JP6947037B2 - セルロース系樹脂、成形用材料、成形体及びセルロース系樹脂の製造方法 - Google Patents
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Description
前記長鎖成分による置換度(DSLo)と前記短鎖成分による置換度(DSSh)が、以下の条件式(1)及び(2)を満たす、セルロース系樹脂が提供される。
DSLo+DSSh ≧ 2.1 (1)
4 ≦ DSSh/DSLo ≦ 12 (2)
酸捕捉成分の存在下、加温下で、
有機溶媒中に分散されたパルプと、
塩化アセチル、無水酢酸、無水プロピオン酸および塩化プロピオニルから選ばれる短鎖反応剤(短鎖アシル化剤)と、
前記長鎖成分を有する長鎖脂肪酸の酸塩化物である長鎖反応剤とを反応させて、該パルプを構成するセルロースのヒドロキシ基をアシル化する工程と、
前記アシル化工程により得られたアシル化セルロースを前記有機溶媒から分離する工程を含む、セルロース系樹脂の製造方法が提供される。
DSLo+DSSh ≧ 2.1 (1)
4 ≦ DSSh/DSLo ≦ 12 (2)
セルロースは、下記式(1)で示されるβ−D−グルコース分子(β−D−グルコピラノース)がβ(1→4)グリコシド結合により重合した直鎖状の高分子である。セルロースを構成する各グルコース単位は三つのヒドロキシ基を有している(式中のnは自然数を示す)。本発明の実施形態では、このようなセルロースに、これらのヒドロキシ基を利用して、短鎖有機基および長鎖有機基を導入することができる。
本発明の実施形態によるセルロース系樹脂は、セルロースのヒドロキシ基を利用して、前記短鎖成分に加えて前記長鎖成分が導入されたものである。
本発明の実施形態によるセルロース系樹脂は、セルロースのヒドロキシ基を利用して、前記長鎖成分に加えて、前記短鎖成分が導入されたものである。短鎖成分として、アセチル基もしくはプロピオニル基、またはアセチル基とプロピオニル基の両方が導入されてもよい。
ヒドロキシ基の残存量が多いほど、セルロース系樹脂の最大強度や耐熱性が大きくなる傾向がある一方で、吸水性が高くなる傾向がある。一方、ヒドロキシ基の変換率(置換度)が高いほど、吸水性が低下し、可塑性や破断歪みが増加する傾向がある一方で、最大強度や耐熱性が低下する傾向がある。これらの傾向等を考慮して、ヒドロキシ基の変換率を適宜設定することができる。
セルロースに長鎖成分と短鎖成分を導入するための反応工程の前に、セルロースの反応性を上げるために、活性化処理(前処理工程)を行うことができる。この活性化処理は、セルロースのアセチル化の前に通常行われる活性化処理を適用できる。
本発明の実施形態によるセルロース誘導体(セルロース系樹脂)は、以下に示す方法によって製造することができる。
綿繊維製のろ紙(5B, 40mmφ, 含水率約2%)を各溶媒に室温下1hr浸漬する。浸漬前後の重量を測定し、下式に当てはめて保液率(vol%)を求める。浸漬後の試料から溶媒のしたたりがとまった時点で重量を測定した。
上記のアシル化の工程の後、アルカリ性水溶液を加えて、加温しながら保持(熟成)することが好ましい。この熟成時の温度は25〜75℃が好ましく、40〜70℃が好ましく、熟成の時間は1〜5時間の範囲に設定でき、1〜3時間の範囲が好ましい。
長鎖成分および短鎖成が導入されたセルロース誘導体(生成物)は、通常の回収方法に従って反応溶液から回収することができ、その方法は限定されるものではないが、生成物が反応溶液に溶解していない場合は、反応溶液と生成物とを固液分離する回収方法が製造エネルギーの観点から好ましい。生成物が反応溶液に溶解ないし親和して固液分離が困難な場合は、反応溶液を留去し生成物を残留分として回収することができる。あるいは、反応溶液に、生成物に対する貧溶媒を添加することにより、析出した生成物を固液分離して回収してもよい。
