JP3241438U - 鋼製支保工 - Google Patents
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Abstract
【課題】吹付けコンクリートとの一体化を向上することができる鋼製支保工を提供する。【解決手段】NATM工法に適用される鋼製支保工10であって、アーチ状に延伸すると共にウェブ111a、112aおよびフランジを含むH形鋼によって形成される支保工材111、112と、フランジに設けられ、吹付けコンクリートに埋没されることで当該吹付けコンクリートに定着される定着部材2、21と、を備える。【選択図】図1
Description
本考案は、鋼製支保工に関する。
トンネルを構築する工法として、NATM工法(New Austrian Tunneling Method)が知
られている。NATM工法は、地山が有する支保能力、強度を有効に利用してトンネルの安定を保つという考え方のもとに、吹付けコンクリート、ロックボルト、鋼製支保工を適宜に用いて、地山と一体化したトンネル構造物を建設する工法である。
られている。NATM工法は、地山が有する支保能力、強度を有効に利用してトンネルの安定を保つという考え方のもとに、吹付けコンクリート、ロックボルト、鋼製支保工を適宜に用いて、地山と一体化したトンネル構造物を建設する工法である。
NATM工法においてトンネルを構築する際に、アーチ状の鋼製支保工を設置する場合、通常、以下に説明する手順により行われている。まず、切羽の近傍に吹付け機をセットして、切羽にコンクリートを一次吹き付けし、これが完了すると、吹付け機を退出させる。次いで、切羽近傍に支保工を建て込むエレクタを備えた作業車を配置し、エレクタによりアーチ状の鋼製支保工を切羽近傍のトンネル坑壁に建て込み、これが完了すると作業車を退出させる。次に、切羽に吹付け機を再び配置し、建て込まれたトンネル支保工を埋め込むようにして、コンクリートの二次吹付けを行い、吹付け機を退出させる。
鋼製支保工は一般に剛性が大きいことから、トンネル坑壁(地山)の崩落や変形抑止効果が高く、建て込み直後から切羽掘削直後のトンネルの安定性を確保するのに有効である。また、近年においては、吹付けから短時間で強度と剛性を発揮する吹付けコンクリートが実用化されている。
しかしながら、鋼製支保工と吹付けコンクリートとの一体化が不十分であると、十分に支保効果を発揮することが難しくなると考えられる。
本開示は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、吹付けコンクリートとの一体化を向上することができる鋼製支保工を提供することにある。
(態様1)
本考案に係る態様1は、NATM工法に適用される鋼製支保工であって、アーチ状に延伸すると共に、ウェブおよびフランジを含むH形鋼によって形成される支保工材と、前記フランジに設けられ、吹付けコンクリートに埋没されることで当該吹付けコンクリートに定着される定着部材と、を備え、前記定着部材は、前記フランジから前記支保工材の側部外方に向けて延設されたアンカー部材である。
本考案に係る態様1は、NATM工法に適用される鋼製支保工であって、アーチ状に延伸すると共に、ウェブおよびフランジを含むH形鋼によって形成される支保工材と、前記フランジに設けられ、吹付けコンクリートに埋没されることで当該吹付けコンクリートに定着される定着部材と、を備え、前記定着部材は、前記フランジから前記支保工材の側部外方に向けて延設されたアンカー部材である。
(態様2)
本考案に係る態様2は、NATM工法に適用される鋼製支保工であって、アーチ状に延伸すると共に、ウェブおよびフランジを含むH形鋼によって形成される支保工材と、前記フランジに設けられ、吹付けコンクリートに埋没されることで当該吹付けコンクリートに定着される定着部材と、を備え、前記定着部材は、前記支保工材の地山側フランジから内
空側フランジにかけて垂設される金網部材である。
本考案に係る態様2は、NATM工法に適用される鋼製支保工であって、アーチ状に延伸すると共に、ウェブおよびフランジを含むH形鋼によって形成される支保工材と、前記フランジに設けられ、吹付けコンクリートに埋没されることで当該吹付けコンクリートに定着される定着部材と、を備え、前記定着部材は、前記支保工材の地山側フランジから内
空側フランジにかけて垂設される金網部材である。
本考案によれば、吹付けコンクリートとの一体化を向上することができる鋼製支保工を提供できる。
以下、本考案に係る鋼製支保工の実施形態について、図面を参照しながら説明する。本考案に係る鋼製支保工は、NATM工法に適用される。
<実施形態>
図1は、実施形態に係るトンネル支保工10の正面図である。トンネル支保工10は、トンネル掘削に伴い露出する地山の崩落防止のために、掘削直後の坑壁に沿って建て込まれるアーチ状の鋼製支保工であり、トンネル軸方向に沿って一定間隔毎に設置される。トンネル支保工10は、一対のアーチ状の鋼製支保工10L,10Rの天端部(上端部)同士を一体に連結することで形成される。鋼製支保工10L,10Rは、後述するエレクタ装置100に把持され、掘削直後の坑壁に沿って所定の位置に設定される。
