JP5937056B2 - 水性塗料組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車等の車両の燃料タンクの基材であるメッキ処理等の表面処理が施された鋼板に対して塗装される塗料に関するもので、特に、鉛フリーのメッキ処理鋼板に対しても優れた耐食性・防錆性を発揮することができる水性塗料組成物に関するものである。
自動車等の車両の燃料タンクの基材に鋼板を使用する場合、通常、耐食性・防錆性及び耐水性を付与するために耐食性・防錆性のメッキ表面処理が施された後、更に、耐食性・防錆性及び耐水性を有する塗膜が形成される。従来の燃料タンクにおいては、鉛(Pb)−錫(Sn)合金化メッキ処理が施された鋼板(例えば、新日鉄住金(株)社製の『ターンシート』)が使用され、その上に耐食性・防錆性及び耐水性を有する防錆塗料が塗装されていた。
ところが、近年、環境保護の観点から、鉛系及びクロム系等の有害重金属の使用規制が要請されており、また、塗料においては揮発性有機化合物(VOC)を削減するために水性化が進んでいる。更に、温暖化対策のため、自動車等の車両の燃料としてエタノール混合ガソリンやバイオディーゼル燃料等の使用が進んでいる。
このため、環境負荷物質を含まず、エタノール混合ガソリンやバイオディーゼル燃料等の厳しい腐食環境下でも優れた耐食性・防錆性を発揮する燃料タンク素材の開発が望まれている。
そこで、燃料タンクの基材として、従来の耐食性の表面処理として適用されていた鉛−錫合金化メッキ処理鋼板に代わり、アルミニウム(Al)−錫(Sn)合金化メッキ処理された鋼板(例えば、新日鉄住金(株)社製の『アルシート』)や、錫(Sn)−亜鉛(Zn)合金化メッキ処理された鋼板(例えば、新日鉄住金(株)社製の『エココート』)等の「鉛フリー」のメッキ処理鋼板への変更が進んでいる。
しかしながら、アルミニウム−錫合金化メッキ処理鋼板や、錫−亜鉛合金化メッキ処理鋼板は、従来の鉛−錫合金化メッキ処理鋼板と比べると耐食性が劣る。そして、アルミニウム−錫合金化メッキ処理鋼板や錫−亜鉛合金化メッキ処理された鋼板表面に、従来から使用されてきた防錆塗料を塗装しても、鋼板面との間で十分な密着性(付着性)が得られず、その結果、防錆塗料の耐食性・防錆性や耐水性が十分に発揮されずに、鋼板に錆が発生しやすかった。
ここで、これら鉛フリーのメッキ処理鋼板に対する密着性を向上させて良好な防錆性を発現できる塗料として特許文献1の発明がある。この特許文献1においては、アルミニウム−錫合金化メッキ処理または錫−亜鉛合金化メッキ処理することにより耐食性表面処理が施された面に、(a)水性エポキシ変性アルキド樹脂、(b)水性メラミン樹脂、(c)防錆顔料、及び(d)(c)以外の顔料を含有する水性塗料組成物を塗装する燃料タンク(ガソリンタンク)の塗装方法において、前記水性エポキシ変性アルキド樹脂(a)と水性メラミン樹脂(b)の重量比が90:10〜92:8であり、防錆顔料(c)として少なくともリン酸アルミニウム化合物と亜鉛酸化物との組み合わせを含有し、前記成分(c)と(d)の合計に関する顔料重量含量が25〜35重量%であるガソリンタンクの塗装方法が開示されている。
特開2002−307011号公報
ところが、特許文献1の水性塗料においては、水性エポキシ変性アルキド樹脂及び水性メラミン樹脂を配合することにより、鉛フリーのメッキ処理鋼板に対する密着性を向上させているものの、水性エポキシ変性アルキド樹脂及び水性メラミン樹脂により形成される樹脂皮膜では、その成膜形態や親水部分等の存在により、鋼板との成膜界面に水を到達させないようするのにも限界があり、水の存在によって密着性が阻害され、鋼板の防食・防錆効果を十分に得ることができない。
そこで、本発明は、かかる不具合を解決すべくなされたものであって、メッキ処理等の表面処理が施された鋼板、特に、アルミニウム−錫合金化メッキ処理鋼板や錫−亜鉛合金化メッキ処理鋼板等の鉛フリーのメッキ処理鋼板に対する耐水密着性を向上させて優れた耐食性・防錆性を発揮する塗膜を形成できる水性塗料組成物の提供を課題とするものである。
請求項1の発明に係る水性塗料組成物は、密着性樹脂としての水性エポキシ変性アルキド樹脂及び水性メラミン樹脂と、タルクとを含有する水性塗料組成物であって、前記密着性樹脂中における前記水性エポキシ変性アルキド樹脂の前記水性メラミン樹脂に対する比率が、固形分重量比で、92重量%を超えて98.5重量%未満の範囲内であり、前記タルクが、中位径(平均粒子径=平均粒径)10μm以上、30μm以下の範囲内にあり、かつ、水性塗料組成物中に28重量%以上、41重量%以下の範囲内で含有するものである。
ここで、「密着性樹脂」は、本発明では、アルミニウム−錫合金化メッキ処理、アルミニウム−錫合金化メッキ処理等の鉛フリーのメッキ処理を施した鋼板からなる基材に対しても、水素結合等により相互作用して高密着させることができる水溶性樹脂であり、水性エポキシ変性アルキド樹脂及び硬化剤としての水性メラミン樹脂を用いる。
そして、この密着性樹脂においては、水性エポキシ変性アルキド樹脂の水性メラミン樹脂に対する比率が、固形分重量比で、92重量%を超えて98.5重量%未満の範囲内である。
また、「タルク」は、レーザ回折式粒度分布測定装置によって測定した中位径が10μm以上、30μm以下の範囲内であり、水性塗料組成物中の合計固形分100重量%に対し、固形分で28重量%以上、41重量%以下の範囲内で含有されるものである。
なお、JIS Z 8901「試験用粉体及び試験用粒子」の本文及び解説の用語の定義によれば、中位径とは、粉体の粒径分布において、ある粒子径より大きい個数(または質量)が、全粉体のそれの50%を占めるときの粒子径(直径)、即ち、オーバサイズ50%の粒径であり、通常、メディアン径または50%粒子径といいD50と表わされる。定義的には、中位径と平均粒子径で粒子群のサイズを表現されるが、ここでは、商品説明の表示、レーザ回折・散乱法によって測定した中位径の値である。
