JPH09187629A - 半導体現像液用脱気膜モジュール及びその製法 - Google Patents

半導体現像液用脱気膜モジュール及びその製法

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JPH09187629A
JPH09187629A JP28987596A JP28987596A JPH09187629A JP H09187629 A JPH09187629 A JP H09187629A JP 28987596 A JP28987596 A JP 28987596A JP 28987596 A JP28987596 A JP 28987596A JP H09187629 A JPH09187629 A JP H09187629A
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semiconductor
developer
hollow fiber
physical property
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JP28987596A
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English (en)
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Kazumi Oi
和美 大井
Toshio Kanbe
利夫 神戸
Yasushi Tomita
康司 富田
Tokutaro Otsu
徳太郎 大津
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • Degasification And Air Bubble Elimination (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 膜モジュールを半導体現像液からの脱気用途
に長期間使用した場合、ハウジング部、エンドキャップ
部、中空糸分離膜、端部封止部等のモジュール形成部材
が分解、溶出して半導体ウエハに悪影響を及ぼす。 【解決手段】 ハウジング部及び/又はエンドキャップ
部が、半導体用現像液浸漬後の重量変化が5%以下で、
かつ物性保持率が80%以上の材質から成り、中空糸分
離膜が半導体用現像液浸漬後の重量変化が5%以下、か
つ物性保持率が80%以上の製膜可能な樹脂から成り、
端部封止部の少なくとも接液部が、半導体用現像液浸漬
後の重量変化が5%以下、物性保持率が80%以上の封
止材から成る事を特徴とする半導体現像液用脱気膜モジ
ュール。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は脱気モジュール及び
その製法に関し、特に、半導体製造工程の現像工程に於
ける現像液からの脱気を目的とした、耐現像液性に優れ
るモジュール及びその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体製造工程中特に現像工程では、供
給された現像液に気泡が混入すると種々の不都合が生じ
る場合がある。例えば半導体ウエハ上に積層される薄膜
にレジストを塗布し、パターンが形成されたマスクを通
して露光、現像後、エッチングして薄膜にパターンを形
成させるリソグラフィー工程に於いて、現像液に気泡が
混入したまま半導体ウエハにスピンコートすると、処理
ムラによるパターン不良が生じる等のトラブルが発生す
る。このため例えば特開平3−1341、特開平4−1
97434には、現像液貯蔵タンクに貯蔵されている現
像液を脱気する方法が提案されている。現像液の脱気方
法としては真空脱気、薬品による脱気、脱気膜モジュー
ルによる脱気等が挙げられている。
【0003】脱気膜モジュールによる脱気は、他の脱気
方法と比較して、安全性、コンパクト性に優れるという
利点を有するが、従来の膜モジュールは、水からの脱気
がメインであるため、半導体現像液のような高アルカリ
性(pH12以上)、かつ、不純物(パーティクルな
ど)を極力含まない必要のある特殊な液体に対する耐性
が、必ずしも十分であるとはいえなかった。例えば端部
封止部の材質の選定及び硬化条件によっては、現像液に
