JPH07307516A - 波長可変半導体レーザ装置 - Google Patents

波長可変半導体レーザ装置

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JPH07307516A
JPH07307516A JP12334294A JP12334294A JPH07307516A JP H07307516 A JPH07307516 A JP H07307516A JP 12334294 A JP12334294 A JP 12334294A JP 12334294 A JP12334294 A JP 12334294A JP H07307516 A JPH07307516 A JP H07307516A
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JP
Japan
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waveguide
wavelength
semiconductor laser
bandpass filter
tunable semiconductor
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Application number
JP12334294A
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English (en)
Inventor
Akiya Yamamoto
杲也 山本
Katsuyuki Uko
勝之 宇高
Hidenori Mimura
榮紀 三村
Shiro Ryu
史郎 笠
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KDDI Corp
Original Assignee
Kokusai Denshin Denwa KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】その発振波長が外部の温度変化に対して安定
で、かつレーザ部と波長制御部を同じ材料系で構成し集
積化に適した構造の波長可変半導体レーザ装置を提供す
る。 【構成】波長可変半導体レーザの出力の一部を2分岐し
て、一方は所望の発振波長より長い波長を中心波長とす
る第1光バンドパスフィルタに、他方は所望の発振波長
より短い波長を中心波長とする第2バンドパスフィルタ
に入射し、フィルタからの出力光の差信号によって波長
可変半導体レーザの発振波長を制御して発振波長を安定
化する波長可変半導体レーザ装置において、発振波長の
基準器である光バンドパスフィルタとして同方向性結合
器型フィルタを用い、さらにそれを同じ材料系で形成す
ることにより、発振波長が外部の温度変化に対して安定
で、装置が小形化される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光加入者通信などの光通
信における高密度波長多重通信光源に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】例えば、エルビウムドープのファイバレ
ーザ増幅器が利用できる1.55μm帯での波長多重の場合
には、ファイバレーザ増幅器の増幅帯域が30数nmで
あるから、2nmの波長間隔で16波長の波長多重が、
1nmの波長間隔で32波長の波長多重が可能となる。
ところで、光通信の光源となる分布帰還型(DFB)半
導体レーザの発振波長は0.1 nm/℃の温度変化を示す
ため、仮に30℃の温度変化があった場合、発振波長は
3nmも変動する。このような波長変動があっては上記
のような高密度波長多重通信を行うことは出来ない。通
常、半導体レーザの発振波長を安定化する手段として広
く使用されている方法は、半導体レーザの温度が一定に
なるようにペルチエ素子を用いて温度制御をするもので
ある。しかし、ペルチエ素子による温度安定化には温度
センサーや温度コントローラ、直流電流電源、熱交換器
が必要であり、光源の小型化や低価格化が困難である。
また、温度による制御では応答速度が遅いという欠点も
ある。
【0003】ペルチエ素子を使用せずに光源の波長を安
定化する方法として特開昭63−160391号のよう
