ミドルバンドおよび前記ハイバンドの少なくとも2つのバンドの受信信号は同時に受信される、および/または前記2つのバンドの送信信号は同時に送信される構成とすることができる。
本発明は、上記フロントエンド回路を備えることを特徴とするモジュールである。
本発明は、上記フロントエンド回路を備えることを特徴とする通信装置である。
上記構成において、前記第1アンテナ端子に接続されたローバンド用アンテナおよびハイバンド用アンテナと、前記第2アンテナ端子に接続されたミドルバンド用アンテナと、を具備し、前記ローバンド用アンテナは、前記ハイバンド用アンテナと前記ミドルバンド用アンテナとの間に設けられている構成とすることができる。
本発明は、第1バンドの送信信号を通過させる第1送信フィルタと、前記第1バンドの受信信号を通過させる第1受信フィルタと、第2バンドの送信信号を通過させる第2送信フィルタと、前記第2バンドの受信信号を通過させる第2受信フィルタと、第3バンドの送信信号を通過させる第3送信フィルタと、前記第3バンドの受信信号を通過させる第3受信フィルタと、を具備し、前記第1バンドの送信帯域と前記第2バンドの受信帯域とは少なくとも一部が重なり、前記第3バンドの受信帯域は前記第1バンドおよび前記第2バンドの送信帯域と重ならず、前記第1受信フィルタと、前記第2受信フィルタと、の間に前記第3受信フィルタが設けられていることを特徴とするモジュールである。
上記構成において、前記第1送信フィルタの出力と前記第1受信フィルタの入力は共通に第1共通端子に接続され、前記第2送信フィルタの出力と前記第2受信フィルタの入力は共通に第2共通端子に接続される構成とすることができる。
上記構成において、前記第1共通端子および前記第2共通端子の一方を選択し第3共通端子に接続するスイッチを具備する構成とすることができる。
上記構成において、前記第1バンドはバンド1であり、前記第2バンドはバンド2もしくはバンド25である、前記第1バンドはバンド2もしくはバンド25であり、前記第2バンドはバンド3である、前記第1バンドはバンド8であり、前記第2バンドはバンド5もしくはバンド26である、または前記第1バンドはバンド5もしくはバンド26であり、前記第2バンドはバンド20である構成とすることができる。
本発明は、第1バンドの送信信号を通過させる第1送信フィルタと、前記第1バンドの受信信号を通過させる第1受信フィルタと、第2バンドの送信信号を通過させる第2送信フィルタと、前記第2バンドの受信信号を通過させる第2受信フィルタと、第3バンドの送信信号を通過させる第3送信フィルタと、前記第3バンドの受信信号を通過させる第3受信フィルタと、第4バンドの送信信号を通過させる第4送信フィルタと、前記第4バンドの受信信号を通過させる第4受信フィルタと、を具備し、前記第1バンドの受信信号と前記第2バンドの受信信号とは同時に受信され、前記第3バンドの受信帯域は前記第1バンドの送信帯域の少なくとも一部と重なり、前記第4バンドの受信帯域は前記第1バンドおよび前記第2バンドの送信帯域と重ならず、前記第2バンドの受信フィルタと、前記第3バンドの受信フィルタと、の間に前記第4バンドの受信フィルタが設けられていることを特徴とするモジュールである。
上記構成において、前記第1バンドはバンド1であり、前記第2バンドはバンド3であり、前記第3バンドはバンド2もしくはバンド25である、前記第1バンドはバンド2もしくはバンド25であり、前記第2バンドはバンド4であり、前記第3バンドはバンド3である、前記第1バンドはバンド26であり、前記第2バンドはバンド12もしくはバンド17であり、前記第3バンドはバンド20である、または前記第1バンドはバンド8であり、前記第2バンドはバンド20であり、前記第3バンドはバンド5もしくは26である構成とすることができる。
本発明は、1つの第1共通端子と少なくとも3つの第1端子との間にそれぞれ接続され、互いに通過帯域の異なる少なくとも3つの第1フィルタと、1つの第2共通端子と少なくとも1つの第2端子との間にそれぞれ接続された少なくとも1つの第2フィルタと、前記1つの第1共通端子と前記少なくとも3つの第1フィルタとを接続する第1配線と、前記1つの第2共通端子と前記少なくとも1つの第2フィルタとを接続する第2配線と、を具備し、前記第1共通端子および前記第2共通端子は、前記少なくとも3つの第1フィルタに対し同じ側に設けられ、前記少なくとも1つの第2フィルタと、前記第1共通端子および前記第2共通端子と、は、前記少なくとも3つの第1フィルタに対し互いに反対の側に設けられ、前記第2配線は、前記第1配線と1箇所のみで交差することを特徴とするモジュールである。
上記構成において、前記第1配線と前記第2配線とが交差する箇所の前記第1配線と前記第2配線との間に設けられたグランドパターンを具備する構成とすることができる。
上記構成において、前記少なくとも3つの第1フィルタは、前記第1配線に対し両側に設けられている構成とすることができる。
上記構成において、前記少なくとも1つの第2フィルタは、少なくとも3つの第2フィルタを有する構成とすることができる。
上記構成において、前記第1フィルタは、第1バンドの第1送信フィルタおよび第1受信フィルタと、第2バンドの第2送信フィルタおよび第2受信フィルタを含み、前記第2フィルタは、第3バンドの第3送信フィルタおよび第3受信フィルタと、第4バンドの第4送信フィルタおよび第4受信フィルタを含む構成とすることができる。
上記構成において、複数の絶縁層が積層された基板を具備し、前記少なくとも3つの第1フィルタと前記少なくとも1つの第2フィルタとは前記基板上に搭載され、前記第1配線と前記第2配線とが交差する箇所において、前記第1配線と前記第2配線とは、前記絶縁層のうちそれぞれ異なる絶縁層の表面に形成されている構成とすることができる。
本発明によれば、コストダウンおよび小型化が可能で、複数のバンド間の干渉を抑制することができる。
以下、図面を参照し、実施例について説明する。
実施例1は、複数のバンドの受信信号を同時に受信する、および/または複数のバンドの送信信号を同時に送信する、いわゆるキャリアアグリゲーションを行なうフロントエンド回路の例である。複数のバンドとして、バンドB1、B2(またはB25)、B4、B5(またはB26)、B7、B8、B12(またはB17)、B13、B20およびB30を用いる。なお、バンドの数字の前に「B」を付し、参照番号と区別する。
図1は、実施例1から5において用いられる各バンドの送信帯域および受信帯域を示す図である。図1に示すように、バンドB5、B8、B12、B13、B17、B20、B26およびB29はローバンドであり。バンドB1−B4およびB25はミドルバンドであり、バンドB7およびB30はハイバンドである。
