JP6957262B2 - 支柱構造物 - Google Patents
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本実施の形態に係る支柱構造物200は、塗装鋼材100を地面に立設させた構成である。そのため、先ずは、図1に基づいて塗装鋼材100の構成を詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る支柱構造物を構成する塗装鋼材の表面近傍の断面構成を示す模式図である。塗装鋼材100は、亜鉛めっき鋼材により構成される基材10と、基材10の表面に形成されたプライマー層30と、プライマー層30の表面に形成された塗膜40と、を備えている。図1(a)においては、基材10である亜鉛めっき鋼材の表面に化成処理被膜20が形成されている。そして、化成処理被膜20の上にプライマー層30が形成され、プライマー層30の表面に塗膜40が形成されている。図1(b)においては、基材10である亜鉛めっき鋼材の表面にプライマー層30が形成され、プライマー層30の表面に塗膜40が形成されている。
基材10は、亜鉛めっき鋼材から構成される。亜鉛めっき鋼材は、板状又は管状などの様々な形状に成形されており、表面に処理が施される場合がある。亜鉛めっき鋼材である基材10は、亜鉛めっき層11を備えることにより、通常の鋼材よりも大気中で高い耐食性を備える。亜鉛めっき層11は、例えば溶融亜鉛めっきにより形成されるものである。溶融亜鉛めっき層は、特に、Al:4.0〜10.0重量%,Mg:1.0〜4.0重量%,Ti:0.002〜0.1重量%,B:0.001〜0.045重量%,残部がZnおよび不可避的不純物からなり、めっきを施された鋼板の耐食性及び外観を良好にするものである。
基材10が有する亜鉛めっき層11は、水分に対し錆びやすい性質があるため、表面に化成処理が施されることがある。基材10が有する化成処理被膜20は、化成処理工程において、例えば、クロメート処理、クロムフリー処理、又はリン酸塩処理などにより形成されるものである。これらの化成処理被膜20により、基材10の表面に不動態化した金属層が形成され、不動態化した金属層により防錆性が向上する。また、化成被膜の自己修復により基材10の腐蝕が抑制される効果が得られる。ただし、本実施の形態においては、化成処理被膜20は、形成されていなくても良い。化成処理被膜20は、基材10が有する亜鉛めっき層11の成分、表面の状態、又は化成処理工程の環境により被膜の形成が十分でない場合がある。本実施の形態に係る塗装鋼材100は、この化成処理被膜20が基材10の表面にどのように形成されているかに拘わらず、又は化成処理被膜が形成されているか否かに拘わらず、高い塗装密着性及び耐食性を得ることができる。
プライマー層30は、基材10の表面に塗装される。又は、プライマー層30は亜鉛めっき層11又は化成処理被膜20の表面に直接塗装されてもよい。プライマー層30は、エポキシ系の樹脂を含むものであって、粉体塗料又は液体塗料の形態をとる。粉体塗料でプライマー層30を形成する場合は、亜鉛めっき層11の表面又は化成処理被膜20の表面に粉体塗料を静電気により付着させ、所定の温度で所定の時間加熱し、表面に定着させる。また、液体塗料の場合は、スプレー等で亜鉛めっき層11の表面又は化成処理被膜20の表面に塗布し、所定の温度で所定の時間加熱し、表面に定着させる。なお、加熱する温度及び時間については、塗料の仕様により適宜設定されるものである。また、本発明において、プライマー層30を形成する工程をプライマー処理工程と呼ぶ。
塗膜40は、プライマー層30の上に形成され、塗装鋼材の外観を形成する。塗膜40は、ポリエステル樹脂を含み、粉体塗料又は液体塗料の各形態をとりうる。粉体塗料で塗膜40を形成する場合は、プライマー層30の表面に粉体塗料を静電気により付着させ、所定の温度で所定の時間加熱し、表面に定着させる。また、液体塗料の場合は、スプレー等でプライマー層30の表面に塗布し、所定の温度で所定の時間加熱し、表面に定着させる。なお、加熱する温度及び時間については、塗料の仕様により適宜設定されるものである。また、本発明において、粉体塗料により塗膜40を形成する工程を粉体塗装工程と呼び、液体塗料により塗膜40を形成する工程を液体塗装工程と呼ぶ。
