JP2001162789A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JP2001162789A
JP2001162789A JP35027499A JP35027499A JP2001162789A JP 2001162789 A JP2001162789 A JP 2001162789A JP 35027499 A JP35027499 A JP 35027499A JP 35027499 A JP35027499 A JP 35027499A JP 2001162789 A JP2001162789 A JP 2001162789A
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electrode
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wiring board
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Takashi Kimura
隆 木村
Tomoki Kato
知己 加藤
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、低コストでクロストークの低減を
実現し、信頼性がよく、高画像品質が得られるインクジ
ェット記録装置を提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明のインクジェット記録装置は、同
一のプリント配線板に、少なくとも、共通電極に接続す
る共通電極接続用電極(29)と、サブストレートに接
続するサブストレート接続用電極(28)とを配し、同
一プリント配線板上で接続したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェット記録
装置に関し、特にシリコン基板に電極を形成したインク
ジェットヘッドを用いたインクジェット記録装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ノンインパクト記録法は、記録時の騒音
発生が無視できる程度に小さい点で、オフィス用等とし
て注目されている。そのうち、高速記録可能で、いわゆ
る普通紙に特別の定着処理を要せずに記録できるインク
ジェット記録法は極めて有力な方法であり、従来から種
々の方式が提案され、製品化されて実用されている。こ
のようなインクジェット記録法は、記録液体であるイン
クの小滴を飛翔させ、被記録体に付着させて記録を行う
もので、記録液体の小滴の発生法及び小滴の飛翔方向を
制御するための制御方法により、次のような幾つかの方
式に大別される。
【0003】第1の方式は、テレタイプ(Tele t
ype)方式と称され、記録液体の小滴の発生を静電吸
引的に行い、発生した小滴を記録信号に応じて電界制御
し、この小滴を被記録体上に選択的に付着させて記録を
行うものである。具体的には、ノズルと加速電極間に電
界をかけて一様に帯電した記録液体の小滴をノズルより
吐出させ、吐出した小滴を記録信号に応じて電気制御可
能なように構成されたxy偏向電極間を飛翔させ、電界
の強度変化によって選択的に小滴を記録媒体上に付着さ
せるものである。
【0004】第2の方式は、スウィート(Sweet)
方式と称され、連続振動発生法により帯電量の制御させ
た記録液体の小滴を発生させ、この帯電量の制御された
小滴を一様電界がかけられている偏向電極間を飛翔させ
て、被記録体上に記録を行わせるものである。具体的に
は、ピエゾ振動素子の付設されている記録ヘッドを構成
する一部であるノズルのオリフィス(吐出口)の前に記
録信号が印加されるようにした帯電電極を所定距離だけ
離して配置し、ピエゾ振動素子に一定周波数の電気信号
を印加することでピエゾ振動素子を機械的に振動させ、
オリフィスより記録媒体の小滴を吐出させる。この時、
吐出する小滴には帯電電極により電荷が静電誘導され、
小滴は記録信号に応じた電荷量で帯電される。帯電量の
制御された小滴は一定電界が一様にかけられている偏向
電極間を飛翔する時に、付加された帯電量に応じた偏向
を受け、記録信号を担う小滴のみが記録媒体上に付着す
るものである。
