JP6956041B2 - 分離膜モジュール - Google Patents

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Description

本発明は、分離膜モジュールに関する。
上下水処理、医薬品製造、半導体製造、及び食品工業等の分野において、気液吸収、脱気、ろ過等の用途で、分離膜をハウジングケース(ケーシング)内に収容した分離膜モジュールが広く用いられている。このような分離膜モジュールとしては、その使用用途から、低い吸水性及び高い耐熱性を有し、寸法安定性、耐衝撃性、耐酸性、及び耐アルカリ性において優れている、ハウジングケースを備えた、分離膜モジュールが求められている。そこで、ハウジングケースの形成に、ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物の適用が検討されている。
ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物は、成形加工性が良好で、高い耐熱性を有し、電気特性、寸法安定性、耐衝撃性、耐酸性及び耐アルカリ性等にも優れ、吸水性が低く、低比重である。そのため、ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物は、各種の電気・電子部品、事務機器部品、自動車部品、建材、飲料水や飲料液体周辺部品、その他各種外装材や工業用品等広範囲の用途に利用されており、分離膜モジュールのハウジングケースへの適用も好適と考えられる。
ところで、上記のようなハウジングケースは、様々な規格に適合するように製造されるところ、最近では、例えば飲料水周辺部品に係るドイツの飲料水部材規格KTWが見直され、その規格の要件の1つとして樹脂組成物がブタジエンフリーであることが求められている。このような材料要求に伴い、ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物にこれまで使用されていた、ブタジエンを生じさせ得るゴム補強ポリスチレン等を用いない樹脂組成物が求められている。ゴム補強ポリスチレン等を用いないポリフェニレンエーテル系樹脂組成物は耐衝撃性が低下するため、当該ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を用いてハウジングケースを製造する場合に、ネジ山などの肉薄部で破損が生じ易くなる。
ここで、飲料水周辺に使用される配管として、特許文献1や特許文献2ではポリフェニレンエーテル系樹脂とポリスチレン系樹脂とを含むポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を用いて形成することが提案されている。これらの文献に記載の樹脂組成物は、主にゴム補強ポリスチレンを用いるものであるが、従来から使用されている塩化ビニル製配管よりも耐熱性を要求される配管用途に使用できると考えられている。
また、特許文献3にはブタジエンを含有しないポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を用いた流体工学部品が記載されている。
特開2003−074754号公報 特開2008−291183号公報 特表2015−500901号公報
しかしながら、特許文献1、2には、いずれも耐衝撃性を確保するためにゴム補強ポリスチレンを用いた樹脂組成物についての例示しかない。そこで、ブタジエンフリーとするためには、樹脂組成物に例えばゴム補強ポリスチレンを含めずに、その耐衝撃性を改善させることが必要である。さらに、上記のような樹脂組成物より分離膜モジュールのハウジングケースを得た場合は、周期的な厚みむらによる外観不良が発生しやすい(ハウジングケースがチューブ形状の場合にはチューブ内面に発生しやすい)という課題も生じていた。
また特許文献3に記載の樹脂組成物はポリフェニレンエーテル、ポリスチレン及び任意のポリエチレン以外にポリマーを含まず、またガラス繊維を含有するが、このような樹脂組成物をハウジングケースに用いた場合、表面の平滑性が低下する。そのため、内部に収容している分離膜が擦れ、膜の切れが発生するという問題及び外観が悪いなどの問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、ブタジエンの溶出量を低減し、かつ外観、耐衝撃性、耐熱性に優れるハウジングケースを備える分離膜モジュールを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、ポリフェニレンエーテル、ポリスチレンホモポリマー及び、水添ブロック共重合体を含む樹脂組成物からなるハウジングケースで、上記課題を解決できることを見出し、本発明をなすに至った。
即ち、本発明は以下の通りである。
〔1〕
多孔膜と、前記多孔膜を収容するハウジングケースと、前記多孔膜の少なくとも一部を前記ハウジングケースに固定する封止材と、を備える分離膜モジュールであって、
前記ハウジングケースの少なくとも一部は、(A)ポリフェニレンエーテル、(B)ポリスチレンホモポリマー、及び(C)スチレン重合体ブロックと共役ジエン化合物重合体ブロックからなるブロック共重合体を水素添加して得られた、重量平均分子量が10万〜40万の範囲である水添ブロック共重合体、を含有する樹脂組成物からなり、
前記樹脂組成物は、前記(A)、(B)、及び(C)成分の総量100質量部に対して、
前記(A)成分5〜50質量部、
前記(B)成分20〜90質量部、及び
前記(C)成分3〜30質量部、を含有し、
前記樹脂組成物中のブタジエンが、0.1mg/kg未満である
ことを特徴とする分離膜モジュール。
〔2〕
前記樹脂組成物が、前記(A)、(B)、及び(C)成分の総量100質量部に対して、更に(D)リン系酸化防止剤を0.05〜1質量部含有する
ことを特徴とする〔1〕に記載の分離膜モジュール。
〔3〕
前記(A)成分の重量平均分子量が40,000〜100,000の範囲である
ことを特徴とする[1]又は[2]に記載の分離膜モジュール。
〔4〕
前記(C)成分の水素添加率が95%以上である
ことを特徴とする[1]から[3]のいずれか1つに記載の分離膜モジュール。
〔5〕
前記ハウジングケースは、筒状のチューブ状部を少なくとも含み、
前記チューブ状部の少なくとも一部が、前記樹脂組成物からなる
ことを特徴とする[1]から[4]のいずれか1つに記載の分離膜モジュール。
〔6〕
前記チューブ状部は、チューブ部材である
ことを特徴とする[5]に記載の分離膜モジュール。
〔7〕
前記チューブ状部の外径D(mm)は40mm以上であって、
前記チューブ状部の肉厚t(mm)が、(1/40)D<t<(1/10)Dの範囲である
ことを特徴とする[5]又は[6]に記載の分離膜モジュール。
〔8〕
前記チューブ状部の、内壁面積を内容積で除した値が、0.12m-1以下である
ことを特徴とする[5]から[7]のいずれかに記載の分離膜モジュール。
〔9〕
前記ハウジングケースは、ノズル部を有するヘッダ部材を少なくとも含み、
前記ヘッダ部材の少なくとも一部が、前記樹脂組成物からなる
ことを特徴とする[1]から[4]のいずれか1つに記載の分離膜モジュール。
〔10〕
前記ハウジングケースは、キャップ部材を少なくとも含み、
前記キャップ部材の少なくとも一部は、前記樹脂組成物からなる
ことを特徴とする[1]から[4]のいずれか1つに記載の分離膜モジュール。
〔11〕
前記ハウジングケースが、ネジ山を少なくとも含み、
前記ネジ山のピッチが1mm以上である
ことを特徴とする[1]から[10]のいずれか1つに記載の分離膜モジュール。
