JP4251190B2 - 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液体を噴射する液体噴射ヘッド及び液体噴射装置に関し、特に、液体としてインクを吐出するインクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置に関する。
ノズル開口に連通する圧力発生室の一部を振動板で構成し、この振動板を圧電素子により変形させて圧力発生室のインクを加圧してノズル開口からインク滴を吐出させるインクジェット式記録ヘッドには、下電極、圧電体層及び上電極からなる圧電素子のたわみ変形を用いたものが実用化されている。
このようなインクジェット式記録ヘッドとしては、駆動振動子(本願の圧電素子)を駆動信号が供給されて変形する駆動振動子と、駆動信号が供給されないダミー振動子とで構成し、駆動振動子の個別電極にフィルム状の配線基板を電気的に接続したものがある(例えば、特許文献1参照)。そして、これらの各圧電素子の上電極と配線基板の配線層とは、配線層上に設けられた半田を加熱することで電気的に接続される。
しかしながら、一般的に、圧電素子の上電極と配線基板の配線層とを半田を介して接続する際に、半田の融点を下げて酸化物の生成を防止するフラックスが用いられるが、このフラックスは、半田の設けられた配線基板側に塗布されるため、上電極と配線層との接続時に余分なフラックスが圧電素子側に流れ出し、互いに隣接する圧電素子の間でリーク電流やマイグレーションが発生してしまい圧電素子の変位特性が低下してしまうという問題や、耐湿性の低下が発生してしまうという問題がある。特に、並設された圧電素子の並設方向の両端部側の圧電素子に変位低下が発生すると、均一なインク吐出特性が得られないという問題がある。
なお、このような問題は、インクを吐出するインクジェット式記録ヘッドだけではなく、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドにおいても同様に存在する。
特開2003−291337号公報(第4〜5頁、第4図)
本発明はこのような事情に鑑み、圧電素子の変位低下を防止して均一な液体噴射特性を得ると共に、圧電素子の耐湿性の低下を防止した液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、液体を噴射するノズル開口に連通する複数の圧力発生室と、下電極、圧電体層及び上電極からなり且つ各圧力発生室に相対向する領域に設けられた圧電素子と、前記上電極に電気的に接続されて前記圧電素子に電気を供給する配線層が設けられたフィルム状の配線基板とを具備し、前記圧電素子が、駆動信号が供給されて前記圧力発生室の液体に圧力変動を生じさせる駆動用圧電素子と、並設された前記駆動用圧電素子の列の両端部側に設けられて駆動信号が供給されず実質的に駆動しない非駆動用圧電素子とを具備し、前記配線基板の前記配線層が、各駆動用圧電素子に接続される駆動用配線層と、前記非駆動圧電素子に接続される非駆動用配線層とを具備することを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる第1の態様では、非駆動用配線層を設けることによって、配線層と各圧電素子とを接続する際に使用するフラックスが駆動用圧電素子側に流れ出るのを防止することができ、互いに隣接する圧電素子の間でフラックスによるリーク電流及びマイグレーションの発生を防止することができると共にフラックスによる圧電素子の耐湿性の低下を防止することができる。特に、並設された駆動用圧電素子の両端部側の駆動用圧電素子のリーク電流及びマイグレーションを防止して、変位低下を防止することができ、複数の駆動用圧電素子に亘って均一な液体噴射特性を得ることができる。
本発明の第2の態様は、前記配線基板には、前記下電極に接続される共通用配線層が設けられていると共に、前記非駆動配線層が、前記共通用配線層とは不連続で独立して設けられていることを特徴とする第1の態様の液体噴射ヘッドにある。
かかる第2の態様では、非駆動配線層が共通用配線層とは不連続で独立して設けられることで、余分なフラックスが駆動配線層側に流れ出たとしても、共通用配線層と駆動配線層との間でリーク電流及びマイグレーションが発生するのを確実に防止できる。
本発明の第3の態様は、前記非駆動圧電素子が、前記圧電素子の列方向一端部にそれぞれ2つ以上形成されていると共に、前記共通用配線層が、前記圧電素子の列方向外側の前記非駆動圧電素子に相対向する領域に設けられていることを特徴とする第1又は2の態様の液体噴射ヘッドにある。
かかる第3の態様では、共通用配線層を各圧電素子に相対向する領域の外側に向かって広げて設ける必要がなくなり、配線基板の小型化及び液体噴射ヘッドの小型化を図ることができる。
本発明の第4の態様は、前記配線層と、前記上電極とが、フラックスを用いた半田を介して接続されていることを特徴とする第1〜3の何れかの態様の液体噴射ヘッドにある。
