JP2019021791A - 集積型レーザ素子の制御方法およびレーザモジュール - Google Patents

集積型レーザ素子の制御方法およびレーザモジュール Download PDF

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隆介 山村
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直記 征矢
泰雅 川北
Yasumasa Kawakita
泰雅 川北
康貴 比嘉
Yasutaka Higa
康貴 比嘉
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【課題】2つの反射要素における反射ピークを高精度に一致させる集積型レーザ素子の制御方法およびレーザモジュールを提供すること。
【解決手段】屈折率に依存して光学特性が変化する第1の櫛状反射スペクトルを生成する第1の波長選択部と、前記第1の櫛状反射スペクトルのスペクトル間隔とは異なるスペクトル間隔を有し、屈折率に依存して光学特性が変化する第2の櫛状反射スペクトルを生成する第2の波長選択部と、を少なくとも備える集積型レーザ素子の制御方法であって、前記第1の波長選択部と前記第2の波長選択部とのそれぞれの屈折率を独立に変化させ、前記第1の波長選択部と前記第2の波長選択部との間の共振によって出力されるレーザ光の光出力パワーが前記変化の範囲内で最大となる屈折率の組に、前記第1の波長選択部および前記第2の波長選択部の屈折率を制御する第1の制御シーケンスと、を有する集積型レーザ素子の制御方法。
【選択図】図8

Description

本発明は、集積型レーザ素子の制御方法およびレーザモジュールに関する。
波長に関して略周期的に反射ピークが形成された櫛状反射スペクトルを有する2つの反射要素を組み合わせた集積型レーザ素子が知られている。この集積型レーザ素子では、櫛状反射スペクトルにおける反射ピーク間隔が互いに僅かに異なるように構成し、広い帯域の波長可変を実現する。この手法の原理は、一般にバーニア効果と呼ばれており、その概要は以下のとおりである。
2つの反射要素における櫛状反射スペクトルは反射ピーク間隔が僅かに異なるので、2つの反射要素で反射ピークの波長が一致するのは1つの波長のみである。そして、2つの反射要素の間では、当該一致した波長に関するレーザ共振器が形成され、狭線幅のレーザ発振が起こることになる。また、2つの反射要素のうち一方または両方の屈折率を変更させると櫛状反射スペクトルがシフトし、2つの反射要素で反射ピークが一致する波長も変化する。このように、バーニア効果を用いた集積型レーザ素子では、発振波長の狭線幅と可変波長の広帯域との両立を実現している(例えば特許文献1および2参照)。
特開2009−26968号公報 特開2016−178283号公報
上記のように、バーニア効果を用いた集積型レーザ素子では、2つの反射要素における反射ピークを高精度に一致させることが重要である。しかしながら、事前の測定に基いた制御パラメータを用いて制御を行っても、実際には2つの反射要素における反射ピークが一致しているとは限らない。このことは、2つの反射要素における反射ピークをより高精度に一致させることができれば、レーザ発振の効率の向上(消費電力の削減)を達成できることを意味する。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、その目的は、2つの反射要素における反射ピークを高精度に一致させる集積型レーザ素子の制御方法およびレーザモジュールを提供することにある。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様に係る集積型レーザ素子の制御方法は、屈折率に依存して光学特性が変化する第1の櫛状反射スペクトルを生成する第1の波長選択部と、前記第1の櫛状反射スペクトルのスペクトル間隔とは異なるスペクトル間隔を有し、屈折率に依存して光学特性が変化する第2の櫛状反射スペクトルを生成する第2の波長選択部と、を少なくとも備える集積型レーザ素子の制御方法であって、前記第1の波長選択部と前記第2の波長選択部とのそれぞれの屈折率を独立に変化させ、前記第1の波長選択部と前記第2の波長選択部との間の共振によって出力されるレーザ光の光出力パワーが前記変化の範囲内で最大となる屈折率の組に、前記第1の波長選択部および前記第2の波長選択部の屈折率を制御する第1の制御シーケンスと、を有することを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る集積型レーザ素子の制御方法は、前記第1の制御シーケンスの後に、前記レーザ光の波長の測定結果と目標波長との差分から、前記第1の波長選択部の屈折率と前記第2の波長選択部の屈折率のいずれか一方をフィードバック制御し、前記フィードバック制御で変化した屈折率の変化量に基づいて他方の屈折率を変更する第2の制御シーケンスを有することを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る集積型レーザ素子の制御方法は、屈折率に依存して光学特性が変化する第1の櫛状反射スペクトルを生成する第1の波長選択部と、前記第1の櫛状反射スペクトルのスペクトル間隔とは異なるスペクトル間隔を有し、屈折率に依存して光学特性が変化する第2の櫛状反射スペクトルを生成する第2の波長選択部と、屈折率に依存して前記第1の波長選択部と前記第2の波長選択部との対で構成されるレーザ共振器の共振器長を調整する位相調整部と、を備える集積型レーザ素子の制御方法であって、前記第1の波長選択部と前記第2の波長選択部と前記位相調整部のうち2つを選択し、それぞれの屈折率を独立に変化させ、前記第1の波長選択部と前記第2の波長選択部との間の共振によって出力されるレーザ光の光出力パワーが前記変化の範囲内で最大となる屈折率の組に、前記選択した2つの屈折率を制御する第1の制御シーケンスと、を有することを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る集積型レーザ素子の制御方法は、前記選択する2つは、前記第1の波長選択部と前記第2の波長選択部であることを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る集積型レーザ素子の制御方法は、屈折率に依存して光学特性が変化する第1の櫛状反射スペクトルを生成する第1の波長選択部と、前記第1の櫛状反射スペクトルのスペクトル間隔とは異なるスペクトル間隔を有し、屈折率に依存して光学特性が変化する第2の櫛状反射スペクトルを生成する第2の波長選択部と、屈折率に依存して前記第1の波長選択部と前記第2の波長選択部との対で構成されるレーザ共振器の共振器長を調整する位相調整部と、を備える集積型レーザ素子の制御方法であって、前記第1の波長選択部と前記第2の波長選択部と前記位相調整部のうち1つを選択し、前記選択したものの屈折率を変化させた際の、前記第1の波長選択部と前記第2の波長選択部との間の共振によって出力されるレーザ光の光出力パワーの極大を取得し、当該極大が最大となるように、前記第1の波長選択部と前記第2の波長選択部と前記位相調整部のうち他の1つの屈折率を制御する第1の制御シーケンスと、を有することを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る集積型レーザ素子の制御方法は、前記選択する1つは、前記位相調整部であることを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る集積型レーザ素子の制御方法は、前記第1の制御シーケンスの後に、前記レーザ光の波長の測定結果と目標波長との差分から、前記第1の波長選択部の屈折率と前記第2の波長選択部の屈折率のいずれか一方をフィードバック制御し、前記フィードバック制御で変化した屈折率の変化量に基づいて他方の屈折率を変更する第2の制御シーケンスを有することを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る集積型レーザ素子の制御方法は、前記第2の制御シーケンスの後に、前記位相調整部の屈折率を変化させて、前記レーザ光の光出力パワーがその変化の範囲内で極大となるように前記位相調整部の屈折率を変更する第3の制御シーケンスを有することを特徴とする。