〔12〕
前記多孔膜が、中空糸形状である
ことを特徴とする[1]から[11]のいずれか1つに記載の分離膜モジュール。
〔13〕
上水処理用途又は食品用途に用いられる
ことを特徴とする[1]から[12]のいずれか1つに記載の分離膜モジュール。
本発明によれば、ブタジエンの溶出量を低減し、かつ外観、耐衝撃性、耐熱性に優れるハウジングケースを備える分離膜モジュールを提供することができる。
本発明の一実施形態による分離膜モジュールを示す縦端面図である。 図1の分離膜モジュールの第1の変形例を示す縦端面図である。 図1の分離膜モジュールの第2の変形例を示す縦端面図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について、詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明はその要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。
図1に示す、本実施形態に係る分離膜モジュール10は、例えば、上水処理用途又は食品用途に用いられる。本実施形態の分離膜モジュール10は、多孔膜11、封止材12、及びハウジングケース13を備えている。
多孔膜11は多孔質であり、通過する流体をろ過する。本実施形態において、多孔膜11は、例えば中空糸形状である中空糸膜又は平膜である。より具体的に本実施形態においては、多孔膜11は、中空糸膜であり、複数本の中空糸膜を束ねた中空糸膜束としてハウジングケース13に収容されている。なお、図1において、中空糸膜は視認を容易にするために大径化され且つ互いに間隔を開けて描画されているが、図1の縮尺より細径である中空糸膜が、図1の縮尺より密にハウジングケース13に収容されていてもよい。
なお、多孔膜11の材質は特に制限されないが、例えばポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-ビニルアルコール共重合体、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイド、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、アクリロニトリル、及び酢酸セルロース等が用いられている。中でも、結晶性を有する、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンービニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、及びポリフッ化ビニリデンなどの結晶性熱可塑性樹脂は強度発現の面から好適に用いることができる。さらに好適には、疎水性ゆえ耐水性が高く、通常の水系液体の濾過において耐久性が期待できる、ポリオレフィン、ポリフッ化ビニリデン等を用いることができる。特に好適には、耐薬品性等の化学的耐久性に優れるポリフッ化ビニリデンを用いることができる。ポリフッ化ビニリデンとしては、フッ化ビニリデンホモポリマーや、フッ化ビニリデンの比率が50モル%以上であるフッ化ビニリデン共重合体が挙げられる。フッ化ビニリデン共重合体としては、フッ化ビニリデンと、四フッ化エチレン、六フッ化プロピレン、三フッ化塩化エチレンまたはエチレンから選ばれた1種以上との共重合体が挙げられる。ポリフッ化ビニリデンとしては、フッ化ビニリデンホモポリマーがもっとも好ましい。
封止材12は、多孔膜11の少なくとも一部をハウジングケース13に固定している。本実施形態においては、封止材12は、中空糸膜である多孔膜11の両端部を、後述するハウジングケース13のハウジング本体14に固定している。本実施形態において、封止材12は、多孔膜11の外周面及びハウジング本体14の内周面の間にポッティング材を充填して硬化させることにより、形成されている。
なお、封止材12の材質は特に制限されないが、例えば、二液混合型硬化性樹脂が適用され、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、及びシリコーン樹脂等が好適に用いられている。封止材12は、粘度、可使時間、硬化物の硬度や機械的強度、及び被処理液に対する物理的及び化学的安定性、多孔膜11との接着性、ハウジングケース13との接着性を勘案して、適切に選定することが望ましい。例えば、製造時間の短縮化及び生産性の向上の観点からは、可使時間の短いウレタン樹脂を用いることが好ましい。また、機械的強度が求められる場合は、機械的耐久性を有するエポキシ樹脂を用いることが好ましい。また、封止材12にはこれらの樹脂を複数用いてもよい。
ハウジングケース13は、多孔膜11を収容している。ハウジングケース13の少なくとも一部は、後述する樹脂組成物からなる。本実施形態において、ハウジングケース13は、ハウジング本体14及び2つのキャップ部材15を備えている。
本実施形態において、ハウジング本体14は全体として筒状の筒状体であり、当該筒状体の内部に多孔膜11を収容している。本実施形態において、中空糸膜である多孔膜11は、中空糸膜の長手方向がハウジング本体14の軸方向に沿うように、収容されている。ハウジング本体14は、チューブ状部16及び2つの膜固定部17を備えている。なお、本実施形態において、チューブ状部16及び膜固定部17は、それぞれ別部材であるチューブ部材及び2つのヘッダ部材によって形成されている。しかし、ハウジング本体14は、図2に示すように、分割されない単一の部材であってよい。ハウジング本体14の耐圧強度を確保する観点から、単一の部材であることが好ましい。一方、一つの部材を小さくして成形加工を容易にするという観点から、チューブ部材及びヘッダ部材をさらに分割させた別々の部材のつなぎ合わせ、および組み合わせにより、チューブ状部16あるいは膜固定部17を構成してもよい。
図1において、チューブ状部16は、筒状をなしている。本実施形態において、チューブ状部16は、ハウジングケース13の一部として、後述する樹脂組成物からなる。チューブ状部16の軸方向の両端それぞれに、膜固定部17が係合している。本実施形態においては、チューブ状部16と両膜固定部17とを接着することにより、一体化されたハウジング本体14が形成されている。
本実施形態では、チューブ状部16の外径D(mm)が40mm以上であって、チューブ状部16の肉厚t(mm)は、(1/40)D<t<(1/10)Dの範囲であることが好ましい。
チューブ状部16が小口径であるときは、肉厚の影響は少ない。しかし、チューブ状部16が大口径(口径40mm以上)になると、チューブ状部16の外径Dと肉厚tとの関係が耐圧性、耐熱性、クリープ特性、及び高温クリープ特性に及ぼす影響は大きくなる。また、既存の塩化ビニル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂からなるチューブ状部と比較して、耐熱的な優位性を発揮するためには、大口径のチューブ状部16が90℃以上の高温で内圧が負荷された状態でも長期間耐え得るに適した肉厚tであることが好ましい。チューブ状部16を使用する上で支障のない耐圧強度を確実に保持するために、肉厚tは(1/40)Dより大きいことが好ましい。また、樹脂組成物の使用量を低減させチューブ状部16の重量が重くなりすぎなくするために、肉厚tは(1/10)Dより小さいことが好ましい。
