JP6953303B2 - 鋼製支保工の倒れ止め構造および鞘管ユニット - Google Patents

鋼製支保工の倒れ止め構造および鞘管ユニット Download PDF

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Description

本発明は、鋼製支保工の倒れ止め構造および鞘管ユニットに関する。
トンネルを構築する工法として、NATM工法(New Austrian Tunneling Method)が知
られている。NATM工法は、地山が有する支保能力、強度を有効に利用してトンネルの安定を保つという考え方のもとに、吹付けコンクリート、ロックボルト、鋼製支保工を適宜に用いて、地山と一体化したトンネル構造物を建設する工法である。
NATM工法においてトンネルを構築する際に、アーチ状の鋼製支保工を設置する場合、通常、以下に説明する手順により行われている。まず、切羽の近傍に吹付け機をセットして、切羽にコンクリートを一次吹き付けし、これが完了すると、吹付け機を退出させる。次いで、切羽近傍に支保工を建て込むエレクタを備えた作業車を配置し、エレクタによりアーチ状の鋼製支保工を切羽近傍のトンネル坑壁に建て込み、これが完了すると作業車を退出させる。次に、切羽に吹付け機を再び配置し、建て込まれたトンネル支保工を埋め込むようにして、コンクリートの二次吹付けを行い、吹付け機を退出させる。
鋼製支保工は、一般にトンネル軸方向に所定の建て込みピッチ毎に建て込まれる。鋼製支保工を新たに建て込んだ後、吹付けコンクリートで固定されるまでの間、新設の鋼製支保工の姿勢が傾いたり、倒れたりすることを抑制するために、新設の鋼製支保工と既設の鋼製支保工の間につなぎ材(継ぎ材)を架け渡し、新設の鋼製支保工を仮固定する技術が知られている。従来から、鋼製支保工のフランジにさや管と呼ばれる鋼製筒体を溶接しておき、ロッド状部材の両端を90°屈曲させることで両端に係止部が形成されたつなぎ材が広く用いられている。この種のつなぎ材は、その両端部に形成された係止部同士の長さが、鋼製支保工の建て込みピッチに適合するように製作されている。
特開2008−180014号公報
しかしながら、現実のトンネル施工においては、既設の鋼製支保工と新設した鋼製支保工との建て込みピッチが設計寸法通りにいかず、誤差が生じる場合がある。この場合、予め用意されたつなぎ材を施工現場で一旦切断し、再度溶接するなどして長さの調整を行う必要があり、作業負荷や作業時間の増大を招く要因となっていた。また、トンネル線形が曲線となる区間においては、トンネルの軸方向に配列される鋼製支保工の1間の長さがトンネルの左右で相違する場合があるが、このような場合においても左右における1間毎の長さの誤差は許容しつつ定尺のつなぎ材を用いて施工し、誤差が大きくなった時点で予め用意された定尺のつなぎ材を施工現場で一旦切断し、再度溶接するなどして長さの調整を行っており、作業負荷や作業時間の増大を招く要因となっていた。
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、トンネル軸方向における鋼製支保工の建て込みピッチが変更されても、定尺のつなぎ材を用いてトンネル軸方向に隣接する鋼製支保工同士を連結することの可能な鋼製支保工の倒れ止め構造を提供することにある。
上記課題の解決するために、本発明は以下の手段を採用した。すなわち、本発明は、トンネル軸方向に沿って所定の建て込みピッチで建て込まれる鋼製支保工の倒れ止め構造であって、前記トンネル軸方向に隣接する一対の前記鋼製支保工のそれぞれに固設された鞘管ユニットと、前記隣接する一対の鋼製支保工に設けられる鞘管ユニット間に架け渡されるつなぎ材と、を備え、前記鞘管ユニットは、前記つなぎ材の端部に設けられたフック部を選択的に嵌合挿入可能であって前記トンネル軸方向に並列した複数の嵌合挿入部を有する。
また、前記鞘管ユニットは、前記鋼製支保工のフランジに固設されていても良い。
