JP2000071448A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JP2000071448A
JP2000071448A JP24794898A JP24794898A JP2000071448A JP 2000071448 A JP2000071448 A JP 2000071448A JP 24794898 A JP24794898 A JP 24794898A JP 24794898 A JP24794898 A JP 24794898A JP 2000071448 A JP2000071448 A JP 2000071448A
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Japan
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ink jet
ink
nozzle
electrode
recording apparatus
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JP24794898A
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Takashi Kimura
隆 木村
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Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/14Structure thereof only for on-demand ink jet heads
    • B41J2/14314Structure of ink jet print heads with electrostatically actuated membrane

Landscapes

  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクがプリント基板と電極との接続部に侵
入し易い。 【解決手段】 インクジェットヘッド1のノズル面13
aの周縁部を覆うノズルカバー14と一体的に個別電極
21とプリント基板26との接続部を押さえる押さえ部
材28を形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインクジェット記録装置
に関し、特にインクジェットヘッドとプリント基板との
接続部を保護するようにしたインクジェット記録装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】プリンタ、ファクシミリ、複写装置等の
画像記録装置として用いるインクジェット記録装置にお
いて使用するインクジェットヘッドは、インク滴を吐出
するノズル孔と、このノズル孔が連通する吐出室(圧力
室、加圧液室、液室、インク流路等とも称される。)
と、この吐出室内のインクを加圧するエネルギーを発生
するエネルギー発生手段とを備えて、エネルギー発生手
段を駆動することで吐出室内インクを加圧してノズル孔
からインク滴を吐出させるものであり、記録の必要なと
きにのみインク滴を吐出するインク・オン・デマンド方
式のものが主流である。そして、インク滴(記録液体)
の発生方法及び飛翔方向を制御するための制御方法によ
り、幾つかの方式に大別される。
【0003】第1の方式は、例えば米国特許第3060
429号明細書に開示されているものである。これは、
Tele type方式と称され、インク滴の発生を静電吸引的
に行い、発生したインク滴を記録信号に応じて電界制御
し、被記録体上にこのインク滴を選択的に付着させて記
録を行うものである。
【0004】より詳細には、ノズルと加速電極間に電界
をかけて、一様に帯電したインク滴をノズルより吐出さ
せ、吐出したインク滴を記録信号に応じて電気制御可能
なように構成されたXY偏向電極間を飛翔させ、電界の
強度変化によって選択的にインク滴を被記録体上に付着
させるものである。
【0005】第2の方式は、例えば米国特許第3596
275号明細書、米国特許第3298030号明細書等
に開示されているものである。これは、Sweet方式と称
され、連続振動発生法により帯電量の制御させたインク
滴を発生させ、この帯電量の制御されたインク滴を、一
様電界がかけられている偏向電極間を飛翔させて、被記
録体上に記録を行わせるものである。
【0006】具体的には、ピエゾ振動素子の付設されて
いる記録ヘッドを構成する一部であるノズルのオリフイ
ス(吐出口)の前に記録信号が印加されるようにした帯電
電極を所定距離離間させて配置し、前記ピエゾ振動素子
に一定周波数の電気信号を印加することでピエゾ振動素
子を機械的に振動させ、オリフィスよりインク滴を吐出
させる。この時、吐出するインク滴には帯電電極により
電荷が静電誘導され、インク滴は記録信号に応じた電荷
量で帯電される。帯電量の制御されたインク滴は、一定
電界が一様にかけられている偏向電極間を飛翔する時
に、付加された帯電量に応じて偏向を受け、記録信号を
担うインク滴のみが被記録体上に付着することになる。
【0007】第3の方式は、例えば米国特許第3416
153号明細書に開示されているものである。これは、
Hertz方式と称され、ノズルとりング状の帯電電極間に
電界をかけ、連続振動発生法によって、インク滴を発生
霧化させて記録する方式である。すなわち、ノズルと帯
電電極間にかける電界強度を記録信号に応じて変調する
ことによりインク滴の霧化状態を制御し、記録画像の階
調性を出して記録させるものである。
【0008】第4の方式は、例えば米国特許第3747
120号明細書に開示されているものである。これは、
Stemme方式と称され、上記第1〜3の方式とは根本的
に原理が異なるものである。すなわち、第1〜3の方式
が、いずれもノズルより吐出されたインク滴を、飛翔し
ている途中で電気的に制御し、記録信号を担ったインク
滴を選択的に被記録体上に付着させて記録を行わせるの
に対し、このStemme方式では、記録信号に応じて吐出
口よりインク滴を吐出飛翔させて記録するものである。
【0009】つまり、Stemme方式は、記録液体を吐出
する吐出口を有する記録ヘッドに付設されているピエゾ
振動素子に、電気的な記録信号を印加してピエゾ振動素
子の機械的振動に変え、この機械的振動に従い吐出口よ
りインク滴を吐出飛翔させて被記録体に付着させるもの
である。
【0010】これらの4方式は、各々に特長を有する
が、同時に、不利な点もある。先ず、第1〜第3の方式