アシル化剤として長鎖成分と短鎖成分を有する混合酸無水物を用い、固液不均一系でセルロースをアシル化することで、セルロース系樹脂を得ることができる。セルロースは活性化処理することが好ましい。活性化処理は通常の方法で行うことができる。
本発明の実施形態によるセルロース誘導体は、所望の特性に応じて添加剤を加え、成形用材料に好適な樹脂組成物を得ることができる。このセルロース誘導体は、通常のセルロース誘導体と相溶する添加剤と相溶させることができる。
(有機置換基の式量/有機置換基当量)×100 (I)
x×w/[(1−x)×74+x×(59+w)]×100 (II)
154×x/[74×(1−x)+198×x]×100 (III)
−(CO−R23−COO−R24−O−)− (VI)
−(CO−R25−O−)− (VII)
ここでベース樹脂とは、成形用材料中の主成分を意味し、この主成分の機能を妨げない範囲で他の成分を含有することを許容することを意味し、特にこの主成分の含有割合を特定するものではないが、この主成分が組成物中の50質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、特に好ましくは90質量%以上を占めることを包含するものである。
セルロースの活性化処理を行った後、固液不均一系でアシル化することで、セルロース系樹脂を得た。具体的には、下記に従ってセルロース系樹脂を作製した。
2軸混練機(Thermo Electron Corporation製、HAAKE MiniLab Rheomex CTW5)を使用して、試料7.5gを混練してペレット化した。その際、混練温度は200℃、回転数を60rpmに設定し、原料を混練機の供給項から投入後、3分間混練した。
射出成形(Thermo Electron Corporation製、HAAKE MiniJet II)を使用して、上記で得た樹脂ペレットから下記形状の成形体を作成した。
成形体サイズ:厚み2.4mm 幅12.4mm 長さ80mm
その際、成形機のシリンダー温度を220℃、金型温度を60℃、射出圧力1200bar(120MPa)で5秒間、保圧600bar(60MPa)で20秒間の成形条件に設定した。
熱可塑性の評価基準
○:良好に成形可能
△:不良(ボイド、ヒケ、一部未充填が発生)
×:成形不可
上記で得られた成形体について、Instron社製INSTRON5567万能試験機を用いて、下記の条件で3点曲げ試験を実施して曲げ強度と弾性率を測定した。
曲げ試験条件:支点間距離32mm、試験速度1mm/分
曲げ強度の評価基準
○:50MPa以上
×:50MPa未満
曲げ弾性率の評価基準
○:1.5GPa以上
×:1.5GPa未満
上記の成形体について、JIS K7110に記載の条件でノッチ付きアイゾット衝撃強度を測定した。
アイゾット衝撃強度の評価基準
○:5.0kJ/m2以上
×:5.0kJ/m2未満
JIS K7209に準拠して吸水率を測定した。具体的には、成形体を24時間、常温の純水に浸漬した際の重量増加率を測定した。
耐水性の評価基準
○:2.0%未満
×:2.0%以上
セルロース成分、長鎖成分(ステアリン酸由来)を植物成分として、試料全体に対する植物成分の合計含有率(質量%)を求めた。ここでセルロース成分は、水酸基がアシル化やグラフト化されていない前記の式(1)で示される構造に対応し、長鎖成分は脂肪酸から末端水酸基を除いた部分の構造に対応するものとして算出した。
X線回折法により、得られたセルロース系樹脂の主鎖結晶性を評価した。X線回折装置は、PANalytical社製 X’Pert Proを使用した。X線としてはCuKα線を使用した。セルロース系樹脂は、200℃、100kgf/cm2(9.8MPa)でプレスしてフィルム化して、あるいは合成後に回収した固形物のまま測定した。