図2は、実施例1に係る通信装置およびフロントエンド回路の回路図である。一点鎖線は、主に送信信号が伝送する線路、破線は主に受信信号が伝送する線路、実線は送信信号と受信信号が伝送する線路である。図2に示すように、フロントエンド回路104は、主に、端子T1(第1アンテナ端子)、T2(第2アンテナ端子)、TL(ローバンド端子)、TM(ミドルバンド端子)、TH(ハイバンド端子)、ダイプレクサ16、ローバンド系回路10L、ミドルバンド系回路10M、ハイバンド系回路10HおよびRFIC(Radio Frequency Integrated Circuit)48を含む。通信装置は、フロントエンド回路104およびアンテナ40LHおよび40Mを備える。
端子T1およびT2はそれぞれアンテナ40LHおよび40Mに接続される。端子TLは、ローバンドの送信信号および受信信号がそれぞれ入力および出力する。端子TMは、ミドルバンドの送信信号および受信信号がそれぞれ入力および出力する。端子THは、ハイバンドの送信信号および受信信号がそれぞれ入力および出力する。ダイプレクサ16は、端子T1、TLおよびTHに接続されている。端子T2は端子TMに接続されている。端子T1とダイプレクサ16との間、および端子T2と端子TMとの間に、それぞれチューナ38aおよび38bが接続されている。チューナ38aおよび38bは、それぞれアンテナ40LHおよび40Mのインピーダンスが変化したときに、インピーダンスを整合させる。なお、チューナ38aおよび38bは、設けなくてもよい。また、端子T1とダイプレクサ16との間および/または端子T1とTMとの間に、送信信号の一部をフィードバックするためのカップラを設けてもよい。
ダイプレクサ16は、端子T1とTLとの間に接続されたローパスフィルタと、端子T1とTHとの間に接続されたハイパスフィルタと、を備える。これにより、ダイプレクサ16は、端子T1と端子TLとの間をローバンドの送信信号および受信信号を通過させ、ミドルバンドおよびハイバンドの送信信号および受信信号を遮断する。ダイプレクサ16は、端子T1と端子THとの間をハイバンドの送信信号および受信信号を通過させ、ローバンドおよびミドルバンドの送信信号および受信信号を遮断する。
端子TL、TMおよびTHにそれぞれローバンド系回路10L、ミドルバンド系回路10Mおよびハイバンド系回路10Hが接続されている。ローバンド系回路10L、ミドルバンド系回路10Mおよびハイバンド系回路10Hに、RFIC48が接続されている。RFIC48は、増幅前の送信信号をローバンド系回路10L、ミドルバンド系回路10Mおよびハイバンド系回路10Hに送信する。RFIC48は、ローノイズアンプを備えており、ローバンド系回路10L、ミドルバンド系回路10Mおよびハイバンド系回路10Hから受信した受信信号を増幅する。
ローバンド系回路10Lは、クワッドプレクサ15h、15i、スイッチ20およびパワーアンプ36bおよび36cを備えている。ミドルバンド系回路10Mは、クワッドプレクサ15c、15d、スイッチ21、26およびパワーアンプ36dおよび36eを備えている。ハイバンド系回路10Hは、クワッドプレクサ15e、スイッチ29およびパワーアンプ36fを備えている。
クワッドプレクサ15hは、バンドB5/B26およびB12の送信フィルタ12および受信フィルタ14を含む。クワッドプレクサ15iは、バンドB8およびB20の送信フィルタ12および受信フィルタ14を含む。クワッドプレクサ15cは、バンドB2およびB4の送信フィルタ12および受信フィルタ14を含む。クワッドプレクサ15dは、バンドB1およびB3の送信フィルタ12および受信フィルタ14を含む。クワッドプレクサ15eは、バンドB7およびB30の送信フィルタ12および受信フィルタ14を含む。
送信フィルタ12は、バンドパスフィルタであり、各バンド内の送信信号を通過させ、受信信号を遮断する。受信フィルタ14は、バンドパスフィルタであり、各バンド内の受信信号を通過させ、送信信号を遮断する。なお、バンドB5およびB26は、送信帯域同士、受信帯域同士が重なっている。このため、バンドB5/B26の送信フィルタ12および受信フィルタ14は、バンドB5とB26で共用できる。
SP3T(Single Pole 3 Throw)スイッチ20は、クワッドプレクサ15hおよび15iの共通端子とローバンドのGSM(登録商標)(global system for mobile communications)用のパワーアンプ36cの出力から1つを選択し、端子TLに接続する。RFIC48よりパワーアンプ36bから36fへ送信信号が出力される。SP4T(Single Pole 4 Throw)スイッチ25aは、パワーアンプ36bの出力をバンドB5/B26、B12、B8およびB20のうち1つの送信フィルタ12に出力する。
SP3Tスイッチ21は、クワッドプレクサ15cおよび15dの共通端子とハイバンドのGSM(登録商標)用のパワーアンプ36dの出力から1つを選択し、端子TMに接続する。SP4T(Single Pole 4 Throw)スイッチ26は、パワーアンプ36eの出力をバンドB2、B1、B4およびB3の送信フィルタ12の1つに出力する。SPDTスイッチ29は、パワーアンプ36fの出力をバンドB7およびB30の送信フィルタ12のうち1つに出力する。
実施例1の効果を説明するために比較例について説明する。図3は、比較例1に係るフロントエンド回路の回路図である。図3に示すように、フロントエンド回路110では、端子T1はアンテナ40LMに接続されている。ダイプレクサ16は、端子T1と端子TLとの間、および端子T1と端子TMとの間に接続されている。端子T2はアンテナ40Hに接続されている。端子T2と端子THとが接続されている。クワッドプレクサ15eの代わりにデュプレクサ15f、15gおよびSPDTスイッチ28が設けられている。その他の構成は、実施例1と同じであり、説明を省略する。
図4は、比較例2に係るフロントエンド回路の回路図である。図4に示すように、フロントエンド回路112では、端子T1はアンテナ40Lおよび端子TLに接続されている。端子T2はミドルバンド用アンテナ40Mおよび端子TMに接続されている。端子T3はアンテナ40Hおよび端子THに接続されている。各アンテナ40L、40Mおよび40Hと端子TL、TMおよびTHとの間にはそれぞれチューナ38が接続されている。その他の構成は、比較例1と同じであり、説明を省略する。
比較例1の問題について説明する。図5(a)は、比較例1におけるダイプレクサのブロック図、図5(b)は、ダイプレクサの周波数特性を示す図である。図5(a)に示すように、ダイプレクサ16はローパスフィルタLPF16aおよびハイパスフィルタHPF16bを備える。LPF16aは端子T1とTLとの間に接続されている。HPF16bは端子T1とTMとの間に接続されている。このように、比較例1では、ローバンドLBとミドルバンドMBとをダイプレクサ16を用い分波している。このように、ダイプレクサ16を用いることにより、アンテナを共用できる。
