JP2003080713A - 液体吐出ヘッド、ヘッドカートリッジおよび液体吐出ヘッドの製造方法 - Google Patents

液体吐出ヘッド、ヘッドカートリッジおよび液体吐出ヘッドの製造方法

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JP2003080713A
JP2003080713A JP2001280401A JP2001280401A JP2003080713A JP 2003080713 A JP2003080713 A JP 2003080713A JP 2001280401 A JP2001280401 A JP 2001280401A JP 2001280401 A JP2001280401 A JP 2001280401A JP 2003080713 A JP2003080713 A JP 2003080713A
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liquid
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Hiroyuki Kigami
博之 木上
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱膨張によって、素子基板に損傷や破損が生
じることを確実に防止し、素子基板に生じる反りを低減
することを可能とし、液滴の吐出動作の信頼性を向上す
る。 【解決手段】 第1のプレート18の主面上に、各素子
基板13,14が当接されて第1のプレート18に対す
る各素子基板13,14の厚み方向の位置を位置決めす
る位置決め部37が設けられる。そして、各素子基板1
3,14と第1のプレート18は、位置決め部37とは
異なる、素子基板13,14と所定の間隔をもつ部分に
付着されている弾性を有する接着剤39によって接合さ
れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばインク滴等
の液滴を吐出させて記録媒体に記録を行う液体吐出ヘッ
ド、この液体吐出ヘッドを備えるヘッドカートリッジお
よび液体吐出ヘッドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば用紙やフィルム等の記録媒
体に対してインク吐出口からインク滴を吐出することに
より、文字や画像等の情報を記録するインクジェット記
録方式が適用されたインクジェット記録装置が知られて
いる。この種のインクジェット記録装置は、一般に、イ
ンク吐出口からインク滴を吐出する記録ヘッドと、この
記録ヘッドにインクを供給するインク供給系とを備えて
構成されている。
【0003】上述したインクジェット記録装置は、いわ
ゆるノンインパクト記録方式の記録装置であり、高速な
記録や、種々の記録媒体に対する記録が可能であるとと
もに、記録時における騒音がほとんど発生しないという
利点があるため、プリンタ、ワードプロセッサ、ファク
シミリ、複写機等の記録機構を担う記録装置として広く
採用されている。
【0004】インクジェット記録装置を用いた記録方法
のうちで代表的なものとしては、電気熱変換素子を用い
た記録方法がある。この記録方法は、インク吐出口近傍
に位置して設けられた発泡室内に、電気熱変換素子を配
設して、この電気熱変換素子に記録信号となる電気パル
スを印加することにより、インクに熱エネルギを与え
て、このときのインクの相変化によって生じるインクの
発泡(沸騰)の圧力を利用して微小なインク吐出口から
インク滴を吐出させて、インク滴によって記録媒体に記
録を行う記録方法である。
【0005】なお、上述したインクの吐出方式において
は、電気熱変換素子が配列された素子基板の主面に対し
て平行にインクを吐出させるエッジシュータ方式と、電
気熱変換素子が配列された素子基板の主面に対して垂直
にインクを吐出させるサイドシュータ方式が知られてい
る。
【0006】このようなインクジェット記録に用いられ
る従来の記録ヘッドとしては、例えば図17(a)およ
び図17(b)に示すように、電気熱変換素子(図示せ
ず)が設けられた素子基板101と、インク吐出口10
4が設けられたオリフィス形成部材102と、素子基板
101を支持するプレート103とを備えて構成されて
いるものがある。
【0007】この従来の記録ヘッドにおいては、素子基
板101の主面上に、オリフィス形成部材102が形成
されており、このオリフィス形成部材102のインク吐
出口104に対応する位置に電気熱変換素子が設けら
れ、また、素子基板101に、インク流路を介して電気
熱変換素子側にインクを供給するためのインク供給口1
05が設けられている。
【0008】また、プレート103に、素子基板101
のインク供給口105に対応する位置に、インク供給口
105にインクを供給するためのインク供給用の開口部
106が設けられている。そして、素子基板101とプ
レート103は、接着剤108を介して接合されて、イ
ンク供給口105とインク供給用の開口部106が連通
されている。
【0009】以上のように構成される従来の記録ヘッド
の製造方法としては、例えば特願2000−27022
6号に開示されているように、電気熱変換素子が設けら
れた素子基板101をプレート103に対して位置決め
して接合する製造方法が提案されている。以下にこの製
造方法を詳しく説明する。
【0010】まず、図18(a)、図18(b)および
図18(c)に示すように、接着剤108が付着された
転写ピン111を、プレート103のインク供給用の開
口部106の周縁部に当接させることにより、プレート
103上に紫外線・熱併用硬化型の接着剤108を転写
して塗布する。
【0011】つぎに、図19(a)に示すように、素子
基板101とプレート103との間に、CCDカメラ1
12によって検出された位置情報に基づいて、保持フィ
ンガー113によって負圧で吸着されて保持された素子
基板101を、プレート103に対して所定の位置に位
置決めする。図19(b)に示すように、位置決めされ
た素子基板101をプレート103に対して押圧するこ
