JP2006224052A - 中空糸膜モジュールの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】固定材を用いて中空糸膜の端部をポッティングして集束、固定する中空糸膜モジュールの製造において、簡単な方法で、中空糸膜モジュールのポッティング樹脂の収縮を抑制させる。
【解決手段】中空糸膜両端の開口状態を保持したまま、固定材を用いてケースと中空糸膜および中空糸膜間を固定する中空糸膜モジュールの製造方法において、固定材の温度が加温キュア温度になるまで室温で放置した後、加温キュアすることでポッティング樹脂の収縮を抑制する。
【選択図】図1
【解決手段】中空糸膜両端の開口状態を保持したまま、固定材を用いてケースと中空糸膜および中空糸膜間を固定する中空糸膜モジュールの製造方法において、固定材の温度が加温キュア温度になるまで室温で放置した後、加温キュアすることでポッティング樹脂の収縮を抑制する。
【選択図】図1
Description
本発明は中空糸膜モジュールの製造方法に関するものであり、さらに詳しくは、中空糸膜モジュールの固定材の収縮を抑制する方法に関する。
近年、中空糸膜モジュールは、水処理膜などの産業分野、血液処理などの医療分野などの多岐にわたり用いられ、人工腎臓、人工肺などはその需要が極めて増大している。
中空糸膜モジュールは、図1に示すとおり、中空糸膜1と、それを収容するモジュールケース2、ヘッダー3、中空糸膜をモジュールケースに固定するための固定材4にて構成される。
固定材を使用して中空糸膜をモジュール化するとき、各中空糸膜の端部を目止めし、固定材を中空糸膜の固定部に流し込み、樹脂硬化後、端部を切断して中空糸膜の開口部を得る方法が一般的に用いられる。従来、固定材を硬化させる方法として、次工程で中空糸膜の開口部を得るために、端部を切断することが可能な硬度まで、室温にて静置させる方法を行ってきた。しかし、このような方法では、端部を切断するまでに時間がかかるため生産性に問題がある。そのため、固定材の反応を進めるために、固定材を高い温度にコントロールする方法がとられている。しかしこのような加温を行い、硬化速度を進める方法では、急激な温度差により固定材の収縮が発生し、モジュールケースから固定材の剥がれが発生し、液漏れが生じる原因となる。さらに、モジュールケースの長さ方向に対しても収縮が発生し、端部切断時に開口部が平坦にならない原因となる。
固定材の収縮を抑制する方法としては、特開2004−113321のように、中空糸膜束の端部外面を柔軟性リングで被覆し当該中空糸膜束の端部と前記柔軟性リングを固定材により前記ハウジング端部内面に固定する方法が公開されており、何らかの部材を固定材と固定させる技術がすでに公開されている。しかしながら、この方法では、ハウジングの長さ方向に対しての固定材の収縮を抑制することはできない。
特開2004−113321号公報
本発明は、簡単な方法で、中空糸膜モジュールの固定材の収縮を抑制することを目的としている。
本発明者は鋭意検討した結果、本発明に至った。即ち、固定材を用いて中空糸膜を集束、固定してポッティングする中空糸膜モジュールの製造方法において、固定材の温度が加温キュア温度になるまで室温で放置した後、加温キュアすることで固定材の収縮を抑制することを特徴とする血液処理用中空糸膜モジュールの製造方法を確立したのである。
本発明の血液処理用中空糸膜モジュールの製造方法によれば、固定材を用いて中空糸膜を集束、固定する際に、固定材の収縮を大幅に抑制することができる。
本発明の中空糸膜としては、セルロース系、セルローストリアセテート系、ポリアミド系、ポリアクリロニトリル系、ポリビニルアルコール系、ポリメチルメタクリレート系、ポリスルホン系、ポリオレフィン系などのポリマーが使用される。
本発明の中空糸膜をモジュールケースに固定する固定材は、一般に「ポッティング材」と呼ばれており、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられ、中でも、生体適合性に優れている点で熱硬化性であるポリウレタン樹脂が好ましく用いられる。
本発明の製造方法においては、中空糸膜は、公知の方法で製造できる。例えば、製膜原液を芯液と同時に2重スリット管構造の口金から同時に吐出させることで、中空糸膜を製造できる。その後、所定の水洗、湿潤工程を経た後、巻き取られ、適当な長さにカットした後、モジュールケースに挿入される。
