JP6951983B2 - 波長可変レーザ装置、及び波長可変レーザ装置の波長制御方法 - Google Patents

波長可変レーザ装置、及び波長可変レーザ装置の波長制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、波長可変レーザ装置、及び波長可変レーザ装置の波長制御方法に関する。
従来、波長可変レーザ装置において、入射する光の波長に対して周期的な透過特性を有する光フィルタを用いて、出力するレーザ光の波長を制御する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の波長可変レーザ装置は、出力するレーザ光の波長を可変とする波長可変光源部と、波長可変光源部から出力されたレーザ光の強度を取得する第1の受光素子と、エタロン等の光フィルタと、光フィルタを透過したレーザ光の強度を取得する第2の受光素子と、波長可変光源部の動作を制御する制御装置(演算回路)とを備える。
ここで、制御装置は、第1,第2の受光素子がそれぞれ取得したレーザ光の強度に基づいて、レーザ光の波長を制御するためのモニタ値を算出する。また、制御装置は、光フィルタにおける所定の温度(以下、基準温度と記載)での透過特性を用いて、レーザ光の目標波長に対応し、当該モニタ値の目標となる制御目標値を設定する。そして、制御装置は、モニタ値が制御目標値に合致するように、波長可変光源部の動作を制御する。
特開2015−60961号公報
ところで、光フィルタの透過特性は、当該光フィルタの温度が基準温度からずれると、波長軸上で全体がシフトするものである。すなわち、光フィルタの温度が基準温度からずれているにも拘らず、当該基準温度での透過特性を用いて、レーザ光の目標波長に対応する制御目標値を設定した場合には、光フィルタの透過特性が基準温度での透過特性からシフトしているため、当該制御目標値は、レーザ光の目標波長に対応した値とはならない。このため、モニタ値が当該制御目標値に合致するように波長可変光源部の動作を制御すると、レーザ光の波長は、目標波長からずれた波長に制御されてしまう。
そこで、特許文献1に記載の波長可変レーザ装置では、温度制御装置によって、光フィルタの温度を一定に制御している。しかしながら、光フィルタの温度を一定に制御していても、波長可変レーザ装置内部の温度バラつきや、波長可変レーザ装置の外部の温度等の環境により外部からの熱流入等が発生し、意図せずに光フィルタの温度が基準温度からずれてしまう場合がある。すなわち、レーザ光の波長を精度良く目標波長に制御することが難しい、という問題がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、レーザ光の波長を精度良く目標波長に制御することができる波長可変レーザ装置、及び波長可変レーザ装置の波長制御方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る波長可変レーザ装置は、供給される電力に応じて発熱するヒータを有し、当該ヒータの発熱に応じて出力するレーザ光の波長を可変とする波長可変光源部と、前記波長可変光源部から出力されたレーザ光の強度を取得する第1の受光素子と、入射する光の波長に対して周期的に特性が変化する第1の透過特性を有する第1の光フィルタと、前記第1の光フィルタを透過したレーザ光の強度を取得する第2の受光素子と、入射する光の波長に対して周期的に特性が変化する第2の透過特性を有する第2の光フィルタと、前記第2の光フィルタを透過したレーザ光の強度を取得する第3の受光素子と、前記波長可変光源部、前記第1の光フィルタ、及び前記第2の光フィルタが載置される1つの温度調節器と、当該波長可変レーザ装置の周囲温度を検出する温度センサと、前記波長可変光源部の動作を制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、前記周囲温度に基づいて、前記第1の光フィルタ及び前記第2の光フィルタのフィルタ温度を推定する温度推定部と、前記第1の受光素子及び前記第2の受光素子が取得したレーザ光の強度に基づいて第1のモニタ値を算出するとともに、前記第1の受光素子及び前記第3の受光素子が取得したレーザ光の強度に基づいて第2のモニタ値を算出するモニタ値算出部と、前記フィルタ温度に基づいて、レーザ光の目標波長に対応するとともに前記第1のモニタ値の目標となる第1の制御目標値を補正して第1の補正制御目標値を生成するとともに、前記目標波長に対応するとともに前記第2のモニタ値の目標となる第2の制御目標値を補正して第2の補正制御目標値を生成する目標値補正部と、前記第1の補正制御目標値と前記第2の補正制御目標値とのいずれか一方の補正制御目標値を選択する目標値選択部と、前記目標値選択部にて選択された補正制御目標値と、前記第1のモニタ値及び前記第2のモニタ値のうち当該補正制御目標値を目標値とするモニタ値とに基づいて、前記波長可変光源部から出力されるレーザ光の波長を前記目標波長に制御するように前記ヒータに供給する電力を制御する動作制御部と、複数の温度毎に設けられた複数の目標値補正情報を記憶する記憶部をさらに備え、前記目標値補正情報は、複数の波長と複数の補正値とがそれぞれ関連付けられた情報であり、前記目標値補正部は、前記複数の目標値補正情報のうち前記フィルタ温度に対応する目標値補正情報を参照し、当該目標値補正情報における前記複数の補正値のうち前記目標波長が関連付けられた補正値を用いて、前記第1の制御目標値及び前記第2の制御目標値を補正するとともに、前記複数の目標値補正情報における前記目標波長が関連付けられた複数の補正値から補間により補正値を生成し、当該生成した補正値を用いて、前記第1の制御目標値及び前記第2の制御目標値を補正することを特徴とする。
また、本発明に係る波長可変レーザ装置では、上記発明において、前記制御装置は、前記第1の透過特性を示す第1の基準値情報と、前記第2の透過特性を示す第2の基準値情報とを記憶する記憶部をさらに備え、前記第1の基準値情報は、前記第1の光フィルタに入射する光の波長を前記第1の透過特性における1周期分変動させた際での前記第1のモニタ値の第1の平均値を示す情報であり、前記第2の基準値情報は、前記第2の光フィルタに入射する光の波長を前記第2の透過特性における1周期分変動させた際での前記第2のモニタ値の第2の平均値を示す情報であり、前記目標値選択部は、前記第1の補正制御目標値及び前記第1の平均値の差分と前記第2の補正制御目標値及び前記第2の平均値の差分とのうち、当該差分が小さい補正制御目標値を選択することを特徴とする。
また、本発明に係る波長可変レーザ装置では、上記発明において、前記記憶部は、変動範囲を示す変動範囲情報をさらに記憶し、前記目標値選択部は、直前に選択した補正制御目標値を中心とする前記変動範囲内に当該直前に選択された補正制御目標値に対応するとともに前記目標値補正部にて新たに生成された補正制御目標値が入った場合には、当該新たに生成された補正制御目標値とは別の補正制御目標値の方が前記平均値に近い場合であっても、当該新たに生成された補正制御目標値を選択することを特徴とする。
た、本発明に係る波長可変レーザ装置は、出力するレーザ光の波長を可変とする波長可変光源部と、前記波長可変光源部から出力されたレーザ光の強度を取得する第1の受光素子と、入射する光の波長に対して周期的に特性が変化する第1の透過特性を有する第1の光フィルタと、前記第1の光フィルタを透過したレーザ光の強度を取得する第2の受光素子と、入射する光の波長に対して周期的に特性が変化する第2の透過特性を有する第2の光フィルタと、前記第2の光フィルタを透過したレーザ光の強度を取得する第3の受光素子と、前記波長可変光源部の動作を制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、前記第1の光フィルタ及び前記第2の光フィルタのフィルタ温度を推定する温度推定部と、前記第1の受光素子及び前記第2の受光素子が取得したレーザ光の強度に基づいて第1のモニタ値を算出するとともに、前記第1の受光素子及び前記第3の受光素子が取得したレーザ光の強度に基づいて第2のモニタ値を算出するモニタ値算出部と、前記フィルタ温度に基づいて、レーザ光の目標波長に対応するとともに前記第1のモニタ値の目標となる第1の制御目標値を補正して第1の補正制御目標値を生成するとともに、前記目標波長に対応するとともに前記第2のモニタ値の目標となる第2の制御目標値を補正して第2の補正制御目標値を生成する目標値補正部と、前記第1の補正制御目標値と前記第2の補正制御目標値とのいずれか一方の補正制御目標値を選択する目標値選択部と、前記目標値選択部にて選択された補正制御目標値と、前記第1のモニタ値及び前記第2のモニタ値のうち当該補正制御目標値を目標値とするモニタ値とに基づいて、前記波長可変光源部から出力されるレーザ光の波長を前記目標波長に制御する動作制御部と、複数の温度毎に設けられた複数の目標値補正情報と、前記第1の透過特性を示す第1の基準値情報と、前記第2の透過特性を示す第2の基準値情報とを記憶する記憶部とを備え、前記目標値補正情報は、複数の波長と複数の補正値とがそれぞれ関連付けられた情報であり、前記目標値補正部は、前記複数の目標値補正情報のうち前記フィルタ温度に対応する目標値補正情報を参照し、当該目標値補正情報における前記複数の補正値のうち前記目標波長が関連付けられた補正値を用いて、前記第1の制御目標値及び前記第2の制御目標値を補正するとともに、前記複数の目標値補正情報における前記目標波長が関連付けられた複数の補正値から補間により補正値を生成し、当該生成した補正値を用いて、前記第1の制御目標値及び前記第2の制御目標値を補正し、前記第1の基準値情報は、前記第1の光フィルタに入射する光の波長を前記第1の透過特性における1周期分変動させた際での前記第1のモニタ値の第1の平均値を示す情報であり、前記第2の基準値情報は、前記第2の光フィルタに入射する光の波長を前記第2の透過特性における1周期分変動させた際での前記第2のモニタ値の第2の平均値を示す情報であり、前記目標値選択部は、前記第1の補正制御目標値及び前記第1の平均値の差分と前記第2の補正制御目標値及び前記第2の平均値の差分とのうち、当該差分が小さい補正制御目標値を選択することを特徴とする。
また、本発明に係る波長可変レーザ装置では、上記発明において、前記記憶部は、変動範囲を示す変動範囲情報をさらに記憶し、前記目標値選択部は、直前に選択した補正制御目標値を中心とする前記変動範囲内に当該直前に選択された補正制御目標値に対応するとともに前記目標値補正部にて新たに生成された補正制御目標値が入った場合には、当該新たに生成された補正制御目標値とは別の補正制御目標値の方が前記平均値に近い場合であっても、当該新たに生成された補正制御目標値を選択することを特徴とする。
本発明に係る波長可変レーザ装置の波長制御方法は、供給される電力に応じて発熱するヒータを有し、当該ヒータの発熱に応じて出力するレーザ光の波長を可変とする波長可変光源部と、前記波長可変光源部から出力されたレーザ光の強度を取得する第1の受光素子と、入射する光の波長に対して周期的に特性が変化する第1の透過特性を有する第1の光フィルタと、前記第1の光フィルタを透過したレーザ光の強度を取得する第2の受光素子と、入射する光の波長に対して周期的に特性が変化する第2の透過特性を有する第2の光フィルタと、前記第2の光フィルタを透過したレーザ光の強度を取得する第3の受光素子と、前記波長可変光源部、前記第1の光フィルタ、及び前記第2の光フィルタが載置される1つの温度調節器と、周囲温度を検出する温度センサとを備えた波長可変レーザ装置の波長制御方法であって、前記周囲温度に基づいて、前記第1の光フィルタ及び前記第2の光フィルタのフィルタ温度を推定する温度推定ステップと、前記第1の受光素子及び前記第2の受光素子が取得したレーザ光の強度に基づいて第1のモニタ値を算出するとともに、前記第1の受光素子及び前記第3の受光素子が取得したレーザ光の強度に基づいて第2のモニタ値を算出するモニタ値算出ステップと、前記フィルタ温度に基づいて、レーザ光の目標波長に対応するとともに前記第1のモニタ値の目標となる第1の制御目標値を補正して第1の補正制御目標値を生成するとともに、前記目標波長に対応するとともに前記第2のモニタ値の目標となる第2の制御目標値を補正して第2の補正制御目標値を生成する目標値補正ステップと、前記第1の補正制御目標値と前記第2の補正制御目標値とのいずれか一方の補正制御目標値を選択する目標値選択ステップと、前記目標値選択ステップにて選択した補正制御目標値と、前記第1のモニタ値及び前記第2のモニタ値のうち当該補正制御目標値を目標値とするモニタ値とに基づいて、前記波長可変光源部から出力されるレーザ光の波長を前記目標波長に制御するように前記ヒータに供給する電力を制御する動作制御ステップとを備え、前記目標値補正ステップでは、複数の温度毎に設けられ、複数の波長と複数の補正値とがそれぞれ関連付けられた複数の目標値補正情報のうち前記フィルタ温度に対応する目標値補正情報を参照し、当該目標値補正情報における前記複数の補正値のうち前記目標波長が関連付けられた補正値を用いて、前記第1の制御目標値及び前記第2の制御目標値を補正するとともに、前記複数の目標値補正情報における前記目標波長が関連付けられた複数の補正値から補間により補正値を生成し、当該生成した補正値を用いて、前記第1の制御目標値及び前記第2の制御目標値を補正することを特徴とする。
