JP2008291183A - 配管部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物が有する欠点を克服し、高温クリープ特性に優れ、高温域(60〜95℃)における剛性を有し、塩化ビニル樹脂と同じ製造設備を使用でき、成形性が良好で外観の良い配管部材の提供。
【解決手段】ポリフェニレンエーテル系樹脂100質量部に対し、ポリスチレン系樹脂50〜12質量部を必須成分とし、混練後のメルトフローレートが1.0〜5.0g/10分である樹脂組成物からなる配管部材。又、成形収縮率が0.5〜0.8%であること、95℃雰囲気下で5.0MPaの引張荷重をかけた高温クリープ特性において、破壊に至るまでの時間が1000時間以上であること、前記混練後の樹脂組成物の成形前の含水量が250ppm未満であることを個別の特徴とする。
【選択図】なし
【解決手段】ポリフェニレンエーテル系樹脂100質量部に対し、ポリスチレン系樹脂50〜12質量部を必須成分とし、混練後のメルトフローレートが1.0〜5.0g/10分である樹脂組成物からなる配管部材。又、成形収縮率が0.5〜0.8%であること、95℃雰囲気下で5.0MPaの引張荷重をかけた高温クリープ特性において、破壊に至るまでの時間が1000時間以上であること、前記混練後の樹脂組成物の成形前の含水量が250ppm未満であることを個別の特徴とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を用いて成形した配管部材、特に、押出成形で製造されるパイプや、射出成形、押出成形、真空・圧空成形等で製造される継手、フランジ等の配管部材に関するものである。
ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物は、剛性、耐熱性、耐薬品性等の優れた特性を有しており、工業用品としては、OA機器・電気・電子部品やハウジング等や自動車用品(例えば、ホイルキャップ、フェンダー等)にも使用されている。
また、ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物は、高温域(60〜95℃)での酸・アルカリに対する耐性を有しており、価格も汎用エンジニアリングプラスチックスの中でも比較的安価であることから、工業分野において高温の薬液を流すための高温用配管部材に適している。このような高温用配管部材は従来の金属管から樹脂管へ転換する傾向にあり、ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物もその候補にあることから今後の普及が大きく期待されている。
従来のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物製の配管部材として、ポリフェニレンエーテル系樹脂とポリスチレン系樹脂とを含むポリフェニレンエーテル系樹脂組成物からなる耐熱性配水用配管があった(特許文献1参照)。このうち、ポリスチレン系樹脂はホモポリスチレン、ゴム成分で変性されたハイインパクトポリスチレン(耐衝撃性ポリスチレン)およびシンジオタクチック構造を有するポリスチレンからなる群から選択される少なくとも1種であるものであった。その効果は、従来から使用されている塩化ビニル樹脂製配水用配管との代替が可能であるとともに、塩化ビニル樹脂製配水用配管が使用できなかった耐熱性が要求される用途に使用できるものであった。
また、他の従来のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物製の配管部材として、ポリフェニレンエーテル系樹脂とスチレン系樹脂との組み合わせより成る樹脂成分( A )70 〜99重量部、ビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックと共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックを有する水素添加ブロック共重合体( B )1〜30重量部および可塑剤( C )0.5〜10重量部である配管用樹脂組成物から得られる樹脂製管があった(特許文献2参照)。その効果は、耐衝撃性を改善し、さらに耐薬品性、離型性、耐熱性に優れ、難燃性も有するものであった。
しかしながら、前記従来の耐熱性配水用配管(特許文献1)ではメルトフローレート(以下、MFRと記す)に関する記述が無く、この先行技術文献では、排水用配管の成形用樹脂組成物のMFRに関しては何ら注目されていなかった。しかし、MFRの値が小さすぎると、樹脂の流動性が悪くなり配管部材を成形することができなくなる問題があった。また、MFRの値が大きくなると、樹脂の流動性が良好になるがその反面分子量が小さくなるため高温クリープ特性や耐薬品性などが低下する問題があった。さらにパイプの押出成形において、MFRの値が好適な範囲より若干大きくなると、パイプは成形できるものの流動性が良すぎるために重力の影響で偏肉してしまい、パイプに反りが発生するので良好なパイプを得ることができなくなる問題や、MFRの値が好適な範囲より大きく離れると、ドローダウンが発生してパイプが製造できなくなる問題があった。そのため、直接接液して内部圧力がかかる配管部材の用途において、従来の耐熱性配水用配管では樹脂組成物の配合によっては、配管部材として成形できなかったり必要な性能を十分満たさないものがあるという問題があった。
また、前記従来の樹脂製管(特許文献2)では実施例においてMFRが18〜54のものが開示されているが、このような範囲ではMFRの値が大きすぎるため、流体に薬液を流す配管ラインに使用する場合、高温クリープ特性が低いため長期間の強度を有しておらず、薬液によるストレスクラックが起こり易いという問題があった。また配管部材(特にパイプ)が大口径(50mm以上)の場合、MFRの値が大きくなると小口径程度なら問題はなくても大口径になるにつれてパイプの押出成形時に偏肉してパイプに反りが発生して良好な成形品を得ることが困難となり、MFRの値が大きくなりすぎるとドローダウンが発生してパイプを押出成形できなくなるという問題があった。
また、前記従来の耐熱性配水用配管及び樹脂製管に共通して、塩化ビニル樹脂製配水用配管の代替が可能としているが、ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物は、ポリフェニレンエーテル系樹脂とポリスチレン系樹脂との配合割合によって成形収縮率が大幅に変化する。そのため、塩化ビニル樹脂製配水用配管を製造する既存の設備をポリフェニレンエーテル系樹脂組成物に利用する場合、成形収縮率が塩化ビニル樹脂の成形収縮率と異なると同じ金型を用いて成形しても成形品の寸法が変わるため、塩化ビニル樹脂の設備をそのまま利用することができない。そのため、ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を成形する際には新たな設備(特に金型)が必要となり、製品のラインナップに必要な設備の量が膨大となり、設備の設置スペースを多くとり、設備を揃える費用も多くかかるという問題があった。