図5(b)に示すように、ローバンドLBは、LPF16aの通過帯域となり、HPF16bの抑圧帯域となる。ミドルバンドMBは、HPF16bの通過帯域となり、LPF16aの抑圧帯域となる。しかし、ローバンドLBにおけるHPF16bの抑圧特性および/またはミドルバンドMBにおけるLPF16aの抑圧特性は十分ではない。このため、十分な抑圧を得ようとすると、LPF16aのローバンドLBでの損失および/またはHPF16bのミドルバンドMBでの損失が大きくなる。よって、端子TLおよびTMにおける送信信号のパワーを大きくすることとなる。このため、パワーアンプの消費電力が大きくなる。また、送信信号のパワーが大きいと、ローバンドLBのパワーアンプ、スイッチおよびフィルタ等において生成される高調波信号、相互変調歪および/または混変調歪が大きくなる。これらが、ミドルバンドMBおよび/またはハイバンドHBの干渉の原因となる。
さらに、LPF16aのローバンドLBでの損失および/またはHPF16bのミドルバンドMBでの損失が大きい。このため、端子TLおよびTMにおける受信信号のレベルが小さくなる。
図6(a)は、実施例1におけるダイプレクサのブロック図、図6(b)は、ダイプレクサの周波数特性を示す図である。図6(a)に示すように、LPF16aは端子T1とTLとの間に接続されている。HPF16bは端子T1とTHとの間に接続されている。このように、実施例1では、ローバンドLBとハイバンドHBとをダイプレクサ16を用い分波している。
図6(b)に示すように、ローバンドLBは、LPF16aの通過帯域となり、HPF16bの抑圧帯域となる。ハイバンドHBは、HPF16bの通過帯域となり、LPF16aの抑圧帯域となる。ローバンドLBとハイバンドHBとの周波数間隔が広いため、ローバンドLBにおけるHPF16bの抑圧特性およびハイバンドHBにおけるLPF16aの抑圧特性を向上できる。このため、LPF16aのローバンドLBでの損失およびHPF16bのハイバンドHBでの損失を小さくできる。よって、端子TLおよびTHにおける送信信号のパワーを小さくできる。このため、パワーアンプの消費電力が小さくなる。また、送信信号のパワーが小さいため、ローバンドLBのパワーアンプ、スイッチおよびフィルタ等において生成される高調波信号、相互変調歪および/または混変調歪が小さくなる。よって、これらの信号のミドルバンドMBおよび/またはハイバンドHBの干渉を抑制できる。
さらに、LPF16aのローバンドLBでの損失およびHPF16bのハイバンドHBでの損失を小さくできる。このため、端子TLおよびTHにおける受信信号のレベルを大きくできる。
比較例2の問題について説明する。比較例2では、ローバンドLB、ミドルバンドMBおよびハイバンドHBにそれぞれアンテナ端子T1からT3およびアンテナ40L、40Mおよび40Hを設けるため、コストアップおよび大型化する。さらに、3つのアンテナ端子T1からT3間および/または3つのアンテナ40L、40Mおよび40H間のアイソレーションを高めようとすると、アンテナ端子T1からT3および/または3つのアンテナ40L、40Mおよび40Hの配置が複雑になる。アンテナ端子および/またはアンテナの配置が難しい場合、フィルタを追加することとなり、さらにコストアップとなる。
実施例1によれば、端子T1にローバンドおよびハイバンドの送信信号および受信信号がそれぞれ出力および入力する。端子T2は端子T1とは別のアンテナに接続され、ミドルバンドの送信信号および受信信号がそれぞれ出力および入力する。ダイプレクサ16をローバンドとハイバンドとの分波回路として使用する。
これにより、比較例2のように、アンテナ端子を3個設けるのに比べアンテナ端子を削減でき、RFコネクタ等を削減できる。よって、コストダウンおよび小型化できる。さらに、比較例1のように、ローバンドとミドルバンドとの分波回路を用いローバンドとミドルバンドのアンテナ端子を共用するのに比べ、消費電力の削減、ミドルバンドおよび/ハイバンドへのローバンドの高調波信号、相互変調歪および/または混変調歪信号の干渉の抑制、および受信信号の感度の向上を行なうことができる。
図7は、実施例2に係るフロントエンド回路の回路図である。図7に示すように、フロントエンド回路100において、ローバンド系回路10Lは、マルチプレクサ15a、15b、スイッチ20、22−24、30およびパワーアンプ36aから36cを備えている。マルチプレクサ15aは、バンドB5/B26、B13およびB29の送信フィルタ12および受信フィルタ14を含む。マルチプレクサ15bは、バンドB8、B20およびB12の送信フィルタ12および受信フィルタ14を含む。
SPDT(Single Pole double Throw)スイッチ22は、パワーアンプ36aの出力をバンドB12およびB13の送信フィルタ12のうち1つに接続する。SPDTスイッチ23は、バンドB12およびB5/B26の受信フィルタ14の出力のうち1つを選択しRFIC48に出力する。SPDTスイッチ24は、バンドB8およびB20の受信フィルタ14の出力のうち1つを選択しRFIC48に出力する。SP3Tスイッチ25は、パワーアンプ36bの出力をバンドB5/B26、B8およびB20のうち1つの送信フィルタ12に出力する。
SPDTスイッチ30は、RFIC48の出力をパワーアンプ36bおよび36cの一方に出力する。SPDTスイッチ31は、RFIC48の出力をパワーアンプ36dおよび36eの一方に出力する。その他の構成は、実施例1と同じであり、説明を省略する。
図8は、実施例2の変形例1に係るフロントエンド回路の回路図である。図8に示すように、フロントエンド回路101において、マルチプレクサ15aおよび15bをデュプレクサに置き換え、クワッドプレクサ15cから15eをデュプレクサに置き換えている。これにともない、SP3Tスイッチ20をSP7T(Single Pole 7 Throw)スイッチ20aに、SP3Tスイッチ21をSP5T(Single Pole 5 Throw)スイッチ21aに置き換えている。端子THとバンドB30およびB7のデュプレクサとの間にSPDTスイッチ28が設けられている。その他の構成は実施例2の図7と同じであり説明を省略する。
実施例2の変形例1のように、マルチプレクサ15aおよび15b並びにクワッドプレクサ15cから15eをデュプレクサに置き換えてもよい。また、マルチプレクサ15aおよび15b並びにクワッドプレクサ15cから15eの一部をデュプレクサに置き換えてもよい。
図9は、実施例2の変形例2に係るフロントエンド回路の回路図である。図9に示すように、フロントエンド回路102おいて、ダイプレクサ16の代わりに分波回路42が設けられている。分波回路42は整合回路44およびLPF46を備える。整合回路44は、端子T1と端子TLおよびTHとの間に設けられている。LPF46は、整合回路44と端子TLとの間に設けられている。分波回路42は、端子T1側から端子TLをみたローバンドにおけるインピーダンスを小さくし、ハイバンドにおけるインピーダンスを大きくする。一方、分波回路42は、端子T1側から端子THをみたハイバンドにおけるインピーダンスを小さくし、ローバンドにおけるインピーダンスを大きくする。このように、分波回路としてはダイプレクサでなくともよい。