に、光源に波長可変半導体レーザを用い、その発振波長
の変化を直接検出し、それを波長可変半導体レーザに帰
還して一定波長で発振させる分布帰還型半導体レーザ装
置が提案されている。図11にその構成図を示す。10
1は分布帰還型半導体レーザ、102は活性領域、10
3は位相調整領域、104,105は可変分布反射器、
106はY型分岐導波路、107,108は分布反射
層、109,110は受光素子、111は引算器、11
2は加算器、113は波長制御回路、114は光出力制
御回路、115は位相制御回路である。その装置は活性
領域102と、位相調整領域103と、これらに結合さ
れ光の進行方向に回折格子を有する1個以上の可変分布
反射器104,105からなる分布帰還型半導体レーザ
101からの出力の一部をY分岐型導波路106によっ
て、可変分布反射器104,105のブラッグ波長より
若干長いブラッグ波長を有する分布反射器107と、可
変分布反射器104,105より若干短いブラッグ波長
を有する分布反射器108に導き、さらに分布反射器1
07,108からの出力を受光素子109,110にそ
れぞれ結合させる構成になっている。その動作は、引算
器111によって作成された受光素子109,110か
らの出力の差信号で波長制御回路113を介して可変分
布反射器104,105を制御することにより発振波長
を制御するものである。すなわち、分布反射器107,
108は、それらの透過率が図12(a)の実線と破線
の曲線で表される光バンドパスフィルタとして作用し、
第1光バンドパスフィルタ(分布反射器107)と第2
光バンドパスフィルタ(分布反射器108)の差は同図
(b)のようになりブラッグ波長近傍でレーザの発振波
長に比例したものになる。また、本装置では、受光素子
109,110の和信号により光出力制御回路114を
介して活性領域102を制御することにより光出力を制
御することが出来る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述の特開昭63−1
60391号に記述されている分布反射器107,10
8の透過率の特性(図12(a))は、実は誤りで、図
12(a)の縦軸は反射率にしなければならない。すな
わち、図13(a)のような回折格子はブラッグ波長で
反射器として作用するバンドエリミネイションフィルタ
となる。もし、図12(a)のような透過率の特性を得
るためには、図13(b)のように回折格子の中央付近
で回折格子の位相を180度、光の位相に換算して90
度(4分の1波長)ずらした回折格子を用いなければな
らない。このような回折格子が用いられたものとして以
下の説明をする。
【0005】第1光バンドパスフィルタ(分布反射器1
07)のブラッグ波長λ1Bは次式で与えられる。
【数1】 λ1B=2n1 Λ1 (1) ここで、n1 は分布反射器107の等価屈折率、Λ1
回折格子のピッチを表す。この時のλ1Bの温度特性はΛ
1 の熱膨脹の影響を無視して
【数2】 δλ1B/δT≒2Λ1 δn1 /δT (2) である。同様に第2光バンドパスフィルタ(分布反射器
108)のブラッグ波長λ2Bの温度特性も
【数3】 δλ2B/δT≒2Λ2 δn2 /δT (3) と書ける。Λ2 は回折格子のピッチ、n2 は分布反射器
108の導波路の等価屈折率である。
【0006】一方、図11の分布帰還型半導体レーザの
発振波長λ0 の温度変化は可変分布反射器の回折格子の
ピッチをΛ0 、その導波路の等価屈折率をn0 として、
活性領域102、位相調整領域103の影響はあるもの
の近似的には
【数4】 δλ0 ≒2Λ0 δn0 /δT (4) と書かれる。
【0007】従って、図11に示される構成の装置が特
開昭63−160391号に述べられているような、例
えば、InGaAsP系の材料で集積化して製作された
場合
【数5】 Λ0 ≒Λ1≒Λ2 (5) であり、また屈折率の温度変化も、それぞれほぼ等しい
ことから、半導体レーザ101の発振波長の温度変化と
第1光バンドパスフィルタ(分布反射器107)、第2
光バンドパスフィルタ(分布反射器108)のブラッグ
波長(透過特性)の温度変化は同じ特性を示すことにな
る。すなわち、波長の基準器たるべき分布反射器10
7,108が分布帰還型半導体レーザと同程度の温度変
化をしていたのでは半導体レーザの発振波長を正確に測