さらに、前記従来の耐熱性配水用配管及び樹脂製管に共通して、厚肉の製品を成形する際に樹脂組成物の乾燥が不十分だと、成形品表面にシルバーストリーク、気泡等の外観不良が発生し易く、一般的に厚肉(肉厚5mm以上)の製品が多い配管部材では、成形品の外観不良率が高くなるという問題があった。
本発明は上記従来のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物が有する欠点を克服し、高温クリープ特性に優れ、高温域(60〜95℃)における剛性を有し、塩化ビニル樹脂と同じ製造設備を使用でき、成形性が良好で外観の良い配管部材を提供することを目的としてなされたものである。
本発明者らは上記の好ましい性質を有するポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、特定割合のポリフェニレンエーテル系樹脂とポリスチレン系樹脂を必須とし、混練後の樹脂組成物を特定のMFRとしたことによって上記目的が達成されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、ポリフェニレンエーテル系樹脂100質量部に対し、ポリスチレン系樹脂50〜120質量部を必須成分とし、混練後のメルトフローレートが1.0〜5.0g/10分である樹脂組成物からなることを第一の特徴とし、成形収縮率が0.5〜0.8%であることを第二の特徴とし、95℃雰囲気下で5.0MPaの引張荷重をかけた高温クリープ特性において、破壊に至るまでの時間が1000時間以上であることを第三の特徴とし、前記混練後の樹脂組成物の成形前の含水量が250ppm未満であることを第四の特徴とし、ポリフェニレンエーテル系樹脂100質量部に対して、スチレン含有量が10〜40%であり、重量平均分子量が20万以上のスチレン・ブタジエン系ゴム1〜15質量部をさらに配合してなることを第五の特徴とし、前記配管部材が管または継手であり、該管または該継手の外径Dと肉厚tが、1)D>48mm、2)(1/35)D <t<(1/9)Dであることを第六の特徴とする。
ポリフェニレンエーテル系樹脂は、機械強度や弾性率は大きいが、流動性が悪いためポリフェニレンエーテル系樹脂単独では成形することができないため、成形するには他の樹脂を配合することで流動性を向上させる必要がある。この配合に用いる樹脂はポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等が挙げられるが、配管部材として要求される特性(高温クリープ特性、成形収縮率、耐薬品性、価格等)をバランス良く有していることからポリスチレン系樹脂である必要がある。
ここでポリフェニレンエーテル系樹脂組成物からなる配管部材を高温用配管部材に用いるのであれば、要求される特性は高温流体を内圧がかかった状態で流しても長期間使用できる強度が必要であり、これは例えばSDR(外径/肉厚)=11の場合だと0.4MPaの圧力をかけた時に10年間破壊しない程度の強度と同等以上の高温クリープ特性が求められる。
本発明において、ポリフェニレンエーテル系樹脂とポリスチレン系樹脂の配合割合は、上記の高温用配管部材に要求される特性を満足させる範囲にする必要があり、ポリフェニレンエーテル系樹脂100質量部に対してポリスチレン系樹脂の配合量は50〜120質量部である必要がある。これは、衝撃強度を向上させると共に、流動性を向上させて成形性を良くするためにはポリスチレン系樹脂が50質量部以上がよく、良好な高温クリープ特性を有し、機械強度の低下を抑え、耐熱性を維持するためにはポリスチレン系樹脂が120質量部以下がよい。また、ポリフェニレンエーテル系樹脂100質量部に対してポリスチレン系樹脂の配合量は50〜120質量部であると、ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物の成形収縮率が塩化ビニル樹脂の成形収縮率に近い範囲となるため、塩化ビニル樹脂と同等の成形収縮率を得るためにも好適である。なお、ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物は、ポリフェニレンエーテル系樹脂とポリスチレン系樹脂をブレンドしたものを用いても良いが、両者をグラフト共重合しても良く、グラフト共重合することによって良好な加工性と長期物性を得ることができ、特に高温クリープ特性が良好となる。
また、本発明においてポリフェニレンエーテル系樹脂組成物のMFRは1.0〜5.0g/10分である必要がある。成形に必要な樹脂組成物の流動性を有し、特に厚肉の配管部材を成形するのに良好な生産性を得るためには1.0g/10以上が良く、パイプ成形におけるパイプの偏肉による反りや樹脂組成物のドローダウンを抑え、良好な高温クリープ特性を得るために5.0g/10以下が良い。なお、ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物のMFRは、JIS K7210に準拠し、試験温度250℃、試験荷重10kgの条件で測定したものである。
また、本発明においてポリフェニレンエーテル系樹脂組成物の成形収縮率が0.5〜0.8%であることが好ましく、より具体的には、肉厚10mmの成形品における流動方向の成形収縮率が0.6〜0.8%であり、直角方向の成形収縮率が0.5〜0.7%であることがより好ましい。樹脂の種類や配合する樹脂の量の違いによって樹脂組成物の成形収縮率は変化するが、成形収縮率が0.5〜0.8%のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物であれば、配管部材に用いられる塩化ビニル樹脂の成形収縮率とほぼ同等のため、例えば塩化ビニル樹脂製配管部材用の金型を用いてポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を射出成形すると、成形した配管部材は塩化ビニル樹脂で成形した配管部材とほぼ同じ寸法の配管部材を得ることができる。そのため、従来の塩化ビニル樹脂と同一の製造設備を共有することができ、製品のラインナップを揃えるためにポリフェニレンエーテル系樹脂組成物用の製造設備を増設する必要がなくなり、余計な費用が掛からず、製造設備の設置スペースも新たに設けなくて済む。
ここで配管部材は、高温クリープ試験における温度、引張荷重、保持時間の関係から、同じ温度で引張荷重を変化させたときの保持時間を、DIN8078を参照してNadayの式と周応力−時間特定グラフから換算することができる。引張荷重をかけることとは、配管部材(パイプ)ではパイプ内圧がかかることとして考えることができ、引張荷重に相当するパイプ内圧はパイプ肉厚とパイプ外径によって変化し、式1のNadayの式から算出される。なお、式1における試験応力が引張荷重となる。
パイプ内圧=(2×パイプ肉厚×試験応力)/(パイプ外径−パイプ肉厚)・・・式1