塗装鋼材100から試験片を採取して、未塗装部である端面をシールして評価サンプルとした。試験片は、塗装部分にクロスカットを入れたものとクロスカット無しのものを用意した。試験方法は、JIS K 5600−7−1に従い、35℃の恒温槽内で、試験片の塗装されている面に5%NaCl水溶液をスプレーした。試験時間は、1000時間とした。
塗装鋼材100から試験片を採取して、未塗装部である端面をシールした。試験方法は、JIS K 5400−1990−8.20に準拠して、試験片を沸騰水中に1時間浸漬させた。評価は、試験終了後、JIS K 5600−5−6の規定に準拠して、碁盤目状クロスカット付着性試験を行ない、剥離状況を調査することによって行った。塗膜40の剥離状況は、JIS K 5400の試験結果の分類に準拠して、分類0〜5の段階で判定し、塗膜の二次密着性を評価した。表1及び表2においては、分類0または1を◎、分類2を○、分類3を△、分類4または5を×として表示している。
塗装鋼材100から試験片を採取して、未塗装部である端面をシールした。試験方法は、JIS K 5600−6−1に準拠して、試験片を水温23℃に240時間浸漬した。評価は、1試験終了後、JIS K 5600−5−6の規定に準拠して、碁盤目状クロスカット付着性試験を行ない、剥離状況を調査することによって行った。塗膜40の剥離状況は、JIS K 5400の試験結果の分類に準拠して、分類0〜5の段階で判定し、塗膜の二次密着性を評価した。表1及び表2においては、分類0または1を◎、分類2を○、分類3を△、分類4または5を×として表示している。
塗装鋼材100から試験片を採取して、未塗装部である端面をシールした。試験方法は、塗装表面にクロスカットを入れ、5%NaCl水溶液(液温55℃)に浸漬した。浸漬時間は240時間とした。評価は、クロスカット部をテープ剥離試験し、クロスカットからの片側最大剥離幅を測定した。測定された剥離幅により、各評価サンプルを評価した。表1及び表2における評価結果は、最大剥離幅が3mm以下を◎、3mmを超えて5mm以下を○、5mmを超えて7mm以下を△、7mmを超えたものを×として表示している。
表1及び表2の評価結果は、共通の基材10で実施している。しかし、プライマー層30の相違により、評価結果に差異が認められる。特に、塩温水浸漬試験の結果を見ると、表1に示されている本実施の形態に係るプライマー層30を備える各評価サンプルは◎又は○といった良好な成績であるのに対し、表2の比較例のプライマー層31を備える各評価サンプルは、△〜×といった成績になっている。この点において、本実施の形態に係るプライマー層30を備えることによって、耐食性及び塗装密着性が高くなるという効果が示されている。
Claims (6)
- 塗装鋼材を地面に立設させた構成であり、
前記塗装鋼材は、亜鉛めっき鋼材により構成される基材と、前記基材の表面に形成されたプライマー層と、前記プライマー層が加熱され前記基材に定着した後の表面に形成された塗膜と、を備え、
前記基材は、
前記亜鉛めっき鋼材の表面にさらに化成処理被膜を備え、
前記プライマー層は、
粉体塗料により塗装され、エポキシ系樹脂を含み、加熱され前記基材の表面に定着した後の厚さが20μm以上150μm以下であり、
前記塗膜は、
ポリエステル樹脂を含み、厚さが30μm以上150μm以下であることを特徴する、支柱構造物。 - 前記化成処理被膜は、
クロメート処理被膜、クロメートフリー処理被膜、又はリン酸塩被膜であることを特徴とする、請求項1に記載の支柱構造物。 - 前記プライマー層及び前記塗膜は、地面に立設した前記塗装鋼材の地際部となる部分に設けられていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の支柱構造物。
- 前記塗装鋼材は、下部が地中に埋設されて地面に立設されていることを特徴とする、請求項3に記載の支柱構造物。
- 前記地際部は、下部を地中に埋設させた地中埋設部と、前記地中埋設部に連続する地面近傍部と、で構成されていることを特徴とする、請求項4に記載の支柱構造物。
- 前記地中埋設部は、地面からの深さが150mm〜200mmであり、
前記地面近傍部は、地面からの高さが50mm〜100mmであることを特徴とする、請求項5に記載の支柱構造物。
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