次に、中空糸膜とモジュールケースを固定するため、固定材を中空糸膜の固定部に流し込む。熱硬化性樹脂を用いる場合、イソシアネート成分である主剤、ポリオール成分である硬化剤を所定の配合比で混合し硬化させる二液硬化型ウレタン樹脂を使用する。
その後、混合物の温度が加温キュア温度になるまで室温で放置する。ここで、加温キュア温度とは、熱硬化性樹脂の反応を促進させるため、熱硬化性樹脂の雰囲気温度を室温より高くかつ収縮が抑制される温度をいう。熱硬化性樹脂の収縮を抑制するという点で、特に60℃以下が好ましく、さらには、50℃以下である。ここでいう室温とは、25±5℃程度をいう。
その後、加温キュアを行い、熱硬化性樹脂を硬化させる。ここで、加温キュアするとは、熱硬化性樹脂の反応を促進させるため、熱硬化性樹脂の雰囲気温度を一定時間高温に保ち、硬化を促進することをいう。加温キュアする際の温度は、必ずしも前記混合物の温度が加温キュア温度になるまでの温度と同一でなくても良い。また、加温を行う時間は、生産性を考えるとより短い方が好ましい。
その後、固定材を切断し開口部を形成させ、ヘッダーを取付て中空糸膜モジュールを得ることができる。
本発明の中空糸膜モジュールは、人工腎臓、血漿分離膜、体外循環吸着用担体などの血液処理用途やエンドトキシン除去フィルターなどの水処理分野にも適用可能である。
以下実施例により本発明をさらに説明するが、本発明は、これに限定されるものではない。
実施例1
分離性能を有するポリスルホン中空糸膜(外径280μm、膜厚40μm、長さ340mm)、10000本を集束したものをポリプロピレンでできた筒状の収容容器に入れ、両端部を700℃のヒートプレートで溶融切断し、完全に端部が封止したことを確認した後、中空糸膜を固定材で固定するためケースに注型キャップを取り付けた。
この中空糸膜を納めた筒状収容容器に遠心力(50G)を付与しつつ、熱硬化性樹脂としてKC700(日本ポリウレタン工業社製;ウレタン系接着剤主剤)41重量部、KN700(日本ポリウレタン工業社製;ウレタン系接着剤硬化剤)59重量部を配合してなる二液硬化型ウレタン樹脂30gを混合後、25℃の雰囲気下で収容容器内の固定部に15秒間で注入を行い、10分間遠心し続けた。その後、25℃の雰囲気下にてウレタン樹脂温度が60℃になるまで静置させた。その後、60℃の乾燥機にて1時間加温キュアさせた後、さらに1時間25℃雰囲気下で静値させウレタン樹脂を冷却させた。その後、注型キャップを取り外し、ウレタン樹脂の収縮の測定を行った。図3に示すとおり、ウレタン樹脂端部からモジュールケースまでの長さを測定し、図4に示す設計値に対する割合を求め、98%以下を収縮とした。結果、収縮の発生率は0%であった。
実施例2
実施例1と同様の条件でポッティングを行った後、25℃の雰囲気下にてウレタン樹脂温度が45℃になるまで静置させた。その後、45℃の乾燥機にて1時間加温キュアさせた後、さらに1時間25℃雰囲気下で静値させウレタン樹脂を冷却させた。その後、ウレタン樹脂の収縮の測定を行ったところ、収縮の発生率は0%であった。
実施例3
実施例1と同様の条件でポッティングを行った後、25℃の雰囲気下にてウレタン樹脂温度が60℃になるまで静置させた。その後、45℃の乾燥機にて1時間加温キュアさせた後、さらに1時間25℃雰囲気下で静値させウレタン樹脂を冷却させた。その後、ウレタン樹脂の収縮の測定を行ったところ、収縮の発生率は0%であった。
比較例1
実施例1と同様の条件でポッティングを行った後、25℃の雰囲気下にてウレタン樹脂温度が90℃になるまで静置させた。その後、60℃の乾燥機にて1時間加温キュアさせた後、さらに1時間25℃雰囲気下で静値させウレタン樹脂を冷却させた。その後、ウレタン樹脂の収縮の測定を行ったところ、収縮の発生率は50%であった。
比較例2
実施例1と同様の条件でポッティングを行った後、25℃の雰囲気下にてウレタン樹脂温度が80℃になるまで静置させた。その後、60℃の乾燥機にて1時間加温キュアさせた後、さらに1時間25℃雰囲気下で静値させウレタン樹脂を冷却させた。その後、ウレタン樹脂の収縮の測定を行ったところ、収縮の発生率は33%であった。
実施例2
実施例1と同様の条件でポッティングを行った後、25℃の雰囲気下にてウレタン樹脂温度が45℃になるまで静置させた。その後、45℃の乾燥機にて1時間加温キュアさせた後、さらに1時間25℃雰囲気下で静値させウレタン樹脂を冷却させた。その後、ウレタン樹脂の収縮の測定を行ったところ、収縮の発生率は0%であった。