とにより、素子基板101とプレート103との間に付
着された接着剤108の厚みが3μm〜5μm程度にな
るように押し潰して互いに張り合わせる。そして、図1
9(c)および図19(d)に示すように、素子基板1
01とプレート103との間の接着剤108に対して紫
外線照射ノズル114から紫外線を照射することによ
り、接着剤108を硬化させて、素子基板101をプレ
ート103に接合して固定する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、記録
速度を高速化する要求に伴って、記録ヘッドは、より多
数のインク吐出口を設けるために、素子基板のノズル列
の長手方向に対応する素子基板の長手方向の長さが、
0.5インチから1インチに長くされ、更にそれ以上に
延長されつつある。
【0013】しかし、記録ヘッドは、素子基板の一側辺
の長さが延長されることに従って、熱膨張による悪影響
が大きくなっている。
【0014】すなわち、記録ヘッドは、製造工程におけ
る加熱や、記録時に電気熱変換素子によって発生された
熱によって、素子基板およびプレートがそれぞれ熱膨張
する。このため、素子基板の線膨張率とプレートの線膨
張率との差ができるだけ小さいことが好ましい。しか
し、一般に、素子基板は、線膨張率が極めて低い材料で
あるSiによって形成されているのに対して、プレート
は、製造コストや部品形状による制約によって、Siと
同等の線膨張率の材料で形成することが困難である。
【0015】このため、例えば図20(a)に示すよう
な記録ヘッドとして、線膨張が比較的小さい素子基板1
01と、線膨張が比較的大きいプレート103とを上述
したように接合した場合、この記録ヘッドの温度が上が
ると線膨張率の差によって、素子基板とプレートとの特
に素子基板101の長手方向への伸長率の差に伴い、素
子基板101に応力がかかる。このため、上述したよう
に素子基板の長手方向の長さを長くした場合には、素子
基板101上のノズル部分等に損傷が生じることにより
記録不良を発生したり、図20(b)に示すように素子
基板に亀裂等が生じて破損してしまったり、素子基板に
損傷や亀裂が生じなくても図20(c)に示すように素
子基板の長手方向に大きな反りが生じてこの反りによっ
て記録媒体に対して吐出されたインク滴の着弾精度に悪
影響が及ぼされて、記録品質が低下したりする問題があ
った。
【0016】そこで、本発明は、熱膨張によって、素子
基板に損傷が生じたり破損したりすることを確実に防止
するとともに素子基板に生じる反りを低減することを可
能として、液滴の吐出動作の信頼性を向上することがで
きる液体吐出ヘッド、ヘッドカートリッジおよび液体吐
出ヘッドの製造方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ため、本発明に係る液体吐出ヘッドは、液滴を吐出させ
るためのエネルギを発生する複数の吐出エネルギ発生素
子と、この吐出エネルギ発生素子側に液体を供給するた
めの供給口とを有する素子基板と、素子基板の供給口に
連通される開口部を有して素子基板を支持する支持部材
と、を備え、支持部材の主面上に、素子基板が当接され
て支持部材に対して素子基板の厚み方向の位置を位置決
めする位置決め部が設けられており、支持部材が、位置
決め部とは異なる、素子基板と所定の間隔をもつ部分に
付着されている弾性を有する接着剤によって素子基板と
接合されている。
【0018】また、本発明に係るヘッドカートリッジ
は、上述した液体吐出ヘッドと、この液体吐出ヘッドに
液体を供給する液体タンクを保持するタンクホルダとを
備える。
【0019】上述した目的を達成するため、本発明に係
る液体吐出ヘッドの製造方法は、液滴を吐出させるため
のエネルギを発生する複数の吐出エネルギ発生素子と、
この吐出エネルギ発生素子側に液体を供給するための供
給口とを有する素子基板を備えるとともに、素子基板の
供給口に連通される開口部と素子基板が当接されて支持
部材に対する素子基板の厚み方向の位置を位置決めする
位置決め部とを有し、素子基板を支持する支持部材と、
を備え、支持部材が、位置決め部とは異なる、素子基板
と所定の間隔をもつ部分に付着されている硬化後に弾性
を有する接着剤によって素子基板と接合されている液体
吐出ヘッドを製造する液体吐出ヘッドの製造方法であっ
て、支持部材上の位置決め部とは異なる部分に、弾性を
有する接着剤を付着する接着剤付着工程と、接着剤付着
工程の後、素子基板を支持部材の位置決め部に当接させ
て、前記支持部材に付着させた前記接着剤を前記素子基
板にも付着させるとともに支持部材に対して位置決めす
る位置決め工程と、位置決め工程の後、前記接着剤を硬
化させて、素子基板と支持部材と接着剤を介して接合す
る接着剤硬化工程と、を含む。
【0020】上述した本発明によれば、熱膨張率が互い
に異なる素子基板と支持部材が熱膨張したとき、支持部
材が線膨張することに伴って、素子基板と支持部材を連
結する接着剤が弾性変位するため、素子基板に対して支
持部材が相対的に変位可能とされる。したがって、本発
明によれば、支持部材が特に長手方向に線膨張すること
によって、素子基板に負荷される応力が抑制される。
【0021】また、本発明によれば、素子基板が支持部
材の位置決め部に当接されて接合されることによって、
素子基板の長手方向に生じる反りが矯正される。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な実施形態
について、記録ヘッドを備える記録ヘッドカートリッジ
を図面を参照して説明する。
【0023】記録ヘッドカートリッジについて、 (1)記録ヘッド (2―1)記録素子ユニット (2―2)第1のプレートと素子基板の接合方法 (2−3)他の第1のプレートの一例 (3)インク供給ユニット (4)タンクホルダ (5)記録素子ユニット、インク供給ユニットおよびタ
ンクホルダの組付け状態 (6)インクタンク の順に以下それぞれ説明する。
【0024】図1および図2に示すように、記録ヘッド
カートリッジは、記録媒体に情報を記録する記録ヘッド
