JP6950216B2 - アクチュエータ装置の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、熱硬化性の接着剤を用いて配線基板をアクチュエータ基板に接着する接着工程を備えたアクチュエータ装置の製造方法に関する。
アクチュエータ装置の製造方法において、熱硬化性の接着剤を用いて配線基板をアクチュエータ基板に接着する技術が知られている。例えば、特許文献1(請求項1、段落0021−0024、図3及び図4)には、ヘッドチップ(アクチュエータ基板)とフレキシブル基板(配線基板)との間に異方性導電シートを介在させて、配線基板の両端近傍を熱圧着する仮圧着工程と、仮圧着工程の後、配線基板の中央領域を熱圧着する本圧着工程とを備えた製造方法の例が示されている。なお、上記の例では、配線基板の両端近傍に端子が設けられていない。また、特許文献1(図8)には、配線基板の両端近傍に共通配線を設けた例が示されている。
特開2016−30402号公報
特許文献1(図3及び図4)では、配線基板の両端近傍に端子が設けられていない。したがって、流路基板及び配線基板に、仮圧着工程のための余分な領域が必要となり、アクチュエータ装置の大型化につながる。
また、特許文献1(図8)では、配線基板の両端近傍に端子が設けられているものの、仮圧着工程における加圧領域(両端近傍)の外縁から個別配線までの最短距離が、複数の個別配線同士の最小間隔よりも小さい。本願発明者は、このような場合に以下のような問題が生じ得ることを知見した。
配線基板のある領域を加熱加圧すると、当該領域のみならず、当該領域の周囲領域においても、加熱により接着剤の反応が進む。つまり、周囲領域において、接着剤が適正な加圧を受ける前に半硬化してしまう。そのため、加圧領域の外側に個別配線が配置されている場合において、加圧領域の外縁から個別配線までの最短距離が小さいと、個別配線が設けられた部分が半硬化し、個別配線と個別接点との電気的接続が適切になされない問題が生じ得る。
本発明の目的は、アクチュエータ装置の大型化を回避できると共に、個別配線と個別接点との電気的接続を確実に行うことが可能な、アクチュエータ装置の製造方法を提供することにある。
第1の観点において、本発明に係るアクチュエータ装置の製造方法は、複数の個別接点及び共通接点を有するアクチュエータ基板と複数の個別配線及び共通配線を有する配線基板とを熱硬化性の接着剤を介して接着し、前記複数の個別接点と前記複数の個別配線とをそれぞれ電気的に接続しかつ前記共通接点と前記共通配線とを電気的に接続する接着工程を備え、前記配線基板における前記アクチュエータ基板と重なる重複領域において、前記複数の個別配線を含まずかつ前記共通配線の少なくとも一部を含む領域を第1領域とし、前記複数の個別配線の全てを含む領域を第2領域とした場合に、前記接着工程は、前記第1領域を前記接着剤が硬化する硬化温度で加熱加圧する第1接着工程と、前記第1接着工程の後、前記第2領域を前記硬化温度で加熱加圧する第2接着工程とを含み、前記第1領域の外縁から前記複数の個別配線までの最短距離を前記複数の個別配線同士の最小間隔以上、かつ、350μm以上とすることを特徴とする。
第2の観点において、本発明に係るアクチュエータ装置の製造方法は、複数の個別接点及び共通接点を有するアクチュエータ基板と複数の個別配線及び共通配線を有する配線基板とを熱硬化性の接着剤を介して接着し、前記複数の個別接点と前記複数の個別配線とをそれぞれ電気的に接続しかつ前記共通接点と前記共通配線とを電気的に接続する接着工程を備え、前記複数の個別配線を、配列方向に等間隔で配列し、前記配線基板における前記アクチュエータ基板と重なる重複領域において、前記複数の個別配線を含まずかつ前記共通配線の少なくとも一部を含む領域を第1領域とし、前記複数の個別配線の全てを含む領域を第2領域とした場合に、前記接着工程は、前記第1領域を前記接着剤が硬化する硬化温度で加熱加圧する第1接着工程と、前記第1接着工程の後、前記第2領域を前記硬化温度で加熱加圧する第2接着工程とを含み、前記第1領域の外縁から前記複数の個別配線までの最短距離を、前記複数の個別配線同士の最小間隔以上、かつ、15個以上の前記個別配線が配列可能な距離とすることを特徴とする。
第3の観点において、本発明に係るアクチュエータ装置の製造方法は、複数の個別接点及び共通接点を有するアクチュエータ基板と複数の個別配線及び共通配線を有する配線基板とを熱硬化性の接着剤を介して接着し、前記複数の個別接点と前記複数の個別配線とをそれぞれ電気的に接続しかつ前記共通接点と前記共通配線とを電気的に接続する接着工程を備え、前記配線基板における前記アクチュエータ基板と重なる重複領域において、前記複数の個別配線を含まずかつ前記共通配線の少なくとも一部を含む領域を第1領域とし、前記複数の個別配線の全てを含む領域を第2領域とした場合に、前記接着工程は、前記第1領域を前記接着剤が硬化する硬化温度で加熱加圧する第1接着工程と、前記第1接着工程の後、前記第2領域を前記硬化温度で加熱加圧する第2接着工程とを含み、前記第1領域の外縁から前記複数の個別配線までの最短距離を前記複数の個別配線同士の最小間隔以上とし、前記第1領域と前記複数の個別配線との間に、前記複数の個別配線及び前記共通配線と異なるダミー配線を設けることを特徴とする。
第4の観点において、本発明に係るアクチュエータ装置の製造方法は、複数の個別接点及び共通接点を有するアクチュエータ基板と複数の個別配線及び共通配線を有する配線基板とを熱硬化性の接着剤を介して接着し、前記複数の個別接点と前記複数の個別配線とをそれぞれ電気的に接続しかつ前記共通接点と前記共通配線とを電気的に接続する接着工程を備え、前記配線基板における前記アクチュエータ基板と重なる重複領域において、前記複数の個別配線を含まずかつ前記共通配線の少なくとも一部を含む領域を第1領域とし、前記複数の個別配線の全てを含む領域を第2領域とした場合に、前記接着工程は、前記第1領域を前記接着剤が硬化する硬化温度で加熱加圧する第1接着工程と、前記第1接着工程の後、前記第2領域を前記硬化温度で加熱加圧する第2接着工程とを含み、前記第1領域の外縁から前記複数の個別配線までの最短距離を前記複数の個別配線同士の最小間隔以上とし、前記第1領域と前記複数の個別配線との間に対応する部分に、前記配線基板を前記アクチュエータ基板に位置合わせするためのアラインメントマークを設けることを特徴とする。
第5の観点において、本発明に係るアクチュエータ装置の製造方法は、複数の個別接点及び共通接点を有するアクチュエータ基板と複数の個別配線及び共通配線を有する配線基板とを熱硬化性の接着剤を介して接着し、前記複数の個別接点と前記複数の個別配線とをそれぞれ電気的に接続しかつ前記共通接点と前記共通配線とを電気的に接続する接着工程を備え、前記配線基板における前記アクチュエータ基板と重なる重複領域において、前記複数の個別配線を含まずかつ前記共通配線の少なくとも一部を含む領域を第1領域とし、前記複数の個別配線の全てを含む領域を第2領域とした場合に、前記接着工程は、前記第1領域を前記接着剤が硬化する硬化温度で加熱加圧する第1接着工程と、前記第1接着工程の後、前記第2領域を前記硬化温度で加熱加圧する第2接着工程とを含み、前記第1領域の外縁から前記複数の個別配線までの最短距離を前記複数の個別配線同士の最小間隔以上とし、前記第1領域に、前記共通配線における前記複数の個別配線に隣接する端部を含めないことを特徴とする。