パイプ内圧=(2×パイプ肉厚×試験応力)/(パイプ外径−パイプ肉厚)・・・式1
本発明における配管部材は、95℃雰囲気下で5.0MPaの引張荷重をかけた高温クリープ特性において、破壊に至るまでの時間が1000時間以上であることが好ましい。これはパイプ肉厚6.0mm、パイプ外径63mmのパイプの場合、式1より引張荷重5.0MPaはパイプ内圧1.0MPaとなり、95℃雰囲気下で1.0MPaのパイプ内圧をかけで1000時間以上保持することになる。これを95℃雰囲気下で保持時間が10年になるように場合、DIN8078を参照してNadayの式と周応力−時間特定グラフから換算すると内圧は0.6MPaとなるため、95℃雰囲気下で内圧0.6MPaのときパイプは10年の寿命を有することとなる。これに対し、例えば高温用配管部材として用いられる他の材料の一般的なポリプロピレン系樹脂組成物製の配管部材の場合、同様にパイプ肉厚6.0mm、パイプ外径63mmのパイプを95℃雰囲気下で1.0MPaのパイプ内圧をかけると約10時間程度で破壊に至るものであり、1000時間以上保持しようとすると95℃雰囲気下で0.7MPaのパイプ内圧まで下げる必要がある。これを95℃雰囲気下で保持時間が10年になるように換算すると内圧は0.4MPaとなる。このことから、ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物製の配管部材の許容圧力は、ポリプロピレン系樹脂組成物製の配管部材の1.5倍となり、より高圧の用途で使用することができる。このような高温・高圧の用途においては、本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物のうち、ポリフェニレンエーテル系樹脂100質量部に対するポリスチレン系樹脂の配合量は50〜105質量部であり、混練後のMFRが1.5〜4.5g/10分であることがより好ましい。
また、配管部材を95℃以上で使用する場合、例えば温度を100℃とした時では、ポリプロピレン系樹脂組成物では軟化温度付近ということもあり100℃雰囲気下では樹脂組成物が軟化して配管部材としての強度を十分保持できないのに対し、ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物は軟化することがないので、温度、引張荷重、保持時間を換算すると使用圧力を低下させる(肉厚6.0mm、外径63mmのパイプの場合、100℃雰囲気下で保持時間が10年とするには内圧は0.2MPaとなる)という制限はあるものの問題なく使用することができる。つまり、既存の他の樹脂組成物製の配管部材では十分網羅できなかった耐薬品性を有し、高温域(60〜95℃)はもとより、100℃付近で使用可能であり、ポリプロピレン系樹脂組成物製配管部材よりも高温の用途における配管部材として最適である。
さらに本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物の成形前の含水量は250ppm未満(100ppm=0.01%)が望ましい。外観不良(シルバーストリークなど)や内部に気泡を発生させないためには250ppm未満が良く、理想としては0ppmであることが好ましい。特に厚肉の成形品(例えば口径50mm以上で肉厚5mm以上となるパイプ)の場合は含水量によって外観不良や気泡が発生し易くなるため、不良率を低下させるために好適である。なお、含水量を250ppm未満にするためのポリフェニレンエーテル系樹脂組成物の乾燥温度は、厚肉の成形品の場合100〜110℃で10時間程度にするか、もしくは90〜100℃で乾燥時間を24時間程度にするとよい。
また、本発明ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物は、配管部材として要求される特性の許容範囲内であればポリフェニレンエーテル系樹脂組成物に他のポリマーを含んでも良い。他のポリマーとしては、配管部材として必要な特性より低下させない範囲内であれば特に限定されないが、スチレン・ブタジエン系ゴムが特に好適なものとして挙げられ、スチレン・ブタジエン系ゴムを配合することで高温クリープ特性を維持したまま衝撃強度を向上させることができる。
ここで、ポリフェニレンエーテル系樹脂100質量部に対し、スチレン・ブタジエン系ゴムの配合割合は1〜15質量部が好ましい。これは良好な高温クリープ特性、衝撃強度を得るためには1質量部以上が良く、良好な耐熱性と剛性を得るために15質量部以下が良い。なお、他のポリマーについては、その合計量がポリフェニレンエーテル系樹脂100質量部に対して1〜15質量部になるようにすることが好ましい。
また、スチレン・ブタジエン系ゴムのスチレン含有量は10〜40%が良く、15〜35%であることがより望ましい。スチレン・ブタジエン系ゴムのスチレン含有量は、少なすぎると物性の変化は小さく、逆に多すぎると弾性率が低くなり機械強度が弱くなるものの流動性は良くなるので配管部材の成形性は向上するという関係にある。そのため配管部材に必要である良好な高温クリープ特性や衝撃強度をバランスよく満たすためにはスチレン含有量10%以上が良く、良好な相溶性を得た上で良好な高温クリープ特性、衝撃強度をバランスよく満たすためにはスチレン含有量40%以下が良い。
また、本発明のスチレン・ブタジエン系ゴムの重量平均分子量は20万以上が良い。ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物に重量平均分子量20万以下のスチレン・ブタジエン系ゴムを配合すると、衝撃強度は向上するが高温クリープ特性が著しく損なわれることから、高温用配管部材として用いるには不十分であるため、良好な高温クリープ特性、衝撃強度を得るためには20万以上が良い。ここでスチレン・ブタジエン系ゴムの重量平均分子量をより高分子量にすると高温クリープ特性が向上するため、重量平均分子量の上限は特に限定しないが、重量平均分子量が高くなることでスチレン・ブタジエン系ゴムの製造が困難とならないように、実用的には数百万程度が良く、具体的には20万〜300万であることが好適である。また、ポリフェニレンエーテル系樹脂とポリスチレン系樹脂、スチレン・ブタジエン系ゴムの混練後のMFRは混練前と変化しないか混練前より低下していることが望ましく、混練後のMFRを上昇させないためにはスチレン・ブタジエン系ゴムはMFRが測定できない程の高分子量であれば混練後のMFRはむしろ低下させることができるため(表1の実施例5と実施例6参照。スチレン・ブタジエン系ゴムの分子量の違いにより、実施例6の分子量10万の場合の混練後のMFRに対して、実施例5の分子量23万の混練後のMFRは低下している)、スチレン・ブタジエン系ゴムをMFRが測定できない程の高分子量にするためにも重量平均分子量が20万以上であることが必要である。
