JP2005162929A - 粉体プライマ組成物、粉体プライマ塗膜、塗膜の形成方法及び金属塗装製品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
防錆性、仕上がり外観に優れた塗膜が形成できる粉体プライマ組成物を提供する。
【解決手段】下記成分
(A)カルボキシル基含有熱硬化型ポリエステル樹脂、
(B)エポキシ樹脂、
(C)モノグリシジルエーテル化合物及び/又はモノグリシジルエステル化合物とリン酸類とを反応させ、得られた反応生成物が1分子中にP−OH結合を平均1個以上有するリン酸エステル化合物(a)と、1分子中に平均1個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(b)を反応させて得られるリン酸変性エポキシ樹脂、
(D)防錆顔料
を必須成分として含有することを特徴とする粉体プライマ組成物。
【選択図】なし
防錆性、仕上がり外観に優れた塗膜が形成できる粉体プライマ組成物を提供する。
【解決手段】下記成分
(A)カルボキシル基含有熱硬化型ポリエステル樹脂、
(B)エポキシ樹脂、
(C)モノグリシジルエーテル化合物及び/又はモノグリシジルエステル化合物とリン酸類とを反応させ、得られた反応生成物が1分子中にP−OH結合を平均1個以上有するリン酸エステル化合物(a)と、1分子中に平均1個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(b)を反応させて得られるリン酸変性エポキシ樹脂、
(D)防錆顔料
を必須成分として含有することを特徴とする粉体プライマ組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、粉体プライマ組成物、粉体プライマ塗膜、塗膜の形成方法及び金属塗装製品の製造に関する。
自動車部品として使用されている中でもアルミニウムホイールは、高度な耐食性と優れた意匠性を要求される商品である。このようなアルミニウムホイールは、保護と美観のために、通常、例えば、熱硬化型粉体プライマを塗装し、加熱硬化させた後、上塗り塗料として熱硬化型アクリル系溶剤型塗料が塗装されている。
また、光輝意匠を有するアルミニウムホイールは、通常、例えば、熱硬化型粉体プライマ組成物を塗装し、加熱硬化させた後、上塗り塗料として光輝性の熱硬化型アクリル系溶剤型塗料を塗装し、加熱硬化させた後、切削加工を行い、次いで、再度熱硬化型アクリル系クリヤー塗料を塗装することが行われている。
しかしながら、上記した塗装方法において、切削加工される部位は粉体プライマの塗膜がバリ状に残存したり、または塗膜が欠けて切削面と非切削面の間の凹凸が激しくなるという不具合が発生し問題となる。
この不具合を改良するために、切削加工された光輝意匠を有するアルミニウムホイールにクリヤー塗装された硬化塗膜の動的弾性率(E′)最小値が5×107Pa以上の値になるように粉体塗装する方法が公知である(特許文献1参照)。
更に、仕上がり外観に優れたアルミニウムホイールの塗膜形成方法において、エポキシポリエステル系ハイブリッド粉体塗料をプライマ層、アクリルハイソリッドメタリック塗料をベースコート層、そしてアクリル系粉体クリヤーをトップコート層を積層する方法が公知である(特許文献2参照)。
また、トップコート層をアクリル系粉体クリヤーの代わりにアクリル系ハイソリッド塗料を用いる方法も公知である(特許文献3参照)。
また、光輝意匠を有するアルミニウムホイールは、通常、例えば、熱硬化型粉体プライマ組成物を塗装し、加熱硬化させた後、上塗り塗料として光輝性の熱硬化型アクリル系溶剤型塗料を塗装し、加熱硬化させた後、切削加工を行い、次いで、再度熱硬化型アクリル系クリヤー塗料を塗装することが行われている。
しかしながら、上記した塗装方法において、切削加工される部位は粉体プライマの塗膜がバリ状に残存したり、または塗膜が欠けて切削面と非切削面の間の凹凸が激しくなるという不具合が発生し問題となる。
この不具合を改良するために、切削加工された光輝意匠を有するアルミニウムホイールにクリヤー塗装された硬化塗膜の動的弾性率(E′)最小値が5×107Pa以上の値になるように粉体塗装する方法が公知である(特許文献1参照)。
更に、仕上がり外観に優れたアルミニウムホイールの塗膜形成方法において、エポキシポリエステル系ハイブリッド粉体塗料をプライマ層、アクリルハイソリッドメタリック塗料をベースコート層、そしてアクリル系粉体クリヤーをトップコート層を積層する方法が公知である(特許文献2参照)。
また、トップコート層をアクリル系粉体クリヤーの代わりにアクリル系ハイソリッド塗料を用いる方法も公知である(特許文献3参照)。
特許文献1によると、硬化塗膜の動的弾性率の最小値を特定値に調整することにより切削時の不具合は解消される。しかしながら、アルミニウムを切削加工する場合と、例えば鋳鉄鋳物を切削加工する場合とでは、両者を比較するとアルミニウムの方が柔らかく加工しやすいので、切削時の衝撃エネルギーは小さい。このため上記した動的弾性率の値はアルミニウム素材上に形成した硬化塗膜に適用すると上記した特性値の範囲では大き過ぎる。
また、このような動的弾性率の値が大きいと得られた塗膜の凹凸が大きく、平滑性が極端に低下し、アルミホイール表面に仕上がり外観に優れた塗膜が形成できない。
特に、アルミホイールの塗膜形成方法において、高平滑性、高鮮映性を有した塗膜を形成したものが要求されている。このためにアルミニウムの表面にプライマ塗膜層、上塗り着色塗膜層及びクリヤー塗膜層などのように複数の塗膜層を形成させることは、上記した外観に優れた塗膜層を形成する方法として有利となる。この複数の塗膜を形成する場合には、それぞれの塗膜層を形成する塗料の組成と併せて、焼付条件及び膜厚も適切なものにする必要がある。このような複数の塗膜層を形成する方法として提案されているものが特許文献2及び3である。
特許文献2及び3は、プライマ塗膜層を形成する塗料としてエポキシポリエステル系ハイブリッド粉体塗料を使用しているが、通常のエポキシポリエステル系ハイブリッド粉体塗料で高仕上がり性(特に平滑性)を得るためには80μm以上の膜厚が必要となり、複数の塗膜を形成することによるメリットがなくなり不経済であること、及びアルミニウム素材に対する耐食性が充分ではないといった欠点があった。
また、アルミニウムホイールに塗装される塗膜は、雨、太陽光線、温度変化、チッピング(車の走行中に小石が該被塗物にあたる)などの過酷な環境要因により塗膜が劣化したり剥離したりしないように高度な耐食性、耐チッピング性が要求されている。
このようなアルミホイールに塗膜を形成する前工程として、アルカリ脱脂、化成処理が施されるのが一般的である。そして、化成処理としては、リン酸クロメート処理またはクロミウムクロメート処理などの方法によるクロメート処理が広く行われているが、近年、ノンクロム処理として、チタン、ジルコニウム、バナジウム、亜鉛、シリカなどの金属或いはそれら金属を組み合わせた複合金属のリン酸塩、硫酸塩、硝酸塩、フッ酸塩などで処理する方法がある。
上記した脱脂、化成処理を施したアルミニウムホイールに特許文献2又は3に記載されるような通常のエポキシポリエステル系ハイブリッド粉体塗料をプライマ塗膜層として使用しても複数の塗膜層における耐食性、耐チッピング性などの塗膜性能は、充分ではなかった。
また、このような動的弾性率の値が大きいと得られた塗膜の凹凸が大きく、平滑性が極端に低下し、アルミホイール表面に仕上がり外観に優れた塗膜が形成できない。
特に、アルミホイールの塗膜形成方法において、高平滑性、高鮮映性を有した塗膜を形成したものが要求されている。このためにアルミニウムの表面にプライマ塗膜層、上塗り着色塗膜層及びクリヤー塗膜層などのように複数の塗膜層を形成させることは、上記した外観に優れた塗膜層を形成する方法として有利となる。この複数の塗膜を形成する場合には、それぞれの塗膜層を形成する塗料の組成と併せて、焼付条件及び膜厚も適切なものにする必要がある。このような複数の塗膜層を形成する方法として提案されているものが特許文献2及び3である。
特許文献2及び3は、プライマ塗膜層を形成する塗料としてエポキシポリエステル系ハイブリッド粉体塗料を使用しているが、通常のエポキシポリエステル系ハイブリッド粉体塗料で高仕上がり性(特に平滑性)を得るためには80μm以上の膜厚が必要となり、複数の塗膜を形成することによるメリットがなくなり不経済であること、及びアルミニウム素材に対する耐食性が充分ではないといった欠点があった。
また、アルミニウムホイールに塗装される塗膜は、雨、太陽光線、温度変化、チッピング(車の走行中に小石が該被塗物にあたる)などの過酷な環境要因により塗膜が劣化したり剥離したりしないように高度な耐食性、耐チッピング性が要求されている。
このようなアルミホイールに塗膜を形成する前工程として、アルカリ脱脂、化成処理が施されるのが一般的である。そして、化成処理としては、リン酸クロメート処理またはクロミウムクロメート処理などの方法によるクロメート処理が広く行われているが、近年、ノンクロム処理として、チタン、ジルコニウム、バナジウム、亜鉛、シリカなどの金属或いはそれら金属を組み合わせた複合金属のリン酸塩、硫酸塩、硝酸塩、フッ酸塩などで処理する方法がある。
上記した脱脂、化成処理を施したアルミニウムホイールに特許文献2又は3に記載されるような通常のエポキシポリエステル系ハイブリッド粉体塗料をプライマ塗膜層として使用しても複数の塗膜層における耐食性、耐チッピング性などの塗膜性能は、充分ではなかった。