浸漬していると加水分解等により分解物、未反応物が溶
出し、現像液に溶出物が混入したまま半導体ウエハにス
ピンコートすると処理ムラ等によるパターン不良が発生
する等の問題点を有していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、半導体現像液に浸漬しても物性を保持し、
溶出しにくい、即ち重量変化を起こしにくく、半導体現
像液の脱気に適した、脱気膜モジュール及びその製法を
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
について鋭意研究をした結果、脱気モジュールの構成部
材として、耐アルカリ性を有し、物性変化、重量変化を
起こしにくい耐現像液性部材を用いることにより、現像
時のパターン不良を極力減少できることを見出し、本発
明を完成させるに至った。
【0006】即ち、本発明は、ハウジング部、エンドキ
ャップ部、中空糸分離膜及び端部封止部を有する脱気膜
モジュールに於いて、ハウジング部及び/又はエンドキ
ャップ部が、半導体用現像液浸漬後の重量変化が5%以
下で、かつ物性保持率が80%以上の材質から成り、中
空糸分離膜が半導体用現像液浸漬後の重量変化が5%以
下、かつ物性保持率が80%以上の製膜可能な樹脂から
成り、端部封止部の少なくとも接液部が、半導体用現像
液浸漬後の重量変化が5%以下、物性保持率が80%以
上の封止材から成る事を特徴とする半導体現像液用脱気
膜モジュールに関し、例えばハウジング部及び/又はエ
ンドキャップ部が、ポリスルホン、ポリエーテルスルホ
ン、ポリエーテルイミド、ポリアリルスルホン、ポリフ
ェニレンエーテル、ポリプロピレン、クリーン塩化ビニ
ル又はフッ素樹脂からなり、中空糸分離膜がポリスルホ
ン、ポリエーテルスルホン、シリコーン樹脂、ポリ4−
メチルペンテン−1、ポリプロピレン、ポリエチレン、
フッ素樹脂からなり、端部封止部の少なくとも接液部が
エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリオレフィン樹脂、
フッ素樹脂又はウレタン樹脂から成ることを特徴とする
上記モジュール、より好ましくは端部封止部の少なくと
も接液部が、硬化反応率が80%以上のエポキシ樹脂か
らなることを特徴とする上記モジュールに関する。
【0007】また、ハウジングに、半導体用現像液浸漬
後の重量変化が5%以下、物性保持率が80%以上の製
膜可能な樹脂からなる中空糸分離膜を装填し、該中空糸
分離膜の両端とハウジングとを、硬化反応率が80%以
上となるようにエポキシ樹脂を硬化させて封止し、ハウ
ジングの両端にエンドキャップを装着し、かつ、ハウジ
ング及び/又はエンドキャップが、半導体用現像液浸漬
後の重量変化が5%以下、物性保持率が80%以上の材
質から成ることを特徴とする半導体現像液用脱気膜モジ
ュールの製造方法に関し、好ましくはエポキシ樹脂が、
アミン硬化型のエポキシ樹脂であることを特徴とする上
記製造方法に関し、より好ましくはエポキシ樹脂を常温
で硬化させた後に、50℃以上で後硬化させることを特
徴とする上記製造方法に関し、例えばハウジング及び/
又はエンドキャップがポリスルホン、ポリエーテルスル
ホン、ポリエーテルイミド、ポリアリルスルホン、ポリ
フェニレンエーテル、ポリプロピレン、クリーン塩化ビ
ニル又はフッ素樹脂からなり、中空糸分離膜が、ポリ4
−メチルペンテン−1、ポリプロピレン、ポリエチレ
ン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、シリコーン
樹脂又はフッ素樹脂からなることを特徴とする上記製造
方法に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の半導体現像液用脱気モジ
ュールは、少なくとも接液部、即ち、脱気時における半
導体用現像液の接触部分に、現像液浸漬後の重量変化が
5%以下、かつ物性保持率が80%以上の材質を取り入
れることにより、耐現像液性を有することを特徴として
いる。
【0009】接液部は、モジュールに流し込む半導体現
像液の流し方によって異なり、中空糸内部に現像液を流
すいわゆる内部灌流型モジュールの場合は、接液部と
は、エンドキャップ部、中空糸分離膜、及び端部封止部
であり、これらを形成する材質に、現像液浸漬後の重量