【0005】第3の方式は、ハーツ(Hertz)方式
と称され、ノズルとリング状の帯電電極間に電界をか
け、連続振動発生法によって、記録液体の小滴を発生霧
化させて記録されるものものである。すなわち、この方
式は、ノズルと帯電電極間にかける電界強度を記録信号
に応じて変調することにより小滴の霧化状態を制御し、
記録画像の階調性を出して記録させるものである。
【0006】第4の方式は、ステンメ(Stemme)
方式と称され、記録信号に応じて吐出口より記録液体の
小滴を吐出飛翔させて記録するものである。すなわち、
この方式は、記録液体を吐出する吐出口を有する記録ヘ
ッドに付設されているピエゾ振動素子(圧電素子)に電
気的な記録信号を印加してピエゾ振動素子の機械的振動
に変え、この機械的振動に従い吐出口より記録液体の小
滴を吐出飛翔させて被記録体に付着させるものである。
【0007】第5の方式は、バブルジェット方式(サー
マルインクジェット方式)と称され、液室内のインクを
加熱して気泡を発生させて、インクに圧力上昇を生じさ
せ、微細な毛細管ノズルからインクを飛び出させて記録
させるものなどがある。
【0008】更に、近年、バブルジェット方式と同様
に、シリコン基板を用いて高密度、高集積化が可能な方
法として、特開平4−52214号公報、及びその製造
方法として、特開平3−293141号公報に記載され
た技術がある。これは、基板と振動板の電極関に電圧を
印加し、静電力によって振動板をたわませてインク吐出
を行う記録方法で、そのヘッド形成方法として、シリコ
ン基板にエッチングによって液室と振動板を形成するも
のである。また、このインクジェットヘッドの構成とし
て、特開平6−50601号公報に記載されているよう
な、インク液室の一部に振動板を設け、対向電極をイン
ク液室とは異なる方向に設けることにより、ヘッドを高
密度、薄型化し、さらに振動板の安定駆動を実現したも
のがある。すなわち、振動板に共通電極を形成し、それ
と対向する個別電極を電極基板に形成し、両者を精度よ
く、微少ギャップを形成して配置する。また、電極基板
としては、シリコンなどのエッチング加工が容易な基板
を用いることで、微少ギャップを形成するための溝と、
その底部に位置する個別電極を容易に形成できる。シリ
コン基板は半導体であるために、個別電極はSiO2
どの絶縁層の上に形成される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例によれば、個別電極と共通電極の2つの電極間に形
成されたコンデンサの他に、個別電極とシリコン基板の
サブストレート間にもコンデンサが形成され、個別電極
に電圧を印加したとき、サブストレートを通じて駆動し
ない個別電極にも電位が生じ、それによって、駆動しな
い振動板も振動してしまうという、いわゆるクロストー
クが生じてしまう。また、特開平5−31905号公
報、特開平7−299908号公報、特開平9−300
629号公報、特開平7−246706号公報には、そ
の明細書中にバブルジェット記録装置、静電記録装置の
FPC接続方法が開示されている。先に述べたバブルジ
ェット記録装置も、シリコン基板を使用したインクジェ
ット記録装置として実用化されているが、バブルジェッ
ト記録装置の場合、シリコン基板上には発熱抵抗体が形
成されており、シリコン基板のサブストレートとの間に
生じる静電容量は、特に問題とならなかった。また、シ
リコン基板の上に、圧電体を形成したような場合でも、
圧電体の静電容量がサブストレートとの間の静電容量に
比べてはるかに大きいので、問題とならなかった。すな
わち、静電型インクジェット記録装置が、微少ギャップ
で形成されたことによる小さな静電容量であるためにサ
ブストレートとの静電容量が大きな問題となる。しか
し、先にあげた従来技術には、その接続方法が全く述べ
られていない。
【0010】本発明はこれらの問題点に鑑みなされたも
のであり、低コストでクロストークの低減を実現し、信
頼性がよく、高画像品質が得られるインクジェット記録
装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記問題点を解決するた
めに、振動板の変位によりノズルからインク液滴を吐出
する液室ユニットと、電圧印加手段によって電極基板を