そして、この「レーザ回折・散乱法によって測定した中位径」は、レーザ回折式粒度分布測定装置を用いてレーザ回折・散乱法によって得られた粒度分布において積算重量部が50%となる粒子径(D50)をいう。
但し、本実施の形態で使用した上記数値は、厳格なものでなく、当然、測定等による誤差を含む概略値であり、数割の誤差を否定するものではない。また、この誤差の観点から見ると、正規分布に近いと、カタログ表示等の平均粒子径(含有粒子の平均値)との差も僅少であり、中位径≒平均粒子径であって中位径=平均粒子径と見做すことができ、一般的にカタログ表示等では累積の50%粒子径を平均粒子径として呼ばれる場合もある。
請求項1の発明に係る水性塗料組成物によれば、水性エポキシ変性アルキド樹脂及び水性メラミン樹脂の密着性樹脂と、タルクとを含有する水性塗料組成物であって、前記密着性樹脂中における前記水性エポキシ変性アルキド樹脂の前記水性メラミン樹脂に対する比率が、固形分重量比で92重量%を越えて98.5重量%未満の範囲内であり、前記タルクが、中位径10μm以上、30μm以下の範囲内にあり、かつ、水性塗料組成物中に固形分で28重量%以上、41重量%以下の範囲内で含有する。
したがって、水性エポキシ変性アルキド樹脂によって、鉛フリーのメッキ処理鋼板からなる基材に対する結合性を向上させて密着性を高めることができ、更に、水性エポキシ変性アルキド樹脂と相溶性が良い水性メラミン樹脂によって硬化させることで、良好な成膜性を得ることができる。この際、密着性樹脂中における水性エポキシ変性アルキド樹脂の水性メラミン樹脂に対する比率を所定範囲内とし、更に、規定範囲内の粒子径のタルクを所定範囲内の割合で配合させることで、成膜した塗膜は基材と良好な密着性を発現すると共に、塗膜内において所定粒子径のタルクが層状に配列して層を形成し、この配列したタルクの層によって塗膜内への水分や塩分等の腐食因子の侵入が防止され、優れた耐水性及び耐食性・防錆性を発揮する。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明の実施の形態に係る水性塗料組成物は、密着性樹脂及びタルクを含む顔料を基本組成とし、これら基本組成の他に、希釈剤としての水や、必要に応じて有機溶剤、pH調整剤等の添加剤が配合される。
本実施の形態において、「密着性樹脂」は、顔料等を含有して水性塗料組成物を構成する主要な樹脂で有り、特に、メッキ鋼板素材との密着性に優れた樹脂材料である。そして、この「密着性樹脂」として水性エポキシ変性アルキド樹脂と硬化作用を有する水性メラミン樹脂を使用する。密着性樹脂として水性エポキシ変性アルキド樹脂及び水性メラミン樹脂を使用した場合には、水性エポキシ変性アルキド樹脂によって、鉛フリーのメッキ処理鋼板からなる基材に対する結合性を向上させて密着性を高めることができ、更に、水性エポキシ変性アルキド樹脂と相溶性が良い水性メラミン樹脂によって硬化させることで良好な成膜性を得ることができる。故に、成膜性が良好で、耐水密着性、耐食性、防錆性等の塗膜成能に優れる塗膜を得ることができる。
ここで、水性エポキシ変性アルキド樹脂は、例えば、多塩基酸と多価アルコールと脂肪酸とを混合し(例えば、多塩基酸:多価アルコール:脂肪酸を重量比42:38:20で)、必要に応じて反応触媒を用い、同時にエステル化またはエステル交換反応させることによりアルキド樹脂を得て、これに両末端にエポキシド基を有する化合物(以後、エポキシ化合物という)を更に混合して(多塩基酸及び多価アルコール及び脂肪酸の合計重量に対し、5〜50重量%、好ましくは10〜30重量%の範囲内で)反応させて、エポキシ化合物が部分エステル化されたものを水性化することにより得ることができる。
このようにして得られた水性エポキシ変性アルキド樹脂は、その酸価が60mgKOH/g(固形分)以下で、水酸基価が40mgKOH/g〜70mgKOH/g(固形分)となり、通常、数平均分子量Mwが1,500〜10,000、好ましくは2,000〜5,000の範囲内となる。中でも、水酸基価が40mgKOH/g〜70mgKOH/gで、数平均分子量Mwが1,500〜10,000、好ましくは2,000〜5,000の範囲内である水性エポキシ変性アルキド樹脂が、取り扱い易さや得られる塗膜の耐水密着性の点から適している。
水性エポキシ変性アルキド樹脂を製造するために用いられる多塩基酸としては、例えば、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、コハク酸、フマル酸、アジピン酸、セバシン酸、無水マレイン酸等から選ばれる1種または2種以上の二塩基酸や、これらの酸の低級アルキルエステル化物や、無水トリメリット酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸、無水ピロメリット酸等の3価以上の多塩基酸等が使用される。分子量を調整するために、安息香酸、クロトン酸、p-t-ブチル安息香酸等の一塩基酸を添加することも可能である。
また、多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3-メチルペンタンジオール、1,4-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール等の二価アルコールが主に用いられ、更に必要に応じて、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の3価以上の多価アルコールを併用することができる。これらの多価アルコールは単独で、または2種以上を混合して使用してもよい。
なお、多塩基酸及び/または多価アルコールの一部をジメチロールプロピオン酸、オキシピバリン酸、パラオキシ安息香酸や、これらの酸の低級アルキルエステルや、ε-カプロラクトン等のラクトン類等のオキシ酸等で置換することも可能である。