定していることにはならない。図12(a)の実線と破
線で示されている曲線の、例えばピーク値に対応する波
長差は温度変化に対して一定であっても、二つの光バン
ドパスフィルタ(分布反射器)の出力差が0になる波長
は温度とともに変化することになる。
【0008】装置を集積化によって小型化し、経済化を
はかるためには、レーザ部と波長変化を検出する光バン
ドパスフィルタ部が同じ材料系で構成されなければなら
ない。通常、そのような場合、上で述べたようにレーザ
部と光バンドパスフィルタ部の波長特性は同じ温度依存
性を示す。両者を同じ材料系で構成した上で、尚且つ、
制御部(分布反射器)の温度特性を半導体レーザのそれ
よりも格段に優れたものにしなければ装置として全く意
味をなさない。
【0009】本発明は、上記従来技術の問題点を解決す
るためになされたもので、その発振波長が外部の温度変
化に対して安定で、かつレーザ部と波長制御部を同じ材
料系で構成し集積化に適した構造の波長可変半導体レー
ザ装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明による波長可変半導体レーザ装置は、第1光
バンドパスフィルタとして、そこへの入力光を導波する
第1導波路と、第1導波路と平行に近接する第3導波路
と、第1導波路と第3導波路に近接して平行に分布し、
回折格子の格子ベクトルの絶対値が第1導波路の伝搬定
数と第3導波路の伝搬定数の差の絶対値に等しくなる波
長を波長可変半導体レーザの所望の発振波長より長くし
た第1回折格子で構成される第1同方向性結合器型フィ
ルタと、第2光バンドパスフィルタとして、そこへの入
力光を導波する第2導波路と、第2導波路と平行に近接
する第4導波路と、第2導波路と第4導波路に近接して
平行に分布し、回折格子の格子ベクトルの絶対値が第2
導波路の伝搬定数と第4導波路の伝搬定数の差の絶対値
に等しくなる波長を波長可変半導体レーザの所望の発振
波長より短くした第2回折格子で構成される第2同方向
性結合器型フィルタを用いることにより、極めて温度特
性の優れた波長基準器としての光バンドパスフィルタを
形成し、これによって波長可変半導体レーザの発振波長
が外部の温度変化に対して安定で、かつレーザ部と光バ
ンドパスフィルタ部を同じ材料系で構成することにより
集積化に適した構造を実現している。
【0011】
【実施例】以下に本発明の実施例を図面を用いて詳細に
説明する。
【0012】
【実施例1】図1は、本発明の一実施例の装置の斜視図
であって、1は波長可変半導体レーザ、2は活性領域、
3は回折格子、4は波長可変制御領域、5,6は波長可
変制御領域4に電流を流すための電極、7,6は活性領
域2に電流を流すための電極、8はレーザ1からの出
力、9はレーザ1のもう一つの端面からの出力を導く導
波路、10はY型光分岐導波路、11,12はY型光分
岐導波路10で分岐された第1導波路と第2導波路、1
3は第1導波路11に平行に近接した第3導波路、14
は第2導波路12に平行に近接した第4導波路、15は
第1導波路11と第3導波路13と近接して平行に分布
する第1回折格子、16は第2導波路12と第4導波路
14と近接して平行に分布する第2回折格子、17,1
8は第3導波路13と第4導波路14にそれぞれ光学的
に結合している第1受光素子,第2受光素子である。1
9,20は受光素子17の電極、21,22は受光素子
18の電極、23は第1受光素子17の出力と第2受光
素子18の出力の差信号を作成し、それによって波長可
変半導体レーザ1の波長可変制御領域4にフィードバッ
クする制御電流を発生する波長可変制御回路、24は第
1受光素子17の出力と第2受光素子18の出力の和信
号を作り、それによって波長可変半導体レーザ1の活性
領域2にフィードバックする制御電流を発生する光出力
制御回路、25は第4導波路14に電流注入もしくは電
界を印加するための位相整合波長制御回路、26,27
はそのための電極である。
【0013】図2、図3は図1の装置の構造を分かりや
すくするために描いた断面図である。図2は図1の一点
鎖線a−a′に沿った断面図を示している。28は波長
可変半導体レーザ1からの出力光、29の斜線部分は第
4導波路14から出射した出力光の広がりを表してい
る。そ一部が第2受光素子18で検出される。図3は図