本発明は、特にアルミニウムホイールの被塗物表面に複数の塗膜を形成する方法であって、形成された塗膜の仕上がり外観、切削加工性、耐食性、耐チッピング性に優れた粉体プライマ組成物及びその粉体プライマ組成物を使用した塗膜形成を提供することを目的とする。
本発明に係わる粉体プライマ組成物は、(A)カルボキシル基含有熱硬化型ポリエステル樹脂、(B)エポキシ樹脂、(C)モノグリシジルエーテル化合物及び/又はモノグリシジルエステル化合物とリン酸類とを反応させ、得られた反応生成物が1分子中にP−OH結合を平均1個以上有するリン酸エステル化合物(a)と、1分子中に平均1個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(b)を反応させて得られるリン酸変性エポキシ樹脂(C)、(D)防錆顔料を必須成分として含有することを特徴としている。
本発明に係わる(D)防錆顔料として、リン酸マグネシウム系化合物及び非晶質シリカ系化合物から選ばれる少なくとも1種の防錆顔料が好ましい。
本発明に係わる(D)防錆顔料として、その配合割合は、上記した(A)、(B)及び(C)のそれぞれの成分の合計量100重量部に対して、1〜50重量部の範囲であることが好ましい。
本発明に係わる粉体プライマ塗膜は、上記の粉体プライマ組成物を焼き付けて形成された硬化塗膜が、200℃における動的弾性率(E′)最小値が3×106 Pa〜3×107 Paの範囲であることを特徴としている。
本発明に係わる塗膜の形成方法は、上記の粉体プライマ組成物を、金属材料よりなる被塗物に静電粉体塗装してプライマ塗膜層を形成することを特徴としている。
本発明に係わる塗膜の形成方法は、金属材料としてアルミニウムホイールを使用することが好ましい。
本発明に係わる塗膜の形成方法は、プライマ塗膜層上に、着色塗膜層を形成すること、そしてその着色塗膜層として光輝性顔料含有アクリル系溶剤型塗料、光輝性顔料含有アクリル系水性塗料又は光輝性顔料含有粉体塗料の着色塗料により形成することが好ましい。
本発明に係わる塗膜の形成方法は、着色塗膜層上に、クリヤー塗膜層を形成すること、そしてクリヤー塗膜層として硬化型アクリル系塗料により形成すること、そして硬化型アクリル系塗料としてアクリル系溶剤型クリヤー塗料又はアクリル系粉体型クリヤー塗料を使用すること、そしてアクリル系溶剤型クリヤー塗料として、ポリイソシアネート硬化型のものを使用すること、そしてアクリル系粉体型クリヤー塗料として酸硬化型のものを使用することが好ましい。
本発明に係わる金属塗装製品の製造方法は、粉体塗料により塗装された製品を製造する方法であって、上記の粉体プライマ組成物を、金属材料よりなる被塗物に静電粉体塗装する工程を含むことを特徴としている。
本発明に係わる(D)防錆顔料として、リン酸マグネシウム系化合物及び非晶質シリカ系化合物から選ばれる少なくとも1種の防錆顔料が好ましい。
本発明に係わる(D)防錆顔料として、その配合割合は、上記した(A)、(B)及び(C)のそれぞれの成分の合計量100重量部に対して、1〜50重量部の範囲であることが好ましい。
本発明に係わる粉体プライマ塗膜は、上記の粉体プライマ組成物を焼き付けて形成された硬化塗膜が、200℃における動的弾性率(E′)最小値が3×106 Pa〜3×107 Paの範囲であることを特徴としている。
本発明に係わる塗膜の形成方法は、上記の粉体プライマ組成物を、金属材料よりなる被塗物に静電粉体塗装してプライマ塗膜層を形成することを特徴としている。
本発明に係わる塗膜の形成方法は、金属材料としてアルミニウムホイールを使用することが好ましい。
本発明に係わる塗膜の形成方法は、プライマ塗膜層上に、着色塗膜層を形成すること、そしてその着色塗膜層として光輝性顔料含有アクリル系溶剤型塗料、光輝性顔料含有アクリル系水性塗料又は光輝性顔料含有粉体塗料の着色塗料により形成することが好ましい。
本発明に係わる塗膜の形成方法は、着色塗膜層上に、クリヤー塗膜層を形成すること、そしてクリヤー塗膜層として硬化型アクリル系塗料により形成すること、そして硬化型アクリル系塗料としてアクリル系溶剤型クリヤー塗料又はアクリル系粉体型クリヤー塗料を使用すること、そしてアクリル系溶剤型クリヤー塗料として、ポリイソシアネート硬化型のものを使用すること、そしてアクリル系粉体型クリヤー塗料として酸硬化型のものを使用することが好ましい。
本発明に係わる金属塗装製品の製造方法は、粉体塗料により塗装された製品を製造する方法であって、上記の粉体プライマ組成物を、金属材料よりなる被塗物に静電粉体塗装する工程を含むことを特徴としている。
本発明の粉体プライマ組成物において、特にリン酸変性エポキシ樹脂(C)を配合することにより、金属材料特にアルミニウムホイールに対する付着性が著しく向上し、耐食性、耐チッピング性に優れた塗膜が形成される。
この様な効果を発揮する理由として、粉体プライマ組成物を加熱・溶融して塗膜を形成する際に、極性が高く金属に対する付着性に優れたリン酸変性エポキシ樹脂(C)が金属材料表面近傍に多く存在するように塗膜が形成されるので耐食性、耐チッピング性、切削加工性などの性能が優れるものと推察される。
また、リン酸変性エポキシ樹脂(C)は粉体プライマ組成物の硬化樹脂組成物の主成分であるカルボキシル基含有熱硬化型ポリエステル樹脂(A)及びエポキシ樹脂(B)に対して適度の相溶性を有するので仕上がり外観(特に平滑性、光沢)を低下させないで、耐食性を向上することができたものと推察される。
また、リン酸変性エポキシ樹脂(C)は、カルボキシル基含有熱硬化性ポリエステル樹脂(A)との架橋により塗膜性能が優れる。
本発明の粉体プライマー組成物において、上記したリン酸変性エポキシ樹脂(C)とリン酸マグネシウム系化合物及び/又は非晶質シリカ系化合物の防錆顔料とを併用することにより更に以下の効果を発揮する。
チッピング又は何らかの衝撃を受けてアルミホイール基材に達する傷が付いた場合、このような塗膜欠陥部の防錆について特に上記した防錆顔料が有効である。
即ち、リン酸マグネシウム系化合物の場合は、溶出するマグネシウムイオンにより、アルミニウム基材の分極が妨げられ、欠陥部内の腐食電流が抑制されることにより高度な防錆性が発揮できる。また、非晶質シリカ系化合物については、溶出する珪素成分により基材界面にシリカの不働態被膜が形成されることによって、欠陥部の錆の進行が阻止され高度な防錆性が発揮できる。
チッピング又は何らかの衝撃を受けてアルミホイール基材に達する傷が付いた場合、このような塗膜欠陥部の防錆について特に上記した防錆顔料が有効である。
即ち、リン酸マグネシウム系化合物の場合は、溶出するマグネシウムイオンにより、アルミニウム基材の分極が妨げられ、欠陥部内の腐食電流が抑制されることにより高度な防錆性が発揮できる。また、非晶質シリカ系化合物については、溶出する珪素成分により基材界面にシリカの不働態被膜が形成されることによって、欠陥部の錆の進行が阻止され高度な防錆性が発揮できる。
本発明の粉体プライマ組成物において、粉体プライマ組成物を焼き付けて形成された硬化塗膜を、200℃における動的弾性率(E′)最小値が、好ましくは3×106 Pa〜3×107 Paの範囲に調整することにより切削加工性及び塗膜の仕上がり外観に優れた塗膜が形成される。
具体的には、例えば、アルミホイールの塗装工程においては、切削加工時の粉体プライマ塗膜のバリが残る、塗膜が欠けるという不具合を防止して、且つ優れた平滑性を有したプライマ塗膜を得るには、エポキシ-ポリエステル系粉体プライマの焼付塗膜の200℃における動的弾性率の最小値が上記した範囲に入ることが好ましい。
本発明において、アルミホイールを始め金属材料に塗膜を形成する際に、粉体プライマ組成物を使用することにより回収再利用か可能であり、特に本発明で使用するエポキシポリエステル系粉体プライマ組成物は比較的コストが低いので経済的であり、そしてアルミホイールのような高度な仕上がり外観と耐食性、耐チッピング性のバランスに優れた粉体プライマ塗膜を形成することができ、そしてその塗膜表面に塗装する上塗りに対する適応性にも優れれるので市場に対する要求を満たすことができる。
本発明の塗膜の形成方法において、粉体プライマ塗膜層表面に着色塗膜層を形成すること、特に該着色塗膜層として光輝性顔料含有アクリル系溶剤型塗料、光輝性顔料含有アクリル系水性塗料又は光輝性顔料含有粉体塗料の着色塗料により形成することにより仕上がり外観や耐食性、耐チッピング性、切削加工性などの塗膜性能が優れる。
本発明の金属製品の製造方法において、上記した粉体プライマ組成物を、特にアルミニウムホイールの金属材料に静電粉体塗装して形成された粉体プライマー塗膜層を有する工程を含むことにより仕上がり外観や耐食性、耐チッピング性、切削加工性などの塗膜性能が優れた塗装金属製品が製造できる。
具体的には、例えば、アルミホイールの塗装工程においては、切削加工時の粉体プライマ塗膜のバリが残る、塗膜が欠けるという不具合を防止して、且つ優れた平滑性を有したプライマ塗膜を得るには、エポキシ-ポリエステル系粉体プライマの焼付塗膜の200℃における動的弾性率の最小値が上記した範囲に入ることが好ましい。