更に、脂肪酸としては、例えば、ヤシ油脂肪酸、大豆油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸、トール油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸、キリ油脂肪酸等を使用することができる。得られるアルキド樹脂の油長(樹脂1部に対する油の割合)は、50%以下、特に、5%〜45%の範囲内であることが好ましい。
また、これら多塩基酸及び多価アルコール及び脂肪酸を混合して反応させることにより得られるアルキド樹脂に対して混合されるエポキシ化合物としては、両末端にエポキシド基を有する化合物であれば特に制限されないが、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、多官能性グリシジルエーテル等を単独でまたは2種以上を混合して使用できる。
なお、アルキド樹脂にエポキシ化合物を混合して反応させることによりエポキシ化合物が部分エステル化されたものを水性化する方法としては、例えば、アルキド樹脂を高酸価のものとして合成し、更にその後アミン化合物(最も好適にはジエチルアミンまたはトリエチルアミン)等の塩基性化合物を用いてアルキド樹脂中またはエポキシ変性アルキド樹脂中の未反応カルボキシル基を中和して水性化する方法や、エポキシ変性アルキド樹脂中にポリオキシエチレン基等の親水基を導入し、この親水基の働きにより水中に自己乳化させる方法や、エポキシ変性アルキド樹脂を乳化剤の存在下にて水中に強制撹拌して水中に分散させる方法等を挙げることができる。
また、硬化剤である水性メラミン樹脂は、メラミンとアルデヒド(例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンツアルデヒド等)との重縮合によって得られるメチロール化アミノ樹脂(メラミンーホルムアルデヒド樹脂)のことであり、例えば、このメチロール化アミノ樹脂を適当なアルコールによってエーテル化したエーテル化アミノ樹脂のうち、水溶性ないしは水分散性を有するもの、例えば、メチルエーテル化メラミン樹脂や、メチルエーテルとエチルエーテルの混合エーテル化メラミン樹脂、メチル化メラミン樹脂等が使用され、これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。なお、エーテル化に用いられるアルコールの例としては、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、i−ブチルアルコール等が挙げられるが、メチルアルコールが好適に使用される。
本実施の形態において、「密着性樹脂」として水性エポキシ変性アルキド樹脂及び水性メラミン樹脂を使用するが、「密着性樹脂」中の水性エポキシ変性アルキド樹脂と水性メラミン樹脂の固形分(樹脂分)重量比(重量%)が、92:8<水性エポキシ変性アルキド樹脂:水性メラミン樹脂<98.5:1.5となるように配合する。つまり、「密着性樹脂」中の水性エポキシ変性アルキド樹脂は、硬化剤としての水性メラミン樹脂に対し、「密着性樹脂」100重量%中に92重量%を超えて、98.5重量%未満の配合割合とする。
この配合において、水性エポキシ変性アルキド樹脂の配合割合が98.5重量%以上であると、言い換えれば水性メラミン樹脂の比率が1.5重量%以下であると塗膜の硬化が十分に達成されず、塗膜硬度が不足する。一方で、水性エポキシ変性アルキド樹脂の配合割合が92重量%以下となると、言い換えれば水性メラミン樹脂の比率が8重量%以上であると、塗膜の耐水密着性が低下する。したがって、上述した規定の範囲内が最適であり、水性塗料組成物を塗布して形成される塗膜において、良好な塗膜硬度が得られ、かつ、確実に耐水密着性の顕著な向上効果が得られる。
本実施の形態においては、タルク(滑石)が必須成分であり、その他にも着色顔料及び/または防錆顔料及び/または体質顔料等の顔料が配合される。
本実施の形態のタルクは、中位径(レーザ回折式粒度分布測定装置によって測定)が10μm以上、30μm以下の範囲内のタルクを用いる。タルクの中位径が10μm未満のものでは、タルクの配列により形成される層の緻密性に欠け、水分や塩分等の腐食因子が透過し易くて耐水性及び耐食性・防錆性に劣るため、得られる塗膜において耐水密着性等の塗膜成能の向上効果が得られない。一方で、30μmを超えると、タルクの均一な分散が困難となり、安定した耐水密着性等の塗膜成能を得ることができない。
これに対して、中位径が10μm以上、30μm以下の範囲内のタルクを使用することで、タルクが配列した層によって塗膜内への腐食因子の侵入を効果的に阻止できて優れた耐水性及び耐食性・防錆性を得ることができ、鋼板に対する密着性が水分等の腐食因子の存在で低下するのを防止する耐水密着性及び耐食性・防錆性が十分に発揮される。
ここで、タルクの中位径が10μm以上、30μm以下の範囲内であれば、塗膜の耐水密着性の向上効果を得ることができるが、タルクの中位径が15μmを超える場合、薄膜塗布が困難となる。このため、塗膜を薄膜とする場合には中位径が10μm以上、15μm以下の範囲内であるタルクを使用することが好ましく、中位径が10μm以上、15μm以下の範囲内であるタルクを使用することで、塗膜の膜厚が、例えば、15μm〜25μmの範囲内である薄い塗膜を形成でき、かかる薄膜としても十分な耐水密着性を確保できる。しかしながら、鋼板に対して厚みのある塗装とする場合には、中位径が30μmまでのタルクを使用することが可能である。
また、タルクは、一般的に、鱗片状であるが、塗膜内に多くの層の積み重なりを形成して腐食因子の侵入を防止することができる板状のものであれば、その形状は鱗片状に限定されるものではない。
そして、本実施の形態においては、タルク含有量が、水性塗料組成物中の合計固形分100重量%に対し、28重量%〜41重量%の範囲内となるようにする。
この範囲外であると、鉛フリーのメッキ処理鋼板等の基材に対する十分な耐水密着性が得られない。このようにタルクは単なる顔料としてではなく、水を遮蔽する効果を発現させる遮水材として水性塗料組成物中に含有させるものであり、遮水機能を有する遮水顔料である。