実施例3
実施例1と同様の条件でポッティングを行った後、25℃の雰囲気下にてウレタン樹脂温度が60℃になるまで静置させた。その後、45℃の乾燥機にて1時間加温キュアさせた後、さらに1時間25℃雰囲気下で静値させウレタン樹脂を冷却させた。その後、ウレタン樹脂の収縮の測定を行ったところ、収縮の発生率は0%であった。
比較例1
実施例1と同様の条件でポッティングを行った後、25℃の雰囲気下にてウレタン樹脂温度が90℃になるまで静置させた。その後、60℃の乾燥機にて1時間加温キュアさせた後、さらに1時間25℃雰囲気下で静値させウレタン樹脂を冷却させた。その後、ウレタン樹脂の収縮の測定を行ったところ、収縮の発生率は50%であった。
比較例2
実施例1と同様の条件でポッティングを行った後、25℃の雰囲気下にてウレタン樹脂温度が80℃になるまで静置させた。その後、60℃の乾燥機にて1時間加温キュアさせた後、さらに1時間25℃雰囲気下で静値させウレタン樹脂を冷却させた。その後、ウレタン樹脂の収縮の測定を行ったところ、収縮の発生率は33%であった。
1 中空糸膜
2 モジュールケース
3 ヘッダー
4 固定材
5 注型キャップ
6 固定材測定個所
7 固定材設計値
2 モジュールケース
3 ヘッダー
4 固定材
5 注型キャップ
6 固定材測定個所
7 固定材設計値
Claims (4)
- 固定材を用いてケースと中空糸膜および中空糸膜間を固定する中空糸膜モジュールの製造方法において、固定材の温度が加温キュア温度になるまで室温で放置した後、加温キュアする中空糸膜モジュールの製造方法。
- 前記加温キュア温度が60℃以下であることを特徴とする請求項1に記載の中空糸膜モジュールの製造方法。
- 固定材がポリウレタン樹脂であることを特徴とする請求項1記載の中空糸膜モジュールの製造方法。
- 請求項1〜3のいずれか記載の中空糸膜モジュールが人工腎臓用であることを特徴とする中空糸膜モジュールの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005043644A JP2006224052A (ja) | 2005-02-21 | 2005-02-21 | 中空糸膜モジュールの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005043644A JP2006224052A (ja) | 2005-02-21 | 2005-02-21 | 中空糸膜モジュールの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006224052A true JP2006224052A (ja) | 2006-08-31 |
Family
ID=36985869
Family Applications (1)
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JP2005043644A Withdrawn JP2006224052A (ja) | 2005-02-21 | 2005-02-21 | 中空糸膜モジュールの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006224052A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012035200A (ja) * | 2010-08-06 | 2012-02-23 | Asahi Kasei Medical Co Ltd | 中空糸モジュール |
-
2005
- 2005-02-21 JP JP2005043644A patent/JP2006224052A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012035200A (ja) * | 2010-08-06 | 2012-02-23 | Asahi Kasei Medical Co Ltd | 中空糸モジュール |
CN102371122A (zh) * | 2010-08-06 | 2012-03-14 | 旭化成医疗株式会社 | 中空纤维组件 |
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