JP4336091B2 - 光モジュール、光送信器及びwdm光送信装置 - Google Patents

光モジュール、光送信器及びwdm光送信装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、波長分割多重(WDM:Wavelength Division multiplexing)通信システムに利用される光モジュール、光送信器及びWDM光送信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、高密度WDMの分野では、光信号の波長が長期に渡って安定していることが要求される。そのため波長モニタの機能を光モジュール内に設ける技術が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図14は従来の光モジュールの構成を示す説明図である。図14に示すように、従来の光モジュールは、所定の発光波長のレーザ光を出力する半導体レーザダイオード等からなる発光素子50と、発光素子50に光結合され、発光素子50の前側(図14では右側)端面から出力されたレーザ光を外部に送出する光ファイバ51と、発光素子50の発光波長とほぼ同じカットオフ波長を持つ光フィルタ52と、発光素子50の後側(図14では左側)端面から出力されたレーザ光を2つに分光するハーフミラーからなるビームスプリッタ53と、ビームスプリッタ53によって分光された一方のレーザ光を光フィルタ52に透過させた後に受光するフォトダイオード等の第1の受光素子54と、ビームスプリッタ53によって分光された他方のレーザ光を受光するフォトダイオード等の第2の受光素子55と、発光素子50の温度を調整するペルチェモジュール56とを有する。また、光モジュールには制御部57が接続されている。制御部57は、第1の受光素子54及び第2の受光素子55から出力されるPD電流に基づいて、発光素子50の波長を制御するように、ペルチェモジュール56を制御する。
【0004】
図15は制御部57の構成の一例を示すブロック図である。図15に示すように、制御部57は、例えば、第1の受光素子54から出力される第1のPD電流を第1の電圧V1に変換する第1の電圧変換器67と、第2の受光素子55から出力される第2のPD電流を第2の電圧V2に変換する第2の電圧変換器68と、第1の電圧変換器67から出力される第1の電圧V1及び第2の電圧変換器68から出力される第2の電圧V2の差又は比を制御信号として出力する比較器69と、比較器69から出力される制御信号に基づいてペルチェモジュール56の温度を上昇又は下降させる温度制御電流を出力するTEC(Thermo Electric Cooler)電流発生器70とを有する。
【0005】
発光素子50と光ファイバ51との間には、発光素子50の前側端面から出力されたレーザ光を光ファイバ51に結合する集光レンズ58が配置されている。また、発光素子50とビームスプリッタ53との間には、発光素子50の後側端面から出力されたレーザ光を平行にする平行レンズ59が配置されている。
【0006】
発光素子50、集光レンズ58及び平行レンズ59は、LDキャリア60上に固定されている。第1の受光素子54及び第2の受光素子55は、それぞれ第1のPDキャリア61及び第2のPDキャリア62に固定されている。
【0007】
ビームスプリッタ53、光フィルタ52、第1のPDキャリア61及び第2のPDキャリア62は、金属基板63上に固定されている。金属基板63は、LDキャリア60の表面に固定され、LDキャリア60は、ペルチェモジュール56上に固定されている。
【0008】
発光素子50、ビームスプリッタ53、光フィルタ52、集光レンズ58、平行レンズ79、LDキャリア60、第1のPDキャリア61、第2のPDキャリア62、金属基板63及びペルチェモジュール56は、パッケージ64内に設けられている。また、光ファイバ51の先端部を保持するフェルール65は、パッケージ64の側部にスリーブ66を介して固定されている。
【0009】
発光素子50の前側端面から出力されたレーザ光は、集光レンズ58によって集光され、フェルール65によって保持された光ファイバ51に入射され外部に送出される。
【0010】
一方、発光素子50の後側端面から出力されたレーザ光は、平行レンズ59によって平行になり、ビームスプリッタ53によってZ軸方向(透過方向)と、Z軸方向に垂直なX軸方向(反射方向)との2つの方向に分岐される。Z軸方向に分岐されたレーザ光は、第1の受光素子54によって受光され、X軸方向に分岐されたレーザ光は、第2の受光素子55によって受光される。
【0011】
第1の受光素子54及び第2の受光素子55から出力されるPD電流は制御部57に入力され、制御部57は、入力されたPD電流の値に基づいて、発光素子50の波長を制御するように、ペルチェモジュール56の調整温度を制御する。
【0012】
【特許文献1】
特開平2000−56185号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
図16は、レーザダイオードの経年劣化を説明するためのグラフである。図16に示すように、レーザダイオードを備えた光モジュールの使用開始時には、そのしきい値はIthである。また、所定の光出力Pfが得られるように、APC(Auto Power Control)回路が駆動する。
【0014】
光モジュールの使用開始時において光出力Pfを得るためのレーザダイオードへの注入電流はIopである。レーザダイオードが長期間使用され続けるとその特性は劣化し、所定期間終了時のしきい値は初期状態から上昇し、Ith’となる。また、光出力Pfを得るためのレーザダイオードへの注入電流もIop'に上昇する。
【0015】