また、本発明において、前記鞘管ユニットは、複数の嵌合挿入部の一部が、前記フランジの先端よりも前記鋼製支保工の建て込みスパン内側に突出していても良い。
また、本発明は、鞘管ユニットとして特定することもできる。すなわち、本発明は、トンネル軸方向に沿って所定の建て込みピッチで建て込まれる鋼製支保工に固設される鞘管ユニットであって、前記トンネル軸方向に隣接する一対の前記鋼製支保工間に架け渡されるつなぎ材の端部に設けられたフック部を選択的に嵌合挿入可能であってトンネル軸方向に並列した複数の嵌合挿入部を有する。
本発明によれば、トンネル軸方向における鋼製支保工の建て込みピッチが変更されても、定尺のつなぎ材を用いてトンネル軸方向に隣接する鋼製支保工同士を連結することの可能な鋼製支保工の倒れ止め構造を提供できる。
図1は、実施形態1に係るトンネル支保工の側面図である。 図2は、実施形態1に係るトンネル支保構造を説明する図である。 図3は、実施形態1のエレクタ装置を搭載する作業車の上面図である。 図4Aは、実施形態1に係る鋼製支保工の倒れ止め構造を示す図である。 図4Bは、実施形態1に係る鋼製支保工の倒れ止め構造を示す図である。 図5は、実施形態1に係るつなぎ材の概略構成図である。 図6は、実施形態1に係る鞘管ユニットの概略構成図である。 図7は、つなぎ材のフック部を鞘管ユニットの嵌合挿入部に嵌合挿入する際の組み合わせと建て込み長さの関係を説明する図である。 図8は、変形例1に係る鞘管ユニットを説明する図である。 図9は、実施形態2に係る鞘管ユニットを説明する図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
<実施形態1>
図1は、実施形態1に係るトンネルの鋼製支保工10の側面図である。鋼製支保工10は、トンネル掘削に伴い露出する地山の崩落防止のために、掘削直後の坑壁に沿って建て込まれるアーチ状の鋼製支保工であり、トンネル軸方向に沿って所定の建て込みピッチ毎に設置される。本実施形態における鋼製支保工10は、H形断面を有するH形鋼によって形成されている。より詳しくは、鋼製支保工10は、一対の円弧状の鋼製支保工10L,10Rの天端部(上端部)同士を一体に連結することでアーチ状に形成されている。以下、鋼製支保工10Lを「左側鋼製支保工」と呼び、鋼製支保工10Rを「右側鋼製支保工」と呼ぶ。
左側鋼製支保工10Lは、第1本体部111、第1天端継手板121、第1底板131を有する。第1本体部111は、ウェブ111a、当該ウェブ111aに直交する一対の地山側フランジ111b及び内空側フランジ111cから構成されるH形鋼である。また、第1本体部111における一端には第1天端継手板121が溶接され、他端には第1底板131が溶接されている。第1天端継手板121及び第1底板131は四角形の鋼製平板であり、第1本体部111のH形断面に対して直交方向に延在している。右側鋼製支保工10Rについても同様に、第2本体部112、第2天端継手板122、第2底板132を有する。第2本体部112は、ウェブ112a、当該ウェブ112aに直交する一対の地山側フランジ112b及び内空側フランジ112cから構成されるH形鋼である。また、第2本体部112における一端には第2天端継手板122が溶接され、他端には第2底板132が溶接されている。第2天端継手板122、第2底板132は四角形の鋼製平板であり、第2本体部112のH形断面に対して直交方向に延在している。第1天端継手板121及び第2天端継手板122には、ボルトを挿通するボルト穴が設けられており、当該ボルト穴に挿通させたセンターボルト14にナット15を螺合させることで、第1天端継手板121及び第2天端継手板122が締結される。
図2は、実施形態1に係る鋼製支保工10を適用したトンネル支保構造1を説明する図であり、トンネルTの軸を通る鉛直断面の概略図である。本実施形態では、NATM工法(New Austrian Tunneling Method)によってトンネルTを構築する場合を例に説明する。