構成するサブストレート上に設けられた個別電極と共通
電極との間に電圧を印加して振動板を変位させるアクチ
ュエータユニットとを有する、本発明に係るインクジェ
ット記録装置によれば、同一のプリント配線板に、少な
くとも、共通電極に接続する共通電極接続用電極と、サ
ブストレートに接続するサブストレート接続用電極とを
配し、同一プリント配線板上で接続したことに特徴があ
る。よって、煩雑なワイヤなどを別に設けて接続する必
要がなく、取り扱いが容易で、かつ加工がしやすくなる
と共に、部品点数も少なくなるので低コストが図れる。
【0012】また、サブストレート接続用電極が少なく
とも2箇所配することにより、サブストレートと電極接
続部との間の抵抗を低減することができ、サブストレー
トをグランドに接続したときに、サブストレート内に生
じる電位差が小さくなるためにクロストークの更なる低
減が実現できる。
【0013】
【発明の実施の形態】振動板の変位によりノズルからイ
ンク液滴を吐出する液室ユニットと、電圧印加手段によ
って電極基板を構成するサブストレート上に設けられた
個別電極と共通電極との間に電圧を印加して振動板を変
位させるアクチュエータユニットとを有するインクジェ
ット記録装置は、同一のプリント配線板に、少なくと
も、共通電極に接続する共通電極接続用電極と、サブス
トレートに接続するサブストレート接続用電極とを配し
て同一プリント配線板上で接続した。
【0014】
【実施例】図1は本発明の一実施例に係るインクジェッ
ト記録装置の記録ヘッドの外観を示す斜視図である。同
図において、本実施例における記録ヘッド1は、液室基
板11、振動板基板12及び電極基板13が接着剤や陽
極接合などの直接接合方法等により接合され積層され、
電極基板13の電極にプリント配線板であるFPC14
が接続されている。液室基板11には、図1のA矢視図
である図2に示すように複数のノズル15が設けられて
いる。振動板基板12には、図1のB−B’線断面図で
ある図3に示すように、振動板16を有し、液室基板1
1と振動板基板12の振動板16でノズル15に連通す
る液室17を形成し、液室基板11と振動板基板12で
各液室17に連通する共通液室18を形成している。電
極基板13には振動板16に対して一定間隔をおいて対
向して設けられた個別電極19を有し、各個別電極19
はFPC14のプリント配線板20に設けられた電極リ
ード21と導電性材料であるハンダや異方性電膜からな
る接続材料22で接続されている。また、振動板16と
個別電極19との間にはギャップ23が存在する。
【0015】また、液室基板11には、ダイシングなど
の機械加工やエッチング等のエレクトロフォーミングな
どの周知の方法で溝が形成され、液室基板11と振動板
基板12を接合することで流路が形成され、その短面を
ノズル15として形成できる。液室基板11の材料とし
ては、ステンレスなどの金属やSiなどの半導体、ガラ
スなどの絶縁性材料などが用いられる。金属やSiなど
の導電性の材料を用いた場合には、内部のインクをグラ
ンドレベルに落とすために、液室基板11をグランドに
接続すると良い。ノズル15面の吐出表面にはインクと
の撥水性を確保するため、メッキあるいは撥水剤コーテ
ィングなどの周知の方法で撥水処理が行われている。
【0016】更に、振動板基板12はステンレスなどの
金属やSi等の半導体を使用することが好ましい。これ
らの材料をエッチングすることで、所望の厚さで、微細
なパターンを精度良く形成することができ、振動板基板
12そのものを共通電極としても使用できる。また、ガ
ラスなどの絶縁性の材料を用いた場合には、表面にA
l、Cu、Cr、Ni、Auなどの金属を蒸着やスパッ
タなどの方法で成膜しておくことにより共通電極が形成
できる。
【0017】また、電極基板13はステンレスなどの金
属やSi等をエッチングして所望の高さの溝を形成し、
更にその溝に樹脂やSiO2などの絶縁性の材料で絶縁
層を形成し、その上に個別電極として、Ni、Al、T
i/Pt、Cuなどの電極材料をスパッタやCVD、蒸
着などの成膜技術で所望の厚さに成膜し、その後、フォ
トレジストを形成してエッチングすることにより、各溝
に個別電極19を形成することができる。したがって、