変化が5%以下、かつ物性保持率が80%以上の材質を
用いればよい。従ってハウジングはこれらと同様の材質
であってもそれ以外の材質を用いても良い。また中空糸
外部に現像液を流すいわゆる外部灌流型モジュールの場
合は、接液部とは、ハウジング、中空糸分離膜及び端部
封止部であり、これらを形成する材質に、現像液浸漬後
の重量変化が5%以下、かつ物性保持率が80%以上の
材質を用いれば良い。従ってエンドキャップはこれらと
同様の材質であってもそれ以外の材質を用いても良い。
【0010】尚、本発明で耐半導体現像液性の指標とし
て用いられている、現像液浸漬後の重量変化とは、常温
(約25℃)で半導体用現像液に3ヶ月浸漬後の重量と
浸漬前の重量との差をパーセントで示したものである。
現像時に回路パターンの不良を起こす原因の1つとし
て、現像液浸漬後のモジュール構成部材からの溶出が考
えられるが、構成部材の重量変化の度合いが溶出の指標
となる。該重量変化が5%以上であると、構成部材に現
像液が浸透して構成部材が膨潤し、しまいには低分子に
分解され溶出を起こしてしまうが、重量変化が5%以下
であれば現像液が浸透して膨潤はある程度進んだとして
も、分解等によって低分子が溶出することは殆どない。
【0011】また現像液浸漬後の物性保持率とは、常温
(約25℃)で現像液に3ヶ月浸漬後の引っ張り強度と
浸漬前の引っ張り強度の変化をパーセントで示したもの
である。物性保持率が80%未満になると、モジュール
の機械強度が低下し、半導体現像液用途に長期間使用す
ることができなくなる。
【0012】本発明のモジュールのハウジング部及び/
又はエンドキャップ部は、半導体用現像液浸漬後の重量
変化が5%以下、好ましくは0〜2%であり、かつ物性
保持率が80%以上、好ましくは90〜100%の材質
からなる。
【0013】このような特性を有する材質の具体例とし
ては、例えば、ABS樹脂、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリ4−メチルペンテン−1、エポキシ樹脂、ポ
リアクリロニトリル、ポリスルホン、ポリエーテルスル
ホン、ポリエーテルイミド、ポリアリルスルホン、ポリ
フェニレンエーテル、ポリスチレン、クリーン塩化ビニ
ル、フッ素樹脂、ステンレス等を代表なものとして挙げ
ることができる。このような金属やプラスチックスは、
機械特性、耐クリープ性、加水分解性が良く、酸やアル
カリにも強い。好ましくはポリスルホン、ポリエーテル
スルホン、ポリエーテルイミド、ポリアリルスルホン、
ポリフェニレンエーテル、ポリプロピレン、フッ素樹脂
等が挙げられ、特に、ポリスルホン、ポリエーテルスル
ホン、ポリエーテルイミド、ポリアリルスルホン、ポリ
フェニレンエーテル等のエンジニアリングプラスチック
ス及びフッ素樹脂は、現像液中への素材の溶出が少ない
ため好ましい。
【0014】次に、本発明に用いる中空糸分離膜は、半
導体用現像液浸漬後の重量変化が5%以下、好ましくは
0〜2%であり、かつ物性保持率が80%以上、好まし
くは90〜100%の製膜可能な樹脂から成る。
【0015】このような樹脂としては、例えば、ポリス
ルホン、ポリエーテルスルホン、シリコーン樹脂、ポリ
アクリロニトリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リ4−メチルペンテン−1、フッ素樹脂(例えばポリフ
ッ化ビニリデン等)等を代表なものとして挙げることが
できる。好ましくは、ポリスルホン、ポリエーテルスル
ホン、シリコーン樹脂、ポリ4−メチルペンテン−1、
ポリプロピレン、ポリエチレン、フッ素樹脂等が挙げら
れる。
【0016】本発明の半導体現像液用脱気モジュールに
使用する中空糸分離膜の膜構造は、中空糸の内表面から
外表面に実質的に連通した孔を有する多孔質構造又は、
中空糸の内表面から外表面に実質的に連通した孔の無い
均質構造、又は、多孔質膜の表面に実質的に連通した孔
の無いスキン層を有する構造等の非対称構造のいずれで
も良い。ここで云う非対称膜とは、膜構造が均一でない
不均質膜、多孔質膜と均質膜を張り合わせる等により作
られる複合膜等、構造が対称でない膜の総称である。現
像液中に界面活性剤等が含まれていることで、現像液の
界面張力が膜素材よりも小さく、現像液が実質的に連通