本発明のスチレン・ブタジエン系ゴムの重合方法や重合触媒は、いかなる方法、触媒を用いても良い。なお、スチレン・ブタジエン系ゴムをポリフェニレンエーテル系樹脂組成物に配合した時の耐薬品性や耐候性の点から、水素添加率は100%に近い方が望ましく、具体的な水素添加率は、耐候性や耐熱性、耐薬品性の点から85%以上、より好ましくは90%以上、さらには95%以上であることが好ましい。
本発明の配管部材が管または継手の場合、小口径では肉厚の影響は少ないが、大口径(口径50mm以上)になると、管の外径と肉厚との関係が耐熱性や高温クリープ特性に影響する。また、既存の樹脂管(塩化ビニル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等)との耐熱的な優位性を発揮するためには、大口径の配管部材が90℃以上の高温で内圧がかかった状態でも長期間耐え得るに適した肉厚が必要である。この肉厚の範囲として、管の外径Dが48mm(口径50mm以上を前提とした管の寸法範囲を考慮した最小寸法)より大きい場合、肉厚tは(1/35)D<t<(1/9)Dの範囲が好ましい。配管部材を使用する上で支障のない耐圧強度を保持するために肉厚tは(1/35)Dより大きい必要があり、樹脂組成物の使用量を低減させ管の重量が重くなりすぎなくするためには(1/9)Dより小さい必要がある。さらに詳しくは、管の外径Dによって好適な肉厚tの範囲は異なっており、48mm<D<100mmの時は(1/17)D<t<(1/9)Dがより好ましく、100mm<D<250mmの時は(1/20)D<t<(1/15)Dがより好ましく、D>250mmの時は(1/35)D<t<(1/18)Dがより好ましい。
本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂としては、公知のものを特に制限無く使用でき、単独重合体であっても共重合体であっても良く、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2 ,6−ジエチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−n−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジ−n−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−n−ブチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−イソプロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−クロロエチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−ヒドロキシエチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−クロロエチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジメトキシ−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジクロロメチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジブロモメチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジフェニル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジトリル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(26−ジクロロ−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジベンジル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,5−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルなどが挙げられる。
本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物で用いられるポリスチレン系樹脂は、スチレン及びスチレン誘導体の単独重合体、例えば、ポリスチレン、ゴム変性ポリスチレン(ハイインパクトポリスチレン)、シンジオタクチックポリスチレン等が挙げられ、さらにはスチレン系共重合体、例えば、スチレン−アクリロニトリル共重合体(AS樹脂)、スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(ABS樹脂)等が挙げられる。このうち相溶性が良好で衝撃強度を向上させる点でハイインパクトポリスチレンを用いることが好ましい。
また、本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物は、必要により応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤などの安定剤を配合しても良く、これらの配合により組成物の熱安定性や耐光性を向上させることができる。
酸化防止剤としては、例えば2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2 ’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,4− ビス〔( オクチルチオ)メチル〕−0−クレゾール、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルべンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,4−ジ−t−アミル−6−〔1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル〕フェニルアクリレート、2−1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ぺンチルフェニル)]アクリレートなどのヒンダードフェノール系酸化防止剤;ジラウリルチオジプロビオネート、ラウリルステアリルチオジプロピオネートペンタエリスリトール−テトラキス(β−ラウリルチオプロピオネート)などのイオウ系酸化防止剤; トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル) ホスファイトなどのリン系酸化防止剤などを挙げることができる。
紫外線吸収剤、光安定剤としては、例えば2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル−5−クロロベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤あるいはヒンダードアミン系光安定剤などを挙げることができる。