た、本発明に係る波長可変レーザ装置の波長制御方法は、出力するレーザ光の波長を可変とする波長可変光源部と、前記波長可変光源部から出力されたレーザ光の強度を取得する第1の受光素子と、入射する光の波長に対して周期的に特性が変化する第1の透過特性を有する第1の光フィルタと、前記第1の光フィルタを透過したレーザ光の強度を取得する第2の受光素子と、入射する光の波長に対して周期的に特性が変化する第2の透過特性を有する第2の光フィルタと、前記第2の光フィルタを透過したレーザ光の強度を取得する第3の受光素子とを備えた波長可変レーザ装置の波長制御方法であって、前記第1の光フィルタ及び前記第2の光フィルタのフィルタ温度を推定する温度推定ステップと、前記第1の受光素子及び前記第2の受光素子が取得したレーザ光の強度に基づいて第1のモニタ値を算出するとともに、前記第1の受光素子及び前記第3の受光素子が取得したレーザ光の強度に基づいて第2のモニタ値を算出するモニタ値算出ステップと、前記フィルタ温度に基づいて、レーザ光の目標波長に対応するとともに前記第1のモニタ値の目標となる第1の制御目標値を補正して第1の補正制御目標値を生成するとともに、前記目標波長に対応するとともに前記第2のモニタ値の目標となる第2の制御目標値を補正して第2の補正制御目標値を生成する目標値補正ステップと、前記第1の補正制御目標値と前記第2の補正制御目標値とのいずれか一方の補正制御目標値を選択する目標値選択ステップと、前記目標値選択ステップにて選択した補正制御目標値と、前記第1のモニタ値及び前記第2のモニタ値のうち当該補正制御目標値を目標値とするモニタ値とに基づいて、前記波長可変光源部から出力されるレーザ光の波長を前記目標波長に制御する動作制御ステップとを備え、前記目標値補正ステップでは、複数の温度毎に設けられ、複数の波長と複数の補正値とがそれぞれ関連付けられた複数の目標値補正情報のうち前記フィルタ温度に対応する目標値補正情報を参照し、当該目標値補正情報における前記複数の補正値のうち前記目標波長が関連付けられた補正値を用いて、前記第1の制御目標値及び前記第2の制御目標値を補正するとともに、前記複数の目標値補正情報における前記目標波長が関連付けられた複数の補正値から補間により補正値を生成し、当該生成した補正値を用いて、前記第1の制御目標値及び前記第2の制御目標値を補正し、前記目標値選択ステップでは、前記第1の補正制御目標値と前記第1の光フィルタに入射する光の波長を前記第1の透過特性における1周期分変動させた際での前記第1のモニタ値の第1の平均値との差分と、前記第2の補正制御目標値と前記第2の光フィルタに入射する光の波長を前記第2の透過特性における1周期分変動させた際での前記第2のモニタ値の第2の平均値との差分とのうち、当該差分が小さい補正制御目標値を選択することを特徴とする。
本発明に係る波長可変レーザ装置、及び波長可変レーザ装置の波長制御方法によれば、レーザ光の波長を精度良く目標波長に制御することができる、という効果を奏する。
図1は、本実施の形態1に係る波長可変レーザ装置の構成を示す図である。 図2は、波長可変光源部の構成を示す図である。 図3は、制御装置の構成を示すブロック図である。 図4は、記憶部に記憶された波長電力情報を示す図である。 図5は、記憶部に記憶された透過特性情報を示す図である。 図6は、記憶部に記憶された透過特性情報を示す図である。 図7は、記憶部に記憶された複数の目標値補正情報を示す図である。 図8は、制御装置による波長制御方法を示すフローチャートである。 図9は、波長制御方法を説明する図である。 図10は、本実施の形態2に係る制御装置の構成を示すブロック図である。 図11は、制御装置による波長制御方法を示すフローチャートである。 図12は、記憶部に記憶されたスロープ情報を説明する図である。 図13は、本実施の形態3に係る制御装置の構成を示すブロック図である。 図14は、制御装置による波長制御方法を示すフローチャートである。 図15は、本実施の形態4に係る制御装置の構成を示すブロック図である。 図16は、制御装置による波長制御方法を示すフローチャートである。 図17は、波長制御方法を説明する図である。 図18は、波長制御方法を説明する図である。 図19は、本実施の形態5に係る制御装置の構成を示すブロック図である。 図20は、制御装置による波長調整制御方法を示すフローチャートである。
以下に、図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施の形態)について説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本発明が限定されるものではない。さらに、図面の記載において、同一の部分には同一の符号を付している。また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率等は、現実と異なる場合がある。さらに、図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。また、図中で適宜xyz座標軸を示し、これにより方向を説明する。
(実施の形態1)
〔波長可変レーザ装置の概略構成〕
図1は、本実施の形態1に係る波長可変レーザ装置1の構成を示す図である。
波長可変レーザ装置1は、モジュール化された波長可変レーザモジュール2と、当該波長可変レーザモジュール2の動作を制御する制御装置3と、温度センサ8とを備える。
なお、図1では、波長可変レーザモジュール2と制御装置3とを別体で構成しているが、当該各部材2,3を一体にモジュール化しても構わない。
〔波長可変レーザモジュールの構成〕
波長可変レーザモジュール2は、制御装置3による制御の下、出力するレーザ光の波長を複数の波長のうちいずれか一波長のレーザ光に可変とし、当該一波長のレーザ光を出力する。この波長可変レーザモジュール2は、波長可変光源部4と、半導体光増幅器(Semiconductor Optical Amplifier:SOA)5と、平面光波回路(Planar Lightwave Circuit:PLC)6と、光検出部7と、温度調節器9とを備える。
図2は、波長可変光源部4の構成を示す図である。
波長可変光源部4は、例えばバーニア効果を利用した波長可変レーザであり、制御装置3による制御の下、レーザ光L1を出力する。この波長可変光源部4は、出力するレーザ光L1の波長を可変とする光源部41と、制御装置3から供給される電力に応じて発熱する3つのマイクロヒータ421〜423を有し、光源部41を局所的に加熱することで、光源部41から出力されるレーザ光L1の波長を変更する波長可変部42とを備える。
光源部41は、共通の基部B1上にそれぞれ形成された第1,第2の導波路部43,44を備える。ここで、基部B1は、例えばn型InPからなる。そして、基部B1の裏面には、例えばAuGeNiを含んで構成され、当該基部B1とオーミック接触するn側電極45が形成されている。
第1の導波路部43は、埋め込み導波路構造を有している。この第1の導波路部43は、導波路部431と、半導体積層部432と、p側電極433とを備える。
導波路部431は、半導体積層部432内にz方向に延伸するように形成されている。
また、第1の導波路部43内には、利得部431aと、DBR(Distributed Bragg Reflector)型の回折格子層431bとが配置されている。
ここで、利得部431aは、InGaAsPからなる多重量子井戸構造と光閉じ込め層とを有する活性層である。また、回折格子層431bは、InGaAsPとInPとからなる標本化回折格子で構成されている。
半導体積層部432は、InP系半導体層が積層して構成されており、導波路部431に対してクラッド部の機能等を備える。
p側電極433は、半導体積層部432上において、利得部431aに沿うように配置されている。なお、半導体積層部432上には、SiN保護膜(図示略)が形成されている。そして、p側電極433は、当該SiN保護膜に形成された開口部(図示略)を介して半導体積層部432に接触している。
ここで、マイクロヒータ421は、半導体積層部432のSiN保護膜上において、回折格子層431bに沿うように配置されている。そして、マイクロヒータ421は、制御装置3から供給される電力に応じて発熱し、回折格子層431bを加熱する。また、制御装置3がマイクロヒータ421に供給する電力を制御することによって回折格子層431bの温度が変化し、その屈折率が変化する。
第2の導波路部44は、2分岐部441と、2つのアーム部442,443と、リング状導波路444とを備える。
2分岐部441は、1×2型の多モード干渉型(MMI)導波路441aを含む1×2型の分岐型導波路で構成され、2ポート側が2つのアーム部442,443のそれぞれに接続されるとともに1ポート側が第1の導波路部43側に接続されている。すなわち、2分岐部441により、2つのアーム部442,443は、その一端が統合され、回折格子層431bと光学的に結合される。
アーム部442,443は、いずれもz方向に延伸し、リング状導波路444を挟むように配置されている。これらアーム部442,443は、リング状導波路444といずれも同一の結合係数κでリング状導波路444と光学的に結合している。κの値は、例えば0.2である。そして、アーム部442,443とリング状導波路444とは、リング共振器フィルタRF1を構成している。また、リング共振器フィルタRF1と2分岐部441とは、反射ミラーM1を構成している。
ここで、マイクロヒータ422は、リング状であり、リング状導波路444を覆うように形成されたSiN保護膜(図示略)上に配置されている。そして、マイクロヒータ422は、制御装置3から供給される電力に応じて発熱し、リング状導波路444を加熱する。また、制御装置3がマイクロヒータ422に供給する電力を制御することによってリング状導波路444の温度が変化し、その屈折率が変化する。
上述した2分岐部441、アーム部442,443、及びリング状導波路444は、いずれも、InGaAsPからなる光導波層44aがInPからなるクラッド層によって挟まれたハイメサ導波路構造を有している。
ここで、マイクロヒータ423は、アーム部443の一部のSiN保護膜(図示略)上に配置されている。当該アーム部443のうちマイクロヒータ423の下方の領域は、光の位相を変化させる位相調整部445として機能する。そして、マイクロヒータ423は、制御装置3から供給される電力に応じて発熱し、位相調整部445を加熱する。また、制御装置3がマイクロヒータ423に供給する電力を制御することによって位相調整部445の温度が変化し、その屈折率が変化する。
以上説明した第1,第2の導波路部43,44は、互いに光学的に接続された回折格子層431bと反射ミラーM1とにより構成される光共振器C1を構成している。また、利得部431aと位相調整部445とは、光共振器C1内に配置される。
回折格子層431bは、略所定の波長間隔で略周期的な反射特性を有する第1の櫛状反射スペクトルを生成する。一方、リング共振器フィルタRF1は、略所定の波長間隔で略周期的な反射特性を有する第2の櫛状反射スペクトルを生成する。