また、本発明の一態様に係るレーザモジュールは、屈折率を変化させる第1の屈折率変化器を備え、該屈折率に依存して光学特性が変化する第1の櫛状反射スペクトルを生成する第1の波長選択部と、屈折率を変化させる第2の屈折率変化器を備え、前記第1の櫛状反射スペクトルのスペクトル間隔とは異なるスペクトル間隔を有し、該屈折率に依存して光学特性が変化する第2の櫛状反射スペクトルを生成する第2の波長選択部と、前記第1の波長選択部と前記第2の波長選択部との間の共振によって出力されるレーザ光の光出力パワーを検出する第1の光検出器と、前記第1の屈折率変化器と前記第2の屈折率変化器とのそれぞれを独立に制御する電流制御部と、前記第1の光検出器で検出された光出力パワーが前記変化の範囲内で最大となる前記第1の屈折率変化器および前記第2の屈折率変化器の調整量を算出する最大パワー算出部とを有し、該算出された調整量を用いて前記第1の屈折率変化器および前記第2の屈折率変化器を制御する制御部と、を少なくとも備えることを特徴とする。
また、本発明の一態様に係るレーザモジュールは、光の周波数に関して周期的な透過特性を有する光フィルタを透過した前記レーザ光の光出力パワーを検出する第2の光検出器をさらに備え、前記制御部は、前記第1の光検出器で得られる光出力パワーと前記第2の光検出器で得られる光出力パワーの比から前記レーザ光の波長を算出する波長モニタ算出部と、前記算出した波長と目標波長との差分から、前記第1の屈折率変化器および前記第2の屈折率変化器の調整量のいずれか一方をフィードバック制御する帰還制御部と、前記一方の調整量を基づいて他方の調整量を変更する制御比率算出部とを有する、ことを特徴とする。
また、本発明の一態様に係るレーザモジュールは、屈折率を変化させる第1の屈折率変化器を備え、該屈折率に依存して光学特性が変化する第1の櫛状反射スペクトルを生成する第1の波長選択部と、屈折率を変化させる第2の屈折率変化器を備え、前記第1の櫛状反射スペクトルのスペクトル間隔とは異なるスペクトル間隔を有し、該屈折率に依存して光学特性が変化する第2の櫛状反射スペクトルを生成する第2の波長選択部と、屈折率を変化させる第3の屈折率変化器を備え、該屈折率に依存して前記第1の波長選択部と前記第2の波長選択部との対で構成されるレーザ共振器の共振器長を調整する位相調整部と、前記第1の波長選択部と前記第2の波長選択部との間の共振によって出力されるレーザ光の光出力パワーを検出する第1の光検出器と、前記第1の屈折率変化器と前記第2の屈折率変化器と前記第3の屈折率変化器とのうち2つを選択し、それぞれを独立に制御する電流制御部と、前記第1の光検出器で検出された光出力パワーが前記変化の範囲内で最大となる前記選択した2つの屈折率変化器の調整量を算出する最大パワー算出部とを有し、該算出された調整量を用いて前記選択した2つの屈折率変化器を制御する制御部と、を備えることを特徴とする。
また、本発明の一態様に係るレーザモジュールは、前記選択する2つは、前記第1の屈折率変化器と前記第2の屈折率変化器であることを特徴とする。
また、本発明の一態様に係るレーザモジュールは、屈折率を変化させる第1の屈折率変化器を備え、該屈折率に依存して光学特性が変化する第1の櫛状反射スペクトルを生成する第1の波長選択部と、屈折率を変化させる第2の屈折率変化器を備え、前記第1の櫛状反射スペクトルのスペクトル間隔とは異なるスペクトル間隔を有し、該屈折率に依存して光学特性が変化する第2の櫛状反射スペクトルを生成する第2の波長選択部と、屈折率を変化させる第3の屈折率変化器を備え、該屈折率に依存して前記第1の波長選択部と前記第2の波長選択部との対で構成されるレーザ共振器の共振器長を調整する位相調整部と、前記第1の波長選択部と前記第2の波長選択部との間の共振によって出力されるレーザ光の光出力パワーを検出する第1の光検出器と、前記第1の屈折率変化器と前記第2の屈折率変化器と前記第3の屈折率変化器とのうち1つを選択して調整量を変化させた際の極大を記憶するデータ記憶部と、該極大が最大となるように、前記第1の波長選択部と前記第2の波長選択部と前記位相調整部のうち他の1つの調整量を制御する極大値比較部とを有する制御部と、を備えることを特徴とする。
また、本発明の一態様に係るレーザモジュールは、前記選択する1つは、前記第3の屈折率変化器であることを特徴とする。
また、本発明の一態様に係るレーザモジュールは、光の周波数に関して周期的な透過特性を有する光フィルタを透過した前記レーザ光の光出力パワーを検出する第2の光検出器をさらに備え、前記制御部は、前記第1の光検出器で得られる光出力パワーと前記第2の光検出器で得られる光出力パワーの比から前記レーザ光の波長を算出する波長モニタ算出部と、前記算出した波長と目標波長との差分から、前記第1の屈折率変化器および前記第2の屈折率変化器の調整量のいずれか一方をフィードバック制御する帰還制御部と、前記一方の調整量を基づいて他方の調整量を変更する制御比率算出部とを有する、ことを特徴とする。
また、本発明の一態様に係るレーザモジュールは、前記制御部は、前記第1の屈折率変化器の調整量を変化させて、前記第1の光検出器で検出された光出力パワーがその変化の範囲内で極大となるように前記第1の屈折率変化器の調整量を変更する極値算出部を有することを特徴とする。
本発明に係る集積型レーザ素子の制御方法およびレーザモジュールは、2つの反射要素における反射ピークを高精度に一致させることができるという効果を奏する。
図1は、第1実施形態に係るレーザモジュールの模式図である。 図2は、第2の光検出器における検出結果を第1の光検出器における検出結果で除したものを模式的に表した図である。 図3は、第2実施形態に係るレーザモジュールの模式図である。 図4は、第1の波長選択部と第2の波長選択部の反射特性を示す図である。 図5は、第1の櫛状反射スペクトルと第2の櫛状反射スペクトルとの重なりを示す図である。 図6は、バーニア効果を用いた集積型レーザ素子の制御方法に起こり得る問題を説明する図である。 図7は、第1の屈折率変化器と第2の屈折率変化器とを独立に一定範囲変化させたときの光出力パワーの変化を示す図である。 図8は、第1実施形態に係る第1の制御シーケンスの例を示す図である。 図9は、第1実施形態に係る集積型レーザ素子の制御方法を実施するための制御部の制御ブロックの例を示す図である。 図10は、第1実施形態に係る制御方法を実施するための制御部の制御ブロックの変形例を示す図である。 図11は、位相調整部の屈折率を変化させた場合の光出力パワーの変化の様子を示す図である。 図12は、第2実施形態に係る第1の制御シーケンスの例を示す図である。 図13は、第2実施形態に係る制御方法を実施するための制御部の制御ブロックの例を示す図である。 図14は、集積型レーザ素子の制御方法の第1発展例を示す図である。 図15は、集積型レーザ素子の制御方法の第2発展例を示す図である。 図16は、集積型レーザ素子の制御方法の第3発展例を示す図である。
以下、本発明の実施形態に係る集積型レーザ素子の制御方法およびレーザモジュールを、図面を参照しながら説明する。ただし、以下に説明する実施形態により本発明が限定されるものではない。また、各図面において、同一または対応する要素には適宜同一の符号を付している。さらに、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実のものとは異なる場合があることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
(構成の第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係るレーザモジュールの模式図である。図1に示すように、レーザモジュール10は、主要構成として集積型レーザ素子11と制御部101とを備え、制御部101によって集積型レーザ素子11が制御される構成である。また、集積型レーザ素子11は、第1の波長選択部107と位相調整部108と利得部109と第2の波長選択部110とを備えている。