本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物は必要に応じて(例えば接液しない部分の強度を向上させたいとき等)、球状フィラー、板状フィラー、繊維状フィラー等の無機充填材を配合してもよい。これらは単独でも、2種類以上組み合わせて用いても良い。球状フィラーとしては、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、クレー、パーライト、シラスバルーン、珪藻土、焼成アルミナ、ケイ酸カルシウム等が挙げられる。板状フィラーとしては、タルク、マイカ等が挙げられる。繊維状フィラーとしてはガラス繊維、炭素繊維、ホウ素繊維、炭化ケイ素繊維、チタン酸カリウム繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、ポリアリレート繊維、ポリイミド繊維等が挙げられる。
また、その他必要に応じて、難燃剤(塩素化ポリエチレン、デカブロモジフェニルエーテル等のハロゲン系、トリクレジルホスフェート等のリン系、水酸化アルミニウム等の無機系等)、滑剤(流動パラフィン等の炭化水素系、ステアリン酸等の脂肪酸、ステアリルアルコール等の高級アルコール系、ステアリン酸アミド等のアミド系、ステアリン酸カルシウム等の金属せっけん系等)、帯電防止剤(ポリアルキレングリコール、スルホン酸基含有化合物等)、抗菌剤(ゼオライト等の無機系、2−(4−チアゾリル)ベンツイミダゾール等の有機系等)、着色剤(酸化チタン等の無機系、カーボンブラック等の有機系等)等を配合してもよい。それらの配合量は添加剤の種類によって変化するため、組成物の物性を低下させずに添加剤の効果が十分発揮される量を配合することが好ましい。以上のごとく配合した後、溶融混練する方法には特に制限はなく、単軸押出機や二軸押出機、ニーダーなどを用いることで各成分が均一に分散したポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を得ることができる。
本発明のポリフェレニレンエーテル系樹脂組成物を用いた配管部材とは特にパイプ、継手に関するものであり、その成形方法は特に制限は無く、押出成形で製造されるパイプ、多層パイプ、射出成形、真空・圧空成形等で製造される継手、フランジ等が挙げられる。
本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を用いて製造される配管部材とは、以下のような優れた特性を有する。
(1)ポリフェニレンエーテル系樹脂100質量部に対し、ポリスチレン系樹脂50〜120質量部を必須成分とすることで、高温クリープ特性と衝撃強度のバランスが良い配管部材を得ることができる。
(2)ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物のMFRを1.0〜5.0g/10分と限定することで、成形時における流動性を確保し反りのない良好な成形品を得ることができ、高温クリープ特性を保持することができる。
(3)成形収縮率が0.5〜0.8%であることで塩化ビニル樹脂と同一の製造設備を使用することができる。
(4)95℃雰囲気下で5.0MPaの引張荷重をかけて1000時間以上保持することで、95℃の雰囲気下で内圧0.6MPaがかかった状態で10年の寿命を有することができ、配管部材として長期間使用が可能である。
(5)成形前の含水量を250ppm未満にすることにより、特に厚肉の配管部材において、成形時における外観不良や気泡等を防ぐことができる。
(6)重量平均分子量20万以上のスチレン・ブタジエン系ゴムの配合により、高温クリープ特性を低下させずに衝撃強度を高めることができる。
(1)ポリフェニレンエーテル系樹脂100質量部に対し、ポリスチレン系樹脂50〜120質量部を必須成分とすることで、高温クリープ特性と衝撃強度のバランスが良い配管部材を得ることができる。
(2)ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物のMFRを1.0〜5.0g/10分と限定することで、成形時における流動性を確保し反りのない良好な成形品を得ることができ、高温クリープ特性を保持することができる。
(3)成形収縮率が0.5〜0.8%であることで塩化ビニル樹脂と同一の製造設備を使用することができる。
(4)95℃雰囲気下で5.0MPaの引張荷重をかけて1000時間以上保持することで、95℃の雰囲気下で内圧0.6MPaがかかった状態で10年の寿命を有することができ、配管部材として長期間使用が可能である。
(5)成形前の含水量を250ppm未満にすることにより、特に厚肉の配管部材において、成形時における外観不良や気泡等を防ぐことができる。
(6)重量平均分子量20万以上のスチレン・ブタジエン系ゴムの配合により、高温クリープ特性を低下させずに衝撃強度を高めることができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物製配管部材について、その性能を以下に示す試験方法で評価した。評価の内容は、異なる配合のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物から押出成形したパイプの機械的物性の評価と、異なるMFRと異なる含水量のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物から押出成形したパイプの成形性と外観の評価と、ポリフェニレンエーテル系樹脂とポリスチレン系樹脂の配合比率が異なるポリフェニレンエーテル系樹脂組成物から射出成形した継手の成形収縮率の評価である。
(1)MFR測定
JIS K7210に準拠して、試験温度250℃、試験荷重10kgの条件で測定した。
(2)ノッチ付きアイゾット衝撃試験
JIS K7110に準拠して、ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物製パイプからノッチ付きアイゾット衝撃試験片を切り出し、23±1℃の雰囲気中でアイゾット衝撃強度を測定した。
(3)高温クリープ試験
DIN8078に準拠して、ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物製パイプ1000mmに対し、95±1℃、内圧1.0MPa(パイプ厚さ6.0mm、外径63mm、引張荷重で5.0MPaに相当するパイプ内圧を式1のNadayの式から算出)をかけ、破壊に至るまでの時間を測定した。
パイプ内圧=(2×パイプ肉厚×試験応力)/(パイプ外径−パイプ肉厚)・・・式1
(4)成形収縮率
