JP7114942B2 - 樹脂組成物および樹脂成形体 - Google Patents
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Description
近年では、植物由来の樹脂が利用されており、従来から知られている植物由来の樹脂の一つにセルロースアシレートがある。
<1> 炭素数5以上の炭化水素鎖を有する基を側鎖に有するセルロースアシレート(A)と、
ポリエステル樹脂(B)と、
分子量250以上2000以下のエステル化合物(C)と、
を含み、
前記セルロースアシレート(A)に対する前記ポリエステル樹脂(B)の質量比((B)/(A))が0.05以上0.5以下であり、前記セルロースアシレート(A)に対する前記エステル化合物(C)の質量比((C)/(A))が0.02以上0.15以下である樹脂組成物。
<2> 炭素数5以上の炭化水素鎖を有する基を側鎖に有するセルロースアシレート(A)と、
ポリエステル樹脂(B)と、
分子量250以上2000以下のエステル化合物(C)と、
を含み、
ウエルドライン衝撃強さが10kJ/m2以上であって、前記ウエルドライン衝撃強さを、シャルピー衝撃強さで除した値が0.5以上である樹脂組成物。
<3> 前記炭素数5以上の炭化水素鎖を有する基が、カルダノールに由来する基およびステアロイル基の少なくとも一方である<1>又は<2>に記載の樹脂組成物。
<4> 前記炭素数5以上の炭化水素鎖を有する基のグルコース単位当たりの個数が0.15以上2.5以下である<1>~<3>のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
<6> (メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構成単位を50質量%以上含むポリ(メタ)アクリレート化合物(E)を含む<1>~<5>のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
<7> 前記ポリエステル樹脂(B)が、ポリヒドロキシアルカノエートである<1>~<6>のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
<8> 前記ポリエステル樹脂(B)が、ポリ乳酸である<7>に記載の樹脂組成物。
<9> 前記エステル化合物(C)が、脂肪酸エステル化合物である<1>~<8>のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
<10> 前記エステル化合物(C)が、アジピン酸エステル含有化合物である<9>に記載の樹脂組成物。
<12> 射出成形体である<11>に記載の樹脂成形体。
<2>に係る発明によれば、炭素数5以上の炭化水素鎖を有する基を側鎖に有するセルロースアシレート(A)、ポリエステル樹脂(B)、分子量250以上2000以下のエステル化合物(C)を含む樹脂組成物において、ウエルドライン衝撃強さが10kJ/m2未満である場合に比べ、ウエルドライン衝撃強さが向上している樹脂成形体が得られる樹脂組成物が提供される。
<3>に係る発明によれば、セルロースアシレート(A)に対するポリエステル樹脂(B)の質量比((B)/(A))が0.05未満若しくは0.5を超える場合、若しくはセルロースアシレート(A)に対するエステル化合物(C)の質量比((C)/(A))が0.02未満若しくは0.15を超える場合、又は、ウエルドライン衝撃強さが10kJ/m2未満である場合に比べ、前記炭素数5以上の炭化水素鎖を有する基が、カルダノールに由来する基およびステアロイル基の少なくとも一方であり、かつ、ウエルドライン衝撃強さが向上している樹脂成形体が得られる樹脂組成物が提供される。
<4>に係る発明によれば、炭素数5以上の炭化水素鎖を有する基のグルコース単位当たりの個数が0.15未満又は2.5を超える場合に比べ、ウエルドライン衝撃強さが向上している樹脂成形体が得られる樹脂組成物が提供される。
<6>に係る発明によれば、セルロースアシレート(A)に対するポリエステル樹脂(B)の質量比((B)/(A))が0.05未満若しくは0.5を超える場合、若しくはセルロースアシレート(A)に対するエステル化合物(C)の質量比((C)/(A))が0.02未満若しくは0.15を超える場合、又は、ウエルドライン衝撃強さが10kJ/m2未満である場合に比べ、前記炭素数5以上の炭化水素鎖を有する基が、カルダノールに由来する基およびステアロイル基の少なくとも一方であり、かつ、ウエルドライン衝撃強さが向上している樹脂成形体が得られる樹脂組成物が提供される
<7>に係る発明によれば、ポリエステル樹脂(B)がポリエチレンテレフタレートである場合に比べ、ウエルドライン衝撃強さが向上している樹脂成形体が得られる樹脂組成物が提供される。