結晶性の評価基準
○(主鎖結晶あり):2θ=22°、34°近傍のどちらか又は両方にピークあり
×(主鎖結晶なし):上記ピークなし
「主鎖結晶あり」と評価したセルロース系樹脂は、セルロース主鎖結晶による補強結晶構造を有すると判定することができる。
得られたセルロース系樹脂0.1gをクロロホルム2mlに分散し、その際の挙動において、以下の基準で耐溶剤性を評価した。
耐溶剤性の評価基準
○:完溶しない(膨潤)
×:完溶する
塩化プロピオニルの仕込み量を10.28g(111mmol)に変更する以外は実施例A1と同様の分量と方法に従って作製し、セルロース系樹脂(セルロースプロピオネートステアレート)13.3g(収率96%)を得た。
ステアロイルクロリドの仕込み量を7.85g(26mmol)、塩化プロピオニルの仕込み量を10.28g(111mmol)に変更する以外は実施例A1と同様の分量と方法に従って作製し、セルロース系樹脂(セルロースプロピオネートステアレート)14.5g(収率98%)を得た。
セルロースの活性化処理を行った後、固液不均一系でアシル化することで、セルロース系樹脂を得た。具体的には、下記に従ってセルロース系樹脂を作製した。
セルロース(広葉樹由来・前加水分解クラフトパルプ、含水率8.3%)6.0g(乾燥重量換算、37mmol/グルコース単位)を数cm大に切断して90mlの純水に分散させた。この分散液を1時間撹拌した後、吸引ろ過および圧搾によって含液率60%以下まで脱液し、90mlの酢酸に分散させた。この分散液を先と同様に撹拌、脱液し、再度90mlの酢酸に分散、これを撹拌、脱液して活性化処理済みセルロースを得た。
窒素置換した反応器に、ステアリン酸94.7g(333mmol)および無水酢酸21.0ml(222mmol)を投入し、100℃で1時間加熱しながら撹拌して混合酸無水物を得た。ここにジオキサン150mlを加えて50℃で保温した。
上記の活性化処理済みセルロースを窒素置換した反応器に投入し、400mlのジオキサンに分散させ50℃に保温した。ここに、上記の混合酸無水物−ジオキサン溶液を投入し、さらに、濃硫酸0.33mlをジオキサン50mlに混合したものを投入した。反応液を50℃で3時間加熱しながら撹拌してアシル化した後、純水5mlを加えて60℃で2時間撹拌して熟成した。
純水5mlを加えて60℃で熟成する時間を1時間に変更する以外は実施例B1と同様の分量と方法に従って作成し、セルロース系樹脂(セルロースアセテートステアレート)10.5g(収率85%)を得た。
セルロースの活性化処理を行った後、均一溶解系でアシル化することで、セルロース系樹脂を得た。具体的には、下記に従ってセルロース系樹脂を作製した。
セルロース(日本製紙製、KCフロック、W−50GK、含水率6.8%)6.0g(乾燥重量換算、37mmol/グルコース単位)を90mlの純水に分散させた。この分散液を1時間撹拌した後、吸引ろ過によって含液率60%以下まで脱液し、90mlのN,N−ジメチルアセトアミドに分散させた。この分散液を先と同様に撹拌、脱液して活性化処理済みセルロースを得た。
窒素置換した反応器に、ステアリン酸31.6g(111mmol)および無水酢酸21.0ml(222mmol)を投入し、100℃で1時間加熱しながら撹拌して混合酸無水物を得た。ここにN,N−ジメチルアセトアミド150mlを加えて70℃で保温した。