電極基板13の構成は、導体あるいは半導体からなり、
導電性を有するサブストレート24と、その上に形成さ
れた絶縁層25、さらにその絶縁層25の上に形成され
た導電性の個別電極19からなる。また、電極基板13
の表面の、共通電極形成部以外の領域に、前述の共通電
極の一部を引き出し固定することで、個別電極と共通電
極をほぼ同じ面内に形成することができ、後述のプリン
ト基板20との接続が容易となる。
【0018】ここで、個別電極19の上には、さらに短
絡、放電により電極が破損するのを防止する目的で、S
iO2 などによる絶縁層を形成してもよい。
【0019】以上説明した、液室基板11、振動板基板
12、そして電極基板13は、接着剤や陽極接合などの
直接接合方法等によりそれぞれ互いに接合される。
【0020】一方、個別電極19に接続されるプリント
基板20としては、ガラスエポキシ樹脂やフェノール樹
脂等からなる板状のプリント基板や、ポリイミド樹脂、
PET樹脂等からなるフィルム状のプリント配線板が用
いられる。プリント配線板20上には、個別電極19に
電圧を印加するための電極リード21が形成されてい
る。
【0021】プリント配線板20上の電極リード21と
個別電極19の電極パッドを電気的に接続する方法とし
ては、例えば、ハンダを熱圧着する方法、異方導電性接
着剤で熱圧着する方法、電極間同士を圧接する方法やワ
イヤーボンディング法などがある。ワイヤーボンディン
グ法は金属ワイヤで電極間同士を直接接続するので接続
抵抗が低く、信頼性にも富んだ接続方法である。ハンダ
を熱圧着する方法、異方導電性接着剤で熱圧着する方
法、電極間同士を圧接する方法は、複数の電極間同士の
接続を一度に行えることから、加工が容易で、低コスト
であるという点で優れた方法である。この中でも、ハン
ダや異方導電性膜の熱圧着は圧着後に基板同士が接着さ
れるため、その後の加工、組み立てや印字動作などで接
続部が取れないようにして、信頼性を向上するための新
たに接着のための接着工程が不要であるて点で、優れた
接続方法である。
【0022】この接続方法として、例えば異方導電性膜
を用いた場合、異方導電性膜は、熱可塑性樹脂あるいは
熱硬化性樹脂の中にフィラーと呼ばれる導電性の粒子を
分散させたもので、電極の間に挟んで加熱、加圧するこ
とにより異方導電膜がつぶれてフィラーが両電極に接触
して電極間の導通が取れるものである。この異方導電性
膜を用い、例えば図4の(a)に示すように、FPC1
4のプリント配線板20における電極リード21の端部
に異方導電性膜からなる接続材料22を位置合わせして
から仮圧着して、FPC14と接続材料22を密着させ
る。その後、同図の(b)に示すように、接続材料22
の保護フィルムを除去し、電極基板13の個別電極19
の端部における電極パッド部とFPC14の電極リード
21とを位置合わせを行い、同図の(c)に示すよう
に、加熱した圧着ヘッド26をFPC14の上から電極
領域に押し当てて熱圧着する。このようにしてFPC1
4のプリント配線板20の電極リード21と電極基板1
3の個別電極19とを容易に接続することができる。そ
して、同図の(c)に示すようにその後に矢印Cの方向
に折り曲げて後述するようにプリント配線板20のサブ
ストレート接続用電極と電極基板13のサブストレート
とを電極基板13の側面で電気的に接続する。
【0023】次に、電極基板とサブストレートとの接続
方法について図5を用いて説明する。図5の(a)は、
電極基板のサブストレートとの接続部が1ヶ所に設けら
れた例を示す図である。図5の(b)は、電極基板のサ
ブストレートとの接続部が複数ヶ所に設けられた例を示
す図である。なお、図5は説明を簡単にするために出力
側電極は10個とした例を示すものとする。
【0024】一般に、シリコンなどの半導体で電極基板
を形成した場合、エッチングなどによる溝加工は容易で
ある反面、サブストレートは抵抗を有するため、サブス
トレートをプリント配線板に接続し、さらにプリント配
線板の配線をグランドに接続することで、サブストレー
トをグランドに接続しても、電流が流れることで、サブ
ストレート内に電位差が生じてしまう。そのため、図5
の(a)に示すように1ヶ所で接続した場合、接続部と
反対に位置する個別電極と接続部とは大きな抵抗とな