の観点において、本発明に係るアクチュエータ装置の製造方法は、複数の個別接点及び共通接点を有するアクチュエータ基板と複数の個別配線及び共通配線を有する配線基板とを熱硬化性の接着剤を介して接着し、前記複数の個別接点と前記複数の個別配線とをそれぞれ電気的に接続しかつ前記共通接点と前記共通配線とを電気的に接続する接着工程を備え、前記配線基板における前記アクチュエータ基板と重なる重複領域において、前記複数の個別配線を含まずかつ前記共通配線の少なくとも一部を含む領域を第1領域とし、前記複数の個別配線の全てを含む領域を第2領域とした場合に、前記接着工程は、前記第2領域を前記接着剤が硬化する硬化温度で加熱加圧する第3接着工程と、前記第3接着工程の後、前記第1領域を前記硬化温度で加熱加圧する第4接着工程とを含むことを特徴とする。
第7の観点において、本発明に係るアクチュエータ装置の製造方法は、複数の個別接点及び共通接点を有するアクチュエータ基板と複数の個別配線及び共通配線を有する配線基板とを熱硬化性の接着剤を介して接着し、前記複数の個別接点と前記複数の個別配線とをそれぞれ電気的に接続しかつ前記共通接点と前記共通配線とを電気的に接続する接着工程を備え、前記配線基板における前記アクチュエータ基板と重なる重複領域において、前記複数の個別配線を含まずかつ前記共通配線の少なくとも一部を含む領域を第1領域とし、前記複数の個別配線の全てを含む領域を第2領域とした場合に、前記接着工程は、前記第1領域を前記接着剤が硬化する硬化温度で加熱加圧する第1接着工程と、前記第1接着工程の後、前記第2領域を前記硬化温度で加熱加圧する第2接着工程とを含み、前記第1領域の外縁から前記複数の個別配線までの最短距離を前記複数の個別配線同士の最小間隔以上とし、前記重複領域における前記第1領域と前記第2領域との間に、加熱加圧されない非加圧領域を設けることを特徴とする。
の観点において、本発明に係るアクチュエータ装置の製造方法は、複数の個別接点及び共通接点を有するアクチュエータ基板と複数の個別配線及び共通配線を有する配線基板とを熱硬化性の接着剤を介して接着し、前記複数の個別接点と前記複数の個別配線とをそれぞれ電気的に接続しかつ前記共通接点と前記共通配線とを電気的に接続する接着工程を備え、前記配線基板における前記アクチュエータ基板と重なる重複領域において、前記複数の個別配線の全てを含みかつ前記共通配線の少なくとも一部を含まない領域を第3領域とし、前記重複領域の全体を第4領域とした場合に、前記接着工程は、前記第3領域を前記接着剤が硬化する硬化温度で加熱加圧する第5接着工程と、前記第5接着工程の後、前記第4領域を前記硬化温度で加熱加圧する第6接着工程とを含むことを特徴とする。
本発明の第1実施形態に係るヘッド1を備えたプリンタ100の概略的な平面図である。 ヘッド1の平面図である。 図2のIII−III線に沿った断面図である。 図2のIV−IV線に沿った断面図(振動板12a、共通電極12b及び層間絶縁膜12iの図示略)である。 ヘッド1の製造方法を示すフロー図である。 ヘッド1の製造過程を示す図4に対応する断面図である。 本発明の第2実施形態に係るヘッド201の製造過程を示す図6(b),(c)に対応する断面図である。 本発明の第3実施形態に係るヘッド301の製造過程を示す図6(b),(c)に対応する断面図である。 本発明の第4実施形態に係るヘッド401の製造過程を示す図6(b),(c)に対応する断面図である。 本発明の第5実施形態に係るヘッド501の製造過程を示す図6(b),(c)に対応する断面図である。 本発明の第6実施形態に係るヘッド601の製造過程を示す図6(b),(c)に対応する断面図である。 本発明の第7実施形態に係るヘッド701の製造過程を示す図6(b),(c)に対応する断面図である。
<第1実施形態>
先ず、図1を参照し、本発明の第1実施形態に係るヘッド1を含むヘッドユニット1xを備えたプリンタ100の全体構成について説明する。ヘッド1は、本発明のアクチュエータ装置に該当する。プリンタ100は、ヘッドユニット1xの他、プラテン3、搬送機構4及び制御装置5を備えている。
ヘッドユニット1xは、ライン式(即ち、位置が固定された状態で用紙9に対してインクを吐出する方式)であり、搬送方向と直交する方向に長尺である。ヘッドユニット1xは、搬送方向と直交する方向に沿って千鳥状に配置された4つのヘッド1を含む。4つのヘッド1は、互いに同じ構造を有する。各ヘッド1は、複数のノズル11n(図2及び図3参照)からインクを吐出する。
プラテン3は、ヘッドユニット1xの下方に配置されている。プラテン3に支持された用紙9上に、各ヘッド1からインクが吐出される。
搬送機構4は、搬送方向にプラテン3を挟んで配置された2つのローラ対4a,4bを有する。搬送モータ4mの駆動により、各ローラ対4a,4bを構成する2つのローラが用紙9を挟持した状態で互いに逆方向に回転することで、用紙9が搬送方向に搬送される。
制御装置5は、PC等の外部装置から入力された記録指令に基づいて、用紙9に画像が記録されるように、4つのヘッド1、搬送モータ4m等を制御する。
次いで、図2〜図4を参照し、ヘッド1の構成について説明する。ヘッド1は、流路基板11、アクチュエータ12及びCOF18を有する。流路基板11は本発明のアクチュエータ基板に該当し、COF18は本発明の配線基板に該当する。
流路基板11は、図3に示すように、リザーバ部材11a、圧力室プレート11b及びノズルプレート11cを有し、これらが互いに接着されて構成されている。流路基板11には、図2及び図3に示すように、リザーバ11s、複数の圧力室11m、複数のダミー圧力室11md、複数のノズル11n及び複数のダミーノズル11ndが形成されている。
圧力室プレート11bは、シリコン単結晶基板からなり、複数の圧力室11m及び複数のダミー圧力室11mdが貫通して形成されている。複数の圧力室11m及び複数のダミー圧力室11mdは、互いに同じ形状及びサイズを有する。
複数の圧力室11mは、図2に示すように、2つの圧力室列11mRを構成するように配列されている。各圧力室列11mRを構成する複数の圧力室11mは、配列方向(搬送方向と直交する方向)に等間隔で配列されている。2つの圧力室列11mRは、配列方向と直交する方向(搬送方向と平行な方向)に並んでいる。複数の圧力室11mは、それぞれ配列方向の位置が異なるように、千鳥状に配列されている。
複数のダミー圧力室11mdは、各圧力室列11mRの両端に、1つずつ配置されている。複数の圧力室11mと複数のダミー圧力室11mdとは、複数の圧力室11mの配列方向に、等間隔で、1つのダミー圧力室11mdが配列方向の両側の末端に位置するように、配列されている。
ノズルプレート11cには、複数のノズル11n及び複数のダミーノズル11ndが貫通して形成されている。複数のノズル11nは複数の圧力室11mのそれぞれと連通し、複数のダミーノズル11ndは複数のダミー圧力室11mdのそれぞれと連通している。複数のノズル11n及び複数のダミーノズル11ndは、互いに同じ形状及びサイズを有する。ノズルプレート11cは、圧力室プレート11bの下面に接着されている。