かかる第4の態様では、配線層と上電極とを半田を介して容易に且つ確実に接続することができると共に、フラックスの駆動用圧電素子側への流れ出しを防止することができる。
本発明の第5の態様は、前記圧電素子の各層がグリーンシート貼付又は印刷により形成されたものであることを特徴とする第1〜4の何れかの態様の液体噴射ヘッドにある。
かかる第5の態様では、ヘッドを容易に且つ低コストで製造できる。
本発明の第6の態様は、前記圧電素子が並設された列が2列設けられていると共に、前記配線基板が、前記圧電素子の列に亘って設けられていることを特徴とする第1〜5の何れかの態様の液体噴射ヘッドにある。
かかる第6の態様では、2列の圧電素子に対して、1つの配線基板が接続されることで、部品点数を減らしてコストを低減することができる。
本発明の第7の態様は、第1〜6の何れかの態様の液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置にある。
かかる第7の態様では、耐湿性を向上して液体噴射特性を均一化した液体噴射装置を実現できる。
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係るインクジェット式記録ヘッドの分解斜視図であり、図2はインクジェット式記録ヘッドの平面図であり、図3は、図2のA−A′断面図である。
図示するように、本実施形態のインクジェット式記録ヘッド10は、複数個、例えば、4つのアクチュエータユニット20と、これら4つのアクチュエータユニット20が固定される1つの流路ユニット30と、アクチュエータユニット20に接続されるフィルム状の配線基板50とで構成されている。
アクチュエータユニット20は、圧電素子40を具備するアクチュエータ装置であり、圧力発生室21が形成された流路形成基板22と、流路形成基板22の一方面側に設けられた振動板23と、流路形成基板22の他方面側に設けられた圧力発生室底板24とを有する。
流路形成基板22は、例えば、150μm程度の厚みを有するアルミナ(Al)や、ジルコニア(ZrO)などのセラミックス板からなり、本実施形態では、複数の圧力発生室21がその幅方向に沿って並設された列が2列形成されている。そして、この流路形成基板22の一方面に、例えば、厚さ10μmのジルコニアの薄板からなる振動板23が固定され、圧力発生室21の一方面はこの振動板23により封止されている。
圧力発生室底板24は、流路形成基板22の他方面側に固定されて圧力発生室21の他方面を封止すると共に、圧力発生室21の長手方向一方の端部近傍に設けられて圧力発生室21と後述するリザーバとを連通する供給連通孔25と、圧力発生室21の長手方向他方の端部近傍に設けられて後述するノズル開口34に連通するノズル連通孔26とを有する。
そして、圧電素子40は、振動板23上の各圧力発生室21に対向する領域のそれぞれに設けられ、例えば、本実施形態では、圧力発生室21の列が2列設けられているため、圧電素子40の列も2列設けられている。そして、圧電素子40の各列の両端部分には、実質的にインクを吐出させない非駆動用圧電素子42が設けられている。すなわち、図2に示すように、振動板23上にはインクを吐出させるための複数の駆動用圧電素子41の列と、駆動用圧電素子41の各列の両端外側には、実質的にインクを吐出させない非駆動用圧電素子42が少なくとも1つ、本実施形態では2つ設けられている。
ここで、各圧電素子40は、振動板23上に設けられた下電極膜43と、各圧力発生室21毎に独立して設けられた圧電体層44と、各圧電体層44上に設けられた上電極膜45とで構成されている。圧電体層44は、圧電材料からなるグリーンシートを貼付することや、印刷することで形成されている。また、下電極膜43は、並設された圧電体層44に亘って設けられて各圧電素子40の共通電極となっており、振動板の一部として機能する。勿論、下電極膜43を各圧電体層44毎に設けるようにしてもよい。
なお、アクチュエータユニット20の各層である流路形成基板22、振動板23及び圧力発生室底板24は、粘土状のセラミックス材料、いわゆるグリーンシートを所定の厚さに成形して、例えば、圧力発生室21等を穿設後、積層して焼成することにより接着剤を必要とすることなく一体化される。そして、その後、振動板23上に圧電素子40が形成される。
一方、流路ユニット30は、アクチュエータユニット20の圧力発生室底板24に接合されるインク供給口形成基板31と、複数の圧力発生室21の共通インク室となるリザーバ32が形成されるリザーバ形成基板33と、ノズル開口34が形成されたノズルプレート35とからなる。
インク供給口形成基板31は、厚さ150μmのジルコニアの薄板からなり、ノズル開口34と圧力発生室21とを接続するノズル連通孔36と、前述の供給連通孔25と共にリザーバ32と圧力発生室21とを接続するインク供給口37を穿設して構成され、また、各リザーバ32と連通し、外部のインクタンクからのインクを供給するインク導入口38が設けられている。