り、電位差も大きくなってしまう。図5の(b)のよう
に、複数個所で接続することで、その抵抗を低減するこ
とができるため、好ましい。図5中、FPC14上に
は、入力端子27、サブストレートの接続用電極28、
ヘッドの共通電極との接続用電極29及び個別電極との
接続用電極30がそれぞれ設けられている。そして、図
5の(a)、(b)共に、サブストレートとの接続用電
極28、共通電極との接続用電極29、個別電極との接
続用電極30、それらにつながったパターンが、FPC
14の同一面側(片面)に形成されている。これらをF
PC14の同一面に形成することで、片面配線のFPC
14となり、FPCの低コスト化が図れる。
【0025】ここで、実装の具体例について以下に説明
する。この具体例は図5のFPCの構成で、前述のヘッ
ドにFPCを、異方性導電膜を用いて実装した例であ
る。ヘッドとしては、インク液室の幅は0.13mm、
奥行き2.0mm、ピッチを0.169mm(150d
pi)を作成した。Siのエッチングで厚さ5μmの振
動板を形成した板厚0.5mmの振動板基板と、電極基
板としてシリコン基板を使用し、それに0.5μmの溝
(この溝はギャップとなる)の底部に、TiNの個別電
極(幅0.14mm、ピッチ0.169mm)を形成
し、さらにその上に1000ÅのSiO2 の絶縁層を形
成した電極基板を接着剤で接合し、さらに振動板基板の
上に、板厚0.5μmの液室基板(天板)を接続してヘ
ッドを形成した。この時ノズルの高さは20μmとし
た。ノズル数は192チャンネルである。FPCとして
は、図5の(b)示した構成を用いた。また、FPCの
構成は、ベースフィルムとして、厚さ20μmのポリイ
ミドを使用し、その上に、銅パターン18μm、さらに
電極部を除いて、レジストを13μm形成したものを用
いた。また、電極部には、銅パターン上にバインダ層と
してNi層を5μm形成し、その上に、金メッキ層を
0.5μm形成した。
【0026】そして、FPCには、前述のように、端部
に位置合わせをして、異方導電性膜(スリーボンド製3
370C、膜厚35μm)が仮圧着されている。仮圧着
は、圧着機の圧着ヘッドの温度を150℃、圧着圧力を
30kg/cm2 、圧着時間を1秒で行った。さらに、
このFPCの電極リード部を、ヘッドの電極パッドに、
位置合わせをした状態で本圧着を行った。本圧着は、圧
着ヘッドの温度を150℃、加圧力を30kg/cm
2 、圧着時間を20秒で行った。これにより、異方導電
性フィルムにより、個別電極、共通電極とFPCの電極
が電気的に接続されると共に接着され、FPC、異方導
電性フィルムを介して、個別電極に駆動電圧が供給でき
るようにした。
【0027】個別電極、共通電極を接続した後に、さら
にFPCを、図4の(c)のように、電極基板の側面側
に90度折り曲げ、プリント配線板のサブストレート接
続用電極と電極基板のサブストレートとを、電極基板側
面で電気的に接続した。その接続方法としては、いくつ
かある。例えば、プリント配線板の電極部表面にハンダ
層を形成しておき(通常5〜10μm)、折り曲げ後に
プリント配線板の裏面からスポット加熱でハンダ層を加
熱溶融し、基板のサブストレートに接続する方法があ
る。この場合ハンダとサブストレートの接続を確実なも
のにするために、予めサブストレートのハンダとの接触
部近傍にフラックスを塗布しておくのがよい。また、別
の方法としては、ハンダの代わりに個別電極や共通電極
と同様に、異方性導電フィルムを用いて接続してもよ
い。
【0028】また、プリント配線板の電極部とサブスト
レートを位置合わせした状態で、導電性ペーストや導電
性接着剤を流し込んで、電気的に接続してもよい。この
場合、プリント配線板の接合を確実なものにするために
流し込んだ後に、加熱して硬化させることが好ましい。
導電性ペーストや導電性接着剤は粘度を比較的自由に選
定でき、また毛細管力でプリント配線板とサブストレー
トの間に充填できるために所望の領域に確実に充填する
ことができ、接続が容易で接続の信頼性も得ることがで
きる。更に、図6に示すように、プリント配線板のサブ
ストレートにおける接続用電極部の近傍に貫通孔31を
形成しておき、プリント配線板の電極部32とサブスト
レートを位置合わせした状態で、導電性ペーストや導電