ここで、第2の櫛状反射スペクトルは、第1の櫛状反射スペクトルのピークの半値全幅よりも狭い半値全幅のピークを有し、第1の櫛状反射スペクトルの波長間隔とは異なる波長間隔で略周期的な反射特性を有する。但し、屈折率の波長分散を考慮すると、スペクトル成分は厳密には等波長間隔になっていないことに注意が必要である。
各櫛状反射スペクトルの特性について例示すると、第1の櫛状反射スペクトルのピーク間の波長間隔(自由スペクトル領域:FSR)は、光の周波数で表すと373GHzである。また、各ピークの半値全幅は、光の周波数で表すと43GHzである。一方、第2の櫛状反射スペクトルのピーク間の波長間隔(FSR)は、光の周波数で表すと400GHzである。また、各ピークの半値全幅は、光の周波数で表すと25GHzである。すなわち、第2の櫛状反射スペクトルの各ピークの半値全幅(25GHz)は、第1の櫛状反射スペクトルの各ピークの半値全幅(43GHz)より狭い。
波長可変光源部4では、レーザ発振を実現するために、第1の櫛状反射スペクトルのピークの一つと第2の櫛状反射スペクトルのピークの一つとを波長軸上で重ね合わせ可能に構成されている。このような重ね合わせは、マイクロヒータ421,422の少なくとも一つを用いて、マイクロヒータ421により回折格子層431bを加熱して熱光学効果によりその屈折率を変化させて第1の櫛状反射スペクトルを波長軸上で全体的に移動させて変化させる、及び、マイクロヒータ422によりリング状導波路444を加熱してその屈折率を変化させて第2の櫛状反射スペクトルを波長軸上で全体的に移動させて変化させる、の少なくともいずれか一つを行うことにより、実現することができる。
一方、波長可変光源部4において、光共振器C1による共振器モードが存在する。そして、波長可変光源部4において、共振器モードの間隔(縦モード間隔)は、25GHz以下となるように光共振器C1の共振器長が設定されている。この設定の場合、光共振器C1の共振器長は、1800μm以上となり、発振するレーザ光の狭線幅化を期待することができる。なお、光共振器C1の共振器モードの波長は、マイクロヒータ423を用いて位相調整部445を加熱してその屈折率を変化させて共振器モードの波長を波長軸上で全体的に移動させることにより微調整することができる。すなわち、位相調整部445は、光共振器C1の光路長を能動的に制御するための部分である。
波長可変光源部4は、制御装置3により、n側電極45及びp側電極433から利得部431aへ電流を注入し、利得部431aを発光させると、第1の櫛状反射スペクトルのスペクトル成分のピーク、第2の櫛状反射スペクトルのスペクトル成分のピーク、及び光共振器C1の共振器モードの一つが一致した波長、例えば1550nmでレーザ発振し、レーザ光L1を出力するように構成されている。
また、波長可変光源部4では、バーニア効果を利用してレーザ光L1の波長を変化させることができる。例えば、回折格子層431bをマイクロヒータ421で加熱すると、熱光学効果により回折格子層431bの屈折率が上昇し、回折格子層431bの第1の櫛状反射スペクトルは、全体的に長波側にシフトする。その結果、1550nm付近における第1の櫛状反射スペクトルのピークは、リング共振器フィルタRF1の第2の櫛状反射スペクトルのピークとの重なりが解かれ、長波側に存在する第2の櫛状反射スペクトルの別のピーク(例えば1556nm付近)に重なる。さらに、位相調整部445をチューニングして共振器モードを微調し、共振器モードの一つを二つの櫛状反射スペクトルに重ねることで、1556nm付近でのレーザ発振を実現することができる。すなわち、波長可変光源部4では、回折格子層431bに対するマイクロヒータ421とリング共振器フィルタRF1に対するマイクロヒータ422とにより第1,第2の櫛状反射スペクトルをそれぞれチューニングすることで粗調、位相調整部445に対するマイクロヒータ423により共振器長をチューニングすることで微調を行う波長可変動作が実現される。
半導体光増幅器5は、具体的な図示は省略したが、第1の導波路部43と同様の材料及び構造からなる活性コア層を備える埋め込み導波路構造を有する。但し、回折格子層431bは設けられていない。この半導体光増幅器5は、空間結合光学系(図示略)により波長可変光源部4に対して光学的に結合している。そして、波長可変光源部4から出力されたレーザ光L1は、半導体光増幅器5に入力される。また、半導体光増幅器5は、レーザ光L1を増幅してレーザ光L2として出力する。なお、半導体光増幅器5は、基部B1上に、波長可変光源部4とモノリシックに構成されていてもよい。
平面光波回路6は、空間結合光学系(図示略)によりアーム部442に光学的に結合している。そして、レーザ光L1と同様に波長可変光源部4におけるレーザ発振により発生したレーザ光L3の一部は、アーム部442を介して平面光波回路6に入力される。なお、レーザ光L3は、レーザ光L1の波長と同一の波長を有する。この平面光波回路6は、図1に示すように、光分岐部61と、光導波路62と、リング共振器型光フィルタ63aを有する光導波路63と、リング共振器型光フィルタ64aを有する光導波路64とを備える。
光分岐部61は、入力したレーザ光L3を3つのレーザ光L4〜L6に分岐する。
そして、光導波路62は、レーザ光L4を光検出部7における後述するPD(Photo Diode)71に導波する。また、光導波路63は、レーザ光L5を光検出部7における後述するPD72に導波する。さらに、光導波路64は、レーザ光L6を光検出部7における後述するPD73に導波する。
ここで、リング共振器型光フィルタ63a,64aは、入射する光の波長に対して周期的な透過特性をそれぞれ有し、当該透過特性に応じた透過率でレーザ光L5,L6をそれぞれ選択的に透過する。そして、リング共振器型光フィルタ63a,64aを透過したレーザ光L5,L6は、PD72,73にそれぞれ入力する。すなわち、リング共振器型光フィルタ63a,64aは、本発明に係る第1,第2の光フィルタに相当する。以下では、説明の便宜上、リング共振器型光フィルタ63aを第1の光フィルタ63aと記載し、リング共振器型光フィルタ64aを第2の光フィルタ64aと記載する。
なお、第1,第2の光フィルタ63a,64aは、例えば、1周期の1/3〜1/5の範囲で互いに位相が異なる透過特性を有する。すなわち、第1の光フィルタ63aにおける透過特性(本発明に係る第1の透過特性に相当)と第2の光フィルタ64aにおける透過特性(本発明に係る第2の透過特性に相当)とは互いに位相が異なるのみである。
光検出部7は、図1に示すように、PD71〜73を備える。
PD71は、レーザ光L4(波長可変光源部4から出力されたレーザ光L1と同一)を受光し、当該レーザ光L4の強度に応じた電気信号を制御装置3に出力する。すなわち、PD71は、本発明に係る第1の受光素子に相当する。
PD72は、第1の光フィルタ63aを透過したレーザ光L5を受光し、当該レーザ光L5の強度に応じた電気信号を制御装置3に出力する。すなわち、PD72は、本発明に係る第2の受光素子に相当する。
PD73は、第2の光フィルタ64aを透過したレーザ光L6を受光し、当該レーザ光L6の強度に応じた電気信号を制御装置3に出力する。すなわち、PD73は、本発明に係る第3の受光素子に相当する。
そして、PD71〜73からそれぞれ出力された電気信号は、制御装置3による波長ロック制御(波長可変光源部4から出力されるレーザ光L1を目標波長にするための制御)に用いられる。
温度センサ8は、例えばサーミスタ等で構成され、波長可変レーザ装置1が配置される環境の温度を周囲温度として検出する。なお、温度調節器9上に設置された波長可変光源部4及び平面光波回路6の温度を周囲温度として検出してもよい。
温度調節器9は、例えばペルチェ素子を含むTEC(Thermo Electric Cooler)等で構成されている。この温度調節器9には、波長可変光源部4、半導体光増幅器5、平面光波回路6、及び光検出部7が載置される。そして、温度調節器9は、供給された電力に応じて当該各部材4〜7の温度を調節する。なお、波長可変光源部4及び平面光波回路6の温度を周囲温度として検出する場合には、温度センサ8を温度調節器9上に載置するようにしてもよい。この際、温度調節器9において、当該各部材4〜7が載置される設置面91を波長可変光源部4及び半導体光増幅器5が載置される第1の領域Ar1と、平面光波回路6及び光検出部7が載置される第2の領域Ar2の2つの領域に区画した場合に、温度センサ8を第2の領域Ar2に載置してもよい。すなわち、温度センサ8を平面光波回路6に近接して配置してもよい。
〔制御装置の構成〕
次に、制御装置3の構成について説明する。
図3は、制御装置3の構成を示すブロック図である。
制御装置3は、例えばユーザインターフェースを備えた上位の制御装置(図示略)と接続されており、当該上位の制御装置を介したユーザからの指示にしたがって、波長可変レーザモジュール2の動作を制御する。
なお、以下では、本発明の要部である制御装置3による波長ロック制御を主に説明する。また、図3では、説明の便宜上、制御装置3の構成として、波長ロック制御を実行する構成のみを図示している。
この制御装置3は、制御部31と、記憶部32とを備える。
制御部31は、CPU等を用いて構成されている。この制御部31は、温度推定部311と、モニタ値算出部312と、目標値算出部313と、目標値補正部314と、目標値選択部315と、動作制御部316とを備える。
温度推定部311は、温度センサ8にて検出された周囲温度に基づいて、平面光波回路6(第1,第2の光フィルタ63a,64a)の温度(以下、フィルタ温度と記載)を推定する。例えば、温度推定部311は、上位の制御装置(図示略)から取得した目標波長と、温度センサ8にて検出された周囲温度と、記憶部32に記憶された熱抵抗情報及び波長電力情報とに基づいて、フィルタ温度を推定する。
ここで、熱抵抗情報は、波長可変レーザモジュール2において、温度センサ8及び平面光波回路6間の熱抵抗を示す情報である。
図4は、記憶部32に記憶された波長電力情報を示す図である。
波長電力情報は、複数の波長λ1〜λn[nm]と、レーザ光L1の波長を当該波長λ1〜λn[nm]に制御するためにマイクロヒータ421〜423にそれぞれ供給する複数の電力(初期電力)とがそれぞれ関連付けられた情報である。なお、図4では、説明の便宜上、マイクロヒータ421〜423にそれぞれ供給する総電力を各電力P1〜Pn[W]として記載している。
モニタ値算出部312は、PD71〜73からそれぞれ出力された電気信号の出力値に基づいて、レーザ光L1の波長を制御するための第1,第2のモニタ値を算出する。具体的に、モニタ値算出部312は、PD71から出力された電気信号の出力値に対するPD72から出力された電気信号の出力値の比率を第1のモニタ値(以下、第1のPD比と記載)として算出する。また、モニタ値算出部312は、PD71から出力された電気信号の出力値に対するPD73から出力された電気信号の出力値の比率を第2のモニタ値(以下、第2のPD比と記載)として算出する。
目標値算出部313は、上位の制御装置(図示略)から取得した目標波長と、記憶部32に記憶された透過特性情報とに基づいて、第1のPD比の目標となる第1の制御目標値と、第2のPD比の目標となる第2の制御目標値とを算出する。
図5及び図6は、記憶部32に記憶された透過特性情報を示す図である。なお、図6では、横軸を波長とし、縦軸をPD比としている。
透過特性情報は、基準温度(例えば35℃)での第1の光フィルタ63aの透過特性を示す情報(以下、第1の透過特性情報と記載)と、基準温度(例えば35℃)での第2の光フィルタ64aの透過特性を示す情報(以下、第2の透過特性情報と記載)とを含む。
より具体的に、第1の透過特性情報は、複数の波長λ1〜λn[nm]と、レーザ光L1の波長を当該波長λ1〜λn[nm]にそれぞれ設定した場合でのPD71から出力された電気信号の出力値に対するPD72から出力された電気信号の出力値の比率である各第1のPD比の参照値となる複数の制御参照値Pd11〜Pd1nとがそれぞれ関連付けられた情報である。なお、第1のPD比は、第1の光フィルタ63aの透過率に略比例する。このため、第1の透過特性情報は、第1の光フィルタ63aにおける基準温度(例えば35℃)での透過特性(図6の曲線CL1)を示している。