リザーバ形成基板33は、インク流路を構成するに適した、例えば、150μmのステンレス鋼などの耐食性を備えた板材に、外部のインクタンク(図示なし)からインクの供給を受けて圧力発生室21にインクを供給するリザーバ32と、圧力発生室21とノズル開口34とを連通するノズル連通孔39とを有する。
ノズルプレート35は、例えば、ステンレス鋼からなる薄板に、圧力発生室21と同一の配列ピッチでノズル開口34が穿設されて形成されている。例えば、本実施形態では、流路ユニット30には、圧力発生室21の列が2列設けられているため、ノズルプレート35にも、ノズル開口34の列が2列形成されている。また、このノズルプレート35は、リザーバ形成基板33の流路形成基板22の反対面に接合されてリザーバ32の一方面を封止している。
このような流路ユニット30は、これらインク供給口形成基板31、リザーバ形成基板33及びノズルプレート35を、接着剤や熱溶着フィルム等によって固定することで形成される。なお、本実施形態では、リザーバ形成基板33及びノズルプレート35をステンレス鋼によって形成しているが、例えば、セラミックスを用いて形成し、アクチュエータユニット20と同様に流路ユニット30を一体的に形成することもできる。
そして、このような流路ユニット30とアクチュエータユニット20とは、接着剤や熱溶着フィルムを介して接合されて固定されている。
また、図2及び図3に示すように、各圧電素子40の長手方向一端部の圧力発生室21の周壁に相対向する領域には、上電極膜45に接続された金(Au)等からなる個別接続端子46が設けられている。この個別接続端子46は、駆動用圧電素子41及び非駆動用圧電素子42の全ての圧電素子40毎に設けられている。また、図2に示すように、並設された圧電素子40の列間の圧電素子40の列の両端外側には、下電極膜43に接続された金(Au)からなる共通接続端子47が設けられている。そして、圧電素子40の各上電極膜45及び下電極膜43に設けられた個別接続端子46及び共通接続端子47には、フィルム状の配線基板50に設けられた配線層51が電気的に接続されており、この配線基板50を介して駆動回路(図示なし)からの駆動信号が各圧電素子40に供給される。
配線基板50は、2列の圧電素子40に亘って1つ設けられた、例えば、フレキシブルプリンティングサーキット(FPC)や、テープキャリアパッケージ(TCP)などからなる。詳しくは、配線基板50は、例えば、ポリイミド等のベースフィルム52の表面に銅薄等で所定のパターンの配線層51を形成し、配線層51の圧電素子40と接続される端子部以外の領域をレジスト等の絶縁材料53で覆ったものである。
ここで、配線基板50の配線層51について詳細に説明する。なお、図4は、本実施形態の配線基板を示す写真であり、図4(a)及び(b)は、それぞれ並設された圧電素子の端部側を示す写真であり、図5は、従来例の配線基板を示す写真であり、図6は、本実施形態及び従来例の接合後の要部を拡大した写真である。
図4に示すように、配線基板50の配線層51は、各駆動用圧電素子41の個別接続端子46に接続される櫛歯状に設けられた個別用配線層54と、共通接続端子47に接続されると共に個別用配線層54の周囲に亘って設けられた共通用配線層55とを具備する。
個別用配線層54は、駆動用圧電素子41の個別接続端子46に相対向する領域に設けられて、駆動用圧電素子41の個別接続端子46に電気的に接続される駆動用配線層56と、2つの非駆動用圧電素子42の内、駆動用圧電素子41側の非駆動用圧電素子42の個別接続端子に相対向する領域に設けられて、非駆動用圧電素子42の個別接続端子46に接続される非駆動用配線層57とを具備する。
駆動用配線層56は、半導体集積回路等の駆動回路と駆動用圧電素子41とを接続して、駆動用圧電素子41に駆動回路からの駆動信号を供給するためのものである。また、非駆動用配線層57は、駆動回路とは接続されておらず、駆動用配線層56及び共通用配線層55とは不連続で独立して設けられたものであり、非駆動用配線層57は、非駆動用圧電素子42に駆動回路からの駆動信号が供給されないようにしている。
また、共通用配線層55は、圧電素子40の共通電極である下電極膜43上に設けられた共通接続端子47に電気的に接続されるように設けられている。また、共通用配線層55は、2つの非駆動用圧電素子42の内、外側の非駆動用圧電素子42の個別接続端子46に相対向する領域に設けられており、外側の非駆動用圧電素子42の個別接続端子46に電気的に接続されるようになっている。
そして、配線基板50の駆動用配線層56及び非駆動用配線層57からなる個別用配線層54と共通用配線層55とで構成される配線層51と、アクチュエータユニット20の個別接続端子46及び共通接続端子47とは半田を介して電気的に接続されている(図3参照)。
ここで、配線基板50の配線層51とアクチュエータユニット20の個別接続端子46及び共通接続端子47との接続は、配線基板50の配線層51上に半田からなる半田層(図示なし)を形成し、半田層上に半田の融点を下げて酸化物の生成を防止するフラックスを塗布した後、配線基板50を各接続端子46、47に所定の圧力で当接させた状態で、半田層を加熱することで行われる。