<8>に係る発明によれば、セルロースアシレート(A)に対するポリエステル樹脂(B)の質量比((B)/(A))が0.05未満若しくは0.5を超える場合、若しくはセルロースアシレート(A)に対するエステル化合物(C)の質量比((C)/(A))が0.02未満若しくは0.15を超える場合、又は、ウエルドライン衝撃強さが10kJ/m2未満である場合に比べ、ポリエステル樹脂(B)がポリ乳酸であっても、ウエルドライン衝撃強さが向上している樹脂成形体が得られる樹脂組成物が提供される。
<9>に係る発明によれば、セルロースアシレート(A)に対するポリエステル樹脂(B)の質量比((B)/(A))が0.05未満若しくは0.5を超える場合、若しくはセルロースアシレート(A)に対するエステル化合物(C)の質量比((C)/(A))が0.02未満若しくは0.15を超える場合、又は、ウエルドライン衝撃強さが10kJ/m2未満である場合に比べ、エステル化合物(C)として、脂肪酸エステル化合物を含み、かつ、ウエルドライン衝撃強さが向上している樹脂成形体が得られる樹脂組成物が提供される。
<10>に係る発明によれば、エステル化合物(C)がクエン酸エステル化合物である場合に比べ、ウエルドライン衝撃強さが向上している樹脂成形体が得られる樹脂組成物が提供される。
<12>に係る発明によれば、セルロースアシレート(A)に対するポリエステル樹脂(B)の質量比((B)/(A))が0.05未満若しくは0.5を超える場合、若しくはセルロースアシレート(A)に対するエステル化合物(C)の質量比((C)/(A))が0.02未満若しくは0.15を超える場合、又は、ウエルドライン衝撃強さが10kJ/m2未満である樹脂組成物を適用した場合に比べ、樹脂成形体として、ウエルドライン衝撃強さが向上している射出成形体が提供される。
また、「Aの重合体」との表記は、Aのみの単独重合体に加え、AとA以外の単量体との共重合体も包含する表現である。同様に、「AとBとの共重合体」との表記は、A及びBのみの共重合体(以下、便宜上「単独共重合体」とも称する)に加え、AとBとA及びB以外の単量体との共重合体も包含する表現である。
また、セルロースアシレート(A)、ポリエステル樹脂(B)、エステル化合物(C)、重合体(D)、及び(ポリ(メタ)アクリレート化合物(E)を、各々、成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(D)、及び成分(E)とも称する。
本実施形態に係る樹脂組成物は、炭素数5以上の炭化水素鎖を有する基を側鎖に有するセルロースアシレート(A)と、ポリエステル樹脂(B)と、分子量250以上2000以下のエステル化合物(C)と、を含む。
そして、第1の実施形態に係る樹脂組成物は、セルロースアシレート(A)に対するポリエステル樹脂(B)の質量比(B/A)が0.05以上0.5以下であり、セルロースアシレート)に対する前記エステル化合物(C)の質量比(C/A)が0.02以上0.15以下である。
また、第2の実施形態に係る樹脂組成物は、ウエルドライン衝撃強さが10kJ/m2以上であって、前記ウエルドライン衝撃強さを、シャルピー衝撃強さで除した値が0.5以上である。
本実施形態に係る樹脂組成物のうち、炭素数5以上の炭化水素鎖を有する基を側鎖に有するセルロースアシレート(A)(成分(A))は、セルロースアセテート等のセルロースアシレートと比較して、疎水性が高い。そのため、分子量250以上2000以下のエステル化合物(C)(成分(C))が、成分(A)側に相溶し、分子分散すると考えられる。そして、成分(A)及び成分(C)に加え、ポリエステル樹脂(B)(成分(B))を含むと、成分(C)を含む成分(A)が分子分散している相と、成分(B)の相との疎水性が近くなるため、各成分の分散性及び界面強度が向上する。その結果、成分(B)が適度な溶融粘度の向上と弾性率の向上を促すことで、成分(C)を含む成分(A)の相の衝撃強度が向上すると考えられる。それによって、ウエルドライン衝撃強さが向上している樹脂成形体が向上すると推測される。
なお、本実施形態に係る樹脂成形体は、上記作用により、面衝撃強さ(耐面衝撃性)にも優れる。
セルロースアシレート(A)は、炭素数5以上の炭化水素鎖を有する基を側鎖に有する樹脂である。セルロースアシレート(A)は、炭素数5以上の炭化水素鎖を有する基を側鎖に有していれば、特に限定されず、例えば、セルロースにおける水酸基の少なくも一部が、カルボキシ基を有する炭素数5以上の炭化水素鎖を有する化合物によって、アシル化されたセルロース誘導体であってもよい。また、例えば、セルロースにおける水酸基の少なくも一部が、カルボキシ基、カルボン酸無水物基、カルボン酸ハライド基(特にカルボン酸クロライド基)からなる群から選ばれる基を導入した炭素数5以上の炭化水素鎖を有する化合物によって、アシル化されたセルロース誘導体であってもよい。さらに、アシル基を有するセルロース誘導体における水酸基の少なくも一部が、エポキシ基、イソシアネート基、及びハロゲン基からなる群から選ばれる基を導入した炭素数5以上の炭化水素鎖を有する化合物によって、置換されていてもよい。