複数のノズル11nは、図2に示すように、複数の圧力室11mと同様、2列に配列されると共に、それぞれ配列方向の位置が異なるように千鳥状に配列されている。
複数のダミーノズル11ndは、複数のダミー圧力室11mdと同様、各ノズル列の両端に、1つずつ配置されている。
複数のノズル11nは、アクチュエータ12の活性部12xの駆動により対応する圧力室11mの容積が変化することに伴い、インクを吐出する。一方、複数のダミーノズル11ndは、ダミー圧力室11mdと対向する位置に活性部12xが設けられているが活性部12xが駆動されないことから、インクを吐出しない。
アクチュエータ12は、図3に示すように、圧力室プレート11bの上面に配置されている。アクチュエータ12は、下から順に、振動板12a、共通電極12b、一対の圧電体12c及び複数の個別電極12dを含む。
振動板12aは、圧力室プレート11bを構成するシリコン単結晶基板の表面を酸化することにより形成された二酸化シリコンの膜であり、圧力室プレート11bの上面の略全体に形成されている。
共通電極12bは、複数の圧力室11mに共通の電極であり、振動板12aの上面の略全体に形成されている。
一対の圧電体12cは、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の圧電材料からなり、共通電極12bの上面において、それぞれ、配列方向に延在し、各圧力室列11mRを構成する複数の圧力室11m及び複数のダミー圧力室11mdを覆っている。
複数の個別電極12dは、複数の圧力室11mに個別の電極であり、各圧電体12cの上面において、複数の圧力室11mのそれぞれと対向する位置に配置されている。複数の個別電極12dは、各圧電体12cの上面において、複数のダミー圧力室11mdのそれぞれと対向する位置にも配置されている。
圧電体12cにおいて個別電極12dと共通電極12bとで挟まれた部分は、個別電極12dへの電圧の印加に応じて変形可能な活性部12xとして機能する。即ち、アクチュエータ12は、圧力室11m又はダミー圧力室11mdと対向する複数の活性部12xを有する。圧力室11mと対向する活性部12xの駆動(即ち、個別電極12dへの電圧の印加に応じて活性部12xを(例えば、圧力室11mに向かって凸となるように)変形させること)により、圧力室11mの容積が変化し、圧力室11m内のインクに圧力が付与され、ノズル11nからインクが吐出される。一方、ダミー圧力室11mdと対向する活性部12xは駆動されないことから、ダミー圧力室11mdの容積は変化せず、ダミー圧力室11mdと連通するダミーノズル11ndからはインクが吐出されない。
アクチュエータ12には、さらに、圧電体保護膜12h、層間絶縁膜12i、複数の配線12e及び配線保護膜12jが設けられている。
圧電体保護膜12hは、空気中の水分の圧電体12cへの浸入を防止する機能を有し、一対の圧電体12cを覆っている。圧電体保護膜12hは、例えば酸化アルミニウム(アルミナ:Al23)等からなる。なお、活性部12xの駆動を阻害しないよう、圧電体保護膜12hは各個別電極12dの周縁部のみを覆っており、各個別電極12dの中央部は圧電体保護膜12hから露出している。
層間絶縁膜12iは、配線12eと共通電極12bとの間の絶縁性を高める機能を有し、圧電体保護膜12hと配線12eとの間に設けられている。層間絶縁膜12iは、例えば二酸化シリコン(SiO2)等からなる。
複数の配線12eは、層間絶縁膜12iの上面に形成されており、複数の個別電極12dのそれぞれに接続されている。各配線12eは、圧電体保護膜12h及び層間絶縁膜12iを貫通する貫通孔Bに入り込むことで、各個別電極12dと電気的に接続されている。
複数の配線12eは、図2に示すように、それぞれ、搬送方向の下流側に引き出され、圧力室プレート11bにおいてリザーバ部材11aに覆われていない部分まで延びている。複数の配線12eのうち、圧力室11mと対向する個別電極12dに接続された配線の先端には、個別接点12fが形成されている。複数の配線12eのうち、ダミー圧力室11mdと対向する個別電極12dに接続された配線の先端には、ダミー接点12f’が形成されている。
個別接点12fとダミー接点12f’とは、互いに同じ形状及びサイズを有し、配列方向に等間隔(間隔D)で、ダミー接点12f’が配列方向の両側の末端に2つずつ配置されるように、配列されている。
層間絶縁膜12iの上面には、さらに、複数の個別接点12f及び複数のダミー接点12f’を配列方向に挟むように、一対の共通接点12gが設けられている。一対の共通接点12gは、層間絶縁膜12i及び圧電体保護膜12hを貫通する貫通孔(図示略)に入り込むことで、共通電極12bと電気的に接続されている。各共通接点12gの幅(配列方向の長さ)は、各個別接点12f及び各ダミー接点12f’の幅よりも大きい。
各共通接点12gと、個別接点12f及びダミー接点12f’との間には、比較的大きな間隙が形成されている。層間絶縁膜12iの上面における、当該間隙に対応する部分には、一対のアラインメントマークMが設けられている。一対のアラインメントマークMは、COF18を流路基板11に位置合わせするためのものであり、個別接点12f及びダミー接点12f’の材料と同じ材料で構成されている。
配線保護膜12jは、複数の配線12e間の絶縁性を高める機能を有し、複数の配線12eを覆うように、層間絶縁膜12iの上面に設けられている。配線保護膜12jは、例えば窒化シリコン(SiNx)等からなる。なお、接点12f,12f’,12gは、配線保護膜12jに覆われていない。
リザーバ部材11aには、図3に示すように、リザーバ11s、リザーバ11sと複数の圧力室11mのそれぞれとを連通させる複数の連通流路11t、及び、それぞれ配列方向に延在する一対の凹部11axが形成されている。リザーバ部材11aは、一対の凹部11ax内に一対の圧電体12cがそれぞれ収容されるように、圧力室プレート11bの上面にアクチュエータ12を介して接着されている。アクチュエータ12において複数の連通流路11tと対向する部分には、複数の貫通孔12yがそれぞれ形成されている。
リザーバ11sは、チューブ等を介して、インクを貯留するタンクと連通している。タンク内のインクは、ポンプ(図示略)の駆動によりリザーバ11sに供給され、複数の連通流路11t及び複数の貫通孔12yを通って、各圧力室列11mRを構成する複数の圧力室11m及び複数のダミー圧力室11mdに供給される。各圧力室11mに供給されたインクは活性部12xの駆動によりノズル11nから吐出されるが、各ダミー圧力室11mdに供給されたインクはダミーノズル11ndから吐出されない。
図2に示すように、各貫通孔12yの周縁には、環状電極12m,12nが設けられている。環状電極12mは、図2の紙面左側の圧力室列11mRに対応する各貫通孔12yを取り囲むと共に、当該圧力室列11mRを構成する各圧力室11m又は各ダミー圧力室11mdと対向する個別電極12dに接続された配線12eと電気的に接続されている。一方、環状電極12nは、図2の紙面右側の圧力室列11mRに対応する各貫通孔12yを取り囲み、当該圧力室列11mRを構成する各圧力室11m又は各ダミー圧力室11mdと対向する個別電極12dに接続された配線12eと電気的に接続されていない。