また、図17に示すように、レーザダイオードの発光波長はLDキャリア(サブマウント)の温度が一定の場合、注入電流依存性を有し、その依存性は通常0.01nm/mA程度である。従って、LDキャリアの温度が一定の場合にレーザダイオードの経年劣化が生じた時、発光波長は長い方ヘシフトする。
【0016】
このような特性を有するレーザダイオードを波長ロックするために光フィルタが使用される。すなわち、波長をモニタしてレーザダイオードを載せるLDキャリアの温度をペルチェモジュールによって調整し、図18で示す波長ロックポイントPに光モジュールの発光波長を固定する。発光波長はレーザダイオードの経年劣化により注入電流が増大した時、レーザダイオードの活性層の温度が上昇して長波長側へシフトするが、光フィルタを用いた波長モニタを駆動することにより、波長シフトを補正するために、ペルチェモジュールによってLDキャリアの温度を低下させる。
【0017】
ところで、光フィルタは例えば石英で作られており、図19に示すように、光透過特性について温度依存性(以下、単に温度特性という)を有する。例えば、ある光フィルタでは波長ー光透過率特性が0.01nm/℃の割合で短波側にシフトする。
【0018】
従来の光モジュールでは、例えば図14に示すように、発光素子50と光フィルタ52とがほぼ同温に保たれるように、熱的に接続されている。そのため、発光素子50を載せるLDキャリア60の温度が低下すると光フィルタ52の温度も低下し、光フィルタ52の特性が変化する。すなわち、波長モニタを駆動して所定の期間が過ぎて、発光素子50が経年劣化すると、発光素子50への注入電流が増加し、発光素子50の温度が上昇する。これにより、ずれた波長を補正するために制御部57により、ペルチェモジュール56が制御され、発光素子50の温度が低下し、それに伴い光フィルタ52の温度が低下する。光フィルタの温度低下によって、初期の波長特性が得られなくなり、図20に示すように、光フィルタ特性は全体的に短波側ヘシフトする。図20で、●は初期のロック波長P、○は所定時間駆動後のロック波長P’を示す。このように、ロック波長がPからP’へとシフトしてしまい、所望の波長の光を得ることができなかった。波長モニタを駆動した場合の注入電流と波長の関係は、図21に示すようになり、発光波長は電流依存性を有する。
【0019】
また、光フィルタを搭載したベルチェモジュール56が一定温度に制御されていた場合においても、外部環境温度や光モジュールの消費電力量の変化に応じ、光モジュール内の温度は変動するため、光フィルタがベルチェモジュールに直接接触していない側から、現境温度の変動の影響を受け、例えば、図22のように光フィルタの温度は変動する。
【0020】
このような光フィルタの温度変化に伴うロック波長のずれは、クロストークによる信号劣化の原因になり、波長安定化が要求される高密度WDMシステムにとって好ましくない。
【0021】
また、高密度WDMシステムでは、光信号の波長間隔が狭いため、各光信号波長の波長ずれ防止への要求が厳しく、高い精度で発光波長を固定する必要がある。例えば、光フィルタとして図23に示すような波長弁別特性を有するエタロンフィルタを用いて光信号を配列する場合、例えば一定の波長間隔ごとに、光信号を配列することができるように、スロープの中心付近が所定波長と重なるように作りこむ。
【0022】
ところで、例えば特開2001−44558号公報には、エタロンの温度を検出し、補正部によって制御部へ補正信号を送り、温度補正を行う技術が提案されている。一般に、エタロンフィルタは温度特性を有する。エタロンに使用される材料の中でも、温度特性が小さいものに水晶があり、上記公報の技術でも用いられている。ここで、水晶エタロンの温度特性は5pm/℃であることが知られている。
【0023】
光モジュールに用いられるパッケージのケース温度は、従来5〜70℃の範囲で使用することを保証することが要求されている。従って、エタロンの温度によりドリフトは、5pm/℃×75℃=375pmとなる。
【0024】
また、光フィルタを搭載した温度調整器の調整温度が変動した場合には、さらにエタロンの温度変動によるドリフトは大きくなる。
【0025】
図24に示すように、例えば100GHz(800pm)間隔の水晶のエタロンを用いて波長をロッキングし、温度補償を行うとロックされる波長とスロープ上のロッキングポイントは図示するような関係として表される。温度補償を行うことによって、ロックされる波長とスロープ上のロッキングポイントはスロープ上をアクティブに動くことになる。
【0026】
一方、WDMの分野、特に高密度WDMの分野では、非常に多くのそれぞれ異なる発光波長をもつレーザモジュールが必要とされるが、それら全種類の波長のレーザを異なる仕様で生産することは現実的ではなく、ひとつのレーザモジュールが必要とするいくつかの波長に調整可能とし、少なくとも2波長以上に対応できるような特性を有していることが望ましい。そのような波長調整を可能にするには波長モニタ部に使用される光フィルタが必要なレーザ光の波長に対応して波長透過特性が繰り返し周期を持つ、エタロン等が有効である。
【0027】
しかしながら、レーザの発光波長が光フィルタの波長透過特性が繰り返し周期のどの波長近傍にあるかを波長モニタからの信号によって区別することは不可能である。
【0028】
そのため、あらかじめ波長モニタで調整可能な所定の波長範囲内に、レーザ発光波長を制御することが必要である。発光素子を搭載した温度調整器の制御によってその発光波長制御を行うには、発光素子の温度を正確に測定し制御する必要があるため、温度検出部を発光素子近傍に配置する必要がある。
【0029】