射出成形機にて筒状試験片(塩化ビニル樹脂用金型、基準寸法:外径70mm、幅(筒の長さ)133mm、肉厚6mm)を成形し、23℃雰囲気中で2日間放置した後、外径(直角方向に2点)と幅(外周に等間隔に4点)の寸法値を測定した。測定は試験片10個を測定し、外径と幅の平均値を算出し、外径と幅の平均値から各々の成形収縮率を式2より算出した。比較対象として同様に塩化ビニル樹脂を成形して寸法を測定し、成形収縮率を式2より算出した。なお、基準寸法とは、成形品が狙う寸法であり、製品寸法のことである。また、本試験で使用した塩化ビニル樹脂用金型は、塩化ビニル樹脂で成形したときに基準寸法に対する寸法許容差が、外径で±0.2mm以内、幅で±0.2mm以内の範囲内になるように調整されている。この金型寸法(実測値)は外径70.59mm、幅133.81mmで設計されている。本試験では、幅の成形収縮率が0.5〜0.8%の範囲内(外径の収縮率は、試験片が筒状で内部に空間があるため本来の成形収縮率より大きな値になるので、幅で比較を行う)であり、基準寸法の寸法許容差の外径で±0.2mm以内、幅で±0.2mm以内の範囲内であることを合格とする。
成形収縮率={(金型寸法−試験片寸法)/金型寸法}×100・・・式2
(5)含水量測定
設定温度230℃で、カールフィッシャー法により測定した。
JIS K7210に準拠して、試験温度250℃、試験荷重10kgの条件で測定した。
(2)ノッチ付きアイゾット衝撃試験
JIS K7110に準拠して、ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物製パイプからノッチ付きアイゾット衝撃試験片を切り出し、23±1℃の雰囲気中でアイゾット衝撃強度を測定した。
(3)高温クリープ試験
DIN8078に準拠して、ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物製パイプ1000mmに対し、95±1℃、内圧1.0MPa(パイプ厚さ6.0mm、外径63mm、引張荷重で5.0MPaに相当するパイプ内圧を式1のNadayの式から算出)をかけ、破壊に至るまでの時間を測定した。
パイプ内圧=(2×パイプ肉厚×試験応力)/(パイプ外径−パイプ肉厚)・・・式1
(4)成形収縮率
射出成形機にて筒状試験片(塩化ビニル樹脂用金型、基準寸法:外径70mm、幅(筒の長さ)133mm、肉厚6mm)を成形し、23℃雰囲気中で2日間放置した後、外径(直角方向に2点)と幅(外周に等間隔に4点)の寸法値を測定した。測定は試験片10個を測定し、外径と幅の平均値を算出し、外径と幅の平均値から各々の成形収縮率を式2より算出した。比較対象として同様に塩化ビニル樹脂を成形して寸法を測定し、成形収縮率を式2より算出した。なお、基準寸法とは、成形品が狙う寸法であり、製品寸法のことである。また、本試験で使用した塩化ビニル樹脂用金型は、塩化ビニル樹脂で成形したときに基準寸法に対する寸法許容差が、外径で±0.2mm以内、幅で±0.2mm以内の範囲内になるように調整されている。この金型寸法(実測値)は外径70.59mm、幅133.81mmで設計されている。本試験では、幅の成形収縮率が0.5〜0.8%の範囲内(外径の収縮率は、試験片が筒状で内部に空間があるため本来の成形収縮率より大きな値になるので、幅で比較を行う)であり、基準寸法の寸法許容差の外径で±0.2mm以内、幅で±0.2mm以内の範囲内であることを合格とする。
成形収縮率={(金型寸法−試験片寸法)/金型寸法}×100・・・式2
(5)含水量測定
設定温度230℃で、カールフィッシャー法により測定した。
ポリフェニレンエーテル系樹脂100質量部、ポリスチレン系樹脂のハイインパクトポリスチレン80質量部を配合し、二軸押出機にて混練してペレット化し、混練後のMFRが3.62のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を製造した。得られた樹脂組成物を乾燥(110℃で24時間)させ、含水量を250ppm未満にしたのち、単軸押出機を用いてシリンダー温度250℃にて肉厚6.0mm、外径63mmのポリフェニレンエーテル系樹脂組成物製のパイプを成形し、パイプから各種試験用の試験片を作製し、ノッチ付きアイゾット衝撃試験、高温クリープ試験を行い、その結果を表1に示す。また、パイプ成形時の押出成形性と成形したパイプの外観の評価を行い、その結果を表2に示す。また、樹脂組成物で射出成形した継手の成形収縮率の測定を行い、その結果を表3に示す。
ポリフェニレンエーテル系樹脂100質量部、ハイインパクトポリスチレン80質量部を配合し、実施例1と同様に混練してペレット化し、混練後のMFRが1.57のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を製造した。得られた樹脂組成物を乾燥させ、含水量を250ppm未満にしたのち、パイプを成形し、各種物性評価試験を行った結果を表1に示す。また、押出成形性と外観の評価を行った結果を表2に示す。
ポリフェニレンエーテル系樹脂100質量部、ハイインパクトポリスチレン60質量部を配合し、実施例1と同様に混練してペレット化し、混練後のMFRが3.62のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を製造した。得られた樹脂組成物を乾燥させ、含水量を250ppm未満にしたのち、パイプを成形し、各種物性評価試験を行った結果を表1に示す。また、成形収縮率の測定を行った結果を表3に示す。
ポリフェニレンエーテル系樹脂100質量部、ハイインパクトポリスチレン110質量部を配合し、実施例1と同様に混練してペレット化し、混練後のMFRが4.50のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を製造した。得られた樹脂組成物を乾燥させ、含水量を250ppm未満にしたのち、パイプを成形し、各種物性評価試験を行った結果を表1に示す。また、押出成形性と外観の評価を行った結果を表2に、成形収縮率の測定を行った結果を表3に示す。
ポリフェニレンエーテル系樹脂100質量部、ハイインパクトポリスチレン80質量部を配合し、水素添加したスチレン・ブタジエン系ゴム(スチレン含有量30%、重量平均分子量23万)13質量部を実施例1と同様に混練してペレット化し、混練後のMFRが3.60のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を製造した。得られた樹脂組成物を乾燥させ、含水量を250ppm未満にしたのち、パイプを成形し、各種物性評価試験を行った結果を表1に示す。
ポリフェニレンエーテル系樹脂100質量部、ハイインパクトポリスチレン80質量部を配合し、水素添加したスチレン・ブタジエン系ゴム(スチレン含有量30%、重量平均分子量10万)13質量部を実施例1と同様に混練してペレット化し、混練後のMFRが4.23のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を製造した。得られた樹脂組成物を乾燥させ、含水量を250ppm未満にしたのち、パイプを成形し、各種物性評価試験を行った結果を表1に示す。