ここで、本実施の形態に係る水性塗料組成物においては、その他「顔料」として、着色顔料及び/または防錆顔料及び/または体質顔料を使用できる。
着色顔料としては、例えば、カーボンブラック、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛有機系のアゾキレート系顔料、不溶性アゾ系顔料、縮合アゾ系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、フタロシアニン系顔料、インジゴ顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、ジオキサン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、金属錯体顔料、黄鉛、黄色酸化鉄、ベンガラ、二酸化チタン等が使用される。
防錆顔料としては、例えば、リン酸亜鉛、亜リン酸亜鉛、ポリリン酸アルミニウム、トリポリリン酸アルミニウム、モリブデン酸亜鉛カルシウム、オルトリン酸亜鉛、ポリリン酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛、リンモリブデン酸亜鉛、リンモリブデン酸アルミニウム、酸化亜鉛、リン・ケイ酸亜鉛、リン酸アルミニウム亜鉛、リン酸カルシウム亜鉛、シアナミド亜鉛カルシウム、メタホウ酸バリウム等が使用される。環境保護の観点からクロム系等の有害重金属を含まない防錆顔料が望ましい。
体質顔料としては、例えば、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、マイカ、クレー、シリカ、珪藻土、ニ酸化ケイ素等が使用される。
更に、これら基本組成の配合物に加え、本実施の形態に係る水性塗料組成物においては、希釈剤としての水が配合され、必要に応じて有機溶剤、pH調整剤、硬化触媒、中和剤、消泡剤、表面調整剤、沈降防止剤等の添加剤も使用できる。
例えば、有機溶剤は、塗装性を改善するのに使用され、密着性樹脂及び顔料を水中に溶解ないし分散できる親水性有機溶剤であればよく、エチレングリコールモノエチルエーテル(ブチルセロソルブ)、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のエーテル系溶剤、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール系溶剤、アセトン等のケトン類系溶剤等を単独であるいは2種以上を混合して使用することができる。また、pH調整剤としては、トリエチルアミンやジメチルエタノールアミン等のアミン類を使用できる。
そして、本実施の形態においては、これらの配合物を混合して水性塗料組成物を調製し、調製した水性塗料組成物をメッキ処理された鋼板を基材とする燃料タンクの基材表面に塗装し、所定温度で所定時間加熱、例えば、130℃〜160℃、好ましくは135℃〜155℃の温度に加熱し、その温度で17分間〜30分間、好ましくは20分間保持することにより焼き付け硬化し、塗膜を形成する。
本実施の形態の水性塗料組成物を塗装する塗装対象の燃料タンクの基材としては、従来から燃料タンクの基材として使用されているメッキ処理等の表面処理が施された鋼板、例えば、錫メッキ鋼板、鉛−錫合金メッキ鋼板(例えば、新日鉄製住金(株)社製「ターンシート」)、アルミニウム−錫合金化メッキ処理鋼板(例えば、新日鉄製住金(株)社製「アルシート」)、錫−亜鉛合金化メッキ処理鋼板(例えば、新日鉄製住金(株)社製「エココート」)等の他、溶融亜鉛メッキ鋼板、電気亜鉛メッキ鋼板、亜鉛合金メッキ鋼板、アルミニウムメッキ鋼板、ステンレス鋼板、銅メッキ鋼板、錫メッキ鋼板等や、これらのメッキ処理鋼板に燐酸塩処理やクロム酸塩処理(クロメート処理)等の化成処理、アクリルエマルション、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂等による有機皮膜処理を施した鋼板等が挙げられる。
また、燃料タンクのメッキ処理鋼板の表面に、水性塗料組成物を塗布する方法としては、シャワー法、スプレー法、ロールコート法、刷毛塗り法、浸漬法等の公知の方法により、少なくとも一度塗りすることにより塗布できるが、中でも、シャワー塗装は、塗料を基材の表面に塗装斑を起こすことなく塗布でき、基材が複雑な立体形状であっても、その表面での膜厚差を小さくして塗膜を形成できることから、好ましい。
なお、このとき本実施の形態の水性塗料組成物を鋼板表面に塗布することにより形成される塗膜の乾燥膜厚は、例えば、10μm〜70μmの範囲内、好ましくは15μm〜40μmの範囲内、より好ましくは、15μm〜25μmの範囲内である。塗膜の膜厚が10μm未満であると燃料タンク用の塗料としては十分な耐食性・防錆性及び耐水性が得られず、一方で、70μmを超えると鋼板表面との密着性が低下する。
[実施例]
次に、本発明の実施の形態に係る水性塗料組成物の実施例を具体的に説明する。
本実施の形態に係る水性塗料組成物の配合組成として、表1に示すように、実施例1乃至実施例9までの9種類の配合の水性塗料組成物からなる塗料を製造した。各実施例の配合を表1の上段に重量部で示す。なお、塗膜成分となる密着性樹脂及び遮水顔料といえる遮水材のタルクやその他顔料の含有量は固形分重量部で表したものである。
Figure 0005937056
本実施例に係る水性塗料組成物においては、「密着性樹脂」として、水性エポキシ変性アルキド樹脂(数平均分子量Mn=2500±500、水酸基価62±5mgKOH/g)及び樹脂の硬化に有効に作用する硬化剤の水性メチル化メラミン樹脂を使用した。また、遮水顔料といえる遮水材のタルクと、その他顔料として着色顔料のカーボンブラックと、防錆顔料の酸化亜鉛と、体質顔料のミズカシルとを用いた。なお、このミズカシルは、増粘剤として水性塗料組成物を鋼板に塗装後、硬化前の塗膜における粘性を確保するのに有効に作用する。また、これらの配合物の他に、希釈剤として、水と親水性有機溶剤のブチルセロソルブ(エチレングリコールモノエチルエーテル)、更に、pH調整のため及び塗料安定性を向上させるためのトリエチルアミンとを添加した。