COF18は、図4に示すように、複数の個別接点12fのそれぞれと電気的に接続される複数の個別配線18f、複数のダミー接点12f’のそれぞれと電気的に接続される複数のダミー配線18f’、及び、一対の共通接点12gのそれぞれと電気的に接続される一対の共通配線18gを有する。ダミー配線18f’は、個別接点12f及び共通接点12gと電気的に接続されていない。
個別配線18f、ダミー配線18f’及び共通配線18gは、それぞれ、個別接点12f、ダミー接点12f’及び共通接点12gと、同じ形状及びサイズを有すると共に、鉛直方向に対向している。即ち、個別配線18fとダミー配線18f’とは、互いに同じ形状及びサイズを有し、配列方向に等間隔(間隔D)で、ダミー配線18f’が配列方向の両側の末端に2つずつ配置されるように、配列されている。一対の共通配線18gは、複数の個別配線18f及び複数のダミー配線18f’を配列方向に挟むように配置されている。各共通配線18gの幅(配列方向の長さ)は、各個別配線18f及び各ダミー配線18f’の幅よりも大きい。
COF18は、熱硬化性の接着剤Aによって、流路基板11に接着されている。接着剤Aは、例えば、NCF(Non Conductive Film:非導電性フィルム)、ACF(Anisotropic Conductive Film:異方性導電フィルム)等のフィルム状の接着剤である。
COF18は、一端が各接点12f,12f’,12gと電気的に接続されており、他端が制御装置5(図1参照)と電気的に接続されている。
COF18の一端と他端との間には、図2に示すように、ドライバIC19が実装されている。ドライバIC19は、配線18f,18f’,18gを介して、接点12f,12f’,12g及び制御装置5のそれぞれと電気的に接続されている。ドライバIC19は、制御装置5からの信号に基づいて、活性部12xを駆動するための駆動信号を生成し、当該駆動信号を各個別電極12dに供給する。共通電極12bの電位は、グランド電位に維持される。
次いで、図5及び図6を参照し、ヘッド1の製造方法について説明する。
先ず、アクチュエータ12を形成する(S1)。具体的には、圧力室プレート11bとなるシリコン単結晶基板の表面に、熱酸化等によって二酸化シリコンの膜からなる振動板12aを形成する。その後、振動板12aの上面に共通電極12bを形成し、共通電極12bの上面に一対の圧電体12cを形成し、各圧電体12cの上面に複数の個別電極12dを形成する。さらにその後、圧電体保護膜12h、層間絶縁膜12i、複数の配線12e、複数の接点12f,12f’,12g、環状電極12m,12n、一対のアラインメントマークM及び配線保護膜12jを形成する。上記各部の形成には、スパッタリング、エッチング等の任意の手法を用いてよい。本実施形態では、複数の配線12e、複数の接点12f,12f’,12g、環状電極12m,12n及び一対のアラインメントマークMを、互いに同じ材料で構成し、エッチングにより同一工程で形成する。
次に、圧力室プレート11bとなるシリコン単結晶基板の表面に、リザーバ部材11aを接着する(S2)。
次に、圧力室プレート11bとなるシリコン単結晶基板を所定の厚みになるまで研磨した後、シリコン単結晶基板の下面からエッチングを施して複数の圧力室11m及び複数のダミー圧力室11mdを形成する(S3)。この段階で、シリコン単結晶基板は圧力室プレート11bとなる。
次に、圧力室プレート11bの下面にノズルプレート11cを接着する(S4)。この段階で、流路基板11が完成する。
次に、COF18を流路基板11に仮接着する(S5:仮接着工程)。
S5について、具体的には、先ず、図6(a)に示すように、流路基板11とCOF18との間に接着剤Aを介在させた状態で、一対のアラインメントマークMを用いてCOF18を流路基板11に位置合わせし、COF18を流路基板11上に配置する。このとき、複数の個別接点12fと複数の個別配線18fとがそれぞれ対向し、複数のダミー接点12f’と複数のダミー配線18f’とがそれぞれ対向し、一対の共通接点12gと一対の共通配線18gとがそれぞれ対向する状態とする。そして、この状態で、COF18及び流路基板11を、接着剤Aの硬化温度よりも低く接着剤Aが硬化しない未硬化温度(例えば70〜80℃)で加熱する。このとき、接着剤Aは粘着性が発現するが硬化しない。またこのとき、加圧は行われないため、複数の個別接点12fと複数の個別配線18fとはそれぞれ電気的に接続されず、複数のダミー接点12f’と複数のダミー配線18f’とはそれぞれ電気的に接続されず、一対の共通接点12gと一対の共通配線18gとはそれぞれ電気的に接続されない。
次に、COF18を流路基板11に接着する(S6:接着工程)。
S6では、流路基板11とCOF18との間に接着剤Aを介在させ、複数の個別接点12fと複数の個別配線18fとをそれぞれ対向させ、複数のダミー接点12f’と複数のダミー配線18f’とをそれぞれ対向させ、一対の共通接点12gと一対の共通配線18gとをそれぞれ対向させた状態で、COF18及び流路基板11を加熱加圧し、接着剤Aを硬化させる。加熱加圧に際しては、100℃以下に保持されたステージの上にCOF18及び流路基板11を配置し、その後、加熱加圧ツール51,52(図6(b),(c)参照)をCOF18及び流路基板11に押し当てて、COF18及び流路基板11の接着部分を150〜200℃にする。これにより、接着剤Aが溶融し、さらにその後硬化することで、複数の個別接点12fと複数の個別配線18fとがそれぞれ電気的に接続され、複数のダミー接点12f’と複数のダミー配線18f’とがそれぞれ電気的に接続され、一対の共通接点12gと一対の共通配線18gとがそれぞれ電気的に接続される。
S6について、具体的には、先ず、図6(b)に示すように、COF18における一対の第1領域R1上に加熱加圧ツール51を配置し、一対の第1領域R1を接着剤Aが硬化する硬化温度で加熱加圧する(S6a:第1接着工程)。一対の第1領域R1は、COF18における流路基板11と重なる重複領域における、複数の個別配線18fを含まずかつ各共通配線18gの少なくとも一部を含む領域であり、配列方向に互いに離隔している。
各第1領域R1は、複数の個別配線18fから配列方向に大きく離隔している。具体的には、各第1領域R1の外縁から複数の個別配線18fまでの最短距離(距離S)は、複数の個別配線18f同士の最小間隔(間隔D)以上である。より詳細には、距離Sは、15個以上の個別配線18fが配列可能な距離(350μm以上)である。
また、各第1領域R1の幅(配列方向の長さ)は各共通配線18gの幅よりも小さく、各第1領域R1は各共通配線18gの配列方向中央に位置している。即ち、各第1領域R1は、各共通配線18gにおける複数の個別配線18fに隣接する端部(図6(b)において内側の端部)18gxを含まない。ただし、各共通配線18gの加圧面積(即ち、各共通配線18gにおける各第1領域R1と重なる面積)は、各共通配線18gの接触抵抗を低減するために必要な面積以上とすることが好ましい。