なお、集積型レーザ素子11は、モノリシック集積型レーザ素子とすることができるが、これに限らず、Si導波路とゲインチップを組み合わせたハイブリッド集積型レーザ素子とすることも可能である。また、集積型レーザ素子11は、電子冷却素子に載置されており、制御部101によって温度制御されることが好ましい。
第1の波長選択部107は、屈折率に依存して光学特性が変化する第1の櫛状反射スペクトルを生成する反射要素である。第1の波長選択部107には、第1の屈折率変化器104が設けられており、制御部101は、第1の屈折率変化器104を制御することにより、第1の波長選択部107における第1の櫛状反射スペクトルの光学特性を変化させることが可能であり、より具体的には、反射ピークを波長に関してシフトさせることができる。第1の屈折率変化器104は、例えばマイクロヒータであり、制御部101から供給される電流によって第1の波長選択部107の温度を変化させ、第1の波長選択部107の物性的性質を利用して屈折率を変化させる。
一方、第2の波長選択部110も、屈折率に依存して光学特性が変化する第2の櫛状反射スペクトルを生成する反射要素であるが、第1の波長選択部107における第1の櫛状反射スペクトルのスペクトル間隔とは異なるスペクトル間隔を有している。同様に、第2の波長選択部110には、第2の屈折率変化器106が設けられており、制御部101は、第2の屈折率変化器106を制御することにより、第2の波長選択部110における第2の櫛状反射スペクトルの光学特性を変化させることが可能であり、より具体的には、反射ピークを波長に関してシフトさせることができる。第2の屈折率変化器106は、例えばマイクロヒータであり、制御部101から供給される電流によって第2の波長選択部110の温度を変化させ、第2の波長選択部110の物性的性質を利用して屈折率を変化させる。
ここで、第1の屈折率変化器104および第2の屈折率変化器106にマイクロヒータを用いた場合の温度変化量と波長シフト量の関係について説明する。第1の波長選択部107の屈折率をn1、温度をT1、温度変化量をΔT1、屈折率変化量をΔn1とし、第2の波長選択部110の屈折率をn2、温度をT2、温度変化量をΔT2、屈折率変化量をΔn2とすると、温度変化と屈折率変化の間には以下の関係が成り立つ。
Figure 2019021791
そして、波長λの状態からの波長シフト量Δλは、上記関係式を用いて以下のように求めることができる。
Figure 2019021791
上記式から解るように、所望の波長シフト量Δλを実現する場合、温度変化量ΔT1またはΔT2の一方が決まると、もう一方の温度変化量も決まることになる。このことは、後に詳述する制御方法に関して補足説明すると、第1の波長選択部107と第2の波長選択部110の屈折率(つまり温度)のいずれか一方をフィードバック制御し、フィードバック制御で変化した屈折率の変化量に基づいて他方の屈折率を変更すればよいことを意味する。
なお、材料の熱膨張やバンドギャップ変化などを考慮すると上記式(3)の代わりに下記関係式を用いればよい。材料が熱膨張を起こすと材料密度が疎かになり、その分の屈折率が低下する。一方、バンドギャップの変化では、バンドギャップが小さくなると屈折率は増加する。
Figure 2019021791
第1の波長選択部107と第2の波長選択部110とは、対となってレーザ共振器を構成する。第1の波長選択部107および第2の波長選択部110は、共に櫛状反射スペクトルを有し、波長に関して略周期的に反射ピークが形成されている。一方で、第1の波長選択部107と第2の波長選択部110とでは、櫛状反射スペクトルの反射ピーク間隔が僅かに異なるので、第1の波長選択部107と第2の波長選択部110とで反射ピークの波長が一致するのは1つの波長のみである。従って、第1の波長選択部107と第2の波長選択部110との対で構成されるレーザ共振器は、当該一致した波長に関して狭線幅のレーザ発振をすることになる。
また、第1の波長選択部107には第1の屈折率変化器104が設けられ、第2の波長選択部110には、第2の屈折率変化器106が設けられ、独立に反射ピークをシフトさせることができる。これにより反射ピークが一致する波長も変化し、第1の波長選択部107と第2の波長選択部110との対で構成されるレーザ共振器は、広い帯域でレーザ発振をすることが可能である。
第1の波長選択部107と第2の波長選択部110との対で構成されるレーザ共振器は、位相調整部108と利得部109とを備えている。
位相調整部108は、屈折率を変更することにより、第1の波長選択部107と第2の波長選択部110との対で構成されるレーザ共振器の共振器長を調整するためのものである。位相調整部108には、例えばマイクロヒータである第3の屈折率変化器105が設けられ、制御部101から供給される電流によって位相調整部108の温度を変化させ、物性的性質を利用して屈折率を変化させる。
利得部109は、制御部101から供給される電流によって、第1の波長選択部107と第2の波長選択部110との対で構成されるレーザ共振器にエネルギーを供給し、光増幅利得を発生させる。すなわち、制御部101は、利得部109に供給する電流を制御することによって、集積型レーザ素子11が出力するレーザ光のパワーを制御することが可能である。
図1に示すように、レーザモジュール10は、第1の光検出器102と第2の光検出器103と光フィルタ111とを備えている。これらは、集積型レーザ素子11が出力するレーザ光のパワーおよび波長を検出するためのものである。
第1の光検出器102は、集積型レーザ素子11が出力するレーザ光のパワーを直接的に測定するためのものであり、第2の波長選択部110から出力されるレーザ光を典型的には所定割合で分岐して、当該分岐されたレーザ光のパワーを検出する。
一方、第2の光検出器103は、集積型レーザ素子11が出力するレーザ光のパワーを、光フィルタ111を介して測定するためのものであり、第2の波長選択部110から出力されるレーザ光を、光フィルタ111を透過させた後に検出する。光フィルタ111は、光の波長に関して略周期的な透過率を有する光フィルタであり、例えばエタロンフィルタを用いることができる。
制御部101は、第1の光検出器102における検出結果と第2の光検出器103における検出結果とに基いて、集積型レーザ素子11が出力するレーザ光の波長を得ることができる。図2を参照しながら、その仕組みを説明する。
第2の光検出器103における検出結果は、光フィルタ111の透過率で減衰したレーザ光のパワーであるので、第1の光検出器102における検出結果で除したものは、光フィルタ111の透過率を示すことになる。図2は、第2の光検出器における検出結果を第1の光検出器における検出結果で除したものを模式的に表した図である。
図2に示すように、目標波長λtに対応した第2の光検出器における検出結果を第1の光検出器における検出結果で除した値Ptを予め取得しておくと、実際に測定された第2の光検出器における検出結果を第1の光検出器における検出結果で除した値Pxが値Ptに一致するように帰還制御することで、集積型レーザ素子11が出力するレーザ光の波長を制御することができる。なお、具体的な制御方法は後に詳述する。
(構成の第2実施形態)
図3は、第2実施形態に係るレーザモジュールの模式図である。図3に示すように、レーザモジュール20も、第1実施形態と同様に、主要構成として集積型レーザ素子11と制御部101とを備え、制御部101によって集積型レーザ素子11が制御される構成である。また、集積型レーザ素子11は、第1の波長選択部107と位相調整部108と利得部109と第2の波長選択部110とを備えている。