本実施形態において、チューブ状部16の内壁面積を内容積で除した値が、0.12m-1以下であることが好ましい。なお、本実施形態では、チューブ状部16の内壁面積とは、軸方向両端における封止材12の露出面間の、膜固定部17も含めたハウジング本体14の内周面の面積をいうものとする。また、本実施形態では、膜固定部17の内径をチューブ状部16の内径と同一とみなしている。したがって、チューブ状部16の内径をd、封止材12界面間距離をLとした、d×π×Lの値をチューブ状部16の内壁面積とみなす。また、本実施形態では、チューブ状部16の内容積とは、軸方向両端における封止材12の間の、膜固定部17も含めたハウジング本体14の内容積をいうものとする。また、本実施形態では、(d/2)2×π×Lの値をチューブ状部16の内容積とみなす。したがって、内壁面積を内容積で除した値は4/dである。
ブタジエンの通過液への移行量を低く抑えるためには、主に通過液に接触するチューブ状部16内を通る液量あたりのチューブ状部16との接触面積を低く抑えることが好ましい。チューブ状部16内を通る液量あたりのチューブ状部16との接触面積を低く抑えるために、チューブ状部16内壁面積を内容積で除した値が、0.12m-1以下であることが好ましく、0.06m-1以下であることがより好ましく、0.03m-1以下であることがさらに好ましい。
本実施形態において、膜固定部17は、筒状部を有している。膜固定部17は、ハウジングケース13の一部として、後述する樹脂組成物からなる。膜固定部17は、膜固定部17の筒状部の内部とチューブ状部16の内部とが連通し、かつ互いに軸線が一致するように、チューブ状部16に係合されている。
本実施形態において、膜固定部17はノズル部18を有している。膜固定部17の筒状部の側面に、当該部分の軸方向に対して垂直に突出するノズル部18が設けられている。ノズル部18は、膜固定部17の軸方向において封止材12よりもチューブ状部16側に設けられている。ノズル部18は、膜固定部17の内部及び外部の間で流体を通過させるポートとして機能する。したがって、ノズル部18は、ハウジング本体14の内周面、各中空糸膜の外周面、及び封止材12の露出面によって画定される内部空間に外部から流体を流入させ得、また当該内部空間から外部に流体を流出させ得る。
本実施形態において、ハウジング本体14の軸方向両端の外周面には、ネジ山22が形成されている。さらに具体的には、ハウジング本体14の膜固定部17に、雄ネジがネジ山22として形成されている。キャップ部材15を固定させるためのナット19は、ネジ山22によって固定されている。また、他の機器と連結するために、ノズル部18にもネジ山23が形成されていてもよい。ネジ山22、23のピッチを小さくすると、ネジ山22、23は肉薄になり、打撃および落下などにより破損が生じ易くなる。したがって、ネジ山22、23のピッチは1mm以上であることが好ましく、2mm以上であることがより好ましい。
本実施形態において、キャップ部材15は、一端が開放された筒状又はテーパ形状をなしている。より具体的に本実施形態において、キャップ部材15は、テーパ形状である。キャップ部材15の開放された端は、ハウジング本体14の軸方向の両端において、ハウジング本体14に係合している。本実施形態において、キャップ部材15は、ナット19によりハウジング本体14に固定されている。なお、キャップ部材15と封止材12及びハウジング本体14の少なくとも一方との間にはOリング20が設けられ、キャップ部材15とハウジング本体14により画定される内部空間が液密に密封されている。
キャップ部材15の閉鎖端又はテーパ形状部の細径部側に、管路21が設けられている。管路21は、ハウジング本体14の軸方向に平行に突出している。管路21は、キャップ部材15の内部及び外部間で流体を通過させるポートとして機能する。したがって、管路21は、キャップ部材15及び封止材12によって画定される内部空間に外部から流体を流入させ得、また当該内部空間から外部に流体を流出させ得る。なお、中空糸膜である多孔膜11の開口は、キャップ部材15及び封止材12によって画定される内部空間に露出している。ハウジング本体14の軸方向の両側に設けられるそれぞれのキャップ部材15は同じ形状および同じ材質であってもよいし、または異なる形状であってもよいし、異なる材質であってもよい。
さらに、本実施形態において、多孔膜11の長手方向の一方の端は封止材12及びキャップ部材15が画定する空間に開口を露出し、他方の端は封止材12に埋設している。多孔膜11が埋設している側の封止材12には、軸方向に沿った貫通孔thが形成されている。また、多孔膜11が埋設している側のノズル部18は閉鎖されている。
このような構成の分離膜モジュール10では、例えば、多孔膜11が埋設している側の管路21(図面下側)分離膜モジュール10に流入させた被処理液は、貫通孔thからハウジング本体14の内周面、多孔膜11の外周面、および両封止材12の露出面により画定する内部空間に流入する。当該内部空間に流入した処理液は、解放されたノズル部18(図面上側)に向かってハウジング本体14の中空部内を通過しながら、一部が多孔膜11によってろ過される。ろ過されたろ液が多孔膜11の中空部内を通過して、開口が露出している側の管路21(図面上側)から排出される。また、解放されたノズル部18まで通過した被処理液が、濃縮液として排出される。
なお、図3に示すように、分離膜モジュール10において、多孔膜11の長手方向の両端が、封止材12及びキャップ部材15が画定する空間に開口を露出し、いずれの封止材12にも貫通孔が形成されず、さらにいずれのノズル部18も解放されている構成であってよい。
このような構成の分離膜モジュール10では、例えば、一方の管路21から分離膜モジュール10に流入させた被処理液は、他方の管路21に向かって多孔膜11の中空部内を通過しながら、一部が多孔膜11によってろ過される。ろ過されたろ液は、ハウジング本体14の内周面、中空糸膜の外周面、及び両封止材12の露出面により画定される内部空間に流入する。当該内部空間に流入したろ液がノズル部18から排出される。また、中空糸膜の中空部内を他方の管路21まで通過した被処理液が、濃縮液として当該他方の管路21から排出される。あるいは、分離膜モジュール10の一方のノズル部18に被処理液を流入させることにより、ろ液が管路21から排出され、濃縮液が他方のノズル部18から排出させてもよい。
次に、本実施形態において、上述のハウジングケース13の少なくとも一部を構成する材料である樹脂組成物について説明する。
本実施形態において、樹脂組成物は、(A)ポリフェニレンエーテル、(B)ポリスチレンホモポリマー、及び(C)スチレン重合体ブロックと共役ジエン化合物重合体ブロックとからなるブロック共重合体を水素添加して得られ、重量平均分子量が10万〜40万の範囲である水添ブロック共重合体、を含有する樹脂組成物からなる。また、本実施形態の樹脂組成物は、前記(A)成分、(B)成分、及び(C)成分の総量100質量部に対して、(A)成分5〜50質量部、(B)成分20〜90質量部、(C)成分3〜30質量部を含有し、樹脂組成物中のブタジエンが0.1mg/kg未満である。さらに、本実施形態の樹脂組成物は、(A)成分、(B)成分、及び(C)成分の総量100質量部に対して、更に(D)リン系酸化防止剤を0.05〜1質量部含有することが好ましい。
まず、樹脂組成物に用いられる各成分について説明する。
−(A)ポリフェニレンエーテル−
本実施形態で用いられる(A)ポリフェニレンエーテル(本明細書において、(A)成分とも称し、またポリフェニレンエーテルを「PPE」と称することもある)は、下記式(I)及び/又は式(II)で表される繰返し単位構造(フェニレンエーテルに由来する単位構造)を有する単独重合体、あるいは共重合体である。
Figure 0006956041