S6aでは、接着剤Aにおいて、第1領域R1が硬化し、第1領域R1の周囲領域が半硬化する。
次に、図6(c)に示すように、COF18における第2領域R2に加熱加圧ツール52を配置し、第2領域R2を接着剤Aが硬化する硬化温度(S6aの硬化温度と同じであってもよいし異なってもよい。)で加熱加圧する(S6b:第2接着工程)。第2領域R2は、COF18における流路基板11と重なる重複領域における、複数の個別配線18fの全てを含みかつ一対の第1領域R1に配列方向に挟まれた領域であり、複数のダミー配線18f’及び一対の共通配線18gを含まない。
COF18における流路基板11と重なる重複領域における第1領域R1と第2領域R2との間には、加熱加圧されない非加圧領域Rnが設けられている。非加圧領域Rnに、ダミー配線18f’が設けられている。また、非加圧領域Rnに対応する部分に、アラインメントマークMが設けられている。
S6bでは、接着剤Aにおいて、第2領域R2が硬化し、第2領域R2の周囲領域が半硬化する。
上記の工程S1〜S6により、ヘッド1が完成する。
以上に述べたように、本実施形態によれば、接着工程S6において、加熱加圧を2段階で行う(図5のS6a,S6b参照)。これにより、第2接着工程S6bを行うときに既に第1接着工程S6aで固定された部分(図6(b)に示す一対の第1領域R1)が存在することとなり、流路基板11とCOF18との位置ずれ(ひいては、接着不良や信頼性の低下)を抑制することができる。
しかも、各第1領域R1が各共通配線18gの少なくとも一部を含み、かつ、第2領域R2が複数の個別配線18fの全てを含む(図6(c)参照)。したがって、流路基板11及びCOF18に、接着工程S6のための余分な領域が不要であり、ヘッド1の大型化を回避できる。また、各第1領域R1の外縁から複数の個別配線18fまでの最短距離(距離S)を、複数の個別配線18f同士の最小間隔(間隔D)以上としている。これにより、第1領域R1の外側の半硬化が生じる部分に個別配線18fが存在することが回避され、個別配線18fと個別接点12fとの電気的接続を確実に行うことが可能である。
距離Sを、15個以上の個別配線18fが配列可能な距離(350μm以上)としている。この場合、第1領域R1が個別配線18fからより離隔することとなり、第1領域R1の外側の半硬化が生じる部分に個別配線18fが存在することがより確実に回避され、個別配線18fと個別接点12fとの電気的接続をより確実に行うことができる。
第1領域R1と複数の個別配線18fとの間に、ダミー配線18f’を設けている(図6(c)参照)。形成位置によって個別配線18fの形状に差が出ること(ひいては、吐出特性(ノズル11nから吐出されるインク滴の大きさ、吐出速度、吐出方向等)に差が生じること)を抑制するため、ダミー配線18f’を設けることがある。上記構成によれば、第1領域R1と複数の個別配線18fとの間にダミー配線18f’を設けることで、第1領域R1の外縁から複数の個別配線18fまでの距離を確保しつつ、領域を無駄にせず有効利用することができる。
第1領域R1と複数の個別配線18fとの間に対応する部分に、アラインメントマークMを設けている(図6(c)参照)。この場合、上記と同様、第1領域R1の外縁から複数の個別配線18fまでの距離を確保しつつ、領域を無駄にせず有効利用することができる。アラインメントマークMは、COF18と流路基板11との位置合わせに有用である。
各第1領域R1に、各共通配線18gにおける複数の個別配線18fに隣接する端部(図6(b)において内側の端部)18gxを含めない。この場合、第1領域R1が個別配線18fからより離隔することとなる。これにより、第1領域R1の外側の半硬化が生じる部分に個別配線18fが存在することがより確実に回避され、個別配線18fと個別接点12fとの電気的接続をより確実に行うことができる。なお、共通配線18gは個別配線18fに比べて幅が広いため、共通配線18gの全体を加圧しなくとも、共通配線18gと共通接点12gとの電気的接続を実現することができる。
COF18における流路基板11と重なる重複領域における第1領域R1と第2領域R2との間に、加熱加圧されない非加圧領域Rnを設けている(図6(c)参照)。各第1領域R1の他の領域との境界、及び、第2領域R2の他の領域との境界には、それぞれ、加圧による段差が生じ得る。このような段差がある部分を加圧すると、加熱加圧が適正に行われず、接着不良が生じ得る。この点、上記構成によれば、段差が生じ得る部分を非加圧領域Rnとすることで、当該問題を抑制することができる。
各共通配線18gの幅を、各個別配線18fの幅よりも大きくしている。この場合、共通配線18gの接触抵抗を低減することができる。
COF18において配列方向に互いに離隔した一対の第1領域R1を加熱加圧する。この場合、COF18における配列方向の一端のみでなく両端を加熱加圧することで、COF18の接着を配列方向に均等に行うことができる。
COF18において配列方向に互いに離隔した一対の第1領域R1を加熱加圧した後、COF18において一対の第1領域R1に配列方向に挟まれた第2領域R2を加熱加圧する。この場合、第2領域R2の加熱加圧時に流路基板11とCOF18との位置ずれが生じることが抑制され、中央に配置された個別配線18fの接着を確実に行うことができる。
接着工程S6の前に、仮接着工程S5を行う(図5及び図6(a)参照)。この場合、接着工程S6において流路基板11とCOF18との位置ずれが生じることが抑制される。より詳細には、第1接着工程S6aにおいて一対の第1領域R1を加熱加圧すると、各第1領域R1の接着剤Aは硬化前に先ず溶融して液体となり、このときに流路基板11とCOF18との位置ずれが生じ得る。しかし、このとき第2領域R2の接着剤Aは、仮接着工程S5により仮接着されており、さらに加熱加圧されないため固体のままである。そのため、第1接着工程S6aにおいて一対の第1領域R1を加熱加圧したときに、各第1領域R1の接着剤Aの溶融により位置ずれが生じることが抑制される。
<第2実施形態>
続いて、図7を参照し、本発明の第2実施形態に係るヘッド201について説明する。
本実施形態は、第1接着工程S6a及び第2接着工程S6bで加熱加圧する領域が、第1実施形態と逆である。具体的には、本実施形態では、第1接着工程S6a(上記第2の観点における第3接着工程)で第2領域R2を加熱加圧し(図7(a)参照)、第2接着工程S6b(上記第2の観点における第4接着工程)で一対の第1領域R1を加熱加圧する(図7(b)参照)。
本実施形態においても、第1実施形態と同様、加熱加圧を2段階で行うことで、流路基板11とCOF18との位置ずれ(ひいては、接着不良や信頼性の低下)を抑制することができる。また、本実施形態では、複数の個別配線18fの全てを含む第2領域R2を先に加熱加圧し、その後、複数の個別配線18fを含まずかつ共通配線18gの少なくとも一部を含む第1領域R1を加熱加圧する。このように、先に加熱加圧する領域に複数の個別配線18fの全てを含めることで、加圧領域外の接着剤Aが半硬化することによる個別配線18fと個別接点12fとの電気的接続不良が抑制され、個別配線18fと個別接点12fとの電気的接続を確実に行うことができる。