つまり、一般式(CE)で表されるセルロース誘導体の分子中にn個あるRCE1は、全て同一でもよく、一部同一でもよく、互いに異なっていてもよい。同様に、n個あるRCE2、及びn個あるRCE3も、各々、全て同一でもよく、一部同一でもよく、互いに異なっていてもよい。
ポリエステル樹脂(B)は、例えば、ヒドロキシアルカノエート(ヒドロキシアルカン酸)の重合体、多価カルボン酸と多価アルコールとの重縮合体、環状ラクタムの開環重縮合体等である。
ポリエステル樹脂(B)としては、脂肪族ポリエステル樹脂がよい。脂肪族ポリエステルとしては、ポリヒドロキシアルカノエート(ヒドロキシアルカノエートの重合体)、脂肪族ジオールと脂肪族カルボン酸との重縮合体等が挙げられる。
これらの中でも、ウエルドライン衝撃強さが向上している樹脂成形体が得られる観点から、ポリエステル樹脂(B)としては、ポリヒドロキシアルカノエートが好ましい。
なお、一般式(PHA)で表される構造単位を有する化合物おいて、高分子鎖の末端(主鎖の末端)は、両端ともがカルボキシル基であってもよいし、片末端のみがカルボキシル基でもう一方の末端が他の基(例えば水酸基)であってもよい。
つまり、ポリヒドロキシアルカノエートは、1種のヒドロキシアルカノエート(ヒドロキシアルカン酸)の単独重合体であってもよいし、2種以上のヒドロキシアルカノエート(ヒドロキシアルカン酸)の共重合体であってもよい。
なお、ヒドロキシアルカン酸の炭素数はカルボキシル基の炭素も含む数である。
エステル化合物(C)は、エステル基(-C(=O)O-)を有し、分子量250以上2000以下(好ましくは250以上1000以下、より好ましくは250以上600以下)の化合物である。
なお、2種以上のエステル化合物(C)を併用する場合、各々、分子量が250以上2000以下のエステル化合物を併用する。
これらの中でも、ウエルドライン衝撃強さが向上している樹脂成形体が得られる観点から、エステル化合物(C)としては、脂肪酸エステル化合物が好ましい。
芳香族カルボン酸エステル化合物としては、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ビス(2-エチルヘキシル)、テレフタル酸エステル、等が挙げられる。
一般式(AE)中、RAE1及びRAE2が表すポリオキシアルキル基[-(CxH2X-O)y-RA1]において、RA1が表すアルキル基は、炭素数1以上6以下のアルキル基が好ましく、炭素数1以上4以下のアルキル基がより好ましい。RA1が表すアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよいが、直鎖状、分岐状が好ましい。
重合体(D)は、コア層と前記コア層の表面上に(メタ)アクリル酸アルキルエステルの重合体を含むシェル層とを有するコアシェル構造の重合体、及び、α-オレフィンに由来する構成単位を60質量%以上含むオレフィン重合体から選択される重合体である。
重合体(D)は、例えば、常温(25℃)において弾性を有し、高温において熱可塑性樹脂と同じく軟化する性質を有するもの(熱可塑性エラストマー)であることがよい。
重合体(D)を樹脂組成物に含ませると、ウエルドライン衝撃強さが向上している樹脂成形体が得られ易くなる。
本実施形態に係るコアシェル構造の重合体は、コア層と前記コア層の表面上にシェル層とを有するコアシェル構造の重合体である。
コアシェル構造の重合体は、コア層を最内層とし、シェル層を最外層とする重合体(具体的には、コア層となる重合体に、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの重合体をグラフト重合してシェル層とした重合体)である。
なお、コア層とシェル層との間には、1層以上の他の層(例えば1層以上6層以下の他の層)を有してよい。なお、他の層を有する場合、コアシェル構造の重合体は、コア層となる重合体に、複数種の重合体をグラフト重合して多層化した重合体である。
これらの中も、ゴム層は、(メタ)アクリルゴム、シリコーンゴム、スチレンゴム、共役ジエンゴム、α-オレフィンゴム、これら2種以上の共重合体ゴム等の層が好ましい。
なお、ゴム層は、架橋剤(ジビニルベンゼン、アリルアクリレート、ブチレングリコールジアクリレート等)を共重合して架橋させたゴム層であってもよい。
シリコーンゴムとしては、例えば、シリコーン成分(ポリジメチルシロキサン、ポリフェニルシロキサン等)で構成されたゴムが挙げられる。
スチレンゴムとしては、例えば、スチレン成分(スチレン、α-メチルスチレン等)を重合した重合体ゴムが挙げられる。
共役ジエンゴムとしては、例えば、共役ジエン成分(ブタジエン、イソプレン等)を重合した重合体ゴムが挙げられる。
α-オレフィンゴムは、α-オレフィン成分(エチレン、プロピレン、2-メチルプロピレン)を重合した重合体ゴムが挙げられる。