(式(I)、(II)中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数6〜9のアリール基又はハロゲン原子を表す。但し、R5及びR6は、同時に水素原子ではない。R1〜R6は、置換されていてもよいし、無置換であってもよい。)
ポリフェニレンエーテルの単独重合体の代表例としては、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジエチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−n−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジ−n−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−n−ブチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−イソプロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−クロロエチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−ヒドロキシエチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−クロロエチル−1,4−フェニレン)エーテル等が挙げられる。上記の中でもポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルが好ましい。
ポリフェニレンエーテル共重合体とは、式(I)及び/又は式(II)で表される繰返し単位構造を、主たる繰返し単位構造とする共重合体である。ここでいう主たる繰返し単位構造とは、共重合体中に50モル%以上、好ましくは70モル%以上、より好ましくは90モル%以上含まれる繰返し単位構造をいう。
ポリフェニレンエーテル共重合体の代表例としては、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体、2,6−ジメチルフェノールとo−クレゾールとの共重合体、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとo−クレゾールとの共重合体等が挙げられる。
また、単量体単位として、2−(ジアルキルアミノメチル)−6−メチルフェニレンエーテル単量体単位や2−(N−アルキル−N−フェニルアミノメチル)−6−メチルフェニレンエーテル単量体単位等を主たる繰返し単位構造として含んでいるポリフェニレンエーテル共重合体が好ましい。ポリフェニレンエーテル共重合体としては、例えば、特開昭63−301222号公報等に記載されているもの等を使用することができる。
本実施形態では、(A)成分として、ポリフェニレンエーテルの一部又は全部が不飽和カルボン酸又はその誘導体等で変性された変性ポリフェニレンエーテルを含んでいてもよい。この変性ポリフェニレンエーテルとしては、特に限定されず、本実施形態の効果の範囲内で、公知の変性ポリフェニレンエーテルも使用できる。例えば、この変性ポリフェニレンエーテルは、特開平02−276823号公報、特開昭63−108059号公報、特開昭59−059724号公報等に記載されているものを使用することができる。
変性ポリフェニレンエーテルの製造方法は特に限定されず、公知の方法を採用することができる。例えば、ラジカル開始剤の存在下又は非存在下において、ポリフェニレンエーテルに不飽和カルボン酸又はその誘導体を溶融混練して反応させることによって製造される。あるいは、ポリフェニレンエーテルと、不飽和カルボン酸又はその誘導体とを、ラジカル開始剤存在下又は非存在下で有機溶剤に溶かし、溶液下で反応させることによって製造される。
不飽和カルボン酸又はその誘導体としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、ハロゲン化マレイン酸、シス−4−シクロヘキセン1,2−ジカルボン酸、エンド−シス−ビシクロ(2,2,1)−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸等のジカルボン酸や、これらジカルボン酸の酸無水物、エステル、アミド、イミド等;、アクリル酸、メタクリル酸等のモノカルボン酸や、これらモノカルボン酸のエステル、アミド等が挙げられる。また、飽和カルボン酸に関しては、変性ポリフェニレンエーテルを製造する際の反応温度でそれ自身が熱分解し、本実施形態で用いる誘導体となり得る化合物も用いることができる。具体的にはリンゴ酸、クエン酸等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(A)ポリフェニレンエーテルの形状は、粉体であることが好ましい。ここでいう粉体とは、平均粒子径が1〜2000μmの範囲であるものをいい、好ましくは平均粒子径が1〜1000μmの範囲であり、より好ましくは10〜700μmの範囲、更に好ましくは100〜500μmの範囲である。加工時の取り扱い性の観点から、1μm以上が好ましく、溶融混練時に未溶融物の発生を抑制する観点から、1000μm以下が好ましい。ここでいう平均粒子径とは、篩分けによる粒度測定によって測定される。
(A)ポリフェニレンエーテルの重量平均分子量は、40,000〜100,000の範囲が好ましく、更に好ましい範囲は45,000〜70,000である。樹脂組成物の配管用成形品への加工時の外観を良好にする観点から、(A)ポリフェニレンエーテルの重量平均分子量はこの範囲が好ましい。
なお、本実施形態のポリフェニレンエーテルの分子量に関わる情報は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定装置を用いた測定により得られる。具体的なゲルパーミエーションクロマトグラフィーの測定条件としては、昭和電工(株)製ゲルパーミエーションクロマトグラフィーSystem21(カラム:昭和電工(株)製K−805Lを2本直列、カラム温度:40℃、溶媒:クロロホルム、溶媒流量:1.0ml/min、サンプル濃度:ポリフェニレンエーテルの1g/Lクロロホルム溶液)を用いて、標準ポリスチレン(標準ポリスチレンの分子量は、3,650,000、2,170,000、1,090,000、681,000、204,000、52,000、30,200、13,800、3,360、1,300、550)の検量線を作成するという、測定条件とする。検出部のUVの波長は、標準ポリスチレンの場合は254nm、ポリフェニレンエーテルの場合は283nmを、それぞれ選択できる。
本実施形態の樹脂組成物において、(A)成分の含有量は、(A)成分、(B)成分、及び(C)成分の総量100質量部に対して、5〜50質量部であり、15〜40質量部が好ましい。(A)成分の含有量が5質量部未満であると、耐熱温度が低く、高温クリープが十分でない。また、(A)成分の含有量が50質量部を超えると、耐衝撃性や成形加工性が十分でない。
(A)成分の還元粘度(0.5g/dLのクロロホルム溶液、30℃測定、ウベローデ型粘度管で測定)は、例えば、0.30〜0.60dL/gであることが好ましく、0.45〜0.60dL/gであることがより好ましい。
−(B)ポリスチレンホモポリマー−
本実施形態で用いられる(B)ポリスチレンホモポリマー(本明細書において、(B)成分とも称す)は、スチレン系化合物を重合して得られるものであって、スチレン系化合物以外の例えばゴム成分と共重合してない重合体である。スチレン系化合物の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、モノクロロスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、エチルスチレン等が挙げられ、最も好ましいのはスチレンである。