表1に示されるように、水性エポキシ変性アルキド樹脂、カーボンブラック、酸化亜鉛、ミズカシル、水、ブチルセロソルブ、及びトリエチルアミンの各配合量は、実施例1乃至実施例9の9種類において全て同一であり、異なるのは、タルクの配合量若しくは中位径、または、水性メラミン樹脂の配合量である。
具体的に、実施例1においては、水性エポキシ変性アルキド樹脂を固形分で17重量部及びメチル化メラミン樹脂(硬化剤)を固形分で1重量部使用した。また、中位径が15μmのタルクを固形分で13重量部と、着色顔料のカーボンブラックを固形分で3重量部と、防錆顔料の酸化亜鉛を固形分で2重量部と、体質顔料のミズカシル(増粘剤)を固形分で2重量部用いた。更に、希釈剤として、水30重量部とブチルセロソルブ33重量部を、そしてpH調整剤としてトリエチルアミンを1重量部添加した。
ここで、実施例1の配合では、塗膜成分となる水性塗料組成物中の合計固形分100重量%に対し、密着性樹脂の含有量が固形分で合計47.4重量%となり、また、タルク含有量が固形分で34.2重量%、タルク以外の顔料(着色顔料、防錆顔料及び体質顔料)含有量が固形分で18.4重量%であり、顔料濃度(PWC)、即ち、密着性樹脂以外の固形分比率が52.6重量%となる。更に、密着性樹脂としての水性エポキシ変性アルキド樹脂と水性メラミン樹脂の固形分(樹脂分)重量比は、94.4:5.6となり、密着性樹脂中の水性エポキシ変性アルキド樹脂含有率は94.4重量%である。
実施例2においては、中位径が15μmのタルクの固形分配合量を実施例1よりも減らして11重量部とした以外は実施例1と同様の配合とした。この実施例2の配合では、塗膜成分となる水性塗料組成物中の合計固形分100重量%に対し、密着性樹脂の含有量が固形分で合計50.0重量%となり、また、タルク含有量が固形分で30.6重量%、タルク以外の顔料(着色顔料、防錆顔料及び体質顔料)含有量が固形分で19.4重量%であり、顔料濃度(PWC)が50.0重量%となる。更に、実施例1と同様、密着性樹脂としての水性エポキシ変性アルキド樹脂と水性メラミン樹脂の固形分重量比は、94.4:5.6となり、密着性樹脂中の水性エポキシ変性アルキド樹脂含有率は94.4重量%である。
実施例3においては、中位径が15μmのタルクの固形分配合量を実施例1よりも増やして15重量部とした以外は実施例1と同様の配合とした。この実施例3の配合では、塗膜成分となる水性塗料組成物中の合計固形分100重量%に対し、密着性樹脂の含有量が固形分で合計45.0重量%となり、また、タルク含有量が固形分で37.5重量%、タルク以外の顔料(着色顔料、防錆顔料及び体質顔料)含有量が固形分で17.5重量%であり、顔料濃度(PWC)が55.0重量%となる。更に、実施例1と同様、密着性樹脂としての水性エポキシ変性アルキド樹脂と水性メラミン樹脂の固形分重量比は、94.4:5.6となり、密着性樹脂中の水性エポキシ変性アルキド樹脂含有率は94.4重量%である。
実施例4においては、中位径が15μmのタルクの固形分配合量を実施例3よりも増やして17重量部とした以外は実施例1と同様の配合とした。この実施例4の配合では、塗膜成分となる水性塗料組成物中の合計固形分100重量%に対し、密着性樹脂の含有量が固形分で合計42.9重量%となり、また、タルク含有量が固形分で40.5重量%、タルク以外の顔料(着色顔料、防錆顔料及び体質顔料)含有量が固形分で16.6重量%であり、顔料濃度(PWC)が57.1重量%となる。更に、実施例1と同様、密着性樹脂としての水性エポキシ変性アルキド樹脂と水性メラミン樹脂の固形分重量比は、94.4:5.6となり、密着性樹脂中の水性エポキシ変性アルキド樹脂含有率は94.4重量%である。
実施例5においては、密着性樹脂である水性メラミン樹脂の固形分配合量を実施例1よりも減らして0.5重量部とした以外は実施例1と同様の配合とした。この実施例5の配合では、塗膜成分となる水性塗料組成物中の合計固形分100重量%に対し、密着性樹脂の含有量が固形分で合計46.7重量%となり、また、顔料としてのタルク含有量が固形分で34.7重量%、タルク以外の顔料(着色顔料、防錆顔料及び体質顔料)含有量が固形分で18.6重量%であり、顔料濃度(PWC)が53.3重量%となる。更に、密着性樹脂としての水性エポキシ変性アルキド樹脂と水性メラミン樹脂の固形分重量比は、97.1:2.9となり、密着性樹脂中の水性エポキシ変性アルキド樹脂含有率は97.1重量%である。
実施例6においては、密着性樹脂である水性メラミン樹脂の固形分配合量を実施例1よりも増やして1.3重量部とした以外は実施例1と同様の配合とした。この実施例5の配合では、塗膜成分となる水性塗料組成物中の合計固形分100重量%に対し、密着性樹脂の含有量が固形分で合計47.8重量%となり、また、顔料としてのタルク含有量が固形分で33.9重量%、タルク以外の顔料(着色顔料、防錆顔料及び体質顔料)含有量が固形分で18.3重量%であり、顔料濃度(PWC)が52.2重量%となる。更に、密着性樹脂としての水性エポキシ変性アルキド樹脂と水性メラミン樹脂の固形分重量比は、92.9:7.1となり、密着性樹脂中の水性エポキシ変性アルキド樹脂含有率は92.9重量%である。
実施例7においては、中位径が10μmと実施例1のタルクよりもの中位径が小さいタルクを用いた以外は実施例1と同様の配合とした。この実施例7の配合では、実施例1と同様、塗膜成分となる水性塗料組成物中の合計固形分100重量%に対し、密着性樹脂の含有量が固形分で合計47.4重量%となり、また、タルク含有量が固形分で34.2重量%、タルク以外の顔料(着色顔料、防錆顔料及び体質顔料)含有量が固形分で18.4重量%であり、顔料濃度(PWC)が52.6重量%となる。更に、密着性樹脂としての水性エポキシ変性アルキド樹脂と水性メラミン樹脂の固形分重量比は、94.4:5.6となり、密着性樹脂中の水性エポキシ変性アルキド樹脂含有率は94.4重量%である。