共重合体ゴムとしては、例えば、2種以上の(メタ)アクリル成分を重合した共重合体ゴム、(メタ)アクリル成分とシリコーン成分を重合した共重合体ゴム、(メタ)アクリル成分と共役ジエン成分とスチレン成分との共重合体等が挙げられる。
シェル層の重合体の含有量は、コアシェル構造の重合体全体に対して、1質量%以上40質量%以下が好ましく、3質量%以上30質量%以下がより好ましく、5質量%以上15質量%以下がさらに好ましい。
なお、平均一次粒径とは、次の方法により測定された値をいう。走査型電子顕微鏡により粒子を観察し、一次粒子の最大径を一次粒子径とし、粒子100個について、一次粒子径を測定し、平均した数平均一次粒子径である。具体的には、樹脂組成物中のコアシェル構造の重合体の分散形態を走査型電子顕微鏡により観察することにより求める。
公知の方法としては、乳化重合法が挙げられる。製造方法として具体的には次の方法が例示される。まず単量体の混合物を乳化重合させてコア粒子(コア層)を作った後、他の単量体の混合物をコア粒子(コア層)の存在下において乳化重合させてコア粒子(コア層)の周囲にシェル層を形成するコアシェル構造の重合体を作る。
また、コア層とシェル層との間に他の層を形成する場合は、他の単量体の混合物の乳化重合を繰り返して、目的とするコア層と他の層とシェル層とから構成されるコアシェル構造の重合体を得る。
オレフィン重合体は、α-オレフィンと(メタ)アクリル酸アルキルエステルとの重合体であって、α-オレフィンに由来する構成単位を60質量%以上含むオレフィン重合体が好ましい。
ポリ(メタ)アクリレート化合物(E)は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構成単位を50質量%以上(好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは100質量%)含む化合物(樹脂)である。
ポリ(メタ)アクリレート化合物(E)を樹脂組成物に含ませると、ウエルドライン衝撃強さが向上している樹脂成形体が得られ易くなる。
なお、ポリ(メタ)アクリレート化合物(E)が有する構成単位(単量体に由来する単位)は、1種の単独であってもよいし、2種以上であってもよい。
ポリ(メタ)アクリレート化合物(E)のアルキル鎖が短いほうが、SP値がポリエステル樹脂(B)に近づくため、ポリ(メタ)アクリレート化合物(E)とポリエステル樹脂(B)の相溶性が向上し、ヘイズが良化する。
スチレン類[例えば、スチレン、アルキル置換スチレン(例えば、α-メチルスチレン、2-メチルスチレン、3-メチルスチレン、4-メチルスチレン、2-エチルスチレン、3-エチルスチレン、4-エチルスチレン等)、ハロゲン置換スチレン(例えば2-クロロスチレン、3-クロロスチレン、4-クロロスチレン等)、ビニルナフタレン(2-ビニルナフタレン等)、ヒドロキシスチレン(4-エテニルフェノール等)等のスチレン骨格を有する単量体]、
不飽和ジカルボン酸無水物[例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水グルタコン酸、無水シトラコン酸、無水アコニット酸等の「エチレン性二重結合とジカルボン酸無水物基とを有する化合物」]
等が挙げられる。
各成分の含有量又は質量比について説明する。各成分の含有量又は質量比は、ウエルドライン衝撃強さが向上している樹脂成形体が得られる観点から、次の範囲が好ましい。なお、各成分の略称は次の通りである。
成分(A)=セルロースアシレート(A)
成分(B)=ポリエステル樹脂(B)
成分(C)=エステル化合物(C)
成分(D)=重合体(D)
成分(E)=ポリ(メタ)アクリレート化合物(E)
本実施形態に係る樹脂組成物は、その他成分を含んでもよい。
その他成分としては、例えば、難燃剤、相溶化剤、酸化防止剤、離型剤、耐光剤、耐候剤、着色剤、顔料、改質剤、ドリップ防止剤、帯電防止剤、加水分解防止剤、充填剤、補強剤(ガラス繊維、炭素繊維、タルク、クレー、マイカ、ガラスフレーク、ミルドガラス、ガラスビーズ、結晶性シリカ、アルミナ、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、ボロンナイトライド等)などが挙げられる。
また、必要に応じて、酢酸放出を防ぐための受酸剤、反応性トラップ剤などの成分(添加剤)を添加してもよい。受酸剤としては、例えば、酸化マグネシウム、酸化アルミニウムなどの酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、ハイドロタルサイトなどの金属水酸化物;炭酸カルシウム;タルク;などが挙げられる。
反応性トラップ剤としては、例えば、エポキシ化合物、酸無水物化合物、カルボジイミドなどが挙げられる。
これらの成分の含有量は、樹脂組成物全量に対してそれぞれ、0質量%以上5質量%以下であることが好ましい。ここで、「0質量%」とはその他の成分を含まないことを意味する。