本実施形態の樹脂組成物において、(B)成分の含有量は、(A)成分、(B)成分、及び(C)成分の総量100質量部に対して、20〜90質量部であり、40〜75質量部であることが好ましい。(B)成分の含有量が20質量部未満であると、十分な成形加工性を得ることができず、90質量部を超えると耐熱性が得られなくなってしまう。
−(C)水添ブロック共重合体−
本実施形態で用いられる(C)水添ブロック共重合体(本明細書において、(C)成分とも称す)は、スチレン重合体ブロックと共役ジエン化合物重合体ブロックとからなるブロック共重合体を水素添加して得られる水添ブロック共重合体であり、重量平均分子量10万〜40万の水添ブロック共重合体である。
水素添加前のブロック共重合体の構造は、特に限定されず、例えば、スチレン重合体ブロック鎖をS、共役ジエン化合物重合体ブロック鎖をBと表すと、S−B−S、S−B−S−B、(S−B−)4−S、S−B−S−B−S等の構造を有することができる。
共役ジエン化合物由来の不飽和結合の水添率は95%以上が好ましく、より好ましくは99%以上である。ここでいう、水添率は、核磁気共鳴装置(NMR)により求めることができる。ブロック共重合体を水添することによりフリーのブタジエンを除くことができる。水添率を95%以上にすることによって、ブタジエンを除きつつ、耐衝撃性を確保することができる。
共役ジエン化合物重合体ブロックのミクロ構造は、特に限定されず、任意に選ぶことができる。通常、ビニル結合量(共役ジエンの1,2−結合、3,4−結合及び1,4−結合の結合様式で組み込まれているうちの、1,2−ビニル結合と3,4−ビニル結合として組み込まれているものの割合)は、好ましくは2〜60%であり、より好ましくは8〜40%である。ここでいう、ビニル結合量は、核磁気共鳴装置(NMR)により求めることができる。
(C)成分の重量平均分子量は10万〜40万の範囲であり、好ましくは15万〜35万の範囲であり、より好ましくは20万〜33万の範囲である。(C)成分の重量平均分子量が10万未満であると、十分な耐衝撃性を得ることができず、かつ、(C)成分の劣化度を十分に制御することができない。(C)成分の重量平均分子量が40万を超えると、溶融押出時の負荷が高くなるため、(C)成分の溶融混練や劣化度の制御が困難となる。ここでいう重量平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によりスチレン換算分子量として求めることができる。
(C)成分は、少なくとも1個のスチレン重合体ブロックの重量平均分子量が15,000以上であることが好ましく、20,000〜70,000の範囲であることがより好ましい。さらに好ましくは全てのスチレン重合体ブロックの重量平均分子量が15,000以上である。(C)成分のスチレン重合体ブロックの重量平均分子量を上記範囲とすることにより、十分な耐衝撃性を得ることができ、かつ、(C)成分の劣化度を十分かつ容易に制御することができる。ここでいうスチレン重合体ブロックの重量平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィ(GPC)によりスチレン換算分子量として測定することができる。
(C)成分におけるスチレン重合体ブロックの含有量は、特に限定されないが、より容易に耐衝撃性を発現させる観点から、20〜50質量%であることが好ましく、20〜40質量%であることがより好ましい。(C)成分におけるスチレン重合体ブロックの含有量は、例えば、以下の方法により測定することができる。四酸化オスミウムを触媒として水添前の共重合体をtert−ブチルハイドロパーオキサイドにより酸化分解する方法(I. M. Kolthoff,et al.,J.Polym.Sci.1,429(1946)に記載の方法、以下、「四酸化オスミウム分解法」ともいう。)により得たスチレン重合体ブロックの質量(ここで、平均重合度が約30以下のスチレン重合体は除かれている)から、下記式に基づきスチレン重合体ブロックの含有量を求めることができる。
スチレン重合体ブロックの含有量(質量%)=(水添前の共重合体中のスチレン重合体ブロックの質量/水添前の共重合体の質量)×100
(C)成分は、組成や構造の異なる2種以上の水添ブロック共重合体を併用することもできる。例えば、スチレン重合体ブロック含有量が50%以上の水添ブロック共重合体と、スチレン重合体ブロック含有量が30%以下の水添ブロック共重合体との併用といったようなブロック含有量が異なる水添ブロック共重合体の併用;あるいはスチレンと共役ジエンのランダム共重合体ブロックを含有するブロック共重合体を水添して得られる水添ランダムブロック共重合体同士を併用することが可能である。
(C)成分は、例えば製造方法として、特公昭36−19286号公報、特公昭43−17979号公報、特公昭48−2423号公報、特公昭49−36957号公報、特公昭57−49567号公報、特公昭58−11446号公報などに記載された方法があげられる。
本実施形態の樹脂組成物において、(C)成分の含有量は、(A)成分、(B)成分、及び(C)成分の総量100質量部に対して、3〜30質量部であり、5〜25質量部であることが好ましい。(C)成分の含有量が3質量部未満であると、十分な耐衝撃性を得ることができず、30質量部を超えると耐衝撃性が得られないばかりでなく、曲げ弾性率や曲げ強度等の剛性が十分でなくなってしまう。
−−(C)水添ブロック共重合体の製造方法−−
(C)水添ブロック共重合体の製造方法としては、限定されるものではないが、例えば次の方法を挙げることができる。
まず、n−ブチルリチウムを重合触媒とし、シクロヘキサン溶中で、テトラヒドロフランをビニル含有量調節剤として、例えばスチレンとブタジエンをアニオンブロック共重合することにより、所定のスチレンブロック含有量、重量平均分子量を有する、ブロック共重合体を合成する。尚、ポリマー構造はモノマーの仕込みの量を、分子量は触媒量を、変化させることによりコントロールすることができる。スチレンブロック含有量は、紫外分光光度計(UV)を、重量平均分子量は、ゲル・パーミュエーション・クロマトグラフィーを用いて測定することができる。
また、引きつづき、上記のブロック共重合体の水素添加においては、例えばビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライドとn−ブチルリチウムを水添触媒として、水素圧5kg/cm2、温度50℃で2時間水素添加が行われる(例えば特開昭59−133203号公報に記載)。この方法では、それぞれブタジエンブロック部分の二重結合の99%以上は水素添加され、スチレンブロック部分のベンゼン環はほとんど水添されないで残すことができる。
尚、水素添加率(水添ブロック共重合体における共役ジエン単量体単位に基づく二重結合の平均水素添加率)は、核磁気共鳴スペクトル解析(NMR)により下記の条件で測定することができる。
測定機器:JNM−LA400(JEOL製)
観測核:1
溶媒:重水素化クロロホルム
測定サンプル:ポリマーを水素添加する前後品
サンプル濃度:50mg/mL
観測周波数:400MHz
化学シフト基準:TMS(テトラメチルシラン)
パルスディレイ:2.904秒
スキャン回数:64回
パルス幅:45°
測定温度:26℃
−(D)リン系酸化防止剤−