ポリフェニレンエーテル系樹脂100質量部、ハイインパクトポリスチレン80質量部を配合し、水素添加したスチレン・ブタジエン系ゴム(スチレン含有量5%、重量平均分子量23万)13質量部を実施例1と同様に混練してペレット化し、混練後のMFRが3.02のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を製造した。得られた樹脂組成物を乾燥させ、含水量を250ppm未満にしたのち、パイプを成形し、各種物性評価試験を行った結果を表1に示す。
ポリフェニレンエーテル系樹脂100質量部、ハイインパクトポリスチレン80質量部を配合し、水素添加したスチレン・ブタジエン系ゴム(スチレン含有量50%、重量平均分子量23万)13質量部を実施例1と同様に混練してペレット化し、混練後のMFRが4.15のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を製造した。得られた樹脂組成物を乾燥させ、含水量を250ppm程度にしたのち、パイプを成形し、各種物性評価試験を行った結果を表1に示す。
ポリフェニレンエーテル系樹脂100質量部、ハイインパクトポリスチレン80質量部を配合し、水素添加したスチレン・ブタジエン系ゴム(スチレン含有量30%、重量平均分子量23万)18質量部を実施例1と同様に混練してペレット化し、混練後のMFRが3.55のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を製造した。得られた樹脂組成物を乾燥させ、含水量を250ppm未満にしたのち、パイプを成形し、各種物性評価試験を行った結果を表1に示す。
比較例1
ポリフェニレンエーテル系樹脂100質量部、ハイインパクトポリスチレン80質量部を配合し、実施例1と同様に混練してペレット化し、混練後のMFRが6.20のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を製造した。得られた樹脂組成物を乾燥させ、含水量を250ppm未満にしたのち、パイプを成形し、各種物性評価試験を行った結果を表1に示す。また、押出成形性と外観の評価を行った結果を表2に示す。
ポリフェニレンエーテル系樹脂100質量部、ハイインパクトポリスチレン80質量部を配合し、実施例1と同様に混練してペレット化し、混練後のMFRが6.20のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を製造した。得られた樹脂組成物を乾燥させ、含水量を250ppm未満にしたのち、パイプを成形し、各種物性評価試験を行った結果を表1に示す。また、押出成形性と外観の評価を行った結果を表2に示す。
比較例2
ポリフェニレンエーテル系樹脂100質量部、ハイインパクトポリスチレン40質量部を配合し、実施例1と同様に混練してペレット化し、混練後のMFRが2.92のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を製造した。得られた樹脂組成物を乾燥させ、含水量を250ppm未満にしたのち、パイプを成形し、各種物性評価試験を行った結果を表1に示す。また、成形収縮率の測定を行った結果を表3に示す。
ポリフェニレンエーテル系樹脂100質量部、ハイインパクトポリスチレン40質量部を配合し、実施例1と同様に混練してペレット化し、混練後のMFRが2.92のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を製造した。得られた樹脂組成物を乾燥させ、含水量を250ppm未満にしたのち、パイプを成形し、各種物性評価試験を行った結果を表1に示す。また、成形収縮率の測定を行った結果を表3に示す。
比較例3
ポリフェニレンエーテル系樹脂100質量部、ハイインパクトポリスチレン130質量部を配合し、実施例1と同様に混練してペレット化し、混練後のMFRが10.00のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を製造した。得られた樹脂組成物を乾燥させ、含水量を250ppm未満にしたのち、パイプを成形し、各種物性評価試験を行った結果を表1に示す。また、押出成形性と外観の評価を行った結果を表2に、成形収縮率の測定を行った結果を表3に示す。
ポリフェニレンエーテル系樹脂100質量部、ハイインパクトポリスチレン130質量部を配合し、実施例1と同様に混練してペレット化し、混練後のMFRが10.00のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を製造した。得られた樹脂組成物を乾燥させ、含水量を250ppm未満にしたのち、パイプを成形し、各種物性評価試験を行った結果を表1に示す。また、押出成形性と外観の評価を行った結果を表2に、成形収縮率の測定を行った結果を表3に示す。
比較例4
ポリフェニレンエーテル系樹脂100質量部、ハイインパクトポリスチレン10質量部を配合し、実施例1と同様に混練してペレット化し、混練後のMFRが0.50のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を製造した。得られた樹脂組成物を乾燥させ、含水量は200ppm未満にした。しかし流動性が得られず、パイプは成形できなかった。押出成形性の結果を表2に示す。
ポリフェニレンエーテル系樹脂100質量部、ハイインパクトポリスチレン10質量部を配合し、実施例1と同様に混練してペレット化し、混練後のMFRが0.50のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を製造した。得られた樹脂組成物を乾燥させ、含水量は200ppm未満にした。しかし流動性が得られず、パイプは成形できなかった。押出成形性の結果を表2に示す。
比較例5
実施例1と同様のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を製造し、未乾燥のままパイプを成形した。未乾燥時の含水量は380ppm程度であった。押出成形性と外観の評価を行った結果を表2に示す。
実施例1と同様のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を製造し、未乾燥のままパイプを成形した。未乾燥時の含水量は380ppm程度であった。押出成形性と外観の評価を行った結果を表2に示す。
本発明においては、配管部材としての最低限必要な条件として、アイゾット衝撃強度が7KJ/m2以上(配管部材が割れ易くならないように7KJ/m2以上必要)であり、高温クリープ特性が600時間以上(95℃雰囲気下で内圧が0.6MPaのときパイプは5年程度の寿命を有する)であり、押出成形性においては反りの発生がなく、パイプ外観不良がないものを最低合格ラインとする。