図1は、実施形態に係るトンネル支保工10の正面図である。トンネル支保工10は、トンネル掘削に伴い露出する地山の崩落防止のために、掘削直後の坑壁に沿って建て込まれるアーチ状の鋼製支保工であり、トンネル軸方向に沿って一定間隔毎に設置される。トンネル支保工10は、一対のアーチ状の鋼製支保工10L,10Rの天端部(上端部)同士を一体に連結することで形成される。鋼製支保工10L,10Rは、後述するエレクタ装置100に把持され、掘削直後の坑壁に沿って所定の位置に設定される。
左側鋼製支保工10Lは、支保工材111、第1天端継手板121、第1底板131を有する。支保工材111は、ウェブ111a、当該ウェブ111aに直交する一対の地山側フランジ111b及び内空側フランジ111cから構成されるH形鋼である。地山側フランジ111bは、ウェブ111aの上端側に接続される方のフランジであり、左側鋼製支保工10Lが建て込まれる際にトンネル地山側に面する。内空側フランジ111cは、ウェブ111aの下端側に接続される方のフランジであり、左側鋼製支保工10Lが建て込まれる際にトンネル内空側に面する。また、支保工材111における一端には第1天端継手板121が溶接され、他端には第1底板131が溶接されている。第1天端継手板121及び第1底板131は四角形の鋼製平板であり、支保工材111のH形断面に対して直交方向に延在している。
右側鋼製支保工10Rについても同様に、支保工材112、第2天端継手板122、第2底板132を有する。支保工材112は、ウェブ112a、当該ウェブ112aに直交する一対の地山側フランジ112b及び内空側フランジ112cから構成されるH形鋼である。地山側フランジ112bは、ウェブ112aの上端側に接続される方のフランジであり、右側鋼製支保工10Rが建て込まれる際にトンネル地山側に面する。内空側フランジ112cは、ウェブ112aの下端側に接続される方のフランジであり、右側鋼製支保工10Rが建て込まれる際にトンネル内空側に面する。また、支保工材112における一
端には第2天端継手板122が溶接され、他端には第2底板132が溶接されている。第2天端継手板122、第2底板132は四角形の鋼製平板であり、支保工材112のH形断面に対して直交方向に延在している。左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rは、第1天端継手板121及び第2天端継手板122が互いに突き合わされた状態で連結される。左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rは、本開示に係る鋼製支保工に相当する。
端には第2天端継手板122が溶接され、他端には第2底板132が溶接されている。第2天端継手板122、第2底板132は四角形の鋼製平板であり、支保工材112のH形断面に対して直交方向に延在している。左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rは、第1天端継手板121及び第2天端継手板122が互いに突き合わされた状態で連結される。左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rは、本開示に係る鋼製支保工に相当する。
図2は、実施形態に係る左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rを連結する連結構造30を示す概略図である。図2においては、第1天端継手板121に接続される支保工材111と、第2天端継手板122に接続される支保工材112の図示を便宜上省略している。図2における符号121aは、第1天端継手板121の外面、符号121bは第1天端継手板121の内面である。符号122aは、第2天端継手板122の外面、符号122bは第2天端継手板122の内面である。図2に示す例では、第1天端継手板121に雌型連結部40が凹設され、第2天端継手板122に雄型連結部50が凸設されている。雌型連結部40は、内部に雄型連結部50を収容可能なケーシング41を有し、雌型連結部40に形成された挿入口48から雄型連結部50を挿入することが可能である。また、ケーシング41内には、雄型連結部50を係止する雌型係止部材46が収容されている。雌型連結部40の挿入口48から雄型連結部50が挿入されると、雄型連結部50が雌型係止部材46に係止されることにより、第1天端継手板121及び第2天端継手板122をワンタッチで締結することができる。但し、第1天端継手板121及び第2天端継手板122の連結構造は特に限定されない。例えば、雌型連結部40を第2天端継手板122に設け、雄型連結部50を第1天端継手板121に設けてもよい。また、第1天端継手板121及び第2天端継手板122の連結構造は、ボルトとナットの組み合わせによって構成されてもよい。
図3は、実施形態に係るトンネル支保構造を説明する図である。山岳トンネルの掘削では、図3に示されるように、トンネル掘削面(地山面)7に対して一次吹付けコンクリート3を吹き付け、切羽8近傍にトンネル支保工10を建て込んだ後、1サイクル前に建て込んだトンネル支保工10´との間に、一次吹付けコンクリート3に積層して二次吹付けコンクリート6を吹き付ける、という工程を1サイクルとして、このサイクルを繰り返すことによりトンネル支保構造が構築される。なお、必要に応じて、二次吹付けコンクリート6の内周面から一次吹付けコンクリート3を貫通してトンネル掘削面(地山面)7に複数のロックボルト(図示せず)を打設してもよい。