本発明において、アルミホイールを始め金属材料に塗膜を形成する際に、粉体プライマ組成物を使用することにより回収再利用か可能であり、特に本発明で使用するエポキシポリエステル系粉体プライマ組成物は比較的コストが低いので経済的であり、そしてアルミホイールのような高度な仕上がり外観と耐食性、耐チッピング性のバランスに優れた粉体プライマ塗膜を形成することができ、そしてその塗膜表面に塗装する上塗りに対する適応性にも優れれるので市場に対する要求を満たすことができる。
本発明の塗膜の形成方法において、粉体プライマ塗膜層表面に着色塗膜層を形成すること、特に該着色塗膜層として光輝性顔料含有アクリル系溶剤型塗料、光輝性顔料含有アクリル系水性塗料又は光輝性顔料含有粉体塗料の着色塗料により形成することにより仕上がり外観や耐食性、耐チッピング性、切削加工性などの塗膜性能が優れる。
本発明の金属製品の製造方法において、上記した粉体プライマ組成物を、特にアルミニウムホイールの金属材料に静電粉体塗装して形成された粉体プライマー塗膜層を有する工程を含むことにより仕上がり外観や耐食性、耐チッピング性、切削加工性などの塗膜性能が優れた塗装金属製品が製造できる。
本発明の粉体プライマ組成物について以下に説明する。
粉体プライマ組成物に用いられるカルボキシル基含有熱硬化型ポリエステル樹脂(A)は、粉体プライマ組成物の基体樹脂であって、焼付時にエポキシ樹脂(B)及びリン酸変性エポキシ樹脂(C)と反応して硬化塗膜を形成するものである。
該ポリエステル樹脂(A)の数平均分子量は、400〜20,000、好ましくは、1,000〜15,000である。400未満の場合は機械的物性が低下し、 20,000を超えると塗膜の平滑性が低下するため好ましくない。
また、該ポリエステル樹脂(A)の軟化温度は30〜140℃、好ましくは、40〜100℃である。軟化温度が30℃未満の場合は粉体塗料の貯蔵中に、粉体塗料粒子同士が融着して塗膜のブツの発生原因になる。
また、140℃を超えると塗膜の平滑性が低下するため好ましくない。
該ポリエステル樹脂(A)の酸価は、10〜200mgKOH/g、特に20〜150mgKOH/gの範囲が好ましい。
酸価が10mgKOH/g未満になると、硬化性が低下して、耐水性、耐食性、耐チッピング性などが劣り、一方、200mgKOH/gを超える場合も塗膜の親水性が増すため、耐水性、耐食性が低下する。
該ポリエステル樹脂(A)としては、例えば、(無水)フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジメチル、ヘキサヒドロ(無水)フタル酸、テトラヒドロ(無水)フタル酸などの芳香族又は脂肪族ジカルボン酸と(ポリ)エチレングリコール、(ポリ)プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6-へキサンジオール、ジメチルプロピオン酸などの2価アルコール、必要に応じて安息香酸などのモノカルボン酸、(無水)トリメリット酸などの3価以上のカルボン酸、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリットールなどの3価以上のアルコールとを上記した酸価の範囲になるように適宜反応させて得られる樹脂が挙げられる。
エポキシ樹脂(B)はカルボキシル基含有熱硬化性ポリエステル樹脂(A)のカルボキシル基と反応して硬化塗膜を形成するものである。
エポキシ樹脂(B)は、軟化点が50〜140℃、エポキシ当量が200〜6,000及び平均分子量が800〜10,000の範囲の基本固形樹脂が好適に用いられる。具体的には、商品名として、例えば、ジャパンエポキシレジン株式会社社製のエピコート1001、エピコート1002、エピコート1004、エピコート1007、チバ・ガイギー社製のアラルダイトGY―6084、アラルダイトGY―6097、ダウ・ケミカル社製のDER―662、DER―664、DER―667などのビスフェノール/エピクロルヒドリン型エポキシ樹脂、又は、日本化薬株式会社社製のEPPN―201、EPPN―202、EOCN―1020などのノボラック型エポキシ樹脂が挙げられる。
粉体プライマ組成物に用いられるカルボキシル基含有熱硬化型ポリエステル樹脂(A)は、粉体プライマ組成物の基体樹脂であって、焼付時にエポキシ樹脂(B)及びリン酸変性エポキシ樹脂(C)と反応して硬化塗膜を形成するものである。
該ポリエステル樹脂(A)の数平均分子量は、400〜20,000、好ましくは、1,000〜15,000である。400未満の場合は機械的物性が低下し、 20,000を超えると塗膜の平滑性が低下するため好ましくない。
また、該ポリエステル樹脂(A)の軟化温度は30〜140℃、好ましくは、40〜100℃である。軟化温度が30℃未満の場合は粉体塗料の貯蔵中に、粉体塗料粒子同士が融着して塗膜のブツの発生原因になる。
また、140℃を超えると塗膜の平滑性が低下するため好ましくない。
該ポリエステル樹脂(A)の酸価は、10〜200mgKOH/g、特に20〜150mgKOH/gの範囲が好ましい。
酸価が10mgKOH/g未満になると、硬化性が低下して、耐水性、耐食性、耐チッピング性などが劣り、一方、200mgKOH/gを超える場合も塗膜の親水性が増すため、耐水性、耐食性が低下する。
該ポリエステル樹脂(A)としては、例えば、(無水)フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジメチル、ヘキサヒドロ(無水)フタル酸、テトラヒドロ(無水)フタル酸などの芳香族又は脂肪族ジカルボン酸と(ポリ)エチレングリコール、(ポリ)プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6-へキサンジオール、ジメチルプロピオン酸などの2価アルコール、必要に応じて安息香酸などのモノカルボン酸、(無水)トリメリット酸などの3価以上のカルボン酸、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリットールなどの3価以上のアルコールとを上記した酸価の範囲になるように適宜反応させて得られる樹脂が挙げられる。
エポキシ樹脂(B)はカルボキシル基含有熱硬化性ポリエステル樹脂(A)のカルボキシル基と反応して硬化塗膜を形成するものである。
エポキシ樹脂(B)は、軟化点が50〜140℃、エポキシ当量が200〜6,000及び平均分子量が800〜10,000の範囲の基本固形樹脂が好適に用いられる。具体的には、商品名として、例えば、ジャパンエポキシレジン株式会社社製のエピコート1001、エピコート1002、エピコート1004、エピコート1007、チバ・ガイギー社製のアラルダイトGY―6084、アラルダイトGY―6097、ダウ・ケミカル社製のDER―662、DER―664、DER―667などのビスフェノール/エピクロルヒドリン型エポキシ樹脂、又は、日本化薬株式会社社製のEPPN―201、EPPN―202、EOCN―1020などのノボラック型エポキシ樹脂が挙げられる。
本発明では、これらから選択した1種又は2種以上の組み合わせを使用することができるが、これらに限定されるものではない。
エポキシ樹脂(B)の配合割合は、カルボキシル基含有熱硬化性ポリエステル樹脂(A)100重量部に対して、3〜150重量部、好ましくは10〜120重量部が好ましい。3重量部未満の場合は硬化性が低下するため、耐水性、耐食性に劣り、150重量部を超える配合量であると、架橋反応に関わらない未反応のエポキシ樹脂(B)が塗膜中に残存するため、耐水性、耐食性、耐チッピング性が低下する。
次に、リン酸変性エポキシ樹脂(C)は、モノグリシジルエーテル化合物及び/又はモノグリシジルエステル化合物とリン酸類とを反応させてなるP−OH結合を少なくとも1個有するリン酸エステル化合物(a)と、分子中に1個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(b)を反応させて得られるものである。
該モノグリシジルエーテル化合物としては、下記一般式(I)及びモノグリシジルエステル化合物としては、下記一般式(II)で表される化合物である。
一般式(I)
エポキシ樹脂(B)の配合割合は、カルボキシル基含有熱硬化性ポリエステル樹脂(A)100重量部に対して、3〜150重量部、好ましくは10〜120重量部が好ましい。3重量部未満の場合は硬化性が低下するため、耐水性、耐食性に劣り、150重量部を超える配合量であると、架橋反応に関わらない未反応のエポキシ樹脂(B)が塗膜中に残存するため、耐水性、耐食性、耐チッピング性が低下する。
次に、リン酸変性エポキシ樹脂(C)は、モノグリシジルエーテル化合物及び/又はモノグリシジルエステル化合物とリン酸類とを反応させてなるP−OH結合を少なくとも1個有するリン酸エステル化合物(a)と、分子中に1個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(b)を反応させて得られるものである。
該モノグリシジルエーテル化合物としては、下記一般式(I)及びモノグリシジルエステル化合物としては、下記一般式(II)で表される化合物である。
一般式(I)
一般式(II)