図10(a)から図10(d)は、実施例2の変形例2における分波回路の別の例を示す回路図である。図10(a)に示すように、整合回路43および45は、端子TL側と端子TH側とに別々に設けられていてもよい。図10(b)に示すように、LPF46を設けず、端子T1と端子THとの間にHPF47を設けてもよい。このように、LPF46とHPF47のいずれか一方を設けてもよい。図10(c)に示すように、LPF46およびHPF47を設けず、整合回路44のみを設けてもよい。図10(d)に示すように、整合回路43から45、LPF46およびHPF47を設けなくてもよい。図10(d)の場合は、送信フィルタ12および受信フィルタ14を含め分波回路として機能する。
実施例1並びに実施例2およびその変形例のように、分波回路は、端子T1と端子TLとの間に接続されたLPFと端子T1と端子THとの間に接続されたHPFと、を備えるダイプレクサ16を含むことが好ましい。これにより、ローバンドの信号とハイバンドの信号をより分波することができる。実施例2の変形例2のように、分波回路はダイプレクサを含まなくともよい。
実施例1、2およびその変形例は、LTE等の無線通信に用いるバンドとして、ローバンドは699MHzから960MHzの帯域の少なくとも一部を含み、ミドルバンドは1710MHzから2170MHzの帯域の少なくとも一部を含み、ハイバンドは2305MHzから2690MHzの帯域の少なくとも一部を含む場合を例に説明した。ローバンド、ミドルバンドおよびハイバンドは、これらの周波数以外でもよい。
ローバンド、ミドルバンドおよびハイバンドのいずれもが、それぞれ送信帯域および受信帯域を含む複数のバンドを含む場合を例に説明した。ローバンド、ミドルバンドおよびハイバンドの少なくとも1つが、それぞれ送信帯域および受信帯域を含む複数のバンドを含んでもよい。また、ローバンド、ミドルバンドおよびハイバンドはいずれも1つのバンドのみを含んでもよい。
実施例2およびその変形例において、スイッチ23および24をダイプレクサ等のマルチプレクサに置き換えてもよい。これにより、スイッチに用いる電源および制御信号の配線数を削減できる。よって、フロントエンド回路を小型化できる。
実施例3は、フロントエンド回路またはその一部を含むモジュールの例である。図11は、実施例3におけるミドルバンド系回路の回路図である。図11に示すように、実施例3の回路は、実施例2の変形例1のミドルバンド系回路10Mと同じである。
図12(a)および図12(b)は、比較例3に係るモジュールを示す図である。図12(a)および図12(b)に示すように、モジュールは、基板50、送信フィルタ12および受信フィルタ14を備えている。送信フィルタ12および受信フィルタ14は、基板50上に搭載、または基板50に埋め込まれている。基板50は、例えば樹脂層が積層された配線基板である。送信フィルタ12および受信フィルタ14は、基板50内に形成された配線52を介し接続されている。B1RxからB4Rxは、それぞれバンドB1からB4の受信フィルタ14に対応し、B1TxからB4Txは、それぞれバンドB1からB4の送信フィルタ12に対応する。
図1に示したように、バンドB1の送信帯域とバンドB2の受信帯域は一部重なっている。図12(a)の破線矢印のように、バンドB1の送信端子から入力した信号は、スイッチ21aに入力する。スイッチ21a内のアイソレーションは有限であるため、バンドB1の送信信号の一部はバンドB2の受信フィルタ14に漏洩する。バンドB2とB1との受信フィルタ14が隣接していると、バンドB2とB1との結合が大きい。このため、バンドB2の受信フィルタ14の信号(バンドB1の送信信号の一部)がバンドB1の受信信号として出力される。これにより、バンドB1の受信感度が低下する。
同様に、バンドB2の送信帯域とバンドB3の受信帯域は一部重なっている。図12(b)の破線矢印のように、バンドB2の送信端子から入力した信号は、スイッチ21aに入力する。バンドB2の送信信号の一部はバンドB3の受信フィルタ14に漏洩する。バンドB3とB2との受信フィルタ14が隣接していると、バンドB3の受信フィルタ14の信号(バンドB2の送信信号の一部)がバンドB2の受信信号として出力される。これにより、バンドB2の受信感度が低下する。
図13は、実施例3に係るモジュールを示す平面模式図である。バンドB1からB4の送信フィルタ12および受信フィルタ14は、基板50上に搭載または基板50に内蔵されている。SP5Tスイッチ21aはモジュールの外である。受信フィルタ14は、バンドB1、B3、B4およびB2の順に配置されている。このように、バンドB1とB2との受信フィルタ14は隣接せず、バンドB2とB3との受信フィルタ14は隣接しない。これにより、図12(a)および図12(b)のようなバンドB1およびB2の受信感度の低下を抑制できる。
図14は、実施例3の変形例1に係るモジュールを示す平面模式図である。図14に示すように、スイッチ21aが基板50に搭載または内蔵されている。その他の構成は実施例3と同じであり説明を省略する。
図15は、実施例3の変形例2に係るモジュールを示す平面模式図である。図15に示すように、スイッチ26およびパワーアンプ36eが基板50に搭載または内蔵されている。その他の構成は、実施例3の変形例1と同じであり説明を省略する。
図14および図15のように、送信フィルタ12および受信フィルタ14以外に、スイッチ21a、26およびパワーアンプ36eの少なくとも1つが基板50に搭載または内蔵されていてもよい。また、その他の部品が基板50に搭載または内蔵されていてもよい。
図16は、実施例3の変形例3におけるミドルバンド系回路の回路図である。図16に示すように、バンドB2およびB4の送信フィルタ12および受信フィルタ14はクワッドプレクサ15cに含まれる。バンドB1およびB3の送信フィルタ12および受信フィルタ14はクワッドプレクサ15dに含まれる。SP5Tスイッチ21aがSP3Tスイッチ21に置き換わっている。その他の構成は実施例3と同じであり説明を省略する。SP3TのようにThrow数の少ないスイッチは、Throw数の大きいスイッチに比べThrow間のアイソレーションが大きい。よって、実施例3の変形例3は、バンド間の干渉をより抑制できる。
実施例3の変形例3のように、送信フィルタ12および受信フィルタ14がクワッドプレクサ等のマルチプレクサを形成する場合においても、バンドB1とB2との受信フィルタ14は隣接せず、バンドB2とB3との受信フィルタ14は隣接しないことが好ましい。
図17は、実施例3の変形例3に係るモジュールを示す平面模式図である。図17に示すように、バンドB1およびB3の送信フィルタ12および受信フィルタ14がクワッドプレクサ15dとして、基板50に搭載されている。バンドB2およびB4の送信フィルタ12および受信フィルタ14がクワッドプレクサ15cとして、基板50に搭載されている。クワッドプレクサ15cおよび15dは、それぞれパッケージングされている。その他の構成は実施例2の変形例2と同じであり説明を省略する。送信フィルタ12および受信フィルタ14がクワッドプレクサ15cおよび15dとして基板50に搭載される場合も、バンドB1とB2との受信フィルタ14は隣接せず、バンドB2とB3との受信フィルタ14は隣接しないようにする。これにより、バンドB2およびB3のアイソレーションの低下を抑制できる。送信フィルタ12および受信フィルタ14がデュプレクサ単位またはフィルタ単位でパッケージングされている場合も同様である。