COF18において一対の第1領域R1に配列方向に挟まれた第2領域R2を加熱加圧した後、COF18において配列方向に互いに離隔した一対の第1領域R1を加熱加圧する。この場合、共通配線18gと比べてピッチが狭く位置合わせが難しい個別配線18fを先に固定し、後で他の部分を加熱加圧することで、個別配線18fが設けられた接着剤Aの部分が半硬化したりすることがなく、個別配線18fと個別接点12fとの電気的接続の信頼性が向上する。
本実施形態においても、第1実施形態と同様、接着工程S6の前に、仮接着工程S5を行う(図5及び図6(a)参照)。この場合、接着工程S6において流路基板11とCOF18との位置ずれが生じることが抑制される。より詳細には、第1接着工程S6aにおいて第2領域R2を加熱加圧すると、第2領域R2の接着剤Aは硬化前に先ず溶融して液体となり、このときに流路基板11とCOF18との位置ずれが生じ得る。しかし、このとき一対の第1領域R1の接着剤Aは、仮接着工程S5により仮接着されており、さらに加熱加圧されないため固体のままである。そのため、第1接着工程S6aにおいて第2領域R2を加熱加圧したときに、第2領域R2の接着剤Aの溶融により位置ずれが生じることが抑制される。
さらに、第2領域R2に、一対の共通配線18gを含めない。この場合、第1接着工程S6aにおいて一対の共通配線18gが配置された領域に段差が生じることが抑制される。
<第3実施形態>
続いて、図8を参照し、本発明の第3実施形態に係るヘッド301について説明する。
本実施形態では、第2実施形態と同様、第1接着工程S6a(上記第2の観点における第3接着工程)で配列方向中央の領域を加熱加圧し、第2接着工程S6b(上記第2の観点における第4接着工程)で配列方向の両端近傍を加熱加圧するが、第1接着工程S6aで加熱加圧する第2領域R2’が第2実施形態の第2領域R2よりも大きく(図7(a)及び図8(a)参照)、第2接着工程S6bで加熱加圧する一対の第1領域R1’のそれぞれが第2実施形態の各第1領域R1よりも大きい(図7(b)及び図8(b)参照)。
第2領域R2’は、各共通配線18gにおける配列方向に複数の個別配線18fに隣接する端部(図8(a)において内側の端部)18gxを含む。つまり、第1接着工程S6aにおいて一対の共通配線18gの上記端部を加熱加圧し、さらに第2接着工程S6bにおいて一対の共通配線18gの残りの一部を加熱加圧する。これにより、一対の共通配線18gの接着を確実に行うことができる。
一対の第1領域R1’は、重複領域における第2領域R2’の配列方向両外側の領域である。一対の第1領域R1’と第2領域R2’とは互いに重複することなく配列方向に接しており、一対の第1領域R1’と第2領域R2’とで重複領域の全体となる。つまり、第1接着工程S6aで配列方向中央の第2領域R2’を加熱加圧した後、第2接着工程S6bで一対の第1領域R1’を加熱加圧することで、重複領域の全体が加熱加圧され、接着剤Aの未硬化部分を硬化させることができる。そのため、未硬化部分が吸湿して剥離することが防止され、電気的接続の信頼性が向上する。接着工程S6の後、接着剤Aの未硬化部分が残っていると、全体を加熱する工程がさらに必要となるが、本実施形態では当該工程が不要であり、工程数を低減することができる。
<第4実施形態>
続いて、図9を参照し、本発明の第4実施形態に係るヘッド401について説明する。
本実施形態では、COF18における流路基板11と重なる重複領域において、複数の個別配線18fの全てを含みかつ共通配線18gの少なくとも一部を含まない領域を第3領域R3とし、重複領域の全体を第4領域R4とする。そして、第3領域R3を接着剤Aが硬化する硬化温度で加熱加圧する第5接着工程(図9(a)参照)と、第5接着工程の後、第4領域R4を接着剤Aが硬化する硬化温度(第5接着工程の硬化温度と同じであってもよいし異なってもよい。)で加熱加圧する第6接着工程(図9(b)参照)とを行う。
第3領域R3は、第3実施形態の第2領域R2’(図8(a)参照)と同様、各共通配線18gにおける配列方向に複数の個別配線18fに隣接する端部(図9(a)において内側の端部)18gxを含む。
このように、本実施形態によれば、第3領域R3が複数の個別配線18fの全てを含み、第4領域R4が複数の個別配線18f及び一対の共通配線18gを含む。したがって、第1実施形態と同様、流路基板11及びCOF18に、接着工程S6のための余分な領域が不要であり、ヘッド401の大型化を回避できる。また、第3領域R3及び第4領域R4の各々の領域に、複数の個別配線18fの全てが含まれる。これにより、加圧領域外の接着剤Aが半硬化することによる個別配線18fと個別接点12fとの電気的接続不良が抑制され、個別配線18fと個別接点12fとの電気的接続を確実に行うことが可能である。また、重複領域の全体(第4領域R4)を後で加熱加圧することで、接着剤Aの未硬化部分を硬化させることができる。そのため、未硬化部分が吸湿して剥離することが防止され、電気的接続の信頼性が向上する。接着工程S6の後、接着剤Aの未硬化部分が残っていると、全体を加熱する工程がさらに必要となるが、本実施形態では当該工程が不要であり、工程数を低減することができる。
<第5実施形態>
続いて、図10を参照し、本発明の第5実施形態に係るヘッド501について説明する。
本実施形態では、第4実施形態と同様、第5接着工程で配列方向中央の領域を加熱加圧し、第6接着工程で重複領域の全体(第4領域R4)を加熱加圧するが、第5接着工程で加熱加圧する第3領域R3’が第4実施形態の第3領域R3よりも小さい(図9(a)及び図10(a)参照)。第3領域R3’は、第1実施形態の第2領域R2(図6(c)参照)と同様、複数の個別配線18fの全てを含み、複数のダミー配線18f’及び一対の共通配線18gを含まない。
ダミー配線18f’は、第3領域R3’に含まれず、第3領域R3’の周囲領域の半硬化が生じる部分に含まれることとなる。このように、半硬化が生じる部分にダミー配線18f’を設けることで、領域を無駄にせず有効利用することができ、ひいては、個別配線18fと共通配線18gとの配列方向の間隔を縮め、流路基板11を配列方向に小型化できる。
本実施形態によれば、第3領域R3’が複数の個別配線18fの全てを含み、第4領域R4が複数の個別配線18f及び一対の共通配線18gを含むことから、第4実施形態と同様、ヘッド401の大型化を回避できる。また、第3領域R3’及び第4領域R4の各々の領域に、複数の個別配線18fの全てが含まれることから、第4実施形態と同様、加圧領域外の接着剤Aが半硬化することによる個別配線18fと個別接点12fとの電気的接続不良が抑制され、個別配線18fと個別接点12fとの電気的接続を確実に行うことが可能である。
<第6実施形態>
続いて、図11を参照し、本発明の第6実施形態に係るヘッド601について説明する。