性接着剤が貫通孔31を介してプリント配線板の裏面の
電極部32へ流し込んで電気的に接続してもよい。この
場合、電極面側の極めて狭い隙間に、例えば注射針のよ
うなものを用いて、導電性ペーストや導電性接着剤を流
すのに比べて極めに容易に流し込むことが可能である。
【0029】接続場所としては、前述したようなサブス
トレート側面や、裏面を用いて行われる。一般に使用さ
れるシリコンウエハーの厚さは、1mm以下のものが多
く、そのため、プリント基板と側面で接続しようとした
場合、接続領域が極めて少なくなるのに比べ、裏面で接
続すると大きな面積で接続でき、信頼性の向上、接続抵
抗の低減から鑑み、極めて好ましい。また、別の方法と
して、サブストレートに導電性の部材を、例えば導電性
の接着剤などで予め設けておき、それとプリント基板と
を接続するようにしてもよい。この場合、サブストレー
トは裏面で接続し、プリント基板とは側面で接続すると
いった構成が可能となり、プリント基板をサブストレー
トの裏面に折り曲げる必要がなく、かつ、十分な接続面
積を確保することができる。
【0030】また、サブストレートとプリント配線板の
個別電極の並び方向の接続場所としては、図7に示すよ
うに、電極基板の個別電極の並び方向と平行な側面(電
極部33)、またはその裏面がよい。言い換えれば、サ
ブストレートとの接続部に対応するプリント配線板の電
極の形成位置が、電極基板領域の内に形成されるのがよ
い。このように形成することで、電極基板領域の外側に
形成した場合を示す図7のように、プリント配線板を、
サブストレートとの接続のために、さらに折り曲げる必
要がなく、組立性向上、折り曲げによる断線の防止が図
れ、組立加工費の低コスト化、高信頼化が図れる。ま
た、FPCの大きさも、略電極基板の長さ以下に小さく
するができるため、FPCの低コスト化が図れる。
【0031】また、このプリント配線板を、個別電極の
プリント基板と同じ物とを使用する、すなわち1つのプ
リント配線板に個別電極と、共通電極、電極基板のサブ
ストレートに接続するための電極リードを形成すること
で、プリント配線板の数が1枚ですみ、取り扱い、組
立、加工が容易となり、コスト低減が図れるため、より
一層好ましい。
【0032】以上説明したようなヘッドのインク液室に
連通したインク供給口を通して、インクタンクからイン
クが供給できるようにした。このヘッドを高密度、高集
積化にし、ノズル配列ピッチ169μm(150dp
i)、ノズル数192個のヘッドユニットを作成した。
この時、ノズル列間は狭いほど主走査方向(ノズル列に
垂直な方向)の幅が狭くて良く、プリンタの小型化とな
る。このヘッドユニットは、インク供給管(インク供給
手段)に接続された中空のインク供給室を有して形成さ
れたマニホールドをベース材として構成されている。マ
ニホールドの頂部には、記録ヘッドチップが固定され、
インク供給管から供給されたインクは、インク供給室を
通って、マニホールドの頂部に導かれ、記録ヘッドチッ
プの端に設けられたインク供給口から記録ヘッドチップ
の共通液室に供給され、その後は、各インク供給チャン
ネルの毛管現象により、各エネルギー作用部まで運ばれ
る。プリント配線板の固定のために、マニホールド外面
に、プリント基板を接着剤などで固定しても良い。
【0033】また、プリント配線板の入力端子は、個別
電極に対応した端子を駆動ICの出力に、共通電極、サ
ブストレートに対応した端子をグランドに接続した。
【0034】共通電極と、電極基板のサブストレート
は、図8の(a),(b)に示すように1つのプリント
配線板に接続される。図8の(a)は、共通電極接続用
電極28、と、サブストレート接続用電極29のそれぞ
れに対応した入力端子27−1,27−2を設け、それ
ぞれをパターンで接続したプリント配線板を示す図であ
る。図8の(b)は、共通電極接続用電極28と、サブ
ストレート接続用電極29と、それらに共通に接続され
た入力端子27が形成されたプリント配線板を示す図で
ある。図8の(b)のように、共通電極接続用電極28
と、サブストレート接続用電極29とをプリント配線板
内で接続することにより、入力端子数を少なくすること
ができ、入力端子に、外部から接続するための、例えば
コネクターの端子数が少なくなったり、ディンプルが形