本実施形態には(A)成分、(B)成分、及び(C)成分に加えて(D)リン系酸化防止剤(本明細書において、(D)成分とも称す)を加えることが好ましい。リン系酸化防止剤とは、分子中にリン原子を有する化合物を含む酸化防止剤である。
(D)リン系酸化防止剤は、高温下で劣化の原因となるヒドロペルオキシドを還元することで安定化するため、比較的短い波長(例えば波長420〜500nm)の光の透過率の向上に寄与し、特に薄黄色着色の低減に寄与する。
(D)成分の具体例としては、例えば、アルキルホスファイト類、アルキルアリールホスファイト類、及びアリールホスファイト類が挙げられ、工業的には、(株)ADEKA製の、アデカスタブPEP−8、アデカスタブPEP−36、アデカスタブHP−10及びアデカスタブ2112、BASF製のイルガフォス168等が入手可能である。これらの中でも、アデカスタブPEP−36、イルガフォス168が好ましい。
本実施形態の樹脂組成物において、(D)成分の含有量は、(A)成分、(B)成分、及び(C)成分の総量100質量部に対して、0.05〜1質量部が好ましく、0.1〜0.5質量部であることが更に好ましい。(D)成分の含有量が0.05質量部未満であると、十分な変色抑制効果を得ることができない傾向があり、1質量部を超えるとモールドデポジット(MD)の原因となる虞がある。
なお、モールドデポジット(MD)は、成形する際に溶融した樹脂中から低分子量物がガスとして噴出し、金型に堆積し、汚染する現象である。
−その他の成分−
本実施形態の樹脂組成物には、本実施形態の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、他のプラスチック添加剤(例えば、(D)リン系酸化防止剤以外の酸化防止剤、可塑剤、帯電防止剤、滑剤、離型剤、染顔料、プラスチック用各種無機充填剤等)、ガラス繊維を添加することができる。
(D)リン系酸化防止剤以外の酸化防止剤としてはイオウ系酸化防止剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤が好ましい。
可塑剤、帯電防止剤、滑剤、離型剤、染顔料、プラスチック用各種無機充填剤としては、通常汎用されるものを適宜使用することができる。
本実施形態の樹脂組成物には、更に他のポリマーやオリゴマーを添加することができる。例えば、流動性を改善するための石油樹脂、テルペン樹脂及びその水添樹脂、クマロン樹脂、クマロンインデン樹脂、シリコーン樹脂やフェノール樹脂等が挙げられる。
本実施形態の樹脂組成物には、ガラス繊維を含有させることができるが、樹脂組成物100質量%においてガラス繊維の含有量が20質量%までであることが、高い外観を有する樹脂組成物を得ることができるため好ましい。また、当該含有量は、より好ましくは15質量%以下であり、さらに好ましくは10質量%以下であり、最も好ましくは含有しない。
−樹脂組成物中のブタジエン濃度−
本実施形態の樹脂組成物中のブタジエン濃度は、0.1mg/kg未満である。ブタジエンを0.1mg/kg未満とするため、本実施形態の樹脂組成物中にはゴム強化ポリスチレンを含有しないことが好ましい。当該濃度を0.1mg/kg未満とすることにより、樹脂組成物をブタジエンフリーとして扱うことができ、例えば飲料水部材規格KTWに適合させることができる。なお、樹脂組成物中のブタジエン濃度の測定方法はガスクロマトグラフィを用いて測定することができる。また、「ブタジエン」はブタジエン(CH2=CHCH=CH2)を指し、重合化ブタジエン残基を含まない。
−樹脂組成物の製造方法−
本実施形態の樹脂組成物の製造方法は、特に規定するものではなく、押出機、加熱ロール、ニーダー、バンバリーミキサー等の混練機を用いて混練製造することができる。その中でも押出機による溶融混練が、生産性の面で好ましい。
混練温度は、ベース樹脂の好ましい加工温度に従えばよく、目安としては160〜360℃の範囲、好ましくは180〜360℃の範囲、さらに好ましくは240〜320℃の範囲である。より具体的には、(A)成分、(B)成分、及び(C)成分などの各成分を、二軸押出機を用いて溶融混練する際、二軸押出機のダイ出口から押出される溶融樹脂組成物の温度を160〜360℃の範囲とすることができる。
二軸押出機を用いて本実施形態の樹脂組成物を製造するに際して、(B)成分は、(A)成分及び/又は(C)成分と同じ上流側の供給口から同時供給することも可能であるが、押出機バレルの上流側から少なくとも40%以降のバレル(バレルの後段)から供給することが好ましい。(B)成分をバレルの後段から供給することにより、(B)成分の分解をより抑制することができ、それ故に、樹脂組成物の機械的強度(例えば引張強度、曲げ強度、シャルピー衝撃強度など)の低下を防止することができる。
本実施形態の樹脂組成物の製造に用いることができる二軸押出機としては、例えば、スクリューを駆動させる駆動部と、樹脂組成物を押出すダイとを有している。そして、二軸押出機には、その上流から第1原料供給口、第2原料供給口(サイドフィーダ)が設けられており、第1原料供給口と第2原料供給口の間に、必要に応じて、第2原料供給口の下流側にベント口が設けられている。
二軸押出機を用いた押出しプロセスとしては、上記した材料を第1原料供給口及び第2原料供給口から供給し、駆動部によりスクリューを駆動させることで上記した材料を溶融混練し、ダイから押出すことにより、樹脂組成物を得ることができる。
より具体的には、(A)成分、(B)成分、及び(C)成分の二軸押出機への供給位置は、特に限定されないが、次のように設定することが好ましい。(A)成分は、最上部の第1原料供給口から、場合によってはその一部を途中の第2原料供給口から二軸押出機に供給する。(B)及び(C)成分は、最上部の第1原料供給口及び/又は前段途中の第2原料供給口、さらには必要に応じて第3原料供給口を設け、そこから二軸押出機内に供給する。これにより配管用成形品の製造方法の押出条件と相まって、より(B)成分の熱劣化を抑制することができる。
また、二軸押出機としては、異方向回転又は同方向回転の二軸押出機が好適である。また、付帯設備として供給設備が必要であるが、たとえば、第2原料供給口(サイドフィーダ)から、その他の樹脂や添加剤等の副原材料を供給することができる。
−ハウジングケースの製造方法−
本実施形態における、ハウジングケース13は上記の樹脂組成物を成形加工することにより得られる。また、上記の樹脂組成物にガラス繊維を加え、さらに強度を向上させてもよい。一方、外観向上や分離膜の膜切れ防止の観点から表面の平滑性を重視する場合は、ガラス繊維を加えなくともよい。
当該成形加工方法は特に限定されるものでなく、押出成形、射出成形、ブロー成形、ガスインジェクション成形等の一般的な成形方法を用いることができる。なかでも、チューブ部材であるチューブ状部16を作成する好ましい成形方法は押出成形であり、これにより、長尺成形品を得ることができる。また、キャップ部材15及びヘッダ部材である膜固定部17を作成する好ましい成形方法は射出成型であり、これにより、複雑な形状の成形品を得ることができる。成形温度の目安は160〜360℃の範囲、好ましくは180℃〜360℃の範囲、さらに好ましくは240〜320℃の範囲である。
本実施形態におけるハウジングケース13は、その少なくとも一部を構成する樹脂組成物がブタジエンフリーであるため各種飲料規格に適合しやすく、又、耐衝撃性に優れ、さらに耐熱性も良い。又、当該ハウジングケース13は、押出成形の加工性及び外観に優れている。したがって、本実施形態におけるハウジングケース13は、上水処理用途及び食品用途に好適に用いられる。