一方、レーザモジュール20は、第1の光検出器102と第2の光検出器103と光フィルタ111とを備えているが、これらの配置は第1実施形態とは異なる。第1の光検出器102は、集積型レーザ素子11が出力するレーザ光のパワーを直接的に測定するためのものであり、第2の光検出器103は、集積型レーザ素子11が出力するレーザ光のパワーを、光フィルタ111を介して測定するためのものであり、この機能自体は変わりがない。しかしながら、第1の光検出器102は、第2の波長選択部110から出力されるレーザ光を典型的には所定割合で分岐して、当該分岐されたレーザ光のパワーを検出する一方で、第2の光検出器103は、第1の波長選択部107から出力されるレーザ光を、光フィルタ111を透過させた後に検出する。なお、光フィルタ111は、光の波長に関して略周期的な透過率を有する光フィルタであり、例えばエタロンフィルタを用いることができる。
上記のように配置しても、レーザモジュール20は、第1の光検出器102における検出結果と第2の光検出器103における検出結果とに基いて、集積型レーザ素子11が出力するレーザ光の目標波長と測定波長との差分を検知することが可能である。
(制御方法の一般論)
ここで、上記説明した構成を例にして、バーニア効果を用いた集積型レーザ素子の制御方法の一般論について説明し、その後に実施形態に係る集積型レーザ素子の制御方法について詳細に説明する。図4は、第1の波長選択部と第2の波長選択部の反射特性を示す図である。なお、図4(b)は、図4(a)における反射スペクトルの波長1550nm付近を拡大した図である。両図に示されるグラフに共通して、横軸は波長(Wavelength)であり、縦軸は反射率(Reflectance)を示している。また、点線(SC1)は、第1の波長選択部107における第1の櫛状反射スペクトルを示し、一点鎖線(SC2)は、第2の波長選択部110における第2の櫛状反射スペクトルを示している。また、図4(b)のグラフに示される、実線(Mode)は、第1の波長選択部107と第2の波長選択部110との対で構成されるレーザ共振器の共振器モードを示している。共振器モードは少なくとも波長1530nm〜1570nmの波長範囲に亘って存在している。
図5は、第1の櫛状反射スペクトルと第2の櫛状反射スペクトルとの重なりを示す図である。図5に示されるグラフは、図4と同様に、横軸は波長(Wavelength)であり、縦軸は反射率(Reflectance)を示している。また、点線(SC1)は、第1の波長選択部107における第1の櫛状反射スペクトルを示し、一点鎖線(SC2)は、第2の波長選択部110における第2の櫛状反射スペクトルを示している。これに加え、図5に示されるグラフには、第1の櫛状反射スペクトル(SC1)と第2の櫛状反射スペクトル(SC2)とを重ねた(積をとる)スペクトルが実線(Overlap)で記載されている。
図4から読み取れるように、第1の波長選択部107における第1の櫛状反射スペクトル(SC1)と第2の波長選択部110における第2の櫛状反射スペクトル(SC2)とでは、反射ピークの間隔が僅かに異なる。従って、第1の波長選択部107と第2の波長選択部110とで反射ピークの波長が一致するのは1つの波長のみであり、同図に示される例では、波長1550nmのみである。結果、図5から読み取れるように、第1の櫛状反射スペクトル(SC1)と第2の櫛状反射スペクトル(SC2)とを重ねたスペクトル(Overlap)は、波長1550nmで重なりが最も大きくなる。
なお、図4に示すように、第1の櫛状反射スペクトル(SC1)の方が第2の櫛状反射スペクトル(SC2)よりも、反射ピークが急峻であり、かつ、間隔が広い。このように、反射ピークが急峻である方の反射ピークの間隔の方を、反射ピークが急峻でない方の反射ピークの間隔よりも広くすることが好ましい。その理由は、最も高い重なりの隣接ピークにおけるレーザ発振をより強く抑制する(サイドモード抑圧比を高くする)ことができるからである。すなわち、図5で例示すれば、波長1550nmの隣接ピーク(1547nm付近のピーク)における重なりがより低くなる。
既に説明したように、第1の波長選択部107には第1の屈折率変化器104が設けられ、第2の波長選択部110には、第2の屈折率変化器106が設けられ、第1の櫛状反射スペクトル(SC1)と第2の櫛状反射スペクトル(SC2)とは、独立にシフトさせることができる。図5に示される状態は、波長1550nmでレーザ発振するための粗調が行われた状態である。いわゆる、スーパーモードが決定された状態である。
一方、位相調整部108は、第1の波長選択部107と第2の波長選択部110との対で構成されるレーザ共振器の共振器長を調整し、共振器モードを微調することができる。上記のように、第1の櫛状反射スペクトル(SC1)と第2の櫛状反射スペクトル(SC2)とを一致させた上で、このスーパーモードと共振器モードとを一致させ、第1の波長選択部107と第2の波長選択部110との対で構成されるレーザ共振器はレーザ発振をすることになる。
レーザ発振波長を変更する場合は、以下のようにする。例えば第1の波長選択部107における屈折率を固定した状態で、第2の波長選択部110における屈折率を上昇させる。すると、第2の波長選択部110における第2の櫛状反射スペクトル(SC2)は、全体的に長波長側にシフトする。結果、波長1550nmにて第1の櫛状反射スペクトル(SC1)と第2の櫛状反射スペクトル(SC2)とのピークの重なりが最大化されていたものが、長波長側に存在する別のピーク(波長1553nm付近)で重なりが最大化されることになる(スーパーモードの遷移)。さらに、位相調整部108を用いた共振器モードの微調を行えば、波長1553nm付近でもレーザ発振を得ることができる。
なお、レーザ発振を短波長側へ変更する場合、第2の波長選択部110における屈折率を固定した状態で、第1の波長選択部107における屈折率を上昇させて、上記同様の調整を行えばよい。また、第1の波長選択部107における屈折率と第2の波長選択部110における屈折率との双方を調整すれば、波長1530nm〜1570nmの波長範囲に亘ってレーザ発振の波長を変更させることも可能である。
一般論としてのバーニア効果を用いた集積型レーザ素子の制御方法は、以上のような方法によって所望のレーザ発振を得るのであるが、幾つかの点で課題がある。図6は、バーニア効果を用いた集積型レーザ素子の制御方法に起こり得る問題を説明する図である。図6(a)は、理想的な状態であり、第1の櫛状反射スペクトル(SC1)と第2の櫛状反射スペクトル(SC2)と共振器モード(Mode)とのピークが全てλ1で一致している。
一方、図6(b)は、第1の櫛状反射スペクトル(SC1)と第2の櫛状反射スペクトル(SC2)とが僅かにずれてしまっている。この状態でも、波長制御ループの処理を行うことができるが、第1の櫛状反射スペクトル(SC1)と第2の櫛状反射スペクトル(SC2)とがずれてしまっているので、レーザ発振の効率が悪く、余計な電力消費を招来してしまう。また、レーザ発振光の線幅悪化につながり好適でない。
また、図6(c)のように第1の櫛状反射スペクトル(SC1)と第2の櫛状反射スペクトル(SC2)とが大きくずれてしまっていると、目標波長λ1以外に波長λ2や波長λ3もノイズとして発振してしまい、波長制御ループの処理を妨げることになる。さらに、目標波長λ1から大きく離れた波長λ4が発振してしまうことも考えられ、このような波長λ4は、図2に示すところのλaからλbの範囲外になってしまうこともある。このような場合、正常な波長制御ループの処理を行うことができない。
そこで、以下に説明する実施形態に係る集積型レーザ素子の制御方法を行う。
(制御方法の第1実施形態)
以下に説明する集積型レーザ素子の制御方法は、第1の波長選択部107と第2の波長選択部110と位相調整部108のうち2つを最初に選択して実施すればよいが、ここでは説明を容易にするため、第1の波長選択部107と第2の波長選択部110とを最初に選択した例を用いて説明する。尚、集積型レーザ素子の構成によっては位相調整部108が不要となる場合等もあるが、この場合も以下に記述する実施形態を適用することが可能である。
図7は、第1の屈折率変化器と第2の屈折率変化器とを独立に一定範囲変化させたときの光出力パワーの変化を示す図である。すなわち、位相調整部108における屈折率を固定し、第1の波長選択部107と第2の波長選択部110における屈折率のみを変化させた際の、第1の光検出器102における検出結果を図示したものである。これは、共振器モードを固定しながら、第1の櫛状反射スペクトルと第2の櫛状反射スペクトルとをシフトさせることを意味する。