図18は、実施例3の変形例4におけるローバンド系回路の回路図である。図18に示すように、実施例3の変形例4の回路は、実施例2の変形例1のローバンド系回路10LのバンドB8、B20、B12およびB26のデュプレクサを含む。実施例2の変形例1のSP7Tスイッチ20aはSP5Tスイッチ20aに置き換わっている。その他の構成は実施例2の変形例1と同じであり説明を省略する。
図19は、比較例4に係るモジュールを示す平面模式図である。図19に示すように、モジュールは、基板50、送信フィルタ12および受信フィルタ14を備えている。送信フィルタ12および受信フィルタ14は、基板50に搭載または内蔵されている。基板50は、例えば樹脂層が積層された配線基板である。送信フィルタ12および受信フィルタ14は、基板50内に形成された配線52を介し接続されている。送信フィルタ12および受信フィルタ14は、バンドB8、B12、B20およびB26に対応する。その他の構成は、比較例3と同じであり説明を省略する。
図1に示すように、バンドB26の送信帯域とバンドB20の受信帯域は一部重なっている。また、バンドB8の送信帯域とバンドB26の受信帯域とは一部重なっている。このため、図19の破線矢印のように、バンドB26の送信端子から入力した信号は、スイッチ20aに入力する。バンドB26の送信信号の一部はバンドB20の受信フィルタ14に漏洩する。バンドB26とB20との受信フィルタ14が隣接していると、バンドB20の受信フィルタ14の信号(バンドB26の送信信号の一部)がバンドB26の受信信号として出力される。これにより、バンドB26の受信感度が低下する。同様に、バンドB8とB26との受信フィルタ14が隣接していると、バンドB8の送信信号の一部がバンドB8の受信信号として出力される。これにより、バンドB8の受信感度が低下する。
図20は、実施例3の変形例4に係るモジュールを示す平面模式図である。図20に示すように、バンドB8、B12、B20およびB26の送信フィルタ12および受信フィルタ14は、基板50に搭載または内蔵されている。SP5Tスイッチ20aはモジュールの外である。受信フィルタ14は、バンドB8、B20、B12およびB26の順に配置されている。このように、バンドB8とB26との受信フィルタ14は隣接せず、バンドB20とB26との受信フィルタ14は隣接しない。これにより、図19のようなバンドB26およびB8の受信感度の低下を抑制できる。
送信フィルタ12および受信フィルタ14以外に、スイッチ、アンプおよびその他の部品の少なくとも1つが基板50に搭載または内蔵されていてもよい。また、送信フィルタ12および受信フィルタ14はマルチプレクサを形成していてもよい。
実施例3およびその変形例によれば、第1バンド(例えばバンドB1)の送信帯域と第2バンド(例えばバンドB2)の受信帯域とは少なくとも一部が重なり、第3バンド(例えばバンドB4)の受信帯域は第1バンドおよび第2バンドの送信帯域と重ならない。このとき、第1バンドの受信フィルタと、第2バンドの受信フィルタと、の間に第3バンドの受信フィルタを設ける。これにより、第1バンドの送信信号が第2バンドの受信フィルタを通過し第1バンドの受信フィルタに漏洩することを抑制できる。よって、第1バンドの受信感度の劣化を抑制できる。
バンドB1からB4の送信フィルタ12および受信フィルタ14を含むモジュールにおいて、受信フィルタ14をバンドB1、B3、B4およびB2の順に配置する。これにより、バンドB1およびB2の受信感度の劣化を抑制できる。また、バンドB8、B12、B20およびB26の送信フィルタ12および受信フィルタ14を含むモジュールにおいて、受信フィルタ14をバンドB8、B20、B12およびバンドB26の順に配置する。これにより、バンドB8およびB26の受信感度の劣化を抑制できる。
図1のように、バンドB25の送信帯域および受信帯域はそれぞれバンドB2の送信帯域および受信帯域と重なる。よって、実施例3およびその変形例1から3のバンドB2の受信フィルタ14および送信フィルタ12はバンドB25の受信フィルタ14および送信フィルタ12でもよい。バンドB5の送信帯域および受信帯域はそれぞれバンドB26の送信帯域および受信帯域と重なる。よって、実施例3の変形例4のバンドB26の受信フィルタ14および送信フィルタ12はバンドB5の受信フィルタ14および送信フィルタ12でもよい。バンドB17の送信帯域および受信帯域はそれぞれバンドB12の送信帯域および受信帯域と重なる。よって、実施例3の変形例4のバンドB12の受信フィルタ14および送信フィルタ12はバンドB17の受信フィルタ14および送信フィルタ12でもよい。
実施例3およびその変形例のように、同じバンドの送信フィルタ12および受信フィルタ14は並んで配置されていてもよいし、送信フィルタ12は、受信フィルタ14とは異なる順番で配置されていてもよい。
また、実施例1、2およびその変形例に実施例3およびその変形例を適用することができる。
実施例4は、キャリアアグリゲーションが行なわれる例である。図21は、実施例3の変形例3に係る別のモジュールを示す平面模式図である。図21に示すように、クワッドプレクサ15cおよび15dが基板50に搭載されている。バンドB3とB4の受信フィルタ14とが隣接して設けられている。SP3Tスイッチ21、SP4Tスイッチ26およびパワーアンプ36eは基板50に搭載されていない。その他の構成は実施例3の変形例3の図16と同じであり説明を省略する。
バンドB2とB4はキャリアアグリゲーションのとき、同時に受信されるバンドである。このとき、バンドB2の送信端子からバンドB2およびB4の受信端子への信号の漏れ、バンドB4の送信端子からバンドB4およびB2の受信端子への信号の漏れも問題となる。
図21の破線矢印のように、バンドB2の送信端子から入力した送信信号はスイッチ21に至る。バンドB2の送信帯域とバンドB3の受信帯域は一部重なっているため、バンドB2の送信信号の一部はスイッチ21内でバンドB3の受信フィルタ14に漏洩する。バンドB3とB4との受信フィルタ14が隣接していると、バンドB3とB4との結合が大きい。このため、バンドB3の受信フィルタ14の信号(バンドB2の送信信号の一部)がバンドB4の受信信号として出力される。これにより、バンドB4の受信感度が低下する。
図22は、実施例4に係るモジュールを示す平面模式図である。図22に示すように、バンドB1とB4の受信フィルタ14が隣接するように受信フィルタ14が設けられている。その他の構成は、図21と同じであり、説明を省略する。図22の破線矢印のように、バンドB2の送信信号の一部がバンドB3の受信フィルタ14に漏洩した場合であっても、バンドB3の受信フィルタ14とバンドB2およびB4の受信フィルタ14とは隣接していない。このため、バンドB2の送信信号の一部がバンドB2およびB4の受信端子に漏洩することを抑制できる。よって、バンドB2およびB4の受信感度の低下を抑制できる。