した孔を通過して気体排出側に漏れ出てくる場合には、
中空糸膜は中空糸膜の内表面から外表面に実質的に連通
した孔の無い非対称構造膜又は、均質膜であることが好
ましい。更に均質膜、非対称膜の場合、多孔質膜と比較
して膜自体の気体透過速度は一般的に小さくなるため、
脱気性能を考慮すると素材自体の気体透過速度の大きい
中空糸膜を使用することが好ましく、例えば、ポリ4−
メチルペンテン−1不均質中空糸膜、多孔質膜とシリコ
ーン樹脂等の複合膜がより好ましい。
【0017】次に、本発明に用いる端部封止部として
は、少なくとも接液部が、現像液浸漬後の重量変化が5
%以下、物性保持率が80%以上の封止材から成るもの
である。
【0018】端部封止部とは、上記中空糸膜をハウジン
グに装填し、中空糸の両端部をハウジングに固定させる
ための樹脂であり、端部封止部の接液部とは、内部灌流
モジュールの場合は、エンドキャップ側表面を表わし、
外部灌流モジュールの場合は、ハウジング側表面を表
す。本発明では、ハウジングと封止部の接着強度及び機
械強度を施すために、接液部のみ、現像液浸漬後の重量
変化が5%以下、好ましくは0〜2%、かつ物性保持率
が80%以上、好ましくは90〜100%の封止材を用
い、このような封止材以外の任意の封止材で更に封止し
ても良い。もちろん接液部に用いる樹脂だけで封止を行
っても良い。
【0019】本発明に使用できる端部封止部の接液部を
形成する封止材としては、例えば、エポキシ樹脂、シリ
コーン樹脂、不飽和ポリエステル、ビニルエステル樹
脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂、ウレタン樹脂等
を代表なものとして挙げることができる。
【0020】ウレタン樹脂の場合、本発明の重量変化及
び物性保持率を満たすためには、加水分解を起こし易い
エステル結合が存在しないイソシアネートとポリオール
によって硬化させたウレタン樹脂が好ましい。また成形
の容易さ、シールの良好さ、硬化時間が比較的短時間で
あることによる生産性の良さを考慮すると、エポキシ樹
脂がより好ましく、高集積化されたパターンを現像等、
特に現像液中へのわずかな溶出が問題となる場合の脱気
には、硬化反応率が80%以上のエポキシ樹脂がより好
ましい。このようなエポキシ樹脂は、常温硬化後50℃
以上の温度で後硬化させる、はじめから50℃以上の温
度で加熱硬化させる、反応促進剤を加えて硬化させる
等、種々の方法によって得ることができる。
【0021】エポキシ樹脂としては、特にその制限はな
く、例えば、グリシジルエーテル、グシシジルエステ
ル、グリシジルアミン、脂肪族エポキサイド、脂環族エ
ポキサイドタイプ等が使用できる。また、エポキシ樹脂
としては、生産性の面から硬化時間が比較的短時間であ
るアミン硬化型がより好ましい。
【0022】エポキシ樹脂に混合するアミン系の硬化剤
としては、特にその制限はなく、例えば、脂肪族ポリア
ミン、脂環族ポリアミン、ポリアミドアミン、ポリアミ
ド等が使用される。更に、硬化時間の短縮及び反応率を
向上させるために、エポキシ樹脂中に反応促進剤を加え
ても良く、例えば、イミダゾール、フェノール系が使用
される。このような樹脂は、作業性から液状が好まし
く、常温で液状であっても加熱して液状であってもどち
らでも良く、硬化方法としては常温硬化であっても加熱
硬化であってもどちらでも良い。
【0023】次に本発明の半導体現像液用脱気膜モジュ
ールの製造方法について説明する。本発明の製造方法
は、ハウジングに、半導体用現像液浸漬後の重量変化が
5%以下、物性保持率が80%以上の製膜可能な樹脂か
らなる中空糸分離膜を装填し、該中空糸分離膜の両端と
ハウジングとを、硬化反応率が80%以上となるように
エポキシ樹脂を硬化させて封止し、ハウジングの両端に
エンドキャップを装着し、かつ、ハウジング及び/又は
エンドキャップが、半導体用現像液浸漬後の重量変化が
5%以下、物性保持率が80%以上の材質から成ること
を特徴とする。
【0024】本発明のハウジング、エンドキャップ、並
びに中空糸分離膜としては、上述のモジュールの説明部
分で挙げられたものが使用できる。例えばハウジング及
び/又はエンドキャップとしては、好ましくはABS樹
脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ4−メチルペ