なお図7に示される例では、第1の屈折率変化器104および第2の屈折率変化器106はマイクロヒータを用いており、それぞれのマイクロヒータに与える電力量を変えることで第1の波長選択部107と第2の波長選択部110の屈折率を変化させている。また、マイクロヒータの設定の一例は、抵抗値が40Ω以内であり、供給する電流値は150mA、またはそれ以下である。
図7に示すように、第1の屈折率変化器104と第2の屈折率変化器106との調整量のそれぞれを独立に制御すると、光出力パワーが変化し、ある点で光出力パワーが最大となる(図中Z1)。そして、この光出力パワーが最大となる調整量の組が、第1の櫛状反射スペクトル(SC1)と第2の櫛状反射スペクトル(SC2)と共振器モード(Mode)とのピークが全て一致している状態である。
そこで、第1実施形態に係る集積型レーザ素子の制御方法では、上記作用原理を用いて、第1の波長選択部107と第2の波長選択部110と位相調整部108のうち2つを選択し、それぞれの屈折率を独立に変化させ、第1の光検出器102で検出された光出力パワーがその変化の範囲内で最大となる屈折率の組に、選択した2つの屈折率を制御する第1の制御シーケンスを行う。その後に、第1の光検出器102で得られる光出力パワーと第2の光検出器103で得られる光出力パワーの比から測定されるレーザ光の波長と目標波長との差分から、第1の波長選択部107の屈折率と第2の波長選択部110の屈折率のいずれか一方をフィードバック制御し、フィードバック制御で変化した屈折率の変化量に基づいて他方の屈折率を変更する第2の制御シーケンスを行う。その後に、位相調整部108の屈折率を変化させて、第1の光検出器102で検出された光出力パワーがその変化の範囲内で極大となるように位相調整部108の屈折率を変更する第3の制御シーケンスを行う。
なお、上記「最大」については、調整量の範囲を大きく設定すると、反射スペクトル等の周期性によって、光出力パワーが極大となる点が複数現れるが、目標波長の周辺で十分に適切な調整量の範囲で行えば、光出力パワーが最大となる点は1つに定まる。
図8は、上記作用原理を用いた、第1実施形態に係る第1の制御シーケンスの例を示す図である。なお、図8に示される第1の制御シーケンスは、目標波長のレーザ発振を得るための初期設定が完了した後に行われる。
図8に示すように、ステップS101では、第1の屈折率変化器104を用いて第1の波長選択部107の屈折率が変更される。これにより、第1の波長選択部107における第1の櫛状反射スペクトルがシフトされる。そして、ステップS102では、当該屈折率における光出力パワーが第1の光検出器102を用いて取得され、その結果は一時記憶装置に記憶される。
次に、ステップS103では、第1の屈折率変化器104の調整量が所定範囲Ra以内であるかが判定され、所定範囲以内であるならば、ステップS101およびステップS102が繰り返される。一方、調整量が所定範囲を超えた場合、第1の波長選択部107の屈折率が所定の範囲で変更されたことになり、次の処理へ進む。
ステップS104では、第2の屈折率変化器106を用いて第2の波長選択部110の屈折率が変更される。これにより、第2の波長選択部110における第2の櫛状反射スペクトルがシフトされる。
その後、ステップS105では、第2の屈折率変化器106の調整量が所定範囲Rb以内であるかが判定され、所定範囲以内であるならば、ステップS108にて、第1の波長選択部107の屈折率を初期値に戻し、ステップS102へ進む。つまり、当該屈折率における光出力パワーが第1の光検出器102を用いて取得され、その結果は一時記憶装置に記憶される。なお、ステップS102の次には、またステップS103の判定が行われるので、第2の屈折率変化器106の調整量を1段階変化させた状態で、第1の屈折率変化器104の調整量を所定範囲で変化させることになる。
ステップS105で調整量が所定範囲を超えた場合、第1の屈折率変化器104と第2の屈折率変化器106との調整量が所定範囲で網羅されたことになるので、次の処理へ進む。
ステップS106では、最大値条件が算出される。つまり、図7で例示されたZ1に対応する第1の屈折率変化器104と第2の屈折率変化器106との調整量を特定する。その後、ステップS107では、ステップS106で特定された第1の屈折率変化器104と第2の屈折率変化器106との調整量に基いて、第1の波長選択部107と第2の波長選択部110との屈折率が変更される。
以上で、第1実施形態に係る第1の制御シーケンスを終了し、第2の制御シーケンスへ進む。第2の制御シーケンスについては具体的フローを図示することはしないが、上述したように、第1の屈折率変化器104と第2の屈折率変化器106との調整量の一方が決まると、もう一方の調整量も決まることになる。この原理に従い、第1の光検出器102で得られる光出力パワーと第2の光検出器103で得られる光出力パワーの比から測定されるレーザ光の波長と目標波長との差分から、第1の波長選択部107の屈折率と第2の波長選択部110の屈折率のいずれか一方をフィードバック制御し、フィードバック制御で変化した屈折率の変化量に基づいて他方の屈折率を変更する第2の制御シーケンスを行う。
上記第2の制御シーケンスを行うことによって、第1の櫛状反射スペクトルと第2の櫛状反射スペクトルとの反射ピークが一致した状態で目標波長に近づくこととなる。さらに、この後に、位相調整部108の屈折率を変化させて、第1の光検出器102で検出された光出力パワーがその変化の範囲内で極大となるように位相調整部108の屈折率を変更する第3の制御シーケンスを行うと、第1の櫛状反射スペクトルと第2の櫛状反射スペクトルと共振器モードのピークが一致した状態となる。さらに、第1の制御シーケンスと第2の制御シーケンスと第3の制御シーケンスとを繰り返し行うことによって、第1の櫛状反射スペクトルと第2の櫛状反射スペクトルと共振器モードのピークが目標波長に一致した状態となる。
図9は、第1実施形態に係る集積型レーザ素子の制御方法を実施するための制御部の制御ブロックの例を示す図である。従って、図9に示される制御部101の構成例は、機能に基いたブロックであり、実際の部品構成を表すものではない。例えば、図9に示される構成を汎用マイクロチップ上で実行されるプログラムとして実施することも可能である。
図9に示すように、制御部101は、パワーモニタ算出部201と波長モニタ算出部202と電流制御部203a,203b,203c,203dとデータ記憶部204と最大パワー算出部205と帰還制御部206とデータ記憶部207と制御比率算出部208と最大値算出部209と初期設定データ記憶部210とを備えている。
パワーモニタ算出部201は、第1の光検出器102の出力から集積型レーザ素子11が出力するレーザ光の光出力パワーを算出するためのものである。一方、波長モニタ算出部202は、第1の光検出器102と第2の光検出器103との出力から集積型レーザ素子11が出力するレーザ光の波長を算出するためのものである。波長算出方法の具体例は、上記説明した第1の光検出器102で得られる光出力パワーと第2の光検出器103で得られる光出力パワーの比から算出する方法を用いる。
電流制御部203a,203b,203c,203dは、それぞれ、第1の屈折率変化器104、第3の屈折率変化器105、第2の屈折率変化器106、利得部109に供給する電流量を制御するためのものである。電流制御部203a,203b,203cは、初期設定データ記憶部210に記憶されている初期値を用いて制御を始めるように構成されている。
データ記憶部204は、電流制御部203a,203cが第1の屈折率変化器104および第2の屈折率変化器106を制御した際の調整量を記憶すると共に、その際の第1の光検出器102で測定されたレーザ光の光出力パワーを記憶する。なお、上記図8にて説明したように、第1の屈折率変化器104と第2の屈折率変化器106との調整量が所定範囲で網羅されるまで、当該記憶は行われる。