成され、圧接することで電気的接続を行なうためのFP
Cのサイズが小さくなり、低コスト化が図れる。
【0035】共通電極とこのプリント配線板の接続方法
としては、例えば、ハンダを熱圧着する方法、異方導電
性接着剤で熱圧着する方法、電極間同士を圧接する方法
などがある。これらの方法は、加工が容易で、低コスト
であるという点で優れた方法である。さらに、この中で
も、ハンダや異方導電性膜の熱圧着は、圧着後に基板同
士が接着されるため、その後の加工、組み立てや、印字
動作などで接続部が取れないようにして、信頼性を向上
するための新たに接着のための接着工程が不要であるて
点で、優れた接続方法である。また、電極基板のサブス
トレートとプリント配線板は後述する種々の方法により
接続される。図8のプリント配線板には、共通電極接続
用電極29と共通電極に接続するための電極30が形成
されている。プリント配線板のこれら電極形成部を除く
領域には、レジストが形成されている。このプリント配
線板と共通電極の接続方法としては、個別電極と同様の
ものが使用できる。また、サブストレートの接続方法と
しては、後述するさまざまな方法が用いられる。
【0036】以上説明したように、本実施例によれば、
同一のプリント配線板に、少なくとも、共通電極に接続
する共通電極接続用電極と、サブストレートに接続する
サブストレート接続用電極とを配して同一プリント配線
板上で接続したことに特徴がある。よって、煩雑なワイ
ヤなどを別に設けて接続する必要がなく、取り扱いが容
易で、かつ加工がしやすくなると共に、部品点数も少な
くなるので低コストが図れる。また、サブストレート接
続用電極が少なくとも2箇所配することにより、サブス
トレートと電極接続部との間の抵抗を低減することがで
き、サブストレートをグランドに接続したときに、サブ
ストレート内に生じる電位差が小さくなるためにクロス
トークの更なる低減が実現できる。更に、プリント配線
板の同一面に、共通電極接続用電極及びサブストレート
接続用電極が配されることにより、プリント配線板の低
コスト化が図れる。
【0037】また、サブストレート接続用電極との接続
位置が個別電極の側面又は裏面であることにより、プリ
ント配線板を更に折り曲げる必要がなくなり、組立性の
向上、折り曲げによる断線の防止、組立加工費の低コス
ト化、高信頼化が図れる。また、プリント配線板の略電
極基板の長さ以下に小さくすることができるため、プリ
ント配線板の低コスト化が図れる。更に、共通電極接続
用電極とサブストレート接続用電極とがプリント基配線
板内で共通入力電極に接続されることにより、共通の入
力端子をもってそれぞれで接続できるので入力端子数を
少なくでき、それに伴うコネクタの端子数を少なくでき
る。また、ディンプルが形成でき、圧接することで電気
的接続を行うためのプリント配線板のサイズを小さくで
き、低コスト化が図れる。
【0038】また、プリント配線板上の各電極とサブス
トレート上の各電極とが導電性材料を介して接続される
ことにより、粘度が比較的に自由に選択でき、毛細管力
でプリント配線板とサブストレートの間に充填できるた
めに、所望の接続領域に確実に充填することができ、接
続の信頼性を向上できる。そして、プリント配線板上の
各電極とサブストレート上の各とのプリント配線板上で
の接続部の近傍に導電性材料を流し込む貫通孔を設けた
ことにより、例えばプリント配線板の裏から貫通孔を通
して導電性材料の接着剤を極めて容易に流し込んで電気
的に接続できる。
【0039】次に、本実施例の動作について図1を用い
て説明する。先ず、インク供給管(図示せず)よりイン
ク供給口に供給されたインクは、共通液室18を通って
インク供給チャンネル全域に満たされている。画像情報
に応じて各個別電極19に対して個別に通電を行うと、
振動板16と個別電極19との間で静電気力が発生し、
振動板16が個別電極19側に変位する。次に、通電を
OFFすると、振動板16は元の状態に戻ろうとする。
この時の急激な容積変化によりインクがノズル15より
液滴となって飛翔する。下記駆動条件で、ヘッドユニッ
トを駆動したところ、良好な、高品質の印字画像が得ら
れた。また、駆動しないノズルのメニスカスを観察した
ところ、メニスカス振動がほとんどなく、クロストーク