また、上記一般式(I)及び(II)において、R及びR´で示されるアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、アミル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、エイコシル、ヘンエイコシル、ベヘニルなどの直鎖又は分岐のアルキル基が挙げられ、アルケニル基としては、上記アルキル基中に1乃至3個の不飽和結合を有するものなどが挙げられ、アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基などが挙げられ、これらのアリール基は1乃至3個の上記アルキル基で置換されたものでもよく、これらの置換基は一緒になって環を形成することもできる。
また、上記一般式(I)で表されるモノグリシジルエーテル化合物及び上記一般式(II)で表されるモノグリシジルエステル化合物は、エピクロルヒドリン及びアルコール類、フェノール類または有機カルボン酸などから常法により容易にえられるものである。
また、上記一般式(I)で表されるモノグリシジルエーテル化合物及び上記一般式(II)で表されるモノグリシジルエステル化合物は、エピクロルヒドリン及びアルコール類、フェノール類または有機カルボン酸などから常法により容易にえられるものである。
上記一般式(I)で表されるモノグリシジルエーテル化合物としては、例えば、メチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2-エチルへキシルグリシジルエーテル、sec-ブチルフェニルグリシジルエーテル、2-メチルオクチルグリシジルエーテル、オクタデシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、トリルグリシジルエーテル、オクチルフェニルグリシジルエーテルなどが挙げられる。
また、上記一般式(II)で表されるモノグリシジルエステル化合物としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、2-エチルへキシル酸、ネオデカン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、イソスレアリン酸、ステアリン酸、12-ヒドロキシステアリン酸、べへニン酸、モンタン酸、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、エライジン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、安息香酸、p-第三ブチル安息香酸、トルイル酸、ジメチル安息香酸、エチル安息香酸、クミン酸、n-プロピル安息香酸などの一価カルボン酸のグリシジルエステル化合物が挙げられる。
上記リン酸類としては、例えば、オルトリン酸、メタリン酸、ピロリン酸、亜リン酸、ポリリン酸、ホスホン酸、メタンホスホン酸、ベンゼンホスホン酸、1-ヒドロキシエタン-1、1-ジホスホン酸、ホスフィン酸などが挙げられる。
前記リン酸エステル化合物(a)を得る際に、リン酸類と上記一般式(I)で表されるモノグリシジルエーテル化合物又は一般式(II)で表されるモノグリシジルエステル化合物とは、該リン酸類のP―OH基1当量に対して、該一般式(I)又は(II)の化合物のエポキシ基(エポキシ当量)が0.1〜0.9当量、好ましくは0.3〜0.8当量になる量で使用される。ここで、エポキシ基が0.1当量未満であると、過剰のリン酸類と後述のエポキシ化合物(b)とが反応してゲル化する恐れがあり、0.9当量を超えた場合は変性が困難になるため、好ましくない。
リン酸変性エポキシ樹脂(C)に使用されるエポキシ化合物(b)としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する樹脂であって、それ自体既知のものが使用できる。具体的には、エピクロルヒドリンなどのエピハロヒドリンと脂肪族ポリヒドロキシ化合物(例えば、グリコール又はグリセリン)とのグリシジルエーテル類;エピクロルヒドリンなどのエピハロヒドリンと芳香族ポリヒドロキシ化合物(例えば、ビスフェノールA、F、ノボラックフェノール、クレゾールフェノールなど)とのグリシジルエーテル類;エピクロルヒドリンなどのエピハロヒドリンと脂環族ポリヒドロキシ化合物(例えば、水添ビスフェノールAなど)とのグリシジルエーテル類;エピクロルヒドリンなどのエピハロヒドリンと芳香族ポリカルボン酸化合物(例えば、フタル酸など)とのグリシジルエーテル類;エポキシ化油;脂環式エポキシ樹脂;などが挙げられる。
本発明において、リン酸変性エポキシ樹脂(C)を構成するリン酸エステル化合物(a)の使用量は、付加物にエポキシ基が残存する範囲であれば特に制限されるものではないが、通常はエポキシ化合物(b)のエポキシ基1当量に対して、該リン酸エステル化合物(a)のP―OH基が0.01〜0.8当量、特に0.03〜0.5当量になる量であることが好ましい。 該リン酸エステル化合物(a)のP―OH基が0.01当量未満の場合にはリン酸付加による効果が発現しにくく、また、0.8当量を超える場合には塗膜の耐水性が低下する恐れがある。
該リン酸変性エポキシ樹脂(C)は、数平均分子量300〜2,000、エポキシ当量150〜2,100の範囲が好ましい。
該リン酸変性エポキシ樹脂(C)の配合割合は、カルボキシル基含有熱硬化性ポリエステル樹脂(A)及びエポキシ樹脂(B)の合計量100重量部に対して、0.5〜30重量部、好ましくは1〜20重量部である。0.5重量部未満の場合は基材との付着性が低下し、30重量部を超える場合は塗膜の耐水性が低下するので好ましくない。
次に、防錆顔料(D)は、クロム、鉛、カドミウムなどの人体、環境に有害な重金属類を含まないものであり、例えば、酸化亜鉛;リン酸亜鉛、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、リンモリブデン酸亜鉛、リンモリブデン酸カルシウム、リンモリブデン酸アルミニウムなどのリン酸塩系防錆顔料;亜リン酸亜鉛、亜リン酸カルシウム、亜リン酸アルミニウム、亜リン酸ストロンチウムなどの亜リン酸塩系防錆顔料;モリブデン酸塩系防錆顔料;その他シアナミド亜鉛系防錆顔料、シアナミド亜鉛カルシウム系防錆顔料、トリポリリン酸二水素アルミニウム系防錆顔料、シリカ系防錆顔料などを使用することができる。また、上記した防錆顔料に亜鉛化合物、カルシウム化合物、マグネシウム化合物、シリカなどによる表面処理を施した防錆顔料も使用することができる。
中でも、リン酸マグネシウム系化合物及び非晶質シリカを防錆顔料として使用した場合、基材に達するほどの傷付き部における錆の進行を抑制する効果が顕著である。
防錆顔料(D)の配合割合は、(A)、(B)及び(C)成分の合計量100重量部に対して、1〜50重量部、好ましくは、5〜30部である。1重量部未満の配合量の場合は耐食性の面での効果が発現しにくく、50重量部を超えると、硬化塗膜の200℃における動的弾性率(E′)最小値が大きくなり過ぎて、切削加工性が低下し、塗膜の平滑性も低下するため好ましくない。
また、上記一般式(II)で表されるモノグリシジルエステル化合物としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、2-エチルへキシル酸、ネオデカン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、イソスレアリン酸、ステアリン酸、12-ヒドロキシステアリン酸、べへニン酸、モンタン酸、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、エライジン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、安息香酸、p-第三ブチル安息香酸、トルイル酸、ジメチル安息香酸、エチル安息香酸、クミン酸、n-プロピル安息香酸などの一価カルボン酸のグリシジルエステル化合物が挙げられる。
上記リン酸類としては、例えば、オルトリン酸、メタリン酸、ピロリン酸、亜リン酸、ポリリン酸、ホスホン酸、メタンホスホン酸、ベンゼンホスホン酸、1-ヒドロキシエタン-1、1-ジホスホン酸、ホスフィン酸などが挙げられる。
前記リン酸エステル化合物(a)を得る際に、リン酸類と上記一般式(I)で表されるモノグリシジルエーテル化合物又は一般式(II)で表されるモノグリシジルエステル化合物とは、該リン酸類のP―OH基1当量に対して、該一般式(I)又は(II)の化合物のエポキシ基(エポキシ当量)が0.1〜0.9当量、好ましくは0.3〜0.8当量になる量で使用される。ここで、エポキシ基が0.1当量未満であると、過剰のリン酸類と後述のエポキシ化合物(b)とが反応してゲル化する恐れがあり、0.9当量を超えた場合は変性が困難になるため、好ましくない。
リン酸変性エポキシ樹脂(C)に使用されるエポキシ化合物(b)としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する樹脂であって、それ自体既知のものが使用できる。具体的には、エピクロルヒドリンなどのエピハロヒドリンと脂肪族ポリヒドロキシ化合物(例えば、グリコール又はグリセリン)とのグリシジルエーテル類;エピクロルヒドリンなどのエピハロヒドリンと芳香族ポリヒドロキシ化合物(例えば、ビスフェノールA、F、ノボラックフェノール、クレゾールフェノールなど)とのグリシジルエーテル類;エピクロルヒドリンなどのエピハロヒドリンと脂環族ポリヒドロキシ化合物(例えば、水添ビスフェノールAなど)とのグリシジルエーテル類;エピクロルヒドリンなどのエピハロヒドリンと芳香族ポリカルボン酸化合物(例えば、フタル酸など)とのグリシジルエーテル類;エポキシ化油;脂環式エポキシ樹脂;などが挙げられる。