エタロンの温度が中間の温度である32.5℃にて、ロックポイントがスロープの中心にあるものと仮定すると、−5℃において、スロープの下方にてスロープの傾きがなまっている箇所、−70℃において受光素子の最大値となる位置にある。波長ロッキングはスロープによって波長がどちらにドリフトしているか検出する。従って、ここで示した低温側、高温側では十分なロッキングができず、特に波長弁別特性のピークを越えて隣のスロープヘ移ってしまう。従ってこのような高密度WDMシステムで使用される周期の短いエタロンフィルタを温度補償して波長ロッキングすることは不可能である。まして、伝送容量を向上するために、波長間隔を50GHz、25GHz、12.5GHzと狭めていくと、温度補償をかけられる範囲345pmよりも、ロックが可能な範囲の方が明らかに狭いので、波長ロッキングすることができない。
【0030】
このように、波長間隔が狭い高密度WDMシステムでは、波長ドリフトを数pm以内に押さえ込む必要があり、ケース温度の依存性のみで10pm以上となってしまう従来の光モジュールや光送信器では要求を満たすことができなかった。
【0031】
また、光モジュールは底面側からしか温度制御されていないため、部品ごとに温度分布が生じる。特にエタロンフィルタは、光軸方向のフィルタ長で、透過波長特性が決まり、入射光の光径以上の入射面積が必要なため、1mm以上の大きさが必要である。
【0032】
また、金属に比べ熱伝導率も小さく、水晶を用いたエタロンフィルタでは、光軸方向の熱伝導率が0.0255Cal/cm・sec・degであるのに対し、光軸に垂直な方向、すなわち温度調整器の調整面に垂直な方向では、熱伝導率が0.0148Cal/cm・sec・degと小さく、温度調整器の制御が難しく、発光素子等の他の部品に比べ温度分布を生じやすい。
【0033】
このような観点から、発光素子の温度を検出する温度検出部とは別に光フィルタの温度を検出する温度検出部を設け、光フィルタの温度特性に伴う波長のずれを補正することにより、発光波長を安定化する技術を本発明者は発明している。しかし、検出するべき光フィルタの温度変化は非常に小さく、光フィルタ近傍に温度検出部を設けても精確に測定することは困難であり、温度検出部自体のばらつきも問題となる。
【0034】
本発明は、パッケージのケース温度と光フィルタの温度特性との間に相関関係があることに鑑み、光フィルタ自体よりも温度変化の大きいケース温度を検出することにより光フィルタの温度を推定し、推定した光フィルタの温度に基づいて光フィルタの有する温度特性に伴う波長のずれを補正し、レーザ光の発光波長を高精度に安定化させることができる光モジュール、光送信器及びWDM光送信装置を提供することを目的とする。
【0035】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の光モジュールは、
レーザ光を出力する発光素子と、
前記発光素子から出力されるレーザ光の波長を所定の波長に調整する波長調整部と、
前記発光素子から出力されるレーザ光を、光フィルタを通過させて受光して波長をモニタする波長モニタ部と、
前記発光素子、波長調整部及び波長モニタ部を収納するパッケージと、
前記パッケージのケース温度を検出するケース温度検出部と、
前記発光素子の温度を検出する発光素子温度検出部とを有し、
前記波長調整部は、前記発光素子温度検出部からの信号に基づいて、レーザ光の波長が波長モニタ部で調整可能な波長範囲内に調整された後に、前記波長モニタ部からの信号に基づいてレーザ光の波長を所定の波長に調整し、
前記発光素子温度検出部からの信号及び前記ケース温度検出部からの信号は、前記発光素子の温度及びケース温度に基づいて前記光フィルタの温度を推定して、光フィルタの有する温度特性に伴う波長のずれを補正するために用いられる、
ことを特徴とするものである。
【0036】
本発明の第2の光モジュールは、
レーザ光を出力する発光素子と、
前記発光素子から出力されるレーザ光の波長を所定の波長に調整する波長調整部と、
前記発光素子から出力されるレーザ光を、光フィルタを通過させて受光して波長をモニタする波長モニタ部と、
前記発光素子、波長調整部及び波長モニタ部を収納するパッケージと、
前記パッケージのケース温度を検出するケース温度検出部と、
前記発光素子の温度を検出する発光素子温度検出部と、
前記光フィルタの温度を検出する光フィルタ温度検出部とを有し、
前記波長調整部は、前記発光素子温度検出部からの信号に基づいて、レーザ光の波長が波長モニタ部で調整可能な波長範囲内に調整された後に、前記波長モニタ部からの信号に基づいてレーザ光の波長を所定の波長に調整し、
前記光フィルタ温度検出部からの信号及び前記ケース温度検出部からの信号は、前記光フィルタの温度及びケース温度に基づいて、光フィルタの有する温度特性に伴う波長のずれを補正するために用いられる、
ことを特徴とするものである。
【0037】
前記波長調整部は、前記発光素子の温度を調整することにより、前記発光素子の発光波長を調整するものでもよい。
【0038】
前記波長調整部は、前記発光素子への注入電流を調整することにより、前記発光素子の発光波長を調整するものでもよい。
【0039】
前記波長モニタ部は、温度調整器上で温度調整されてもよい。
【0040】
前記ケース温度検出部は、パッケージの内部に配置されていてもよい。
【0041】
前記ケース温度検出部は、パッケージの外部に設置されていてもよい。
【0042】
前記ケース温度検出部は、パッケージに接触して設置されていてもよい。
【0043】
前記発光素子と前記波長モニタ部とは、それぞれ独立に温度制御されてもよい。
【0046】
本発明の光送信器は、前記光モジュールと、前記波長モニタ部から出力される信号に基づいて、前記発光素子から出力されるレーザ光の発光波長を所定の波長に固定する制御部と、前記ケース温度検出部によって検出されたケース温度に基づいて前記光フィルタの温度を推定し、推定された光フィルタの温度に基づいて前記光フィルタの温度特性に伴う前記波長のずれを補正するように指令する補正信号を前記制御部に出力する補正部とを有することを特徴とするものである。