1の一点鎖線b−b′に沿った断面図を示している。
【0014】ここで、図1〜図3を参照しながら装置の
動作を説明する。半導体レーザは、通常、ダイオードの
両端面から出力光が得られることから、波長可変半導体
レーザ1の一方からの出力8を送信に用い、他方からの
出力光28を波長可変制御と光出力制御に用いる。出力
光28は導波路9、Y型光分岐導波路10を経て第1導
波路11と第2導波路12に等分に分岐される。
【0015】今、第1導波路11に分岐された光の振る
舞いについて考えて見る。図4は図1から導波路部分の
みを抽出して描いたものである。ここで更に第1導波路
11、第1回折格子15、第3導波路13の断面を図5
(a)に模式的に描いた。波長がλa の時、第1導波路
11の等価屈折率をN1 、第3導波路13の等価屈折率
をN3 とすれば、各々の伝搬定数β1 ,β3
【数6】 β1 =2πN1 /λa (6)
【数7】 β3 =2πN3 /λa (7) で与えられる。第1回折格子15のピッチをΛa とすれ
ば格子ベクトルの絶対値K1
【数8】 K1 =2π/Λa (8) である。波長がλa の時
【数9】 |β1 −β3 |=K1 (9) なる位相整合条件を満たしているものとする。この様子
を図5(b)に示した。
【0016】N1 ,N3 は波長の関数であり波長λがλ
aからずれると(9)式の条件を満たさなくなる。位相
整合条件からのずれを
【数10】 2δ1 =(β1 −β3 )−K1 (10) とすれば、第1導波路11への入力光の強度をI0 とし
て、その入力光が第1回折格子15を介して同方向的に
第3導波路13に結合し、第3導波路13から得られる
光出力の強度I3 は次のように書かれる。
【数11】 I3 /I0 =(κ131)2 /{(κ131)2 +(δ1 1)2 } × sin2 [{(κ131)2 +(δ1 1)2 1/2 ] (11) ただし、L1 は導波路の長さ、κ13は第1回折格子15
を介した第1導波路11と第3導波路13の結合係数で
ある。今、L1 が、δ1 =0の時の光パワーの移行が起
きる条件
【数12】 κ131 =π/2 (12) を満たしている時、δ1 1 に対して(11)式をプロ
ットしたものが図6である。δ1 1 をλa からの波長
のずれΔλと対応ずければ、λa の近傍で
【数13】 Δλ≒λa Λa (δ1 1 )/πL1 (13) となる。すなわち、図5(a)のような構成の同方向性
結合器の第3導波路13の出力I3 はバンドパスフィル
タの特性を示す。このような構成の光フィルタを同方向
性結合器型フィルタと呼ぶ。
【0017】ここで、位相整合条件である(9)式を
(6)〜(8)を用いて書きあらためると
【数14】 λa =|N1 −N3 |Λa (14) となる。これより、このフィルタ特性の温度依存性は
【数15】 δλa /δT=(δN1 /δT−δN3 /δT)Λa +(N1 −N3 )δΛa /δT (15) で与えられる。上式右辺の第2項は材料の熱膨張係数を
αとすれば
【数16】 (N1 −N3 )αΛa (16) と表される。(15)式の第1項に含まれる等価屈折率
の温度変化はInGaAsP系の場合
【数17】 δN/δT=3×10-4(1/℃) (17) であり、熱膨張係数αは
【数18】 α=4.5×10-6(1/℃) (18) の大きさであるから(17)式に比べて2桁小さいため
これを無視すると、(15)式は
【数19】 δλa /δT≒(δN1 /δT−δN3 /δT)Λa (19) と近似される。
【0018】N1 ,N3 は凡そ3.5程度の値をとる
が、具体的な数値例としてN1 −N3=0.1、L1
1mm、Λa =15μmは妥当であると考えられ、N1
−N3=0.1ということは第1導波路11、第3導波
路13は同じInGaAsP 系の材料でほぼ同じ組成と構造を
持っているものと考えてよい。従って、その等価屈折率
の温度変化はほぼ等しく
【数20】 δN1 /δT≒δN3 /δT (20) が成り立つ。(20)式を考えれば(19)式は
【数21】 δλa /δT≒0 (21) になる。すなわち、同方向性結合器型フィルタの温度特
性は、同じ材料系の二つの導波路の等価屈折率の温度変
化の差になるから、仮にそれらに温度変化があっても差
がとられことにより温度変化は相殺される。このこと