このとき、配線基板50の配線層51に、非駆動用圧電素子42に接続される非駆動用配線層57及び共通用配線層55を設けることによって、図6(a)に示すように、半田を加熱した際に余分なフラックスが駆動用圧電素子41側に流れ出るのを防止して、互いに隣接する駆動用圧電素子41の間でリーク電流やマイグレーションが発生するのを防止して、駆動用圧電素子41の変位低下を防止することができると共に耐湿性の低下を防止することができる。特に、並設された駆動用圧電素子41の両端部側の駆動用圧電素子41の変位低下を防止して、複数の駆動用圧電素子41の間で均一なインク吐出特性を得ることができる。
すなわち、従来の配線基板のように、配線層に非駆動用圧電素子に接続される非駆動用配線層及び共通用配線層を設けない場合、具体的には、図5に示すように、従来の配線層150に、駆動用圧電素子41の個別接続端子46に接続される駆動用配線層156(個別用配線層154)と、共通接続端子47に接続される共通用配線層155とからなる配線層151を設けた場合、図6(b)に示すように、非駆動用圧電素子42に相対向する領域に塗布されたフラックスAが、加熱されることによって非駆動用圧電素子42に隣接する駆動用圧電素子41側に流出してしまう。このように駆動用圧電素子41側に流れ出たフラックスAによって、互いに隣接する駆動用圧電素子41の間でリーク電流やマイグレーションが発生し、駆動用圧電素子41の変位低下が発生してしまうと共に、駆動用圧電素子41の耐湿性が低下してしまう。特に、並設された駆動用圧電素子41の両端部側の駆動用圧電素子41の変位が低下してしまうと、複数の駆動用圧電素子41の間で均一なインク吐出特性が得られない。
以上説明したように、本実施形態では、非駆動用圧電素子に相対向する領域に非駆動用配線層を設けるようにしたため、余分なフラックスが駆動用圧電素子側に流れ出るのを防止して、互いに隣接する駆動用圧電素子の間でリーク電流やマイグレーションが発生するのを防止して、駆動用圧電素子の変位低下を防止することができると共に耐湿性の低下を防止することができる。特に、並設された駆動用圧電素子の両端部側の駆動用圧電素子の変位低下を防止して、複数の駆動用圧電素子の間で均一なインク吐出特性を得ることができる。
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態1を説明したが、本発明の基本的構成は上述したものに限定されるものではない。上述した実施形態1では、2つの非駆動用圧電素子42の内、内側(駆動用圧電素子41側)の非駆動用圧電素子42の個別接続端子46に相対向する領域に非駆動用配線層57を設け、外側の非駆動用圧電素子42の個別接続端子46に相対向する領域に配線基板50の共通用配線層55を設けるようにしたが、特にこれに限定されず、2つの非駆動用圧電素子42の個別接続端子46に相対向する領域に、非駆動用配線層57を設けるようにしてもよい。この場合、共通用配線層55が、非駆動用配線層57とは不連続となるようにするには、共通用配線層を配線基板50の外周側に移動する必要がある。
また、上述した実施形態1では、駆動用圧電素子41の列の両端部側にそれぞれ非駆動用圧電素子42を2つ設けるようにしたが、非駆動用圧電素子42の数は特にこれに限定されるものではない。
さらに、上述した実施形態1では、圧電素子40を圧力発生室21の周壁に相対向する領域まで延設し、延設した圧電素子40の長手方向一端部に上電極膜45に接続された個別接続端子46を設けるようにしたが、特にこれに限定されず、例えば、圧電素子を圧力発生室21に相対向する領域に設け、圧電素子の上電極膜から圧力発生室21の周壁に相対向する領域まで引き出した引き出し配線を形成するようにしてもよい。このような場合であっても、上述した実施形態1と同様に、非駆動用配線層57を設けることによって、フラックスの圧電素子側への流れ出しを防止することができ、フラックスの流れ出しによる圧電素子の変位低下を防止して均一なインク吐出特性を得ると共に、圧電素子の耐湿性の低下を防止することができる。
また、これら各実施形態のインクジェット式記録ヘッドは、インクカートリッジ等と連通するインク流路を具備する記録ヘッドユニットの一部を構成して、インクジェット式記録装置に搭載される。図7は、そのインクジェット式記録装置の一例を示す概略図である。
図7に示すように、インクジェット式記録ヘッドを有する記録ヘッドユニット1A及び1Bは、インク供給手段を構成するカートリッジ2A及び2Bが着脱可能に設けられ、この記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられている。この記録ヘッドユニット1A及び1Bは、例えば、それぞれブラックインク組成物及びカラーインク組成物を吐出するものとしている。