【0047】
本発明のWDM光送信装置は、前記光送信器を複数有し、これら光送信器から出力された光信号を波長多重して送信することを特徴とするものである。
【0048】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態に係る光送信器を説明するための平面断面図、図2はその側面断面図である。
【0049】
図1及び図2に示すように、本発明の第1実施形態例に係る光送信器は、レーザ光を出力する半導体レーザダイオード等の発光素子1と、発光素子1から出力されるレーザ光のうち、後側端面(図1では左側)から出力されるモニタ用のレーザ光を受光する波長モニタ部2と、発光素子1の温度を制御するサーモモジュール等の温度調整部3と、波長モニタ部2から出力される信号に基づいて、発光素子1から出力されるレーザ光の発光波長を所定の波長に固定するように、温度調整部3の調整温度を制御する制御部4と、発光素子1の前側端面(図1では右側)から出力されたレーザ光を入射し、外部に送出する光ファイバ5と、内部を気密封止するパッケージ6とを有する。
【0050】
ここで、発光素子1、波長モニタ部2、温度調整部3、光ファイバ5を有し、図1の点線で囲った部分で光モジュールMが構成されている。
【0051】
波長モニタ部2は、発光素子1を気密封止するパッケージ6の内部に配置される。図3は、波長モニタ部2の構成を示す説明図である。図3に示すように、波長モニタ部2は、発光素子1の後側端面から出力され、平行レンズ7によって平行になったレーザ光を2つに分光するプリズム8と、プリズム8によって分光された一方のレーザ光を受光するフォトダイオード等の第1の受光素子9と、プリズム8によって分光された他方のレーザ光を受光するフォトダイオード等の第2の受光素子10と、プリズム8と第1の受光素子9との間に配置された光フィルタ27とを有する。第1の受光素子9及び第2の受光素子10は、PDキャリア11の同一平面(ここでは同一の取付面11a)上に固定されている。
【0052】
プリズム8の全面には、レーザ光の反射を抑制するためにAR(Anti Refection)膜がコーティングされている。プリズム8によって分岐されるレーザ光の傾斜角度θ1,θ2は、略同一の角度(例えば15〜45度)であるのが好ましい。これは、第1の受光素子9及び第2の受光素子10の受光位置を決めるのが容易になるからである。
【0053】
光フィルタ27は、波長ー透過光強度特性に周期性があるものであり、各周期の波長間隔が100GHz以下の例えばファブリペロエタロン、誘電体多層膜フィルタ等が用いられる。
【0054】
発光素子1はLDキャリア12上に固定されている。また、LDキャリア12上には発光素子1の温度を検出するためのサーミスタ等の発光素子温度検出部13が設置されている。
【0055】
また、LDキャリア12と波長モニタ部2はベース19上に固定されている。従って、発光素子1と光フィルタ27とは熱的に接続されており、温度調整部3による発光素子1の温度変化に応じて、光フィルタ27の温度も変化することになる。
【0056】
制御部4は、入力された2つのPD電流の差電圧又は電圧比に基づいて、半導体レーザ素子1から出力される光の波長が一定となるように、温度調整部3により発光素子温度検出部13で検出される温度を制御する。
【0057】
制御部4は、第1の受光素子9から出力される第1のPD電流を第1の電圧V1に変換する第1の電圧変換器14と、第2の受光素子10から出力される第2のPD電流を第2の電圧V2に変換する第2の電圧変換器15と、第1の電圧変換器14から出力される第1の電圧V1及び第2の電圧変換器15から出力される第2の電圧V2との電圧の差又は比を制御信号として出力する演算器(比較器)16と、その演算器16から出力された制御信号に応じて、温度調整部3の調整温度を制御する温度制御電流を出力する電流発生器17とを有する。なお、第1の電圧変換器14から出力された第1の電圧V1及び第2の電圧変換器15から出力された第2の電圧V2を増幅する増幅器(図示せず)を、演算器16の前段に設けてもよい。
【0058】
パッケージ6の内部にはパッケージ6のケース温度を検出するためのケース温度検出部29が設置されている。
【0059】
ケース温度検出部29は、補正部18に接続されている。補正部18は、発光素子温度検出部13で検出される温度とケース温度検出部29によって検出されたケース温度とに基づいて光フィルタ27の温度を推定し、推定された光フィルタ27の温度に基づいて光フィルタ27の温度特性に伴う波長のずれを補正するように指令する補正信号を制御部4の演算器16に出力する。
【0060】
ここで、ケース温度と光フィルタ27の温度の相関関係及び光フィルタの温度の推定について説明する。
【0061】
図4に示すように、波長モニタ部2からの信号に基づいて発光波長をロックする際、その波長はパッケージ6からの熱輻射によって、光フィルタ27に熱が伝わり、ケース温度依存性を有することになる。また、図5に示すように、ケース温度と光フィルタとの関係には相関関係があり、光フィルタの温度はケース温度に比例する。
【0062】
図6は、発光素子1の温度が一定になるように温度調整部3の制御を実施した場合(ATC駆動)におけるケース温度、レーザ光の発光波長、発光素子1の温度及び光フィルタ27の温度の関係を示すグラフである。
【0063】
発光素子1の温度を一定に保った状態で、ケース温度の変化により発光素子1から出力されるレーザ光の発光波長が変化する。ケース温度の上昇に対して発光波長は短い方へドリフトする。この現象は次のように説明される。
【0064】