図2における符号3は、一次吹付けコンクリート層である。また、符号4は金網、符号5は隣接する鋼製支保工10同士を繋ぐつなぎ材である。このつなぎ材5は、切羽側に位置する新設の鋼製支保工10が倒れたり、傾いたりしないように仮固定するためのロッド部材であり、新設の鋼製支保工10と既設の鋼製支保工10との間に架け渡されるロッド部材である。また、符号6は、二次吹付けコンクリート層である。なお、図2には、鋼製支保工10の右側鋼製支保工10Rが図示されている。
本実施形態のトンネル構築方法において、切羽8の掘削によってトンネルTの側面に地山7が露出した後、この地山7に対して一次コンクリートの吹付け施工が行われることで、一次吹付けコンクリート層3が形成される。その後、トンネル坑壁面に沿って一次吹付けコンクリート層3の内空側に上述したアーチ状の鋼製支保工10が建て込まれる。つまり、既設の鋼製支保工10の切羽側に新設の鋼製支保工10が建て込まれる。鋼製支保工10は、トンネルTの坑口側に位置する既設の鋼製支保工10に対して、切羽8側に隣接し、トンネルTの軸方向に所定の間隔(例えば、1.0m〜1.5m程度)で配列される。
なお、左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rの建て込み作業は、例えば、図3に示すようなエレクタ装置100を用いて行うことができる。図3は、エレクタ装置100を搭載する作業車200の上面図である。エレクタ装置100は、同一構成の一対のブーム17L,17Rを備えている。一対のブーム17L,17Rは、これらに付設される駆動機構の作動によって伸縮動作、傾動動作、揺動動作、回動動作が自在である。また、各ブーム17L,17Rの先端には、同一構成の一対のハンド18L,18Rが連結されている。一対のハンド18L,18Rは、これらに付設される駆動機構の作動によって回転動作および揺動動作が自在であり、左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rをそれぞれ着脱自在に挟圧把持(保持)することができる。エレクタ装置100は、一対のハンド18L,18Rに左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rを把持し、各ハンド18L,18Rを駆動することで左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rを所定の建て込み位置に建て込むことができる。左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rの建て込みは、掘削した上半盤上に平板状の木製皿板を置いて地盤の耐力を補う
と共に、据付け高さの調整を行う。そして、上記皿板上に左側鋼製支保工10L(右側鋼製支保工10R)の第1底板131(第2底板132)を載置し、左側鋼製支保工10L(右側鋼製支保工10R)が垂直になるように建て込む。
次に、例えばレーザ測量機(図示せず)から照射される光線がターゲットと一致するように皿板と第1底板131(第2底板132)の間にクサビを挿入、あるいは、皿板の下部を掘り下げる等して高さを調整することで、左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rが地盤上に据付けられる。そして、新設の鋼製支保工10(左側鋼製支保工10L、右側鋼製支保工10R)と、既設の鋼製支保工10とを、つなぎ材5によって繋ぐことで新設の鋼製支保工10を仮固定する。つなぎ材5は、トンネルTの高さ方向に複数段に渡り配置され、例えば隣接する鋼製支保工10の根脚部、肩部、天端部の各位置に配置される。次に、センターボルト14(図1を参照)によって第1天端継手板121及び第2天端継手板122を締結する。なお、つなぎ材5を設置する前に、センターボルト14によって、第1天端継手板121及び第2天端継手板122を緩く連結しておき、つなぎ材5の設置完了後にセンターボルト14を固く締結しても良い。