ンテン−1、エポキシ樹脂、ポリアクリロニトリル、ポ
リスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミ
ド、ポリアリルスルホン、ポリフェニレンエーテル、ポ
リスチレン又はクリーン塩化ビニル、フッ素樹脂等から
なるものがあげられ、より好ましくはポリスルホン、ポ
リエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリアリル
スルホン、ポリフェニレンエーテル、ポリプロピレン、
フッ素樹脂等が挙げられ、更に好ましくは、重量変化の
より少ない、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポ
リエーテルイミド、ポリアリルスルホン、ポリフェニレ
ンエーテル、フッ素樹脂からなるものが挙げられる。
【0025】また中空糸分離膜としては、例えばポリス
ルホン、ポリエーテルスルホン、シリコーン樹脂、ポリ
アクリロニトリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リ4−メチルペンテン−1又はフッ素樹脂(例えばポリ
フッ化ビニリデン等)等からなるものが挙げられ、より
好ましくは、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、シ
リコーン樹脂、ポリ4−メチルペンテン−1、ポリプロ
ピレン、ポリエチン、フッ素樹脂等が挙げられる。更に
好ましくは、重量変化のより少ない、ポリスルホン、ポ
リエーテルスルホン、シリコーン樹脂、フッ素樹脂から
なるものが挙げられる。
【0026】本発明の製造方法において、まず、ハウジ
ングに中空糸膜を装填する。装填方法としては、中空糸
を所定膜面積になるようにバンドル化して装填しても、
中空糸を簾化して所定膜面積になるように巻き取って装
填してもよい。
【0027】次に、中空糸の両端部をハウジングに固定
させるために、エポキシ樹脂で中空糸両端とハウジング
とを封止する。この際エポキシ樹脂は硬化反応率が80
%以上、好ましくは90〜100%となるように硬化さ
せる。
【0028】エポキシ樹脂としては、特にその制限はな
く、例えば、グリシジルエーテル、グシシジルエステ
ル、グリシジルアミン、脂肪族エポキサイド、脂環族エ
ポキサイドタイプ等が使用できる。また、エポキシ樹脂
としては、生産性の面から硬化時間が比較的短時間であ
るアミン硬化型がより好ましい。
【0029】エポキシ樹脂に混合するアミン系の硬化剤
としては、特にその制限はなく、例えば、脂肪族ポリア
ミン、脂環族ポリアミン、ポリアミドアミン、ポリアミ
ド等が使用される。更に、硬化時間の短縮及び反応率を
向上させるために、エポキシ樹脂中に反応促進剤を加え
ても良く、例えば、イミダゾール、フェノール系が使用
される。このような樹脂は、作業性から液状が好まし
く、常温で液状であっても加熱して液状であってもどち
らでも良く、硬化方法としては常温硬化であっても加熱
硬化であってもどちらでも良い。
【0030】本発明においては、硬化反応率が80%以
上となるようにエポキシ樹脂を硬化さる必要がある。常
温で液状であるエポキシ樹脂を用いて常温で硬化させた
場合、通常、反応率が50%程度になると反応の進行が
極端に遅くなる。そのため、このままの状態では未反応
のエポキシ成分かアミン成分が残る可能性があり、モジ
ュールを半導体現像液の脱気に使用した場合、これらの
未反応成分が、現像液中に溶出する可能性が高くなる。
更に、未反応成分が多いため、架橋状況が悪く長期的な
物性保持には問題がある。
【0031】反応率を80%以上にしておけば、未反応
のエポキシ成分かアミン成分が残る心配は殆どなく、現
像液へ浸漬した後の溶出も極力少なくなる。反応率を8
0%以上に上げる方法としては、常温硬化後50℃以上
の温度で後硬化させる方法、50℃以上の温度で加熱硬
化させる方法、反応促進剤を加えて硬化させる方法、以
上の方法を組み合わせる等、種々の方法が適用できる。
好ましくは常温硬化後50℃以上の温度で硬化させる方
法が挙げられる。
【0032】中空糸の両端部をハウジングに固定させる
ための封止部の封止方法としては、中空糸束の長手方向
に遠心力をかけながら中空糸束を収納、装填したハウジ