一方、第2の透過特性情報は、複数の波長λ1〜λn[nm]と、レーザ光L1の波長を当該波長λ1〜λn[nm]にそれぞれ設定した場合でのPD71から出力された電気信号の出力値に対するPD73から出力された電気信号の出力値の比率である各第2のPD比の参照値となる複数の制御参照値Pd21〜Pd2nとがそれぞれ関連付けられた情報である。なお、第2のPD比は、第2の光フィルタ64aの透過率に略比例する。このため、第2の透過特性情報は、第2の光フィルタ64aにおける基準温度(例えば35℃)での透過特性(図6の曲線CL2)を示している。
そして、第1の光フィルタ63aの透過特性(曲線CL1)は、当該第1の光フィルタ63aの温度が基準温度(例えば35℃)からずれると、図6に曲線CL1´で示すように、波長軸上で全体が短波側または長波側にシフトする。同様に、第2の光フィルタ64aの透過特性(曲線CL2)は、当該第2の光フィルタ64aの温度が基準温度(例えば35℃)からずれると、図6に曲線CL2´で示すように、波長軸上で全体が短波側または長波側にシフトする。なお、図6では、長波側にシフトした状態を例示している。
目標値補正部314は、温度推定部311にて推定されたフィルタ温度と、記憶部32に記憶された複数の目標値補正情報とに基づいて、目標値算出部313にて算出された第1,第2の制御目標値を補正して、第1,第2の補正制御目標値を生成する。
図7は、記憶部32に記憶された複数の目標値補正情報を示す図である。
複数の目標値補正情報は、第1の制御目標値を補正するための複数の第1の目標値補正情報と、第2の制御目標値を補正するための複数の第2の目標値補正情報とを含む。
より具体的に、第1の目標値補正情報は、複数の温度(図7の例では「30℃」、「35℃」、及び「40℃」の3つの温度)毎に、複数の波長λ1〜λn[nm]と、第1の制御目標値を補正するための複数の補正値(図7の例では、「A1」、「0」、及び「A2」)とがそれぞれ関連付けられた情報である。なお、図7では、説明の便宜上、波長λ1に関する第1の目標値補正情報のみを図示している。
一方、第2の目標値補正情報は、複数の温度(図7の例では、「30℃」、「35℃」、及び「40℃」の3つの温度)毎に、複数の波長λ1〜λn[nm]と、第2の制御目標値を補正するための補正値(図7の例では、「B1」、「0」、及び「B2」)とがそれぞれ関連付けられた情報である。なお、図7では、説明の便宜上、波長λ1に関する第2の目標値補正情報のみを図示している。
目標値選択部315は、記憶部32に記憶された基準値情報に基づいて、目標値補正部314にて生成された第1,第2の補正制御目標値のいずれか一方の補正制御目標値を選択する。
ここで、基準値情報は、本発明に係る第1,第2の基準値情報に相当し、第1,第2の光フィルタ63a,64aの各透過特性を示す情報である。具体的に、基準値情報は、第1の光フィルタ63aに入射する光の波長を当該第1の光フィルタ63aの透過特性における1周期分変動させた場合でのPD71から出力された電気信号の出力値に対するPD72から出力された電気信号の出力値の比率である各第1のPD比の平均値AV(図6)を示す情報である。なお、第1,第2の光フィルタ63a,64aの各透過特性は、互いに位相が異なるのみである。このため、第2の光フィルタ64aに入射する光の波長を当該第2の光フィルタ64aの透過特性における1周期分変動させた場合でのPD71から出力された電気信号の出力値に対するPD73から出力された電気信号の出力値の比率である各第2のPD比の平均値は、上述した平均値AVと同一の値となる。
動作制御部316は、上位の制御装置(図示略)から取得した目標波長と、記憶部32に記憶された波長電力情報と、目標値選択部315にて選択された補正制御目標値と、第1,第2のPD比のうち当該補正制御目標値を目標値とするPD比とに基づいて、マイクロヒータ421〜423にそれぞれ供給する複数の電力を変化させ、レーザ光L1の波長を目標波長に制御する。
記憶部32は、制御部31にて実行されるプログラムや、制御部31の処理に必要な情報(例えば、熱抵抗情報、波長電力情報、透過特性情報、複数の目標値補正情報、及び基準値情報等)等を記憶する。
〔波長制御方法〕
次に、上述した制御装置3による波長制御方法(波長ロック制御)について説明する。
図8は、制御装置3による波長制御方法を示すフローチャートである。
先ず、動作制御部316は、ユーザインターフェースを介して上位の制御装置(図示略)に入力された目標波長を当該上位の制御装置から取得する(ステップS1)。
ステップS1の後、目標値算出部313は、記憶部32に記憶された透過特性情報を参照し、第1,第2の制御目標値を算出する(ステップS2)。具体的に、目標値算出部313は、記憶部32に記憶された第1の透過特性情報を読み出す。そして、目標値算出部313は、当該第1の透過特性情報における複数の制御参照値Pd11〜Pd1nのうち、ステップS1にて取得された目標波長(例えば波長λ1)に関連付けられた制御参照値(例えば制御参照値Pd11)を第1の制御目標値として算出する。また、目標値算出部313は、記憶部32に記憶された第2の透過特性情報を読み出す。そして、目標値算出部313は、当該第2の透過特性情報における複数の制御参照値Pd21〜Pd2nのうち、ステップS1にて取得された目標波長(例えば波長λ1)に関連付けられた制御参照値(例えば制御参照値Pd21)を第2の制御目標値として算出する。
ステップS2の後、動作制御部316は、記憶部32に記憶された波長電力情報を参照し、ステップS1にて取得された目標波長に関連付けられた各電力(初期電力)をマイクロヒータ421〜423にそれぞれ供給する(ステップS3)。
ステップS3の後、モニタ値算出部312は、PD71から出力された電気信号の出力値に対するPD72から出力された電気信号の出力値の比率である第1のPD比とPD71から出力された電気信号の出力値に対するPD73から出力された電気信号の出力値の比率である第2のPD比とを算出する(ステップS4:モニタ値算出ステップ)。
ステップS4の後、制御装置3は、温度センサ8を用いて周囲温度を検出する(ステップS5)。
ステップS5の後、温度推定部311は、記憶部32に記憶された波長電力情報を参照し、各電力P1〜Pn[W]のうち、ステップS1にて取得された目標波長に関連付けられた電力を、現在、マイクロヒータ421〜423に供給されている総電力として認識する。そして、温度推定部311は、当該認識した総電力、ステップS5にて検出された周囲温度、及び記憶部32に記憶された熱抵抗情報に基づく熱抵抗に基づいて、平面光波回路6のフィルタ温度を推定する(ステップS6:温度推定ステップ)。
ステップS6の後、目標値補正部314は、ステップS6にて推定されたフィルタ温度と、記憶部32に記憶された複数の目標値補正情報とに基づいて、ステップS2にて算出された第1,第2の制御目標値を補正して、第1,第2の補正制御目標値を生成する(ステップS7:目標値補正ステップ)。具体的に、目標値補正部314は、記憶部32に記憶された複数の第1の目標値補正情報のうち、ステップS6にて推定されたフィルタ温度(例えば、周囲温度が70℃の際にフィルタ温度40℃)に対応する第1の目標値補正情報を読み出す。そして、目標値補正部314は、当該フィルタ温度に対応する第1の目標値補正情報における複数の補正値のうち、ステップS1にて取得された目標波長(例えば波長λ1)に関連付けられた補正値(例えば補正値A2)をステップS2にて算出された第1の制御目標値に加算して第1の補正制御目標値を生成する。また、目標値補正部314は、記憶部32に記憶された複数の第2の目標値補正情報のうち、ステップS6にて推定されたフィルタ温度に対応する第2の目標値補正情報を読み出す。そして、目標値補正部314は、当該フィルタ温度に対応する第2の目標値補正情報における複数の補正値のうち、ステップS1にて取得された目標波長(例えば波長λ1)に関連付けられた補正値(例えば補正値B2)をステップS2にて算出された第2の制御目標値に加算して第2の補正制御目標値を生成する。
なお、目標値補正部314は、ステップS7において、ステップS6にて推定されたフィルタ温度と同一の温度の目標値補正情報が記憶部32に記憶されていない場合(例えばフィルタ温度が図7に示した30℃と35℃との間の温度、または35℃と40℃との間の温度である場合)には、複数の目標値補正情報における目標波長が関連付けられた複数の補正値から補間により補正値を生成し、当該補正値を用いて、第1,第2の制御目標値を補正する。
ステップS7の後、目標値選択部315は、ステップS7にて生成された第1,第2の補正制御目標値のうち、記憶部32に記憶された基準値情報に基づく平均値AVに近い補正制御目標値を選択する(ステップS8:目標値選択ステップ)。
ステップS8の後、動作制御部316は、ステップS8にて選択された補正制御目標値に対して、ステップS4にて算出された第1,第2のPD比のうち、当該補正制御目標値を目標値とするPD比が合致するように、マイクロヒータ421〜423にそれぞれ供給する電力を変化させる波長調整制御を実行する(ステップS9:動作制御ステップ)。なお、「当該補正制御目標値を目標値とするPD比」とは、ステップS8にて第1の補正制御目標値が選択されている場合には第1のPD比を意味し、ステップS8にて第2の補正制御目標値が選択されている場合には第2のPD比を意味する。
また、図8では、説明の便宜上、ステップS9の後、波長ロック制御を完了するフローとしているが、実際には、ステップS9の後、ステップS4に戻り、ステップS4〜S9のループを繰り返すことにより、レーザ光L1の波長を目標波長に制御する。
図9は、波長制御方法を説明する図である。具体的に、図9は、図6に対応した図であって、基準温度に対応する第1の透過特性情報を曲線CL1で示し、当該基準温度に対応する第2の透過特性情報を曲線CL2で示している。また、ステップS6にて推定されたフィルタ温度での第1の光フィルタ63aの透過特性を曲線CL1´で示し、当該フィルタ温度での第2の光フィルタ64aの透過特性を曲線CL2´で示している。
ところで、第1の光フィルタ63aの透過特性(曲線CL1)において、山または谷に相当する部分(以下、不感帯と記載)は、波長の変動量に対する第1のPD比の変動量が小さいものである。このため、第1の透過特性情報(曲線CL1)における当該不感帯を用いて波長調整制御を実行した場合には、レーザ光L1の波長を目標波長に制御することが難しい。なお、第2の光フィルタ64aの透過特性(曲線CL2)における山または谷に相当する部分も同様である。
そこで、本実施の形態1では、第1,第2の光フィルタ63a,64aの各透過特性を例えば1周期の1/3〜1/5の範囲で互いに位相をずらしている。すなわち、第1の光フィルタ63aの透過特性(曲線CL1)の不感帯と、第2の光フィルタ64aの透過特性(曲線CL2)の不感帯とが互いに重ならないように設定している。このため、レーザ光L1の波長を目標波長TWに制御する際には、第1,第2の透過特性情報(曲線CL1,CL2)のうち、当該目標波長TWが不感帯に位置する第1の透過特性情報(曲線CL1)ではなく、当該目標波長TWが不感帯に位置しない第2の透過特性情報(曲線CL2)を用いることができる。この際、第1の透過特性情報(曲線CL1)における目標波長TWに関連付けられた制御参照値(第1の制御目標値PDT1)と第2の透過特性情報(曲線CL2)における目標波長TWに関連付けられた制御参照値(第2の制御目標値PDT2)とのうち平均値AVに近い方(第2の制御目標値PDT2)を選択する。これにより、レーザ光L1の波長を目標波長TWに制御する際に、当該目標波長TWが不感帯に位置しない第2の透過特性情報(曲線CL2)を用いることができる。