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。実施例及び比較例で用いた各成分は以下のものである。
−(A)ポリフェニレンエーテル(PPE)−
(PPE−1):ポリ−2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル(旭化成ケミカルズ社製、商品名「ザイロン S201A」)、重量平均分子量は46,000である。
(PPE−2):ポリ−2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル(旭化成ケミカルズ社製、商品名「ザイロン S203A」)、重量平均分子量は36,000である。
−(B)ポリスチレンホモポリマー−
(GPPS):ホモポリスチレン(PSジャパン社製、商品名「PSJ−ポリスチレン 685」)
−(B')ポリスチレン−
(HIPS):ゴム補強ポリスチレン(ペトロケミカル社製、商品名「CT60」)
−(C)水添ブロック共重合体−
(SEBS−1):水添スチレン・エチレン・ブチレン・スチレン共重合体(スチレン重合体ブロック含有量32質量%、重量平均分子量200,000、水添率99%)
(SEBS−2):水添スチレン・エチレン・ブチレン・スチレン共重合体(スチレン重合体ブロック含有量32質量%、重量平均分子量200,000、水添率96%)
なお、SEBS−1は、前述の水添ブロック共重合体の製造方法に記載の方法により得た。すなわち、n−ブチルリチウムを重合触媒とし、シクロヘキサン溶中で、テトラヒドロフランをビニル含有量調節剤として、スチレンとブタジエンをアニオンブロック共重合することにより、スチレン重合体ブロック含有量32質量%、重量平均分子量200,000のブロック共重合体を合成した。また、引きつづき、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライドとn−ブチルリチウムを水添触媒として、水素圧5kg/cm2、温度50℃で2時間水素添加を行なった。
また、SEBS−2は、SEBS−1における水素添加の条件を温度50℃で1時間とした以外、SEBS−1と同様にして製造した。
−(D)リン系酸化防止剤−
(STB):リン系酸化防止剤(BASF社製、商品名「Irgafos168」)
[特性評価方法等]
得られた樹脂組成物の特性評価は、以下の方法及び条件で行った。
(ダンベル及び短冊形試験片の作製)
得られた樹脂組成物ペレットを100℃で2時間乾燥した後、東芝機械社製、IS−100GN型射出成形機(シリンダー温度を280℃、金型温度を80℃に設定)を用いて、ISO−15103に準じて試験片を作製した。
(1)MFR
JIS K7210に準拠して、試験温度250℃、試験荷重10kgの条件で樹脂組成物ペレットを用いて測定した。
(2)シャルピー衝撃強度
上記試験片を用い、耐衝撃性評価として、ISO−179に準拠し、ノッチ付きにて測定した。
(3)曲げ弾性率
上記試験片を用い、曲げ弾性率評価として、ISO−178に準拠し、試験速度2mm/分にて測定した。
(4)荷重たわみ温度(DTUL)
上記試験片を用い、耐熱性評価として、ISO−75−1に準拠し、1.8MPa下にて測定した。
(5)モールドデポジット
上記試験片を得る過程で、試験片100ショット後の金型の流動末端部のくもりを評価した。
○:目視でくもりがまったく生じない。
△:目視で若干のくもりが見られる。
×:目視であきらかにくもりが生じる。
(6)滞留変色
東芝機械社製成形機EC100SXと幅150mm、長さ150mm、厚さ2mmの平板金型を用いて、実施例・比較例に記載の方法で得られた樹脂組成物ペレット射出成形した。
この時、シリンダー温度を340℃、金型温度を90℃に設定した。射出時間15秒、射出速度50mm/分、冷却時間15秒で3ショット成形した後、10分間放置後、5ショットを前記3ショットと同条件で成形した。得られた平板成形品の前記3ショットのE*との比較で前記10分滞留後5ショットのΔE*を測定した。
○:ΔE*<2
△:ΔE*<3
×:ΔE*≧3
△より変色が少ない状態を合格の範囲とした。
(7)配管用成形品の内側外観
後述の実施例記載の方法で得られたチューブ形状の成形品を1mに切り出し、その内側外観のうねり状偏肉構造を目視確認した。
○:全長1m内にうねり状の周期的な偏肉がまったくない。
△:全長1m内に5cm未満のうねりが1か所以内である。
×:全長1m内にうねり状の周期的な偏肉が一部又は全体に見られる。
上記○と△として評価したものを合格とした。
(8)配管用成形品の熱間内圧クリープ
JIS K6776に準拠し、得られたチューブ形状の成形品から、700mmの試験片を切り採り、90±2℃で1時間状態調節後、90℃の温水で1.5MPaの圧力を加え、そのまま1時間放置後、変形の有無を目視によって調べた。
○:目視確認での変形がまったく見られない。
△:目視確認で、一部に若干の変形が見られる。
×:目視確認で、一部もしくは全体にわたって、明らかに変形が見られる。
上記○と△として評価したものを合格とした。
[樹脂組成物中のブタジエン分析]
樹脂組成物中のブタジエン濃度を、ガスクロマトグラフィを用いて下記の方法により測定した。
ブタジエン濃度は、長さ27.5m、内径0.32mm及び膜厚10μmのCHROMPACKキャピラリカラムCP−PoraPLOT Q−HTを備えたヘッドスペースガスクロマトグラフを用いたガスクロマトグラフィによって、注入量25μlで求めた。1,3−ブタジエンの保存溶液を調製するために、25mlバイアル瓶用の隔壁を中空針で2度穿孔し、中空針は1つの穿孔内に残した。隔壁とねじ蓋を備えたバイアル瓶を秤量した。N,N−ジメチルアセトアミド20mlをピペットでバイアル瓶に採取した。バイアル瓶を再度秤量した。中空針と第2の穿孔を含むバイアル瓶をねじ蓋で閉じた。換気フード内で作業して、1,3−ブタジエン約0.3gを細いチューブ経由で第2の穿孔からバイアル瓶に導入した。ねじ蓋と中空針を備えたバイアル瓶を再秤量した。バイアル瓶中の1,3−ブタジエンの濃度を、溶液1g当たりの1,3−ブタジエンのmg量として求めた。1,3−ブタジエンの標準溶液を調製するために、隔壁と蓋を備えたサンプルバイアル瓶を4個秤量した。N,N−ジメチルアセトアミド20mlをピペットで各バイアル瓶に採取した。0.1ml、0.5ml、1.0ml及び2.0mlの1,3−ブタジエン保存溶液をそれぞれ、ピペットで4つのバイアル瓶に採取した。バイアル瓶を再秤量した。各バイアル瓶中の1,3−ブタジエンの濃度を、溶液1g当たりの1,3−ブタジエンのmg量として求めた。N,N−ジメチルアセトアミド20mlをピペットで25mlバイアル瓶に採取して蓋をし、シリンジ経由でn−ペンタン40μlを添加して、内部標準溶液を調製した。分析用サンプルを以下の方法で調製した。空の25mlサンプルバイアル瓶を精製窒素でパージした。隔壁と蓋を含むヘッドスペースバイアル瓶を秤量した。質量を正確に記録した固体サンプル約1.00gをバイアル瓶に導入した。N,N−ジメチルアセトアミド5mlをピペットでバイアル瓶に採取し、蓋をした。内部標準溶液20μlをシリンジ経由で隔壁からバイアル瓶に添加した。この手順を繰り返して、合計4つのバイアル瓶サンプルを生成した。1,3−ブタジエン標準溶液A、B、C及びDのそれぞれ20μlを4つのバイアル瓶に導入した。これらのバイアル瓶をシェーカに入れて、一晩振動させた。各サンプルのヘッドスペースの1μl容積をガスクロマトグラフィで分析し、n−ペンタン内部標準と1,3−ブタジエンとのピーク面積を記録した。各サンプルについて、1,3−ブタジエンの濃度を、1,3−ブタジエンのピーク面積とn−ペンタンのピーク面積の比として求めた。ピーク面積と添加した1,3−ブタジエン濃度との比をプロットし、方程式y=ax+b(y:1,3−ブタジエンとn−ペンタンとのピーク面積比、a:回帰の勾配(kg/mg)、x:固体中の1,3−ブタジエンの濃度(mg/kg)、b:は回帰線の切片)に適合させた。固体中のブタジエンの濃度をb/a(a:回帰線の勾配(kg/mg)、b:回帰線の切片)として求める。結果は、ポリマー1kg当たりの1,3−ブタジエンのmg単位で表した、固体中の1,3−ブタジエンの濃度(すなわち、1,3−ブタジエンの質量ppm)である。