最大パワー算出部205は、データ記憶部204に記憶された情報を分析し、第1の光検出器102で測定されたレーザ光の光出力パワーが最大となる第1の屈折率変化器104および第2の屈折率変化器106の調整量を算出する。そして、当該算出された調整量を用いて、電流制御部203a,203cが第1の屈折率変化器104および第2の屈折率変化器106を制御する。
帰還制御部206は、第2の制御シーケンスを行うためのものであり、第1の光検出器102で得られる光出力パワーと第2の光検出器103で得られる光出力パワーの比から測定されるレーザ光の波長と目標波長との差分から、第1の波長選択部107の屈折率と第2の波長選択部110の屈折率のいずれか一方(本例では第1の屈折率変化器104の調整量)をフィードバック制御する。また、制御比率算出部208は、既述したように、第1の屈折率変化器104と第2の屈折率変化器106との調整量の一方が決まると、もう一方の調整量も決まることになる。この原理に従い、フィードバック制御で変化した屈折率の変化量に基づいて他方の屈折率(本例では第2の屈折率変化器106の調整量)を変更する。
データ記憶部207は、電流制御部203bが第3の屈折率変化器105を制御した際の調整量を記憶すると共に、その際の第1の光検出器102で測定されたレーザ光の光出力パワーを記憶する。この記憶は、第3の屈折率変化器105の調整量の所定の範囲内で行われる。最大値算出部209は、データ記憶部207に記憶された情報を分析し、第1の光検出器102で測定されたレーザ光の光出力パワーが最大となる第3の屈折率変化器105の調整量を算出する。そして、当該算出された調整量を用いて、電流制御部203bが第3の屈折率変化器105を制御する。この制御は、第1の櫛状反射スペクトル(SC1)と第2の櫛状反射スペクトル(SC2)とが目標波長に一致した状態で、さらに共振器モード(Mode)のピークを目標波長に一致させるため第3の制御シーケンスである。
図10は、第1実施形態に係る制御方法を実施するための制御部の制御ブロックの変形例を示す図である。図10と図9とを比較すると解るように、変形例の制御部101は、最大パワー算出部205の代わりにパワー比較部211を有している点で異なる。そこで、以下では共通部分の構成については説明を省略する。
パワー比較部211は、データ記憶部204に記憶されている電流制御部203a,203cが第1の屈折率変化器104および第2の屈折率変化器106を制御する前における第1の光検出器102で測定されたレーザ光の光出力パワーと、制御後におけるレーザ光の光出力パワーとを比較し、制御後におけるレーザ光の光出力パワーの方が大きい場合、データ記憶部204に記憶されている電流制御部203a,203cが第1の屈折率変化器104および第2の屈折率変化器106を制御した際の調整量を更新するためのものである。つまり、図10に示される制御ブロックの変形例では、全ての調整量に関して記憶するのではなく、逐次レーザ光の光出力パワーの大きさを比較し、データ記憶部204に記憶されている情報を更新するものである。これにより、データ記憶部204に必要とする記憶容量が少なくて済むというメリットがある。
(制御方法の第2実施形態)
以下に説明する集積型レーザ素子の制御方法は、第1の波長選択部107と第2の波長選択部110と位相調整部108のうち1つを最初に選択して実施すればよいが、ここでは説明を容易にするため、位相調整部108を最初に選択した例を用いて説明する。
図11は、位相調整部の屈折率を変化させた場合の光出力パワーの変化の様子を示す図である。図11(a)および(b)の何れも、第1の波長選択部107と第2の波長選択部110の屈折率を固定したまま、位相調整部108における第3の屈折率変化器105のみを変化させている。一方、図11(a)は、第1の波長選択部107における第1の櫛状反射スペクトルと第2の波長選択部110における第2の櫛状反射スペクトルとのピークが一致している状態であり、図11(b)は、第1の波長選択部107における第1の櫛状反射スペクトルと第2の波長選択部110における第2の櫛状反射スペクトルとのピークが一致していない状態である。
図11(a)と図11(b)を比較すると解るように、第1の櫛状反射スペクトルと第2の櫛状反射スペクトルとのピークが一致している状態の極大値Paの方が、第1の櫛状反射スペクトルと第2の櫛状反射スペクトルとのピークが一致していない状態の極大値Pbよりも大きな値となる。
そこで、第2実施形態に係る集積型レーザ素子の制御方法では、上記作用原理を用いて、第1の波長選択部107と第2の波長選択部110と位相調整部108のうち1つを選択し、選択したものの屈折率を変化させた際の、第1の光検出器102で検出された光出力パワーの極大を取得し、当該極大が最大となるように、第1の波長選択部107と第2の波長選択部110と位相調整部108のうち他の1つの屈折率を制御する第1の制御シーケンスを行う。その後に、第1の光検出器102で得られる光出力パワーと第2の光検出器103で得られる光出力パワーの比から測定されるレーザ光の波長と目標波長との差分から、第1の波長選択部107の屈折率と第2の波長選択部110の屈折率のいずれか一方をフィードバック制御し、フィードバック制御で変化した屈折率の変化量に基づいて他方の屈折率を変更する第2の制御シーケンスを行う。その後に、位相調整部108の屈折率を変化させて、第1の光検出器102で検出された光出力パワーがその変化の範囲内で極大となるように位相調整部108の屈折率を変更する第3の制御シーケンスを行う。
図12は、上記作用原理を用いた、第2実施形態に係る第1の制御シーケンスの例を示す図である。なお、図12に示される第1の制御シーケンスは、目標波長のレーザ発振を得るための初期設定が完了した後に行われる。
図12に示すように、ステップS201では、第3の屈折率変化器105を用いて位相調整部108の屈折率が一定範囲内で変更される。これにより、共振器モードがシフトされ、これにより、第1の光検出器102が検出する光出力パワーを図11のように変化させる。
そして、ステップS202では、第1の光検出器102が検出する光出力パワーの変化から極大値Pxが算出され、その結果は一時記憶装置に記憶される。
次に、ステップS203では、前回ループにおける光出力パワーの極大値Px−1と上記極大値Pxとを比較する。なお、初回ループにおける比較では極大値を0であるとすればよい。
そして、ステップS204では、上記の比較結果に基いて、極大値Pxが最大であるか否かを判定する。極大値Pxが最大でない場合、ステップS205にて、第1の波長選択部107または第2の波長選択部110の屈折率を変更し、ステップS201へ戻る。一方、極大値Pxが最大である場合、第1の櫛状反射スペクトルと第2の櫛状反射スペクトルの反射ピークとが一致していることを意味するので、第1の制御シーケンスを終了する。
また、ステップS205における屈折率の変更方法は以下のように行えばよい。光出力パワーの極大値Pxが極大値Px−1よりも大きい場合、第1の櫛状反射スペクトルと第2の櫛状反射スペクトルの反射ピークの重なりがより大きくなったのであるから、屈折率を増加させている場合はさらに増加させ、減少させている場合はさらに減少させる。これを繰り返し、増減が反転する状態が最大を与える。
Pxが最大を与えるか否かは以下のように判断してもよい。即ち、Px−k・・・<Px−1<Px>Px+1>・・・>Px+k(k=1,2・・・)を満たすときにPxが最大を与えると判断する。この場合、k=1(即ち、Px−1<PxおよびPx>Px+1が得られた場合)とすることで最大か否かをすばやく判断できるため好ましく、k≧3とすることで誤判定を防ぐ事ができるため好ましい。特にk=2とすることで極大の信頼性およびすばやい判断を担保できるため好ましい。
なお、ステップS203をはじめて行なう際にP1>P2となった場合には、このときの第1の波長選択部107または第2の波長選択部110の屈折率の変更の方向(増加方向又は減少方向)を反転させたうえでP3以降の極大値を算出するようにしてもよい。この様にすれば、PxおよびPx−1を比較した際に再度減少することになるため、極大値Pxの最大をより確実に算出することができる。