は、従来技術の光バンドパスフィルタ(分布反射器)の
温度特性を表す(2)式と比較して格段に優れた温度特
性であることを示しており、これを波長の基準器として
使うことにより従来技術の温度特性の問題点が克服され
ることになる。
【0019】全く同様の議論を第2導波路12、第4導
波路14、第2回折格子16で構成される第2同方向性
結合器フィルタに適用する。波長がλb の時、第2導波
路12の等価屈折率をN2 、第4導波路14の等価屈折
率をN4 とすれば、各々の伝搬定数β2 ,β4
【数22】 β2 =2πN2 /λb (22)
【数23】 β4 =2πN4 /λb (23) で与えられる。第2回折格子16のピッチをΛb とすれ
ば格子ベクトルの絶対値K2
【数24】 K2 =2π/Λb (24) である。波長がλb の時
【数25】 |β2 −β4 |=K2 (25) なる位相整合条件を満たしているものとする。
【0020】N2 ,N4 は波長の関数であり波長λがλ
b からずれると(25)の条件を満たさなくなる。位相
整合条件からのずれを
【数26】 2δ2 =(β2 −β4 )−K2 (26) とすれば、第2導波路12への入力光の強度をI0 とし
て、その入力光が第2回折格子16を介して同方向的に
第4導波路14に結合し、第4導波路14から得られる
光出力の強度I4 は次のように書かれる。
【数27】 I4 /I0 =(κ242)2 /{(κ242)2 +(δ2 2)2 } ×sin2[{(κ242)2 +(δ2 2)2 1/2 ] (27) ただし、L2 は導波路の長さ、κ24は第2回折格子16
を介した第2導波路12と第4導波路14の結合係数で
ある。今、L2 が、δ2 =0の時の光パワーの移行が起
きる条件
【数28】 κ242 =π/2 (28) を満たしている時、δ2 2 に対して(27)式をプロ
ットすれば図6と同じ特性が得られる。
【0021】第2同方向性結合器型フィルタの(14)
式に対応する式は
【数29】 λb =|N2 −N4 |Λb (29) となる。λa >λb として第1受光素子17の出力と第
2受光素子18の出力の差を波長に対してプロットした
ものが図7の実線の曲線である。今、出力差が0になる
波長を波長可変半導体レーザ1の所望の発振波長λc
すれば、出力差が0になるように波長可変制御回路23
を通して波長可変半導体レーザ1に制御電流をフィード
バックして、レーザを波長λc で発振させることが出来
る。
【0022】第1および第2同方向性結合器型フィルタ
の中心波長(λa ,λb )とフィルタのプロファイルは
所望の発振波長λc と要求される波長の制御範囲から設
計される。λc の微調整は、位相整合波長制御回路25
から例えば第4導波路14に電流注入するか逆バイアス
による電界を印加して屈折率を変化し位相整合波長λb
を変えて行うことが出来る。波長可変半導体レーザ1の
光出力は第1受光素子17の出力と第2受光素子18の
出力の和信号を作り、それによって光出力制御回路24
より半導体レーザの活性領域2へ制御電流をフィードバ
ックすることにより一定に保つことが出来る。
【0023】波長可変半導体レーザ1の一例として、こ
こではTTGレーザ(例えば、文献Electronics Lette
r, vol.26, no.1, pp.46-47, Jan. 1990, S.Illek et a
l.,"over 7nm(875GHz) Continuous Wavelength Tuning
by Tunable Twin-guide(TTG)Laser Diode"を参照) を用
いている。これは、基本的に、回折格子を内蔵した分布
帰還型半導体レーザであるが、活性領域2に平行に導波
路4があり導波路4に電流注入して導波路4の屈折率を
変え、それによって発振波長となる回折格子3のブラッ
グ波長を連続的に変化させ、チューニングを行なうもの
である。
【0024】次に、この波長可変半導体レーザ装置の製
造法を図8及び図9を用いて説明する。まず、図8
(a)に示すようにp-InP 基板51上にp-InP 層52、
第3,第4導波路となるp-InGaAsP 層53,p-InP 層5
4、第1回折格子15,第2回折格子16となるp-InGa
AsP 層55を順次エピタキシャル成長する。p-InGaAsP
層53,55は発振波長に対して十分透明である組成を