1と、この記録ヘッド1にインクを供給するインクタン
ク2とを備えている。
【0025】記録ヘッドカートリッジは、インクジェッ
ト記録方式で情報を記録する記録装置が備えるキャリッ
ジ(図示せず)側に設けられた位置決め機構によって所
定の位置に位置決めされるとともに、キャリッジ側に設
けられた接続端子部に電気的に接続されて固定される。
【0026】(1)記録ヘッド 本実施形態に係る記録ヘッド1は、インクジェット記録
方式の中でも特に、液体のインクを吐出するために利用
されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段を備
え、その熱エネルギによってインクの状態変化を生起さ
せる方式が採用された記録ヘッドである。この方式が用
いられることにより、記録される文字や画像等の高記録
密度化および高精細化を達成している。特に本実施形態
では、熱エネルギを発生する手段として発熱抵抗素子を
用い、この発熱抵抗素子によりインクを加熱して膜沸騰
させたときに発生する気泡による圧力を利用してインク
滴を吐出しており、いわゆるバブルジェット(登録商
標)方式のサイドシュータ型として構成されている。
【0027】記録ヘッド1は、図4に示すように、イン
クを吐出する記録素子ユニット6と、この記録素子ユニ
ット6にインクを供給するインク供給ユニット7と、イ
ンクタンク2を保持するタンクホルダ8とを備えてい
る。
【0028】(2−1)記録素子ユニット 記録素子ユニット6は、図3、図4および図5に示すよ
うに、ブラックインクを吐出する第1の記録素子11
と、カラーインクを吐出する第2の記録素子12とを備
えて構成されている。これら第1および第2の記録素子
11,12は、図5、図6および図7に示すように、発
熱抵抗素子26が設けられた第1および第2の素子基板
13,14と、インク吐出口33が設けられた第1及び
第2のオリフィス形成部材16,17と、第1および第
2の素子基板11,12を支持する第1のプレート18
と、この第1のプレート18に重ね合わされる第2のプ
レート19と、第1および第2の素子基板13,14に
電力を供給するための接続配線テープ21と、この接続
配線テープ21の一端部が電気的に接続されるコンタク
ト基板22とを備えている。
【0029】第1および第2の素子基板13,14は、
厚さ0.5mm〜1mm程度のSiによって形成されて
いる。図6および図8に示すように、第1の素子基板1
3は、ブラックインクを吐出する1組のノズル列24を
有している。
【0030】第1の素子基板13には、インク流路とし
て貫通されて設けられた長溝状のインク供給口25が、
Siの結晶方位を利用した異方性エッチングやサンドブ
ラスト等の加工処理によって形成されている。また、第
1の素子基板13には、インク供給口25を挟んで対向
する両側に、複数の発熱抵抗素子26が各ノズル列24
毎に互いにピッチをずらした千鳥状に配列されている。
【0031】第1の素子基板13には、各発熱抵抗素子
26と、これら発熱抵抗素子26に電力を供給するAl
等からなる接続配線が、成膜加工によってそれぞれ形成
されている。さらに、第1の素子基板13の主面上に
は、長手方向の両端部に、接続配線に電力を供給するた
めの電極部28がそれぞれ設けられている。これら電極
部28には、Au等からなる複数のバンプ接点29が形
成されている。
【0032】第1の素子基板13の主面上には、各発熱
抵抗素子26に対応するインク流路を構成する複数のイ
ンク流路壁31とインク吐出口33とがそれぞれ設けら
れた第1のオリフィス形成部材16が、樹脂材料による
フォトリソグラフィ加工によって形成されている。第1
のオリフィス形成部材16には、複数のインク吐出口3
3が配列された吐出口群が設けられている。そして、第
1の素子基板13には、各発熱抵抗素子26に対向する
位置に、複数のインク吐出口33がそれぞれ設けられて
いるため、インク供給口25からインク流路を介して供
給されたインクが、各発熱抵抗素子26によって発生さ
れた気泡により各インク吐出口33からインク滴として
それぞれ吐出される。
【0033】第2の素子基板14は、上述した第1の素
子基板13の構成とほぼ等しく構成されているため、第
1の素子基板13と同一部材に同一符号を付して説明す
る。第2の素子基板14は、図7および図9に示すよう
に、シアン、マゼンタ、イエローの3色のインクをそれ
ぞれ吐出する3組のノズル列24を有している。第2の
素子基板14の各ノズル列24には、各色のインクに対
応する3つのインク供給口25がそれぞれ並列して設け
られている。第2の素子基板14には、各インク供給口
25を間に挟んだ両側に、複数の発熱抵抗素子26がそ
れぞれ設けられている。
【0034】第2の素子基板14には、インク流路とし
て貫通されて設けられた長溝状の3つのインク供給口2
5が、Siの結晶方位を利用した異方性エッチングやサ
ンドブラスト等の加工処理によってそれぞれ形成されて
いる。また、第2の素子基板14には、各インク供給口
25を挟んで対向する両側に、複数の発熱抵抗素子が各
ノズル列24毎に互いにピッチをずらした千鳥状に配列
されている。
【0035】第2の素子基板14には、各発熱抵抗素子
26と、これら発熱抵抗素子26に電力を供給するAl
等からなる接続配線が、成膜加工によってそれぞれ形成
されている。さらに、第2の素子基板14の主面上に
は、長手方向の両端部に、接続配線に電力を供給するた
めの電極部28がそれぞれ設けられている。これら電極
部28には、Au等からなる複数のバンプ接点29が形
成されている。
【0036】また、第2の素子基板14の主面上には、
各発熱抵抗素子26に対応するインク流路を構成する複
数のインク流路壁とインク吐出口とがそれぞれ設けられ
た第2のオリフィス形成部材17が、樹脂材料によるフ
ォトリソグラフィ加工によって形成されている。第2の
オリフィス形成部材17には、複数のインク吐出口33
が配列された吐出口群が設けられている。そして、第2
の素子基板14には、各発熱抵抗素子26に対向する位
置に、複数のインク吐出口33がそれぞれ設けられてい
るため、各インク供給口25からインク流路を介して供