すなわち、ケース温度の上昇によって発光素子1のサーミスタへ回り込む熱が大きくなる。ATC駆動ではサーミスタ温度が一定になるように制御を行うから、回り込む熱が大きいほどサーミスタを冷やそうとするため温度調整部3を冷やそうとする。そのため、発光素子1の温度は実際には下がっていき、その結果、発光波長は短波長側へシフトする。光フィルタ27はパッケージ6からの回り込む熱によって、ケース温度の増加に伴い、比例して温度が増加する。
【0065】
また、図6からわかるように、ケース温度の変化の方が、光フィルタ27自体の温度の変化よりも大きく、微小な変化を測定できるので、光フィルタ27の温度補償をすることが可能である。
【0066】
補正部18は、推定された光フィルタ27の温度に応じた所定電圧を制御部4の演算器16に入力して、その電圧分だけ制御信号の電圧をオフセットすることにより、光フィルタ27の温度特性による波長ずれを補正する。例えば、図7に示すように、光フィルタ27の温度特性により、初期状態から所定時間駆動後では、波長持性が短波長側ヘシフトする。初期の波長を維持するために、まず、光フィルタ27の温度特性を予め取得しておく。補正部18は、発光素子温度検出部13で検出された発光素子1の温度に基づいて光フィルタ27の温度を推定し、推定された光フィルタの温度の変化に応じて適切な補正電圧を出力し、制御部4の演算器16にフィードバックする。補正電圧により制御電圧信号の0V点をオフセットする。図7において、初期状態の0V点から、所定時間を駆動して光フィルタ27の温度変化によって波長特性がずれた時、この温度変化を検出して、温度変化に応じた電圧△Vを出力する。これにより0V点が初期状態から△Vだけ低下した点が0V点となる。この時の0V点に波長ロックがなされるので、初期状態の波長から変わることなく、安定して波長ロックを行うことができる。
【0067】
オフセットする電圧値については、あらかじめ2つの温度について最適な電圧値を測定しておき、それに基づいて線形的に計算して設定したり、あるいは温度に対する最適なオフセット電圧値を格納したデータベースから読み出してもよい。
【0068】
発光素子1の前側(図1では右側)には、その前側端面から出力されたレーザ光を平行にする平行レンズ20が設けられている。また、平行レンズ20の前側には、発光素子1への戻り光を阻止する光アイソレータ21が設けられている。光アイソレータ21は、例えば偏光子とファラデー回転子を組み合わせて構成される周知のものである。
【0069】
パッケージ6の側部に形成されたフランジ部6aの内部には、光アイソレータ21を通過した光が入射する窓部22と、レーザ光を光ファイバ5の端面に集光する集光レンズ(第2レンズ)23が設けられている。集光レンズ23は、フランジ部6aの端部にYAGレーザ溶接により固定されたレンズホルダ24によって保持され、レンズホルダ24の端部には金属製のスライドリング25がYAGレーザ溶接により固定される。
【0070】
光ファイバ5はフェルール26によって保持され、そのフェルール26は、スライドリング25の内部にYAGレーザ溶接により固定されている。
【0071】
パッケージ1の上部には蓋部28(図2参照)が被せられ、その周縁部を抵抗溶接することにより、パッケージ6の内部が気密封止される。
【0072】
発光素子1の前側端面から出力されるレーザ光は、平行レンズ20で平行になり、光アイソレータ21、窓部22を介して集光レンズ23によって集光され、光ファイバ5に入射され外部に送出される。
【0073】
一方、発光素子1の後側端面から出力されたレーザ光は、平行レンズ7によって平行になり、プリズム8によって2つの方向に分岐される。分岐された一方のレーザ光は、光フィルタ27を介して第1の受光素子9によって受光され、分岐された他方のレーザ光は、第2の受光素子10によって受光される。第1の受光素子9及び第2の受光素子10から出力される第1のPD電流及び第2のPD電流は制御部4に入力される。
【0074】
制御部4では、第1の電圧変換器14により第1のPD電流を第1の電圧V1に変換し、第2の電圧変換器15により第2のPD電流を第2の電圧V2に変換し、演算器16により第1の電圧V1及び第2の電圧V2の電圧の差又は比を制御信号として出力する。演算器16から出力される制御信号は電流発生器17に入力される。電流発生器17は、演算器16からの制御信号に基づいて温度調整部3の温度を上昇又は下降させる温度制御電流を選択的に出力する。これによって、発光素子1から出力されるレーザ光の発光波長を所望の波長に制御することができる。
【0075】
また、補正部18は、ケース温度検出部29によって検出されたケース温度に基づいて光フィルタ27の温度を推定し、推定された光フィルタ27の温度に基づいて、光フィルタ27の温度特性に伴う波長のずれを補正するように指令する補正信号を制御部4に出力する。その結果、光信号の信号劣化を低減でき、信頼性の高い光モジュール及び光送信器を提供することができる。
【0076】
なお、波長ロッキングを駆動するには、発光素子1の発光波長が、波長弁別カーブの所定範囲に入っていなければならない。
【0077】
図8は波長弁別カーブを示すグラフである。図8で、波長弁別カーブ上の黒いプロットがロックする波長である。この波長ロッキングを駆動するには、図示したキャプチャレンジ内に波長ロッキング駆動する前に予め入っている必要がある。これを実施するには、発光素子1の温度を検出してペルチェモジュールからなる温度調整部3を制御するATC駆動が必要である。これを行うには、発光素子1の温度を検出する発光素子温度検出部13が必要になる。
【0078】