の発生が見られなかった。
【0040】(駆動条件) 駆動電圧:40V パルス幅:15μsec 連続駆動周波数:10kHz
【0041】なお、本実施例では、全ていわゆるエッジ
シュータ型のヘッドの例を示したが、もちろんサイドシ
ュータ型のヘッドにも適用できる。また、本発明は上記
実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲内の
記載であれば多種の変形や置換可能であることは言うま
でもない。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、振動板の変位によ
りノズルからインク液滴を吐出する液室ユニットと、電
圧印加手段によって電極基板を構成するサブストレート
上に設けられた個別電極と共通電極との間に電圧を印加
して振動板を変位させるアクチュエータユニットとを有
する、本発明に係るインクジェット記録装置によれば、
同一のプリント配線板に、少なくとも、共通電極に接続
する共通電極接続用電極と、サブストレートに接続する
サブストレート接続用電極とを配し、同一プリント配線
板上で接続したことに特徴がある。よって、煩雑なワイ
ヤなどを別に設けて接続する必要がなく、取り扱いが容
易で、かつ加工がしやすくなると共に、部品点数も少な
くなるので低コストが図れる。
【0043】また、サブストレート接続用電極が少なく
とも2箇所配することにより、サブストレートと電極接
続部との間の抵抗を低減することができ、サブストレー
トをグランドに接続したときに、サブストレート内に生
じる電位差が小さくなるためにクロストークの更なる低
減が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るインクジェット記録装
置の記録ヘッドの外観を示す斜視図である。
【図2】図1のA矢視図である。
【図3】図1のB−B’線断面図である。
【図4】個別電極にFPCを接続するときの工程図であ
る。
【図5】本実施例におけるFPCの配線パターンを示す
図である。
【図6】本実施例における位置合わせ時のインクジェッ
トヘッドの斜視図である。
【図7】本実施例における別の位置合わせ時のインクジ
ェットヘッドの斜視図である。
【図8】本実施例の電極基板のサブストレートの接続の
様子を示す図である。
【符号の説明】
1;インクジェットヘッド、11;液室基板、12;振
動板基板、13;電極基板、14;FPC、15;ノズ
ル、16;振動板、17;液室、18;共通液室、1
9;個別電極、20;プリント配線板、21;電極リー
ド、22;接続材料、23;ギャップ、24;サブスト
レート、25;絶縁層、26;圧着ヘッド、27;入力
端子、28;サブストレート接続用電極、29;共通電
極接続用電極、30;個別電極接続用電極、31;貫通
孔、32,33;電極部。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動板の変位によりノズルからインク液
    滴を吐出する液室ユニットと、電圧印加手段によって電
    極基板を構成するサブストレート上に設けられた個別電
    極と共通電極との間に電圧を印加して振動板を変位させ
    るアクチュエータユニットとを有するインクジェット記
    録装置において、 同一のプリント配線板に、少なくとも、前記共通電極に
    接続する共通電極接続用電極と、前記サブストレートに
    接続するサブストレート接続用電極とを配し、同一プリ
    ント配線板上で接続したことを特徴とするインクジェッ
    ト記録装置。
  2. 【請求項2】 前記サブストレート接続用電極が、少な
    くとも2箇所配する請求項1に記載のインクジェット記
    録装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010103793A1 (ja) * 2009-03-10 2010-09-16 シャープ株式会社 インク吐出装置
JP2018158466A (ja) * 2017-03-22 2018-10-11 ブラザー工業株式会社 アクチュエータ装置の製造方法

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