実施例8においては、実施例5よりも密着性樹脂としての水性メラミン樹脂の固形分配合量を減らして0.3重量部とした以外は、実施例1と同様の配合とした。この実施例8の配合では、塗膜成分となる水性塗料組成物中の合計固形分100重量%に対し、密着性樹脂の含有量が固形分で合計46.4重量%となり、また、タルク含有量が固形分で34.9重量%、タルク以外の顔料(着色顔料、防錆顔料及び体質顔料)含有量が固形分で18.7重量%であり、顔料濃度(PWC)が53.6重量%となる。更に、密着性樹脂としての水性エポキシ変性アルキド樹脂と水性メラミン樹脂の固形分重量比は、98.3:1.7となり、密着性樹脂中の水性エポキシ変性アルキド樹脂含有率は98.3重量%である。
実施例9においては、中位径が15μmのタルクの固形分配合量を実施例1よりも減らして10重量部とした以外は実施例1と同様の配合とした。この実施例9の配合では、塗膜成分となる水性塗料組成物中の合計固形分100重量%に対し、密着性樹脂の含有量が固形分で合計51.4重量%となり、また、タルク含有量が固形分で28.6重量%、タルク以外の顔料(着色顔料、防錆顔料及び体質顔料)含有量が固形分で20.0重量%であり、顔料濃度(PWC)が48.6重量%となる。更に、実施例1と同様、密着性樹脂としての水性エポキシ変性アルキド樹脂と水性メラミン樹脂の固形分重量比は、94.4:5.6となり、密着性樹脂中の水性エポキシ変性アルキド樹脂含有率は94.4重量%である。
なお、顔料濃度(PWC)が48.6重量%と水性塗料組成物中の顔料の含有率が少ないことに起因して、実施例9では僅かにワキの発生が認められた。ワキ発生防止の観点からすれば、顔料濃度(PWC)は50重量%以上が好ましいことになる。
水性塗料組成物の塗料作製条件としては、各実施例についての所定量の密着性樹脂、顔料、水及び添加剤を全てサンドグラインダー(ビーズミル)に添加して1200rpmで1時間攪拌し、各種材料を均一に混合分散することで塗料を作製した。
これに対して、比較のために、タルクに変えて炭酸カルシウムを遮水材として用いた水性塗料組成物からなる塗料を作製し比較例1乃至比較例4とした。また、実施例7のタルクよりもその中位径が更に小さい10μm未満のタルクを使用して、塗料を作製し、それを比較例5及び比較例6とした。更に、中位径15μmのタルクの配合量は実施例4を超えて配合した塗料を作成し、それを比較例7とし、水性メラミン樹脂の配合量を実施例6を超えて配合した塗料を作成し、それを比較例8とした。比較例1乃至比較例8の水性塗料組成物の配合を表2の上段に示した。
Figure 0005937056
具体的には、タルクの代わりに中位径15μmの炭酸カルシウムを固形分で13重量部配合した以外は実施例1と同様にして作製した塗料を比較例1とし、中位径10μmの炭酸カルシウムを固形分で13重量部配合した以外は実施例1と同様にして作製した塗料を比較例2とし、中位径7μmの炭酸カルシウムを固形分で13重量部配合した以外は実施例1と同様にして作製した塗料を比較例3とし、中位径5μmの炭酸カルシウムを固形分で13重量部配合した以外は実施例1と同様にして作製した塗料を比較例4とした。
また、実施例7よりも中位径が小さい7μmのタルクを固形分で13重量部配合した以外は実施例1と同様にして作製した塗料を比較例5とし、比較例5よりも中位径が更に小さい5μmのタルクを固形分で13重量部配合した以外は実施例1と同様にして作製した塗料を比較例6とした。
更に、比較例7として実施例4よりもタルクの固形分配合量を増やして18重量部とした以外は、実施例1と同様にして塗料を作製した。この比較例7の配合においては、塗膜成分となる水性塗料組成物中の合計固形分100重量%に対し、密着性樹脂の含有量が固形分で合計41.9重量%となり、また、タルクが固形分で41.9重量%、タルク以外の顔料(着色顔料、防錆顔料及び体質顔料)含有量が固形分で16.2重量%であり、顔料濃度(PWC)が58.1重量%となる。即ち、比較例7においては、実施例4と比較して、樹脂含有率が低くなり、タルク含有率及び顔料濃度(PWC)が高くなっている。
加えて、比較例8では、実施例6よりも密着性樹脂としての水性メラミン樹脂の固形分配合量を増やして1.5重量部とした以外は、実施例1と同様にして、塗料を作製した。この比較例8の配合においては、塗膜成分となる水性塗料組成物中の合計固形分100重量%に対し、密着性樹脂の含有量が固形分で合計48.1重量%となり、また、タルクの含有量が固形分で34.2重量%、タルク以外の顔料(着色顔料、防錆顔料及び体質顔料)含有量が固形分で17.7重量%であり、顔料濃度(PWC)が51.9重量%となる。このときの密着性樹脂としての水性エポキシ変性アルキド樹脂と水性メラミン樹脂の固形分重量比は、91.9:8.1となり、密着性樹脂中の水性エポキシ変性アルキド樹脂含有率は91.9重量%である。
そして、このようにして製造された実施例1乃至実施例9、及び、比較例1乃至比較例8の水性塗料組成物について、水性塗料としての特性評価を実施した。具体的には、基材として錫−亜鉛合金化メッキ処理鋼板(新日鉄製住金(株)社製「エココート」)を用いて、この表面に対して、各水性塗料組成物を乾燥膜厚が15μm〜25μmになるよう水で粘度調製した後にシャワー塗装し、120℃で20分間保持して焼き付け硬化を行い、評価パネルを作製した。この評価パネルを用いて特性評価を実施し、塗膜性能を評価した。
評価パネルを用いた塗膜性能の評価項目としては、耐水密着性、防錆性を対象として実施した。