次に、新設の鋼製支保工10と、既設の鋼製支保工10との区間における一次吹付けコンクリート層3の表面に沿って金網4を配置した後、二次吹付けコンクリートを吹付け施工することで二次吹付けコンクリート層6を形成する。なお、二次吹付けコンクリートは、鋼製支保工10における一対のフランジのうち、地山7と反対側に位置する内空側フランジ112c(111c)に概ね達する厚さまで吹付けられる。また、金網4は、二次吹付けコンクリートを補強するために配置され、地山条件が良好な場合には省略する場合もある。
次に、つなぎ材5を用いた鋼製支保工の倒れ止め構造の詳細について説明する。図4Aおよび図4Bは、実施形態1に係る鋼製支保工の倒れ止め構造2を示す図である。図5は、実施形態1に係るつなぎ材5の概略構成図である。図6は、実施形態1に係る鞘管ユニット9の概略構成図である。
実施形態1に係る鋼製支保工10の倒れ止め構造2は、鞘管ユニット9とつなぎ材5を含んで構成されている。図5に示すように、つなぎ材5は、鋼製の棒状部材であるロッド本体部50と、ロッド本体部50の両端を略直交に折り曲げることで形成されたフック状のフック部51を有する。以下、ロッド本体部50の一端に設けられたフック部51を第1フック部51Aと呼び、他端に設けられたフック部51を第2フック部51Bと呼ぶ場合がある。
一方、図6に示す鞘管ユニット9は、複数の円筒鞘形状を有する鞘管91を一体にしたものであり、図6の例では3つの鞘管91を有している。鞘管ユニット9は、鞘管91の側面同士を溶接する等して、横方向に一直線状に固着したものであり、各鞘管91の中心間寸法D(符号6に図示)が一定寸法となっている。各鞘管91の内周側には、中空状の嵌合挿入部92が形成されており、つなぎ材5の端部に設けられたフック部51を挿入することができる寸法を有している。
本実施形態における鞘管ユニット9は、鋼製支保工10の第1本体部111(第2本体部112)のフランジに固設されている。例えば、図4に示す例では、鋼製支保工10の第1本体部111(第2本体部112)の地山側フランジ111b(地山側フランジ112b)の内面に溶接によって固定されているが、内空側フランジ111c(内空側フランジ112c)の内面に固定されていても良い。本実施形態において、鞘管ユニット9におえる各鞘管91の中心軸は、鋼製支保工10の延伸方向(長手軸方向)と平行になるように地山側フランジ111b(地山側フランジ112b)に固定されている。また、本実施
形態においては、鋼製支保工10(左側鋼製支保工10L、右側鋼製支保工10R)のうち、第1本体部111(第2本体部112)の軸方向においてつなぎ材5を架け渡すべき予め定められた位置毎に、地山側フランジ111b(地山側フランジ112b)の内面に設けられている。
ここで、地山側フランジ111b(地山側フランジ112b)に固着されている鞘管ユニット9に含まれる3個の鞘管91のうち、ウェブ111a(ウェブ112a)に最も近いものから第1鞘管91A、第2鞘管91B、第3鞘管91Cと呼ぶ。第3鞘管91Cは、3個の鞘管91のうち、ウェブ111a(ウェブ112a)から最も遠い位置に配置され、第2鞘管91Bは第1鞘管91Aおよび第3鞘管91Cの中間に配置されている。また、第1鞘管91A、第2鞘管91B、第3鞘管91Cに対応する嵌合挿入部92を、それぞれ第1嵌合挿入部92A、第2嵌合挿入部92B、第3嵌合挿入部92Cと呼ぶ。図4Aおよび図4B中、トンネルTの軸方向を矢印で示す。また、図4Aおよび図4Bに示す一対の鋼製支保工10のうち、便宜上、右側に示す方を既設の鋼製支保工10とし、左側に示す方を新設の鋼製支保工10とする。以上のように、本実施形態における鞘管ユニット9は、第1嵌合挿入部92A、第2嵌合挿入部92B、第3嵌合挿入部92Cがトンネル軸方向に並列されており、各嵌合挿入部92A〜92Cにつなぎ材5のフック部51を選択的に嵌合挿入することが可能である。
