JP7207942B2 - 液体吐出ヘッド - Google Patents
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Description
(記録装置)
本実施形態に係る記録装置について、図1を用いて説明する。図1は、本発明に係る液体吐出ヘッド3を搭載した記録装置1000を示す概略図である。記録装置1000は、液体吐出ヘッド3に加えて、非記録動作時に液体吐出ヘッド3の吐出口面を覆うキャップ部材1022や吐出口面をクリーニングするワイプ機構1023を備える。また記録装置1000は、CMYKのインクごとに対応した単色用の液体吐出ヘッド3を4つ並列配置させることで被記録媒体2へフルカラー記録を行う。本実施形態においては、1色あたりに使用できる吐出口列数は20列となっている。このため、記録データを複数の吐出口列に適宜振り分けて記録を行うことで、非常に高速な記録が可能となる。更には、インクの固着等によりインクを吐出することができなくなった吐出口があったとしても、その吐出口に対して被記録媒体2の搬送方向に対応する位置にある、他列の吐出口から補間的にインクの吐出をすることができる。これにより記録物の信頼性が向上するため、本実施形態は商業印刷などに好適である。液体吐出ヘッド3はキャリッジ(不図示)により図1中のY方向へ移動可能であり、ワイプ機構1023による液体吐出ヘッドの回復動作や、キャップ部材1022による液体吐出ヘッドの保管をすることができる。
記録装置1000の循環系について、図2を参照しながら説明する。図2は、本実施形態の記録装置1000に適用される循環経路を示す模式図である。負圧制御ユニット230を構成する2つの圧力調整機構が共に、負圧制御ユニット230よりも上流側の圧力を、所望の設定圧を中心として一定範囲内の変動で制御する機構(所謂「背圧レギュレーター」と同作用の機構部品)である。第2循環ポンプ1004が負圧制御ユニット230の下流側を減圧する負圧源として作用する。また、第1循環ポンプ(高圧側)1001及び第1循環ポンプ(低圧側)1002が液体吐出ヘッド上流側に配置され、負圧制御ユニット230が液体吐出ヘッド下流側に配置されている。
液体吐出ヘッド3の構成について、図3及び図4を参照しながら説明する。図3(a)及び図3(b)は本実施形態に係る液体吐出ヘッド3の斜視図である。図4は液体吐出ヘッド3の分解図であり、液体吐出ヘッド3を構成する各部品またはユニットがその機能毎に分割されて表示されている。液体吐出ヘッド3は、液体吐出ヘッド3の長手方向に直線状に配列される16個の記録素子基板10を備えたインクジェット式のページワイド型記録ヘッドである。図3においては記録素子基板10を直線状に配置された液体吐出ヘッド3を図示しているが、本発明は記録素子基板10を千鳥状に配置した液体吐出ヘッドであってもよい。液体吐出ヘッド3は、プレート状の電気配線基板90(図4)と電気的に接続された信号入力端子91と電力供給端子92を備える。信号入力端子91及び電力供給端子92は記録装置1000(図1)の制御部と電気的に接続され、それぞれ吐出駆動信号及び吐出に必要な電力を、電気配線部材12を介して記録素子基板10に供給する。電気配線部材12は例えばフレキシブル配線である。電気配線基板90内の電気回路によって配線を集約することで、信号入力端子91及び電力供給端子92の数を記録素子基板10の数に比べて少なくできる。これにより、記録装置1000に対して液体吐出ヘッド3を組み付けるとき又は液体吐出ヘッド3の交換時に取り外しが必要な電気接続部数が少なくて済む。
記録素子基板10及び電気配線部材12から成る吐出モジュール200について、図5を参照しながら説明する。図5(a)は、1つの吐出モジュール200の斜視図を、図5(b)はその分解図をそれぞれ示す。なお、それぞれの図は吐出口1(図6)が形成されている面の裏面側から吐出モジュール200を見た際のものである。記録素子基板10の複数の吐出口列方向に沿った両辺部(記録素子基板10の各長辺部)に複数の裏面電極16がそれぞれ配置され、それに電気接続される電気配線部材12も、1つの記録素子基板10に対して2つ配置される。これは記録素子基板10に設けられる吐出口列数が20列あり、それに伴って配線数が多くなっているためである。
記録素子基板10について、図6を参照しながら説明する。図6は、記録素子基板10の拡大図である。図6に示すように、吐出口1から液体を吐出するために必要な圧力を液体に付与する圧力発生素子15が、各吐出口1に対応した位置にそれぞれ設けられている。圧力発生素子15は、例えば、液体を加熱する発熱素子であるヒータである。液体を加熱することにより液体中に気泡を発生させ、その発泡圧力により液体が吐出される。隔壁22により、エネルギー発生素子15を内部に備える圧力室23が区画されている。圧力発生素子15は記録素子基板10に設けられる電気配線(不図示)によって、図5(b)の裏面電極16と電気的に接続されている。液体は個別供給口17から圧力室23内を通り、個別回収口18へと流れる。
本実施形態におけるカバー部材について、図7を参照しながら説明する。図7(a)はカバー部材11の斜視図、図7(b)は複数の吐出モジュール200が配列された構造体に対してカバー部材11を接合した状態を、記録素子基板10の裏面側から見た際の概略図である。電気配線部材12は説明を簡略化するために、一部の記録素子基板10にのみ設けた例を示している。
本発明の特徴部である表面電極周りの構成について、図8を参照しながら説明する。図8は液体吐出ユニット300(図3)の一部の断面の拡大図である。なお説明のため、第2流路部材20及び第2シール部材21は省略して図示している。記録素子基板10はシリコンから成るシリコン基板4と、吐出口1を形成する吐出口形成層28及び吐出口1に液体を供給する流路形成層29から成る吐出口形成部材27と、から主に構成されている。