他の樹脂としては、例えば、従来公知の熱可塑性樹脂が挙げられ、具体的には、ポリカーボネート樹脂;ポリプロピレン樹脂;ポリエステル樹脂;ポリオレフィン樹脂;ポリエステルカーボネート樹脂;ポリフェニレンエーテル樹脂;ポリフェニレンスルフィド樹脂;ポリスルホン樹脂;ポリエーテルスルホン樹脂;ポリアリーレン樹脂;ポリエーテルイミド樹脂;ポリアセタール樹脂;ポリビニルアセタール樹脂;ポリケトン樹脂;ポリエーテルケトン樹脂;ポリエーテルエーテルケトン樹脂;ポリアリールケトン樹脂;ポリエーテルニトリル樹脂;液晶樹脂;ポリベンズイミダゾール樹脂;ポリパラバン酸樹脂;芳香族アルケニル化合物、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、およびシアン化ビニル化合物からなる群より選ばれる1種以上のビニル単量体を、重合若しくは共重合させて得られるビニル系重合体若しくは共重合体;ジエン-芳香族アルケニル化合物共重合体;シアン化ビニル-ジエン-芳香族アルケニル化合物共重合体;芳香族アルケニル化合物-ジエン-シアン化ビニル-N-フェニルマレイミド共重合体;シアン化ビニル-(エチレン-ジエン-プロピレン(EPDM))-芳香族アルケニル化合物共重合体;塩化ビニル樹脂;塩素化塩化ビニル樹脂;などが挙げられる。これら樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本実施形態に係る樹脂組成物は、例えば、セルロースアシレート(A)と、ポリエステル樹脂(B)と、エステル化合物(C)と、必要に応じて、その他成分等と、を含む混合物を溶融混練することにより製造される。他に、本実施形態に係る樹脂組成物は、例えば、上記成分を溶剤に溶解することによっても製造される。
溶融混練の手段としては公知の手段が挙げられ、具体的には、例えば、二軸押出機、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、単軸スクリュー押出機、多軸スクリュー押出機、コニーダ等が挙げられる。
本実施形態に係る樹脂成形体は、本実施形態に係る樹脂組成物を含む。つまり、本実施形態に係る樹脂成形体は、本実施形態に係る樹脂組成物と同じ組成で構成されている。
射出成形のシリンダ温度は、例えば160℃以上280℃以下であり、好ましくは180℃以上260℃以下である。射出成形の金型温度は、例えば40℃以上90℃以下であり、60℃以上80℃以下がより好ましい。
射出成形は、例えば、日精樹脂工業社製NEX500、日精樹脂工業社製NEX150、日精樹脂工業社製NEX70000、日精樹脂工業社製PNX40、住友機械社製SE50D等の市販の装置を用いて行ってもよい。
次の材料を準備した。
-合成例1(CD1の合成)-
(カルボキシル化水添カルダノール(a)の合成)
水添カルダノール(ACROS Organics製、m-n-ペンタデシルフェノール)80kgをメタノール120Lに溶解させ、これに、水酸化ナトリウム64kgを蒸留水40Lに溶解させた水溶液を加えた。その後、室温で、関東化学(株)製モノクロロ酢酸66kgをメタノール50Lに溶解させた溶液を滴下した。滴下完了後、73℃で4時間還流させつつ攪拌を継続した。反応溶液を室温まで冷却後、この反応溶液を、希塩酸でpH=1となるまで酸性化し、メタノール250Lとジエチルエーテル500L、さらに、蒸留水200Lを加えた後、水層を分離、廃棄し、エーテル層を蒸留水400Lで2回洗浄した。エーテル層に無水マグネシウムを加え乾燥させた後、これを濾別した。濾液を減圧濃縮し、固形分として黄茶色粉末状の粗生成物を得た。この粗生成物をn-ヘキサンから再結晶し、真空乾燥させることによりカルボキシル化水添カルダノール(a)の白色粉末46kgを得た。
カルボキシル化水添カルダノール(a)4.6kgに、無水酢酸1500mLを加え、100℃で1時間、加熱しながら攪拌した。これにより、無水酢酸-酢酸-カルボキシル化水添加カルダノール酸無水物混合物(b)を得た。
セルロース(日本製紙ケミカル製、製品名:KCフロック、銘柄:W-50GK)600g(乾燥重量換算)を、9000mLのジメチルスルホキシドに分散させた。この分散液を1時間攪拌し、10分間の吸引濾過によってジメチルスルホキシドを除去した。これにより、活性化処理済みセルロースを得た。
上記の活性化処理済みセルロースに、ジメチルアミノピリジン300gを脱水ジオキサ
ン15000mLに溶解させたジオキサン溶液を加えて分散液を得た。この分散液を、無水酢酸-酢酸-カルボキシル化水添加カルダノール酸無水物混合物(b)に加えた。
100℃で6時間加熱しながら攪拌した後、反応懸濁液を吸引濾過することで、固液分
離を行った。残渣として得られた固形分を洗浄、乾燥することで、中間セルロースアシレート(c)1.2kgを得た。
得られた中間生成セルロースアシレート(c)1.2kgに、ピリジン900ml、無水酢酸65mlを加え、100℃で18時間加熱しながら撹拌した後、反応液を留去し、最終セルロースアシレート(d)(CD1)1kgを得た。