本発明において、リン酸変性エポキシ樹脂(C)を構成するリン酸エステル化合物(a)の使用量は、付加物にエポキシ基が残存する範囲であれば特に制限されるものではないが、通常はエポキシ化合物(b)のエポキシ基1当量に対して、該リン酸エステル化合物(a)のP―OH基が0.01〜0.8当量、特に0.03〜0.5当量になる量であることが好ましい。 該リン酸エステル化合物(a)のP―OH基が0.01当量未満の場合にはリン酸付加による効果が発現しにくく、また、0.8当量を超える場合には塗膜の耐水性が低下する恐れがある。
該リン酸変性エポキシ樹脂(C)は、数平均分子量300〜2,000、エポキシ当量150〜2,100の範囲が好ましい。
該リン酸変性エポキシ樹脂(C)の配合割合は、カルボキシル基含有熱硬化性ポリエステル樹脂(A)及びエポキシ樹脂(B)の合計量100重量部に対して、0.5〜30重量部、好ましくは1〜20重量部である。0.5重量部未満の場合は基材との付着性が低下し、30重量部を超える場合は塗膜の耐水性が低下するので好ましくない。
次に、防錆顔料(D)は、クロム、鉛、カドミウムなどの人体、環境に有害な重金属類を含まないものであり、例えば、酸化亜鉛;リン酸亜鉛、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、リンモリブデン酸亜鉛、リンモリブデン酸カルシウム、リンモリブデン酸アルミニウムなどのリン酸塩系防錆顔料;亜リン酸亜鉛、亜リン酸カルシウム、亜リン酸アルミニウム、亜リン酸ストロンチウムなどの亜リン酸塩系防錆顔料;モリブデン酸塩系防錆顔料;その他シアナミド亜鉛系防錆顔料、シアナミド亜鉛カルシウム系防錆顔料、トリポリリン酸二水素アルミニウム系防錆顔料、シリカ系防錆顔料などを使用することができる。また、上記した防錆顔料に亜鉛化合物、カルシウム化合物、マグネシウム化合物、シリカなどによる表面処理を施した防錆顔料も使用することができる。
中でも、リン酸マグネシウム系化合物及び非晶質シリカを防錆顔料として使用した場合、基材に達するほどの傷付き部における錆の進行を抑制する効果が顕著である。
防錆顔料(D)の配合割合は、(A)、(B)及び(C)成分の合計量100重量部に対して、1〜50重量部、好ましくは、5〜30部である。1重量部未満の配合量の場合は耐食性の面での効果が発現しにくく、50重量部を超えると、硬化塗膜の200℃における動的弾性率(E′)最小値が大きくなり過ぎて、切削加工性が低下し、塗膜の平滑性も低下するため好ましくない。
本発明の粉体プライマ組成物において、前記(A)〜(D)成分以外に必要に応じて着色顔料、体質顔料、その他充填材、硬化触媒、流動性調整剤、ハジキ防止剤、ワキ防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤などが配合できる。
本発明の粉体プライマ組成物は、従来からの方法、例えば、上記(A)〜(D)成分を配合して、ミキサーでドライブレンドした後、加熱溶融混練し、粗粉砕、微粉砕、分級により製造できる。このように製造された粉体プライマ組成物の平均粒子径は10〜100μm、特に塗膜平滑性の観点から15〜40μmの範囲が好ましい。
本発明の粉体プライマ組成物は、最低溶融粘度が5〜200Pa・s、特に塗膜平滑性の観点から5〜100Pa・sの範囲が好ましい。
本発明の粉体プライマ組成物は、従来からの方法、例えば、上記(A)〜(D)成分を配合して、ミキサーでドライブレンドした後、加熱溶融混練し、粗粉砕、微粉砕、分級により製造できる。このように製造された粉体プライマ組成物の平均粒子径は10〜100μm、特に塗膜平滑性の観点から15〜40μmの範囲が好ましい。
本発明の粉体プライマ組成物は、最低溶融粘度が5〜200Pa・s、特に塗膜平滑性の観点から5〜100Pa・sの範囲が好ましい。
本発明の粉体プライマ塗膜は、上記した粉体プライマー組成物を焼き付けて形成された硬化塗膜が、200℃における動的弾性率(E´)最小値が3×106 Pa〜3×107 Paの範囲である。
動的弾性率の最小値が上記した範囲になるように調整するには、塗膜形成樹脂であるポリエステル樹脂(A)の分子量及び架橋度に影響を与える酸価及びポリエポキシドのエポキシ当量、ポリエステル樹脂(A)に対する配合量などを適切な範囲にすることにより調整できる。また、着色顔料、体質顔料、防錆顔料などの顔料などの配合が必要な時も、その配合量は動的弾性率 に影響を与えるため、適切な範囲に制御することにより調整できる。
本明細書において、粉体プライマ組成物の硬化塗膜の動的弾性率(E′)最小値の測定は、次の方法による。
ブリキ板に80μmの膜厚になるように粉体プライマ組成物を塗装して、160℃で20分加熱硬化させた。次に水銀を用いて遊離塗膜を作製し、5mm×20mmの大きさに裁断し試験片とする。DVEレオスペクトラーDVE―V4(株式会社レオロジ社製)を用いて、温度範囲0〜250℃、周波数110Hzで測定した時の200℃における動的弾性率(E′)の最小値を求めたものである。
本発明の塗膜の形成方法は、上記の粉体プライマ組成物を、金属材料よりなる被塗物に粉体塗装してプライマ塗膜層を形成する。
金属材料として、斯かる金属材料の種類は特に制限されないが、例えば、アルミニウム、アルマイト、ステンレス、亜鉛、鉄、銅、チタン、マグネシウム、真鍮などの非鉄金属材料や合金、鉄鋼や合金鋼などの鉄系金属材料、更に亜鉛メッキ鋼板、スズメッキ鋼板などのメッキ金属材料などが挙げられる。
金属材料の用途としては、特に制限されないが、特にアルミニウムホイールで使用される金属材料が好ましい。本発明の粉体プライマ組成物をアルミニウムホイール金属材料として使用した場合の前処理について以下に述べる。
切削加工されたアルミニウムホイールを必要に応じてアルカリ系や酸系もしくは溶剤系などの脱脂剤を用いて油分を取り除く脱脂工程を経て、次いで必要に応じて、リン酸クロメート処理またはクロミウムクロメート処理などの方法によるクロメート処理もしくはノンクロム処理として、チタン、ジルコニウム、バナジウム、亜鉛、シリカなどの金属或いはそれら金属を組み合わせた複合金属のリン酸塩、硫酸塩、硝酸塩、フッ酸塩などで処理した後に脱イオン水でよく洗浄し、乾燥させることにより前処理を行うことができる。
粉体塗装としては、従来から公知の塗装方法により塗装することができ、例えば、静電粉体塗装法、流動浸漬塗装法などにより、塗装することができる。また、塗着した粉体プライマー組成物は、熱風炉、赤外炉、誘導加熱炉などで焼付けることにより硬化塗膜を形成することができる。
ブリキ板に80μmの膜厚になるように粉体プライマ組成物を塗装して、160℃で20分加熱硬化させた。次に水銀を用いて遊離塗膜を作製し、5mm×20mmの大きさに裁断し試験片とする。DVEレオスペクトラーDVE―V4(株式会社レオロジ社製)を用いて、温度範囲0〜250℃、周波数110Hzで測定した時の200℃における動的弾性率(E′)の最小値を求めたものである。
本発明の塗膜の形成方法は、上記の粉体プライマ組成物を、金属材料よりなる被塗物に粉体塗装してプライマ塗膜層を形成する。
金属材料として、斯かる金属材料の種類は特に制限されないが、例えば、アルミニウム、アルマイト、ステンレス、亜鉛、鉄、銅、チタン、マグネシウム、真鍮などの非鉄金属材料や合金、鉄鋼や合金鋼などの鉄系金属材料、更に亜鉛メッキ鋼板、スズメッキ鋼板などのメッキ金属材料などが挙げられる。
金属材料の用途としては、特に制限されないが、特にアルミニウムホイールで使用される金属材料が好ましい。本発明の粉体プライマ組成物をアルミニウムホイール金属材料として使用した場合の前処理について以下に述べる。
切削加工されたアルミニウムホイールを必要に応じてアルカリ系や酸系もしくは溶剤系などの脱脂剤を用いて油分を取り除く脱脂工程を経て、次いで必要に応じて、リン酸クロメート処理またはクロミウムクロメート処理などの方法によるクロメート処理もしくはノンクロム処理として、チタン、ジルコニウム、バナジウム、亜鉛、シリカなどの金属或いはそれら金属を組み合わせた複合金属のリン酸塩、硫酸塩、硝酸塩、フッ酸塩などで処理した後に脱イオン水でよく洗浄し、乾燥させることにより前処理を行うことができる。
粉体塗装としては、従来から公知の塗装方法により塗装することができ、例えば、静電粉体塗装法、流動浸漬塗装法などにより、塗装することができる。また、塗着した粉体プライマー組成物は、熱風炉、赤外炉、誘導加熱炉などで焼付けることにより硬化塗膜を形成することができる。
焼付け後の粉体プライマの膜厚は、50μm〜150μmであり、好ましくは70〜110μmである。50μm未満の場合は、平滑性が低下し、ゴミブツが目立つなどの外観上の不具合が生じやすい。一方、150μmを超える膜厚の場合、ワキの発生、静電反発による肌荒れなどが生じる場合がある。
焼付は、金属材料の表面温度が140〜190℃、好ましくは150〜170℃で10〜40分の範囲が好ましい。
本発明の塗膜形成方法において、上記プライマ塗膜層上に、着色塗膜層を形成することができる。
該着色塗膜層として、意匠性塗料を使用して金属材料表面に意匠性を付与させることができる。該意匠性塗料は、塗膜形成樹脂及び下記着色顔料を必須成分とする塗料を使用することができる。