図4Aおよび図4Bには、取付け対象となるつなぎ材(以下、「取付け対象つなぎ材」という場合がある)5の第1フック部51Aを既設の鋼製支保工10における鞘管ユニット9の第3嵌合挿入部92Cに嵌合挿入し、取付け対象つなぎ材5の第2フック部51Bを新設の鋼製支保工10における鞘管ユニット9の第3嵌合挿入部92Cに嵌合挿入させることで、取付け対象つなぎ材5を一対の鋼製支保工10間に架け渡す例を示している。本実施形態における鞘管ユニット9によれば、各嵌合挿入部92A〜92Cに取付け対象つなぎ材5のフック部51を選択的に嵌合挿入することができるため、フック部51を嵌合挿入する組み合わせを変更することで、定尺のつなぎ材5を用いても一対の鋼製支保工10間の建て込み長さLを変更することができる。ここでいう建て込み長さLとは、隣接する一対の鋼製支保工10の下端部位置におけるウェブ112a同士の中心間寸法であっても良い。
図7は、つなぎ材5のフック部51を鞘管ユニット9の嵌合挿入部92A〜92Cに嵌合挿入する際の組み合わせと、鋼製支保工10の建て込み長さLの関係を説明する図である。図7には、第1パターンから第5パターンまでの5種類の組み合わせパターンを示しており、それぞれ建て込み長さLが異なっている。図7に示す各組み合わせパターンは、相互に建て込み長さLが鞘管91の中心間寸法Dずつ相違している。
図7の第3パターンは、鋼製支保工10の建て込み長さLが基準長さLbであり、つなぎ材5の第1フック部51Aが既設の鋼製支保工10における鞘管ユニット9の第2嵌合挿入部92Bに嵌合挿入され、第2フック部51Bが新設の鋼製支保工10における鞘管ユニット9の第2嵌合挿入部92Bに嵌合挿入されている。
これに対して、第1パターンおよび第2パターンは、第3パターンよりも鋼製支保工10の建て込み長さLが短くなる組み合わせパターンである。まず、第1パターンでは、つなぎ材5の第1フック部51Aが既設の鋼製支保工10における鞘管ユニット9の第1嵌合挿入部92Aに嵌合挿入され、第2フック部51Bが新設の鋼製支保工10における鞘管ユニット9の第1嵌合挿入部92Aに嵌合挿入されている。その結果、第1パターンにおいては、鋼製支保工10の建て込み長さLが第3パターンの基準長さLbよりも、鞘管91の中心間寸法Dの2倍だけ短くなる。
一方、第2パターンでは、つなぎ材5の第1フック部51Aが既設の鋼製支保工10における鞘管ユニット9の第1嵌合挿入部92Aに嵌合挿入され、第2フック部51Bが新設の鋼製支保工10における鞘管ユニット9の第2嵌合挿入部92Bに嵌合挿入されている。その結果、第2パターンにおいては、鋼製支保工10の建て込み長さLが第3パターンの基準長さLbよりも、鞘管91の中心間寸法Dだけ短くなる。
次に、第4パターンおよび第5パターンは、第3パターンよりも鋼製支保工10の建て込み長さLが長くなる組み合わせパターンである。まず、第4パターンでは、つなぎ材5の第1フック部51Aが既設の鋼製支保工10における鞘管ユニット9の第2嵌合挿入部92Bに嵌合挿入され、第2フック部51Bが新設の鋼製支保工10における鞘管ユニット9の第3嵌合挿入部92Cに嵌合挿入されている。その結果、第4パターンにおいては、鋼製支保工10の建て込み長さLが第3パターンの基準長さLbよりも鞘管91の中心間寸法Dだけ長くなる。また、第5パターンでは、つなぎ材5の第1フック部51Aが既設の鋼製支保工10における鞘管ユニット9の第3嵌合挿入部92Cに嵌合挿入され、第2フック部51Bが新設の鋼製支保工10における鞘管ユニット9の第3嵌合挿入部92Cに嵌合挿入されている。その結果、第5パターンにおいては、鋼製支保工10の建て込み長さLが第3パターンの基準長さLbよりも鞘管91の中心間寸法Dの2倍だけ長くなる。
以上のように、本実施形態における鋼製支保工10の倒れ止め構造2によれば、つなぎ材5が定尺であるにも関わらず、フック部51を鞘管ユニット9の嵌合挿入部92A〜92Cに嵌合挿入する際の組み合わせを変更することで、鋼製支保工10の建て込み長さLを変更することができる。よって、トンネルTの実施工において、既設の鋼製支保工10と新設した鋼製支保工10との間の建て込み長さLが設計値との間に誤差が生じたとしても、実際の建て込み長さLに応じて定尺のつなぎ材5を用いて、つなぎ材5を切断したり溶接したりすることなく簡単に鋼製支保工10同士を連結することができる。