(d)の一部を、分析のため、以下のように処理した。まず、(d)0.3gに、ジメチルアミノピリジン1.0gを脱水ピリジン20mLに溶解させたピリジン溶液を加え、さらに、無水プロピオン酸32mlを加えた。100℃で3時間加熱しながら撹拌した後、水・メタノールの混合溶液(体積比1:1)550mlをゆっくりと滴下して再沈殿を行い、固体を濾別した。再沈殿で得られた固体を、水・メタノール混合溶液(体積比1:1)50mlで3回洗浄し、105℃で5時間真空乾燥した。以上の処理により、固形分(長鎖短鎖結合セルロース誘導体)の残存ヒドロキシ基をプロピオニル基に変えることで、固形分を重水素化クロロホルムに可溶な状態に変性した。
変性した固形分を重水素化クロロホルムに溶解し、そのヒドロキシ基の置換度を、H1-NMR(Bruker社製、製品名:AV-400、400MHz)によって測定することで、変性前の固形分のヒドロキシ基の置換度を評価した。
得られたCD1について、既述の方法により、カルダノールに由来する基のグルコース単位当たりの個数について測定したところ0.6であった。
無水酢酸-酢酸-カルボキシル化水添加カルダノール酸無水物混合物(b)の合成で加えるカルボキシル化水添カルダノール(a)の量を4.6kgから1.2kgに代えた以外は合成例1と同様にして最終セルロースアシレート(d)(CD2)を得た。
得られたCD2について、既述の方法により、カルダノールに由来する基のグルコース単位当たりの個数について測定したところ0.16であった。
無水酢酸-酢酸-カルボキシル化水添加カルダノール酸無水物混合物(b)の合成で加えるカルボキシル化水添カルダノール(a)の量を4.6kgから10.5kgに代えた以外は合成例1と同様にして最終セルロースアシレート(d)(CD3)を得た。
得られたCD3について、既述の方法により、カルダノールに由来する基のグルコース単位当たりの個数について測定したところ2.5であった。
(無水酢酸-ステアリン酸無水物混合物(e)の合成)
ステアリン酸35kgに、無水酢酸1Lを加え、100℃で1時間、加熱しながら攪拌した。これにより、無水酢酸-ステアリン酸無水物混合物(e)40kgを得た。
セルロース(日本製紙ケミカル製、製品名:KCフロック、銘柄:W-50GK)1.2kg(乾燥重量換算)を、18Lの純水に分散させた。この分散液を24時間攪拌
し、吸引濾過によって純水を除去した。次に、得られたセルロースを18Lの酢酸に分散させ、24時間撹拌し、吸引濾過によって酢酸を除去した。続いて、得られたセルロースを18Lのヘプタン酸に分散させ、24時間撹拌し、吸引濾過によってヘプタン酸を除去した。さらに、得られたセルロースを1.8kgのステアリン酸に混ぜ、75℃で融解したステアリン酸中でこのセルロースを8時間撹拌し、20分間の加熱濾過によりステアリン酸を除去した。これにより、活性化処理済みセルロースを得た。
無水酢酸、ステアリン酸無水物混合物(e)40kgにジオキサン15Lを加え、50℃で保温し、これに上記の活性化処理済みセルロースを加え、均一に分散した。さらに、過塩素酸(70%)8mLを脱水ジオキサン7.5Lに溶解させたジオキサン溶液を加えた。 50℃で4時間加熱しながら攪拌した後、反応懸濁液を吸引濾過することで、固液分離を行った。残渣として得られた固形分を洗浄、乾燥することで、中間セルロースアシレート(f)を20kg得た。
次に、得られた中間生成セルロースアシレート(f)5kgに、ジオキサン17Lを加え、90℃で1時間撹拌することにより分散液を作製した。この分散液を30℃に冷却し、無水酢酸11Lを加え、過塩素酸(70%)1.5mLをジオキサン2.5Lに溶解したジオキサン溶液を加え、30℃で3時間加熱しながら撹拌した。 その後、反応溶液を撹拌しながら、100Lのメタノールを滴下し、粗生成物を沈殿・分離した。粗生成物を洗浄・乾燥し、最終生成セルロースアシレート(g)(CD4)を得た。
(g)15gを60℃に加熱した600mLのイソプロピルアルコールで3回洗浄し、室温の純水600mLで1回洗浄した。洗浄した固形分は105℃で5時間真空乾燥した。
得られた固形分(長鎖短鎖結合セルロース誘導体)の一部を、合成例1と同様に処理し
、NMRにより分析した。
得られたCD4について、既述の方法により、ステアロイル基のグルコース単位当たりの個数について測定したところ2.0であった。
無水酢酸-ステアリン酸無水物混合物(e)の合成で加えるステアリン酸の量を35kgから20kgに代えた以外は合成例4と同様にして最終セルロースアシレート(g)(CD5)を得た。
得られたCD5について、既述の方法により、ステアロイル基のグルコース単位当たりの個数について測定したところ1.5であった。
無水酢酸-酢酸-カルボキシル化水添加カルダノール酸無水物混合物(b)の合成で加えるカルボキシル化水添カルダノール(a)の量を4.6kgから0.8kgに代えた以外は合成例1と同様にして最終セルロースアシレート(d)(CD6)を得た。