しかしながら、第2の光フィルタ64aの温度が基準温度からずれると、当該第2の光フィルタ64aの透過特性は、波長軸上で全体がシフト(曲線CL2から曲線CL2´にシフト)する。すなわち、第2の光フィルタ64aの温度が基準温度からずれて当該第2の光フィルタ64aの透過特性が曲線CL2´になっているにも拘らず、当該基準温度に対応する第2の透過特性情報(曲線CL2)における目標波長TWに関連付けられた制御参照値を第2の制御目標値PDT2として波長調整制御を実行した場合には、レーザ光L1の波長は、目標波長TWからずれた波長TW´に制御されてしまう。
また、第2の制御目標値PDT2に対してフィルタ温度に対応する第2の目標値補正情報における目標波長TWに関連付けられた補正値を加算して第2の補正制御目標値PDT2´を生成し、当該第2の補正制御目標値PDT2´を第2のPD比の目標値として波長調整制御を実行した場合であっても(フィルタ温度に対応した第2の光フィルタ64aの透過特性(曲線CL2´)を用いた場合であっても)、当該第2の補正制御目標値PDT2´が不感帯に位置するため、レーザ光L1を目標波長TWに精度良く制御することが難しい。
そこで、本実施の形態1では、記憶部32に複数の温度に対応した複数の目標値補正情報を記憶しておく。また、制御装置3は、第1,第2の光フィルタ63a,64aのフィルタ温度を推定し、当該フィルタ温度に対応した第1,第2の目標値補正情報を参照し、当該第1,第2の目標値補正情報における目標波長TWに関連付けられた各補正値CV1,CV2を用いて、第1,第2の制御目標値PDT1,PDT2を補正して、第1,第2の補正制御目標値PDT1´,PDT2´を生成する。さらに、制御装置3は、第1,第2の補正制御目標値PDT1´,PDT2´のうち平均値AVに近い第1の補正制御目標値PDT1´を選択する。そして、制御装置3は、第1のPD比が第1の補正制御目標値PDT1´に合致するように、波長調整制御を実行する。
なお、波長電力情報を参照してマイクロヒータ421〜423にそれぞれ供給する電力(初期電力)を算出する際、透過特性情報を参照して第1,第2の制御目標値PDT1,PDT2を算出する際、または、目標値補正情報を参照して補正値を算出する際において、目標波長TWが波長λ1〜λnのいずれの波長でもない場合には、線形補間等により、電力(初期電力)、第1,第2の制御目標値、または、補正値を算出しても構わない。
以上説明した本実施の形態1によれば、以下の効果を奏する。
本実施の形態1に係る波長可変レーザ装置1では、フィルタ温度に対応した目標値補正情報を用いて、第1,第2の制御目標値PDT1,PDT2を補正している。このため、第1,第2の光フィルタ63a,64aのフィルタ温度が基準温度からずれた場合であっても、第1,第2の補正制御目標値PDT1´,PDT2´を目標波長TWに対応した値として精度良く算出することができる。また、波長可変レーザ装置1では、第1,第2の補正制御目標値PDT1´,PDT2´のうち平均値AVに近い補正制御目標値を選択し、当該補正制御目標値を用いて波長調整制御を実行している。このため、不感帯に位置しない補正制御目標値を用いて波長調整制御を実行することができる。
以上のことから、選択した補正制御目標値に対して、第1,第2のPD比のうち当該補正制御目標値を目標値とするPD比が合致するように波長調整制御を実行することで、レーザ光L1の波長を精度良く目標波長TWに制御することができる。
特に、第1,第2の補正制御目標値PDT1´,PDT2´の一方を選択するにあたって、平均値AVに近い方を選択する構成を採用している。このため、簡単な演算により不感帯に位置しない第1,第2の補正制御目標値PDT1´,PDT2´の一方を選択することができ、制御部31の処理負荷を軽減することができる。
また、本実施の形態1に係る波長可変レーザ装置1では、第1,第2の制御目標値PDT1,PDT2を補正するにあたって、複数の温度毎に複数の波長と複数の補正値とがそれぞれ関連付けられた複数の目標値補正情報を用いている。そして、波長可変レーザ装置1では、フィルタ温度と同一の温度の目標値補正情報が記憶部32に記憶されていない場合には、複数の目標値補正情報における目標波長TWが関連付けられた複数の補正値から補間により補正値を生成し、当該補正値を用いて、第1,第2の制御目標値PDT1,PDT2を補正する。
このため、第1,第2の制御目標値PDT1,PDT2を補正するための複数の目標値補正情報のデータ量を少なくすることができる。
また、本実施の形態1に係る波長可変レーザ装置1では、1つのみの温度調節器9により、波長可変光源部4、半導体光増幅器5、平面光波回路6、及び光検出部7の温度を調節する。このように1つのみの温度調節器9により当該各部材4〜7の温度を調節する構造とした場合には、複数の温度調節器を設けた場合と比較して、低消費電力化及び小型化を図ることができる。一方で、1つのみの温度調節器9を用いた場合には、設置面91の面内に生じる温度分布の影響を受ける虞がある。特に、波長可変部42は、光源部41を局所的に加熱するマイクロヒータ421〜423で構成されている。このため、設置面91の面内に温度分布が生じ易い。すなわち、平面光波回路6に近接した位置に温度センサ8を配置した場合であっても、マイクロヒータ421〜423からの熱伝達の影響を受けるため、当該温度センサ8で検出された温度は、平面光波回路6(第1,第2の光フィルタ63a,64a)の温度に一致しない。すなわち、第1,第2の光フィルタ63a,64aの温度を測定することが難しい。
そこで、本実施の形態1に係る波長可変レーザ装置1では、温度センサ8にて検出された周囲温度と、波長電力情報における複数の電力のうち目標波長TWが関連付けられた電力と、熱抵抗情報とに基づいて、フィルタ温度を推定している。このため、マイクロヒータ421〜423からの熱伝達の影響を考慮して、フィルタ温度を精度良く推定することができる。したがって、精度の高いフィルタ温度に対応した目標値補正情報を用いることができ、上述したレーザ光L1の波長を精度良く目標波長TWに制御することができる、という効果を好適に実現することができる。
(実施の形態2)
次に、本実施の形態2について説明する。
以下の説明では、上述した実施の形態1と同様の構成には同一符号を付し、その詳細な説明は省略または簡略化する。
図10は、本実施の形態2に係る制御装置3Aの構成を示すブロック図である。図11は、制御装置3Aによる波長制御方法を示すフローチャートである。
本実施の形態2に係る波長可変レーザ装置1Aでは、上述した実施の形態1で説明した波長可変レーザ装置1に対して、制御装置3とは異なる手法で波長ロック制御を実行する制御装置3Aを採用している。
制御装置3Aでは、上述した実施の形態1で説明した制御装置3に対して、目標値補正部314の機能、及び記憶部32に記憶する情報を異なるものとしている。
以下では、説明の便宜上、本実施の形態2に係る制御部(目標値補正部)及び記憶部をそれぞれ制御部31A(目標値補正部314A)及び記憶部32Aとする。
記憶部32Aは、制御部31Aにて実行されるプログラムや、制御部31Aの処理に必要な情報等を記憶する。なお、記憶部32Aは、制御部31Aの処理に必要な情報として、上述した実施の形態1で説明した熱抵抗情報、波長電力情報、透過特性情報、及び基準値情報の他、温度特性情報及びスロープ情報を記憶する。
温度特性情報は、第1,第2の光フィルタ63a,64aにおける温度特性を示す情報である。具体的に、上述したように、第1,第2の光フィルタ63a,64aの透過特性は、当該第1,第2の光フィルタ63a,64aの温度が変化すると、波長軸上で全体が短波側または長波側にシフトする。そして、温度特性情報は、単位温度当たりに当該透過特性がシフトする波長のずれ量X[nm/℃]を示す情報である。
図12は、記憶部32Aに記憶されたスロープ情報を説明する図である。具体的に、図12は、図6及び図9に対応した図である。
スロープ情報は、第1,第2の光フィルタ63a,64aにおける透過特性を示す情報である。具体的に、スロープ情報は、第1の光フィルタ63aの透過特性(曲線CL1)において、不感帯を除く上限値UL及び下限値LL間の範囲内(以下、スロープ部分と記載)での波長の変動量に対する第1のPD比の変動量の比率(スロープ部分の傾き)を示す情報である。なお、第1,第2の光フィルタ63a,64aの透過特性は、互いに位相をずらしただけである。このため、第2の光フィルタ64aの透過特性(曲線CL2)におけるスロープ部分の傾きは、第1の光フィルタ63aの透過特性(曲線CL1)におけるスロープ部分の傾きと同一である。
以下、目標値補正部314Aの機能について、図11を参照しつつ説明する。
制御装置3Aによる波長制御方法では、図11に示すように、上述した実施の形態1で説明した波長制御方法(図8)に対して、ステップS7の代わりにステップS10〜S13が採用されている点が異なる。以下では、ステップS10〜S13のみを説明する。なお、ステップS10〜S13は、本発明に係る目標値補正ステップに相当する。
ステップS10は、ステップS6の後に実行される。
具体的に、目標値補正部314Aは、ステップS6にて推定されたフィルタ温度と基準温度との温度差δTを算出する(ステップS10)。
ステップS10の後、目標値補正部314Aは、記憶部32Aに記憶された温度特性情報(単位温度当たりの波長のずれ量X[nm/℃])とステップS10にて算出した温度差δTとに基づいて、当該温度差δTに応じた波長のずれ量(X×δT)を算出する(ステップS11)。
ステップS11の後、目標値補正部314Aは、ステップS11にて算出した温度差δTに応じた波長のずれ量(X×δT)と、記憶部32Aに記憶されたスロープ情報とに基づいて、ステップS2にて算出された第1,第2の制御目標値PDT1,PDT2を補正するための各補正値を算出する(ステップS12)。なお、図12では、説明の便宜上、第1の制御目標値PDT1に加算して第1の補正制御目標値PDT1´を生成するための補正値CV1のみを図示している。
ステップS12の後、目標値補正部314Aは、ステップS12にて算出した各補正値をステップS2にて算出された第1,第2の制御目標値PDT1,PDT2にそれぞれ加算して第1,第2の補正制御目標値PDT1´,PDT2´を生成する(ステップS13)。この後、制御装置3Aは、ステップS8に移行する。
なお、図11では、説明の便宜上、ステップS9の後、波長ロック制御を完了するフローとしているが、実際には、ステップS9の後、ステップS4に戻り、ステップS4〜S6,S10〜S13,S8,S9のループを繰り返すことにより、レーザ光L1の波長を目標波長TWに制御する。
以上説明した本実施の形態2のように第1,第2の制御目標値PDT1,PDT2を補正した場合であっても、上述した実施の形態1と同様の効果を有する。
また、複数の目標値補正情報を記憶部32Aに記憶しておく必要がないため、記憶部32Aに記憶するデータ量を少なくすることができる。
(実施の形態3)
次に、本実施の形態3について説明する。
以下の説明では、上述した実施の形態1と同様の構成には同一符号を付し、その詳細な説明は省略または簡略化する。
図13は、本実施の形態3に係る制御装置3Bの構成を示すブロック図である。図14は、制御装置3Bによる波長制御方法を示すフローチャートである。
本実施の形態3に係る波長可変レーザ装置1Bでは、上述した実施の形態1で説明した波長可変レーザ装置1に対して、制御装置3とは異なる手法で波長ロック制御を実行する制御装置3Bを採用している。
制御装置3Bでは、上述した実施の形態1で説明した制御装置3に対して、温度推定部311の機能、及び記憶部32に記憶する情報を異なるものとしている。なお、温度推定部311の機能を変更したことに伴い、波長可変レーザ装置1Bには、温度センサ8は、設けられていない。
以下では、説明の便宜上、本実施の形態3に係る制御部(温度推定部)及び記憶部をそれぞれ制御部31B(温度推定部311B)及び記憶部32Bとする。
記憶部32Bは、制御部31Bにて実行されるプログラムや、制御部31Bの処理に必要な情報等を記憶する。なお、記憶部32Bは、制御部31Bの処理に必要な情報として、上述した実施の形態1で説明した波長電力情報、透過特性情報、複数の目標値補正情報、及び基準値情報の他、複数の波長毎に設けられた複数の温度推定情報を記憶する。