上記の活性化処理済みセルロースを窒素置換した反応器に投入し、180mlのN,N−ジメチルアセトアミドに分散させ1時間撹拌した後、塩化リチウム15.5gを加えて100℃で1.5時間加熱しながら撹拌し、その後室温まで放冷しながら一晩撹拌してセルロースを完全に溶解した。この溶液を50℃に保温し、ジメチルアミノピリジン3.0gをN,N−ジメチルアセトアミド120mlに溶解したものをゆっくり滴下した。さらにN,N−ジメチルアセトアミド150mlを投入して溶液を希釈し、全体を70℃に保温した。ここに、上記の混合酸無水物−N,N−ジメチルアセトアミド溶液を投入し、100℃で6時間加熱しながら撹拌してアシル化した。
ステアロイルクロリドの仕込み量を11.2g(37mmol)、塩化プロピオニルの仕込み量を10.28g(111mmol)に変更する以外は実施例A1と同様の分量と方法に従って作成し、セルロース系樹脂(セルロースプロピオネートステアレート)15.6g(収率87%)を得た。
ダイセル製のセルロースアセテート(製品名:L−40)をそのまま使用した。実施例A1と同様に1H−NMRによって測定したところ、DSShは2.45であった。
イーストマンケミカル製のセルロースアセテートプロピオネート(製品名:CAP482−20)をそのまま使用した。実施例A1と同様に1H−NMRによって測定したところ、DSShは2.83(アセチル基とプロピオニル基の合計)であった。
セルロースの活性化処理を行った後、固液不均一系でアシル化することで、セルロース系樹脂を得た。具体的には、下記に従ってセルロース系樹脂を作製した。
セルロース(広葉樹由来・前加水分解クラフトパルプ、含水率8.3%)6.0g(乾燥重量換算、37mmol/グルコース単位)を数cm大に切断して90mlの純水に分散させた。この分散液を1時間撹拌した後、吸引ろ過および圧搾によって含液率60%以下まで脱液し、90mlの酢酸に分散させた。この分散液を先と同様に撹拌、脱液し、再度90mlの酢酸に分散、これを撹拌、脱液して活性化処理済みセルロースを得た。
窒素置換した反応器に、ステアリン酸189.4g(666mmol)および無水酢酸21.0ml(222mmol)を投入し、100℃で1時間加熱しながら撹拌して混合酸無水物を得た。ここにジオキサン100mlを加えて50℃で保温した。
上記の活性化処理済みセルロースを窒素置換した反応器に投入し、150mlのジオキサンに分散させ50℃に保温した。ここに、上記の混合酸無水物−ジオキサン溶液を投入し、さらに、過塩素酸0.12mlをジオキサン50mlに混合したものを投入した。反応液を50℃で4時間加熱しながら撹拌してアシル化した。
ステアリン酸の仕込み量を63.2g(222mmol)に変更する以外は実施例C1と同様の分量と方法に従って作製し、セルロース系樹脂(セルロースプロピオネートステアレート)14.9g(収率90%)を得た。
ステアリン酸の仕込み量を126.3g(444mmol)に変更する以外は実施例C1と同様の分量と方法に従って作製し、セルロース系樹脂(セルロースプロピオネートステアレート)17.0g(収率86%)を得た。
一方、式(2)を満たしていない比較例は、機械特性が劣ることが分かる。特に、式(2)の比率が小さい(短鎖成分が少なく長鎖成分が多い)比較例A1、C1及びC2のセルロース系樹脂は、曲げ強度と弾性率が劣ることが分かる。逆に、式(2)の比率が大きい(短鎖成分のみ、あるいは短鎖成分が多く長鎖成分が少ない)セルロース系樹脂は、熱可塑性が低く(比較例B1、B3)、また熱可塑性があるもの(比較例B2)でも衝撃強度および耐水性が劣っていることが分かる。
Claims (20)
- セルロースのヒドロキシ基の水素原子が、炭素数14〜30の直鎖状飽和脂肪族アシル基である長鎖成分と、プロピオニル基である短鎖成分で置換されたセルロース系樹脂であって、
前記長鎖成分による置換度(DSLo)と前記短鎖成分による置換度(DSSh)が、以下の条件式(1)及び(2)を満たし、前記セルロースのセルロース主鎖結晶による結晶構造を有する、セルロース系樹脂。