給された各インクが、各発熱抵抗素子26によって発生
された気泡により各インク吐出口33からインク滴とし
てそれぞれ吐出される。
【0037】第1のプレート18は、アルミナ(Al2
3)によって例えば厚さ0.5mm〜10mmの平板
状に形成されており、各素子基板13,14を形成する
材料と熱膨張率が異なっている。なお、第1のプレート
18は、各素子基板13,14を形成する材料と熱膨張
率が同等、あるいは同等以上の材料によって形成されて
もよい。
【0038】図5に示すように、第1のプレート18に
は、第1の素子基板13のインク供給口25に連通され
てブラックインクを供給するインク供給用の開口部35
と、第2の素子基板14のインク供給口25に連通され
てカラーインクを供給するインク供給用の開口部35と
がそれぞれ設けられている。
【0039】第1のプレート18には、図10および図
11に示すように、各素子基板13,14に重ね合わさ
れる主面上に、各素子基板13,14に当接されて第1
のプレート18に対する各素子基板13,14の図10
中に示すZ方向の位置を位置決めするための位置決め部
37が一体に形成されている。この位置決め部37は、
インク供給用の開口部35の周縁部に亘って四角形をな
す枠状に形成されており、各素子基板13,14に当接
される端面が、第1のプレート18の主面に略平行とさ
れる平坦面に形成されている。
【0040】また、第1のプレート18の主面上には、
位置決め部37の外周側に隣接する位置に、第1のプレ
ート18と各素子基板13,14を接合するための接着
剤39が付着される四角形をなす凹部38が形成されて
いる。凹部38の底面は、第1のプレート18の主面に
略平行とされる平坦面に形成されている。
【0041】したがって、図11に示すように、第1の
プレート18の凹部38の底面と、第1のプレート18
の位置決め部37上に載置された各素子基板13,14
の主面との間には、所定の間隔をもって互いに平行に対
向する間隙が設けられている。
【0042】そして、第1のプレート18には、図10
および図11に示すように、各インク供給用の開口部3
5に、第1および第2の素子基板13,14の各インク
供給口25が対応する位置にそれぞれ位置決めされてお
り、第1プレート18とこれら各素子基板13,14と
が接着剤39を介して第1プレート18の位置決め部3
7とは異なる部分で接合されて固定されている。
【0043】接着剤39としては、粘度が比較的高く、
かつ硬化温度が低く、短時間で硬化するとともに、硬化
後に比較的高い硬度を有し、かつ耐インク性を有する接
着剤が望ましい。なお、接着剤39としては、例えば、
エポキシ樹脂を主成分とした熱硬化型の接着剤が用いら
れている。また、接着剤39としては、粘性が比較的高
いものであれば、例えば、熱硬化型や常温硬化型の他の
接着剤が用いられてもよい。
【0044】接着剤39は、第1のプレート18の凹部
38の底面と各素子基板13,14の主面との間に設け
られた間隙内にZ方向に対して所定の厚みをもって付着
されることによって、第1のプレート18と各素子基板
13,14とに跨って連結する立上り壁状をなして接合
している。接着剤39は、第1のプレート18と各素子
基板13,14との間隙内に所定の厚みをもって接合す
ることによって、第1のプレート18が、各素子基板1
3,14に対して図11中に示すX方向およびY方向で
ある主面に平行な方向に弾性変位することが可能とされ
ている。なお、接着剤39は、各素子基板13,14
と、第1のプレート18との間隙内で硬化した後のZ方
向の厚みが、5μm以下にされることが好ましい。
【0045】また、第1のプレート18の凹部38内に
は、各素子基板13,14のインク供給口25および第
1のプレート18のインク供給用の開口部35の包囲す
ることによって気密状態で封止する封止剤40が、接着
剤39を覆うように充填されている。したがって、各素
子基板13,14のインク供給口25と第1のプレート
18のインク供給用の開口部35は、封止剤40によっ
て気密状態で連通されているため、インクが良好に供給
される。封止剤40としては、各素子基板13,14に
対して第1のプレート18を容易に変位させることを可
能とするために、例えばエラストマ等の硬化後も弾性を
有する材料が用いられることが好ましい。
【0046】上述したように、各素子基板13,14が
接合された第1のプレート18について、熱膨張したと
きに、第1のプレート18に対して各素子基板13,1
4が接着剤39を介して変位する状態を図面を参照して
説明する。
【0047】図10および図12に示すように、記録素
子ユニット6は、製造時の加熱や発熱抵抗素子26によ
る発熱によって、熱膨張率が互いに異なる各素子基板1
3,14と第1のプレート18が熱膨張したとき、第1
のプレート18が長手方向に線膨張することに伴って、
各素子基板13,14と第1のプレート18を連結する
接着剤39が弾性変位する。このため、第1のプレート
18は、各素子基板13,14に対して相対的に変位可
能とされる。したがって、各素子基板13,14は、特
に第1のプレート18の長手方向に線膨張することによ
って負荷される応力が大幅に抑制される。
【0048】また、記録素子ユニット6は、各素子基板
13,14に対して第1のプレート18が変位したと
き、封止剤が弾性変位することにより、各素子基板1
3,14のインク吐出口33と第1のプレート18のイ
ンク供給用の開口部35が気密状態で連通された状態が
確実に確保されている。
【0049】(2−2)第1のプレートと素子基板の接
合方法 第1のプレート18に各素子基板13,14を接合する
接合方法は、第1のプレート18に対して各素子基板1
3,14を位置決めする第1の工程と、第1のプレート
18と各素子基板13,14を接着剤39を介して接合
する第2の工程と、第1のプレート18のインク供給用
の開口部35と各素子基板13,14のインク供給口2
5とを気密状態で封止する第3の工程とを経て接合され
る。
【0050】第1の工程は、第1のプレート18上の凹
部38内に、接着剤39をZ方向に所定の厚みをもって