まず、塗膜の耐水密着性については、評価パネルを40℃の純水に10日間浸漬した後に取り出し、取り出してから10分以内にJIS−K5600−5−6に準じて1mm碁盤目テープ剥離試験を行った。この1mm碁盤目テープ剥離試験は、評価パネルの塗装面にカッターナイフで縦横に1mm間隔で11本ずつの平行な切れ目を入れて、合計100個の1mm×1mmの桝目を形成し、これら100個の桝目形成部分に上から粘着性セロハンテープを強く圧着させ貼り付けて、一気に引き剥がし、引き剥がした後の升目の状態を評価するものである。ここでは、剥離した桝目の個数を数え、剥離した桝目の個数がゼロであるものを○と判定し、1個でも剥離していた場合には×と判定した。
塗膜の防錆性については、塩水噴霧試験(SST)によって評価した。具体的には、評価パネルの塗装面にカッターナイフでクロスカットを入れ、塩水噴霧試験機を用いて、JIS−Z2371に準じて評価パネルを塩水噴霧条件下におき、480時間後に取り出して、それぞれクロスカットからの片側の錆巾(片錆巾)を測定した。ここでは、クロスカットからの片錆巾が2.5mm未満であるものを○、2.5mm以上3.0mm未満であるものを△、3.0mm以上であるものを×と判定した。
各特性試験の評価結果は、表1及び表2の下段に示した通りである。
表1及び表2に示されるように、実施例1乃至実施例9の全てにおいて、耐水密着性については、10日間温水中に浸漬した後の塗膜接着力が100個の升目の1個も剥がれないという優れた耐水密着性を示し、防錆性についても、480時間の塩水噴霧で片錆巾が2.5mm未満という良好な結果が得られた。
こうして、表1の実施例1乃至実施例9の水性塗料組成物は、鉛フリーのメッキ処理である錫−亜鉛合金化メッキ処理鋼板に対して耐水密着性、防錆性の塗膜性能に優れた塗膜を形成できることが確認された。したがって、実施例1乃至実施例9の水性塗料組成物によれば、このように、鉛フリーのメッキ処理である錫−亜鉛合金化メッキ処理鋼板に対する耐水密着性に優れた塗膜を形成できることにより、塗膜の耐食性・防錆性が十分に発揮され、鋼板の防食・防錆効果に優れる。なお、実施例8の水性メラミン樹脂の固形分配合量を0.3重量部と減らしたものでは、他の実施例に比べ成膜時の硬化性に変化が生じ、塗膜硬度の低下が見られ、要求される仕様によっては注意を要する。
これに対し、表2の比較例1乃至比較例4は、タルクに変えて炭酸カルシウムを配合した組成である。この比較例1乃至比較例4では、防錆性については、480時間の塩水噴霧で片錆巾が2.5mm未満という良好な結果が得られたが、耐水密着性については、10日間温水中に浸漬した後の1mm碁盤目テープ剥離試験にて、100個の升目中1個以上の剥がれが認められ、実施例と比較して耐水密着性に劣るという結果であった。これらの結果から、同じ中位径のものを同量配しても、使用する材料の形状によって耐水密着性の差が生じることが判明した。
また、比較例5は、中位径7μmのタルクを使用した組成であり、比較例6は、中位径5μmのタルクを使用した組成である。
この比較例5及び比較例6でも、防錆性については、480時間の塩水噴霧で片錆巾が2.5mm未満という良好な結果が得られたが、耐水密着性については、10日間温水中に浸漬した後の1mm碁盤目テープ剥離試験にて、100個の升目中1個以上の剥がれが認められ、実施例と比較して耐水密着性に劣るという結果であった。これらの結果から、タルクであっても中位径が小さいと耐水密着性の効果が低下することが示され、形状には耐水密着性の効果を発現する最適形状の大きさが存在することが判明した。
また、比較例7については、中位径が15μmのタルクの固形分配合量を18重量部と多くして、塗膜成分中の樹脂含有率を41.9重量%と低く設定し、タルク含有率を41.9重量%、塗膜成分中の顔料濃度(PWC)を58.1重量%と高く設定したものである。この比較例7では、防錆性については、480時間の塩水噴霧で片錆巾が2.5mm未満という良好な結果が得られたが、耐水密着性については、10日間温水中に浸漬した後の1mm碁盤目テープ剥離試験にて、100個の升目中1個以上の剥がれが認められ、実施例と比較して耐水密着性に劣るという結果であった。これらの結果から、耐水密着性について最適形状の大きさであっても最適配合が存在することが判明した。
そして、比較例8は、水性メラミン樹脂の固形分配合量を1.5重量部と多くして、水性エポキシ変性アルキド樹脂と水性メラミン樹脂の固形分重量比を91.9:8.1とし、水性エポキシ変性アルキド樹脂の密着性樹脂中における配合比率91.9重量%と低く設定したものである。この比較例8では、防錆性については、480時間の塩水噴霧で片錆巾が2.5mm未満という良好な結果が得られたが、耐水密着性については、10日間温水中に浸漬した後の1mm碁盤目テープ剥離試験にて、100個の升目中1個以上の剥がれが認められ、実施例と比較して耐水密着性に劣るという結果であった。これらの結果から、水性エポキシ変性アルキド樹脂の密着性樹脂中における配合比率が耐水密着性に影響を与えることが判明した。
以上、実施例1乃至実施例9のいずれも10日間温水中に浸漬した後の塗膜接着力が100個の升目の1個も剥がれないという○の判定であり、優れた耐水密着性を有することが示された。これに対して、比較例では全て10日間温水中に浸漬した後の1mm碁盤目テープ剥離試験にて100個の升目中1個以上の剥がれが認められ×の判定となり耐水密着性に劣ることが明らかになった。
このように、本実施の形態に係る実施例1乃至実施例9の水性塗料組成物によれば、水性エポキシ変性アルキド樹脂の密着性樹脂中における配合比率が92重量%を超えて98.5重量%未満の範囲内にあり、中位径10μm以上、15μm以下のタルクを、水性塗料組成物中の合計固形分100重量%に対し固形分含有量で28重量%〜41重量%の範囲内で含有している。このような水性塗料組成物とすることで、水性塗料であっても耐水密着性、防錆性優れた塗膜が得られる。