塗膜形成用樹脂として、屋外用途の場合はその形成塗膜が紫外線、水、熱の影響を受けるため、塗膜形成樹脂として耐候性に優れた樹脂が望ましく、例えば、アクリル系熱硬化樹脂、ポリエステル系熱硬化樹脂、アクリル-ポリイソシアネート硬化系樹脂などが好ましい。また、塗料形態は溶剤型塗料でもよいし、或いは水性塗料、粉体塗料であってもよく、また、1液型塗料であっても2液型塗料であってもよい。
意匠性塗料に使用される着色顔料としては、従来から公知の着色顔料を特に制限なしに使用することができ、例えば、二酸化チタン、酸化鉄、弁柄、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、キナクリドン系顔料、イソインドリン系顔料、アゾ系顔料、アセトロン系顔料、各種焼成顔料などの着色顔料が挙げられる。
また、従来から光輝性顔料と呼ばれている着色顔料も単独もしくは上記した着色顔料と併用して使用することができる。
光輝性顔料として、受けた光を反射して塗膜に光沢を与えるものであれば特に限定されないが、例えば、アルミニウム粉などの金属粉、ステンレス鋼フレークなどの金属フレーク、雲母、マイカシャスアイアンオキサイド(MIO、鱗片状酸化鉄)、ガラスフレーク及びパール顔料が使用できる。これらのものは1種又は2種以上組合わせて使用することができる。
着色塗膜層は、該塗膜層を形成する塗料の形態が有機溶剤型、水性などの液状着色塗料の場合は、焼付後の膜厚が10〜50μmになるように通常スプレー塗装し、次いで、120〜160℃(金属材料表面温度)で10〜40分間焼き付けることにより、また、着色粉体塗料を使用する場合は、焼付後の膜厚が50〜150μmになるように通常静電粉体塗装法により粉体塗装し、次いで、140〜190℃(金属材料表面温度)で10〜40分間焼き付けることにより塗膜層を形成することができる。
本発明の塗膜形成方法において、上記着色塗膜層上に、クリヤー塗膜層を形成することができる。該クリヤー塗膜層としては、従来から公知のクリヤー塗膜層、例えば、自動車ボデー、自動車部品などのトップコート層として使用されている塗膜層を使用することが好ましい。特に、上記した用途で使用されているトップクリヤー塗膜層は、光沢、平滑性などの仕上がり外観に優れ、且つ耐擦り傷性、耐薬品性、高耐候性などの塗膜性能に優れていることから好ましい。
クリヤー塗膜層を形成する塗料としては、例えば、硬化型アクリル系塗料が好ましい。また、塗料形態は溶剤型塗料でもよいし、或いは水性塗料、粉体塗料であってもよく、また、1液型塗料であっても2液型塗料であってもよい。
該硬化型アクリル系塗料としては、例えば、アクリル系溶剤型クリヤー塗料(例えば、関西ペイント製、ALC−100クリヤー)或いはアクリル系溶剤型ハイソリッドクリヤー及び2液型のアクリル―ポリイソシアネート硬化型クリヤー塗料(例えば、関西ペイント製、スーパーダイヤモンドクリヤーQ)やアクリル系粉体塗料(例えば、関西ペイント製、エバクラッドNO.5600DK)を用いることができる。
上記したアクリル系溶剤型クリヤー塗料は、水酸基含有アクリル樹脂を基体樹脂、メラミン樹脂を硬化剤成分とするアクリルメラミン硬化型の有機溶剤系塗料又は水性塗料が一般的である。
該塗料は、硬化膜厚が20〜50μmになるように通常スプレー塗装し、120〜160℃で10〜40分間焼付けることにより硬化塗膜が形成される。
焼付は、金属材料の表面温度が140〜190℃、好ましくは150〜170℃で10〜40分の範囲が好ましい。
本発明の塗膜形成方法において、上記プライマ塗膜層上に、着色塗膜層を形成することができる。
該着色塗膜層として、意匠性塗料を使用して金属材料表面に意匠性を付与させることができる。該意匠性塗料は、塗膜形成樹脂及び下記着色顔料を必須成分とする塗料を使用することができる。
塗膜形成用樹脂として、屋外用途の場合はその形成塗膜が紫外線、水、熱の影響を受けるため、塗膜形成樹脂として耐候性に優れた樹脂が望ましく、例えば、アクリル系熱硬化樹脂、ポリエステル系熱硬化樹脂、アクリル-ポリイソシアネート硬化系樹脂などが好ましい。また、塗料形態は溶剤型塗料でもよいし、或いは水性塗料、粉体塗料であってもよく、また、1液型塗料であっても2液型塗料であってもよい。
意匠性塗料に使用される着色顔料としては、従来から公知の着色顔料を特に制限なしに使用することができ、例えば、二酸化チタン、酸化鉄、弁柄、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、キナクリドン系顔料、イソインドリン系顔料、アゾ系顔料、アセトロン系顔料、各種焼成顔料などの着色顔料が挙げられる。
また、従来から光輝性顔料と呼ばれている着色顔料も単独もしくは上記した着色顔料と併用して使用することができる。
光輝性顔料として、受けた光を反射して塗膜に光沢を与えるものであれば特に限定されないが、例えば、アルミニウム粉などの金属粉、ステンレス鋼フレークなどの金属フレーク、雲母、マイカシャスアイアンオキサイド(MIO、鱗片状酸化鉄)、ガラスフレーク及びパール顔料が使用できる。これらのものは1種又は2種以上組合わせて使用することができる。
着色塗膜層は、該塗膜層を形成する塗料の形態が有機溶剤型、水性などの液状着色塗料の場合は、焼付後の膜厚が10〜50μmになるように通常スプレー塗装し、次いで、120〜160℃(金属材料表面温度)で10〜40分間焼き付けることにより、また、着色粉体塗料を使用する場合は、焼付後の膜厚が50〜150μmになるように通常静電粉体塗装法により粉体塗装し、次いで、140〜190℃(金属材料表面温度)で10〜40分間焼き付けることにより塗膜層を形成することができる。
本発明の塗膜形成方法において、上記着色塗膜層上に、クリヤー塗膜層を形成することができる。該クリヤー塗膜層としては、従来から公知のクリヤー塗膜層、例えば、自動車ボデー、自動車部品などのトップコート層として使用されている塗膜層を使用することが好ましい。特に、上記した用途で使用されているトップクリヤー塗膜層は、光沢、平滑性などの仕上がり外観に優れ、且つ耐擦り傷性、耐薬品性、高耐候性などの塗膜性能に優れていることから好ましい。
クリヤー塗膜層を形成する塗料としては、例えば、硬化型アクリル系塗料が好ましい。また、塗料形態は溶剤型塗料でもよいし、或いは水性塗料、粉体塗料であってもよく、また、1液型塗料であっても2液型塗料であってもよい。
該硬化型アクリル系塗料としては、例えば、アクリル系溶剤型クリヤー塗料(例えば、関西ペイント製、ALC−100クリヤー)或いはアクリル系溶剤型ハイソリッドクリヤー及び2液型のアクリル―ポリイソシアネート硬化型クリヤー塗料(例えば、関西ペイント製、スーパーダイヤモンドクリヤーQ)やアクリル系粉体塗料(例えば、関西ペイント製、エバクラッドNO.5600DK)を用いることができる。
上記したアクリル系溶剤型クリヤー塗料は、水酸基含有アクリル樹脂を基体樹脂、メラミン樹脂を硬化剤成分とするアクリルメラミン硬化型の有機溶剤系塗料又は水性塗料が一般的である。
該塗料は、硬化膜厚が20〜50μmになるように通常スプレー塗装し、120〜160℃で10〜40分間焼付けることにより硬化塗膜が形成される。
また、上記した2液型のアクリル―ポリイソシアネート硬化型クリヤー塗料は、水酸基含有アクリル樹脂を基体樹脂、ポリイソシアネート化合物を硬化剤成分とするイソシアネート硬化型の有機溶剤系塗料又は水性塗料が一般的である。
該塗料は、硬化膜厚が20〜50μmになるように通常スプレー塗装し、60〜80℃で10〜40分間乾燥することにより硬化塗膜が形成される。
上記したアクリル系粉体塗料は、
エポキシ基含有アクリル樹脂を基体樹脂、ポリ(無水)カルボン酸を硬化剤成分とする(無水)酸硬化型アクリル粉体塗料を使用することが好ましい。
該塗料は、硬化膜厚が20〜50μmになるように通常スプレー塗装し、60〜80℃で10〜40分間乾燥することにより硬化塗膜が形成される。
上記したアクリル系粉体塗料は、
エポキシ基含有アクリル樹脂を基体樹脂、ポリ(無水)カルボン酸を硬化剤成分とする(無水)酸硬化型アクリル粉体塗料を使用することが好ましい。
特に、粉体塗料は、有害な有機溶剤の排出がなく、粉体プライマ組成物を含めて、VOC排出の少ない塗膜形成方法が得られる。更に粉体プライマ組成物と同様に、回収再利用が可能であるために、使用効率が高く、経済的効果が大きい。
アクリル系粉体塗料は、硬化膜厚が50〜150μm、好ましくは70〜110μmになるように静電粉体塗装を行い、次いで140〜180℃で10〜40分間焼付けることにより硬化塗膜を形成することができる。
本発明の金属塗装製品の製造方法は、粉体塗料により塗装された製品を製造する方法であって、上記した粉体プライマ組成物を、金属材料よりなる被塗物に静電粉体塗装する工程を含むものである。具体的には、本発明の製造方法により製造された金属塗装製品は、金属材料表面に粉体プライマー層、必要に応じて着色塗膜層、及びクリヤー塗膜層を積層してなる金属塗装製品である。
アクリル系粉体塗料は、硬化膜厚が50〜150μm、好ましくは70〜110μmになるように静電粉体塗装を行い、次いで140〜180℃で10〜40分間焼付けることにより硬化塗膜を形成することができる。
本発明の金属塗装製品の製造方法は、粉体塗料により塗装された製品を製造する方法であって、上記した粉体プライマ組成物を、金属材料よりなる被塗物に静電粉体塗装する工程を含むものである。具体的には、本発明の製造方法により製造された金属塗装製品は、金属材料表面に粉体プライマー層、必要に応じて着色塗膜層、及びクリヤー塗膜層を積層してなる金属塗装製品である。