付着するとともに、第1のプレート18の位置決め部3
7上に各素子基板13,14を載置してZ方向の位置を
位置決めする位置決め工程である。この位置決め工程で
は、図示しないCCD(Charge-Coupled Device)カメ
ラ等を有する検出装置を用いて、第1のプレート18に
対する各素子基板13,14の位置を検出することによ
って、第1のプレート18に対する各素子基板13,1
4のX方向およびY方向の位置がそれぞれ位置決めされ
て、各素子基板13,14が第1のプレート18の位置
決め部37上に載置される。また、各素子基板13,1
4は、平坦面が確保された位置決め部37上に載置され
ることによって、各素子基板13,14の長手方向に対
して僅かに生じている反りが矯正される。
【0051】第2の工程は、第1のプレート18の位置
決め部37上に各素子基板13,14が載置されること
によって、第1のプレート18の凹部38の底面と各素
子基板13,14の主面との間に設けられた間隙内に跨
って連結するように付着された接着剤39を硬化させて
接合する接合工程である。この接合工程では、例えば、
図示しない紫外線照射ノズルによって接着剤39に紫外
線を照射することにより、接着剤39を硬化させる。な
お、接合工程では、接着剤39として熱硬化型や常温硬
化型の接着剤を用いて、他の接合手段によって接合され
ても勿論よい。
【0052】第3の工程は、凹部38内に封止剤40を
充填することにより、第1のプレート18のインク供給
用の開口部35と各素子基板13,14のインク供給口
25とを気密状態で連通させて封止する封止工程であ
る。封止剤40は、第1のプレート18上に接合された
各素子基板13,14の外周部に亘って充填されて、硬
化されて固定される。封止剤40としては、硬化後も弾
性を有するエラストマが用いられている。
【0053】上述した各工程を経て、第1のプレート1
8に接合された各素子基板13,14は、位置決め部3
7に当接されて接合されることにより、長手方向に生じ
ていた僅かな反りが矯正されるため、記録媒体に対して
吐出されたインク滴の着弾精度が向上されて、記録品質
が向上される。
【0054】(2−3)他の第1のプレートの一例 なお、上述した第1のプレート18には、各素子基板1
3,14が当接されて位置決めされる位置決め部37の
外周側に凹部38が設けられる構成とされたが、位置決
め部の内周側に凹部が設けられた他の第1のプレートを
図面を参照して説明する。
【0055】図13および図14に示すように、他の第
1のプレート43は、インク供給用の開口部35の周縁
部に亘って四角形をなす凹部45が形成されており、こ
の凹部45の周縁部に亘って位置決め部44が設けられ
ている。
【0056】凹部45は、長辺方向の長さが、各素子基
板13,14の長辺方向の長さより小さく形成されると
ともに、短辺方向の長さが、各素子基板13,14の短
辺方向の長さより大きく形成されている。したがって、
各素子基板13,14は、第1のプレート43の凹部4
5の周縁部に掛け渡されるように配設されることによ
り、長手方向の両端部が、位置決め部にそれぞれ当接さ
れて支持される。
【0057】また、凹部45の底面は、第1のプレート
43の主面に略平行とされる平坦面に形成されている。
したがって、図13に示すように、第1のプレート43
の凹部45の底面と、第1のプレート43の位置決め部
44上に載置された各素子基板13,14の主面との間
には、所定の間隔をもって互いに平行に対向する間隙が
設けられている。
【0058】そして、第1のプレート43には、図14
に示すように、インク供給用の開口部35の周縁部を囲
むように付着された接着剤によって、インク供給用の開
口部35の周縁部と、各素子基板13,14のインク供
給口25の周縁部とに跨って連結するように接合されて
いる。接着剤39は、第1のプレート43のインク供給
用の開口部35と各素子基板13,14のインク供給口
25とを気密状態で連通している。
【0059】また、接着剤39は、第1のプレート43
の凹部38の底面と各素子基板13,14の主面との間
に設けられた間隙内にZ方向に対して所定の厚みをもっ
て付着されることによって、第1のプレート43と各素
子基板13,14とに跨って連結する立上り周壁状をな
して接合している。接着剤39は、第1のプレート43
と各素子基板13,14との間隙内に所定の厚みをもっ
て接合することによって、第1のプレート43が、各素
子基板13,14に対して図14中に示すX方向および
Y方向である主面に平行な方向に弾性変位することが可
能とされている。なお、接着剤39は、各素子基板1
3,14と、第1のプレート43との間隙内で硬化した
後のZ方向の厚みが、5μm以下にされることが好まし
い。
【0060】上述した他の第1のプレート43によれ
ば、接着剤39によって、インク供給用の開口部35と
インク供給口25が気密状態で連通されるため、封止剤
40を設けることを不要にすることができる。また、こ
の第1のプレート43によれば、位置決め部44が第1
のプレート43の主面に連続して設けられているため、
位置決め部44の機械的強度を充分に確保することが可
能とされるとともに、位置決め部44を容易に形成する
ことができる。
【0061】なお、図示しないが、第1のプレートに
は、素子基板13,14の各角部がそれぞれ当接されて
支持される複数の位置決め部が設けられてもよい。ま
た、各素子基板13,14は、長辺方向の線膨張が短辺
方向に比して大きいため、長辺方向の両端部が位置決め
部にそれぞれ支持されるように構成されたが、必要に応
じて、短辺方向の両端部がそれぞれ支持されるように構
成されてもよいことは勿論である。
【0062】記録素子ユニット6が備える接続配線テー
プ21は、各素子基板13,14が挿通される開口部4
8と、各素子基板13,14の電極部に電気的に接続さ
れる接続端子49aと、コンタクト基板22に電気的に
接続される接続端子49bとを有しており、各素子基板
13,14に対してインクを吐出するための電気信号を
印加する。各接続端子49a,49bは、銅箔からなる