また、バンドB1とB3はキャリアアグリゲーションのときに同時に受信される。よって、バンドB1の送信端子からバンドB1およびB3の受信端子への信号の漏洩およびバンドB3の送信端子からバンドB3およびB1の受信端子への信号の漏洩を抑制することが好ましい。バンドB1の送信帯域とバンドB2の受信帯域は一部重なっている。このため、長間隔の破線矢印のように、スイッチ21を介し、バンドB1の送信信号の一部がバンドB2の受信フィルタ14に漏洩する。しかし、バンドB2の受信フィルタ14とバンドB3およびB1の受信フィルタ14とは隣接していない。このため、バンドB1の送信信号の一部がバンドB1およびB3の受信端子に漏洩することを抑制できる。よって、バンドB1およびB3の受信感度の低下を抑制できる。
図23は、実施例4の変形例1に係るモジュールの平面模式図である。図23に示すように、スイッチ21が基板50に搭載または内蔵されている。その他の構成は実施例4と同じであり説明を省略する。
図24は、実施例4の変形例2に係るモジュールを示す平面模式図である。図24に示すように、スイッチ26およびパワーアンプ36eが基板50に搭載または内蔵されている。その他の構成は、実施例4の変形例1と同じであり説明を省略する。
図23および図24のように、送信フィルタ12および受信フィルタ14以外に、スイッチ21、26およびパワーアンプ36eの少なくとも1つが基板50に搭載または内蔵されていてもよい。また、その他の部品が基板50に搭載または内蔵されていてもよい。
図25は、実施例3の変形例4に係る別のモジュールを示す平面模式図である。図25に示すように、基板50にクワッドプレクサ15hおよび15iが搭載されている。バンドB8およびB20の送信フィルタ12および受信フィルタ14はクワッドプレクサ15iに含まれる。バンドB12およびB26の送信フィルタ12および受信フィルタ14はクワッドプレクサ15hに含まれる。その他の構成は図20と同じであり説明を省略する。
バンドB12とB26はキャリアアグリゲーションのときに同時に受信される。よって、バンドB12の送信端子からバンドB12およびB26の受信端子への信号の漏洩およびバンドB26の送信端子からバンドB12およびB26の受信端子への信号の漏洩を抑制することが好ましい。バンドB26の送信帯域とバンドB20の受信帯域は一部重なっている。このため、破線矢印のように、スイッチ20を介し、バンドB26の送信信号の一部がバンドB20の受信フィルタ14に漏洩する。バンドB12とB20の受信フィルタ14が隣接している。このため、バンドB26の送信信号の一部がバンドB12の受信端子に漏洩する。よって、バンドB12の受信感度が低下する。
図26は、実施例4の変形例3に係るモジュールを示す平面模式図である。図26に示すように、バンドB8とB12の受信フィルタ14が隣接するように受信フィルタ14が設けられている。その他の構成は、図25と同じであり、説明を省略する。図26の破線矢印のように、バンドB26の送信信号の一部がバンドB20の受信フィルタ14に漏洩した場合であっても、バンドB20の受信フィルタ14とバンドB12およびB26の受信フィルタ14とは隣接していない。このため、バンドB26の送信信号の一部がバンドB12およびB26の受信端子に漏洩することを抑制できる。よって、バンドB12およびB26の受信感度の低下を抑制できる。
実施例4およびその変形例によれば、第1バンド(例えばバンドB1)の受信信号と第2バンド(例えばバンドB3)の受信信号とは同時に受信される。第3バンド(例えばバンドB2)の受信帯域は第1バンドの送信帯域の少なくとも一部と重なる。第4バンド(例えばバンドB4)の受信帯域は第1バンドの送信帯域と重ならない。このとき、第1バンドおよび第2バンドの受信フィルタと、第3バンドの受信フィルタと、の間に第4バンドの受信フィルタを設ける。これにより、第1バンドの送信信号が第3バンドの受信フィルタを通過し第1バンドおよび第2バンドの受信フィルタに漏洩することを抑制できる。よって、第1バンドおよび第2バンドの受信感度の低下を抑制できる。
また、第2バンドの送信信号の一部が第4バンドの受信フィルタ14に漏れ、第4バンドの受信フィルタ14から第1または第2バンドの受信フィルタ14に漏れることが課題となる。このため、第4バンドの受信帯域は第2バンドの送信帯域と重なっていないことが好ましい。
異なるバンド間での信号の漏れを抑制するため、バンドB1からB4の送信フィルタ12および受信フィルタ14を含むモジュールにおいて、受信フィルタ14をバンドB3、B1、B4およびB2の順に配置することが好ましい。また、バンドB8、B12、B20およびB26の送信フィルタ12および受信フィルタ14を含むモジュールにおいて、受信フィルタ14をバンドB20、B8、B12およびバンドB26の順に配置することが好ましい。
図1のように、バンドB25の送信帯域および受信帯域はそれぞれバンドB2の送信帯域および受信帯域と重なる。よって、実施例4およびその変形例のバンドB2の受信フィルタ14および送信フィルタ12はバンドB25の受信フィルタ14および送信フィルタ12でもよい。バンドB5の送信帯域および受信帯域はそれぞれバンドB26の送信帯域および受信帯域と重なる。よって、実施例4およびその変形例のバンドB26の受信フィルタ14および送信フィルタ12はバンドB5の受信フィルタ14および送信フィルタ12でもよい。バンドB17の送信帯域および受信帯域はそれぞれバンドB12の送信帯域および受信帯域と重なる。よって、実施例4およびその変形例のバンドB12の受信フィルタ14および送信フィルタ12はバンドB17の受信フィルタ14および送信フィルタ12でもよい。
実施例4およびその変形例において、送信フィルタ12および受信フィルタ14がクワッドプレクサに含まれる例を説明したが、送信フィルタ12および受信フィルタ14は個別に基板50に搭載されていてもよい。また、スイッチ、パワーアンプ等が基板50に搭載されていてもよい。
図27(a)は、実施例5に係る通信装置のアンテナ周辺のブロック図、図27(b)は、アンテナの斜視図である。図27(a)に示すように、端子T1はローバンド用アンテナ40Lおよびハイバンド用アンテナ40Hに接続されている。端子T2はミドルバンド用アンテナ40Mに接続されている。
図27(b)に示すように、誘電体54に金属膜56が形成されている。金属膜は、給電端子50LHおよび50M、グランド端子52LHおよび52M、ローバンド用アンテナ40L、ハイバンド用アンテナ40Hおよびミドルバンド用アンテナ40Mを含む。アンテナ40L、40Hおよび40Mは、アンテナ輻射器である。ローバンド用アンテナ40Lとハイバンド用アンテナ40Hとは誘電体54上で接続されている。ローバンド用アンテナ40Lとハイバンド用アンテナ40Hとが接続する箇所に給電端子50LHおよびグランド端子52LHが接続される。ミドルバンド用アンテナ40Mは、ローバンド用アンテナ40Lおよびハイバンド用アンテナ40Hとは電気的に分離している。給電端子50Mおよびグランド端子52Mはミドルバンド用アンテナ40Mに接続されている。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。