<変形例>
なお、上記実施形態1における鞘管ユニット9は、種々の変形例を採用することができる。例えば、鞘管ユニット9を構成する鞘管91の数は複数であれば良く、3個以上であっても良い。
図8は、変形例1に係る鞘管ユニット9Aを説明する図である。変形例1に係る鞘管ユニット9Aは、5個の鞘管91を有しており、複数の嵌合挿入部92の一部が、フランジの先端よりも鋼製支保工10の建て込みスパン内側に突出している。図8に示す例では、5個の鞘管91のうちの3個が鋼製支保工10の第1本体部111(第2本体部112)の内空側フランジ111c(内空側フランジ112c)の内面に配置され、2個が内空側フランジ111c(内空側フランジ112c)の先端よりも鋼製支保工10の建て込みスパン内側に突出している。このように構成することで、鋼製支保工10のH型断面の大きさに拘わらず、鋼製支保工10の建て込み長さLの調整範囲を拡大することができる。
<実施形態2>
次に、実施形態2に係る鞘管ユニット9Bを説明する。図9は、実施形態2に係る鞘管ユニット9Bを説明する図である。図9の上段に鞘管ユニット9Bの上面図、中段に側面図、下段に下面図を示す。鞘管ユニット9Bは、底面900と、側壁910を有する。鞘管ユニット9Bにおける側壁910の上端は開口端となっており、側壁910の内側に複数の嵌合挿入部920が形成されている。側壁910は、一組の波形壁部910A,910Bと、これらを接続する端部910C,910Dを有する。図9に示す鞘管ユニット9Bは、3個の嵌合挿入部920を有しており、それぞれに対して上述したつなぎ材5のフック部51を選択的に嵌合挿入することが可能であるため、上述した鞘管ユニット9と同
様に、鋼製支保工10の建て込み長さLを調整することができる。また、本変形例に係る鞘管ユニット9Bによれば、各嵌合挿入部920同士の間が隔壁によって完全に隔てられていないため、実施形態1における鞘管ユニット9の鞘管91の部材厚さの分だけ、鋼製支保工10の建て込み長さLをより細やかに調整することができる。
以上、本発明の実施形態及び変形例を説明したが、本発明に係る鞘管ユニットおよびそれを備えた鋼製支保工の倒れ止め構造はこれらに限られず、可能な限りこれらを組み合わせることができる。
1・・・トンネル支保構造
3・・・一次吹付けコンクリート層
4・・・金網
5・・・つなぎ材
6・・・二次吹付けコンクリート層
7・・・地山
8・・・切羽
9・・・鞘管ユニット
10・・・トンネル支保工
50・・・ロッド本体部
51・・・フック部
51A・・・第1フック部
51B・・・第2フック部
91・・・鞘管
92・・・嵌合挿入部

Claims (4)

  1. トンネル軸方向に沿って所定の建て込みピッチで建て込まれる鋼製支保工の倒れ止め構造であって、
    前記トンネル軸方向に隣接する一対の前記鋼製支保工のそれぞれに固設された鞘管ユニットと、
    前記隣接する一対の鋼製支保工に設けられる鞘管ユニット間に架け渡されるつなぎ材と、
    を備え、
    前記鞘管ユニットは、前記つなぎ材の端部に設けられたフック部を選択的に嵌合挿入可能であって前記トンネル軸方向に並列した複数の嵌合挿入部を有する、
    鋼製支保工の倒れ止め構造。
  2. 前記鞘管ユニットは、前記鋼製支保工のフランジに固設されている、請求項1に記載の鋼製支保工の倒れ止め構造。
  3. 前記鞘管ユニットは、複数の嵌合挿入部の一部が、前記フランジの先端よりも前記鋼製支保工の建て込みスパン内側に突出している、請求項2に記載の鋼製支保工の倒れ止め構造。
  4. トンネル軸方向に沿って所定の建て込みピッチで建て込まれる鋼製支保工に固設される鞘管ユニットであって、
    前記トンネル軸方向に隣接する一対の前記鋼製支保工間に架け渡されるつなぎ材の端部に設けられたフック部を選択的に嵌合挿入可能であってトンネル軸方向に並列した複数の嵌合挿入部を有する、
    鞘管ユニット。
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