以上で、第2実施形態に係る第1の制御シーケンスを終了し、第2の制御シーケンスへ進む。第2の制御シーケンスについては具体的フローを図示することはしないが、第1実施形態と同様に、第1の光検出器102で得られる光出力パワーと第2の光検出器103で得られる光出力パワーの比から測定されるレーザ光の波長と目標波長との差分から、第1の波長選択部107の屈折率と第2の波長選択部110の屈折率のいずれか一方をフィードバック制御し、フィードバック制御で変化した屈折率の変化量に基づいて他方の屈折率を変更する第2の制御シーケンスを行う。
上記第2の制御シーケンスを行うことによって、第1の櫛状反射スペクトルと第2の櫛状反射スペクトルとの反射ピークが一致した状態で目標波長に近づくこととなる。したがって、この後に、位相調整部108の屈折率を変化させて、第1の光検出器102で検出された光出力パワーがその変化の範囲内で極大となるように位相調整部108の屈折率を変更する第3の制御シーケンスを行うと、第1の櫛状反射スペクトルと第2の櫛状反射スペクトルと共振器モードのピークが一致した状態となる。さらに、第1の制御シーケンスと第2の制御シーケンスと第3の制御シーケンスとを繰り返し行うことによって、第1の櫛状反射スペクトルと第2の櫛状反射スペクトルと共振器モードのピークが目標波長に一致した状態となる。
図13は、第2実施形態に係る制御方法を実施するための制御部の制御ブロックの例を示す図である。図13と図9とを比較すると解るように、本例の制御部101は、データ記憶部204の代わりにデータ記憶部213を有し、最大パワー算出部205の代わりに極大値比較部212を有している点で異なる。そこで、以下では共通部分の構成については説明を省略する。
データ記憶部213は、第3の屈折率変化器105を用いて位相調整部108の屈折率が一定範囲内で変更した際の、第1の光検出器102が検出する光出力パワーの極大値Pxを記憶するためのものである。
一方、極大値比較部212は、光出力パワーの前回の極大値Px−1と今回の極大値Pxとを比較し、極大値Pxが最大となるように第1の波長選択部107または第2の波長選択部110の屈折率を変更するためのものである。
以上の構成により、制御部101は、第2実施形態に係る第1の制御シーケンスを実行することが可能である。
(制御方法の発展例)
以下、上記説明した実施形態に係る集積型レーザ素子の制御方法の発展例を説明する。すなわち、実施形態の集積型レーザ素子の制御方法は第1の制御シーケンスと第2の制御シーケンスを実施するのであるがその組み合わせ方にはいくつかの発展が考えられる。
図14は、集積型レーザ素子の制御方法の第1発展例を示す図である。図14に示すように、本発展例では、第1の制御シーケンスS302と第2の制御シーケンスS303を実施する前に、ステップS301にて第1の波長選択部107と第2の波長選択部110と位相調整部108の屈折率を初期値に設定することが好ましい。上記説明したように、第1の制御シーケンスS302では、最大ないし極大を算出する。最大ないし極大を素早く正確に探索するには、最大ないし極大に近い位置から探索を開始することが有効である。
図15は、集積型レーザ素子の制御方法の第2発展例を示す図である。図15に示すように、本発展例では、第1の制御シーケンスS302の後に、ステップS304にて終了判定を行うことが好ましい。つまり、第1の制御シーケンスS302の終了時点で、第1の櫛状反射スペクトルと第2の櫛状反射スペクトルとの反射ピークが目標波長λtに略一致していることもあり、このような場合、第2の制御シーケンスS303を実施する必要はない。そこで、ステップS304にて、例えば許容される波長のずれ量をαとした場合、第1の制御シーケンスS302の終了時点の波長λnがλt±αの範囲内であるかを判定し、この範囲であれば第2の制御シーケンスS303を実施せずに終了する。
図16は、集積型レーザ素子の制御方法の第3発展例を示す図である。図16に示すように、本発展例では、第1の制御シーケンスS302と第2の制御シーケンスS303の後に、図12におけるステップS201とステップS202とを行い、ステップS305にて、位相調整部108の屈折率をPxとなる条件に設定し、その後に終了判定のステップS304を行うことが好ましい。なお当該終了判定は上記終了判定と同じ判定を行う。そして、当該終了判定の条件を満たさなければ、第2の制御シーケンスS303へ戻り、同じ処理を行う。このように、一連の処理の後に、目標波長から許容範囲であるか否かを判定すれば、より高精度に目標波長への制御を行うことができる。
その他の発展例として、第1実施形態に係る第1の制御シーケンスを行った後に、第2実施形態に係る第1の制御シーケンスを行い、この一連の制御をまとめて第1の制御シーケンスとすることも可能である。このように、第1実施形態に係る第1の制御シーケンスを先に行えば、粗い精度で第1の櫛状反射スペクトルと第2の櫛状反射スペクトルの反射ピークを一致させた後に、第2実施形態に係る第1の制御シーケンスにて、より高精度で反射ピークを一致させるという実施を行うことができる。
以上、本発明を実施形態に基づいて説明したが、上記説明した実施形態により本発明が限定されるものではない。上記各実施形態の各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、上記実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例及び運用技術等は全て本発明に含まれる。
例えば、上記説明した集積型レーザ素子は、利得部を同一の素子上に集積しているが、これを集積型レーザ素子に空間結合する構成とすることも可能である。また、上記説明では、マイクロヒータによる熱光学効果を利用した屈折率変化器を用いているが、電流注入によるキャリアプラズマ効果を利用した屈折率変化器を用いることも可能である。
10,20 レーザモジュール
11 集積型レーザ素子
101 制御部
102 第1の光検出器
103 第2の光検出器
104 第1の屈折率変化器
105 第3の屈折率変化器
106 第2の屈折率変化器
107 第1の波長選択部
108 位相調整部
109 利得部
110 第2の波長選択部
111 光フィルタ
201 パワーモニタ算出部
202 波長モニタ算出部
203a,203b,203c,203d 電流制御部
204 データ記憶部
205 最大パワー算出部
206 帰還制御部
207 データ記憶部
208 制御比率算出部
209 最大値算出部
210 初期設定データ記憶部
211 パワー比較部
212 極大値比較部
213 データ記憶部

Claims (16)

  1. 屈折率に依存して光学特性が変化する第1の櫛状反射スペクトルを生成する第1の波長選択部と、
    前記第1の櫛状反射スペクトルのスペクトル間隔とは異なるスペクトル間隔を有し、屈折率に依存して光学特性が変化する第2の櫛状反射スペクトルを生成する第2の波長選択部と、
    を少なくとも備える集積型レーザ素子の制御方法であって、
    前記第1の波長選択部と前記第2の波長選択部とのそれぞれの屈折率を独立に変化させ、前記第1の波長選択部と前記第2の波長選択部との間の共振によって出力されるレーザ光の光出力パワーが前記変化の範囲内で最大となる屈折率の組に、前記第1の波長選択部および前記第2の波長選択部の屈折率を制御する第1の制御シーケンスと、
    を有することを特徴とする集積型レーザ素子の制御方法。
  2. 前記第1の制御シーケンスの後に、前記レーザ光の波長の測定結果と目標波長との差分から、前記第1の波長選択部の屈折率と前記第2の波長選択部の屈折率のいずれか一方をフィードバック制御し、前記フィードバック制御で変化した屈折率の変化量に基づいて他方の屈折率を変更する第2の制御シーケンスを有することを特徴とする請求項1に記載の集積型レーザ素子の制御方法。
  3. 屈折率に依存して光学特性が変化する第1の櫛状反射スペクトルを生成する第1の波長選択部と、
    前記第1の櫛状反射スペクトルのスペクトル間隔とは異なるスペクトル間隔を有し、屈折率に依存して光学特性が変化する第2の櫛状反射スペクトルを生成する第2の波長選択部と、