得られたCD6について、既述の方法により、カルダノールに由来する基のグルコース単位当たりの個数について測定したところ0.14であった。
無水酢酸-酢酸-カルボキシル化水添加カルダノール酸無水物混合物(b)の合成で加えるカルボキシル化水添カルダノール(a)の量を4.6kgから12kgに代えた以外は合成例1と同様にして最終セルロースアシレート(d)(CD7)を得た。
得られたCD7について、既述の方法により、カルダノールに由来する基のグルコース単位当たりの個数について測定したところ2.6であった。
・PE1: 「Ingeo3001D(ネイチャーワークス社)」、ポリ乳酸
・PE2: 「テラマックTE2000(ユニチカ(株))」、ポリ乳酸
・PE3: 「レイシアH100(三井化学(株))」、ポリ乳酸
・PE4: 「アオニレックスX151A((株)カネカ)」、ポリヒドロキシブチレートヘキサノエート
・PE5: 「アオニレックスX131A((株)カネカ)」、ポリヒドロキシブチレートヘキサノエート
・PE6: 「バイロペットEMC500(東洋紡(株))」、ポリエチレンテレフタレート
・CE1: 「Daifatty 101(大八化学工業(株))」、アジピン酸エステル含有化合物、アジピン酸エステルの分子量=326~378
・CE2: 「DOA(大八化学工業(株))」、アジピン酸2-エチルヘキシル、分子量=371
・CE3: 「D610A(三菱ケミカル(株))」、アジピン酸ジ-n-アルキル(炭素数6、8、10)エステル混合物(R-OOC(CH2)4COO-R、R=n-C6H13、n-C8H17、及びn-C10H21)、分子量=314~427
・CE4: 「HA-5(花王 (株))」、アジピン酸ポリエステル、分子量=750
・CE5: 「D623(三菱ケミカル(株))」、アジピン酸ポリエステル、分子量=1800
・CE6: 「CITROFOL AI(jungbunzlauar社)」、クエン酸トリエチル、分子量=276
・CE7: 「DBS(大八化学工業(株))」、ジブチルセバゲート、分子量=314
・CE8: 「DESU(大八化学工業(株))」、ジエチルサクシネート、分子量=170
・CE9: 「D645(三菱ケミカル(株))」、アジピン酸ポリエステル、分子量=2200
・AE1: 「メタブレンW-600A(三菱ケミカル(株))」、コアシェル構造の重合体(コア層となる「アクリル酸2-エチルヘキシルとアクリル酸n-ブチルの共重合体ゴム」に、「メタクリル酸メチルとアクリル酸2-エチルヘキシルとの単独重合体ゴム」をグラフト重合してシェル層とした重合体)、平均一次粒径=200nm
・AE2: 「メタブレンS-2006(三菱ケミカル(株))」、コアシェル構造の重合体(コア層が「シリコン・アクリルゴム」、シェル層が「メタクリル酸メチルの重合体」からなる重合体)、平均一次粒径=200nm
・AE3: 「パラロイドEXL-2315(ダウ・ケミカル日本(株)ロームアンドハース社)」、コアシェル構造の重合体(コア層となる「ポリアクリル酸ブチルを主成分とするゴム」に、「メタクリル酸メチルの重合体」をグラフト重合してシェル層とした重合体)、平均一次粒径=300nm
・AE4: 「Lotoryl 29MA03(アルケマ社)」、オレフィン重合体(エチレンとアクリル酸メチルとの共重合体であって、エチレンに由来する構成単位を71質量%含むオレフィン重合体)
・PM1: 「デルペット720V(旭化成(株))」ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、Mw=55,000
・PM2: 「デルパウダー500V(旭化成(株))」、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、Mw=25,000
・PM3: 「スミペックMHF(住友化学工業(株))」、ポリメタクリル酸メチル(PMMA),Mw=9,5000
・PM4: 「デルペット980N(旭化成(株))」、メタクリル酸メチル(MMA)とスチレン(St)と無水マレイン酸(MAH)との単独共重合体(質量比=MMA:St:MAH=67:14:19)、Mw=110,000
(混練および射出成形)
表1~表3に示す仕込み組成比、かつ表1~表3に示す混練温度(シリンダ温度)で、2軸混練装置(東芝機械社製、TEX41SS)にて混練を実施し、樹脂組成物(ペレット)を得た。
得られたペレットを用いて、射出成形機(日精樹脂工業社製、NEX140III)を用い、射出ピーク圧力が180MPaを越えず、かつ表1~表3に示す成形温度(シリンダ温度)及び金型温度で、下記(1)、(3)の樹脂成形体を成形した。さらに、長手方向両側にゲートを有する金型を用いて、下記(2)の樹脂成形体を成形した。
・(1)ISO多目的ダンベル(測定部幅10mm×厚さ4mm)を成形した。
・(2)長手方向中心にウエルドラインを有するウエルドライン入りISO多目的試験片(測定部幅10mm×厚さ4mm)を成形した。