実施例5によれば、ローバンド用アンテナ40Lとハイバンド用アンテナ40Hとで給電端子50LHおよびグランド端子52LHを共有する。これにより、小型化およびコストダウンが可能となる。
図28(a)は、実施例5の変形例1に係る通信装置のアンテナ周辺のブロック図、図28(b)は、アンテナの斜視図である。図28(a)および図28(b)に示すように、ローバンド用アンテナ40Lは、ハイバンド用アンテナ40Hとミドルバンド用アンテナ40Mとの間に設けられている。その他の構成は実施例5と同じであり説明を省略する。
実施例5のように、ハイバンド用アンテナ40Hをローバンド用アンテナ40Lとミドルバンド用アンテナ40Mとの間に設けると、ハイバンド用アンテナ40Hとミドルバンド用アンテナ40Mとのアイソレーションが悪くなる。
実施例5の変形例1においては、ローバンド用アンテナ40Lが、ハイバンド用アンテナ40Hとミドルバンド用アンテナ40Mとの間に設けられている。これにより、ハイバンド用アンテナ40Hとミドルバンド用アンテナ40Mとのアイソレーションを改善できる。ローバンド用アンテナ40Lとミドルバンド用アンテナ40Mとが隣接する。しかし、図1のように、ローバンドとミドルバンドとの周波数間隔は、ミドルバンドとハイバンドとの周波数間隔より広い。このため、ローバンド用アンテナ40Lとミドルバンド用アンテナ40Mとのアイソレーションは、さほど劣化しない。また、ハイバンドとローバンドの給電端子を共用できるのでコストダウンおよび小型化が可能となる。
実施例5およびその変形例を実施例1から4およびその変形例に適用することができる。
実施例6は、実施例3、実施例4およびその変形例のように、複数の共通端子を有するモジュールの例である。図29(a)は、実施例4に係るモジュールの平面図、図29(b)は、実施例6に係るモジュールの平面図である。図29(a)に示すように、実施例4の図22に示したモジュールにおいて、クワッドプレクサ15dは受信フィルタ14aおよび送信フィルタ12a(第1フィルタ)を備え、クワッドプレクサ15cは受信フィルタ14bおよび送信フィルタ12b(第2フィルタ)を備えている。受信フィルタ14aは各々共通端子Ant1(第1共通端子)と受信端子Rx(第1端子)との間に接続されている。送信フィルタ12aは各々共通端子Ant1と送信端子Tx(第2端子)との間に接続されている。受信フィルタ14bは各々共通端子Ant2(第2共通端子)と受信端子Rxとの間に接続されている。送信フィルタ12bは各々共通端子Ant2と送信端子Txとの間に接続されている。
配線L1は、受信フィルタ14aおよび送信フィルタ12aを共通に共通端子Ant1に接続する。配線L2は、受信フィルタ14bおよび送信フィルタ12bを共通に共通端子Ant2に接続する。配線L1およびL2は基板50内に形成されている。
配線L1は、バンドB3の受信フィルタ14aと送信フィルタ12aとを接続する配線L11と、バンドB1の受信フィルタ14aと送信フィルタ12aとを接続する配線L12と、を含む。これにより、配線L2は、配線L1のうち2つの配線L11およびL12と交差箇所78において交差する。配線L1とL2との交差箇所78では、高周波信号が反射する。これにより、高周波特性が劣化する。
図29(b)に示すように、実施例6においては、クワッドプレクサ15dにおいて、受信フィルタ14aと送信フィルタ12aとは配線L1のうち1つの配線L13により接続されている。その他の構成は実施例4の図29(a)と同じであり説明を省略する。これにより、配線L1とL2とが交差する交差箇所78は一箇所である。これにより、高周波特性の劣化を抑制できる。
次に、実施例6の配線例を説明する。図30は、実施例6に係るモジュールの断面図である。図30に示すように、基板50は、積層された複数の絶縁層60から62を含む。絶縁層60から62は例えば樹脂層である。絶縁層60から62の上面および絶縁層62の下面に金属層63が形成されている。金属層63は、例えば銅層または金層等である。配線64、パッド66およびフットパッド67は金属層63により形成される。絶縁層60から62をそれぞれ貫通するビア65が形成されている。ビア65には銅等の金属が埋め込まれている。パッド66上にはんだ68を介し送信フィルタ12および受信フィルタ14が搭載される。送信フィルタ12および受信フィルタ14は、フィルタが形成されたチップまたはパッケージである。
図31(a)から図32(b)は、実施例6における各絶縁層の平面図である。図31(a)から図32(a)は、それぞれ絶縁層60から62の上面の平面図であり、図32(b)は、絶縁層62の下面を上から透視した図である。図31(a)において各フィルタ12a、12b、14aおよび14bを破線で図示している。
図31(a)に示すように、絶縁層60の上面に金属層63が形成され、絶縁層60を貫通するビア65が形成されている。絶縁層60に、クワッドプレクサ15d内の受信フィルタ14aおよび送信フィルタ12a、並びにクワッドプレクサ15c内の受信フィルタ14bおよび送信フィルタ12bが搭載されている。金属層63は、配線64、パッド66を含む。配線64は、配線L1、L2およびグランドパターンGnd等を含み、パッド66は、受信パッドPrx、送信パッドPtxおよび共通パッドPantを含む。
受信フィルタ14aおよび14bは受信パッドPrxおよび共通パッドPantにはんだ68により接続される。送信フィルタ12aおよび12bは送信パッドPtxおよび共通パッドPantにはんだ68により接続される。各フィルタ12a、12b、14aおよび14bのグランドはグランドパターンGnd内の領域69にはんだ68により接続される。配線L1は、受信フィルタ14aおよび送信フィルタ12aが接続された共通パッドPantを共通に接続する。配線L2は、受信フィルタ14bおよび送信フィルタ12bが接続された共通パッドPantを共通に接続する。配線L1とL2とが交差する交差箇所78には配線L2は形成されていない。グランドパターンGndは配線64およびパッド66を囲むように形成されている。絶縁層60を貫通し、配線64に接続されたビア65が形成されている。
図31(b)に示すように、絶縁層61の上面に金属層63が形成されている。金属層63は、配線64を含む。配線64は、交差箇所78における配線L2の一部およびグランドパターンGndを含む。絶縁層61を貫通し、配線64に接続されたビア65が形成されている。図32(a)に示すように絶縁層62の上面に金属層63が形成されている。金属層63は、配線64を含む。配線64は、グランドパターンGndを含む。絶縁層62を貫通し、配線64に接続されたビア65が形成されている。