選ぶ。必要な幅とピッチの回折格子をエッチングで形成
する(図8(b))。その後、回折格子を埋め込むため
のp-InP 層56、波長可変制御領域4であり第1,第2
導波路11,12となるn-InGaAsP 層57,n-InP 層5
8、活性領域2となるInGaAsP 層59、波長可変半導体
レーザの回折格子を作るためのp-InGaAsP 層60を成長
する。そこで、p-InGaAsP 層60に回折格子を形成した
後、その上にp-InP 61を成長する(図8(c))。そ
れから2回のエッチングプロセスを経て図9(a)のよ
うに波長可変半導体レーザ部1とそれに続く導波路部を
形成する。続いて、図9(b)に示すごとく埋め込み用
n-InP 層62、オーミックコンタクト用のn-InGaAsP 層
63、第1,第2受光素子17,18用のn-InGaAs層6
4、p-InGaAs層65を成長する。最後に、エッチングで
第1受光素子17,第2受光素子18を形成し、亜鉛を
領域66に拡散してから電極付けを行なう(図9
(c))。導波路の伝搬定数(あるいは等価屈折率)の
設計値は導波路の組成(屈折率)、幅、厚さ等によって
実現出来る。
【0025】以上の実施例においては波長可変半導体レ
ーザとしてTTGレーザを用いて説明してきたが、本発
明は同様の機能を有する波長可変半導体レーザに適用す
ることが出来る。また、InGaAsP 系の材料によって説明
してきたがAlGaAs系など他の半導体材料系に適用するこ
とが出来る。同方向性結合器の部分で第3,第4導波路
13,14を図4のように積層状の構成で説明してきた
が、図10のように第1,第2回折格子71,72と第
3,第4導波路73,74を同一平面に構成することも
出来る。
【0026】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、波長可変半
導体レーザの出力の一部を2分岐して、一方は所望の発
振波長より長い波長を中心波長とする第1光バンドパス
フィルタに、他方は所望の発振波長より短い波長を中心
波長とする第2バンドパスフィルタに入射し、フィルタ
からの出力光を受光素子で検出し、それらの出力の差信
号によって波長可変半導体レーザの発振波長を制御して
発振波長を安定化する波長可変半導体レーザ装置におい
て、本発明では、発振波長の基準器である光バンドパス
フィルタとして同方向性結合器型フィルタを用いること
により、さらにそれを同じ材料系で形成することによ
り、発振波長が外部の温度変化に対して安定で、かつ半
導体レーザ部と波長変化を検出する光バンドパスフィル
タ部が同じ材料系で構成できるため、波長可変半導体レ
ーザ、光分岐導波路、第1および第2同方向性結合器型
フィルタ、そして第1および第2受光素子が同一基板上
に集積化可能になり装置が小型化され、経済的な高密度
波長多重通信用光源が実現出来るなど顕著な利点が得ら
れる。これによって、より高密度で経済的な波長多重に
よる光ファイバ通信を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例の装置の斜視図である。
【図2】図1の一点鎖線a−a′に沿った断面図であ
る。
【図3】図1の一点鎖線b−b′に沿った断面図であ
る。
【図4】図1の波長可変半導体レーザ部を除いた導波路
部分の斜視図である。
【図5】図1の実施例の一部断面構成を示す模式図
(a)とその動作状態を示す図(b)である。
【図6】図1の実施例の動作を説明するための特性図で
ある。
【図7】図1の実施例の動作を説明するための特性図で
ある。
【図8】本発明装置の製造プロセスを説明するための断
面図である。
【図9】本発明装置の製造プロセスを説明するための断
面図である。
【図10】図4に示す同方向性結合器型フィルタの別の
実施例を示す斜視図である。
【図11】波長可変半導体レーザ装置の従来例の斜視図
である。
【図12】図10に示す従来例の動作原理を説明するた
めの特性図である。
【図13】通常の回折格子の構造を示す略図(a)と4
分の1波長シフト回折格子の構造を示す略図(b)であ
る。
【符号の説明】