温度推定情報は、フィルタ温度を推定するための情報である。具体的に、温度推定情報は、レーザ光L1の波長を波長λ1〜λn[nm]にそれぞれ設定した場合でのPD71から出力された電気信号の出力値に対するPD72から出力された電気信号の出力値の比率である各第1のPD比と当該波長λ1〜λnに対応する各第1の制御目標値とのずれ量(第1の制御目標値と第1のPD比との差分)と、複数の温度とがそれぞれ関連付けられた情報である。
以下、温度推定部311Bの機能について、図14を参照しつつ説明する。
制御装置3Bによる波長制御方法では、図14に示すように、上述した実施の形態1で説明した波長制御方法(図8)に対して、ステップS5が省略されているとともに、ステップS6の代わりにステップS14が採用されている点が異なる。以下では、ステップS14のみを説明する。なお、ステップS14は、本発明に係る温度推定ステップに相当する。
ステップS14は、ステップS4の後に実行される。
具体的に、温度推定部311Bは、記憶部32Bに記憶された複数の温度推定情報のうち、ステップS1にて取得された目標波長TW(本発明に係る第1の波長に相当)に対応する温度推定情報を読み出す。そして、温度推定部311Bは、当該目標波長TWに対応する温度推定情報を参照し、ステップS2にて算出された第1の制御目標値PDT1(本発明に係る期待モニタ値に相当)とステップS4にて算出された第1のPD比との差分に関連付けられた温度をフィルタ温度として推定する(ステップS14)。この後、制御装置3Bは、ステップS7に移行する。
なお、図14では、説明の便宜上、ステップS9の後、波長ロック制御を完了するフローとしているが、実際には、ステップS9の後、ステップS4に戻り、ステップS4,S9のループ(ステップS14,S7,S8は実行しない)を繰り返すことにより、レーザ光L1の波長を目標波長TWに制御する。すなわち、本実施の形態3では、波長可変レーザ装置1Bの起動時にフィルタ温度の推定(ステップS14)、第1,第2の制御目標値PDT1,PDT2の補正(ステップS7)、及び第1,第2の補正制御目標値PDT1´,PDT2´の一方の選択(ステップS8)を実行し、その後のステップS4,S9のループでは、ステップS8にて選択された補正制御目標値を用いて波長調整制御を実行する。
ここで、第1の透過特性情報は、本発明に係る期待モニタ値情報に相当する。なお、本発明に係る期待モニタ値情報は、第1の透過特性情報に限らず、第2の透過特性情報としても構わない。この際、温度推定情報は、レーザ光L1の波長を波長λ1〜λn[nm]にそれぞれ設定した場合でのPD71から出力された電気信号の出力値に対するPD73から出力された電気信号の出力値の比率である各第2のPD比と当該波長λ1〜λnに対応する各第2の制御目標値とのずれ量(第2の制御目標値と第2のPD比との差分)と、複数の温度とがそれぞれ関連付けられた情報となる。また、ステップS14では、温度推定部311Bは、目標波長TW(本発明に係る第1の波長に相当)に対応する温度推定情報を参照し、ステップS2にて算出された第2の制御目標値PDT2(本発明に係る期待モニタ値に相当)とステップS4にて算出された第2のPD比との差分に関連付けられた温度をフィルタ温度として推定する。
以上説明した本実施の形態3のようにフィルタ温度を推定した場合であっても、上述した実施の形態1と同様の効果を奏する。
また、温度センサ8を省略することができるため、波長可変レーザ装置1Bの構造を簡素化することができる。
(実施の形態4)
次に、本実施の形態4について説明する。
以下の説明では、上述した実施の形態1と同様の構成には同一符号を付し、その詳細な説明は省略または簡略化する。
図15は、本実施の形態4に係る制御装置3Cの構成を示すブロック図である。図16は、制御装置3Cによる波長制御方法を示すフローチャートである。
本実施の形態4に係る波長可変レーザ装置1Cでは、上述した実施の形態1で説明した波長可変レーザ装置1に対して、制御装置3とは異なる手法で波長ロック制御を実行する制御装置3Cを採用している。
制御装置3Cでは、上述した実施の形態1で説明した制御装置3に対して、目標値選択部315の機能、及び記憶部32に記憶する情報を異なるものとしている。
以下では、説明の便宜上、本実施の形態4に係る制御部(目標値選択部)及び記憶部をそれぞれ制御部31C(目標値選択部315C)及び記憶部32Cとする。
記憶部32Cは、制御部31Cにて実行されるプログラムや、制御部31Cの処理に必要な情報等を記憶する。なお、記憶部32Cは、制御部31Cの処理に必要な情報として、上述した実施の形態1で説明した熱抵抗情報、波長電力情報、透過特性情報、複数の目標値補正情報、及び基準値情報の他、変動範囲情報を記憶する。
変動範囲情報は、第1の補正制御目標値PDT1´または第2の補正制御目標値PDT2´の変動範囲を示す情報である。
以下、目標値選択部315Cの機能について、図16を参照しつつ説明する。
制御装置3Cによる波長制御方法では、図16に示すように、上述した実施の形態1で説明した波長制御方法(図8)に対して、ステップS8の代わりにステップS15〜S17が採用されている点が異なる。以下では、ステップS15〜S17のみを説明する。なお、ステップS15〜S17は、本発明に係る目標値選択ステップに相当する。
ここで、図16では、説明の便宜上、ステップS9の後、波長ロック制御を完了するフローとしているが、実際には、ステップS9の後、ステップS4に戻り、ステップS4〜S7,S15〜S17,S9のループを繰り返すことにより、レーザ光L1の波長を目標波長TWに制御する。
ステップS15は、ステップS7の後に実行される。
具体的に、目標値選択部315Cは、記憶部32Cに記憶された変動範囲情報を参照し、直前に選択した補正制御目標値を中心とする当該変動範囲情報に基づく変動範囲内に当該補正制御目標値に対応するとともに新たに生成された補正制御目標値が入ったか否かを判断する(ステップS15)。なお、「直前に選択した補正制御目標値」とは、直前のループ(ステップS4〜S7,S15〜S17,S9のループ)におけるステップS16,S17にて選択した補正制御目標値を意味する。また、「当該補正制御目標値に対応するとともに新たに生成された補正制御目標値」とは、直前のループにおけるステップS16,S17にて第1の補正制御目標値PDT1´が選択されている場合にはステップS7(現在のループ(当該直前のループの次のループ)におけるステップS7)にて新たに生成された第1の補正制御目標値PDT1´を意味し、直前のループにおけるステップS16,S17にて第2の補正制御目標値PDT2´が選択されている場合にはステップS7(現在のループ(当該直前のループの次のループ)におけるステップS7)にて新たに生成された第2の補正制御目標値PDT2´を意味する。
変動範囲内に新たに生成された補正制御目標値が入ったと判断した場合(ステップS15:Yes)には、目標値選択部315Cは、当該新たに生成された補正制御目標値とは別の補正制御目標値の方が平均値AVに近い場合であっても、当該新たに生成された補正制御目標値を選択する(ステップS16)。この後、制御装置3Cは、ステップS9に移行する。なお、「当該新たに生成された補正制御目標値とは別の補正制御目標値」とは、新たに生成された補正制御目標値が第1の補正制御目標値PDT1´である場合には第2の補正制御目標値PDT2´を意味し、新たに生成された補正制御目標値が第2の補正制御目標値PDT2´である場合には第1の補正制御目標値PDT1´を意味する。
一方、変動範囲内に新たに生成された補正制御目標値が入っていないと判断した場合(ステップS15:No)には、目標値選択部315Cは、上述した実施の形態1で説明したステップS8と同様に、ステップS7にて生成された第1,第2の補正制御目標値PDT1´,PDT2´のうち、平均値AVに近い補正制御目標値を選択する(ステップS17)。この後、制御装置3Cは、ステップS9に移行する。
図17及び図18は、波長制御方法を説明する図である。具体的に、図17は、図6及び図9に対応した図であって、基準温度に対応する第1の透過特性情報を曲線CL1で示し、当該基準温度に対応する第2の透過特性情報を曲線CL2で示している。また、第1の光フィルタ63aの温度が基準温度からΔTだけ増加した場合での当該第1の光フィルタ63aの透過特性を曲線CL1U(図17(a))で示している。さらに、第1の光フィルタ63aの温度が基準温度からΔTだけ低減した場合での当該第1の光フィルタ63aの透過特性を曲線CL1D(図17(b))で示している。また、第2の光フィルタ64aの温度が基準温度からΔTだけ増加した場合での当該第2の光フィルタ64aの透過特性を曲線CL2U(図17(a))で示している。さらに、第2の光フィルタ64aの温度が基準温度からΔTだけ低減した場合での当該第2の光フィルタ64aの透過特性を曲線CL2D(図17(b))で示している。図18は、図17(a)及び図17(b)の曲線CL2,CL2U,CL2Dの一部を拡大した図である。
ところで、ステップS4〜S7,S15〜S17,S9のループを繰り返し実行していると、波長可変レーザ装置1Cの周囲の環境温度の微小な揺らぎに応じて、ステップS6にて推定されるフィルタ温度も揺らぐ。上述したΔTは、当該フィルタ温度の揺らぎ量を意味する。そして、例えば、図17(a)に示したように、フィルタ温度が基準温度+ΔTの状態では、第2の補正制御目標値PDT2´の方が第1の補正制御目標値PDT1´よりも平均値AVに近いため、当該第2の補正制御目標値PDT2´が選択される。一方、図17(b)に示すように、フィルタ温度が基準温度−ΔTの状態では、第1の補正制御目標値PDT1´の方が第2の補正制御目標値PDT2´よりも平均値AVに近いため、当該第1の補正制御目標値PDT1´が選択される。すなわち、ステップS4〜S7,S15〜S17,S9のループを繰り返し実行していると、波長可変レーザ装置1Cの周囲の環境温度の微小な揺らぎに応じて、選択される補正制御目標値が頻繁に切り替わることとなる。
そこで、本実施の形態4では、記憶部32Cに第1の補正制御目標値または第2の補正制御目標値の変動範囲(図17に示した変動上限値FULと変動下限値FDLとの間の範囲FR)を示す変動範囲情報を記憶しておく。制御装置3Cは、直前に選択した補正制御目標値PDT´を中心とする変動範囲FR内に当該補正制御目標値に対応するとともに新たに生成した補正制御目標値が入った場合には、当該新たに生成した補正制御目標値とは別の補正制御目標値の方が平均値AVに近い場合であっても、当該新たに生成した補正制御目標値を選択する。そして、制御装置3Cは、当該新たに生成した補正制御目標値に対して第1,第2のPD比のうち当該補正制御目標値を目標値とするPD比が合致するように、波長調整制御を実行する。
ここで、変動範囲情報に基づく変動範囲FRは、以下に示すように設定されている。
すなわち、フィルタ温度が基準温度からΔTだけずれた場合での第1,第2の光フィルタ63a,64aにおける透過特性の当該ΔTに応じた波長のずれ量は、上述した実施の形態2で説明した温度特性情報(単位温度当たりの波長のずれ量X[nm/℃]を用いて、図18に示すように、ずれ量(X×ΔT)となる。また、変動上限値FULまたは変動下限値FDLと変動範囲FRの中心位置(補正制御目標値PDT´)との間の幅は、当該ΔTに応じた波長のずれ量(X×ΔT)と、上述した実施の形態2で説明したスロープ情報とに基づいて、算出することができる。すなわち、変動範囲FRは、当該幅の2倍を最小範囲として設定されている。
以上説明した本実施の形態4のように補正制御目標値を選択する場合であっても、上述した実施の形態1と同様の効果を奏する。
また、波長可変レーザ装置1Cの周囲の環境温度の微小な揺らぎに対して、選択される補正制御目標値が頻繁に切り替わることを抑制することができる。
(実施の形態5)
次に、本実施の形態5について説明する。
以下の説明では、上述した実施の形態1と同様の構成には同一符号を付し、その詳細な説明は省略または簡略化する。
図19は、本実施の形態5に係る制御装置3Dの構成を示すブロック図である。図20は、制御装置3Dによる波長制御方法を示すフローチャートである。
本実施の形態5に係る波長可変レーザ装置1Dでは、上述した実施の形態1で説明した波長可変レーザ装置1に対して、制御装置3とは異なる手法で波長ロック制御を実行する制御装置3Dを採用している。