は、インク滴を発生させるための直接的エネルギーが電
気的エネルギーであり、かつ、インク滴の偏向制御も電
界制御による。したがって、第1の方式は、構成上はシ
ンプルであるが、小滴の発生に高電圧を要し、かつ、記
録ヘッドのマルチノズル化が困難で高速記録には不向き
である。
【0011】また、第2の方式は、記録ヘッドのマルチ
ノズル化が可能で高速記録に向くが、構成上複雑であ
り、かつ、インク滴の電気的制御が高度で困難であり、
被記録体上にサテライトドットが生じやすい。第3の方
式は、インク滴を霧化することにより階調性に優れた記
録が可能ではあるが、他方、霧化状態の制御が困難であ
る。また、記録画像にカブリが生じたり、記録ヘッドの
マルチノズル化が困難で高速記録には不向きであるとい
った不利な点がある。
【0012】一方、第4の方式は、比較的多くの利点を
持っている。つまり、まず、構成が簡単であり、また、
オンデマンドでインク滴をノズルより吐出させて記録を
行うために、第1〜第3の方式のように吐出飛翔するイ
ンク滴の、画像記録に要しなかったインク滴を回収する
必要がない。さらに、第1、2の方式のように、導電性
のインクを使用する必要はなく、インクの物質上の選択
自由度が大きい。
【0013】しかしながら、所望の共振周波数を有する
ピエゾ振動素子の小型化が極めて困難である等の理由か
ら、記録ヘッドのマルチノズル化が難しい。また、ピエ
ゾ振動素子の機械的振動という機械的エネルギーによっ
てインク滴の吐出飛翔を行わせるために、上記のマルチ
ノズル化の困難さと相俟って、高速記録には不向きのも
のとなっている。
【0014】そこで、例えば特開昭56−9429号公
報に開示されているように、液室内のインクを加熱して
気泡を発生させて、インクに圧力上昇を生じさせ、微細
な毛細管ノズルからインクを吐出させる方式や特公昭6
1−59914号公報に開示されているように、液体を
所定の方向に吐出させるための吐出口に連通する液路中
の液体の一部を熱して膜沸騰を生起させることにより、
吐出口より吐出される液体の飛翔的液滴を形成し、この
液滴を被記録体に付着させて記録させるものなどがあ
る。
【0015】この方式の記録ヘッドは、特公昭62−5
9672号公報に記載されているように、基板上の所定
位置にインクに液摘発生のためのエネルギーを与えるエ
ネルギー発生手段としての発熱素子、圧電素子等の能動
素子を複数個固定的に設置した後(電極は適宜形成され
る)、基板表面に所定厚さで感光性組成物層を塗布法等
により形成し、通常のフオトリソグラフイー法により、
オリフィス部、作用部、インク供給路部、インク吐出路
部等のインク流路を形成するためのインク流路溝を形成
し、この後、上蓋を接合させて記録ヘッドを製造するよ
うにしている。
【0016】このようにフオトリソ技術を用いることに
より、高密度化が可能となるが、インクの中で発熱体を
高温に発熱させること、さらには気泡を瞬間的に膨張・
消滅させるため、その熱ストレスや、衝撃で発熱体が劣
化しやすく、また、発熱体が直接インクに接触するため
に、使用できるインクの自由度が少ないという欠点があ
る。
【0017】これらの問題点を解決し、しかもフオトリ
ソ技術の使用による高密度化を実現するものとして、特
開平4−52214号公報、特開平3−293141号
公報などに記載されているように、シリコン基板からな
る第1の基板(振動板基板)にエッチングによって液室
とこの液室の一壁面を形成する振動板とを形成し、この
第1の基板の下側に電極を形成した第2の基板(電極基
板)を配置して、振動板に所定ギャップを置いて電極を
対向させ、振動板と電極間に電圧を印加することで、静
電力によって振動板を撓ませて液室の内容積を変化させ
て液室に連通するノズルからインク滴を吐出させる静電
型インクジェットヘッドが知られている。
【0018】この静電型インクジェットヘッドの電極
(個別電極)に駆動波形を印加するための構成として
は、例えば特開平7−246706号公報に記載されて
いるように、インクジェットヘッドの個別電極とプリン
ト板とを異方導電性膜で接続するものが知られている。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】上述したような電極基
板上に振動板基板を設けた静電型インクジェットヘッド
にあっては、電極の取り出しのために電極基板を振動板
基板より大きく形成し、電極基板上の電極を振動板基板
より外側に延設して電極取り出し部とし、この電極取り
出し部にプリント基板と接続するための電極パッドを設
ける必要がある。そのため、個別電極の電極パッドに駆
動波形印加用のプリント基板を接続した状態では、電極
取り出し部とプリント基板との接続部が露出することに
なる。
【0020】特に、振動板の変位方向がインク滴吐出方
向に一致するいわゆるサイドシュータ方式の静電型イン
クジェットヘッドの場合にあっては、電極基板の個別電
極を形成する電極形成面はノズル面と同方向の面にな
り、しかも、ヘッドの小型化に従って電極形成面とノズ
ル面とが近接するので、電極取り出し部とプリント基板
との接続部はノズル面に極めて近接した状態になる。
【0021】ところで、インクジェット記録装置におい
ては、インク滴吐出やノズル面のワイピング、ノズル内
のインクの吸引排出などの信頼性維持動作を行うため
に、この信頼性回復動作によってノズル面に残留したイ
ンクが上述のようにノズル面に近接した電極取り出し部
とプリント基板との接続部に侵入し、インクによって電
極間のリークが発生して吐出不能になったり、誤動作を
するチャンネルが発生することがあり、長期安定性及び
信頼性に欠けることがある。
【0022】また、インクジェットヘッドをキャリッジ
に搭載するシリアル型インクジェット記録装置において
は、インクジェットヘッドにはキャリッジの往復移動に
よる激しい振動が伝わることから、長期間の使用によっ
て、プリント基板が電極取り出し部から剥離して電気的
な接続が得られなくなり、吐出不能になったり、誤動作
することもあり、特に、印写速度の高速化に伴ってイン
クジェットヘッドに伝わる振動も大きくなる傾向にある
ことから、このような問題も顕著になっている。
【0023】なお、上述したような各問題は、アクチュ
エータ手段として振動板に対向配置した電極を有する静
電型インクジェットヘッドに限らず、例えば基板上に積
層型圧電素子を配置したインクジェットヘッドにあって
も、基板上に電気機械変換素子に駆動波形を与えるため
の電極取り出し部(電極パターン)を設けて、この電極
取り出し部とプリント基板とを接続するような場合には
同様に発生するものである。ただし、積層型圧電素子を