連続した配線パターンを介して繋がっている。接続配線
テープ21は、一端側の接続端子49bが、記録装置の
制御部から電気信号が入力される入力端子50を有する
コンタクト基板22に、異方性の導電性フィルムを用い
て熱圧着されて電気的に接続されている。
【0063】接続配線テープ21は、第1の素子基板1
3に一方の主面が接着剤を介して接合されるとともに、
第2の素子基板14に他方の主面が接着剤を介して接合
されることにより、第1および第2の素子基板13,1
4が平面的に電気的に接続されている。また、接続配線
テープ21と、第1および第2の素子基板13,14と
の接続部分には、封止剤によって覆われて封止されてお
り、接続部分が、インクによる腐食や外的な衝撃によっ
て破損することから保護されている。
【0064】そして、接続配線テープ21は、図4に示
すように、第1のプレート18の一側端で折曲されて、
この折曲部分が第1のプレート18の一側面に接着剤を
介して接合されている。この接着剤としては、エポキシ
樹脂を主成分とする熱硬化型の接着剤が用いられて、膜
厚が10μm〜100μmとされている。
【0065】記録素子ユニット6が備える第2のプレー
ト19は、例えばアルミナ等のセラミックスや、アルミ
ニウム、ステンレス等の金属材料によって、例えば厚さ
0.5mm〜1mm程度の平板状に形成されている。図
4および図5に示すように、第2のプレート19には、
第1および第2の素子基板13,14が挿通されて外方
に臨ませる開口部47がそれぞれ設けられている。これ
ら開口部47は、第1のプレート18に接合された各第
1および第2の素子基板13,14の外形寸法より大き
く形成されている。そして、第2のプレート19は、各
開口部47から第1および第2の素子基板13,14を
挿通させて、第1のプレート18上に重ねら合わされて
接合される。
【0066】(3−1)インク供給ユニット インク供給ユニットは、図5に示すように、インクタン
ク2から記録素子ユニット2にインクを導出して供給す
るためのインク供給部材51と、インクの流路を構成す
る流路形成部材52とを備えている。
【0067】インク供給部材51は、例えば樹脂材料を
射出成形することにより形成されている。樹脂材料とし
ては、形状的な剛性の向上を図るために、ガラスファイ
バーを例えば5%〜40%程度混入した樹脂材料が用い
られることが好ましい。
【0068】インク供給部材51には、インクタンク2
を着脱可能に保持する保持機構が設けられている。この
保持機構は、図2に示すように、インクタンク2の係合
爪54が係合される係合凹部55を有している。
【0069】また、図3に示すように、インク供給部材
51には、図示しない記録装置側のキャリッジに設けら
れたカートリッジ装着部に対して記録ヘッドカートリッ
ジを案内するための装着位置に装着ガイド57と、記録
ヘッドカートリッジをヘッドセットレバー(図示せず)
が係合されて固定するための係合部とがそれぞれ設けら
れている。
【0070】また、インク供給部材51には、図5に示
すように、記録装置側のキャリッジの所定の装着位置に
対して位置決めするためのX方向(キャリッジの走査方
向)用の突当部61、Y方向(記録媒体の搬送方向)用
の突当部62、Z方向(インクの吐出方向)用の突当部
63とがそれぞれ設けられている。
【0071】また、インク供給部材51には、記録素子
ユニット6のコンタクト基板22を位置決めして固定す
る端子固定部64が設けられている。この端子固定部6
4には、図4および図5に示すように、コンタクト基板
22を位置決めするための4本の位置決めピン66およ
び2つの位置決め穴67がそれぞれ設けられている。ま
た、インク供給部材51には、端子固定部64内および
この端子固定部64の周縁部に、複数の支持リブが格子
状に設けられており、端子固定部64をなす支持面の剛
性が確保されている。
【0072】インク供給部材51には、図2および図5
に示すように、インクタンク2に接続されるジョイント
部69が設けられている。このジョイント部69には、
外部から塵埃が進入することを防止するフィルタ71が
溶着されて接合されている。また、ジョイント部69に
は、インクの蒸発を防止するためのシールゴム72が取
り付けられている。
【0073】流路形成部材52は、インク供給部材51
のジョイント部69に隣接する位置に、超音波溶着され
て接合されている。流路形成部材52は、記録素子ユニ
ット6にインクを供給するためのインク流路を有してお
り、第1のプレート18のインク供給口35に連通され
るインク供給口74が設けられている。
【0074】(4)タンクホルダ 図4、図15および図16に示すように、タンクホルダ
8は、インクタンク2が着脱可能に装着されるタンク装
着部76を有している。また、タンクホルダ8には、イ
ンク供給部材51が嵌合される開口78を有する嵌合部
77が設けられている。
【0075】(5)記録素子ユニット、インク供給ユニ
ットおよびタンクホルダの組付け状態 図1、図2、図3および図4に示したように、記録ヘッ
ド1は、記録素子ユニット6をインク供給ユニット7に
組み付けるとともに、タンクホルダ8を組み付けること
によって構成されている。
【0076】以上のように構成された記録素子ユニット
6をインク供給ユニット7に組み付ける際、図4および
図5に示すように、記録素子ユニット6が備える第1の
プレート18のインク供給口35と、インク供給ユニッ
ト7が備える流路形成部材52のインク供給口72と
が、ジョイントゴム79を介して、各第1のプレート1
8、ジョイントゴム79および流路形成部材が固定ビス
80によって圧着されて固定されており、接続箇所から
インクが漏出しないように連通される。
【0077】また、記録素子ユニット6が備えるコンタ
クト基板22は、インク供給部材51の端子固定部64
に、位置決めピン66および位置決め穴67によって位
置決めされて固定されている。コンタクト基板22は、
位置決めピン67をカシメ加工することにより固定され
ている。なお、コンタクト基板22は、固定ビス等の他
の固定手段によって固定されてもよい。そして、インク
供給ユニット7は、インク供給部材51が、タンクホル