1 波長可変半導体レーザ 2 活性領域 3 回折格子 4 波長可変制御領域 5 電極 6 電極 7 電極 8 レーザ1からの出力光 9 導波路 10 Y型光分岐導波路 11 第1導波路 12 第2導波路 13 第3導波路 14 第4導波路 15 第1回折格子 16 第2回折格子 17 第1受光素子 18 第2受光素子 19 電極 20 電極 21 電極 22 電極 23 波長可変制御回路 24 光出力制御回路 25 位相整合波長制御回路 26 電極 27 電極 28 レーザ1からの出力光 29 第4導波路14から出射する出力光 51 p-InP 基板 52 p-InP 層 53 p-InGaAsP層 54 p-InP 層 55 p-InGaAsP 層 56 p-InP 層 57 n-InGaAsP 層 58 n-InP 層 59 InGaAsP 層 60 p-InGaAsP 層 61 p-InP 層 62 n-InP 層 63 n-InGaAsP層 64 n-InGaAs層 65 p-InGaAs層 66 亜鉛拡散領域 71 第1回折格子 72 第2回折格子 73 第3導波路 74 第4導波路 101 分布帰還型半導体レーザ 102 活性領域 103 位相調整領域 104 可変分布反射器 105 可変分布反射器 106 Y型分岐導波路 107 分布反射層 108 分布反射層 109 受光素子 110 受光素子 111 引算器 112 加算器 113 波長制御回路 114 光出力制御回路 115 位相制御回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 笠 史郎 東京都新宿区西新宿二丁目3番2号 国際 電信電話株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 波長可変半導体レーザと、該波長可変半
    導体レーザの出力光の一部を導波し2分岐する光分岐導
    波路と、該光分岐導波路の一方の導波路の出力光が入射
    し該波長可変半導体レーザの所望の発振波長より長い波
    長を中心波長とする第1光バンドパスフィルタと、該光
    分岐導波路の他方の導波路の出力光が入射し該波長可変
    半導体レーザの所望の発振波長より短い波長を中心波長
    とする第2光バンドパスフィルタと、該第1および第2
    バンドパスフィルタからの出力光を検出するための第1
    受光素子および第2受光素子と、該第1および第2受光
    素子からの出力の差信号によって該波長可変半導体レー
    ザの発振波長を制御する制御回路とにより構成される波
    長可変半導体レーザ装置において、該第1光バンドパス
    フィルタとして、該第1光バンドパスフィルタへの入力
    光を導波する第1導波路と、該第1導波路と平行に近接
    する第3導波路と、該第1導波路と該第3導波路に近接
    して平行に分布し回折格子の格子ベクトルの絶対値が該
    第1導波路の伝搬定数と該第3導波路の伝搬定数の差の
    絶対値に等しくなる波長を該波長可変半導体レーザの所
    望の発振波長より長くした第1回折格子で構成される第
    1同方向性結合器型フィルタと、該第2光バンドパスフ
    ィルタとして、該第2バンドパスフィルタへの入力光を
    導波する第2導波路と、該第2導波路と平行に近接する
    第4導波路と、該第2導波路と該第4導波路に近接して
    平行に分布し回折格子の格子ベクトルの絶対値が該第2
    導波路の伝搬定数と該第4導波路の伝搬定数の差の絶対
    値に等しくなる波長を該波長可変半導体レーザの所望の
    波長より短くした第2回折格子で構成された第2方向性
    結合器型フィルタを具備することを特徴とする波長可変
    半導体レーザ装置。
  2. 【請求項2】 前記第1および第2同方向性結合器型フ
    ィルタにおいて、該第1導波路と該第3導波路、該第2
    導波路と該第4導波路、および各導波路を埋め込んでい
    る領域が同じ材料系で形成されていることを特徴とする
    請求項1に記載の波長可変半導体レーザ装置。
  3. 【請求項3】 前記第1および第2同方向性結合器型フ
    ィルタと、前記波長可変半導体レーザと、前記光分岐導
    波路と、前記第1および第2受光素子が同一基板上に集
    積化されていることを特徴とする請求項1に記載の波長
    可変半導体レーザ装置。
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