ング内に上記封止材を注入することにより成形する回転
遠心成形法でもよく、また中空糸束をハウジング内に装
填・静置した状態でハウジング内に封止材を注入する静
置成形法を用いることもできる。
【0033】このように製造されたモジュールの両端
に、上記のエンドキャップを装着し、半導体現像液の脱
気に使用する。
【0034】
【実施例】以下実施例により本発明を更に具体的に説明
する。ただし、これにより本発明が制約されるものでは
ない。 [実施例1]内径77mmφ、外径89mmφ、長さ2
30mmの現像液に3ヶ月浸漬後の重量変化が0.3%
以下、物性保持率が90%以上であるポリフェニレンエ
ーテル製ハウジング内に、現像液に3ヶ月浸漬後の重量
変化が0.5%以下、物性保持率が90%以上である内
径100μm、外径190μm、長さ230mmのポリ
4−メチルペンテン−1不均質中空糸膜72000本を
バンドル化して装填し、両端部を封止材により固定し
た。封止材としては、ビスフェノールAグリシジルエー
テル型常温液状タイプエポキシ樹脂とポリアミドアミン
樹脂硬化剤を重量比75:25、常温にて封止材注入後
約3時間で硬化させた。その後、80℃で3時間後硬化
させ反応率を80%以上に上げた。この時の封止材の現
像液に3ヶ月浸漬後の重量変化が0.7%以下、物性保
持率が85%以上であった。次いで中空糸膜束端部の封
止材で密着固定された部分を糸束長さ方向に直角に切断
し、開口した。
【0035】上記モジュールを用いて、現像液に3ヶ月
浸漬後の重量変化が0.3%以下、物性保持率が90%
以上であるポリフェニレンエーテル製エンドキャップを
取り付け、中空糸内部に半導体現像液を流して脱気処理
を行ったところ、3ヶ月間使用しても物性低下によって
液漏れを起こすことなく、現像不良も殆ど発生しなかっ
た。
【0036】[実施例2]内径77mmφ、外径89m
mφ、長さ230mmの現像液に3ヶ月浸漬後の重量変
化が0.2%以下、物性保持率が90%以上であるポリ
スルホン製ハウジング内に、現像液に3ヶ月浸漬後の重
量変化が0.5%以下、物性保持率が90%以上である
内径100μm、外径190μm、長さ230mmのポ
リ4−メチルペンテン−1不均質中空糸膜72000本
を集束して装填し、両端部を封止材により固定した。封
止材としては、ビスフェノールAグリシジルエーテル型
常温液状タイプエポキシ樹脂と脂環族ポリアミン樹脂硬
化剤を重量比66:34、常温にて封止材注入後約2時
間で硬化させた。その後、70℃で5時間後硬化させ反
応率を80%以上に上げた。この時の封止材の現像液に
3ヶ月浸漬後の重量変化が0.5%以下、物性保持率が
85%以上であった。次いで中空糸膜束端部の封止材で
密着固定された部分を糸束長さ方向に直角に切断し、開
口した。
【0037】上記モジュールを用いて、3ヶ月浸漬後の
重量変化が0.2%以下、物性保持率が90%以上であ
るポリスルホン製エンドキャップを取り付け、中空糸外
部に半導体現像液を流して脱気処理を行ったところ、3
ヶ月間使用しても物性低下によって液漏れを起こすこと
なく、現像不良も殆ど発生しなかった。
【0038】[比較例1]内径77mmφ、外径89m
mφ、長さ230mmの現像液に3ヶ月浸漬後の重量変
化が0.2%以下、物性保持率が90%以上であるポリ
スルホン製ハウジング内に、現像液に3ヶ月浸漬後の重
量変化が0.5%以下、物性保持率が90%以上である
内径100μm、外径190μm、長さ230mmのポ
リ4−メチルペンテン−1不均質中空糸膜72000本
を集束して装填し、両端部を封止材により固定した。封
止材としては多官能ポリエステルポリオールに2官能の
イソシアネートを付加させたイソシアネートと多官能ポ
リエステルポリオールを重量比60:40、常温にて封
止材注入後約2時間で硬化させた。この時の封止材の現
像液に3ヶ月浸漬後の重量変化が6%以上、物性保持率
が80%未満であった。次いで中空糸膜束端部の封止材
で密着固定された部分を糸束長さ方向に直角に切断し、
開口した。
【0039】上記モジュールを用いて、3ヶ月浸漬後の
重量変化が0.2%以下、物性保持率が90%以上であ
るポリスルホン製エンドキャップを取り付け、中空糸内
部に半導体現像液を流して脱気処理を行ったところ、3
ヶ月間使用したら物性低下によって液漏れが発生し現像