ダ8の嵌合部77の開口部78に嵌合させて組み付けら
れている。
【0078】(6)インクタンク 記録ヘッドカートリッジが備えるインクタンク2は、図
2、図15および図16に示すように、記録ヘッドカー
トリッジのタンクホルダ8に対して着脱自在に設けられ
ている。インクタンク2の外周部には、インク供給部材
51に着脱可能に係合される係合爪54が設けられてい
る。
【0079】インクタンク2は、ブラックインクが収容
されるブラック用のインク収容部81と、各色のカラー
インク毎にそれぞれ収容されるシアン用のインク収容部
82、マゼンタ用のインク収容部83およびイエロー用
のインク収容部84とを備えている。
【0080】インクタンク2は、タンクホルダ8に対し
て各インク収容部81、82、83、84が独立してそ
れぞれ着脱可能に設けられたことによって、インクを消
耗した任意のインク収容部を個別に交換することが可能
とされるため、記録に要する費用が低減される。
【0081】また、各インク収容部81、82、83、
84には、インクを記録ヘッド1に供給するためのイン
ク供給口86が設けられている。インクタンク2は、タ
ンクホルダ8のタンク装着部76に装着されたとき、各
インク収容部81、82、83、84のインク供給口8
6が、記録ヘッド1側のジョイント部69のフィルタ7
1に圧接されて、各インク収容部81、82、83、8
4内のインクがインク供給口86から導出されて、記録
ヘッド1側の流路形成部材のインク流路、第1のプレー
ト18のインク供給用の開口部35を介して、各素子基
板13,14のインク供給口25に供給される。各素子
基板13,14に供給されたインクは、発熱抵抗素子2
6によって熱エネルギが付与されることにより、各オリ
フィス形成部材16,17の各ノズル列24のインク吐
出口33からインク滴として記録媒体に向かって吐出さ
れる。
【0082】上述したように、記録ヘッド1は、各素子
基板13,14と第1のプレート18が弾性変位可能な
接着剤39を介して接合されることにより、各素子基板
13,14の膨張量以上に第1のプレート18が長手方
向に線膨張したときに第1および第2の素子基板13,
14に対して第1のプレート18が接着剤39を介して
変位可能とされる。このため、この記録ヘッド1は、第
1のプレート18が線膨張することに伴って第1および
第2の素子基板13,14のノズル部分等に破損や損傷
が生じることが防止されて、インクの吐出動作の信頼性
を向上することができる。
【0083】また、記録ヘッド1によれば、第1のプレ
ート18の位置決め部37に各素子基板13,14が当
接されて接合されることによって、各素子基板13,1
4の長手方向に生じた反りを矯正することが可能とされ
る。したがって、この記録ヘッド1によれば、長手方向
の長さが比較的長い長尺の素子基板を用いて、記録速度
の高速化に充分に対応することが可能とされる。
【0084】したがって、本発明に係る記録ヘッド1
は、素子基板13,14の線膨張率と異なる比較的安価
な例えば樹脂材料等によって、第1のプレート18を形
成することが可能とされるため、第1のプレート18の
製造コストを低減することが可能とされる。
【0085】
【発明の効果】上述したように本発明によれば、支持部
材が、位置決め部とは異なる、素子基板と所定の間隔を
もつ部分に付着されている弾性を有する接着剤によって
素子基板と接合されることによって、支持部材が素子基
板の膨張量以上に膨張したときに素子基板に対して支持
部材が変位可能とされる。このため、本発明は、支持部
材が膨張することに伴って素子基板に破損や損傷が生じ
ることが確実に防止されて、インクの吐出動作の信頼性
を向上することができる。
【0086】また、本発明によれば、支持部材の位置決
め部に素子基板が当接されて接合されることによって、
素子基板に生じた反りを矯正することが可能とされる。
したがって、この発明によれば、長手方向の長さが比較
的長い素子基板を用いて、記録速度の高速化に充分に対
応することが可能とされる。
【0087】また、本発明は、素子基板の線膨張率と異
なる比較的安価な材料によって、支持部材を形成するこ
とが可能とされるため、製造コストを低減することが可
能とされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る記録ヘッドカートリッジを示す斜
視図である。
【図2】前記記録ヘッドカートリッジを示す断面図であ
る。
【図3】前記記録ヘッドにおける記録素子ユニットとイ
ンク供給ユニットとの結合体を示す斜視図である。
【図4】前記記録ヘッドを示す分解斜視図である。
【図5】記録素子ユニットおよびインク供給ユニットを
説明するために示す分解斜視図である。
【図6】第1の記録素子ユニットを一部切り欠いて示す
斜視図である。
【図7】第2の記録素子ユニットを一部切り欠いて示す
斜視図である。
【図8】前記第1の記録素子ユニットを一部切り欠いて
示す斜視図である。
【図9】前記第2の記録素子ユニットを一部切り欠いて
示す斜視図である。
【図10】前記第1および第2の記録素子ユニットの要
部を説明するために示す断面図である。
【図11】前記第1および第2の記録素子ユニットの要
部を説明するために示す平面図である。
【図12】素子基板に対してプレートが変位した状態を
示す断面図である。
【図13】本発明に係る他の記録素子ユニットの要部を
説明するために示す断面図である。
【図14】前記他の記録素子ユニットの要部を説明する
ために示す平面図である。
【図15】タンクホルダにインクタンクが装着された状
態を示す斜視図である。
【図16】タンクホルダからインクタンクが取り外され
た状態を示す斜視図である。
【図17】従来の記録ヘッドが備える素子基板、オリフ
ィス形成部材およびプレートを説明するために示す断面
図である。
【図18】従来の記録ヘッドのプレートに接着剤を転写
する転写方法を示す断面図である。
【図19】従来の記録ヘッドを製造する製造方法を説明
するために示す断面図である。
【図20】従来の記録ヘッドの素子基板に応力が負荷さ