用いる場合にはノズル面と電極パターンとが静電型イン
クジェットヘッドに比べて離れているので、前者の問題
は静電型インクジェットヘッドの場合ほど顕著ではな
い。
【0024】本発明は上記の課題に鑑みてなされたもの
であり、低コストで信頼性を向上したインクジェットヘ
ッド記録装置を提供することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、請求項1のインクジェット記録装置は、インク滴を
吐出するノズルと、このノズルが連通する液室と、この
液室の少なくとも一つの壁面を形成する振動板と、この
振動板に対向配置した個別電極とを有し、前記振動板と
個別電極との間に電圧を印加することで前記振動板を静
電力によって変形させて前記ノズルからインク滴を吐出
させるインクジェットヘッドを有し、このインクジェッ
トヘッドの基板上に形成した個別電極の電極取り出し部
にプリント基板を接続したインクジェット記録装置にお
いて、前記インクジェットヘッドの電極取り出し部と前
記プリント基板との接続部を押える押さえ部材を設けた
構成とした。
【0026】請求項2のインクジェット記録装置は、上
記請求項1のインクジェット記録装置において、前記イ
ンクジェットヘッドには前記電極取り出し部と前記プリ
ント基板との複数の接続部があり、前記押さえ部材は複
数の接続部の2以上の接続部を共通して押える部材であ
る構成とした。
【0027】請求項3のインクジェット記録装置は、上
記請求項1又は2のインクジェット記録装置において、
複数のインクジェットへッドを備え、前記押さえ部材は
これら複数のインクジェットヘッドの前記電極取り出し
部と前記プリント基板との2以上の接続部を共通して押
える部材である構成とした。
【0028】請求項4のインクジェット記録装置は、イ
ンク滴を吐出するノズルと、このノズルが連通する液室
と、この液室の少なくとも一つの壁面を形成する振動板
と、この振動板に対向配置した個別電極とを有し、前記
振動板と個別電極との間に電圧を印加することで前記振
動板を静電力によって変形させて前記ノズルからインク
滴を吐出させるインクジェットヘッドを有し、このイン
クジェットヘッドの基板上に形成した個別電極の電極取
り出し部にプリント基板を接続したインクジェット記録
装置において、前記インクジェットヘッドのノズル面の
少なくとも一部を覆うカバー部材に、前記インクジェッ
トヘッドの電極取り出し部と前記プリント基板との接続
部を押える押さえ部材を一体的に設けた構成とした。
【0029】請求項5のインクジェット記録装置は、上
記請求項4のインクジェット記録装置において、前記イ
ンクジェットヘッドには前記電極取り出し部と前記プリ
ント基板との複数の接続部があり、前記カバー部材には
複数の接続部の2以上の接続部を共通して押える押さえ
部材を一体的に設けた構成とした。
【0030】請求項6のインクジェット記録装置は、上
記請求項4又は5のインクジェット記録装置において、
複数のインクジェットヘッドを備え、この複数のインク
ジェットヘッドの内の2以上のインクジェットヘッドの
ノズル面の少なくとも一部を覆う1つの前記カバー部材
を設け、このカバー部材に前記2以上のインクジェット
ヘッドの前記電極と前記プリント基板との接続部を共通
して押える押さえ部材を一体的に設けた構成とした。
【0031】請求項7のインクジェット記録装置は、イ
ンク滴を吐出するノズルと、このノズルが連通する液室
と、この液室の少なくとも一つの壁面を形成する振動板
と、この振動板に対向配置した個別電極とを有し、前記
振動板と個別電極との間に電圧を印加することで前記振
動板を静電力によって変形させて前記ノズルからインク
滴を吐出させるインクジェットヘッドを有し、このイン
クジェットヘッドの個別電極の電極取り出し部にプリン
ト基板を接続したインクジェット記録装置において、前
記個別電極と前記プリント基板とをワイヤボンディング
法で接続し、このワイヤボンディングのワイヤの高さを
前記インクジェットヘッドのノズル面より低くした構成
とした。
【0032】請求項8のインクジェット記録装置は、イ
ンク滴を吐出するノズルと、このノズルが連通する液室
と、この液室内容積を変化させて前記ノズルからインク
滴を吐出させるアクチュエータ手段とを備えたインクジ
ェットヘッドを有し、このインクジェットヘッドのアク
チュエータ手段の電極取り出し部にプリント基板を接続
したインクジェット記録装置において、前記インクジェ
ットヘッドのノズル面の一部を覆うカバー部材に前記イ
ンクジェットヘッドの電極取り出し部と前記プリント基
板との接続部を覆って押える押さえ部材を一体的に設け
た構成とした。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て添付図面を参照して説明する。図1は本発明の第1実
施形態に係るインクジェット記録装置のヘッド部の斜視
図、図2は同ヘッド部のインクジェットヘッドのカバー
部材を取り外した状態の斜視図、図3は同インクジェッ
トヘッドの斜視図、図4は図1のA−Aに沿う要部拡大
断面図、図5は図2のB−B線に沿う要部拡大断面図で
ある。
【0034】インクジェットヘッド1は、図3乃至図5
に示すように、振動板基板10と、この振動板基板10
の上側に設けた液室基板11と、振動板基板10の下側
に設けた電極基板12と、液室基板11の上側に設けた
ノズルプレート13と、ノズルプレート13のノズル面
13aの周縁部分を覆うカバー部材であるノズルカバー
14とを備え、複数のノズル15、各ノズル15が連通
する液室16などを形成している。
【0035】振動板基板10には、液室16及びこの液
室16の底部をなし、第1の電極で共通電極となる振動
板18を形成する凹部17と、各液室16にインクを供
給する図示しない共通インク室、共通インク室と液室1
6とを連通する図示しない流体抵抗部などを形成する凹
部、溝等を形成している。この振動板基板10は、SU
S基板などの金属基板、シリコン基板等をエッチングす
ることで所望の微細な液室パターンを形成したものであ
る。この振動板基板10上に液室16に対応する貫通穴
19等を形成した液室基板11を接合している。
【0036】電極基板12には凹部20を形成して、こ
の凹部20の底面に振動板18に所定(ここでは、1μ
mとしている。)のギャップを置いて対抗する第2の電
極となる個別電極21を形成し、この個別電極21と振
動板18によって、振動板18を変位させて液室16の
内容積を変化させるアクチュエータ部を構成している。
この電極基板12の個別電極21上には短絡、放電によ
って個別電極21が破損するのを防止するためのSiO2