図4は、実施形態に係る作業車200の上面図である。作業車200には、トンネル支保工10の建て込みを行うエレクタ装置100及び吹付け装置600が搭載されている。エレクタ装置100は、作業車200に取付けられた一対のブーム17L,17Rを備えている。一対のブーム17L,17Rは、作業車200に対して相対動作可能に取り付けられている。すなわち、各ブーム17L,17Rは各種の駆動機構が付設されており、当該駆動機構の作動によって伸縮動作、傾動(チルト)動作、揺動(スイング)動作が自在である。また、各ブーム17L,17Rの先端には、同一構成の一対の把持部18L,18Rが取り付けられている。一対の把持部18L,18Rは、一対のブーム17L,17Rに付設される駆動機構の作動によって傾動(チルト)動作、旋回(スイング)動作及び回動動作が自在であり、且つ、左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rをそれぞれ着脱自在に挟圧把持(保持)することができる。
吹付け装置600は、左側ブーム17L及び右側ブーム17Rの間に配設されており、アーム601と、アーム601に支持される吹付けロボット602と、吹付けロボット602の先端側に設けられる吹付けノズル603等を備えている。アーム601は、伸縮動作、傾動動作等が可能である。また、吹付けロボット602は、吹付けノズル603の傾
動動作、回動動作等が可能である。その他、吹付け装置600は、コンクリートポンプ、急結剤供給装置、コンプレッサ、高圧水ポンプ等を備えている。吹付けロボット602は、コンクリートポンプから供給された吹付けコンクリートを吹付けノズル603から吐出させることができる。
動動作、回動動作等が可能である。その他、吹付け装置600は、コンクリートポンプ、急結剤供給装置、コンプレッサ、高圧水ポンプ等を備えている。吹付けロボット602は、コンクリートポンプから供給された吹付けコンクリートを吹付けノズル603から吐出させることができる。
エレクタ装置100は、一対の把持部18L,18Rに左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rを把持し、各把持部18L,18Rを駆動することで左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rを所定の建て込み位置に建て込むことができる。本実施形態において、左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rは、アーチ状のトンネル支保工10が2分割された一対の支保工材であり、切羽8の近傍に誘導された後、これらを切羽8で組み立ててアーチ状のトンネル支保工10を形成する。
次に、左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rの詳細構造について説明する。本実施形態における左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rは、支保工材111,112におけるフランジに定着部材(後述する定着アンカー2)が設けられている。この定着部材は、吹付けコンクリートに埋没されることで当該吹付けコンクリートに定着される。より詳しくは、定着部材は、二次吹付けコンクリート6との定着を確保するために左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rのフランジに設けられている。
図5は、実施形態の各鋼製支保工10L,10Rにおける支保工材111,112に設けられた第1定着アンカー2A及び第2定着アンカー2Bを説明する図である。第1定着アンカー2A及び第2定着アンカー2Bは、支保工材111,112における各地山側フランジ111b,112bに取り付けられている。ここで、支保工材111,112に対する第1定着アンカー2A及び第2定着アンカー2Bの設置態様は実質的に同一である。なお、第1定着アンカー2A及び第2定着アンカー2Bを区別しない場合、「定着アンカー2」と呼ぶ場合がある。
図中、符号1111(1121)は、支保工材111(112)におけるウェブ111a(112a)の第1ウェブ面であり、符号1112(1122)は、ウェブ111a(112a)の第2ウェブ面である。ウェブ111a(112a)の第1ウェブ面1111(1121)は、左側鋼製支保工10L(右側鋼製支保工10R)がトンネル坑壁面に沿って建て込まれる際に、切羽8側に対向する方の面である。ウェブ111a(112a)の第2ウェブ面1112(1122)は、第1ウェブ面1111(1121)の反対側の面であり、左側鋼製支保工10L(右側鋼製支保工10R)がトンネル坑壁面に沿って建て込まれる際に、坑口側に面する。また、図中、符号1113(1123)は、地山側フランジ111b(112b)における内面である。符号1114(1124)は、内空側フランジ111c(112c)における内面である。支保工材111(112)において、地山側フランジ111b(112b)における内面1113(1123)と内空側フランジ111c(112c)における内面1114(1124)は互いに対向している。