そして、駆動モータ6の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリッジ3に伝達されることで、記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿って移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ軸5に沿ってプラテン8が設けられており、図示しない給紙ローラなどにより給紙された紙等の記録媒体である記録シートSがプラテン8に巻き掛けられて搬送されるようになっている。
なお、上述した実施形態1においては、液体噴射ヘッドの一例としてインクジェット式記録ヘッドを挙げて説明したが、本発明は、広く液体噴射ヘッド全般を対象としたものであり、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドの製造方法にも勿論適用することができる。その他の液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンタ等の画像記録装置に用いられる各種の記録ヘッド、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレー、FED(面発光ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等が挙げられる。
実施形態1に係るインクジェット式記録ヘッドの分解斜視図である。 実施形態1に係るインクジェット式記録ヘッドの平面図である。 実施形態1に係るインクジェット式記録ヘッドの断面図である。 実施形態1に係る配線基板を示す写真である。 従来例の配線基板を示す写真である。 実施形態1及び従来例の配線基板の接合状態を示す写真である。 本発明の一実施形態に係るインクジェット式記録装置の概略図である。
符号の説明
A フラックス、 10 インクジェット式記録ヘッド、 20 アクチュエータユニット、 21 圧力発生室、 22 流路形成基板、 23 振動板、 24 圧力発生室低板、 30 流路ユニット、 31 インク供給口形成基板、 32 リザーバ、 33 リザーバ形成基板、 34 ノズル開口、 35 ノズルプレート、 40 圧電素子、 41 駆動用圧電素子、 42 非駆動用圧電素子、 43 下圧電体層、 44 圧電体層、 45 共通下電極、 46 個別接続端子、 47 共通接続端子、 50 配線基板、 51 配線層、 52 ベースフィルム、 53 絶縁材料、 54 個別用配線層、 55 共通用配線層、 56 駆動用配線層、 57 非駆動用配線層

Claims (7)

  1. 複数のノズル開口に連通する複数の圧力発生室と、
    共通電極圧電体層と個別電極とを有し、各前記圧力発生室と相対向する領域に設けられた圧電素子と、
    圧電素子に電気を供給する配線層が設けられた配線基板と、を具備した液体噴射ヘッドであって、
    前記圧電素子、駆動信号が供給されて前記圧力発生室の液体に圧力変動を生じさせる駆動用圧電素子と、駆動信号が供給されず実質的に駆動しない非駆動用圧電素子と、をし、
    前記配線基板は、前記共通電極に接続される共通用配線層と、前記駆動用圧電素子の個別電極に接続される駆動用配線層と、前記非駆動用圧電素子の個別電極に接続され、前記共通用配線層と前記駆動用配線層との間に設けられた非駆動用配線層と、を有し、前記共通電極と前記駆動用配線層と前記非駆動用配線層とはそれぞれ独立して設けられていることを特徴とする液体噴射ヘッド。
  2. 前記非駆動用圧電素子が、並設された前記駆動用圧電素子の列の端部に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射ヘッド。
  3. 前記非駆動用圧電素子が、前記駆動用圧電素子の列の端部に2つ以上形成されていると共に、前記共通用配線層が、前記圧電素子の並設方向外側の前記非駆動圧電素子相対向する領域に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の液体噴射ヘッド。
  4. 前記配線層と前記個別電極とが、フラックスを用いた半田を介して接続されていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の液体噴射ヘッド。
  5. 前記圧電素子の各層がグリーンシート貼付又は印刷により形成されたものであることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の液体噴射ヘッド。
  6. 前記圧電素子が並設された列が2列設けられていると共に、前記配線基板が、前記圧電素子の列に亘って設けられていることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の液体噴射ヘッド。
  7. 請求項1〜6の何れかに記載の液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置。
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