本実施形態では、第1実施形態と同様、第1接着工程S6aで配列方向の両端近傍を加熱加圧し、第2接着工程S6bで配列方向中央の領域(第2領域R2)を加熱加圧するが、第1接着工程S6aで加熱加圧する領域(第1領域R61)の幅が、第1実施形態の第1領域R1の幅よりも大きく、各共通配線18gの幅の略半分である(図6(b)及び図11(a)参照)。また、第1実施形態の各第1領域R1は、各共通配線18gの配列方向中央に位置しているのに対し、本実施形態の各第1領域R61は、各共通配線18gの配列方向において個別配線18fから離隔した部分に位置している。これにより、各第1領域R61の外縁から複数の個別配線18fまでの最短距離(距離S’)は、第1実施形態の距離Sよりも大きくなっている。そのため、第1領域R1の外側の半硬化が生じる部分に個別配線18fが存在することがより確実に回避され、個別配線18fと個別接点12fとの電気的接続をより確実に行うことができる。
<第7実施形態>
続いて、図12を参照し、本発明の第7実施形態に係るヘッド701について説明する。
本実施形態では、第1実施形態と同様、第1接着工程S6aで配列方向の両端近傍を加熱加圧し、第2接着工程S6bで配列方向中央の領域(第2領域R2)を加熱加圧するが、第1接着工程S6aで加熱加圧する領域(第1領域R71)の幅が、第1実施形態の第1領域R1の幅よりも大きく、各共通配線18gの幅と略同じである(図6(b)及び図12(a)参照)。これにより、共通配線18gと共通接点12gとの電気的接続をより確実にすることができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な設計変更が可能なものである。
<変形例>
接着剤は、熱硬化性である限り、NCF、ACF等に限定されず、その他任意の接着剤であってよい。また、接着剤は、フィルム状に限定されず、ペースト状であってもよい。
仮接着工程を行わなくてもよい。
第1領域と複数の個別配線との間に、ダミー配線やアラインメントマークを設けなくてもよい。アラインメントマークは、例えばアクチュエータ基板の表面の凹凸で構成されてもよい。第1領域と第2領域との間に非加圧領域を設けなくてもよい(即ち、第1領域と第2領域とが接してもよい)。また、第1領域と第2領域とが部分的に重なり合ってもよい。
ダミー配線、ダミー接点、ダミー圧力室及び/又はダミーノズルを省略してもよい。
共通配線は、配列方向に複数の個別配線を挟むように配置されることに限定されない。例えば、複数の個別配線に対して、配列方向の一方に共通配線が配置され、配列方向の他方に共通配線が配置されなくてもよい。この場合、第1領域は、配列方向に互いに離隔した一対の領域ではなく、複数の個別配線に対して配列方向の一方に配置された領域となる。
第2領域は、複数の個別配線の全てと、共通配線とを含む領域(例えば、重複領域の全体)であってもよい。つまり、例えば第1実施形態において、第2接着工程(図6(c)参照)で、COF18における配列方向中央の第2領域R2を加熱加圧する代わりに、COF18の全体を加熱加圧してもよい。
アクチュエータは、上述の実施形態のような圧電素子を用いたピエゾ方式のものに限定されず、その他の方式(例えば、発熱素子を用いたサーマル方式、静電力を用いた静電方式等)のものであってもよい。
ヘッドは、ライン式に限定されず、シリアル式であってもよい。プリンタ等の装置は、複数のヘッドを含むヘッドユニットを備えることに限定されず、単一のヘッドを備えてもよい。ヘッドが吐出する液体は、インクに限定されず、任意の液体(例えば、インク中の成分を凝集又は析出させる処理液等)であってよい。記録媒体は、用紙に限定されず、記録可能な任意の媒体(例えば、布等)であってよい。本発明は、プリンタに限定されず、ファクシミリ、コピー機、複合機等にも適用可能である。また、本発明は、インクジェット式のヘッドに限定されず、任意のアクチュエータ装置(例えば、液晶パネル等)に適用可能である。
1;201;301;401;501;601;701 ヘッド(アクチュエータ装置)
12 アクチュエータ
11 流路基板(アクチュエータ基板)
12f 個別接点
12f’ ダミー接点
12g 共通接点
18 COF(配線基板)
18f 個別配線
18f’ ダミー配線
18g 共通配線
A 接着剤
M アラインメントマーク
R1,R1’,R61,R71 第1領域
R2,R2’ 第2領域
R3,R3’ 第3領域
R4 第4領域
Rn 非加圧領域

Claims (15)

  1. 複数の個別接点及び共通接点を有するアクチュエータ基板と複数の個別配線及び共通配線を有する配線基板とを熱硬化性の接着剤を介して接着し、前記複数の個別接点と前記複数の個別配線とをそれぞれ電気的に接続しかつ前記共通接点と前記共通配線とを電気的に接続する接着工程を備え、
    前記配線基板における前記アクチュエータ基板と重なる重複領域において、前記複数の個別配線を含まずかつ前記共通配線の少なくとも一部を含む領域を第1領域とし、前記複数の個別配線の全てを含む領域を第2領域とした場合に、
    前記接着工程は、
    前記第1領域を前記接着剤が硬化する硬化温度で加熱加圧する第1接着工程と、
    前記第1接着工程の後、前記第2領域を前記硬化温度で加熱加圧する第2接着工程とを含み、
    前記第1領域の外縁から前記複数の個別配線までの最短距離を前記複数の個別配線同士の最小間隔以上、かつ、350μm以上とすることを特徴とするアクチュエータ装置の製造方法。
  2. 複数の個別接点及び共通接点を有するアクチュエータ基板と複数の個別配線及び共通配線を有する配線基板とを熱硬化性の接着剤を介して接着し、前記複数の個別接点と前記複数の個別配線とをそれぞれ電気的に接続しかつ前記共通接点と前記共通配線とを電気的に接続する接着工程を備え、
    前記複数の個別配線を、配列方向に等間隔で配列し、
    前記配線基板における前記アクチュエータ基板と重なる重複領域において、前記複数の個別配線を含まずかつ前記共通配線の少なくとも一部を含む領域を第1領域とし、前記複数の個別配線の全てを含む領域を第2領域とした場合に、
    前記接着工程は、
    前記第1領域を前記接着剤が硬化する硬化温度で加熱加圧する第1接着工程と、
    前記第1接着工程の後、前記第2領域を前記硬化温度で加熱加圧する第2接着工程とを含み、
    前記第1領域の外縁から前記複数の個別配線までの最短距離を前記複数の個別配線同士の最小間隔以上、かつ、15個以上の前記個別配線が配列可能な距離とすることを特徴とするアクチュエータ装置の製造方法。
  3. 複数の個別接点及び共通接点を有するアクチュエータ基板と複数の個別配線及び共通配線を有する配線基板とを熱硬化性の接着剤を介して接着し、前記複数の個別接点と前記複数の個別配線とをそれぞれ電気的に接続しかつ前記共通接点と前記共通配線とを電気的に接続する接着工程を備え、
    前記配線基板における前記アクチュエータ基板と重なる重複領域において、前記複数の個別配線を含まずかつ前記共通配線の少なくとも一部を含む領域を第1領域とし、前記複数の個別配線の全てを含む領域を第2領域とした場合に、
    前記接着工程は、
    前記第1領域を前記接着剤が硬化する硬化温度で加熱加圧する第1接着工程と、
    前記第1接着工程の後、前記第2領域を前記硬化温度で加熱加圧する第2接着工程とを含み、
    前記第1領域の外縁から前記複数の個別配線までの最短距離を前記複数の個別配線同士の最小間隔以上とし、