図6は、実施形態に係る定着アンカー2の概略斜視図である。定着アンカー2は、棒状のロッド部20と、ロッド部20の先端側に付設された定着板部21とを有している。ロッド部20の基端側には、定着アンカー2を支保工材111(112)のフランジに固着するための固着部20aが形成されている。図5に示す例では、定着アンカー2におけるロッド部20の固着部20aが、地山側フランジ111b(112b)における内面1113(1123)に溶接等によって固定されている。ロッド部20の固着部20aは、当該ロッド部20の基端側に取り付けられた長ナットであってもよく、この長ナットを地山側フランジ111b(112b)における内面1113(1123)に溶接等によって固定してもよい。
定着アンカー2の定着板部21は、例えば平板状の鋼製プレートによって形成されている。図6に示す例では、定着板部21が四角形状を有しているが、当該定着板部21の形状は特に限定されず、円板形状やその他の形状を有していてもよい。図6に示す符号211は、後述する金網を支持するための支持用縁である。定着アンカー2は、定着板部21の支持用縁211が地山側フランジ111b(112b)の外面1115(1125)と概ね面一となるように、地山側フランジ111b(112b)に取り付けられる。
図5に示すように、定着アンカー2は、ロッド部20の固着部20aが地山側フランジ111b(112b)における内面1113(1123)に沿って固定されており、支保工材111(112)の側部外方(ウェブ111a(112a)の法線方向)に向かって延設されている。左側鋼製支保工10L(右側鋼製支保工10R)がトンネル坑壁面に沿って建て込まれた際、第1定着アンカー2Aが切羽8側に向かって延在し、第2定着アンカー2Bが坑口側に向かって延在するように、それぞれがトンネル軸方向に沿って配置される。なお、図5に示すように、第2定着アンカー2Bは、第1定着アンカー2Aに比べてロッド部20が長くなっている。また、図1に示すように、支保工材111(112)の長手方向に沿って複数の定着アンカー2(第1定着アンカー2A及び第2定着アンカー2B)が間隔をおいて配置されている。
また、図5に示すように、支保工材111(112)における地山側フランジ111b(112b)の外面1115(1125)側には、金網4が設けられている。例えば、金網4は格子形状を有している。金網4における1メッシュ(1マス)の大きさは特に限定されないが、例えば150mm角程度であってもよい。金網4は、例えば、支保工材111(112)における地山側フランジ111b(112b)の長手方向における全長に亘って配置されている。また、金網4は、地山側フランジ111b(112b)の外面1115(1125)に予め溶接されていてもよい。
金網4のうち、符号4Aによって示される部分は、地山側フランジ111b(112b)における切羽側縁部1116(1126)から側方に突出している部分(以下、「切羽側突出部」という)であり、符号4Bによって示される部分は、地山側フランジ111b(112b)における坑口側縁部1117(1127)から側方に突出している部分(以下、「坑口側突出部」という)である。なお、地山側フランジ111b(112b)における切羽側縁部1116(1126)は、鋼製支保工10L,10Rがトンネル坑壁面に沿って建て込まれる際に、切羽8側に対向する方の側縁部である。また、地山側フランジ111b(112b)における坑口側縁部1117(1127)は、切羽側縁部1116(1126)の反対側に位置する側縁部であり、鋼製支保工10L,10Rがトンネル坑壁面に沿って建て込まれる際に坑口側に面する。図5に示すように、金網4は、切羽側縁部1116(1126)から切羽側突出部4Aが側方に突出する第1突出長さに比べて、坑口側突出部4Bが坑口側縁部1117(1127)から側方に突出する第2突出長さの方が長くなっている。
以上のように構成される左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rは、上述したエレクタ装置100の各把持部18L,18Rによって支保工材111,112が把持された状態で連結され、アーチ状のトンネル支保工10に組み立てられる。
図7は、トンネルの新設区間(図3を参照)において、エレクタ装置100の把持部18L(18R)に把持した左側鋼製支保工10L(右側鋼製支保工10R)を所定の建て込み位置に位置合わせした状態を示す図である。この状態で、例えば、新設区間における金網4の坑口側突出部4Bの端部と、既設区間における金網4の切羽側突出部4Aとを1メッシュ程度重ね合せ、結束線や番線等で結束したり、溶接するなどして互いに一体化させる。