図32(b)に示すように、絶縁層62の下面に金属層63が形成されている。金属層63はフットパッド67を含む。フットパッド67は、受信フットパッドFrx、送信フットパッドFtx、共通フットパッドFant1、Fant2およびグランドフットパッドFgndを含む。受信フットパッドFrx、送信フットパッドFtx、共通フットパッドFant1およびFant2は、それぞれ図29(b)の受信端子Rx、送信端子Tx、共通端子Ant1およびAnt2に相当する。絶縁層62を貫通し、フットパッド67に接続されたビア65が形成されている。
図31(a)から図32(b)のように、配線L1は、各絶縁層60から62の配線64およびビア65等を介し共通フットパッドFant1に電気的に接続される。配線L2は、各絶縁層60から62の配線64およびビア65等を介し共通フットパッドFant2に電気的に接続される。受信パッドPrxおよび送信パッドPtxは、配線64およびビア65を介し、それぞれ受信フットパッドFrxおよび送信フットパッドFtxに電気的に接続される。絶縁層60から62の上面に形成されたグランドパターンGndとグランドフットパッドFgndとはビア65を介し電気的に接続されているが、図31(a)から図32(b)では、グランド用のビア65の図示を省略している。
図33は、実施例4における絶縁層60の平面図である。図33に示すように、実施例4では、配線L1とL2とが2つの交差箇所78で交差する。その他の構成は、図30から図32(b)と同じであり説明を省略する。
実施例6によれば、図29(b)から図32(b)のように、受信フィルタ14aおよび送信フィルタ12aは互いに通過帯域が異なり、受信フィルタ14bおよび送信フィルタ12bは互いに通過帯域が異なる。すなわち、受信フィルタ14aおよび送信フィルタ12aは互いに通過帯域が重ならず、受信フィルタ14bおよび送信フィルタ12bは互いに通過帯域が重ならない。共通端子Ant1およびAnt2は、受信フィルタ14aおよび送信フィルタ12aに対し同じ側に設けられている。受信フィルタ14bおよび送信フィルタ12bと、共通端子Ant1およびAnt2と、は、受信フィルタ14aおよび送信フィルタ12aに対し反対の側に設けられている。このような配置において、配線L2は、配線L1と1箇所のみで交差する。これにより、図29(a)および図33の実施例4のように、配線L2が複数の箇所で配線L1に交差する場合に比べ、高周波特性を向上できる。
実施例6では、配線L1および配線L2が各々接続されるフィルタは4個の例を説明した。配線L1(第1配線)は、少なくとも3つの第1フィルタを共通端子Ant1(第1共通端子)に接続すればよい。配線L2(第2配線)は少なくとも1つの第2フィルタを共通端子Ant2(第2共通端子)に接続すればよい。受信フィルタ14aおよび送信フィルタ12aが少なくとも3つの場合、配線L1と配線L2との交差箇所78は2個以上となり、高周波特性の劣化が起こりえる。実施例6では、交差箇所78を1箇所とすることにより高周波特性の劣化を抑制できる。
また、受信フィルタ14aおよび送信フィルタ12aは、配線L1に対し両側に設けられている。この場合、交差箇所78は複数となり易く、高周波特性の劣化が起こりえる。実施例6では、交差箇所78を1箇所とすることにより高周波特性の劣化を抑制できる。また、受信フィルタ14aおよび送信フィルタ12aを配線L1に対し両側に設けることで、受信フィルタ14aおよび送信フィルタ12aに接続されるグランドパターンGndおよびグランドビアを受信フィルタ14aと送信フィルタ12aとで分離することもできる。これにより、受信フィルタ14aと送信フィルタ12aとで共有されるインピーダンスが小さくなるため、受信信号と送信信号との干渉を抑制できる。
さらに、配線L2は、少なくとも3つの第2フィルタを共通端子Ant2に接続する。この場合、第2フィルタを第1フィルタより共通端子Ant1およびAnt2側に配置したとしても、交差箇所78は複数となり易く、高周波特性の劣化が起こりえる。実施例6では、交差箇所78を1箇所とすることにより高周波特性の劣化を抑制できる。
また、実施例6では第1フィルタは受信フィルタ14aおよび送信フィルタ12aを含み、第2フィルタは受信フィルタ14bおよび送信フィルタ12bを含む例を説明した。第1フィルタは受信フィルタおよび送信フィルタの一方のみを含み、第2フィルタは受信フィルタおよび送信フィルタの一方のみを含んでもよい。
実施例6のように、第1フィルタは、バンドB3(第1バンド)の送信フィルタ12a(第1送信フィルタ)および受信フィルタ14a(第1受信フィルタ)と、バンドB1(第2バンド)の送信フィルタ12a(第2送信フィルタ)および受信フィルタ14a(第2受信フィルタ)を含む。第2フィルタは、バンドB4(第3バンド)の送信フィルタ12b(第3送信フィルタ)および受信フィルタ14b(第3受信フィルタ)と、バンドB2(第4バンド)の送信フィルタ12b(第4送信フィルタ)および受信フィルタ14b(第4受信フィルタ)を含む。このように、異なるバンドのクワッドプレクサ15dおよび15cを基板50に実装する場合、配線が複雑となり、高周波特性が劣化しやすい。交差箇所78を1箇所とすることにより高周波特性の劣化を抑制できる。バンドB3、B1、B4およびB2を例に説明したが他のバンドでもよい。
交差箇所78において、配線L1と配線L2とは、絶縁層60から62のうちそれぞれ異なる絶縁層60および61の表面に形成されている。これにより、配線L1とL2とを簡単に交差できる。しかしながら、交差箇所78における配線L1とL2の間隔が小さくなり、高周波信号が干渉やすい。よって、交差箇所78を1箇所とすることにより、高周波特性の劣化を抑制できる。
図34(a)および図34(b)は、実施例6の変形例1における各絶縁層の平面図である。図34(a)から図34(b)は、それぞれ絶縁層61および62の平面図である。絶縁層60の上面および絶縁層62の下面は実施例6の図31(a)および図32(b)と同じである。
図34(a)に示すように、絶縁層61の交差箇所78には配線L2は形成されていない。交差箇所78にはグランドパターンGndが形成されている。図34(b)に示すように、交差箇所78を含む配線L2が形成されている。その他の構成は実施例6と同じであり説明を省略する。
実施例6の変形例1によれば、配線L1とL2とが交差する交差箇所78の配線L1と配線L2との間にグランドパターンGndが設けられている。これにより、交差箇所78における高周波信号の干渉を抑制し、高周波特性を向上できる。交差箇所78において、配線L1とL2との間に複数の絶縁層が設けられていてもよい。交差箇所78において、配線L1とL2との間に複数のグランドパターンGndが設けられていてもよい。
実施例6およびその変形例に係るモジュールを実施例1から5およびその変形例に適用することもできる。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。