次に、波長ロッキングを制御する手順について説明する。まず、発光素子1にACC回路ないしAPC回路によって電流を注入し、発光素子1の温度を発光素子温度検出部13によって検出し、ATC回路によって温度調整部3を制御して温度制御する。ATC回路では、基準温度と検出温度を比較して、その差が0となるように制御を行う。従って基準温度を制御することで発光波長を制御することができる。基準温度を制御して、図8で示したキャプチャレンジ内に発光波長を調整する。これを確認したら波長ロッキングに切り替え、前述したように、波長モニタ信号を元に温度調整部3による温度制御を行う。
【0079】
この波長ロッキングを制御する手順により、プロットしたロッキングポイントヘ発光波長が安定化される。
【0080】
本発明の第1の実施形態例によれば、ケース温度と光フィルタ27の温度特性との間に相関関係があることに鑑み、ケース温度を検出することにより光フィルタ27の温度を推定し、推定した光フィルタ27の温度に基づいて光フィルタ27の有する温度特性に伴う波長のずれを補正するので、長期間において高い精度でレーザ光の発光波長を高精度に安定化させることができる。その結果、システムの信頼性を向上させることができる。
【0081】
また、光フィルタ27の温度を検出する温度検出部を別個に設ける必要がないので、部品点数や配線数を増加させることなく、光モジュールの構成の簡易化、コストダウン化を図ることができる。
【0082】
図9(A)は本発明の第2の実施形態例を示す平面図、(B)はその側面図である。図9(A)及び(B)に示すように、第2の実施形態例では、ケース温度検出部29はパッケージ6の外部に配置されている。
【0083】
図9(C)は本発明の第3の実施形態例を示す平面図、(D)はその側面図である。図9(C)及び(D)に示すように、第3の実施形態例では、ケース温度検出部29はパッケージ6の近傍に配置されている。
【0084】
第2及び第3の実施形態例では、ケース温度検出部29がパッケージ6の内部ではなく外側に配置されているので、パッケージ6内を封止した後でもケース温度検出部29の位置を所望の位置に変えることができる、
図10は本発明の第4の実施形態例を示すブロック図である。図10に示すように、第4の実施形態例は、制御系にアナログ/デジタル変換回路37,38,39を用いて制御している。図10の制御手法においては、パワーモニタPD電流と波長モニタPD電流を元にした信号をアナログ/デジタル変換回路37,38でアナログ/デジタル変換する。変換された信号は演算器16に入力され、演算器16は、差あるいは比を演算して制御信号をアナログ/デジタル変換回路39を介して注入電流制御部40に出力する。注入電流制御部40は入力された制御信号に基づいて、発光素子1に注入する注入電流を制御し、発光素子1の発光波長を安定化させる。
【0085】
第4の実施形態例によれば、波長モニタ部2からの信号を注入電流にフィードバックすることにより、発光素子1から出力されるレーザ光の発光波長を所定の波長に固定することができる。
【0086】
図11は、本発明の第5の実施形態例に係る半導体レーザモジュールを示す平面断面図である。
【0087】
図11に示すように、第5の実施形態例では、波長モニタ部2が発光素子1を備えた発光部41より前側(図11では右側)に配置されている点及び波長モニタ部2と発光素子1とが独立して温度制御されている点を特徴としている。
【0088】
発光部41には、レーザ光を出力する発光素子1と、発光素子1の前側(図11では右側)の出射端面から出力されたレーザ光を平行にする平行レンズ20と、発光素子1の後側(図11では左側)の出射端面から出力されたレーザ光を受光し、その光出力をモニタするためのフォトダイオード42と、波長モニタ部2から発光素子1への戻り光を阻止する光アイソレータ21とが設けられている。
【0089】
波長モニタ部2の光分岐器は、第1のハーフミラー8a(第1の光分岐部材)と第2のハーフミラー8b(第2の光分岐部材)とからなり、それぞれZ軸方向に沿って所定間隔を隔てて直列に配置されている。
【0090】
第1のハーフミラー8aは、発光素子1から出力されたレーザ光を第1の受光素子9側の第1の方向(X軸方向)と第2のハーフミラー8b側の第2の方向(Z軸方向)とに分岐する。第2のハーフミラー8bは、第1のハーフミラー8aからのレーザ光を第2の受光素子10側の第3の方向(X軸方向)と第4の方向(Z軸方向)とに分岐する。
【0091】
第1の受光素子9及び第2の受光素子10は、それぞれ第1のPDキャリア44及び第2のPDキャリア45に固定されている。
【0092】
第2のハーフミラー8bによって第4の方向(Z軸方向)に分岐されたレーザ光は、窓部22、集光レンズ23を介してフェルール26によって保持された光ファイバ5に入射され外部に送出される。
【0093】
発光部41は、サーモモジュールを備えた第1の温度調整部3a上に固定されている。また、波長モニタ部2は、発光部41とは独立に温度制御するように第1の温度調整部3aと間隔を隔てて、サーモモジュール等の第2の温度調整部3b上に設けられている。このように、発光部41及び波長モニタ部2はそれぞれ独立に温度制御されているので、それぞれ最適条件に制御できる。
【0094】
波長モニタ部2を搭載した第2の温度調整部3bは、光フィルタ27の温度を検出するために光フィルタホルダ27aに設置された光フィルタ温度検出部43の検出信号に基づいて制御されている。
【0095】
発光部41を搭載した第1の温度調整部3aは、発光素子1の温度を検出するようにLDキャリア12上に設置された発光素子温度検出部13の検出信号に基づいて制御されている。
【0096】
また、制御部4は、波長モニタ部2からの波長情報に基づいて発光素子1の波長を制御するように第1の温度調整部3aを制御している。すなわち、発光素子温度検出部13からの信号に基づいて、レーザ光の波長が波長モニタ部2で調整可能な波長範囲内に調整された後に、波長モニタ部2からの信号に基づいてレーザ光の波長を所定の波長に調整する。
【0097】