[実施例1]
表1に示した配合の樹脂組成物を以下の製造条件にて作製した。スクリュー直径58mm、バレル数13である、減圧ベント口付二軸押出機(東芝機械社製、「TEM58SS」)に、表1に記載の配合組成の材料を、表1に記載する条件で供給して溶融混練した。
押出機のスクリュー構成は全バレル長の約70%を前段(未溶融〜半溶融混合)ゾーン、残りのバレル長約30%をバレルの後段ゾーン(溶融混練ゾーン)とした。バレル設定温度をバレル1:水冷、バレル2:150℃、バレル3〜8:200℃、バレル9:250℃、バレル10〜13:280℃、ダイス:290℃として、スクリュー回転数400rpm、吐出量400kg/hrの条件で、溶融混練及び押出しを行い、樹脂組成物ペレットを得た。この場合、バレル1〜9までがバレルの前段ゾーンであり、バレル10〜13までをバレルの後段ゾーンとした。その際、真空脱気口をバレル11に設け、約100hPaで減圧脱気した。また、窒素を第1供給口下部から約30L/分で供給し、第1供給口上部で酸素濃度は約2.0%とした。
次に、得られた樹脂組成物ペレットを、120mmΦ単軸押出機を用いて、320℃のシリンダー温度で、チューブ形状の口金より樹脂組成物を吐出させてチューブ形状の成形品を得た。具体的には、チューブ形状の口金は、表1に示すようにチューブの厚さが6mm、チューブ外径が200mmΦとなるような形状の口金を用いた。この時の吐出量はチューブ長手方向の速度が10mm/分となるようにおこなった。吐出された樹脂はチューブの外表面と接触する設定温度60℃の冷却金型により、内側も冷却用窒素ガスを20〜40℃で吹き込みながら冷却した。
得られた樹脂組成物ペレット及び成形品を上記評価法にて評価を行い、表1の結果を得た。
[実施例2〜9、比較例1〜5]
表1及び表2に記載の配合及び条件とした点以外は、実施例1と同様の操作で、樹脂組成物ペレットを作製した。得られた樹脂組成物ペレットについて、同様に評価して表1及び表2の結果を得た。
Figure 0006956041
*1:(A)成分〜(C)成分の総量100質量部((B’)成分も用いる場合には、(B’)成分も総量に加算)に対する含有量。
Figure 0006956041
*1:(A)成分〜(C)成分の総量100質量部((B’)成分も用いる場合には、(B’)成分も総量に加算)に対する含有量。
表1及び表2に示すように、実施例1〜9の樹脂組成物は、ブタジエンが0.1mg/kg未満であり、高い耐衝撃性と耐熱性を有し、かつ、配管用成形品とした時の外観に優れ、熱間内圧クリープ性に優れていることが確認された。
本発明の分離膜モジュールにおいて、ハウジングケースの樹脂組成物はブタジエンが0.1mg/kg未満であるので、ブタジエンの溶出量を低減し、かつ外観、耐衝撃性、耐熱性に優れている。また本発明の分離膜モジュールは、例えば、上水処理用途及び食品用途に好適に利用できる。
10 分離膜モジュール
11 多孔膜
12 封止材
13 ハウジングケース
14 ハウジング本体
15 キャップ部材
16 チューブ状部(チューブ部材)
17 膜固定部(ヘッダ部材)
18 ノズル部
19 ナット
20 Oリング
21 管路
22 ネジ山
23 ネジ山
th 貫通孔

Claims (13)

  1. 多孔膜と、前記多孔膜を収容するハウジングケースと、前記多孔膜の少なくとも一部を前記ハウジングケースに固定する封止材と、を備える分離膜モジュールであって、
    前記ハウジングケースの少なくとも一部は、(A)ポリフェニレンエーテル、(B)ポリスチレンホモポリマー、及び(C)スチレン重合体ブロックと共役ジエン化合物重合体ブロックからなるブロック共重合体を水素添加して得られた、重量平均分子量が10万〜40万の範囲である水添ブロック共重合体、を含有する樹脂組成物からなり、
    前記樹脂組成物は、前記(A)、(B)、及び(C)成分の総量100質量部に対して、
    前記(A)成分5〜50質量部、
    前記(B)成分20〜90質量部、及び
    前記(C)成分3〜30質量部、を含有し、
    前記樹脂組成物中のブタジエンが、0.1mg/kg未満であることを特徴とする分離膜モジュール。
  2. 前記樹脂組成物が、前記(A)、(B)、及び(C)成分の総量100質量部に対して、更に(D)リン系酸化防止剤を0.05〜1質量部含有することを特徴とする請求項1に記載の分離膜モジュール。
  3. 前記(A)成分の重量平均分子量が40,000〜100,000の範囲であることを特徴とする請求項1又は2に記載の分離膜モジュール。
  4. 前記(C)成分の水素添加率が95%以上であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の分離膜モジュール。
  5. 前記ハウジングケースは、筒状のチューブ状部を少なくとも含み、
    前記チューブ状部の少なくとも一部が、前記樹脂組成物からなる
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の分離膜モジュール。
  6. 前記チューブ状部は、チューブ部材である
    ことを特徴とする請求項5に記載の分離膜モジュール。
  7. 前記チューブ状部の外径D(mm)は40mm以上であって、
    前記チューブ状部の肉厚t(mm)が、(1/40)D<t<(1/10)Dの範囲であることを特徴とする請求項5又は6に記載の分離膜モジュール。
  8. 前記チューブ状部の、内壁面積を内容積で除した値が、0.12m-1以下である
    ことを特徴とする請求項5から7のいずれか1項に記載の分離膜モジュール。
  9. 前記ハウジングケースは、ノズル部を有するヘッダ部材を少なくとも含み、
    前記ヘッダ部材の少なくとも一部が、前記樹脂組成物からなることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の分離膜モジュール。
  10. 前記ハウジングケースは、キャップ部材を少なくとも含み、
    前記キャップ部材の少なくとも一部は、前記樹脂組成物からなることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の分離膜モジュール。
  11. 前記ハウジングケースが、ネジ山を少なくとも含み、
    前記ネジ山のピッチが1mm以上であることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の分離膜モジュール。
  12. 前記多孔膜が、中空糸形状であることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の分離膜モジュール。
  13. 上水処理用途又は食品用途に用いられることを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の分離膜モジュール。
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