    屈折率に依存して前記第1の波長選択部と前記第2の波長選択部との対で構成されるレーザ共振器の共振器長を調整する位相調整部と、
    を備える集積型レーザ素子の制御方法であって、
    前記第1の波長選択部と前記第2の波長選択部と前記位相調整部のうち2つを選択し、それぞれの屈折率を独立に変化させ、前記第1の波長選択部と前記第2の波長選択部との間の共振によって出力されるレーザ光の光出力パワーが前記変化の範囲内で最大となる屈折率の組に、前記選択した2つの屈折率を制御する第1の制御シーケンスと、
    を有することを特徴とする集積型レーザ素子の制御方法。
  4. 前記選択する2つは、前記第1の波長選択部と前記第2の波長選択部であることを特徴とする請求項3に記載の集積型レーザ素子の制御方法。
  5. 屈折率に依存して光学特性が変化する第1の櫛状反射スペクトルを生成する第1の波長選択部と、
    前記第1の櫛状反射スペクトルのスペクトル間隔とは異なるスペクトル間隔を有し、屈折率に依存して光学特性が変化する第2の櫛状反射スペクトルを生成する第2の波長選択部と、
    屈折率に依存して前記第1の波長選択部と前記第2の波長選択部との対で構成されるレーザ共振器の共振器長を調整する位相調整部と、
    を備える集積型レーザ素子の制御方法であって、
    前記第1の波長選択部と前記第2の波長選択部と前記位相調整部のうち1つを選択し、前記選択したものの屈折率を変化させた際の、前記第1の波長選択部と前記第2の波長選択部との間の共振によって出力されるレーザ光の光出力パワーの極大を取得し、当該極大が最大となるように、前記第1の波長選択部と前記第2の波長選択部と前記位相調整部のうち他の1つの屈折率を制御する第1の制御シーケンスと、
    を有することを特徴とする集積型レーザ素子の制御方法。
  6. 前記選択する1つは、前記位相調整部であることを特徴とする請求項5に記載の集積型レーザ素子の制御方法。
  7. 前記第1の制御シーケンスの後に、前記レーザ光の波長の測定結果と目標波長との差分から、前記第1の波長選択部の屈折率と前記第2の波長選択部の屈折率のいずれか一方をフィードバック制御し、前記フィードバック制御で変化した屈折率の変化量を基づいて他方の屈折率を変更する第2の制御シーケンスを有することを特徴とする請求項4または請求項6に記載の集積型レーザ素子の制御方法。
  8. 前記第2の制御シーケンスの後に、前記位相調整部の屈折率を変化させて、前記レーザ光の光出力パワーがその変化の範囲内で極大となるように前記位相調整部の屈折率を変更する第3の制御シーケンスを有することを特徴とする請求項7に記載の集積型レーザ素子の制御方法。
  9. 屈折率を変化させる第1の屈折率変化器を備え、該屈折率に依存して光学特性が変化する第1の櫛状反射スペクトルを生成する第1の波長選択部と、
    屈折率を変化させる第2の屈折率変化器を備え、前記第1の櫛状反射スペクトルのスペクトル間隔とは異なるスペクトル間隔を有し、該屈折率に依存して光学特性が変化する第2の櫛状反射スペクトルを生成する第2の波長選択部と、
    前記第1の波長選択部と前記第2の波長選択部との間の共振によって出力されるレーザ光の光出力パワーを検出する第1の光検出器と、
    前記第1の屈折率変化器と前記第2の屈折率変化器とのそれぞれを独立に制御する電流制御部と、前記第1の光検出器で検出された光出力パワーが前記変化の範囲内で最大となる前記第1の屈折率変化器および前記第2の屈折率変化器の調整量を算出する最大パワー算出部とを有し、該算出された調整量を用いて前記第1の屈折率変化器および前記第2の屈折率変化器を制御する制御部と、
    を少なくとも備えることを特徴とするレーザモジュール。
  10. 光の周波数に関して周期的な透過特性を有する光フィルタを透過した前記レーザ光の光出力パワーを検出する第2の光検出器をさらに備え、
    前記制御部は、前記第1の光検出器で得られる光出力パワーと前記第2の光検出器で得られる光出力パワーの比から前記レーザ光の波長を算出する波長モニタ算出部と、前記算出した波長と目標波長との差分から、前記第1の屈折率変化器および前記第2の屈折率変化器の調整量のいずれか一方をフィードバック制御する帰還制御部と、前記一方の調整量を基づいて他方の調整量を変更する制御比率算出部とを有する、
    ことを特徴とする請求項9に記載のレーザモジュール。
  11. 屈折率を変化させる第1の屈折率変化器を備え、該屈折率に依存して光学特性が変化する第1の櫛状反射スペクトルを生成する第1の波長選択部と、
    屈折率を変化させる第2の屈折率変化器を備え、前記第1の櫛状反射スペクトルのスペクトル間隔とは異なるスペクトル間隔を有し、該屈折率に依存して光学特性が変化する第2の櫛状反射スペクトルを生成する第2の波長選択部と、
    屈折率を変化させる第3の屈折率変化器を備え、該屈折率に依存して前記第1の波長選択部と前記第2の波長選択部との対で構成されるレーザ共振器の共振器長を調整する位相調整部と、
    前記第1の波長選択部と前記第2の波長選択部との間の共振によって出力されるレーザ光の光出力パワーを検出する第1の光検出器と、
    前記第1の屈折率変化器と前記第2の屈折率変化器と前記第3の屈折率変化器とのうち2つを選択し、それぞれを独立に制御する電流制御部と、前記第1の光検出器で検出された光出力パワーが前記変化の範囲内で最大となる前記選択した2つの屈折率変化器の調整量を算出する最大パワー算出部とを有し、該算出された調整量を用いて前記選択した2つの屈折率変化器を制御する制御部と、
    を備えることを特徴とするレーザモジュール。
  12. 前記選択する2つは、前記第1の屈折率変化器と前記第2の屈折率変化器であることを特徴とする請求項11に記載のレーザモジュール。
  13. 屈折率を変化させる第1の屈折率変化器を備え、該屈折率に依存して光学特性が変化する第1の櫛状反射スペクトルを生成する第1の波長選択部と、
    屈折率を変化させる第2の屈折率変化器を備え、前記第1の櫛状反射スペクトルのスペクトル間隔とは異なるスペクトル間隔を有し、該屈折率に依存して光学特性が変化する第2の櫛状反射スペクトルを生成する第2の波長選択部と、
    屈折率を変化させる第3の屈折率変化器を備え、該屈折率に依存して前記第1の波長選択部と前記第2の波長選択部との対で構成されるレーザ共振器の共振器長を調整する位相調整部と、
    前記第1の波長選択部と前記第2の波長選択部との間の共振によって出力されるレーザ光の光出力パワーを検出する第1の光検出器と、
    前記第1の屈折率変化器と前記第2の屈折率変化器と前記第3の屈折率変化器とのうち1つを選択して調整量を変化させた際の極大を記憶するデータ記憶部と、該極大が最大となるように、前記第1の波長選択部と前記第2の波長選択部と前記位相調整部のうち他の1つの調整量を制御する極大値比較部とを有する制御部と、
    を備えることを特徴とするレーザモジュール。
  14. 前記選択する1つは、前記第3の屈折率変化器であることを特徴とする請求項13に記載のレーザモジュール。
  15. 光の周波数に関して周期的な透過特性を有する光フィルタを透過した前記レーザ光の光出力パワーを検出する第2の光検出器をさらに備え、
    前記制御部は、前記第1の光検出器で得られる光出力パワーと前記第2の光検出器で得られる光出力パワーの比から前記レーザ光の波長を算出する波長モニタ算出部と、前記算出した波長と目標波長との差分から、前記第1の屈折率変化器および前記第2の屈折率変化器の調整量のいずれか一方をフィードバック制御する帰還制御部と、前記一方の調整量を基づいて他方の調整量を変更する制御比率算出部とを有する、
    ことを特徴とする請求項12または請求項14に記載のレーザモジュール。
  16. 前記制御部は、前記第1の屈折率変化器の調整量を変化させて、前記第1の光検出器で検出された光出力パワーがその変化の範囲内で極大となるように前記第1の屈折率変化器の調整量を変更する極値算出部を有することを特徴とする請求項15に記載のレーザモジュール。
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