などの絶縁層22を成膜し、また、個別電極21は振動
板基板10より外側に延設してプリント基板と接続する
ための電極取り出し部21aとしている。
【0037】この基板電極12は、SUSなどの金属
や、ガラス、Si等をエッチングして凹部20を形成
し、この凹部20にNi、A1、Ti/Pt、Cuなどの電
極材料を、スパッタ、CVD、蒸着などの成膜技術で所
望の厚さに成膜し、その後、フォトレジストを形成して
エッチングすることにより、凹部20にのみ個別電極2
1を形成したものである。
【0038】ノズルプレート13は、NiやSUSなど
の金属板、ガラス、或いは樹脂などで形成し、エッチン
グやニッケルのエレクトロフォーミング法などの周知の
方法で作製することができる。ノズルプレート13のノ
ズル面(吐出方向の表面)13aには、インクとの撥水
性を確保するため、メッキ被膜、あるいは撥水剤コーテ
ィングなどの周知の方法で撥水膜を形成している。
【0039】これらの振動板基板10、液室基板11、
電極基板12及びノズルプレート13は、接着剤や陽極
接合などの直接接合法によって接合している。
【0040】このインクジェットヘッド1は、振動板1
8と個別電極21との間に駆動電圧を印加することによ
って静電力によって振動板18が変形して、液室16の
内容積(体積)が変化することによって、ノズル15か
らインク滴が吐出される。
【0041】そこで、このインクジェットヘッド1の個
別電極21の端部(電極取り出し部21a)には、図4
に示すように電極パッド25を設け、同図及び図2に示
すように、この個別電極21の電極パッド25に、個別
電極21に駆動波形を与えるために外部回路(駆動IC
等)に接続したフレキシブルプリントケーブル(FP
C)からなるプリント基板26の電極リード27を接続
している。
【0042】このプリント基板26は、ガラスエポキシ
樹脂やフェノール樹脂等からなる板状のプリント基板
や、ポリイミド樹脂、PET樹脂等からなるフィルム状
のプリント基板を用いることができ、このプリント基板
上に個別電極21に電圧を印加するための電極リード2
7を形成したものである。
【0043】プリント基板26上の電極リード27と個
別電極21の電極パッド25を電気的に接続する方法と
しては、例えば、半田を熱圧着する方法、異方導電性接
着剤で熱圧着する方法、電極間同士を圧接する方法、ワ
イヤボンディングで接続する方法、バンプで接続する方
法などがある。これらの中でも、半田や異方導電性接着
剤、圧接などの方法を用いることで、複数の電極間同士
の接続を一度に行うことができ、接続作業が効率的で、
低コスト化を図れる。
【0044】ノズルカバー14は、ノズルプレート13
のノズル面13aの周縁部を覆うと共にノズル面13a
のノズル15を開口する開口部14aを形成すると共
に、その一部を折り曲げることで、少なくともプリント
基板26と個別電極21の電極パッド25との接続部を
押さえる押さえ部材28を一体に形成している。
【0045】以上のように構成したインクジェットヘッ
ド1においては、振動板18と個別電極21との間に駆
動電圧を印加することによって静電力によって振動板1
8が変形して、液室16内容積が変化することによっ
て、ノズル15からインク滴が吐出される。
【0046】そして、この場合、インク滴吐出、ノズル
面13aのインクを拭き取るワイピング動作、ノズル1
5からインクを吸引排出する回復動作などが行われるこ
とで、ノズルプレート13のノズル面13aから個別電
極21とプリント基板26との接続部方向にインクが垂
れたときでも、ノズルカバー14と一体の押さえ部材2
8が個別電極21の露出部やプリント基板26との接触
部を覆っているので、インクが隣接する個別電極21,
21間を短絡したり、個別電極21とプリント基板26
との接続部に侵入することを防止でき、インク滴の吐出
不良や誤吐出を防止することができる。
【0047】また、インクジェットヘッド1をキャリッ
ジに搭載したシリアル型インクジェット記録装置に適用
した場合、キャリッジの往復移動による振動によって、
個別電極21とプリント基板26との接続部が剥離する
ことを防止でき、インク滴の吐出不良や誤吐出を防止す
ることができる。
【0048】すなわち、上述したインクジェットヘッド
1のように電極基板12上に振動板基板10を配設した
構成にあっては、電極基板12の個別電極21を外部に
接続するために、電極基板12を振動板基板10より大
きく形成して、電極パッド部25(電極取り出し部21
a)を振動板基板12より外方に付設した構成とする必
要がある。したがって、電極パッド25にプリント基板
26を接続しただけの状態では、図2に示すように、個
別電極21とプリント基板26との接続部が外部にむき
出しの状態になる。
【0049】特に、インク滴の噴射方向が振動板面と垂
直方向である、いわゆるサイドシュータ型インクジェツ
トヘッドの場合、この個別電極21の露出部(プリント
基板26との接続部)は、ノズル面と同方向になり、し
かもヘッドの小型化のために、電極取り出し部21aは
ノズル面13aと近接した状態となる。そのため、イン
ク滴吐出や、ノズル面13aのワイピング、ノズル15
内インクの吸引排出などの信頼性を維持するための動作
により、インクが個別電極21とプリント基板26との
接続部に入り込み、水性インクの場合、導電性を有して
いるため、入り込んだインクによって隣接する個別電極
21がリークしたり、プリント基板26の電極リード2
7が電気的に誤った個別電極21に接続されて、吐出不
良や誤吐出が生じる。
【0050】また、インクジェットヘッド1をキャリッ
ジに搭載するシリアル型インクジェット記録装置の場
合、インクジェットヘッド1にはキャリッジの往復移動
による激しい振動が伝わり、長期使用によって、プリン
ト基板26が個別電極21から剥離して電気的な接続が
得られなくなり、吐出不能になることもあり、特に印写
速度の高速化に伴ってインクジェットヘッドに伝わる振
動も大きくなる傾向にある。
【0051】そこで、ノズルカバー14と一体形成した
押さえ部材28で個別電極21の露出部やプリント基板
26との接続部を押えて覆うことによって、これらの部
位にインクが侵入することを防止でき、また、個別電極
21とプリント基板26との接続部の剥離を防止できる
のである。しかも、ノズルカバー14と押さえ部材28
とを一体的に形成することで、低コスト化を図ることが
できる。
【0052】ここで、インクジェットヘッドの具体的な
構成について説明する。ここで採用したインクジェット
ヘッドは、インク液室6の幅は0.2mm、奥行き2.