本実施形態における第1定着アンカー2Aは、新設区間に鋼製支保工10L,10Rを建て込む際に、切羽8と干渉しない長さに設定されており、例えば、支保工材111,112における地山側フランジ111b,112bの切羽側縁部1116,1126からの突出長さは150mm程度であってもよい。また、第2定着アンカー2Bは、新設区間に鋼製支保工10L,10Rを建て込む際に、既設区間側に隣接する既設の鋼製支保工10L,10Rにおける第1定着アンカー2Aと干渉しない長さに設定されている。本実施形態においては、第2定着アンカー2Bの長さを、第1定着アンカー2Aよりも長い寸法に設定することで、二次吹付けコンクリートとの付着面積を十分に確保することができる。また、第1定着アンカー2Aの長さを切羽8と干渉しない長さに設定し、第2定着アンカー2Bの長さを、既設側に隣接する第1定着アンカー2Aと干渉しない長さに設定することで、良好な施工性が確保できる。
また、本実施形態においては、金網4が、地山側フランジ111b,112bに予め固着されているため、施工性に優れている。また、金網4における切羽側突出部4Aの第1突出長さは、新設区間に右側鋼製支保工10R(左側鋼製支保工10L)を建て込む際に、切羽8と干渉しない長さに設定されており、例えば、第1定着アンカー2Aが切羽側縁部1116,1126からの突出する長さと同等であってもよい。また、金網4における坑口側突出部4Bの第2突出長さを、切羽側突出部4Aの第1突出長さより長くすることで、新設区間における金網4の坑口側突出部4Bの端部を、既設区間における金網4の切羽側突出部4Aを重ね合せて定着を確保することが容易となる。
左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rの第1天端継手板121及び第2天端継手板122を連結し、新設区間の所定位置にこれらが建て込まれると、新設区間における一次吹付けコンクリート3の上に積層して二次吹付けコンクリート6が吹き付けられる。その際、新設区間に建て込まれた左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rは、二次吹付けコンクリート6に埋設されることで一次吹付けコンクリート3及びトンネル掘削面7と一体化する。
本実施形態における左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rは、上記のように地山側フランジ111b,112bから支保工材111,112の側部側方に向けて定着アンカー2(第1定着アンカー2A,第2定着アンカー2B)が延設されている。そのため、新設区間に新設された左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rのフランジから側方に凸設された定着アンカー2が二次吹付けコンクリート6に埋設された状態で、二次吹付けコンクリート6が硬化することにより、定着アンカー2が二次吹付けコンクリート6に対して堅固に定着される。これにより、定着アンカー2を介して、二次吹付けコンクリート6とトンネル支保工10との一体化がより一層促進される。また、二次吹付けコンクリート6の凝固過程においても、トンネル支保工10がトンネル軸方向に傾倒することを抑制し易くなる。このようにして、トンネル支保工10と二次吹付けコンクリート6との定着が十分に確保されることによって、安定した支保構造を構築できる。
また、本実施形態における定着アンカー2の定着板部21は、支持用縁211によって金網4を下方から支持するように構成されている。そのため、金網4が自重によって撓むことを抑制し、適正な姿勢に保持することができる。尚、本実施形態においては、鋼製支保工10L,10Rにおける支保工材111,112に金網4を設置しているが、金網4を省略してもよい。鋼製支保工10L,10Rにおける支保工材111,112が定着アンカー2を備えることによって、適正な姿勢を保持することが可能である。また、本実施形態においては、鋼製支保工10L,10Rにおける支保工材111,112に、第1定着アンカー2A及び第2定着アンカー2Bの双方を設置する形態を説明したが、これには限定されない。例えば、鋼製支保工10L,10Rにおける支保工材111,112は、
第1定着アンカー2Aを必ずしも備える必要はなく、第2定着アンカー2Bのみを備えていてもよい。この場合おいても鋼製支保工10L,10Rにおける支保工材111,112が適正な姿勢を保持することが可能である。
第1定着アンカー2Aを必ずしも備える必要はなく、第2定着アンカー2Bのみを備えていてもよい。この場合おいても鋼製支保工10L,10Rにおける支保工材111,112が適正な姿勢を保持することが可能である。
<変形例>
次に、左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rの支保工材111,112におけるフランジに設けられた定着部材の変形例について説明する。上記の例では、定着アンカー2が支保工材111(112)における地山側フランジ111b(112b)に設置され、当該地山側フランジ111b(112b)から側方に向かって延設されていたがこれには限定されない。例えば、支保工材111(112)の内空側フランジ111c(112c)に定着アンカー2が設けられていてもよい。