また、補正部18は、光フィルタ温度検出部43からの信号及びケース温度検出部29からの温度検出信号に基づいて、光フィルタ27の有する温度特性に伴う波長のずれを補正するように指令する補正信号を制御部4に出力する。光フィルタ27は、電力消費のない光学部品であり、その温度は温度調整部3bとパッケージ6の温度に依存している。従って、温度検出部43と29によって高精度に光フィルタ27の温度を補正でき、レーザ光の発光波長を高精度に安定化させることができる。その結果、光信号の信号劣化を低減でき、信頼性の高い光モジュール及び光送信器を提供することができる。
なお、図11の例では、第1の受光素子9及び第2の受光素子10は、それぞれ異なるPDキャリアに固定されているが、同一の取付部材に取り付けられてもよい。
【0098】
本実施形態例のように、第1の温度調整部3aの温度制御及び光フィルタ27の温度検出を複数の温度検出部によって行う場合、個別の温度検出部からの情報を外部の制御部で処理し制御してもよい。
【0099】
また、温度検出部として、例えば抵抗値の変化によって温度を検出するサーミスタを使用する場合、図12に示すように、サーミスタ46a、46bを並列に接続したり(図12(A)参照)、直列に接続したり(図12(B)参照)して、検出値を平均化するような回路構成にしてもよい。この場合、パッケージ6内の使用する端子数を減らすことができ、1個のサーミスタでモニタするのと同様の外部制御回路で制御することができる。
【0100】
図13は、本発明の第6の実施形態例に係る波長分割多重通信システムに用いられるWDM光送信装置を示す説明図である。
【0101】
図13に示すように、波長分割多重通信システムは、光信号を送信する複数の光送信器31と、その光送信器31から送信された複数チャネルの光信号を波長多重化する合波器32と、その合波器32により波長多重化された多重化光信号を増幅中継するために複数段に接続された複数の光増幅器33と、光増幅器33により増幅された光信号を各チャネル毎に波長分離する分波器34と、その分波器34により波長分離された各光信号を受信する複数の光受信器35とを有する。
【0102】
本発明の第6の実施形態例に係るWDM光送信装置36は、第1乃至第4の実施形態例に係る光送信器31を複数有し、これら光送信器31から出力された光信号を波長多重して送信する。従って、光送信器31から発振する光信号の波長が安定するので、信頼性の高い高密度WDMシステムを構築することが可能となる。
【0103】
本発明は、上記実施の形態に限定されることはなく、特許請求の範囲に記載された技術的事項の範囲内において、種々の変更が可能である。例えば、光分岐器として、プリズム8の代わりにハーフミラー等のビームスプリッタを用いてもよい。
【0104】
また、発光素子1の温度特性と光フィルタ27の温度特性にも相関関係がある点に鑑み、補正部18は、ケース温度検出部29によって検出されたケース温度に加えて、発光素子温度検出部13によって検出された発光素子1の温度も加味して、光フィルタ27の温度を推定して、光フィルタ27の有する温度特性に伴う波長のずれを補正してもよい。
【0105】
【発明の効果】
本発明によれば、ケース温度と光フィルタの温度特性との間に相関関係があることに鑑み、ケース温度検出部によりケース温度を検出することにより光フィルタの温度を推定し、推定した光フィルタの温度に基づいて光フィルタの有する温度特性に伴う波長のずれを補正するので、長期間において高い精度でレーザ光の発光波長を高精度に安定化させることができる。その結果、システムの信頼性を向上させることができる。
【0106】
また、光フィルタの温度を検出する温度検出部を別個に設ける必要がないので、部品点数や配線数を増加させることなく、光モジュールの構成の簡易化、コストダウン化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る光送信器を説明するための平面断面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る光送信器を説明するための側面断面図である。
【図3】波長モニタ部の構成を示す説明図である。
【図4】波長モニタ部の波長と温度との関係を示すグラフである。
【図5】ケース温度とフィルタ温度との関係を示すグラフである。
【図6】発光素子の温度が一定になるように温度調整部の制御を実施した場合(ATC駆動)におけるケース温度、レーザ光の発光波長、発光素子の温度及び光フィルタの温度の関係を示すグラフである。
【図7】波長のずれの補正方法を説明するためのグラフである。
【図8】波長弁別カーブを示すグラフである。
【図9】(A)は本発明の第2の実施形態例を示す平面図、(B)はその側面図、(C)は本発明の第3の実施形態例を示す平面図、(D)はその側面図である。
【図10】本発明の第4の実施形態例を示すブロック図である。
【図11】本発明の第5の実施形態例に係る半導体レーザモジュールを示す平面断面図である。
【図12】(A)及び(B)は温度検出部としてサーミスタを使用した場合の回路構成図である。
【図13】本発明の第6の実施形態例に係る波長分割多重通信システムに用いられるWDM光送信装置を示す説明図である。
【図14】従来の光モジュールの構成を示す説明図である。
【図15】制御部の構成の一例を示すブロック図である。
【図16】レーザダイオードの経年劣化を説明するためのグラフである。
【図17】レーザダイオードのLDキャリアの温度一定時における注入電流と発光波長の関係を示すグラフである。
【図18】光フィルタの波長特性と波長の関係を示すグラフである。
【図19】光フィルタの温度特性を示すグラフである。
【図20】光フィルタの温度変化による波長のずれを説明するためのグラフである。
【図21】波長モニタ駆動時の注入電流と波長の関係を示すグラフである。