れた状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 記録ヘッド 2 インクタンク 6 記録素子ユニット 7 インク供給ユニット 8 タンクホルダ 11 第1の記録素子 12 第2の記録素子 13 第1の素子基板 14 第2の素子基板 16 第1のオリフィス形成部材 17 第2のオリフィス形成部材 18 第1のプレート 19 第2のプレート 24 ノズル列 25 インク供給口 26 発熱抵抗素子 33 インク吐出口 35 インク供給用の開口部 37 位置決め部 38 凹部 39 接着剤 40 封止剤

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液滴を吐出させるためのエネルギを発生
    する複数の吐出エネルギ発生素子と、前記吐出エネルギ
    発生素子側に液体を供給するための供給口とを有する素
    子基板と、 前記素子基板の前記供給口に連通される開口部を有し、
    前記素子基板を支持する支持部材と、を備える液体吐出
    ヘッドにおいて、 前記支持部材の主面上に、前記素子基板が当接されて前
    記支持部材に対する前記素子基板の厚み方向の位置を位
    置決めする位置決め部が設けられており、 前記支持部材が、前記位置決め部とは異なる、前記素子
    基板と所定の間隔をもつ部分に付着されている弾性を有
    する接着剤によって前記素子基板と接合されていること
    を特徴とする液体吐出ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記位置決め部は、前記支持部材の前記
    供給口の周縁部を囲むように設けられている請求項1に
    記載の液体吐出ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記支持部材の主面には、前記位置決め
    部とは異なる部分に凹部が設けられており、前記接着剤
    が前記凹部に付着している請求項1または2に記載の液
    体吐出ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記凹部は、前記支持部材の前記開口部
    の周縁部を囲むように設けられている請求項3に記載の
    液体吐出ヘッド。
  5. 【請求項5】 前記接着剤は、前記凹部内に付着され
    て、前記支持部材と、前記素子基板の対向する両端部
    と、それぞれ接合している請求項3または4に記載の液
    体吐出ヘッド。
  6. 【請求項6】 前記接着剤は、前記支持部材と、前記素
    子基板の長手方向の両端部と、それぞれ接合している請
    求項5に記載の液体吐出ヘッド。
  7. 【請求項7】 前記支持部材の前記開口部と前記素子基
    板の前記供給口とは、弾性を有する封止剤によって封止
    されている請求項1ないし6のいずれか1項に記載の液
    体吐出ヘッド。
  8. 【請求項8】 前記封止剤は、エラストマからなる請求
    項7に記載の液体吐出ヘッド。
  9. 【請求項9】 前記接着剤は、エポキシ樹脂からなる請
    求項1ないし8のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッ
    ド。
  10. 【請求項10】 前記支持部材には、前記位置決め部
    が、前記素子基板の対向する両端側に対応する位置にそ
    れぞれ設けられている請求項1ないし9のいずれか1項
    に記載の液体吐出ヘッド。
  11. 【請求項11】 前記接着剤は、前記素子基板の前記供
    給口および前記支持部材の前記開口部の周囲を封止して
    いる請求項1ないし10のいずれか1項に記載の液体吐
    出ヘッド。
  12. 【請求項12】 前記吐出エネルギ発生素子は、電気熱
    変換体である請求項1ないし11のいずれか1項に記載
    の液体吐出ヘッド。
  13. 【請求項13】 前記電気熱変換体は、熱エネルギによ
    る膜沸騰を利用して前記吐出口から液滴を吐出させる請
    求項12に記載の液体吐出ヘッド。
  14. 【請求項14】 上記請求項1ないし13のいずれか1
    項に記載の液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドに液
    体を供給する液体タンクを保持するタンクホルダとを備
    えるヘッドカートリッジ。
  15. 【請求項15】 前記タンクホルダには、前記液体タン
    クが着脱可能に設けられた請求項14に記載のヘッドカ
    ートリッジ。
  16. 【請求項16】 液滴を吐出させるためのエネルギを発
    生する複数の吐出エネルギ発生素子と、前記吐出エネル
    ギ発生素子側に液体を供給するための供給口とを有する
    素子基板と、 前記素子基板の前記供給口に連通される開口部と前記素
    子基板が当接されて前記支持部材に対する前記素子基板
    の厚み方向の位置を位置決めする位置決め部とを有し、
    前記素子基板を支持する支持部材と、を備え、前記支持
    部材が、前記位置決め部とは異なる、前記素子基板と所
    定の間隔をもつ部分に付着されている硬化後に弾性を有
    する接着剤によって前記素子基板と接合されている液体
    吐出ヘッドを製造するための液体吐出ヘッドの製造方法
    であって、 前記支持部材上の前記位置決め部とは異なる部分に、前
    記接着剤を付着させる接着剤付着工程と、 該接着剤付着工程の後、前記素子基板を前記支持部材の
    前記位置決め部に当接させて、前記支持部材に付着させ
    た前記接着剤を前記素子基板にも付着させるとともに前
    記支持部材に対して位置決めする位置決め工程と、 該位置決め工程の後、前記接着剤を硬化させて、前記素
    子基板と前記支持部材とを前記接着剤を介して接合する
    接着剤硬化工程とを含む液体吐出ヘッドの製造方法。
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