特にタルクに関しては、比較例1乃至比較例4との比較において、体質顔料として知られている炭酸カルシウムを用いた場合には鉛フリーのメッキ処理鋼板に対する耐水密着性が得られないのに対し、実施例1乃至実施例9の水性塗料組成物においては、密着性樹脂に加え、所定粒径のタルクを用いていることで、鉛フリーのメッキ処理鋼板に対しても耐水密着性に優れた塗膜を形成できる。
これは、密着性樹脂によって鉛フリーのメッキ処理鋼板に対し初期の密着性が確保され、その後の浸水状態において、所定粒径のタルクが配合されていることにより、タルクの鱗片形状によって塗膜内において膜表面と略平行な方向に鱗片形状のタルクが配列して塗膜内に層状を形成し、このタルクが配列した層により塗膜内への水分の侵入が抑制されることで密着性の低下が防止され、優れた耐水密着性が得られたものと推測される。
この際、実施例1乃至実施例9と、比較例5及び比較例6との比較から、使用するタルクの中位径は10μm以上とすることにより、確実に耐水密着性を向上させることができる。また、上記実施例では、薄膜塗装での評価のため配合するタルクの中位径が15μmまでのものだけを示しているが、本発明者らの実験研究によれば、薄膜塗装とする場合には、表1に示す最大値(中位径が15μm)までが最も好ましいが、厚みのある塗装とする場合であっては、30μmの粒子サイズまで確認したところ、30μmの粒子サイズまでは安定的に耐水密着性を有する塗膜が得られ、その使用が可能であることが確認された。したがって、中位径が10〜30μmの範囲内のタルクを使用することで、耐水密着性の向上効果を確保することができる。
また、水性エポキシ変性アルキド樹脂の密着性樹脂内の比率を低くすると耐水密着性の低下を招きやすくなる。このため水性エポキシ変性アルキド樹脂の密着性樹脂内の固形分重量比(重量%)を、92重量%を越えた値に設定している。また、水性エポキシ変性アルキド樹脂の密着性樹脂内の比率を高くすると、水性メラミン樹脂の比率が低くなるため、塗膜の硬化が十分に達成されず、塗膜硬度の低下を招きやすくなる。したがって、水性メラミン樹脂の比率が低くならないようにするために、密着性樹脂中の水性エポキシ変性アルキド樹脂の固形分重量比(重量%)を98.5重量%未満としている。この範囲内にすることで、形成される塗膜において確実に優れた耐水密着性及び十分な硬度を確保できる。
なお、実施例9ではわずかにワキの発生が認められた。これは顔料濃度(PWC)が48.6重量%と水性塗料組成物中の顔料の含有率が少ないことに起因している。このことからワキ発生防止の観点から、顔料濃度(PWC)は50重量%以上が好ましい。
以上説明したように、本実施の形態の水性塗料組成物は、密着性樹脂としての水性エポキシ変性アルキド樹脂の水性メラミン樹脂に対する比率を、固形分重量比で92重量%を超えて98.5重量%未満の範囲内とし、また、中位径10μm以上、30μm以下のタルク、好ましくは10μm以上、15μm以下のタルクを固形分で28重量%以上、41重量%以下の範囲内で含有したものである。
したがって、密着性樹脂としての水性エポキシ変性アルキド樹脂及び水性メラミン樹脂によって鉛フリーのメッキ処理が施された鋼板からなる基材に対しても密着性が確保され、中位径が10μm以上30μm以下の範囲内のタルクが28重量%以上、41重量%以下の範囲内で配合されていることで、塗膜内においてタルクが層状に配列して層を形成し、タルクが配列した層によって水分や塩分等の腐食因子の侵入が防止されて密着性が保持される。これによって、優れた耐水密着性や耐食性・防錆性を発揮させることができる。こうして、鉛フリーのメッキ処理鋼板の表面に適用した場合でも、鋼板上への耐水密着性に優れることから、塗膜の優れた耐食性・防錆性が十分に発揮されて鋼板の防食・防錆効果に優れ、長期にわたって防食・防錆効果を持続することができる。
このようにして、メッキ処理鋼板、特に、アルミニウム−錫合金化メッキ処理鋼板や鉛−亜鉛合金化メッキ処理鋼板等の環境に優しい鉛フリーのメッキ処理鋼板に対する耐水密着性を向上させて優れた耐食性・防錆性を発揮する塗膜を形成できる水性塗料組成物となる。
また、本実施の形態にかかる水性塗料組成物においては、タルクの中位径が10μm以上、15μm以下の範囲内とすることができ、この範囲内のタルクを使用することで15μm〜25μmの範囲内の乾燥膜厚とする薄膜塗布が可能であり、塗膜が薄膜でも十分な耐水密着性を確保している。
なお、上記実施例では、水性塗料組成物を錫−亜鉛合金化メッキ処理鋼板(新日鉄製住金(株)社製「エココート」)の表面に適用した場合について説明したが、本発明に係る水性塗料組成物を適用可能な基材としては、これに限定されず、燃料タンク用の基材として使用されるメッキ処理等の表面処理が施された鋼板、特には、鉛フリーのメッキ処理鋼板であっても、防食・防錆目的での使用が可能である。また、燃料タンク用の鋼板への適用のみならず、自動車ボディ、建材、家電器具等に用いられる鋼板の防食・防錆用としても好適に使用できる。
また、本発明を実施するに際しては、水性塗料組成物のその他の部分の構成、組成、配合、成分、形状、数量、材質、大きさ、製造方法等についても、本実施の形態及び各実施例に限定されるものではない。なお、本実施の形態及び各実施例で挙げている数値は、臨界値を示すものではなく、実施に好適な好適値を示すものであるから、上記数値を若干変更してもその実施を否定するものではない。

Claims (1)

  1. 水性エポキシ変性アルキド樹脂及び水性メラミン樹脂の密着性樹脂と、タルクとを含有する水性塗料組成物であって、
    前記密着樹脂中における前記水性エポキシ変性アルキド樹脂の前記水性メラミン樹脂に対する比率が、固形分重量比で92重量%を超えて98.5重量%未満の範囲内であり、
    前記タルクが、中位径10μm以上、30μm以下の範囲内にあり、かつ、水性塗料組成物中に固形分で28重量%以上、41重量%以下の範囲内で含有することを特徴とする水性塗料組成物。
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