本発明に係る第2の実施形態について、図9を参照しながら説明する。図9は第2の実施形態に係る液体吐出ユニット300(図3)の一部の断面の拡大図である。なお、第1の実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、説明を省略する。本実施形態の特徴部は、表面電極26を封止する部材が封止部材43(図8)ではなく、吐出口形成部材27を構成する流路形成層29であることである。流路形成層29は絶縁性を有しており、隣接する表面電極26同士の間を絶縁することができる。流路形成層29が表面電極26を覆っていることにより、液体が表面電極に到達するには流路形成層29の端部を回り込む必要があるため、液体が表面電極に接触することをさらに抑制することができる。
本発明に係る第3の実施形態について、図10を参照しながら説明する。図10は第3の実施形態に係る液体吐出ユニット300(図3)の一部の断面の拡大図である。なお、第1の実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、説明を省略する。本実施形態の特徴部は、表面電極26を封止する封止部材43上に、吐出口形成部材27を構成する吐出口形成層28が形成されていることである。第1の実施形態として示した図8においては、吐出口形成層28は表面電極26上には形成されていない。一方、本実施形態においては図10に示すように、封止部材43を介して表面電極26を覆うように吐出口形成層28が表面電極26の上方に張り出して形成されている。このような構成により、インクが表面電極26に到達するには張り出した吐出口形成層28の端部を回り込む必要があるため、インクが表面電極26に到達することをさらに抑制することができる。
本発明に係る第4の実施形態について、図11を参照しながら説明する。図11は第4の実施形態に係る液体吐出ユニット300(図3)の一部の断面の拡大図である。なお、第1の実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、説明を省略する。本実施形態の特徴部は、表面電極26が吐出口形成部材27、すなわち吐出口形成層28及び流路形成層29の両方の部材に覆われて封止されていることである。吐出口形成部材27を構成する吐出口形成層28及び流路形成層29は共に絶縁性を有しており、隣接する表面電極26の間を絶縁することができる。
4 シリコン基板
10 記録素子基板
11 カバー部材
15 圧力発生素子
26 表面電極
27 吐出口形成部材
90 電気配線基板
210 流路部材
Claims (10)
- 液体を吐出する吐出口を有する吐出口形成部材と、前記液体を吐出するため前記液体を加圧する圧力発生素子を有する基板と、を備える記録素子基板と、
前記吐出口を露出させるための開口部を備え、前記記録素子基板の前記吐出口が形成される側に配されるカバー部材と、
を有する液体吐出ヘッドにおいて、
前記記録素子基板は、前記基板の前記吐出口形成部材が形成される側の面に配置される電極と、該電極を覆う絶縁部材と、をさらに有し、
前記吐出口形成部材は、前記吐出口を形成する吐出口形成層と、前記吐出口に前記液体を供給するための流路を形成する流路形成層と、を有し、前記絶縁部材は前記流路形成層であり、
前記絶縁部材は前記カバー部材で覆われていることを特徴とする液体吐出ヘッド。 - 液体を吐出する吐出口を有する吐出口形成部材と、前記液体を吐出するため前記液体を加圧する圧力発生素子を有する基板と、を備える記録素子基板と、
前記吐出口を露出させるための開口部を備え、前記記録素子基板の前記吐出口が形成される側に配されるカバー部材と、
を有する液体吐出ヘッドにおいて、
前記記録素子基板は、前記基板の前記吐出口形成部材が形成される側の面に配置される電極と、該電極を覆う絶縁部材と、をさらに有し、
前記基板の前記吐出口形成部材が形成される側の面の裏面側には裏面電極が形成されており、前記電極は前記裏面電極と電気的に接続されており、
前記絶縁部材は前記カバー部材で覆われていることを特徴とする液体吐出ヘッド。 - 前記絶縁部材は、樹脂による封止部材であることを特徴とする請求項2に記載の液体吐出ヘッド。
- 前記カバー部材には電気配線部材が設けられており、前記裏面電極と前記電気配線部材とはワイヤにより電気的に接続されていることを特徴とする請求項2に記載の液体吐出ヘッド。
- 前記吐出口形成部材が配される側から見て、前記裏面電極は前記カバー部材と重なる位置に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の液体吐出ヘッド。
- 前記圧力発生素子は、前記液体を加熱するためのヒータであることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
- 複数の前記記録素子基板が液体吐出ヘッドの長手方向に直線状に配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
- 複数の前記記録素子基板が液体吐出ヘッドの長手方向に千鳥状に配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
- 複数の前記記録素子基板が配列されるページワイド型の液体吐出ヘッドであることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
- 前記記録素子基板は、前記圧力発生素子と前記吐出口との間の領域である圧力室に前記液体を供給するための供給口と、前記吐出口から吐出されなかった前記液体を前記圧力室から回収するための回収口を備え、前記圧力室と該圧力室の外部との間で前記液体が循環することを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
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