制御装置3Dでは、上述した実施の形態1で説明した制御装置3に対して、目標値補正部314及び目標値選択部315の機能を異なるものとしている。
以下では、説明の便宜上、本実施の形態5に係る制御部(目標値補正部及び目標値選択部)を制御部31D(目標値補正部314D及び目標値選択部315D)とする。
以下、目標値補正部314D及び目標値選択部315Dの機能について、図20を参照しつつ説明する。
制御装置3Dによる波長制御方法では、図20に示すように、上述した実施の形態1で説明した波長制御方法(図8)に対して、ステップS18〜S21が追加されている点が異なる。以下では、ステップS18〜S21のみを説明する。
ステップS18は、ステップS6の後に実行される。
具体的に、制御部31Dは、ステップS6にて推定されたフィルタ温度と基準温度との温度差が閾値よりも小さいか否かを判断する(ステップS18)。
ここで、ステップS18において、「No」の判断は、第1,第2の光フィルタ63a,64aの透過特性において、フィルタ温度と基準温度との温度差に応じた波長のずれ量が比較的に大きいことを意味する。すなわち、第1の制御目標値PDT1または第2の制御目標値PDT2が不感帯に位置していなくても、第1の補正制御目標値PDT1´または第2の補正制御目標値PDT2´が不感帯に位置する可能性が高いことを意味する。
一方、ステップS18において、「Yes」の判断は、フィルタ温度と基準温度との温度差に応じた波長のずれ量が比較的に小さいことを意味する。すなわち、第1の制御目標値PDT1または第2の制御目標値PDT2が不感帯に位置していなければ、第1の補正制御目標値PDT1´または第2の補正制御目標値PDT2´も不感帯に位置しない可能性が高いことを意味する。
フィルタ温度と基準温度との温度差が閾値以上であると判断された場合(ステップS18:No)には、上述した実施の形態1と同様に、目標値補正部314Dによる第1,第2の制御目標値PDT1,PDT2の補正(ステップS7)、目標値選択部315Dによる第1,第2の補正制御目標値PDT1´,PDT2´の一方の選択(ステップS8)、及び動作制御部316による波長調整制御(ステップS9)が順次、実行される。
一方、フィルタ温度と基準温度との温度差が閾値よりも小さいと判断された場合(ステップS18:Yes)には、目標値選択部315Dは、ステップS2にて算出された第1,第2の制御目標値PDT1,PDT2のうち、記憶部32に記憶された基準値情報に基づく平均値AVに近い方の制御目標値を選択する(ステップS19:目標値選択ステップ)。
ステップS19の後、目標値補正部314Dは、ステップS6にて推定されたフィルタ温度に対応する目標値補正情報を参照し、ステップS19にて選択された制御目標値を補正して補正制御目標値を生成する(ステップS20:目標値補正ステップ)。なお、ステップS20は、ステップS7に対して、当該ステップS7では第1,第2の制御目標値PDT1,PDT2の双方をそれぞれ補正していたのに対して、ステップS19にて選択された制御目標値のみを補正している点が異なるのみである。
ステップS20の後、動作制御部316は、ステップS20にて生成された補正制御目標値に対して、ステップS4にて算出された第1,第2のPD比のうち、当該補正制御目標値を目標値とするPD比が合致するように、マイクロヒータ421〜423にそれぞれ供給する電力を変化させる波長調整制御を実行する(ステップS21:動作制御ステップ)。なお、「当該補正制御目標値を目標値とするPD比」とは、ステップS19にて第1の制御目標値PDT1が選択されている場合には第1のPD比を意味し、ステップS19にて第2の制御目標値PDT2が選択されている場合には第2のPD比を意味する。
なお、図20では、説明の便宜上、ステップS9,S21の後、波長ロック制御を完了するフローとしているが、実際には、ステップS9,S21の後、ステップS4に戻り、ステップS4〜S6,S18,S7〜S9のループ、または、ステップS4〜S6,S18〜S21のループを繰り返すことにより、レーザ光L1の波長を目標波長TWに制御する。
以上説明した本実施の形態5のように波長ロック制御を実行する場合であっても、上述した実施の形態1と同様の効果を奏する。
(その他の実施形態)
ここまで、本発明を実施するための形態を説明してきたが、本発明は上述した実施の形態1〜5によってのみ限定されるべきものではない。
上述した実施の形態1〜5では、本発明に係る第1,第2の光フィルタとして、リング共振器型光フィルタ63a,64aを採用してきたが、これに限らない。入射する光の波長に対して周期的な透過特性を有する光フィルタであれば、エタロン等のその他の光フィルタを本発明に係る第1,第2の光フィルタとして採用しても構わない。また、光フィルタの数は、2つに限らず、3つ以上であっても構わない。
上述した実施の形態1〜5において、本発明に係る第1,第2の光フィルタ及び第1〜第3の受光素子を配設する位置は、上述した実施の形態1〜5で説明した位置に限らない。例えば、波長可変光源部4から出力されたレーザ光L1を2つのレーザ光に分岐し、一方のレーザ光を半導体光増幅器5に出力する光分岐部を設ける。そして、本発明に係る第1,第2の光フィルタ及び第1〜第3の受光素子として、光分岐部にて分岐された他方のレーザ光を受ける位置に配設しても構わない。
上述した実施の形態1,2,4,5において、温度センサ8を温度調節器9上に載置する場合、その配設位置は、第2の領域Ar2に限らず、第1の領域Ar1としてもよい。また、フィルタ温度の推定方法は、上述した実施の形態1,2,4,5で説明した熱抵抗情報や波長電力情報を用いる方法に限らず、その他の方法を採用しても構わない。特に、温度センサ8で検出した周囲温度そのものをフィルタ温度として推定するようにしてもよい。
上述した実施の形態1〜5では、本発明に係る第1,第2の基準値情報として、1つのみの平均値AVを採用していたが、これに限らない。例えば、第1,第2の光フィルタ63a,64aの各透過特性が製造バラつきによって異なる特性となっている場合には、以下の構成を採用しても構わない。
記憶部32,32A〜32Cに第1,第2の基準値情報を記憶しておく。ここで、第1の基準値情報は、第1の光フィルタ63aに入射する光の波長を当該第1の光フィルタ63aの透過特性における1周期分変動させた場合でのPD71から出力された電気信号の出力値に対するPD72から出力された電気信号の出力値の比率である各第1のPD比の平均値(第1の平均値)を示す情報である。一方、第2の基準値情報は、第2の光フィルタ64aに入射する光の波長を当該第2の光フィルタ64aの透過特性における1周期分変動させた場合でのPD71から出力された電気信号の出力値に対するPD73から出力された電気信号の出力値の比率である各第2のPD比の平均値(第2の平均値)を示す情報である。そして、目標値選択部315,315C,315Dは、第1の補正制御目標値PDT1´(ステップS19の場合には第1の制御目標値PDT1)及び第1の平均値の差分と第2の補正制御目標値PDT2´(ステップS19の場合には第2の制御目標値PDT2)及び第2の平均値の差分とのうち、当該差分が小さい補正制御目標値(ステップS19の場合には制御目標値)を選択する。ここで、「当該差分が小さい補正制御目標値(ステップS19の場合には制御目標値)」とは、第1の補正制御目標値PDT1´(ステップS19の場合には第1の制御目標値PDT1)及び第1の平均値の差分の方が第2の補正制御目標値PDT2´(ステップS19の場合には第2の制御目標値PDT2)及び第2の平均値の差分よりも小さい場合には第1の補正制御目標値PDT1´(ステップS19の場合には第1の制御目標値PDT1)を意味し、第2の補正制御目標値PDT2´(ステップS19の場合には第2の制御目標値PDT2)及び第2の平均値の差分の方が第1の補正制御目標値PDT1´(ステップS19の場合には第1の制御目標値PDT1)及び第1の平均値の差分よりも小さい場合には第2の補正制御目標値PDT2´(ステップS19の場合には第2の制御目標値PDT2)を意味する。
上述した実施の形態1〜5の構成を適宜、組み合わせても構わない。例えば、上述した実施の形態2で説明した第1,第2の制御目標値PDT1,PDT2の補正手法(目標値補正部314Aの機能等)を上述した実施の形態3〜5の構成に適用しても構わない。また、上述した実施の形態3で説明したフィルタ温度の推定手法(温度推定部311Bの機能等)を上述した実施の形態2,4,5の構成に適用しても構わない。
1,1A〜1D 波長可変レーザ装置
2 波長可変レーザモジュール
3,3A〜3D 制御装置
4 波長可変光源部
5 半導体光増幅器
6 平面光波回路
7 光検出部
8 温度センサ
9 温度調節器
31,31A〜31D 制御部
32,32A〜32C 記憶部
41 光源部
42 波長可変部
43 第1の導波路部
44 第2の導波路部
44a 光導波層
45 n側電極
61 光分岐部
62 光導波路
63 光導波路
63a リング共振器型光フィルタ(第1の光フィルタ)
64 光導波路
64a リング共振器型光フィルタ(第2の光フィルタ)
71〜73 PD
91 設置面
311,311B 温度推定部
312 モニタ値算出部
313 目標値算出部
314,314A,314D 目標値補正部
315,315C,315D 目標値選択部
316 動作制御部
421〜423 マイクロヒータ
431 導波路部
431a 利得部
431b 回折格子層
432 半導体積層部
433 p側電極
441 2分岐部
441a 多モード干渉型導波路
442,443 アーム部
444 リング状導波路
445 位相調整部
Ar1 第1の領域
Ar2 第2の領域
AV 平均値
B1 基部
C1 光共振器
CL1,CL1´,CL1U,CL1D,CL2,CL2´,CL2U,CL2D 曲線
CV1,CV2 補正値
FR 変動範囲
FDL 変動下限値
FUL 変動上限値
L1〜L6レーザ光
LL 下限値
M1 反射ミラー
PDT´ 補正制御目標値
PDT1 第1の制御目標値
PDT1´ 第1の補正制御目標値
PDT2 第2の制御目標値
PDT2´ 第2の補正制御目標値
RF1 リング共振器フィルタ
TW 目標波長
TW´ 波長
UL 上限値

Claims (7)

  1. 供給される電力に応じて発熱するヒータを有し、当該ヒータの発熱に応じて出力するレーザ光の波長を可変とする波長可変光源部と、
    前記波長可変光源部から出力されたレーザ光の強度を取得する第1の受光素子と、
    入射する光の波長に対して周期的に特性が変化する第1の透過特性を有する第1の光フィルタと、
    前記第1の光フィルタを透過したレーザ光の強度を取得する第2の受光素子と、
    入射する光の波長に対して周期的に特性が変化する第2の透過特性を有する第2の光フィルタと、
    前記第2の光フィルタを透過したレーザ光の強度を取得する第3の受光素子と、
    前記波長可変光源部、前記第1の光フィルタ、及び前記第2の光フィルタが載置される1つの温度調節器と、
    当該波長可変レーザ装置の周囲温度を検出する温度センサと、
    前記波長可変光源部の動作を制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置は、
    前記周囲温度に基づいて、前記第1の光フィルタ及び前記第2の光フィルタのフィルタ温度を推定する温度推定部と、
    前記第1の受光素子及び前記第2の受光素子が取得したレーザ光の強度に基づいて第1のモニタ値を算出するとともに、前記第1の受光素子及び前記第3の受光素子が取得したレーザ光の強度に基づいて第2のモニタ値を算出するモニタ値算出部と、
    前記フィルタ温度に基づいて、レーザ光の目標波長に対応するとともに前記第1のモニタ値の目標となる第1の制御目標値を補正して第1の補正制御目標値を生成するとともに、前記目標波長に対応するとともに前記第2のモニタ値の目標となる第2の制御目標値を補正して第2の補正制御目標値を生成する目標値補正部と、
    前記第1の補正制御目標値と前記第2の補正制御目標値とのいずれか一方の補正制御目標値を選択する目標値選択部と、