次に、左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rの支保工材111,112におけるフランジに設けられた定着部材の変形例について説明する。上記の例では、定着アンカー2が支保工材111(112)における地山側フランジ111b(112b)に設置され、当該地山側フランジ111b(112b)から側方に向かって延設されていたがこれには限定されない。例えば、支保工材111(112)の内空側フランジ111c(112c)に定着アンカー2が設けられていてもよい。
図8は、変形例1に係る定着部材を説明する図である。図8に示す変形例では、支保工材111(112)における内空側フランジ111c(112c)の内面1114(1124)に定着アンカー2が固定され、定着アンカー2が内空側フランジ111c(112c)から支保工材111(112)の側方に向かって延設されている。図8に示す例では、定着アンカー2におけるロッド部20が概略L字形状を有しているが、ロッド部20の形状は特に限定されない。
図9は、変形例2に係る定着部材を説明する図である。上述までの実施形態では、定着部材をアンカー部材によって形成する態様を例に説明したが、二次吹付けコンクリート6との定着が確保される部材であればよく、その態様は特に限定されない。図9に示す変形例では、支保工材111(112)の地山側フランジ111b(112b)から内空側フランジ111c(112c)にかけて垂設される金網部材2´によって定着部材が形成されている。この態様においては、新設区間に二次吹付けコンクリート6を吹付ける工程において、支保工材111(112)の金網部材2´が二次吹付けコンクリート6に埋設されることで、当該二次吹付けコンクリート6に対して金網部材2´を定着することができる。これにより、安定した支保構造の構築が可能となる。
なお、図8及び図9においては、支保工材111(112)における地山側フランジ111b(112b)の外面1115(1125)に溶接される金網4の図示を省略しているが、図5で説明した態様のように金網4が地山側フランジ111b(112b)の外面1115(1125)に溶接されていてもよい。
以上、本開示に係る実施形態を説明したが、これらはあくまで例示にすぎず、請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。
2・・・定着アンカー
10・・・トンネル支保工
10L・・・左側鋼製支保工
10R・・・右側鋼製支保工
111,112・・・支保工材
111a,112a・・・ウェブ
111b,112b・・・地山側フランジ
111c,112c・・・内空側フランジ
10・・・トンネル支保工
10L・・・左側鋼製支保工
10R・・・右側鋼製支保工
111,112・・・支保工材
111a,112a・・・ウェブ
111b,112b・・・地山側フランジ
111c,112c・・・内空側フランジ
Claims (2)
- NATM工法に適用される鋼製支保工であって、
アーチ状に延伸すると共に、ウェブおよびフランジを含むH形鋼によって形成される支保工材と、
前記フランジに設けられ、吹付けコンクリートに埋没されることで当該吹付けコンクリートに定着される定着部材と、
を備え、
前記定着部材は、前記フランジから前記支保工材の側部外方に向けて延設されたアンカー部材である、
鋼製支保工。 - NATM工法に適用される鋼製支保工であって、
アーチ状に延伸すると共に、ウェブおよびフランジを含むH形鋼によって形成される支保工材と、
前記フランジに設けられ、吹付けコンクリートに埋没されることで当該吹付けコンクリートに定着される定着部材と、
を備え、
前記定着部材は、前記支保工材の地山側フランジから内空側フランジにかけて垂設される金網部材である、
鋼製支保工。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2023000290U JP3241438U (ja) | 2023-02-02 | 2023-02-02 | 鋼製支保工 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2023000290U JP3241438U (ja) | 2023-02-02 | 2023-02-02 | 鋼製支保工 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP3241438U true JP3241438U (ja) | 2023-03-31 |
Family
ID=85706994
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2023000290U Active JP3241438U (ja) | 2023-02-02 | 2023-02-02 | 鋼製支保工 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3241438U (ja) |
-
2023
- 2023-02-02 JP JP2023000290U patent/JP3241438U/ja active Active
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