本発明の粉体プライマ組成物は、従来から公知のエポキシ樹脂及びカルボキシル基含有熱硬化型ポリエステル樹脂を硬化樹脂成分とする粉体塗料に、リン酸変性エポキシ樹脂成分を配合して、仕上がり外観(特に平滑性、光沢)を低下させないで、耐食性を向上させたものである。
更に、特に、リン酸マグネシウム系化合物及び/又は非晶質シリカ系化合物の防錆顔料を使用することによりチッピング又は何らかの衝撃を受けてアルミホイール基材に達する傷が付いた場合、このような塗膜欠陥部の防錆について特に上記した防錆顔料が有効に作用するものである。
これらのことから、本発明の粉体プライマ組成物は、塗膜の仕上がり外観及び防錆性に優れた塗膜が形成できるものとして、工業用塗料用途などに広く応用が可能であり、また、経済性や省資源の観点から、産業上非常に有用である。
また、本発明に係わる粉体プライマ塗膜は、硬化塗膜の動的弾性率を調整することによりアルミニウムホイールの塗装工程における塗膜欠陥(バリ、塗膜が欠け)防止することができ、産業上の有用性が非常に高いものである。
また、本発明に係わる塗膜の形成方法は、特に着色塗膜層、クリヤー塗膜層を設けることにより、非常に優れた意匠性、美意性、或いは性能に優れた保護用の塗膜を各種金属材料に与えるものとして、産業上の有用性が非常に高いものである。
更に、本発明に係わる金属塗装製品の製造方法は、特に着色塗膜層、クリヤー塗膜層を設けることにより、非常に優れた意匠性、美意性、或いは性能に優れた保護用の塗膜を持つ金属塗装製品が得られ、産業上の有用性が非常に高いものである。
これらのことから、本発明の粉体プライマ組成物は、塗膜の仕上がり外観及び防錆性に優れた塗膜が形成できるものとして、工業用塗料用途などに広く応用が可能であり、また、経済性や省資源の観点から、産業上非常に有用である。
また、本発明に係わる粉体プライマ塗膜は、硬化塗膜の動的弾性率を調整することによりアルミニウムホイールの塗装工程における塗膜欠陥(バリ、塗膜が欠け)防止することができ、産業上の有用性が非常に高いものである。
また、本発明に係わる塗膜の形成方法は、特に着色塗膜層、クリヤー塗膜層を設けることにより、非常に優れた意匠性、美意性、或いは性能に優れた保護用の塗膜を各種金属材料に与えるものとして、産業上の有用性が非常に高いものである。
更に、本発明に係わる金属塗装製品の製造方法は、特に着色塗膜層、クリヤー塗膜層を設けることにより、非常に優れた意匠性、美意性、或いは性能に優れた保護用の塗膜を持つ金属塗装製品が得られ、産業上の有用性が非常に高いものである。
次に、実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。実施例中の部及び%は重量基準である。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
リン酸エステル化合物(a)の製造例1 :
85重量%(以下、単に%とする)リン酸115重量部にブチルグリシジルエーテル280重量部を加え、50〜60℃で3時間反応させて、酸価142mgKOH/gのリン酸エステル化合物を得た。
エポキシ化合物(b)の製造例2 :
アデカレジンEP―4100(旭電化工業社製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量190)190重量部、ビスフェノールA58重量部及びジメチルベンジルアミン 1重量部を混合し、150℃で8時間反応させ、エポキシ当量500のエポキシ化合物を得た。
リン酸変性エポキシ樹脂の製造例3:
上記製造例2で得たエポキシ化合物にキシレン115重量部及び上記製造例1で得たリン酸エステル化合物 20重量部を加え、80℃で5時間反応させ、キシレンを反応槽外に流出させた。その後、冷却してリン酸変性エポキシ樹脂を得た。
粉体プライマ組成物1:
カルボキシル基含有熱硬化性ポリエステル樹脂(大日本インキ化学工業社製、ファインディック M―8860、軟化点113℃、酸価35mgKOH/g)65部、エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、エピコ−ト1002、エポキシ当量650、軟化点78℃、分子量1060)25部及び製造例3で得たリン酸変性エポキシ樹脂を10部配合し、JR―603(テイカ株式会社社製、酸化チタン)30部、LFボウセイPMG(キクチカラー株式会社社製、リン酸マグネシウム系防錆顔料)を20部配合して、ミキサーで混合し、エクストルーダーで溶融混練し、冷却後にアトマイザーで微粉砕し、150メッシュのスクリーンを用いて分級してエポキシ-ポリエステル系粉体プライマ組成物NO.1を得た。この粉体プライマの硬化塗膜の200℃における動的弾性率(E′)最小値は1.6×107Paであった。
粉体プライマ組成物2〜9:
上記粉体プライマ組成物1と同様な製造方法で、表1に示す塗料成分でもって粉体プライマ組成物2〜9を得た。組成物1と同様にそれぞれの硬化塗膜について、200℃における動的弾性率(E′)最小値を測定した結果も表1に記載する。
表1
リン酸エステル化合物(a)の製造例1 :
85重量%(以下、単に%とする)リン酸115重量部にブチルグリシジルエーテル280重量部を加え、50〜60℃で3時間反応させて、酸価142mgKOH/gのリン酸エステル化合物を得た。
エポキシ化合物(b)の製造例2 :
アデカレジンEP―4100(旭電化工業社製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量190)190重量部、ビスフェノールA58重量部及びジメチルベンジルアミン 1重量部を混合し、150℃で8時間反応させ、エポキシ当量500のエポキシ化合物を得た。
リン酸変性エポキシ樹脂の製造例3:
上記製造例2で得たエポキシ化合物にキシレン115重量部及び上記製造例1で得たリン酸エステル化合物 20重量部を加え、80℃で5時間反応させ、キシレンを反応槽外に流出させた。その後、冷却してリン酸変性エポキシ樹脂を得た。
粉体プライマ組成物1:
カルボキシル基含有熱硬化性ポリエステル樹脂(大日本インキ化学工業社製、ファインディック M―8860、軟化点113℃、酸価35mgKOH/g)65部、エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、エピコ−ト1002、エポキシ当量650、軟化点78℃、分子量1060)25部及び製造例3で得たリン酸変性エポキシ樹脂を10部配合し、JR―603(テイカ株式会社社製、酸化チタン)30部、LFボウセイPMG(キクチカラー株式会社社製、リン酸マグネシウム系防錆顔料)を20部配合して、ミキサーで混合し、エクストルーダーで溶融混練し、冷却後にアトマイザーで微粉砕し、150メッシュのスクリーンを用いて分級してエポキシ-ポリエステル系粉体プライマ組成物NO.1を得た。この粉体プライマの硬化塗膜の200℃における動的弾性率(E′)最小値は1.6×107Paであった。
粉体プライマ組成物2〜9:
上記粉体プライマ組成物1と同様な製造方法で、表1に示す塗料成分でもって粉体プライマ組成物2〜9を得た。組成物1と同様にそれぞれの硬化塗膜について、200℃における動的弾性率(E′)最小値を測定した結果も表1に記載する。
表1
表1に記載の *1)〜*3)は次の通りである。
*1)エピコ−ト1004: ジャパンエポキシレジン株式会社社製、エポキシ当量900、軟化点97℃、分子量1600
*2)防錆顔料−2: K-ホワイト450H(テイカ株式会社社製、トリポリリン酸アルミニウム系防錆顔料)
*3)防錆顔料−3:非晶質シリカ、平均粒子径4.3μm、細孔容積0.4ml/g
実施例1
アルカリ脱脂後、よく水洗して乾燥させ、次いで、クロム酸クロメート(AL-1000:日本パーカーライジング社製)で化成処理を施したAC4C板上に、粉体プライマ組成物NO.1を膜厚が100μmになるように静電塗装を行い、160℃で30分加熱硬化せしめた。得られた粉体プライマ塗膜上に黒塗色の上塗り塗料(関西ペイント製、ネオアミラックUS―300 NO202)を膜厚が35μmになるようにスプレー塗装を行い、140℃で30分加熱硬化せしめた。得られた塗板について種々の試験を行った。その結果を表4に記載する。
実施例2
実施例1と同様な処理を行ったAC4C板上に、 、粉体プライマ組成物NO.2を膜厚が100μmになるように静電塗装を行い、160℃で30分加熱硬化せしめた。
得られた粉体プライマ塗膜上に光輝性顔料(アルミニウム顔料)を含むシルバー塗色の意匠性塗料Aを膜厚が15μmになるようにスプレー塗装し、次いで加熱硬化させることなく、その上に溶剤型のアクリル系クリヤー塗料Aを、膜厚が35μmになるようにスプレー塗装を行い、140℃で30分加熱硬化せしめた。得られた塗板について実施例1と同様な試験を行った。その結果を表4に記載する。
実施例3〜6
実施例1と同様な処理を行ったAC4C板上に、 表2に示す粉体プライマ組成物を膜厚が100μmになるように静電塗装を行い、160℃で30分加熱硬化せしめた。その上に上塗り塗料として、表2に示すような意匠性塗料及びアクリル系クリヤー塗料を塗布して塗板を作製した。尚、それぞれの上塗り塗料の塗装方法膜厚、加熱硬化条件は表2に示す。得られた塗板については、実施例1と同様な試験を行った。その結果を表4に記載する。