0mm、ピッチを0.28mmとした。Si基板をエッ
チングして厚さ10μmの振動板18を形成した板厚
0.2mmの振動板基板10と、パイレックスガラス基
板に0.5μmの溝(凹部20、ギャップとなる)の底
部に、Niの個別電極21を幅0.2mm、ピッチ0.
28mmで形成し、更に個別電極21上に1000Åの
SiO2の絶縁層22を形成した電極基板12とを接着剤
で接合し、振動板基板10の上に、板厚150μmの液
室基板11、板厚30μmのノズルプレート13とを順
次接着剤で接合して、静電型インクジェットヘッドを作
製した。このヘッドのノズルピッチは0.28mm、ノ
ズル数は64チャンネルである。
【0053】そして、個別電極21には、異方導電性フ
ィルム(株式会社スリーボンド製3370C:商品名)
により、FPC(プリント基板)26の電極リード27
を接着し、FPC26、異方導電性フィルムを介して、
個別電極21に駆動電圧を供給できるようにした。そし
て、ノズルカバー14をノズルプレート13のノズル面
に接合した。また、このインクジェットヘッドのインク
液室16に連通したインク供給口を通して、インクタン
クからインクが供給できるようにした。
【0054】次に、このようにして形成された記録ヘッ
ドチップは、例えば次のような方法でインク飛翔記録ヘ
ッドユニットとして完成する。このインク飛翔記録ヘッ
ドユニットは、インク供給管(インク供給手段)に接続
された中空のインク供給室を有して形成されたマニホー
ルドをベース材として構成し、マニホールドの頂部には
記録ヘッドチップを固定し、インク供給管から供給され
たインクをインク供給室を通して、マニホールドの頂部
に導き、記録ヘッドチップの端に設けたインク供給口か
ら記録ヘッドチップの共通インク室に供給し、その後
は、各インク供給チャンネルの毛管現象により、各エネ
ルギー作用部まで運ばれる。さらに、記録ヘッドチップ
は周囲を覆い、枠状の保持部材により押え固定される。
【0055】そして、このインクジェットヘッドにおい
ては、インク供給管よりインク供給口に供給されたイン
クが共通インク室を通ってインク供給チャンネル全域に
満たされている状態で、画像情報に応じて各個別電極に
対して個別に駆動電圧を与えることで、個別電極と振動
板との間で静電気力が発生し、振動板が個別電極側に変
位する。この状態から、通電をオフすると、振動板は元
の状態に戻ろうとし、この時の急激な容積変化により、
インクがノズルより液滴となって飛翔する。
【0056】このインク飛翔記録ヘッドチップを用い
て、次の具体的構成、条件で印写実験を行った。 振動板サイズ :200μm×2mm 振動板の配列密度 :90dpi(=ノズルの配列密度) 振動板の数 :32個×2列=64個(ノズルの数) 駆動電圧 :120V パルス幅 :30μsec 連続駆動周波数 :2kHz(ベタ印写時) ノズルカバーの材質:SUS
【0057】印写実験では、全チャンネル駆動のべタ印
字を行い、約lmm離れたところに設けた紙面上への印
写の可否を評価した。このとき、キャリッジの速度は、
用紙との相対的な速度で200mm/sで移動させた。
駆動回数は、1チャンネル当たり、109回であり、そ
の間に105回毎にゴムブレードでノズル面を数回ワイ
ピングした。その結果、109回連続駆動させた後にも
良好な印写結果が得られた。
【0058】その後、ノズルカバー14を外し、個別電
極21とプリント基板26との接続部を観察したとこ
ろ、プリント基板26の電極リード27の剥離は見られ
ず、テスターによる導通チェックでは、すべてのビット
で導通が確保されていることが確認された。
【0059】次に、本発明の第2実施形態について図6
乃至図8を参照して説明する。なお、図6は本発明の第
2実施形態に係るインクジェット記録装置のヘッド部の
斜視図、図7は同ヘッド部のインクジェットヘッドのカ
バー部材を取り外した状態の斜視図、図8は同インクジ
ェットヘッドの斜視図である。なお、図1乃至図5と対
応する部分には同一符号を用いて説明を省略する(以下
の実施形態についても同様。)
【0060】このインクジェットヘッド31は、ノズル
プレート13にノズル15を2列千鳥状に配列してノズ
ル密度を高くしたものであり、これに対応して振動板基
板10、液室基板11には液室16、振動板18を、電
極基板13には個別電極21を、それぞれ2列配列して
設けている。
【0061】そして、電極基板12上の各列の個別電極
21を左右に引き出して、それぞれにプリント基板26
を接続している。すなわち、このインクジェットヘッド
31では1つの電極基板13上に電極取り出し部21a
を両側2箇所に設けた構成となっている。
【0062】このインクジェットヘッド31は、図6に
示すように、ヘッドホルダ(台座)32上に組み付け
て、両側の個別電極21とプリント基板26との接続部
を覆ってプリント基板26を個別電極21側に押さえる
共通の押さえ部材33で押さえ付けている。
【0063】このようにインクジェットヘッドに個別電
極の電極取り出し部とプリント基板との接続部が複数あ
る場合、すなわち、個別電極とプリント基板との接続部
が複数に分割された接続領域からなるときに、少なくと
も2以上の接続領域を1つの共通の押さえ部材で押さえ
ることによって、それぞれ別個の押さえ部材を設けて押
さえ場合に比べて、部品点数が少なくてすみ、押さえる
ための工程も少なくてすむので、低コスト化を図れる。
【0064】なお、押さえ部材33の形状としては、図
9(a)に示すように四角形状のもの、或いは同図
(b)に示すように略コ字形状のものなどを用いること
ができる。
【0065】次に、本発明の第3実施形態について図1
0を参照して説明する。なお、同図は第3実施形態に係
るインクジェット記録装置のヘッド部の斜視図である。
この実施形態においては、インクジェットヘッド31の
ノズルプレート13のノズル面13aの周縁部を覆うカ
バー部材であるノズルカバー44を設けている。