表1より、実施例1、実施例2、比較例1を比較すると、ポリフェニレンエーテル系樹脂とポリスチレン系樹脂の配合割合は同じだが、混練後のMFRが異なっていることにより高温クリープ特性が変わっていることが分かる。実施例1と実施例2のMFRでは高温クリープ特性に変化はみられないが、比較例1はMFRが大きいために高温クリープ特性が実施例1の4/5程度に低下している。これはMFRが小さくなるとポリフェニレンエーテル系樹脂の分子量が小さくなり、分子量が小さいと高温クリープ特性が低下するためである。
また、表1の実施例1、実施例3、実施例4、比較例2、比較例3より、ポリフェニレンエーテル系樹脂に対するポリスチレン系樹脂の配合割合によって高温クリープ特性と衝撃強度等の物性が変化することが分かる。ポリフェニレンエーテル系樹脂100質量部に対するポリスチレン系樹脂の配合割合が実施例1の80質量部と比べて少ない場合、実施例3の60質量部では高温クリープ特性、衝撃強度共に変化はなく、比較例2の40質量部では高温クリープ特性に変化はないが、衝撃強度が低下して配管部材として不十分となる。また、ポリフェニレンエーテル系樹脂100質量部に対するポリスチレン系樹脂の配合割合が実施例1の80質量部と比べて多い場合、実施例4の110質量部では衝撃強度は向上するものの、高温クリープ特性は僅かに低下し、比較例3の130質量部では衝撃強度がより向上し、高温クリープ特性が低下して配管部材として不十分となる。このことから、ポリフェニレンエーテル系樹脂100質量部に対し、ポリスチレン系樹脂を50〜120質量部の範囲内で配合するからこそ配管部材として必要な高温クリープ特性、衝撃強度等の物性がバランス良く得ることができる。
実施例1と実施例5を比較すると、スチレン・ブタジエン系ゴムを適量配合することにより高温クリープ特性を維持したまま、衝撃強度を向上させることができる。また実施例5〜実施例9を比較すると、スチレン・ブタジエン系ゴムの最適条件は、スチレンの重量平均分子量と、スチレン含有量と、ポリフェニレンエーテル系樹脂100質量部に対するスチレン・ブタジエン系ゴムの量で決まることが分かる。スチレンの重量平均分子量は、実施例5のスチレン・ブタジエン系ゴムの重量平均分子量が23万に比べて実施例6のスチレン・ブタジエン系ゴムの重量平均分子量が10万と小さいため、実施例6の高温クリープ特性は低下する。またスチレン含有量は、実施例5のスチレン含有量30%に比べて実施例7はスチレン含有量が5%と少ないためにポリフェニレンエーテル系樹脂との相溶性が悪くなり、高温クリープ特性が低下して衝撃強度も向上しない。実施例8はスチレン含有量が50%と多いためにポリフェニレンエーテル系樹脂との相溶性が向上して衝撃強度は向上するものの、高温クリープ特性が若干低下する。またポリフェニレンエーテル系樹脂100質量部に対するスチレン・ブタジエン系ゴムの量は、実施例5の13質量部に比べて実施例9の18質量部と配合量が多くなると、衝撃強度は向上するものの、高温クリープ特性が低下している。これらのことから、ポリフェニレンエーテル系樹脂100質量部に対して、スチレン含有量が10〜40%、重量平均分子量が20万以上のスチレン・ブタジエン系ゴムを1〜15質量部を配合することにより、高温クリープ特性を維持したまま、衝撃強度を向上させることができる。
表2より、混練後のMFRの違いによる高温クリープ特性と成形性の相関関係が分かる。MFRが1.0〜5.0g/10分の範囲から外れたものは高温クリープ特性と成形性を共に満足することができない。比較例4はMFRの値が小さすぎて樹脂組成物が流動できないためにパイプが成形できず、比較例3はMFRの値が大きすぎるためにパイプが偏肉してしまい、パイプに反りが発生して良好なパイプを得ることができなかった。比較例1もパイプが若干偏肉してしまい、パイプに少し反りが発生して良好なパイプを得ることができなかった。このため、樹脂組成物のMFRは1.0〜5.0g/10分である必要がある。
また表2において、実施例1と比べて比較例5は物性自体に差は無いが、含水量が多いと成形したパイプの表面にシルバーストリークが発生することがあった。このことから、樹脂組成物の成形前の含水量は250ppm未満であることにより、良好な外観の成形を行うことができる。
表3より、ポリフェニレンエーテル系樹脂100質量部に対するポリスチレン系樹脂の配合割合によって成形収縮率は変化することが分かる。実施例1、実施例3、実施例4、比較例3の成形収縮率は0.5〜0.8%の範囲内であり、また基準寸法の許容差の範囲内であるため、塩化ビニル樹脂による成形品と同等の成形品を得ることができる。これより塩化ビニル樹脂と同じ金型を使用することができる。また、ポリフェニレンエーテル系樹脂100質量部に対し、ポリスチレン系樹脂50〜120質量部であれば塩化ビニル樹脂とほぼ同じ成形収縮率の範囲内にすることができる。
以上のことから、本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物製配管部材は、高温クリープ特性と衝撃強度がバランス良く優れており、また成形時における流動性を確保し良好な成形品を得ることができる。そのため、高温域(60〜95℃)での酸・アルカリなどの薬液を流しても長期間使用することができ、100℃付近での使用も可能である。また、スチレン・ブタジエン系ゴムを加えることによって、高温クリープ特性を低下させることなく衝撃強度を向上させることができる。
なお、本実施例では押出成形で作製したポリフェニレンエーテル系樹脂組成物製パイプを用いているが、押出成形で作製した多層パイプや、射出成形で作製した継手、フランジ等の他の配管部材においても同様の効果が得られる。
Claims (6)
- ポリフェニレンエーテル系樹脂100質量部に対し、ポリスチレン系樹脂50〜120質量部を必須成分とし、混練後のメルトフローレートが1.0〜5.0g/10分である樹脂組成物からなることを特徴とする配管部材。
- 成形収縮率が0.5〜0.8%であることを特徴とする請求項1記載の配管部材。
- 95℃雰囲気下で5.0MPaの引張荷重をかけた高温クリープ特性において、破壊に至るまでの時間が1000時間以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の配管部材。
- 前記混練後の樹脂組成物の成形前の含水量が250ppm未満であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の配管部材。
- ポリフェニレンエーテル系樹脂100質量部に対して、スチレン含有量が10〜40%であり、重量平均分子量が20万以上のスチレン・ブタジエン系ゴム1〜15質量部をさらに配合してなることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の配管部材。
- 前記配管部材が管または継手であり、該管または該継手の外径Dと肉厚tが、
1)D>48mm
2)(1/35)D<t<(1/9)D
であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の配管部材。
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