【図22】ケース温度とフィルタ温度との関係を示すグラフである。
【図23】光フィルタ(エタロンフィルタ)の波長弁別特性を示すグラフである。
【図24】従来の課題を説明するための波長と波長モニタPD電流との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
M:光モジュール
1:発光素子
2:波長モニタ部
3:温度調整部
4:制御部
5:光ファイバ
6:パッケージ
7:平行レンズ
8:プリズム
9:第1の受光素子
10:第2の受光素子
11:PDキャリア
12:LDキャリア
13:発光素子温度検出部
14:第1の電圧変換器
15:第2の電圧変換器
16:演算器
17:電流発生器
18:補正部
19:ベース
20:平行レンズ
21:光アイソレータ
22:窓部
23:集光レンズ
24:レンズホルダ
25:スライドリング
26:フェルール
27:光フィルタ
28:蓋部
29:ケース温度検出部
31:光送信器
32:合波器
33:光増幅器
34:分波器
35:光受信器
36:WDM光送信装置
37〜39:アナログ/デジタル変換回路
40:注入電流制御部
41:発光部
42:フォトダイオード
43:光フィルタ温度検出部
44:第1のPDキャリア
45:第2のPDキャリア
46a、46b:サーミスタ

Claims (11)

  1. レーザ光を出力する発光素子と、
    前記発光素子から出力されるレーザ光の波長を所定の波長に調整する波長調整部と、
    前記発光素子から出力されるレーザ光を、光フィルタを通過させて受光して波長をモニタする波長モニタ部と、
    前記発光素子、波長調整部及び波長モニタ部を収納するパッケージと、
    前記パッケージのケース温度を検出するケース温度検出部と、
    前記発光素子の温度を検出する発光素子温度検出部とを有し、
    前記波長調整部は、前記発光素子温度検出部からの信号に基づいて、レーザ光の波長が波長モニタ部で調整可能な波長範囲内に調整された後に、前記波長モニタ部からの信号に基づいてレーザ光の波長を所定の波長に調整し、
    前記発光素子温度検出部からの信号及び前記ケース温度検出部からの信号は、前記発光素子の温度及びケース温度に基づいて前記光フィルタの温度を推定して、光フィルタの有する温度特性に伴う波長のずれを補正するために用いられる、
    ことを特徴とする光モジュール。
  2. レーザ光を出力する発光素子と、
    前記発光素子から出力されるレーザ光の波長を所定の波長に調整する波長調整部と、
    前記発光素子から出力されるレーザ光を、光フィルタを通過させて受光して波長をモニタする波長モニタ部と、
    前記発光素子、波長調整部及び波長モニタ部を収納するパッケージと、
    前記パッケージのケース温度を検出するケース温度検出部と、
    前記発光素子の温度を検出する発光素子温度検出部と、
    前記光フィルタの温度を検出する光フィルタ温度検出部とを有し、
    前記波長調整部は、前記発光素子温度検出部からの信号に基づいて、レーザ光の波長が波長モニタ部で調整可能な波長範囲内に調整された後に、前記波長モニタ部からの信号に基づいてレーザ光の波長を所定の波長に調整し、
    前記光フィルタ温度検出部からの信号及び前記ケース温度検出部からの信号は、前記光フィルタの温度及びケース温度に基づいて、光フィルタの有する温度特性に伴う波長のずれを補正するために用いられる、
    ことを特徴とする光モジュール。
  3. 前記波長調整部は、前記発光素子の温度を調整することにより、前記発光素子の発光波長を調整することを特徴とする請求項1又は2に記載の光モジュール。
  4. 前記波長調整部は、前記発光素子への注入電流を調整することにより、前記発光素子の発光波長を調整することを特徴とする請求項1又は2に記載の光モジュール。
  5. 前記波長モニタ部は、温度調整器上で温度調整されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つの項に記載の光モジュール。
  6. 前記ケース温度検出部は、パッケージの内部に配置されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つの項に記載の光モジュール。
  7. 前記ケース温度検出部は、パッケージの外部に設置されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つの項に記載の光モジュール。
  8. 前記ケース温度検出部は、パッケージに接触して設置されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つの項に記載の光モジュール。
  9. 前記発光素子と前記波長モニタ部とは、それぞれ独立に温度制御されることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1つの項に記載の光モジュール。
  10. 前記請求項1乃至のいずれか1つの項に記載の光モジュールと、
    前記波長モニタ部から出力される信号に基づいて、前記発光素子から出力されるレーザ光の発光波長を所定の波長に固定する制御部と、
    前記ケース温度検出部によって検出されたケース温度に基づいて前記光フィルタの温度を推定し、推定された光フィルタの温度に基づいて前記光フィルタの温度特性に伴う前記波長のずれを補正するように指令する補正信号を前記制御部に出力する補正部と、
    を有することを特徴とする光送信器。
  11. 前記請求項10に記載の光送信器を複数有し、これら光送信器から出力された光信号を波長多重して送信することを特徴とするWDM光送信装置。
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