【0066】このノズルカバー44にはノズル面13a
を覆わないように開口部44aを形成すると共に、イン
クジェットヘッド31の両側に個別電極21とプリント
基板26との接続部があるので、これら両側の接続部を
それぞれ覆ってプリント基板26を個別電極21側に押
さえる共通の押さえ部材28、28を一体に形成してい
る。したがって、ノズルカバー44をインクジェットヘ
ッド31のノズル面13aに装着することによって、イ
ンクジェットヘッドの31の両側2箇所の個別電極21
とプリント基板26との接続部を押さえ部材28、28
で覆って押えることができる。
【0067】このように、インクジェットヘッドに個別
電極の電極取り出し部とプリント基板との接続部が複数
ある場合、すなわち、個別電極とプリント基板との接続
部が複数に分割された接続領域からなるときに、少なく
とも2以上の接続領域を1つの共通の押さえ部材で押さ
えることによって、それぞれ別個の押さえ部材を設けて
押さえ場合に比べて、部品点数が少なくてすみ、押さえ
るための工程も少なくてすむので、低コスト化を図れる
上、ノズル面のノズルを除く少なくとも一部分を覆うカ
バー部材を設けて、このカバー部材に個別電極とプリン
ト基板との接続部を押さえる押さえ部材を一体的に形成
することで、ノズル面の保護と電極接続部の保護を1つ
の部材で兼ねることができ、更に低コスト化を図れる。
【0068】次に、本発明の第4実施形態について図1
1を参照して説明する。なお、同図は第4実施形態に係
るインクジェット記録装置のヘッド部の斜視図である。
このインクジェット記録装置は、イエロー(Y)、マゼ
ンタ(M)、シアン(C)の3色のインク滴を各々吐出
する3個のインクジェットヘッド31(各色毎に符号を
「31Y」、「31M」、「31C」で表記する。)を
備えてカラー画像を記録できるようにしたものである。
【0069】そして、これらの3個のインクジェットヘ
ッド31Y、31M、31Cのそれぞれの個別電極21
とプリント基板26とのすべての接続部を押さえる共通
の押さえ部材51を備えている。この押さえ部材51
は、各インクジェットヘッド31Y、31M、31Cに
対応する窓部51y、51m、51cを穿設している。
したがって、1つの押さえ部材51を装着することでイ
ンクジェットヘッド31Y、31M、31Cのそれぞれ
の個別電極21とプリント基板26とのすべての接続部
を押さえることができる。
【0070】このように複数のインクジェットヘッドを
備えて、複数のインクジェットヘッドの各個別電極とプ
リント基板との接続部を押さえる共通の押さえ部材を設
けることによって、個々のインクジェットヘッド毎に押
さえ部材を設ける場合に比べて、部品点数が少なくて済
み、低コスト化を図ることができる。
【0071】なお、カラーインクジェット記録装置とし
ては、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)
の3色にブラック(Bk)を加えた4色のヘッド、更に
は、高画質化を目的として、これらに薄いY、薄いM、
薄いC色を加えた7色のヘッドを用いるものなどがある
が、いずれの場合にも同様に適用することができる。
【0072】また、共通の押さえ部材で接続部を押さえ
る2以上のインクジェットヘッドとしては、搭載してい
る複数のすべてのインクジェットヘッドの接続部であっ
てもよく、或いは、その一部の2以上のインクジェット
ヘッド、例えばY、M、C、Bkの4個のインクジェッ
トヘッドを搭載する場合、Y、M、Cの3個のヘッドの
み共通の押さえ部材を設け、Bkヘッドについては個別
の押さえ部材を設けるようにすることもできる。
【0073】次に、本発明の第5実施形態について図1
2を参照して説明する。なお、同図は第5実施形態に係
るインクジェット記録装置のヘッド部の斜視図である。
このインクジェット記録装置においても、イエロー
(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の3色のインク
滴を各々吐出する3個のインクジェットヘッド31Y、
31M、31Cを備えている。
【0074】そして、この実施形態では、これらの各イ
ンクジェットヘッド31Y、31M、31Cの各ノズル
面13aの周縁部を覆う1つのカバー部材52を設け、
このカバー部材52にこれらの3個のインクジェットヘ
ッド31Y、31M、31Cのそれぞれの個別電極21
とプリント基板26との接続部を押さえる押さえ部材5
3を複数設けている。
【0075】したがって、1つのカバー部材52を装着
することでインクジェットヘッド31Y、31M、31
Cのそれぞれのノズル面13aを保護することができる
とともに、各インクジェットヘッド31Y、31M、3
1Cの個別電極21とプリント基板26とのすべての接
続部を押さえることができる。
【0076】このように複数のインクジェットヘッドを
備えて、複数のインクジェットヘッドの各ノズル面の一
部を覆う共通のカバー部材を設けて、このカバー部材に
各個別電極とプリント基板との接続部を押さえる押さえ
部材を一体的に設けることによって、個々のインクジェ
ットヘッド毎にカバー部材を設け、押さえ部材を設ける
場合に比べて、部品点数が極めて少なくて済み、低コス
ト化を図ることができる。
【0077】次に、本発明の第6実施形態について図1
3及び図14を参照して説明する。なお、図13は第6
実施形態に係るインクジェット記録装置のヘッド部の斜
視図、図14はその要部断面図である。このインクジェ
ット記録装置においては、インクジェットヘッド31を
プリント基板であるPCB基板61上に固定し、インク
ジェットヘッド31の電極基板12の個別電極21の電
極パッドとPCB基板61の電極パターン62の電極パ
ッドとを、超音波ボンダーやボールボンダーによって、
細い金属線(AlやAu)のワイヤ63によってワイヤボ
ンディングで接続している。