・(3)D12小形角板(寸法:60mm×60mm、厚さ2mm)を成形した。
得られた成形体について、次の評価を実施した。評価結果を表1~表3に示す。
得られたウエルドライン入りISO多目的試験片をISO179-1(2010)に準拠した方法で、ウエルドライン部にシングルノッチ、ノッチタイプA、ノッチ付き試験片の残り幅を8mmとなるノッチ形成をするようにノッチングツール(東洋精機製作所社製、A4E)を用いてノッチ加工し、衝撃強度測定装置(東洋精機製作所社製、シャルピーオートインパクテスタCHN3型)にて、エッジワイズ衝撃となるように試験片を設置し、ウエルドラインでの23℃におけるノッチ付きシャルピー衝撃強さ(ウエルドライン衝撃強さ)の測定を行った。
得られたISO多目的試験片をISO179-1(2010)に準拠した方法で、シングルノッチ、ノッチタイプA、ノッチ付き試験片の残り幅を8mmとなるようにノッチングツール(東洋精機製作所社製、A4E)を用いてノッチ加工し、衝撃強度測定装置(東洋精機製作所社製、シャルピーオートインパクテスタCHN3型)にて、エッジワイズ衝撃となるように試験片を設置し、23℃におけるノッチ付き衝撃強さを測定した。
得られたD12小形角板に対して、直径50mm、質量500gの鋼球を0.2、0.4、0.6、0.8、1.0mの高さから落下衝突させた。この試験を各落下高さについて3回行い、2回以上角板の一部が完全に破断し、複数の破片となる高さを耐鋼球落下性として評価した。
得られたD12小形角板を成形後24時間以上室温にて静置し、角板の4辺の長さを測定し、MD(流動方向)、TD(MDと直交する方向)の平均値を算出し、吸水前寸法とした。これらの角板を室温で水中に72時間浸漬した後、同様にMD、TDの平均値を算出し、吸水後寸法とした。これらから、以下の式に従って、2方向の吸水寸法変化率を算出し、その平均を吸水寸法変化率とした。
吸水寸法変化率(%)={(吸水後寸法)/(吸水前寸法)-1}×100
Claims (12)
- 炭素数12以上の炭化水素鎖を有する基を側鎖に有するセルロースアシレート(A)と、
ポリエステル樹脂(B)と、
分子量250以上2000以下のエステル化合物(C)と、
を含み、
前記セルロースアシレート(A)に対する前記ポリエステル樹脂(B)の質量比((B)/(A))が0.05以上0.5以下であり、前記セルロースアシレート(A)に対する前記エステル化合物(C)の質量比((C)/(A))が0.02以上0.15以下である樹脂組成物。 - 炭素数12以上の炭化水素鎖を有する基を側鎖に有するセルロースアシレート(A)と、
ポリエステル樹脂(B)と、
分子量250以上2000以下のエステル化合物(C)と、
を含み、
ウエルドライン衝撃強さが10kJ/m2以上であって、前記ウエルドライン衝撃強さを、シャルピー衝撃強さで除した値が0.5以上である樹脂組成物。 - 前記炭素数12以上の炭化水素鎖を有する基が、カルダノールに由来する基およびステアロイル基の少なくとも一方である請求項1又は請求項2に記載の樹脂組成物。
- 前記炭素数12以上の炭化水素鎖を有する基のグルコース単位当たりの個数が0.15以上2.5以下である請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- コア層と前記コア層の表面上に(メタ)アクリル酸アルキルエステルの重合体を含むシェル層とを有するコアシェル構造の重合体、及び、α-オレフィンに由来する構成単位を60質量%以上含むオレフィン重合体から選択される少なくとも1種の重合体(D)を含む請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- (メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構成単位を50質量%以上含むポリ(メタ)アクリレート化合物(E)を含む請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 前記ポリエステル樹脂(B)が、ポリヒドロキシアルカノエートである請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 前記ポリエステル樹脂(B)が、ポリ乳酸である請求項7に記載の樹脂組成物。
- 前記エステル化合物(C)が、脂肪酸エステル化合物である請求項1~請求項8のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 前記エステル化合物(C)が、アジピン酸エステル含有化合物である請求項9に記載の樹脂組成物。
- 請求項1~請求項10のいずれか1項に記載の樹脂組成物を含む樹脂成形体。
- 射出成形体である請求項11に記載の樹脂成形体。
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