2.75 ≧ DSLo+DSSh ≧ 2.1 (1)
4 ≦ DSSh/DSLo ≦ 12 (2) - DSLoが0.2以上であり、DSShが1.7以上である、請求項1に記載のセルロース系樹脂。
- DSLoが0.2〜0.6である、請求項1に記載のセルロース系樹脂。
- 前記長鎖成分が、炭素数14〜22の直鎖状飽和脂肪族アシル基である、請求項1から3のいずれか一項に記載のセルロース系樹脂。
- 前記長鎖成分がミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸から選ばれる少なくとも一種の脂肪酸のアシル基部分である、請求項1から3のいずれか一項に記載のセルロース系樹脂。
- 前記長鎖成分が、炭素数18の直鎖状飽和脂肪族アシル基である、請求項1から3のいずれか一項に記載のセルロース系樹脂。
- CuKα線を用いて測定したX線解析において2θ=22°、34°のいずれか又は両方にピークを有する、請求項1から6のいずれか一項に記載のセルロース系樹脂。
- 前記セルロースの重合度が50〜5000の範囲にある、請求項1から7のいずれか一項に記載のセルロース系樹脂。
- 請求項1から8のいずれか一項に記載のセルロース系樹脂を含む成形用材料。
- 請求項9に記載の成形用材料を用いて形成された成形体。
- 請求項1から8のいずれか一項に記載のセルロース系樹脂を製造する方法であって、
酸捕捉成分の存在下、加温下で、
溶媒中に分散されたパルプと、
無水プロピオン酸及び塩化プロピオニルから選ばれる短鎖反応剤と、
前記長鎖成分を有する長鎖脂肪酸の酸塩化物である長鎖反応剤とを反応させて、該パルプを構成するセルロースのヒドロキシ基をアシル化して該セルロースのヒドロキシ基の水素原子が前記長鎖成分と前記短鎖成分で置換された前記セルロース系樹脂であるアシル化セルロースを形成する工程と、
前記アシル化セルロースを前記溶媒から分離する工程を含み、
前記酸捕捉成分が、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、金属アルコキシド、含窒素求核性化合物から選ばれる塩基である、セルロース系樹脂の製造方法。 - 前記溶媒が、セルロースに対する保液率が90体積%以上の有機溶媒または水である、請求項11に記載のセルロース系樹脂の製造方法。
- 前記溶媒が、水、酢酸、ジオキサン、ピリジン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドから選ばれる少なくとも1種である、請求項11又は12に記載のセルロース系樹脂の製造方法。
- 前記酸捕捉成分の添加量は、前記長鎖反応剤と前記短鎖反応剤の合計仕込み量に対して0.1〜10当量である、請求項11から13のいずれか一項に記載のセルロース系樹脂の製造方法。
- 前記酸捕捉成分は、トリエチルアミンまたはピリジンである、請求項11から14のいずれか一項に記載のセルロース系樹脂の製造方法。
- 前記酸捕捉成分がピリジンである、請求項11から14のいずれか一項に記載のセルロース系樹脂の製造方法。
- 前記酸捕捉成分及び前記溶媒がピリジンである、請求項11に記載のセルロース系樹脂の製造方法。
- 前記アシル化工程の反応温度は50〜100℃である、請求項11から17のいずれか一項に記載のセルロース系樹脂の製造方法。
- 前記溶媒の量は、前記パルプの乾燥質量に対して10〜50倍量である、請求項11から18のいずれか一項に記載のセルロース系樹脂の製造方法。
- 前記のアシル化工程の後、アルカリ性水溶液を加えて、25〜75℃で1〜5時間保持する工程をさらに含む、請求項11から19のいずれか一項に記載のセルロース系樹脂の製造方法。
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