【0078】なお、プリント基板としては、PCB基板
のように硬い基板でもよいし、FPCのようにフレキシ
ブルな基板でもよい。また、ワイヤボンディングをした
後に、ワイヤ63部は樹脂により封止している。これ
は、ワイヤ63が接触により断線すること、あるいは変
形して、他のワイヤ63と接触してしまうのを防止する
ためである。
【0079】そして、ここでは、ワイヤボンディングの
ワイヤ63の最も高い部分の高さを、ノズル面13aよ
り低くしている。これにより、印字時に、用紙とワイヤ
63又はその封止剤とが接触することがなく、ワイヤの
断線、隣接ワイヤ同士の接触による隣接電極の短絡など
が発生することを防止できる。
【0080】なお、上記各実施形態においては本発明を
静電型インクジェットヘッドを搭載するインクジェット
記録装置に適用した例で説明したが、アクチュエータ部
(例えば、積層型圧電素子などの電気機械変換素子、発
熱抵抗体等の電気熱変換素子を用いるもの)よりもこの
アクチュエータ部に駆動波形を与えるための電極の取り
出し部を形成した基板が大きく、電極を外部に露出させ
てプリント基板と接続するインクジェットヘッドを搭載
するいかなるインクジェット記録装置にも適用すること
ができ、この場合、ノズル面のノズルを除く少なくとも
一部分を覆うカバー部材を設け、このカバー部材と一体
的にアクチュエータ手段の電極取り出し部とプリント基
板との接続部を押さえる押さえ手段を設けた構成を採用
する。
【0081】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1のインク
ジェット記録装置によれば、静電型インクジェットヘッ
ドを備えたインクジェット記録装置において、インクジ
ェットヘッドの電極取り出し部とプリント基板との接続
部を押さえる押さえ部材を設けたので、低コストで信頼
性を向上することができる。
【0082】請求項2のインクジェット記録装置によれ
ば、上記請求項1のインクジェット記録装置において、
インクジェットヘッドには電極取り出し部とプリント基
板との複数の接続部があり、押さえ部材は複数の接続部
の2以上の接続部を共通して押える部材である構成とし
たので、部品点数が少なく、組み付け作業が容易で、更
に低コストで信頼性を向上することができる。
【0083】請求項3のインクジェット記録装置によれ
ば、上記請求項1又は2のインクジェット記録装置にお
いて、複数のインクジェットへッドを備え、押さえ部材
はこれら複数のインクジェットヘッドの電極取り出し部
とプリント基板との2以上の接続部を共通して押える部
材である構成としたので、低コストで、特にカラーイン
クジェット記録装置の信頼性を向上することができる。
【0084】請求項4のインクジェット記録装置によれ
ば、静電型インクジェットヘッドを備えたインクジェッ
ト記録装置において、インクジェットヘッドのノズル面
の少なくとも一部を覆うカバー部材に、インクジェット
ヘッドの電極取り出し部とプリント基板との接続部を押
える押さえ部材を一体的に設けた構成としたので、簡単
な構成でノズル面保護と電極の接続部の保護を行うこと
ができ、低コストで信頼性を向上することができる。
【0085】請求項5のインクジェット記録装置によれ
ば、上記請求項4のインクジェット記録装置において、
インクジェットヘッドには電極取り出し部とプリント基
板との複数の接続部があり、カバー部材には複数の接続
部の2以上の接続部を共通して押える押さえ部材を一体
的に設けた構成としたので、部品点数が少なく、組み付
け作業が容易で、更に低コストで信頼性を向上すること
ができる。
【0086】請求項6のインクジェット記録装置によれ
ば、上記請求項4又は5のインクジェット記録装置にお
いて、複数のインクジェットヘッドを備え、この複数の
インクジェットヘッドの内の2以上のインクジェットヘ
ッドのノズル面の少なくとも一部を覆う1つのカバー部
材を設け、このカバー部材に2以上のインクジェットヘ
ッドの電極とプリント基板との接続部を共通して押える
押さえ部材を一体的に設けた構成としたので、低コスト
で、特にカラーインクジェット記録装置の信頼性を向上
することができる。
【0087】請求項7のインクジェット記録装置によれ
ば、静電型インクジェットヘッドを備えたインクジェッ
ト記録装置において、個別電極とプリント基板とをワイ
ヤボンディング法で接続し、このワイヤボンディングの
ワイヤの高さをインクジェットヘッドのノズル面より低
くした構成としたので、低コストで信頼性を向上するこ
とができる。
【0088】請求項8のインクジェット記録装置によれ
ば、インク滴を吐出するノズルと、このノズルが連通す
る液室と、この液室内容積を変化させてノズルからイン
ク滴と吐出させるアクチュエータ手段とを備えたインク
ジェットヘッドを有し、このインクジェットヘッドのア
クチュエータ手段の電極取り出し部にプリント基板を接
続したインクジェット記録装置において、インクジェッ
トヘッドのノズル面の一部を覆うカバー部材にインクジ
ェットヘッドの電極取り出し部とプリント基板との接続
部を覆って押える押さえ部材を一体的に設けた構成とし
たので、低コストで信頼性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るインクジェット記
録装置のヘッド部の斜視図
【図2】同ヘッド部のインクジェットヘッドのカバー部
材を取り外した状態の斜視図
【図3】同インクジェットヘッドの斜視図
【図4】図1のA−Aに沿う要部拡大断面図
【図5】図2のB−B線に沿う要部拡大断面図
【図6】本発明の第2実施形態に係るインクジェット記
録装置のヘッド部の斜視図
【図7】同ヘッド部のインクジェットヘッドのカバー部
材を取り外した状態の斜視図
【図8】同インクジェットヘッドの斜視図
【図9】同第2実施形態の押さえ部材の異なる例を示す
平面図
【図10】本発明の第3実施形態に係るインクジェット
記録装置のヘッド部の斜視図