表2
*1)エピコ−ト1004: ジャパンエポキシレジン株式会社社製、エポキシ当量900、軟化点97℃、分子量1600
*2)防錆顔料−2: K-ホワイト450H(テイカ株式会社社製、トリポリリン酸アルミニウム系防錆顔料)
*3)防錆顔料−3:非晶質シリカ、平均粒子径4.3μm、細孔容積0.4ml/g
実施例1
アルカリ脱脂後、よく水洗して乾燥させ、次いで、クロム酸クロメート(AL-1000:日本パーカーライジング社製)で化成処理を施したAC4C板上に、粉体プライマ組成物NO.1を膜厚が100μmになるように静電塗装を行い、160℃で30分加熱硬化せしめた。得られた粉体プライマ塗膜上に黒塗色の上塗り塗料(関西ペイント製、ネオアミラックUS―300 NO202)を膜厚が35μmになるようにスプレー塗装を行い、140℃で30分加熱硬化せしめた。得られた塗板について種々の試験を行った。その結果を表4に記載する。
実施例2
実施例1と同様な処理を行ったAC4C板上に、 、粉体プライマ組成物NO.2を膜厚が100μmになるように静電塗装を行い、160℃で30分加熱硬化せしめた。
得られた粉体プライマ塗膜上に光輝性顔料(アルミニウム顔料)を含むシルバー塗色の意匠性塗料Aを膜厚が15μmになるようにスプレー塗装し、次いで加熱硬化させることなく、その上に溶剤型のアクリル系クリヤー塗料Aを、膜厚が35μmになるようにスプレー塗装を行い、140℃で30分加熱硬化せしめた。得られた塗板について実施例1と同様な試験を行った。その結果を表4に記載する。
実施例3〜6
実施例1と同様な処理を行ったAC4C板上に、 表2に示す粉体プライマ組成物を膜厚が100μmになるように静電塗装を行い、160℃で30分加熱硬化せしめた。その上に上塗り塗料として、表2に示すような意匠性塗料及びアクリル系クリヤー塗料を塗布して塗板を作製した。尚、それぞれの上塗り塗料の塗装方法膜厚、加熱硬化条件は表2に示す。得られた塗板については、実施例1と同様な試験を行った。その結果を表4に記載する。
表2
比較例1
実施例1と同様な処理を行ったAC4C板上に、粉体プライマ組成物NO.5を膜厚が100μmになるように静電塗装を行い、160℃で30分加熱硬化せしめた。得られた粉体プライマ塗膜上に光輝性顔料(アルミニウム顔料)を含むシルバー塗色の意匠性塗料Aを膜厚が15μmになるようにスプレー塗装し、次いで加熱硬化させることなく、その上に溶剤型のアクリル系クリヤー塗料Aを、膜厚が35μmになるようにスプレー塗装を行い、140℃で30分加熱硬化せしめた。得られた塗板について実施例1と同様な試験を行った。その結果を表4に記載する。
比較例2〜5
実施例1と同様な処理を行ったAC4C板上に、 、表3に示す粉体プライマ組成物を膜厚が100μmになるように静電塗装を行い、160℃で30分加熱硬化せしめた。その上に上塗り塗料として、表3に示すような意匠性塗料及びアクリル系クリヤー塗料を塗布して塗板を作製した。尚、それぞれの上塗り塗料の塗装方法膜厚、加熱硬化条件は表3に示す。得られた塗板については、実施例1と同様な試験を行った。
表3
その結果を表4に記載する。表4に記載の*1)〜*7)は次の通りである。
*1)意匠性塗料A : 関西ペイント製品、商品名、アクリル系溶剤型塗料、AL2500 11SV14
*2)意匠性塗料B : 関西ペイント製品、商品名、アクリル系水性塗料、WBCー710T NO.199-1
*3)意匠性塗料C : 関西ペイント製品、商品名、2液型のアクリル系溶剤型塗料、レタンPG2K サンメタリック
*4)アクリル系クリヤー塗料A: 関西ペイント製品、商品名、溶剤型塗料 ALC−100
*5)アクリル系クリヤー塗料B: 関西ペイント製品、商品名、溶剤型塗料 マジクロンKINO1200T
*6)アクリル系クリヤー塗料C: 関西ペイント製品、商品名、2液型の水酸基含有アクリル-ポリイソシアネート硬化系塗料 スーパーダイヤモンドクリヤーQ
*7)アクリル系クリヤー塗料D: 関西ペイント製品、商品名、エポキシ基含有アクリル-デカンジカルボン酸硬化系粉体塗料 エバクラッドNO.5600DK
表4
表4に記載の試験方法は次の通りである。
切削加工性: 切削部分の塗膜欠陥の有無を目視観察し、次の基準で評価した。
切削加工性: 切削部分の塗膜欠陥の有無を目視観察し、次の基準で評価した。
○:異常なし、 △:やや不良、 ×:(*)塗膜の欠け、または(**)塗膜がバリ状に残存する。
仕上がり外観: 上塗りまで塗装した試験板の塗膜外観を、次の基準で目視評価した。
仕上がり外観: 上塗りまで塗装した試験板の塗膜外観を、次の基準で目視評価した。
○:平滑性、艶とも良好、 △:平滑性、艶がやや不良、 ×:平滑性、艶が不良
耐食性: 試験板の一部に素地まで達するようにクロスカットを行い、塩水噴霧試験(JIS K5400―9)を1000時間行った。試験後、水洗、乾燥を行い、一般部の状態とクロスカット部にセロハンテープを貼り付けて剥離した後の塗膜の剥離幅、錆幅を調べ、次の基準で評価した。
耐食性: 試験板の一部に素地まで達するようにクロスカットを行い、塩水噴霧試験(JIS K5400―9)を1000時間行った。試験後、水洗、乾燥を行い、一般部の状態とクロスカット部にセロハンテープを貼り付けて剥離した後の塗膜の剥離幅、錆幅を調べ、次の基準で評価した。
一般部・・・○:異常なし、 △:一部に点錆、フクレが発生、 ×全面に点錆、フクレが発生。
カット部の剥離幅、錆幅・・・◎:0.5mm以内、 ○:1mm以内、 △3〜5mm、 ×:10mm以上
耐チッピング性: Q-G-Rグラベロメーター(米国Q-PANEL社製、チッピング試験装置)の試験片保持台に試験板を設置し、−20℃で、4kg/cm2の圧縮空気により、粒度7号の花崗岩砕石50gを吹き付けて、これによる塗膜の傷の状態を調べ、次の基準により評価した。
カット部の剥離幅、錆幅・・・◎:0.5mm以内、 ○:1mm以内、 △3〜5mm、 ×:10mm以上
耐チッピング性: Q-G-Rグラベロメーター(米国Q-PANEL社製、チッピング試験装置)の試験片保持台に試験板を設置し、−20℃で、4kg/cm2の圧縮空気により、粒度7号の花崗岩砕石50gを吹き付けて、これによる塗膜の傷の状態を調べ、次の基準により評価した。
○:傷の径が1mm以下で傷の個数が少ない。 △:傷の径が1.5〜2.5mmで傷の個数がやや 多い。 ×:傷の径が3mm以上で、傷の個数も多い。
Claims (14)
- 下記成分
(A)カルボキシル基含有熱硬化型ポリエステル樹脂、
(B)エポキシ樹脂、
(C)モノグリシジルエーテル化合物及び/又はモノグリシジルエステル化合物とリン酸類とを反応させ、得られた反応生成物が1分子中にP−OH結合を平均1個以上有するリン酸エステル化合物(a)と、1分子中に平均1個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(b)を反応させて得られるリン酸変性エポキシ樹脂、
(D)防錆顔料
を必須成分として含有することを特徴とする粉体プライマ組成物。 - (D)防錆顔料が、リン酸マグネシウム系化合物及び非晶質シリカ系化合物から選ばれる少なくとも1種の防錆顔料である請求項1に記載の粉体プライマ組成物。
- (D)防錆顔料が、上記した(A)、(B)及び(C)のそれぞれの成分の合計量100重量部に対して、1〜50重量部の範囲である請求項1又は2に記載の粉体プライマ組成物。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の粉体プライマ組成物を焼き付けて形成された硬化塗膜が、200℃における動的弾性率(E´)最小値が3×106 Pa〜3×107 Paの範囲であることを特徴とする粉体プライマ塗膜。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の粉体プライマ組成物を、金属材料よりなる被塗物に静電粉体塗装してプライマ塗膜層を形成することを特徴とする塗膜の形成方法。
- 金属材料が、アルミニウムホイールである請求項5に記載の塗膜の形成方法。
- 上記プライマ塗膜層上に、着色塗膜層を形成する請求項5に記載する塗膜の形成方法。
- 着色塗膜層が、光輝性顔料含有アクリル系溶剤型塗料、光輝性顔料含有アクリル系水性塗料又は光輝性顔料含有粉体塗料の着色塗料により形成する請求項7に記載の塗膜の形成方法。
- 上記着色塗膜層上に、クリヤー塗膜層を形成する請求項7又は8に記載する塗膜の形成方法。
- クリヤー塗膜層が、硬化型アクリル系塗料により形成する請求項9に記載の塗膜の形成方法。
- 硬化型アクリル系塗料が、アクリル系溶剤型クリヤー塗料又はアクリル系粉体型クリヤー塗料である請求項9又は10に記載の塗膜の形成方法。
- アクリル系溶剤型クリヤー塗料が、ポリイソシアネート硬化型のものを使用する請求項9〜11のいずれかに記載の塗膜の形成方法。
- アクリル系粉体型クリヤー塗料が、酸硬化型のものを使用する請求項9〜11のいずれかに記載の塗膜の形成方法。
- 粉体塗料により塗装された製品を製造する方法であって、請求項1〜3のいずれかに記載の粉体プライマ組成物を、金属材料よりなる被塗物に静電粉体塗装する工程を含むことを特徴とする金属塗装製品の製造方法。
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