不良も発生した。
【0040】
【発明の効果】半導体現像液からの脱気用途に長期間使
用しても、物性を保持し、現像液中にモジュール形成材
質が溶出しにくい、半導体現像液の脱気に適した、脱気
膜モジュール及びその製法を提供でき、現像パターン不
良を極力減少させることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01D 71/68 B01D 71/68 71/70 500 71/70 500 H01L 21/027 H01L 21/30 569Z

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジング部、エンドキャップ部、中空
    糸分離膜及び端部封止部を有する脱気膜モジュールに於
    いて、ハウジング部及び/又はエンドキャップ部が、半
    導体用現像液浸漬後の重量変化が5%以下で、かつ物性
    保持率が80%以上の材質から成り、中空糸分離膜が半
    導体用現像液浸漬後の重量変化が5%以下、かつ物性保
    持率が80%以上の製膜可能な樹脂から成り、端部封止
    部の少なくとも接液部が、半導体用現像液浸漬後の重量
    変化が5%以下、物性保持率が80%以上の封止材から
    成る事を特徴とする半導体現像液用脱気膜モジュール。
  2. 【請求項2】 ハウジング部及び/又はエンドキャップ
    部が、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエー
    テルイミド、ポリアリルスルホン、ポリフェニレンエー
    テル、ポリプロピレン、クリーン塩化ビニル又はフッ素
    樹脂からなり、中空糸分離膜がポリスルホン、ポリエー
    テルスルホン、シリコーン樹脂、ポリ4−メチルペンテ
    ン−1、ポリプロピレン、ポリエチレン、フッ素樹脂か
    らなり、端部封止部の少なくとも接液部がエポキシ樹
    脂、シリコーン樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂
    又はウレタン樹脂から成ることを特徴とする請求項1に
    記載の半導体現像液用脱気膜モジュール。
  3. 【請求項3】 端部封止部の少なくとも接液部が、硬化
    反応率が80%以上のエポキシ樹脂からなることを特徴
    とする請求項1又は2記載の半導体現像液用脱気膜モジ
    ュール。
  4. 【請求項4】 ハウジングに、半導体用現像液浸漬後の
    重量変化が5%以下、物性保持率が80%以上の製膜可
    能な樹脂からなる中空糸分離膜を装填し、該中空糸分離
    膜の両端とハウジングとを、硬化反応率が80%以上と
    なるようにエポキシ樹脂を硬化させて封止し、ハウジン
    グの両端にエンドキャップを装着し、かつ、ハウジング
    及び/又はエンドキャップが、半導体用現像液浸漬後の
    重量変化が5%以下、物性保持率が80%以上の材質か
    ら成ることを特徴とする半導体現像液用脱気膜モジュー
    ルの製法。
  5. 【請求項5】 エポキシ樹脂が、アミン硬化型のエポキ
    シ樹脂であることを特徴とする請求項4記載の製法。
  6. 【請求項6】 エポキシ樹脂を常温で硬化させた後に、
    50℃以上で後硬化させることを特徴とする請求項5記
    載の製法。
  7. 【請求項7】 ハウジング及び/又はエンドキャップが
    ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイ
    ミド、ポリアリルスルホン、ポリフェニレンエーテル、
    ポリプロピレンクリーン塩化ビニル又はフッ素樹脂から
    なり、中空糸分離膜が、ポリ4−メチルペンテン−1、
    ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスルホン、ポリエ
    ーテルスルホン、シリコーン樹脂又はフッ素樹脂からな
    ることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載
    の製法。
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