【図11】本発明の第4実施形態に係るインクジェット
記録装置のヘッド部の斜視図
【図12】本発明の第5実施形態に係るインクジェット
記録装置のヘッド部の斜視図
【図13】本発明の第6実施形態に係るインクジェット
記録装置のヘッド部の斜視図
【図14】図13の要部断面図
【符号の説明】
1、31、41…インクジェットヘッド、10…振動板
基板、11…液室基板、12…電極基板、13…ノズル
プレート、13a…ノズル面、14、44…ノズルカバ
ー、15…ノズル、21…個別電極、21a…電極取り
出し部、25…電極パッド、26…プリント基板、2
8、51、53…押さえ部材、61…PCB基板、63
…ワイヤ。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク滴を吐出するノズルと、このノズ
    ルが連通する液室と、この液室の少なくとも一つの壁面
    を形成する振動板と、この振動板に対向配置した個別電
    極とを有し、前記振動板と個別電極との間に電圧を印加
    することで前記振動板を静電力によって変形させて前記
    ノズルからインク滴を吐出させるインクジェットヘッド
    を有し、このインクジェットヘッドの基板上に形成した
    個別電極の電極取り出し部にプリント基板を接続したイ
    ンクジェット記録装置において、前記インクジェットヘ
    ッドの電極取り出し部と前記プリント基板との接続部を
    押える押さえ部材を設けたことを特徴とするインクジェ
    ット記録装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のインクジェット記録装
    置において、前記インクジェットヘッドには前記電極取
    り出し部と前記プリント基板との複数の接続部があり、
    前記押さえ部材は複数の接続部の2以上の接続部を共通
    して押える部材であることを特徴とするインクジェット
    記録装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のインクジェット
    記録装置において、複数のインクジェットへッドを備
    え、前記押さえ部材はこれら複数のインクジェットヘッ
    ドの前記電極取り出し部と前記プリント基板との2以上
    の接続部を共通して押える部材であることを特徴とする
    インクジェット記録装置。
  4. 【請求項4】 インク滴を吐出するノズルと、このノズ
    ルが連通する液室と、この液室の少なくとも一つの壁面
    を形成する振動板と、この振動板に対向配置した個別電
    極とを有し、前記振動板と個別電極との間に電圧を印加
    することで前記振動板を静電力によって変形させて前記
    ノズルからインク滴を吐出させるインクジェットヘッド
    を有し、このインクジェットヘッドの基板上に形成した
    個別電極の電極取り出し部にプリント基板を接続したイ
    ンクジェット記録装置において、前記インクジェットヘ
    ッドのノズル面の少なくとも一部を覆うカバー部材に、
    前記インクジェットヘッドの電極取り出し部と前記プリ
    ント基板との接続部を押える押さえ部材を一体的に設け
    たことを特徴とするインクジェット記録装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載のインクジェット記録装
    置において、前記インクジェットヘッドには前記電極取
    り出し部と前記プリント基板との複数の接続部があり、
    前記カバー部材には複数の接続部の2以上の接続部を共
    通して押える押さえ部材を一体的に設けたことを特徴と
    するインクジェット記録装置。
  6. 【請求項6】 請求項4又は5に記載のインクジェット
    記録装置において、複数のインクジェットヘッドを備
    え、この複数のインクジェットヘッドの内の2以上のイ
    ンクジェットヘッドのノズル面の少なくとも一部を覆う
    1つの前記カバー部材を設け、このカバー部材に前記2
    以上のインクジェットヘッドの前記電極と前記プリント
    基板との接続部を共通して押える押さえ部材を一体的に
    設けたことを特徴とするインクジェット記録装置。
  7. 【請求項7】 インク滴を吐出するノズルと、このノズ
    ルが連通する液室と、この液室の少なくとも一つの壁面
    を形成する振動板と、この振動板に対向配置した個別電
    極とを有し、前記振動板と個別電極との間に電圧を印加
    することで前記振動板を静電力によって変形させて前記
    ノズルからインク滴を吐出させるインクジェットヘッド
    を有し、このインクジェットヘッドの個別電極の電極取
    り出し部にプリント基板を接続したインクジェット記録
    装置において、前記個別電極とプリント基板とをワイヤ
    ボンディング法で接続し、このワイヤボンディングのワ
    イヤの高さを前記インクジェットヘッドのノズル面より
    低くしたことを特徴とするインクジェット記録装置。
  8. 【請求項8】 インク滴を吐出するノズルと、このノズ
    ルが連通する液室と、この液室内容積を変化させて前記
    ノズルからインク滴を吐出させるアクチュエータ手段と
    を備えたインクジェットヘッドを有し、このインクジェ
    ットヘッドのアクチュエータ手段の電極取り出し部にプ
    リント基板を接続したインクジェット記録装置におい
    て、前記インクジェットヘッドのノズル面の一部を覆う
    カバー部材に前記インクジェットヘッドの電極取り出し
    部と前記プリント基板との接続部を覆って押える押さえ
    部材を一体的に設けたことを特徴とするインクジェット
    記録装置。
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