    前記目標値選択部にて選択された補正制御目標値と、前記第1のモニタ値及び前記第2のモニタ値のうち当該補正制御目標値を目標値とするモニタ値とに基づいて、前記波長可変光源部から出力されるレーザ光の波長を前記目標波長に制御するように前記ヒータに供給する電力を制御する動作制御部と
    複数の温度毎に設けられた複数の目標値補正情報を記憶する記憶部をさらに備え、
    前記目標値補正情報は、
    複数の波長と複数の補正値とがそれぞれ関連付けられた情報であり、
    前記目標値補正部は、
    前記複数の目標値補正情報のうち前記フィルタ温度に対応する目標値補正情報を参照し、当該目標値補正情報における前記複数の補正値のうち前記目標波長が関連付けられた補正値を用いて、前記第1の制御目標値及び前記第2の制御目標値を補正するとともに、前記複数の目標値補正情報における前記目標波長が関連付けられた複数の補正値から補間により補正値を生成し、当該生成した補正値を用いて、前記第1の制御目標値及び前記第2の制御目標値を補正する
    ことを特徴とする波長可変レーザ装置。
  2. 前記制御装置は、
    前記第1の透過特性を示す第1の基準値情報と、前記第2の透過特性を示す第2の基準値情報とを記憶する記憶部をさらに備え、
    前記第1の基準値情報は、
    前記第1の光フィルタに入射する光の波長を前記第1の透過特性における1周期分変動させた際での前記第1のモニタ値の第1の平均値を示す情報であり、
    前記第2の基準値情報は、
    前記第2の光フィルタに入射する光の波長を前記第2の透過特性における1周期分変動させた際での前記第2のモニタ値の第2の平均値を示す情報であり、
    前記目標値選択部は、
    前記第1の補正制御目標値及び前記第1の平均値の差分と前記第2の補正制御目標値及び前記第2の平均値の差分とのうち、当該差分が小さい補正制御目標値を選択する
    ことを特徴とする請求項1に記載の波長可変レーザ装置。
  3. 前記記憶部は、
    変動範囲を示す変動範囲情報をさらに記憶し、
    前記目標値選択部は、
    直前に選択した補正制御目標値を中心とする前記変動範囲内に当該直前に選択された補正制御目標値に対応するとともに前記目標値補正部にて新たに生成された補正制御目標値が入った場合には、当該新たに生成された補正制御目標値とは別の補正制御目標値の方が前記平均値に近い場合であっても、当該新たに生成された補正制御目標値を選択する
    ことを特徴とする請求項に記載の波長可変レーザ装置。
  4. 出力するレーザ光の波長を可変とする波長可変光源部と、
    前記波長可変光源部から出力されたレーザ光の強度を取得する第1の受光素子と、
    入射する光の波長に対して周期的に特性が変化する第1の透過特性を有する第1の光フィルタと、
    前記第1の光フィルタを透過したレーザ光の強度を取得する第2の受光素子と、
    入射する光の波長に対して周期的に特性が変化する第2の透過特性を有する第2の光フィルタと、
    前記第2の光フィルタを透過したレーザ光の強度を取得する第3の受光素子と、
    前記波長可変光源部の動作を制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置は、
    前記第1の光フィルタ及び前記第2の光フィルタのフィルタ温度を推定する温度推定部と、
    前記第1の受光素子及び前記第2の受光素子が取得したレーザ光の強度に基づいて第1のモニタ値を算出するとともに、前記第1の受光素子及び前記第3の受光素子が取得したレーザ光の強度に基づいて第2のモニタ値を算出するモニタ値算出部と、
    前記フィルタ温度に基づいて、レーザ光の目標波長に対応するとともに前記第1のモニタ値の目標となる第1の制御目標値を補正して第1の補正制御目標値を生成するとともに、前記目標波長に対応するとともに前記第2のモニタ値の目標となる第2の制御目標値を補正して第2の補正制御目標値を生成する目標値補正部と、
    前記第1の補正制御目標値と前記第2の補正制御目標値とのいずれか一方の補正制御目標値を選択する目標値選択部と、
    前記目標値選択部にて選択された補正制御目標値と、前記第1のモニタ値及び前記第2のモニタ値のうち当該補正制御目標値を目標値とするモニタ値とに基づいて、前記波長可変光源部から出力されるレーザ光の波長を前記目標波長に制御する動作制御部と、
    複数の温度毎に設けられた複数の目標値補正情報と、前記第1の透過特性を示す第1の基準値情報と、前記第2の透過特性を示す第2の基準値情報とを記憶する記憶部とを備え、
    前記目標値補正情報は、
    複数の波長と複数の補正値とがそれぞれ関連付けられた情報であり、
    前記目標値補正部は、
    前記複数の目標値補正情報のうち前記フィルタ温度に対応する目標値補正情報を参照し、当該目標値補正情報における前記複数の補正値のうち前記目標波長が関連付けられた補正値を用いて、前記第1の制御目標値及び前記第2の制御目標値を補正するとともに、前記複数の目標値補正情報における前記目標波長が関連付けられた複数の補正値から補間により補正値を生成し、当該生成した補正値を用いて、前記第1の制御目標値及び前記第2の制御目標値を補正し、
    前記第1の基準値情報は、
    前記第1の光フィルタに入射する光の波長を前記第1の透過特性における1周期分変動させた際での前記第1のモニタ値の第1の平均値を示す情報であり、
    前記第2の基準値情報は、
    前記第2の光フィルタに入射する光の波長を前記第2の透過特性における1周期分変動させた際での前記第2のモニタ値の第2の平均値を示す情報であり、
    前記目標値選択部は、
    前記第1の補正制御目標値及び前記第1の平均値の差分と前記第2の補正制御目標値及び前記第2の平均値の差分とのうち、当該差分が小さい補正制御目標値を選択する
    ことを特徴とする波長可変レーザ装置。
  5. 前記記憶部は、
    変動範囲を示す変動範囲情報をさらに記憶し、
    前記目標値選択部は、
    直前に選択した補正制御目標値を中心とする前記変動範囲内に当該直前に選択された補正制御目標値に対応するとともに前記目標値補正部にて新たに生成された補正制御目標値が入った場合には、当該新たに生成された補正制御目標値とは別の補正制御目標値の方が前記平均値に近い場合であっても、当該新たに生成された補正制御目標値を選択する
    ことを特徴とする請求項に記載の波長可変レーザ装置。
  6. 供給される電力に応じて発熱するヒータを有し、当該ヒータの発熱に応じて出力するレーザ光の波長を可変とする波長可変光源部と、前記波長可変光源部から出力されたレーザ光の強度を取得する第1の受光素子と、入射する光の波長に対して周期的に特性が変化する第1の透過特性を有する第1の光フィルタと、前記第1の光フィルタを透過したレーザ光の強度を取得する第2の受光素子と、入射する光の波長に対して周期的に特性が変化する第2の透過特性を有する第2の光フィルタと、前記第2の光フィルタを透過したレーザ光の強度を取得する第3の受光素子と、前記波長可変光源部、前記第1の光フィルタ、及び前記第2の光フィルタが載置される1つの温度調節器と、周囲温度を検出する温度センサとを備えた波長可変レーザ装置の波長制御方法であって、
    前記周囲温度に基づいて、前記第1の光フィルタ及び前記第2の光フィルタのフィルタ温度を推定する温度推定ステップと、
    前記第1の受光素子及び前記第2の受光素子が取得したレーザ光の強度に基づいて第1のモニタ値を算出するとともに、前記第1の受光素子及び前記第3の受光素子が取得したレーザ光の強度に基づいて第2のモニタ値を算出するモニタ値算出ステップと、
    前記フィルタ温度に基づいて、レーザ光の目標波長に対応するとともに前記第1のモニタ値の目標となる第1の制御目標値を補正して第1の補正制御目標値を生成するとともに、前記目標波長に対応するとともに前記第2のモニタ値の目標となる第2の制御目標値を補正して第2の補正制御目標値を生成する目標値補正ステップと、
    前記第1の補正制御目標値と前記第2の補正制御目標値とのいずれか一方の補正制御目標値を選択する目標値選択ステップと、
    前記目標値選択ステップにて選択した補正制御目標値と、前記第1のモニタ値及び前記第2のモニタ値のうち当該補正制御目標値を目標値とするモニタ値とに基づいて、前記波長可変光源部から出力されるレーザ光の波長を前記目標波長に制御するように前記ヒータに供給する電力を制御する動作制御ステップとを備え
    前記目標値補正ステップでは、
    複数の温度毎に設けられ、複数の波長と複数の補正値とがそれぞれ関連付けられた複数の目標値補正情報のうち前記フィルタ温度に対応する目標値補正情報を参照し、当該目標値補正情報における前記複数の補正値のうち前記目標波長が関連付けられた補正値を用いて、前記第1の制御目標値及び前記第2の制御目標値を補正するとともに、前記複数の目標値補正情報における前記目標波長が関連付けられた複数の補正値から補間により補正値を生成し、当該生成した補正値を用いて、前記第1の制御目標値及び前記第2の制御目標値を補正する
    ことを特徴とする波長可変レーザ装置の波長制御方法。
  7. 出力するレーザ光の波長を可変とする波長可変光源部と、前記波長可変光源部から出力されたレーザ光の強度を取得する第1の受光素子と、入射する光の波長に対して周期的に特性が変化する第1の透過特性を有する第1の光フィルタと、前記第1の光フィルタを透過したレーザ光の強度を取得する第2の受光素子と、入射する光の波長に対して周期的に特性が変化する第2の透過特性を有する第2の光フィルタと、前記第2の光フィルタを透過したレーザ光の強度を取得する第3の受光素子とを備えた波長可変レーザ装置の波長制御方法であって、
    前記第1の光フィルタ及び前記第2の光フィルタのフィルタ温度を推定する温度推定ステップと、
    前記第1の受光素子及び前記第2の受光素子が取得したレーザ光の強度に基づいて第1のモニタ値を算出するとともに、前記第1の受光素子及び前記第3の受光素子が取得したレーザ光の強度に基づいて第2のモニタ値を算出するモニタ値算出ステップと、
    前記フィルタ温度に基づいて、レーザ光の目標波長に対応するとともに前記第1のモニタ値の目標となる第1の制御目標値を補正して第1の補正制御目標値を生成するとともに、前記目標波長に対応するとともに前記第2のモニタ値の目標となる第2の制御目標値を補正して第2の補正制御目標値を生成する目標値補正ステップと、
    前記第1の補正制御目標値と前記第2の補正制御目標値とのいずれか一方の補正制御目標値を選択する目標値選択ステップと、
    前記目標値選択ステップにて選択した補正制御目標値と、前記第1のモニタ値及び前記第2のモニタ値のうち当該補正制御目標値を目標値とするモニタ値とに基づいて、前記波長可変光源部から出力されるレーザ光の波長を前記目標波長に制御する動作制御ステップとを備え、
    前記目標値補正ステップでは、
    複数の温度毎に設けられ、複数の波長と複数の補正値とがそれぞれ関連付けられた複数の目標値補正情報のうち前記フィルタ温度に対応する目標値補正情報を参照し、当該目標値補正情報における前記複数の補正値のうち前記目標波長が関連付けられた補正値を用いて、前記第1の制御目標値及び前記第2の制御目標値を補正するとともに、前記複数の目標値補正情報における前記目標波長が関連付けられた複数の補正値から補間により補正値を生成し、当該生成した補正値を用いて、前記第1の制御目標値及び前記第2の制御目標値を補正し、
    前記目標値選択ステップでは、
    前記第1の補正制御目標値と前記第1の光フィルタに入射する光の波長を前記第1の透過特性における1周期分変動させた際での前記第1のモニタ値の第1の平均値との差分と、前記第2の補正制御目標値と前記第2の光フィルタに入射する光の波長を前記第2の透過特性における1周期分変動させた際での前記第2のモニタ値の第2の平均値との差分とのうち、当該差分が小さい補正制御目標値を選択する
    ことを特徴とする波長可変レーザ装置の波長制御方法。
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