    前記第1領域と前記複数の個別配線との間に、前記複数の個別配線及び前記共通配線と異なるダミー配線を設けることを特徴とするアクチュエータ装置の製造方法。
  4. 前記複数の個別配線と、前記複数の個別接点及び前記共通接点と電気的に接続されない前記ダミー配線とを、等間隔で、前記ダミー配線が前記複数の個別配線の配列方向の末端に位置するように、設けることを特徴とする請求項に記載のアクチュエータ装置の製造方法。
  5. 複数の個別接点及び共通接点を有するアクチュエータ基板と複数の個別配線及び共通配線を有する配線基板とを熱硬化性の接着剤を介して接着し、前記複数の個別接点と前記複数の個別配線とをそれぞれ電気的に接続しかつ前記共通接点と前記共通配線とを電気的に接続する接着工程を備え、
    前記配線基板における前記アクチュエータ基板と重なる重複領域において、前記複数の個別配線を含まずかつ前記共通配線の少なくとも一部を含む領域を第1領域とし、前記複数の個別配線の全てを含む領域を第2領域とした場合に、
    前記接着工程は、
    前記第1領域を前記接着剤が硬化する硬化温度で加熱加圧する第1接着工程と、
    前記第1接着工程の後、前記第2領域を前記硬化温度で加熱加圧する第2接着工程とを含み、
    前記第1領域の外縁から前記複数の個別配線までの最短距離を前記複数の個別配線同士の最小間隔以上とし、
    前記第1領域と前記複数の個別配線との間に対応する部分に、前記配線基板を前記アクチュエータ基板に位置合わせするためのアラインメントマークを設けることを特徴とするアクチュエータ装置の製造方法。
  6. 複数の個別接点及び共通接点を有するアクチュエータ基板と複数の個別配線及び共通配線を有する配線基板とを熱硬化性の接着剤を介して接着し、前記複数の個別接点と前記複数の個別配線とをそれぞれ電気的に接続しかつ前記共通接点と前記共通配線とを電気的に接続する接着工程を備え、
    前記配線基板における前記アクチュエータ基板と重なる重複領域において、前記複数の個別配線を含まずかつ前記共通配線の少なくとも一部を含む領域を第1領域とし、前記複数の個別配線の全てを含む領域を第2領域とした場合に、
    前記接着工程は、
    前記第1領域を前記接着剤が硬化する硬化温度で加熱加圧する第1接着工程と、
    前記第1接着工程の後、前記第2領域を前記硬化温度で加熱加圧する第2接着工程とを含み、
    前記第1領域の外縁から前記複数の個別配線までの最短距離を前記複数の個別配線同士の最小間隔以上とし、
    前記第1領域に、前記共通配線における前記複数の個別配線に隣接する端部を含めないことを特徴とするアクチュエータ装置の製造方法。
  7. 複数の個別接点及び共通接点を有するアクチュエータ基板と複数の個別配線及び共通配線を有する配線基板とを熱硬化性の接着剤を介して接着し、前記複数の個別接点と前記複数の個別配線とをそれぞれ電気的に接続しかつ前記共通接点と前記共通配線とを電気的に接続する接着工程を備え、
    前記配線基板における前記アクチュエータ基板と重なる重複領域において、前記複数の個別配線を含まずかつ前記共通配線の少なくとも一部を含む領域を第1領域とし、前記複数の個別配線の全てを含む領域を第2領域とした場合に、
    前記接着工程は、
    前記第2領域を前記接着剤が硬化する硬化温度で加熱加圧する第3接着工程と、
    前記第3接着工程の後、前記第1領域を前記硬化温度で加熱加圧する第4接着工程とを含むことを特徴とするアクチュエータ装置の製造方法。
  8. 複数の個別接点及び共通接点を有するアクチュエータ基板と複数の個別配線及び共通配線を有する配線基板とを熱硬化性の接着剤を介して接着し、前記複数の個別接点と前記複数の個別配線とをそれぞれ電気的に接続しかつ前記共通接点と前記共通配線とを電気的に接続する接着工程を備え、
    前記配線基板における前記アクチュエータ基板と重なる重複領域において、前記複数の個別配線を含まずかつ前記共通配線の少なくとも一部を含む領域を第1領域とし、前記複数の個別配線の全てを含む領域を第2領域とした場合に、
    前記接着工程は、
    前記第1領域を前記接着剤が硬化する硬化温度で加熱加圧する第1接着工程と、
    前記第1接着工程の後、前記第2領域を前記硬化温度で加熱加圧する第2接着工程とを含み、
    前記第1領域の外縁から前記複数の個別配線までの最短距離を前記複数の個別配線同士の最小間隔以上とし、
    前記重複領域における前記第1領域と前記第2領域との間に、加熱加圧されない非加圧領域を設けることを特徴とするアクチュエータ装置の製造方法。
  9. 前記共通配線の幅を、前記複数の個別配線の各々の幅よりも大きくすることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のアクチュエータ装置の製造方法。
  10. 前記複数の個別配線及び前記共通配線を、配列方向に配列し、一対の前記共通配線が前記配列方向に前記複数の個別配線を挟むように配置し、
    前記第1領域を、前記配列方向に互いに離隔した一対の領域とすることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のアクチュエータ装置の製造方法。
  11. 前記第2領域を、前記一対の領域に前記配列方向に挟まれた領域とすることを特徴とする請求項10に記載のアクチュエータ装置の製造方法。
  12. 前記第2領域に、前記一対の共通配線を含めないことを特徴とする請求項11に記載のアクチュエータ装置の製造方法。
  13. 前記第2領域に、前記一対の共通配線の各々における前記配列方向に前記複数の個別配線に隣接する端部を含めることを特徴とする請求項11に記載のアクチュエータ装置の製造方法。
  14. 複数の個別接点及び共通接点を有するアクチュエータ基板と複数の個別配線及び共通配線を有する配線基板とを熱硬化性の接着剤を介して接着し、前記複数の個別接点と前記複数の個別配線とをそれぞれ電気的に接続しかつ前記共通接点と前記共通配線とを電気的に接続する接着工程を備え、
    前記配線基板における前記アクチュエータ基板と重なる重複領域において、前記複数の個別配線の全てを含みかつ前記共通配線の少なくとも一部を含まない領域を第3領域とし、前記重複領域の全体を第4領域とした場合に、
    前記接着工程は、
    前記第3領域を前記接着剤が硬化する硬化温度で加熱加圧する第5接着工程と、
    前記第5接着工程の後、前記第4領域を前記硬化温度で加熱加圧する第6接着工程とを含むことを特徴とするアクチュエータ装置の製造方法。
  15. 前記接着工程の前に、
    前記アクチュエータ基板と前記配線基板との間に前記接着剤を介在させ、前記硬化温度よりも低く前記接着剤が硬化しない未硬化温度で前記配線基板を前記アクチュエータ基板に仮接着する仮接着工程をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載のアクチュエータ装置の製造方法。
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